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1978-01-26 第84回国会 参議院 予算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年一月二十六日(木曜日)    午後六時三十七分開会     —————————————    委員異動  十二月二十一日     辞任         補欠選任      山崎  昇君     安永 英雄君  十二月二十二日     辞任         補欠選任      小柳  勇君     藤田  進君      秋山 長造君     吉田忠三郎君      安永 英雄君     竹田 四郎君      寺田 熊雄君     赤桐  操君      片山 甚市君     野田  哲君      対馬 孝且君     志苫  裕君      矢田部 理君     大木 正吾君  一月二十五日     辞任         補欠選任      青島 幸男君     下村  泰君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鍋島 直紹君     理 事                 戸塚 進也君                 内藤誉三郎君                 中村 太郎君                 宮田  輝君                 竹田 四郎君                 吉田忠三郎君                 多田 省吾君                 内藤  功君                 栗林 卓司君     委 員                 浅野  拡君                 岩動 道行君                 糸山英太郎君                 小澤 太郎君                 亀井 久興君                 下条進一郎君                 成相 善十君                 林  ゆう君                 三善 信二君                 望月 邦夫君                 八木 一郎君                 赤桐  操君                 大木 正吾君                 志苫  裕君                 福間 知之君                 藤田  進君                目黒今朝次郎君                 峯山 昭範君                 矢追 秀彦君                 矢原 秀男君                 上田耕一郎君                 渡辺  武君                 井上  計君                 下村  泰君                 柿沢 弘治君                 秦   豊君    国務大臣        内閣総理大臣   福田 赳夫君        法 務 大 臣  瀬戸山三男君        外 務 大 臣  園田  直君        大 蔵 大 臣  村山 達雄君        文 部 大 臣  砂田 重民君        厚 生 大 臣  小沢 辰男君        農 林 大 臣  中川 一郎君        通商産業大臣   河本 敏夫君        運 輸 大 臣  福永 健司君        郵 政 大 臣  服部 安司君        労 働 大 臣  藤井 勝志君        建 設 大 臣  櫻内 義雄君        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)        (北海道開発庁        長官)      加藤 武徳君        国 務 大 臣        (内閣官房長        官)       安倍晋太郎君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)        (沖繩開発庁長        官)      稻村左近四郎君        国 務 大 臣        (行政管理庁長        官)       荒舩清十郎君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  金丸  信君        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       宮澤 喜一君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       熊谷太三郎君        国 務 大 臣        (環境庁長官)  山田 久就君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  櫻内 義雄君    政府委員        内閣法制局長官  真田 秀夫君        経済企画庁調整        局長       宮崎  勇君        大蔵省主計局長  長岡  實君        大蔵省主税局長  大倉 眞隆君        大蔵省理財局長  田中  敬君    事務局側        常任委員会専門        員        菊地  拓君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○昭和五十二年度一般会計補正予算(第2号)  (内閣送付予備審査) ○昭和五十二年度特別会計補正予算(特第2号)  (内閣送付予備審査) ○昭和五十二年度政府関係機関補正予算(機第2  号)(内閣送付予備審査) ○昭和五十三年度一般会計予算内閣送付予備  審査) ○昭和五十三年度特別会計予算内閣送付予備  審査) ○昭和五十三年度政府関係機関予算内閣送付、  予備審査)     —————————————
  2. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事補欠選任を行います。  委員異動に伴い理事二名が欠員となっております。  理事補欠選任につきましては、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事吉田忠三郎君、竹田四郎君を指名いたします。     —————————————
  4. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 昭和五十二年度一般会計補正予算  昭和五十二年度特別会計補正予算  昭和五十二年度政府関係機関補正予算  昭和五十三年度一般会計予算  昭和五十三年度特別会計予算  昭和五十三年度政府関係機関予算  以上六案を一括して議題といたします。  これより趣旨説明を聴取いたします。大蔵大臣村山達雄君。
  5. 村山達雄

    国務大臣村山達雄君) 昭和五十二年度第二次補正予算及び昭和五十三年度予算の大要につきましては、先日、本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、その概要を御説明いたします。  まず、先に提出いたしました昭和五十二年度第二次補正予算について申し述べます。  歳出につきましては、まず、景気回復等を図るため、公共事業等につき三千六百六十四億円を追加計上することとし、いわゆる十五カ月予算考え方のもとに、昭和五十三年度予算と合せ、切れ目のない執行を図ることとしております。  また、最近における経済情勢に顧み、信用補完制度強化を図るため中小企業信用保険公庫に対する出資金増額する等、中小企業特別対策費追加を行うこととしております。  なお、予見しがたい税収減少等によって決算上の不足が生じる場合に対処するため、別途御審議をお願いいたします決算調整資金に関する法律案に基づき、昭和五十二年度において決算調整資金を創設することとし、同資金への繰り入れに要する経費二千億円を計上することとしております。  以上のほか、国債整理基金特別会計繰り入れ追加七十九億円を計上いたしております。  これらを合わせた歳出追加総額は五千八百六十八億円となっておりますが、他方、既定経費節減二百四十六億円の修正減少を行うこととしておりますので、この補正による歳出総額増加は五千六百二十二億円となっております。  歳入につきましては、景気停滞等に伴い、租税及び印紙収入について八千六十億円の減収を見込むとともに、雑収入について二十二億円の増収を見込んでおります。以上の歳出追加歳入減少等に伴う財源不足額一兆三千六百六十億円につきましては、建設公債を三千四百七十億円追加発行するとともに、残余の一兆百九十億円につきましては、特例公債追加発行を予定しております。この結果、昭和五十二年度の第二次補正予算公債依存度は三四%となっております。  以上によりまして、昭和五十二年度一般会計第二次補正予算総額は、歳入歳出とも第一次補正予算額に対し五千六百二十二億円増加して二十九兆三千四百六十六億円となるのであります。  なお、地方交付税交付金につきましては、今回の一般会計予算補正により、所得税法人税及び酒税収入見込み額合算額が減少するにもかかわらず、特に立法措置を講じてこれを減額しないこととし、地方財政運営に支障を生じることのないよう配慮しているところであります。  次に、特別会計予算におきましては、以上の一般会計予算補正等に関連して、国立学校特別会計道路整備特別会計等十二特別会計歳入歳出予算等について所要補正を行うことといたしております。  また、政府関係機関予算におきましては、工事費追加等に伴い、日本国有鉄道及び日本電信電話公社について所要補正を行うことといたしております。  なお、財政投融資計画につきましては、今回の補正予算において、国立病院特別会計特定土地改良工事特別会計及び日本国有鉄道に対し総額七百六億円の追加を行うことといたしております。  次に、昭和五十三年度予算について御説明いたします。  昭和五十三年度予算につきましては、財政節度維持にも配意しつつ、景気の速やかな回復を図るため、財政が主導的な役割りを果たす必要があるとの基本的な考え方に立って、臨時異例財政運営を行うこととして編成いたしました。  このため、予算投資部門経常部門に分けて検討し、投資的経費については、国民生活充実基盤となる社会資本整備促進しながら景気回復を早めるため、積極的にその規模拡大することとする反面、経常的経費については、財政節度維持に努める見地から極力その規模を抑制することといたしました。すなわち、投資的経費総額は、公共事業等予備費二千億円を含め七兆五千百十二億円と、前年度当初予算に対し三一・七%の大幅な増加確保する一方、経常的経費総額は二十六兆七千八百三十八億円と、前年度当初予算に対し一七・四%の増加にとどめております。  この結果、両部門を合わせた一般会計予算規模は、前年度当初予算に対し二〇・三%増の三十四兆二千九百五十億円となっております。  また、財政投融資計画につきましても、民間資金の活用を図りつつ、計画規模経済動向に即した適度なものとすることとし、前年度当初計画に対し一八・七%増の十四兆八千八百七十六億円としております。  次に、公債につきましては、経常的経費財源に充てられる特例公債の額及びその経常的経費総額に対する割合、すなわち特例公債依存度は極力抑制することに努めましたが、全体としては、昭和五十三年度においても多額の公債発行を行わざるを得ない状況にあり、公債発行限度額を十兆九千八百五十億円としております。その内訳は、建設公債六兆五百億円及び特例公債四兆九千三百五十億円となっております。  この結果、公債依存度は三二%、また特例公債依存度は一八・四%となっておりますが、後に申し述べます五月分税収年度所属区分変更を行わないこととした場合の公債依存度は約三七%、また特例公債依存度は約二四%にも達することとなります。  なお、別途、特例公債発行のための、昭和五十三年度における財政処理のための公債発行及び専売納付金納付特例に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることといたしております。  また、政府保証債発行額は一兆三千六百億円といたしております。  まず、一般会計中心概要について申し述べます。  歳入予算内訳は、租税及び印紙収入二十一兆四千五百億円、税外収入一兆八千四百七十三億円、公債金十兆九千八百五十億円及び前年度剰余金受け入れ百二十七億円となっております。  歳入予算のうち、租税及び印紙収入について申し述べます。  昭和五十三年度の税制改正におきましては、まず、財政健全化に資するため、酒税及び有価証券取引税の税率の引き上げを行うとともに、新たに石油税を創設することとしております。  また、租税特別措置について、税負担公平確保見地から引き続きその整理合理化推進する一方、現下の経済情勢に顧み、住宅建設及び民間設備投資促進に資するため、住宅取得控除制度拡充するとともに、一年限りの臨時措置として税額控除による投資促進税制実施することとしております。このほか、海外子会社等を通じる租税回避対策中小企業対策等のため所要措置を講じることとしております。  なお、関税率につきましても所要改正を行うこととしております。  また、昭和五十三年度の税収伸び悩みを補い、財源確保を図るとともに、地方財政対策等にも資するため、昭和五十三年度内に納税義務が成立し昭和五十四年五月中に収納される税収について、年度所属区分変更して、これを昭和五十三年度所属歳入として受け入れることとし、所要制度改正を行うこととしております。  昭和五十三年度の租税及び印紙収入予算額は、現行法による収入見込み額十九兆八百八十億円に、以上申し述べました五月分税収年度所属区分改正による増収見込み額二兆百四十億円と昭和五十三年度の税制改正による増収見込み額三千四百八十億円とを加えた二十一兆四千五百億円といたしております。これは前年度当初予算に対して三兆二千百億円の増加となっております。  税外収入一兆八千四百七十三億円のうち、日本専売公社納付金は七千百五億円と見込んでおりますが、この金額には、別途御審議をお願いいたします昭和五十三年度における財政処理のための公債発行及び専売納付金納付特例に関する法律案に基づく特別納付金一千五百六十九億円を含んでおります。  次に、歳出の主な経費につきまして順次御説明いたします。  社会保障関係費といたしましては、国民生活の安定と国民福祉向上に資する見地から重点的にその充実を図ることとし、前年度予算に対し一兆八百九十一億円、一九・一%増の六兆七千八百十一億円を計上いたしております。  すなわち、社会的、経済的に弱い立場にある人々の生活の安定に資するため、生活保護基準引き上げ厚生年金拠出制国民年金及び福祉年金年金額引き上げ等を行うほか、心身障害者対策老人対策についてきめ細かい配慮を払っております。  また、社会福祉施設について、入所者及び職員の処遇改善健康管理対策充実を図るとともに施設整備拡充を行っております。  このほか、新たに、国民健康づくり対策推進を図るため、予算を大幅に増額するとともに、救急医療を初めとする医療供給体制整備推進することとしております。  さらに、雇用対策については、景気回復を通じて雇用の安定と増大を図るとともに、最近の雇用情勢に対処するため、前国会で成立した特定不況業種離職者臨時措置法等実施に必要な措置を講じ、また、雇用安定資金制度充実等を図ることとしております。  文教及び科学振興費といたしましては、前年度当初予算に対し四千九百三十八億円、一四・七%増の三兆八千五百十六億円を計上しております。  文教につきましては、公立文教施設整備促進することとし、公立小中学校老朽校舎等改築事業等につき、事業量の大幅な拡大を図ることといたしております。さらに、国立医科大学及び教員大学創設等高等教育機関整備私立学校に対する助成育英事業充実学校災害救済制度改善義務教育等教職員定数改善、就学困難な児童生徒に対する援助充実強化社会教育及び体育の振興等各般施策を講じております。  科学技術振興につきましては、新技術開発等中心として、時代の要請に即応した諸施策を講じることといたしております。  以上のほか、芸術文化振興等施策につきましても十分配意いたしております。  国債費につきましては、一般会計負担に属する国債償還及び利子の支払い等に要する財源国債整理基金特別会計繰り入れるため三兆二千二百二十七億円を計上いたしております。  恩給関係費につきましては、恩給年額引き上げ公務扶助料引き上げ等改善措置を講じることとし、一兆三千二百九十一億円を計上いたしております。  次に、地方財政対策といたしましては、地方交付税交付金について、さきに申し述べました年度所属区分変更後の国税三税の三二%相当額過年度精算分等を加減した金額五兆三千九百六十八億円を計上するほか、臨時地方特例交付金二千二百五十一億円及び資金運用部資金からの借入金一兆五千五百億円の特例措置を講じること等により、地方団体へ交付すべき地方交付税交付金総額として七兆四百億円を確保することとしております。  なお、地方財政が好転し、あるいは地方税財政制度基本的改正が行われるまでの間の措置として、昭和五十三年度以降、交付税及び譲与税配付金特別会計借入金償還につき、実質的に国がその二分の一を負担する旨を法定することとしております。昭和五十年度及び昭和五十一年度に同特別会計が行った借入金償還についても、これに準じて地方負担の軽減を図ることとしております。  また、地方債につきましては、その円滑な消化等を図るため、政府資金を大幅に増額するとともに、一般市町村に係るいわゆる財源対策債については原則として全額政府資金で引き受ける等、きめ細かな配慮を払っております。  この際、私は、地方公共団体に対し、国と同一の基調により、国民生活充実基盤となる社会資本整備に努め、一般行政経費節減合理化推進するとともに、財源の重点的かつ効率的配分を行い、節度ある財政運営を図るよう要請するものであります。  防衛関係費につきましては、自衛隊の維持運営基地周辺整備事業等に必要な経費として、総額一兆九千十億円を計上いたしております。  公共事業関係費につきましては、いわゆる十五カ月予算考え方のもとに、昭和五十二年度第二次補正予算と合せ、切れ目のない執行確保しつつ、積極的に規模拡大を図ることとしました。その結果、昭和五十三年度の公共事業関係費は、昭和五十二年度当初予算に対し二七・三%と大幅に増加し、五兆四千五百一億円となっております。このうち、災害復旧等事業費を除く一般公共事業関係費は、前年度当初予算に対し三四・五%増加し、過去最高の増加となっております。  公共事業関係費の内容につきましては、住宅、下水道・環境衛生等生活関連施設拡充のほか、治山治水等国土保全施設整備農業基盤整備等推進を図ることとしております。特に住宅対策につきましては、住宅金融公庫貸付枠を大幅に拡大するとともに、個人住宅貸付限度額引き上げ措置等を講じ、その充実を図ることとしております。  公共事業等の施行に当たりましては、その円滑な消化が図られるよう実施体制整備するとともに、資材等の需給、価格動向等にも十分留意してまいりたいと考えております。  なお、道路整備事業につきましては、昭和五十三年度を初年度とする長期計画を策定することとしております。  経済協力費につきましては、わが国の国際的立場に顧み、二国間無償援助の大幅な増額技術協力の一層の充実を図る等、質量ともにその拡充につき特段の配慮を加えております。  中小企業対策費につきましては、特に中小企業倒産防止共済制度創設等中小企業経営安定対策推進及び中小企業信用保険公庫に対する出資増額等信用補完制度充実に重点的に配意するとともに、政府系中小企業金融機関及び中小企業振興事業団融資規模拡大等各般にわたる施策推進することといたしております。また、輸出関連中小企業に対する為替変動対策緊急融資制度充実を図ることとしております。  エネルギーの安定的な確保は、国民生活経済基盤にかかわる基本的な問題であることに顧み、エネルギー対策を一層推進することとし、このための石油備蓄対策等大幅拡充等に伴う財源不足に対処するため、新たに一般会計から石炭及び石油対策特別会計石油勘定所要額繰り入れることとしております。また、引き続き原子力平和利用研究促進等を図ることとしております。  農林水産関係予算におきましては、総合的な食糧自給力向上農林水産業の健全な発展を図ることを基本として、国民食糧需要動向に対応した食糧生産体制整備のための諸施策推進し、農産物の価格及び流通対策農業後継者確保対策等充実を図るほか、二百海里漁業水域対策についても所要施策を講じることとしております。  次に、以上の説明と重なるところもありますが、物価対策公害防止及び環境保全対策並びに日本国有鉄道助成について申し述べます。  まず、物価の安定を図るため、引き続き低生産性部門生産性向上流通対策労働力流動化促進生活必需物資等安定的供給等施策実施することといたしております。  次に、公害防止及び環境保全対策につきましては、引き続き生活環境施設整備大気汚染水質汚濁等に対する対策自然環境保護等各般にわたる施策推進に努めることといたしております。  また、日本国有鉄道財政再建問題につきましては、昨年末にその基本方針を定めたところでありますが、経営合理化を一層推進するほか、所要運賃等の改定を見込むこととし、これらとあわせて、引き続き助成措置拡充を図ることとしております。  以上、主として一般会計について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関予算につきましても、一般会計に準じ、資金重点的配分経費効率的使用に努め、事業の適切な運営を図ることといたしております。  財政投融資計画につきましては、以上それぞれ関係する項目において説明したところでありますが、その資金配分に当たっては、社会資本整備促進するとともに、景気の着実な回復を早めるため、融資部門よりも事業部門を重視し、日本国有鉄道住宅金融公庫、日本道路公団、地方公共団体等事業部門に対して傾斜的配分を行うことといたしました。その結果、事業部門計画規模は、前年度当初計画に対し二四・六%増の九兆五千六百六十六億円となっております。なお、使途別には、引き続き住宅生活環境整備文教等国民生活の安定と向上に直接役立つ分野に対し資金を重点的に配分することとし、財政投融資計画全体の三分の二に相当する十兆一千九百三十一億円を充てることといたしております。  その原資といたしましては、産業投資特別会計三百七億円、資金運用部資金十二兆二百八十四億円及び簡保資金一兆四千六百三十億円を計上するほか、政府保証債及び政府保証借入金一兆三千六百五十五億円を予定しております。  以上、昭和五十二年度第二次補正予算及び昭和五十三年度予算につきまして、その概要を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきたいと存じます。
  6. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) これより政府委員から順次補足説明を聴取いたしますが、慣例により大蔵大臣にはお残りを願いまして、総理大臣以下他の閣僚におかれましては御退席をいただいて結構でございます。  それでは、順次補足説明を聴取いたします。まず、長岡主計局長
  7. 長岡實

    政府委員長岡實君) 昭和五十二年度第二次補正予算及び昭和五十三年度予算概要につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして補足説明いたします。  初めに、昭和五十二年度第二次補正予算について御説明いたします。  まず、一般会計予算歳出補正について御説明いたします。  公共事業等追加三千六百六十四億円の内訳は、一般公共事業関係費三千三百二十億円、その他の施設費三百四十四億円となっております。  一般公共事業関係費につきましては、治山治水対策事業費六百六億円を追加するとともに、道路整備事業費一千六十三億円、港湾漁港空港整備事業費百二十六億円、下水道環境衛生等施設整備費八百四十三億円、農業基盤整備費六百十億円及び林道工業用水等事業費七十二億円をそれぞれ追加することといたしております。  また、その他の施設費につきましては、社会福祉施設整備費二十億円、文教施設整備費百八十二億円、特定国有財産整備費四十四億円、農業構造改善事業費補助金十一億円等をそれぞれ追加することといたしております。  中小企業特別対策費追加百二十五億円の内訳は、商工組合中央金庫に対する出資金三十億円、中小企業信用保険公庫に対する出資金九十億円及び信用保証協会基金補助金五億円であります。  決算調整資金への繰り入れ二千億円は、決算調整資金に関する法律案に基づく決算調整資金への繰り入れに必要な経費であります。  なお、同資金は、予見しがたい租税収入の減少等により、一般会計歳入歳出決算不足が生ずることとなる場合に、その不足を補てんすることを目的として、一般会計に設けられるものであります。  国債整理基金特別会計への繰り入れ七十九億円は、今回の補正予算において公債発行予定額が追加されることに伴う証書等製造費及び国債事務取扱手数料として、国債整理基金特別会計への繰り入れを行うために必要な経費追加計上しているものであります。  既定経費節減二百四十六億円は、既定経費の不用額を修正減少するものであります。  次に、歳入予算補正について御説明いたします。  租税及び印紙収入につきましては、景気停滞等に伴い八千六十億円の減収を見込んでおります。  公債につきましては、建設公債を三千四百七十億円、特例公債を一兆百九十億円、それぞれ増額することとしておりますので、昭和五十二年度の公債発行予定額は、建設公債五兆二百八十億円、特例公債四兆九千五百七十億円、合計九兆九千八百五十億円となります。  雑収入二十二億円のうち主なものは、貨幣交換差増二十一億円であります。  特別会計予算につきましては、一般会計補正予算における公共事業等追加等に関連し、国立学校特別会計道路整備特別会計等十二特別会計歳入歳出予算等について所要補正を行うことといたしております。  政府関係機関予算につきましては、工事費追加等に伴い、日本国有鉄道及び日本電信電話公社について所要補正を行うことといたしております。  次に、昭和五十三年度予算について御説明いたします。  まず、財政規模について御説明いたします。  昭和五十三年度一般会計予算投資的経費総額は七兆五千百十二億円であって、前年度当初予算に対し三一・七%の増加となっており、また、経常的経費総額は二十六兆七千八百三十八億円であり、前年度当初予算に対し一七・四%の増加となっております。  この結果、両部門を合わせた一般会計予算総額は、歳入歳出とも三十四兆二千九百五十億円であって、前年度当初予算に対し二〇・三%の増加となっております。  ちなみに、昭和五十三年度の経済見通しによれば、国民経済計算上の中央、地方を含めた政府の資本支出の伸び率は二〇・八%程度であり、国民総生産の伸び率一二・〇%前後を大幅に上回るものとなっております。  次に、歳入について御説明いたします。  まず、税外収入は一兆八千四百七十三億円でありますが、その内訳は、専売納付金七千百三十五億円、官業益金及び官業収入五十三億円、政府資産整理収入三百七十三億円並びに雑収入一兆九百十二億円となっております。なお、専売納付金には、日本専売公社の特別納付金一千五百六十九億円が含まれております。  前年度剰余金受け入れ百二十七億円は、昭和五十一年度の繰り越歳出予算財源控除後の新規発生剰余金三千百七十一億円から、昭和五十二年度第一次補正予算に計上された三千四十四億円を差し引いた残額でありまして、交通安全対策特別交付金に充てられることになっております。  なお、大蔵省証券及び一時借入金の最高額につきましては、国庫の資金繰りを考慮し、予算総則において三兆八千億円と定めております。  次に、歳出について、社会保障関係費から御説明いたします。  社会的、経済的に弱い立場にある人々に対する施策として、生活扶助基準を一一%引き上げる等、生活保護の改善を図るとともに、社会福祉施設入所者生活費の引き上げ、失業対策事業就労者の賃金日額の引き上げ、児童扶養手当及び特別児童扶養手当の手当額の引き上げ、重度障害者に対する福祉手当の手当額の引き上げ、世帯更生貸付補助金及び母子福祉貸付金の大幅な増額、原爆被爆者に対する特別手当の手当額の引き上げ等措置を講じることといたしております。  国民の健康確保という面につきましては、新たに、健康づくりのための諸施策推進することとし、市町村保健センターの設置、健康づくりの啓蒙普及等を行うこととして、大幅に予算増額するとともに、救急医療体制については、前年度に引き続き、その体系的整備を図ることといたしております。  厚生年金及び拠出制国民年金等につきましては、物価にスライドして給付水準を七・六%引き上げるほか、厚生年金の遺族年金に対する寡婦加算額の引き上げ等改善を行うことといたしております。また、無年金者を救済する措置として、国民年金等の保険料の特例納付措置を講じることといたしております。福祉年金につきましては、老齢福祉年金の支給月額を一万五千円から一万六千五百円に引き上げる等の措置を講じることといたしております。  雇用対策につきましては、景気回復を通じて雇用の安定と増大を図ることと相まって、最近の雇用情勢に対処するため、特定不況業種離職者臨時措置法等に基づき離職者等に対する手当の支給等を行うとともに、失業の予防、円滑な職業転換等のための雇用安定資金制度の運用に要する経費の大幅な増額を図るほか、中高年齢者の雇用対策充実等各般措置を講じることといたしております。  次に、文教及び科学振興について御説明いたします。  まず、公立文教施設整備につきましては、公立小中学校老朽校舎等の改築及び児童生徒急増市町村における小中学校校舎の新増築等に重点を置いて事業量拡大を図るほか、公立高等学校等新増設建物整備事業に対する補助を大幅に増額する等、施策充実を図ることとし、前年度当初予算に対し三八・九%増の四千四百六十二億円を計上いたしております。  私学の助成につきましては、私立大学等経常費補助金を前年度当初予算に対し二三・二%増の一千九百七十五億円といたしておりますほか、都道府県による高等学校以下の私立学校に対する経常費助成促進させるための私立高等学校等経常費助成費補助金についても前年度当初予算に対し四六・七%増の四百四十億円を計上いたしております。  国立学校につきましては、国立医科大学及び教員大学の創設、放送教育開発センターの設置、学部の改組等を行うとともに、大学入試センターの整備を行うことといたしております。  また、育英事業につきましては、国立大学の授業料の改定に伴い、育英奨学金の貸与月額を引き上げるなど、その拡充を図ることといたしております。  なお、学校災害に係る互助共済事業につきましては、昭和五十三年度から、その給付水準を大幅に引き上げることとしておりますが、これに要する財源につきましては、新たに国も相当額の補助を行うこととし、原則として保護者負担増加をもたらさないよう十分に配慮いたしております。  さらに、科学技術振興につきましては、時代の要請に即応した科学技術の研究開発に努めることとして三千九十四億円を計上いたしております。  国債費三兆二千二百二十七億円の内訳は、国債及び借入金償還費五千百九十四億円、国債利子等二兆六千二百八十一億円及び国債事務取扱費七百五十二億円であります。  恩給につきましては、恩給年額を平均七・一%引き上げるとともに、公務扶助料の最低保障額の引き上げ、傷病恩給の改善、旧軍人等の加算恩給の減算率の緩和等の措置を講じることといたしております。  公共事業関係費につきましては、前年度当初予算額に対して二七・三%増の五兆四千五百一億円を計上しており、その内訳は、一般公共事業関係費が三四・五%増の五兆一千八百三十五億円、災害復旧等事業費が三七・四%減の二千六百六十六億円となっております。  一般公共事業関係費につきましては、治山治水対策事業について前年度当初予算に対し三五・三%増の九千十五億円、道路整備事業について三〇・二%増の一兆六千五百二十四億円、港湾漁港空港整備事業について二六・七%増の四千二百十四億円、住宅対策について三四・一%増の五千八百六十四億円、下水道・環境衛生等施設整備について四七・九%増の七千三百二十億円、農業基盤整備について三六・〇%増の七千二百八十二億円及び林道工業用水等事業について三七・六%増の一千四百八十二億円となっております。  なお、道路整備事業につきましては、昭和五十三年度を初年度とする総投資規模二十八兆五千億円の第八次道路整備五カ年計画を策定することといたしております。  経済協力費につきましては、前年度当初予算に対し二二・一%増の二千六百三十四億円を計上いたしておりますが、このうち主なものは、国際協力事業団に対する交付金及び出資金四百二十七億円、経済開発等援助費三百九十億円並びに海外経済協力基金出資金九百三十九億円であります。また、各種国際機関に対する分担金、拠出金等について一層の拡充を図るとともに、食糧増産援助についても格段の配慮を加えております。  中小企業対策費につきましては、前年度当初予算に対し一九・〇%増の二千五十七億円を計上いたしております。このうち主なものは、中小企業倒産防止共済制度の創設に伴う中小企業共済事業団への出資金三十億円、小企業等経営改善資金の原資に充てるための国民公庫に対する貸付金二百三億円、小規模事業対策費二百五十七億円、中小企業振興事業団に対する出資金七百四十五億円及び中小企業信用保険公庫に対する出資金五百億円であります。  エネルギー対策費につきましては、前年度当初予算に対し一二九・一%増の二千七百三十億円を計上いたしております。このうち主なものは、石油備蓄関係経費の増大等に伴う財源不足に対処するため、石油税の創設に伴い、新たに一般会計から石炭及び石油対策特別会計石油勘定繰り入れるのに必要な経費一千二百九十五億円及び原子力平和利用研究促進費一千三百二十四億円であります。  農林水産関係予算につきましては、食糧管理費について、食糧管理特別会計の調整勘定へ六千二十億円を繰り入れる等のほか、過剰基調を強めている米の需給を均衡させつつ農産物の総合的な自給力の向上を図るため、昭和五十三年度から、従来の水田総合利用対策費にかえて、新たに水田利用再編対策費二千百十二億円を計上いたしております。  また、農業基盤整備費七千二百八十二億円を初めとし、農業団地育成事業費一千百四十億円、麦、大豆、飼料作物生産振興対策費二百七十一億円、農業の担い手、後継者対策費百四十八億円、生鮮食料品流通等対策費五百三十三億円、林業振興費四百十三億円、水産業振興費四百十億円等を計上いたしております。  日本国有鉄道につきましては、財政再建を図り健全経営確保に資するため、経営合理化により経費節減を極力図るとともに、運賃等の改定により二千五百五十億円の増収を見込むこととし、これらとあわせて、国の助成措置を大幅に拡充し、前年度当初予算に対し二一・二%増の五千四百一億円を計上することといたしております。  以上をもちまして、所管する事項についての補足説明を終わらせていただきます。
  8. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 次に、大倉主税局長
  9. 大倉眞隆

    政府委員(大倉眞隆君) 昭和五十二年度第二次補正予算及び昭和五十三年度予算のうち、租税及び印紙収入につきまして御説明いたします。  初めに、昭和五十二年度第二次補正予算のうち、租税及び印紙収入につきまして御説明いたします。  今回の補正予算におきましては、一般会計歳入予算のうち、租税及び印紙収入につきまして減収見込み額を八千六十億円といたしておりますが、これは、最近の経済情勢及び現在までの収入状況等を勘案して、所得税法人税等を中心に九千六百億円の減収を見込むとともに、酒税、物品税等について一千五百四十億円の増収を見込んで計上したものであります。  なお、このほかに、交付税及び譲与税配付金特別会計歳入となります諸税につきまして百三十二億円の増収見込み額を計上いたしております。  次に、昭和五十三年度予算のうち、租税及び印紙収入につきまして御説明いたします。  昭和五十三年度の一般会計歳入予算のうち、租税及び印紙収入の額は二十一兆四千五百億円でありまして、昭和五十二年度の当初予算額十八兆二千四百億円に対し三兆二千百億円の増加となっております。  この租税及び印紙収入予算額は、現行法による収入見込み額十九兆八百八十億円に、同じく五月分税収年度所属区分改正による増収見込み額二兆百四十億円を加え、さらに昭和五十三年度の税制改正による増収見込み額三千四百八十億円を加算したものであります。  なお、この一般会計租税及び印紙収入予算額に、交付税及び譲与税配付金特別会計歳入となります諸税三千七百七億円、石炭及び石油対策特別会計歳入となります原重油関税一千五百九十億円及び電源開発促進対策特別会計歳入となります電源開発促進税三百六十億円を加えました昭和五十三年度における国の租税及び印紙収入予算総額は二十二兆百五十七億円となっております。  以上が、昭和五十三年度の租税及び印紙収入予算規模でありますが、次にその内容につきまして御説明申し上げます。  まず、昭和五十三年度の収入見込み額の基礎となっております現行法による収入見込み額十九兆八百八十億円の見積もりについて御説明いたします。この額は、政府の昭和五十三年度経済見通しによる経済指標を基礎とし、最近までの課税実績、収入状況等を勘案して見積もったものでございます。  わが国経済は、昭和五十二年度においては、政府が当初見込んだ成長率を下回り、民間の経済活動は期待どおりには活発化せず、雇用面、企業収益面での回復のおくれが目立っておりますが、昭和五十三年度においては、内需中心景気拡大により、経済の各種バランスは次第に改善に向かうものと予測されております。  これに即応しまして、鉱工業生産も、昭和五十三年度においては、対前年度比六・八%と伸び率を回復するものと見込まれておりますが、昭和五十二年度後半における経済活動の停滞が影響いたしまして、法人税収は低調であり、昭和五十二年度当初予算額に対しまして、一千六百六十億円減少するものと見込まれます。他方、所得税につきましては、雇用、賃金の推移等に見合って、昭和五十二年度当初予算額に対しまして、六千百六十億円の増収が見込まれます。その他の税目は三千九百八十億円の増収額が見込まれますので、合計八千四百八十億円の増収額を現行法のもとにおいて見込んでいる次第であります。  また、五月分税収年度所属区分改正に伴う増収額につきましては、昭和五十二年五月分税収を基礎とし、昭和五十三年度現行法税収の伸び率を勘案して、一般会計で二兆百四十億円、交付税及び譲与税醜配付特別会計で百八十億円と見込んでおります。  次に、昭和五十三年度の税制改正につきまして、その具体的な内容を御説明いたします。  第一は、酒税及び有価証券取引税の税率の引き上げであります。  最近における財政事情に顧み、酒税の従量税率をビール、ウイスキー類等については二四・三%、清酒の特級については一七・五%、一級については六・九%引き上げること等といたしており、また、株券、株式投資信託の受益証券等に係る有価証券取引税の税率を五〇%引き上げることといたしております。  以上の改正による増収額は、酒税の税率の引き上げにつきましては、初年度一千七百七十億円、平年度一千九百七十億円、有価証券取引税の税率引き上げにつきましては、初年度、平年度とも三百三十億円と見込んでおります。  第二は、石油税の創設であります。  今後予想されます石油対策に係る財政需要に配意いたしまして、原油及び輸入石油製品に対し、税率三・五%の石油税を新たに課税することといたしております。  本税の創設に伴う増収額は、初年度一千六百二十億円、平年度二千百七十億円と見込んでおります。  第三は、租税特例措置整理合理化であります。  租税特別措置につきましては、税負担公平確保見地から、その適用期限が到来するものを中心として、前年度に引き続き整理合理化を図る一方、現下の経済情勢に顧み、住宅建設促進に資するため住宅取得控除制度拡充いたしますとともに、民間設備投資促進に資するため一年限りの臨時措置として税額控除による投資促進税制実施することとしております。このほか、海外子会社等を通じる租税回避対策中小企業対策等のため所要措置を講じることといたしております。  以上の改正による増減収額は、企業関係租税特別措置整理合理化等による法人税収の増収を初年度十億円、平年度四百九十億円、住宅取得控除の拡充による所得税の減収を初年度四十億円、平年度百二十億円と見込んでおります。  次に、昭和五十三年度の専売納付金を含めました国税収入全体の構成を見ますと、所得税収入の割合は三五・六%、法人税収入の割合は三二%となるものと見込まれます。また、直接税の割合は六九・二%、間接税等の割合は三〇・八%になるものと見込まれます。  以上述べました昭和五十三年度の租税及び印紙収入予算額を基礎として国民所得に対する租税負担率を推計してみますと、国税におきましては一二・八%になるものと見込まれますが、五月分税収年度所属区分改正を行わないこととした場合の国税負担率は一一・七%になるものと見られます。また、国税、地方税を合わせた負担率は、地方税の収入見込み額が確定しておりませんので一応の推算でございますが、五月分税収年度所属区分変更後で一九・五%、変更を行わないこととした場合で一八・四%程度になるものと思われます。  以上をもちまして、租税及び印紙収入予算につきましての補足説明を終わらせていただきます。
  10. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 次に、田中理財局長
  11. 田中敬

    政府委員(田中敬君) 昭和五十二年度の財政投融資計画追加並びに昭和五十三年度の財政投融資計画及び財政資金対民間収支見込みについて補足説明を申し上げます。  昭和五十二年度財政投融資計画につきましては、すでに、総合経済対策推進、中小企業金融の円滑化等に資するため、住宅金融公庫日本国有鉄道国民金融公庫等に対し総額一兆一千六十四億円の追加を行いました。  今回、さらに、最近の経済情勢にかんがみ、景気の着実な回復等を図るため、財政投融資についても、一般会計における十五カ月予算と同様の考え方のもとに、経済動向に即した財政措置を講ずることとし、総額二千八百十四億円の追加を行うこととしております。このうち、日本道路公団、日本鉄道建設公団、地方公共団体等に対する追加二千百八億円については、昭和五十二年度特別会計予算総則第十六条第二項の弾力条項を発動して、十二月二十三日に追加を行ったところでありますが、国立病院特別会計特定土地改良工事特別会計及び日本国有鉄道に対する追加七百六億円につきましては、今回の予算補正において、昭和五十二年度特別会計予算総則第十六条第一項に掲げる資金運用部資金の長期運用予定額を補正することといたしております。  この結果、昭和五十二年度財政投融資計画追加総額は一兆三千八百七十八億円となり、これを当初計画額十二兆五千三百八十二億円に加えた追加後の計画額は十三兆九千二百六十億円となります。  今回の予算補正に伴って必要となる原資七百六億円につきましては、全額資金運用部資金を予定しております。  昭和五十三年度の財政投融資計画の策定に当たりましては、民間資金の活用を図りつつ、その規模経済動向に即した適度なものとすることとし、総額十四兆八千八百七十六億円としております。これを前年度当初計画と比較いたしますと、二兆三千四百九十四億円の増加であり、その伸び率は一八・七%であります。  資金配分につきましては、社会資本整備を一層推進するとともに、景気の着実な回復を早めるため、日本国有鉄道住宅金融公庫、日本道路公団、地方公共団体等事業部門傾斜的配分を行うこととし、前年度当初計画額に対し二四・六%増の九兆五千六百六十六億円を配分することといたしております。  なお、五十三年度における地方財政の状況にかんがみ、地方債に充てる政府資金及び公営企業金融公庫資金確保につき特段の配慮を払うことといたしております。  まず、運用について御説明申し上げます。  各機関に対する運用につきましては、財政投融資資金計画に掲げてございますが、ここでは概略を使途別分類表によって御説明申し上げます。  使途別分類のうち、住宅生活環境整備、厚生福祉、文教、中小企業及び農林漁業は国民生活の安定向上に直接役立つ分野であります。これらに対する財政投融資計画額は前年度当初計画額に対し一兆六千五百七十八億円増の十兆一千九百三十一億円でありまして、財政投融資計画全体に占める割合は六八・五%になっており、引き続き資金重点的配分配慮したところであります。  このうち、住宅関係につきましては、現下の住宅事情にかんがみ、住宅金融公庫個人住宅貸し付けについて貸付戸数を大幅に増加するほか、貸付条件の改善を図る等特段の配慮を払うことといたしております。また、生活環境整備につきましては、上下水道、一般廃棄物処理施設等日常生活に密着した生活環境施設等の整備中心にその充実に努めております。さらに、文教関係につきましては、義務教育施設等の整備推進するほか、高等学校、大学等への入学時における資金負担の軽減に資するため、国民金融公庫等に進学資金貸付制度を創設することといたしております。  次に、国土保全・災害復旧、道路、運輸通信及び地域開発につきましては、社会資本整備促進景気の着実な回復に資するため、日本道路公団、日本国有鉄道、日本鉄道建設公団等の事業推進することとし、三兆二千七百九十七億円の財政投融資を予定いたしております。  さらに、基幹産業及び貿易・経済協力につきましては、エネルギー対策推進するとともに、輸入金融の拡充に努めることとし、それぞれ四千八十三億円及び一兆六十五億円の財政投融資を予定いたしております。  次に、原資について御説明申し上げます。  資金運用部資金につきましては、前年度当初計画額に対し八千六百四十六億円増の十二兆二百八十四億円を計上いたしております。その内訳は、郵便貯金六兆七千億円、厚生年金二兆六千五百億円、その他二兆六千七百八十四億円であります。  簡保資金につきましては、前年度当初計画額に対し一千三百三十億円増の一兆四千六百三十億円を計上いたしております。  また、政府保証債政府保証借入金につきましては、前年度当初計画額に対し三千八百九十二億円増の一兆三千六百五十五億円を計上いたしております。  産業投資特別会計につきましては、前年度当初計画額に対し三百七十四億円減の三百七億円を計上いたしております。  これらの資金を合計いたしますと、十四兆八千八百七十六億円となります。なお、五十二年度においては、原資見込み額十三兆五千三百八十二億円のうち、一兆円を一般会計において新たに発行される国債の引き受けに充てることといたしておりましたが、五十三年度においては、新規発行国債の引き受けは行わないこととし、原資見込み額の全額を財政投融資計画に充てることといたしております。  以上のほか、地方財政の円滑な運営に資するため、資金運用部資金による交付税及び譲与税配付金特別会計に対する貸し付け一兆五千五百億円を予定いたしております。  次に、財政資金対民間収支見込みについて御説明申し上げます。  昭和五十三年度の財政資金対民間収支見込みは、提案されております予算を前提として推計いたしますと二兆七千八百五十億円の散布超過と見込まれます。  すなわち、一般会計におきましては、租税収入の年度所属区分変更等により、二兆二百七十億円の散布超過、食糧管理特別会計におきましては、食糧証券の発行残高の増加等により、三千三百十億円の散布超過、外国為替資金におきましては、昭和五十三年度の国際収支の動向等から見て一兆一千二百六十億円の散布超過がそれぞれ見込まれます。そのほか、特別会計等の収支で六千九百九十億円の引き揚げ超過が見込まれますので、これらの要因を合わせまして、財政資金対民間収支全体といたしましては二兆七千八百五十億円の散布超過と見込まれます。  以上をもちまして、昭和五十二年度の財政投融資計画追加並びに昭和五十三年度の財政投融資計画及び財政資金対民間収支見込みについての補足説明を終わります。
  12. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 最後に、宮崎調整局長
  13. 宮崎勇

    政府委員(宮崎勇君) 予算の参考としてお手元にお配りしてあります「昭和五十三年度の経済見通しと経済運営基本的態度」について、その概要を御説明いたします。  まず、昭和五十二年度のわが国経済について見ますと、年度前半には民間需要の盛り上がりが乏しく、雇用情勢改善がおくれていた一方、輸入の停滞などから国際収支面でかなりの黒字が続きました。このため、政府は、昨年九月に総合経済対策を決定し、景気の着実な回復を図るとともに対外均衡にも資することといたしましたが、その後の急激な円高傾向等も加わり、景況感が一層悪化するなど、国内経済への影響が生じております。このような状況にかんがみ、政府は、五十三年度へかけての持続的な景気回復を図るため、厳しい財政事情にもかかわらず十五カ月予算考え方のもとに、公共事業等追加等を内容とする第二次補正予算を編成したところであります。  これらの結果、昭和五十二年度の実質成長率は五・三%程度になるものと見込まれます。一方、物価面では、卸売物価は、前年度比〇・六%程度の上昇と非常に安定しており、消費者物価も安定化の基調にあり、前年度比七・六%以内の上昇にとどまるものと見込まれます。また、国際収支面では、経常収支の黒字は百億ドルをやや超えるものと見込まれます。  こうした情勢のもとで、昭和五十三年度の経済運営基本的課題は、内需中心景気拡大により、まず何よりも雇用の安定を図り、国民生活基盤を守ることであります。あわせて、対外的には経常収支黒字の顕著な縮小を期することが必要であります。同時に、消費者物価の安定化を図るため、一層の努力を払う必要があるとともに、さらに、当面の景気回復を図るためにも、構造対策その他の中長期的な課題に取り組むことにより、先行きの不確実性をできる限り少なくしていく努力が必要であります。  このため、政府は、昭和五十三年度の経済成長率の目標を七%程度とし、決意を持ってその達成に最善の努力を尽くし、国民経済の潜在力が最大限に発揮されることに努めることとしております。  このような経済運営のもとにおいて、昭和五十三年度経済の見通しはおおむね次のとおりであり、経済の各種バランスは次第に改善に向かうものとみられます。  すなわち、個人消費支出、民間設備投資、民間住宅投資は、それぞれ名目で前年度比一一・九%、九・九%、一三・六%程度の増加が見込まれます。  このような需要の伸びに伴い、鉱工業生産は前年度比六・八%程度の伸びになるものと見込まれます。  また、物価はおおむね落ちついた動きを示し、卸売物価は前年度比二・七%程度、消費者物価は同じく六・八%程度の上昇になるものと見込まれます。  国際収支については、輸出は低い伸びにとどまる一方、輸入は国内生産活動の拡大等から着実に増加すると見込まれ、経常収支の黒字はおおよそ六十億ドル程度へと縮小の方向に向かい、また、基礎的収支ではおおむね均衡するものと見込まれます。  以上の結果、昭和五十三年度には、内需中心景気拡大により、国民総生産は二百十兆六千億円前後になり、名目の成長率は一二・〇%前後、実質の成長率は、さきに申し上げましたとおり七・〇%程度になるものと見込まれます。  以上、「昭和五十三年度の経済見通しと経済運営基本的態度」につきまして御説明申し上げた次第であります。
  14. 鍋島直紹

    委員長鍋島直紹君) 以上で六案の説明は終了いたしました。  これにて散会いたします。    午後七時三十二分散会      —————・—————