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政府委員(
佐野文一郎君) 率直に申しまして、この学徒援護会は自己の経営する寮の管理をめぐって非常に苦い経験をいたしております。そのことはもちろん援護会の責任だけに帰することができるわけではございませんし、戦後長い間の経緯があった上でのことではございますけれ
ども、なかなか寮に入っている者の十分な管理ができないというようなことがあって、むしろ援護会は英断をもってそれぞれの不正常な管理の
状況にあった寮を逐次整理をしてきたわけでございます。ただ、整理をするということだけではなくて、
先ほど申しました京都の学生センター、学生研修所につきましては、これは従来の古い寮を整理をいたしまして、それにかわるものとしてつくっているわけでございます。この研修所は
先ほども申しましたように、もちろん宿泊の場の提供も可能でございます。寮ではございませんけれ
ども、宿泊をしてそこで研修をするということができるようになっております。こういった新しい形の事業というものについては、私たちも注目をしておりますし、学徒援護会も意欲的になっているわけですけれ
ども、まずこの京都の学生センターの運営の
状況というものをもう少し見定めまして、その上で、学徒援護会の方にも今後の
計画はあるようでございますけれ
ども、私たちも、この京都の学生センターのような趣旨のものを増設をしていくということは
考えていいことではあろうと思います。もちろんこれから
検討をしていかなければならないことでございますが、各地に寮をつくるということについては、いま申しましたような経緯もありまして、なかなかにわかにその方向には進めがたいものがあるわけでございます。