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政府委員(
磯邊律男君) ええ、ですから、その代表としての天下一家の会でありますが、ネズミ講をやっておりますのは、私たちの把握しておるところでは、まず人格のない社団としての天下一家の会・第一相互経済研究所というのがございます。それと、それから別に、ただいま議論になっております財団
法人天下一家の会というのがございます。それからもう
一つ宗教
法人大観宮というのがあるわけでございます。この三つの会長もしくは代表役員というのに内村健一氏が就任しているわけでございます。
国税関係で問題となっておりますのは、内村健一氏が個人時代にやっておりました個人の所得税
関係の問題、それからその後、人格のない社団となりまして、
法人税の申告をするようになりました人格のない社団天下一家の会・第一相互経済研究所にかかる
法人税の問題、それから財団
法人天下一家の会の税金の問題それから会員である
法人もしくは個人、その人たちが利益の分配か、要するに送金を受けましたときのそれの税金
関係、大きく分けて、そういうふうに分けられると思うわけであります。
このうちに、まず歴史的に申しますと、内村建一氏個人の所得税の問題につきましては、これは御承知のように熊本
国税局におきまして、所得税法違反として国犯法によりまして査察立件をいたしました。その後、熊本
地方検察庁にこれを告発し、現在、熊本
地方検察庁はこれを起訴いたしまして、公判係属中でございます。これの脱税額、私たちが告発いたしまして、同時に熊本地検で起訴いたしました脱税額は、税額にいたしまして本税十九億六千五百六十三万九千円ということになっておって、これは現在公判係属中であります。
それから、その後、内村健一氏は、先ほど言いました人格のない社団である天下一家の会・第一相互経済研究所といういわば
法人形態の組織を、これは正式の
法人でありませんけれ
ども、
法人形態の組織をとりまして、それによって、その後、
法人税としての申告をやっております。ところが、これは個別的な
課税問題ございますので、
数字を申し上げるのは御遠慮さしていただきたいと思いますけれ
ども、非常に
課税問題について議論がございました。第一相互経済研究所としては、会員から入会金として収入するその入会金というものは、これは収益ではないというふうなことで、事実申告いたしておりますのは若干の賃貸料収入等でございます。それに対しまして熊本
国税局としては、この入会金そのものが収益
事業によって得た収入であるというところで、これを収入金として
課税いたしました。その間膨大な更正税額が出てきておるわけであります。現在税務処理といたしましては、五十一年三月期、これは税務調査が終わりまして、いまのところ納税も済ましておりますけれ
ども、現在五十二年三月期についてほぼ調査が終わりまして、近くこれについての処理をするということになっておるわけであります。
それから、さらに財団
法人天下一家の会というのがございますが、これは先生御承知のように、昨年の十二月二十日付をもって名称とそれから役員の変更登録の職権による取り消し抹消がございました。ところが、これに対しまして天下一家の会から膨大な寄付金が支出されております。それからさらに会員から第一相互経済研究所の指令によりまして入会金の一定割合、これは二五%になっておりますけれ
ども、これを財団
法人天下一家の会に寄付しておるわけであります。この寄付金はどうなるかということでありますけれ
ども、これは支出した方、これはぞれそれの個人が支出したのじゃなくて、むしろそういった会員の金を第一相互経済研究所が受け取りまして、それを収入したんだというふうに私たちは考えております。したがいまして、その寄付金というのは、個人からの寄付金じゃなくて第一相互経済研究所からの寄付金であるというふうに認定いたしまして、そしてこれにつきましては第一相互経済研究所の
法人税を
課税するに当たりまして損金算入についての限度計算をやっておりまして、一定の割合以上はこれを否認いたしまして、
法人税として
課税しておるわけであります。これを受け取りました財団
法人天下一家の会は、これは現在変更登記が職権で抹消されましたので、これを受け取りましたその寄付金というのが一体何なのかということがいま
課税上問題となっております。これが財団
法人天下一家の会の会長個人の内村健一がもらったのか、それともどういうふうに法律の
関係を考えたらいいのかというところで、現在
関係方面と法律上の問題については検討中であります。
なお、もう
一つの宗教
法人大観宮につきましては、これはまさに宗教
法人でございますから、収益
事業をやらない限りこれに対しての
課税は起きないということであります。
それから会について言いますと、
法人と個人とございますけれ
ども、
法人について言いますと、これはもちろん分配金がありましたら
法人の益金算入として
法人税の
課税を受ける。それから個人につきましてそういった収入金がありました場合には、これは雑所得として
課税するというところで、これはわれわれとしては資料を集めまして、それぞれの税務署において
課税処理をしておるということでございます。
以上でございます。