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1978-04-17 第84回国会 参議院 本会議 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月十七日(月曜日)    午後四時四十八分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十六号   昭和五十三年四月十七日    午後四時三十分開議  第一 日本国大韓民国との間の両国に隣接す   る大陸棚南部共同開発に関する協定の実   施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源開発   に関する特別措置法案趣旨説明)  第二 勤労者財産形成促進法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)  第三 国際協力事業団法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第四 特許協力条約に基づく国際出願等に関す   る法律案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、裁判官訴追委員選挙  一、日程第一より第四まで  一、安全なコンテナーに関する国際条約(CS   C)の締結について承認を求めるの件      ——————————
  2. 安井謙

    議長安井謙君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  前島英三郎君から、海外旅行のため、来る二十日から十五日間請暇の申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 安井謙

    議長安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。      ——————————
  4. 安井謙

    議長安井謙君) この際、欠員中の裁判官訴追委員一名の選挙を行います。
  5. 遠藤要

    遠藤要君 裁判官訴追委員選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
  6. 大塚喬

    大塚喬君 私は、ただいまの遠藤君の動議に賛成いたします。
  7. 安井謙

    議長安井謙君) 遠藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 安井謙

    議長安井謙君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、裁判官訴追委員河本嘉久蔵君を指名いたします。      ——————————
  9. 安井謙

    議長安井謙君) 日程第一 日本国大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚南部共同開発に関する協定実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源開発に関する特別措置法案趣旨説明)  本案について提出者趣旨説明を求めます。河本通産大臣。    〔国務大臣河本敏夫登壇拍手
  10. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 日本国大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚南部共同開発に関する協定実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源開発に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、日本国大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚南部共同開発に関する協定実施するために、共同開発区域に属する大陸だなの区域において、日本国大韓民国権利者による石油及び可燃性天然ガス共同開発事業が円滑に行われるよう、鉱業法にかわる特別の制度を設けようとするものであります。  以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。  第一に、大韓民国開発権者と共同して石油及び可燃性天然ガス探査し、採掘し、及び取得する権利特定鉱業権とし、特定鉱業権によるのでなければ、共同開発区域において石油及び可燃性天然ガス探査し、または採掘してはならないものとしております。  この共同開発基礎となる特定鉱業権は、協定規定に従い、探査権及び採掘権とし、通商産業大臣経理的基礎及び技術的能力等を勘案して設定許可をすることといたしております。  第二に、特定鉱業権設定許可を受けた者は、大韓民国開発権者との間で共同開発事業実施するための共同開発事業契約締結して、通商産業大臣の認可を受けることといたしております。  この共同開発事業契約は、日本国大韓民国権利者による共同開発事業基本となるものであり、その内容として、石油及び可燃性天然ガス資源の分配並びに費用の分担に関する事項漁業との調整に関する事項等を定めることとなっております。  第三に、協定に従い、一定の期間内の鉱区放棄義務及び探査のための坑井掘削義務等探鉱促進のための新たな措置を講ずることといたしております。  第四に、共同開発区域の上部の海域における漁業利益共同開発によって害されることのないよう十分な配慮をすることとし、そのために必要な規定を設けております。  すなわち、協定規定に従い、共同開発事業契約の中に漁業との調整に関する事項を必ず記載させて十分な調整を行わせるとともに、大陸だなの掘削等により損害を与えたときは、特定鉱業権者及び大韓民国開発権者が連帯して賠償する責任を負うものとし、その場合の裁判管轄についても特例を設けております。  また、漁業生産上重要な魚礁が存在する区域につきましては、探査または採掘のための工作物設置等許可制とする等、漁業利益が害されることのないよう最大限の考慮を払っているわけであります。  第五に、海洋における非常に広い鉱区設定されることに伴い、鉱区税特例を定めるほか、鉱業法規定に準じて所要の規定を設けることといたしております。  以上が、日本国大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚南部共同開発に関する協定実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源開発に関する特別措置法案趣旨でございます。(拍手
  11. 安井謙

    議長安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。対馬孝且君。    〔対馬孝且君登壇拍手
  12. 対馬孝且

    対馬孝且君 私は、ただいま趣旨説明のありましたいわゆる日韓大陸だな特別措置法案について、日本社会党を代表して、総理並びに関係大臣に所信をただしたいと思います。  まず、本題に入る前に、本措置法案と非常に関係の深い尖閣諸島問題について若干の緊急質問を行いたいと思います。  まず、尖閣諸島領海侵犯事件について、いま、本措置法案衆議院を通過し、参議院に回ってきたこの時点で事件が起きたということが、きわめて特徴的な背景があるのではないかと考えます。去る四十七年、日中国交正常化の際、日中共同声明において領土問題に触れないことが確認されているにもかかわらず、それに影響を与えるような事件が起きたという背景は何であったのでしょうか。中国側は偶発的な問題という態度を表明していますが、今日的な状況として、日中平和条約締結に当たって自民党内部の同条約をめぐる内部対立が大きな要因となり、福田内閣指導性が厳しく問われているのではないでしょうか。そしてまた、本措置法案を一方的に、中国にも話しかけずに強行成立をさせようとする政府の行動と全く無関係なものであったでしょうか。  わが党は、かねてから、尖閣諸島国際法日本固有領土であることを宣言していますが、この事件についても、あらゆる領土問題についても、国際法に基づき平和的な話し合いによって解決されるべきであり、その努力を積み重ねることこそ、平和五原則に基づく善隣友好関係の強化に貢献するものと考えています。政府は、この問題について、力による解決ではなく、外交ルートを通じて、できるだけ早く日中平和条約締結に踏み切り、その後の友好ムードの中で解決を図るべきであります。いま問題をこじらすか、友好的に解決できるかどうかの重要な段階にあり、まさしく総理の決断にかかっているのであります。したがって、この点について総理のしかとした答弁を求めるものであります。  さらに、交渉による平和的解決ということに関連をしてお尋ねいたします。  新聞報道によると、中曽根自民党総務会長は、昨十六日、甲府市内での講演において、尖閣諸島事件関係し、わが国交戦権を持てるよう憲法を早急に改正する必要があると述べられております。このような考え方は、平和憲法に照らしても、日中条約交渉にとっても、はなはだ危険なものだと考えるのでありますが、福田総理御自身、交戦権を否認している現行憲法改正しようという御意見をよもやお持ちではないと思いますが、この点、はっきりお答えを願いたいと思います。  さて、この大陸だなの日韓共同開発には、まだ解明されなければならない多くの問題が残されております。しかるに、政府自民党は、これらの問題に目をそらし、韓国政府に対するメンツだけを優先させて、本法案成立をもくろんでおります。わが国の国益並びに近隣諸国との友好と平和に重大なかかわりを持つ東シナ海大陸だなの開発を、国民に背を向け、中国や朝鮮民主主義人民共和国のたび重なる抗議を無視し、海洋法会議では韓国主張する自然延長論が有力であるとの詭弁を弄して中間線論を引っ込めるなど、韓国に大幅譲歩して強引に実施しようとするのは全くの独善であり、暴挙であると言っても決して過言ではありません。これほど多くの疑惑を持たれている共同開発政府はなぜ強行しようとするのか、どうしても納得できないのであります。  そこで、まず、本法案についてお伺いをする前に、本法案根拠となっている、いわゆる日韓大陸だな協定性格について改めて明らかにする必要があります。  言うまでもなく、協定設定をされた南部共同開発区域設定は、国際法上あるいは国際的取り決めの過去の実例その他あらゆる面から検討いたしましても、明らかにわが国が当然主張すべき管轄権、すなわち主権を侵害した不当な内容であることを指摘しなくてはならないのであります。政府は、境界線設定をあえて実施せず、その法的立場をたな上げにし、それにかわって共同開発方式を採用しています。  そこで、まず問題にすべき点は、なぜ政府法的立場をたな上げにしたのか、否、いかなる根拠をもってたな上げできるのかという点であります。政府は、大陸だなの自然延長論大勢を占めていることを根拠に挙げ、わが国主張すべき中間線原則が不利であったと主張しておりますが、これは全く事実に反するものであります。現に、今日まで大陸だなの境界について二国間で成立した条約はすでに二十四の例がありますが、そのほとんどが等距離ないし中間線原則としております。すなわち、政府は、決してたな上げしてはならない法的立場を不当にもたな上げにし、しかも、その理由についての外務省説明は明らかに偽りの根拠をもって抗弁していると断ぜざるを得ないのでありますが、政府はこの事実をどのように受けとめているのか、まず明らかにすべきであります。  次に、その結果、恐らく世界的に今後も起こらないであろう自然延長根拠に、一国の領海近くまで拘束力を及ぼす条約をあえて締結したことによってもたらされる深刻な影響についてであります。  日中間大陸だなの境界日中間の合意によって画定されるべきものであり、これを行わずして、一方の当事国意見を無視し、第三国と勝手に取り決めを行うのは、明らかに国際交渉原則に反するものと言わなければなりません。さらに、外務省は、中国自然延長論立場に立っての主張であり、日本中国に対して中間線主張を行うので、中間線の内側にある共同開発区域中国権利を侵害しないと主張しておりますが、この主張ほど自己矛盾をするものはないのであります。仮にそのような立場があるとすれば、なぜ韓国に対して一方的に中間線論を取り下げ、わが国立法的立場をたな上げにするのか、また、中国に対して主張することをなぜ韓国に対して主張しないのか、国民は全く理解に苦しんでおります。総理の納得のゆく答弁を要求するものであります。  次にお伺いしたいのは、このような矛盾だらけ協定が取り結ばれた経過と、石油開発に絡む問題であります。  まず、なぜこの国際的な大勢に逆行する協定がまかり通ることになったか、こういう点についてただしたいのであります。  政府は、この共同開発方式韓国の提案によるものと主張しておりますが、実態は逆で、提案したのは日本側、それも公式の立場にない岸信介元首相が切り出したものであるということは、今日すでに公然たる事実になっております。国民は、ここにきわめて不自然なものを感ぜざるを得ないのであります。  海外資金開発プロジェクトは、巨額資金が必要とされるだけではなく、開発成功、不成功については多分にかけごと的要素があり、一般的に第三者からは実際に使われた経費が有効適切なものかどうかを判断するのがむずかしいという性格があり、いわゆる政治的利権ときわめて絡みやすい性質のものであることは世界の常識となっているのであります。今日、日韓関係において、金大中事件、さらに経済協力プロジェクトの投資など、癒着や不正な金銭の取引が行われた十分なる疑いがあり、その早急なる解明がなされなければならない状態であります。日韓汚職問題の解明に対する福田内閣の異常なほどの消極的姿勢、さらにには、矛盾に満ちた大陸だな共同開発を強行しようとする異常なほどの熱意を見れば、この石油開発事業世界で最も汚れたものになることは、国民のだれの目から見ても明らかであります。政府は、まず金大中事件問題を初め、日韓のさまざまな不正の解明全力を挙げることこそがその任務であると考えますが、政府方針を明らかにしていただきたいのであります。  次に、石油資源開発の方向づけについてであります。  わが党は、わが国大陸だな石油開発については、積極的な取り組みを行うべきであり、決して軽視しようという考えはありません。しかし、この観点からすれば、共同開発地域に果たして相当量原油が埋蔵しているのかという大きな疑問があります。当初、外務省の作成をしたパンフレットには、「共同開発対象区域は、石油埋蔵量は七億キロリットルを超えるとも推定されています」と明記をされておりました。しかし、この数字は、実は岩層中の炭化水素の量を大きめに算定したときのものであって、原油天然ガスでは、究極可採埋蔵量でその三分の一以下ないしせいぜい半分までが計算上出ているにすぎないことがわが党から指摘をされ、外務大臣が謝罪をした、いわくつきのものであります。  以上の点について、総理、どのように報告を受けているのか、それを確信しておられるのかをお伺いをしたい。  このようにあやふやな石油資源開発にあえて取り組もうとすれば、それに要する五千億円もの巨額探査資金は、ふいになるおそれが多分にあり、しかも、その負担は結局国民の肩にかかってくるのではありませんか。総理は、そのことを自覚しておられるのですか。  法案の附則二項によると、現在鉱業法によってすでに出願している企業に対しては特定鉱業権設定許可が優先的に与えられることになっているのではないか。この仕組みは、どう考えても不明朗なものではありませんか。  さらに政府は、共同開発区域生産をされた石油は、日韓で折半をし、日本側取得分はすべてわが国供給されることになっているから心配はないとしばしば言明しております。しかし、参画が確実視されている日本石油開発を例にとってみますと、日石開発が五五%、テキサコとシェブロンがそれぞれ二二・五%の費用取得率となっております。つまり、採取された石油の半分はまず韓国へ、そして、残りの約半分がメジャーに持っていかれて、わが国取り分は結局四分の一ということになってしまいます。もし政府がその懸念はないと言うのであれば、なぜそう言い切れるのか。チェックの方法を具体的に示していただきたいのであります。  次に、日韓共同開発事業石油開発公団投融資がなされることについて、大きな問題があります。  すなわち、去る七十五回国会の石油開発公団法改正に際し、衆議院で、「国際紛争のおそれがある地域探鉱事業に対する石油開発公団投融資については、これを行わない」との附帯決議がなされております。私は、中国政府の厳しい抗議声明などから見まして、共同開発区域は、「紛争のおそれがある地域」と判断するのが妥当であると考えるのであります。その上、協定自体が、共同開発区域について、主権的権利の問題を決定し、または大陸だなの境界画定に関する両国立場を害するものとみなさない、として、日韓両国間の紛争地域であることを認めています。したがって、公団投融資は行うことができないと考えるのでありますが、政府見解を明らかにしていただきたいのであります。  次に、漁業との調整問題であります。  東シナ海は、アジ、サバなどの産卵地であり、四十九年の漁獲高は九十九万トンと、全国漁獲高の一一・七%を占め、日本大漁場の一つと言われております。また、五十二年度漁業白書も、二百海里時代を迎えて、沿岸漁業から遠洋漁業へというこれまでの漁業政策の見直しを明確に打ち出しておりますが、このようなときに、なぜ共同開発をせねばならないのか、納得できません。一体、政府はこの漁業政策資源開発政策との関係をどう考えているのか、また、被害が発生した場合、本法案では、韓国採掘権者が原因ならば、わが国の漁民は韓国の法廷へ損害賠償の請求をしなければなりませんが、これで十分な救済がとれると政府考えているのか、お伺いをしたいのであります。  最後に、防災対策についてお伺いをいたします。  政府は、これまで安全性を強調する例として、しばしば北海油田を引き合いに出してきました。しかし、最高の最新技術を誇る北海油田でさえ、昨年四月に噴出事故が起こったのであります。海洋技術については欧米諸国よりも開発がおくれていると言われるわが国で、果たして事故が起こらないと言い切れるでしょうか。御承知のとおり、共同開発区域対馬暖流黒潮本流分岐点に当たり……
  13. 安井謙

    議長安井謙君) 対馬君、時間が超過しております。簡単に願います。
  14. 対馬孝且

    対馬孝且君(続) 万一事故が起こった場合、その被害は、単に共同開発区域にとどまらず、海流の流れに乗って西日本全体に広がることは明らかであります。
  15. 安井謙

    議長安井謙君) 簡単に願います。
  16. 対馬孝且

    対馬孝且君(続) したがって、政府防災対策に対する見解最後にお伺いをしたいのであります。  最後に、私は、防災対策に万全を期す意味において、この際、北海油田噴出事故を調査するための……
  17. 安井謙

    議長安井謙君) 対馬君、簡単に願います。
  18. 対馬孝且

    対馬孝且君(続) 超党派の国政調査団北海油田現地に派遣すべきことを提案し、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫登壇拍手
  19. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) お答え申し上げます。  最初に、尖閣列島問題についてのお尋ねでございますが、これは先般も申し上げましたが、尖閣列島日本固有領土であること、これは明白なる事実であります。それにもかかわらず、中国漁船がわが領海内において不法に操業し、または漂泊したことは、まことに遺憾であります。ただいま、中国側のこのような意図はどういうところにあるんだろうかというような御質問でございますが、中国側は、これに対しまして、偶発的事件であり、故意に行ったものではないと説明をいたしておるのであります。政府といたしましては、現在、中国漁船はすべて領海外に退去いたしましたこの状態を今後とも確保する、そういう方針で対処してまいりたいと、このように考えております。  また、政府といたしましては、日中条約との問題、関係につきましては、領海侵犯問題につきましては厳正に対処する、これはただいま申し上げましたようなとおりでございまするけれども、同時に、条約問題につきましては共同声明趣旨に沿いましてその締結に向かって努力すると、こういう基本方針には変わりはございません。  なお、対馬さんから、自由民主党の総務会長中曽根康弘君が、わが国を守るために交戦権を持てるよう憲法改正の必要があると、このような発言をしたということに関連いたしまして私の意見を求められましたが、御指摘中曽根総務会長発言につきましては、詳細はまだ承知しておりません。おりませんが、政府といたしましては、現実の問題として、憲法改正に手がける、これに手をつけるというような考え方はありませんということを明快に申し上げます。  なお、日韓大陸だな共同開発中国に対し国際信義に反するようなことではないかというようなお話でございますが、日韓大陸だな共同開発協定、これは東シナ海大陸だなの中で日韓両国間にまたがる部分だけにつきまして日韓間で取り決めをすると、そういう性質のものでありまして、中国国際法上の権利をいささかも害するものではない、このように御理解を願いたいのであります。  さらに、日韓をめぐるさまざまな不正事件等解明されないでおるが、それに全力を挙げよ、また、これらに関する政府の決意はどうかというようなお話でございますが、御指摘の問題につきましては、いろいろうわさとしては聞くところはあるのでありまするけれども、しかし、不正の事実があるというような具体的なことにつきましては何ら承知をいたしておりません。しかし、その風評につきましては、これが解明につきまして政府といたしましてはできる限りの努力をすると、こういう考えでございます。  それから、今回の開発国民負担になるのじゃないか、大変なことを協定したんだし、またこれを実施しようとしておると、こういうお話でありますが、それは、エネルギー共同開発をするんでありまするから、直接間接まあ国民負担になることは、これは当然でございます。しかし、いまこれからわが国の最大の問題は何だと言いますれば、これは資源エネルギー、この供給を確保すると、こういうことなんです。それに向かって国民負担をするということは、これまた当然のことでありまして、そしてそれはまた、負担をすれば、それだけわが国資源エネルギーそのものといたしましてわれわれの国に返ってくるんだということも篤と御理解のほどをお願いしたい。  自余の問題につきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫登壇拍手
  20. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) まず、この究極可採埋蔵量は幾らあると想定をしているかということでありますが、一昨年の十一月に、通産大臣諮問機関石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会というのがございますが、そこの調査報告によりますと、わが国周辺の全大陸だなで究極可採埋蔵量は約十三億キロと、こういう報告を受けております。東シナ海には大体その半分以上あると想定されておりまして、それから計算をいたしますと、今回の共同開発地域には究極可採埋蔵量は約四億キロ弱と、このように想定をいたしております。  それから次に、特定鉱業権者の問題でございますが、特定鉱業権者は、今回の特別措置法に基づきまして、従前の鉱業法とは別個に許可をすることにいたしております。したがいまして、内定しておるというようなことは一切ございません。そして、この許可をいたします場合には厳重に能力主義をとることにいたしております。すなわち、経理的基礎は十分か、技術的基礎は十分かと、こういう点を厳重に審査をいたしまして最終判断をすることにいたしております。  次に、日本への供給は保証されるかという問題でございますが、韓国取り分が半分になっておりますので、当然その残り半分はわが国供給されることになりますが、もし万が一日本取り分石油が外国に輸出されるというような不測の事態等が予想されるような事態には、輸出貿易管理令第一条第六項の規定に従いまして、輸出承認をしないと、こういうことも当然検討いたします。  それから、石油開発公団による投融資問題でございますが、これは、将来具体的に投融資の申請があった段階で、中国異議がなお続いておる場合には、石油開発公団投融資は行わない方針でございます。  それから、漁業補償に対する対策は十分かということでございますが、先ほども御説明をいたしましたが、この特別措置法の第二十一条と第三十六条で十分対処できることにいたしておりますし、また、万一事故が起こった場合におきましては、これは特別鉱業権者設定をいたします場合に、補償能力等十分配慮をいたしまして設定をすることにいたしておりますので、そういう場合に対しても十分な対応ができると信じております。  それから、事故の防止対策はどうかということでございますが、海洋におきまして原油の掘削作業を行いますときには、現在の鉱山保安法がございまして、これに基づきまして噴出の防止装置の設置を義務づける等、事故防止に万全を期しております。これまでわが国の周辺海域におきまして、昭和三十年以降約百カ所でこの掘削をいたしましたが、いずれも事故等が起こっておりません。海洋汚染等の事故は一切発生をしていないということでございますが、今後とも十分配慮しなければならぬと考えます。  それから最後に、北海油田事故調査団を派遣したらどうかということでございますが、この事故は昨年の四月に起こっております。調査団を派遣するということになりますと、当然、国会で御決定にならなければならぬわけでございますが、政府の方におきましても、これまでできるだけ情報の収集をしております。なお、この事故は北海のノルウェーサイドで起こったわけでございますが、ノルウェー政府事故調査委員会も、昨年の十月にその報告書を公表をいたしておるところでございます。(拍手)    〔国務大臣園田直君登壇拍手
  21. 園田直

    国務大臣(園田直君) お答えをいたします。  自然延長論に基づく韓国側の主張中間線論に基づく日本側主張が平行線をたどっておりましたために、現実的解決の方法として、日韓双方の法的立場立場として、両国権利主張の重複する部分を共同開発区域とすることで合意したものでありまして、この共同開発協定は、日韓間で大陸だなの境界を法的に画定することを目的としたものではありません。なお、この協定のいかなる規定大陸だな境界画定に関するわが国法的立場を何ら損なうものでないということは、協定二十八条に明記してございます。  次に、日韓大陸だな共同開発協定は、東シナ海大陸だなのうち、日韓にまたがる部分のみに限定して日韓の間で話し合いを行い、取り決めを行ったものであり、いかなる意味においても中国国際法上の権利を損なわないよう配慮するつもりでございます。また、東シナ海大陸だなのうち、日中間大陸だな境界画定については、政府としては速やかに話し合いに入りたい旨を中国側に申し入れてございます。(拍手)    〔国務大臣福永健司君登壇拍手
  22. 福永健司

    国務大臣(福永健司君) 対馬さんお話しの油の流出ということは、北海のエコフィスク油田で確かに実例がございます。私もペルシャ湾でその種の現場に出くわしたこと等もございます。いま河本大臣からお答えがございましたが、私は海上保安の責任者といたしまして、その観点からお答えを申し上げたいと存じます。  大陸だなの開発によりまして海洋施設から油が流出して海洋が汚染した場合の防除対策につきましては、海上保安庁は、防除措置義務者に対しまして、油の排出防止措置を含め、必要な措置を講ずるよう当然指示するものでありますが、これとともに、万一の事故に備えましては、巡視船艇を出動させ、必要に応じ、関係機関、民間の協力も得つつ、オイルフェンス、油回収装置、油吸着材等、防除資材、機材を効果的に活用して流出油の防除措置を講じてまいる所存でございます。(拍手)     —————————————
  23. 安井謙

    議長安井謙君) 馬場富君。    〔馬場富君登壇拍手
  24. 馬場富

    ○馬場富君 私は、ただいま趣旨説明のありました、いわゆる日韓大陸だな協定特別措置法案について、公明党を代表して、総理並びに関係大臣質問いたします。  最初に、本法案基礎となっておる日韓大陸だな協定は、昭和四十九年以来再三国会に提出され、審議未了、廃案と繰り返す中を、難航の末、昨年五月衆議院を通過し、参議院では自然承認という形で成立した問題の協定であります。このような経過から、協定内容の不明確なこともさることながら、協定の背後にある日韓癒着に対する疑惑等のきわめて多くの問題をはらんでおります。しかるに、政府巨額資金を投入するために必要な日韓大陸だな措置法を提出し、未解決のまま共同開発を推進しようとしていることは、まことに遺憾であります。  次に、今回の国内法の問題点について、順次質問いたします。  この共同開発地域は、日韓中間線を大きく日本側に食い込み、日本主権的権利考えられる地域であり、わが国の国益を損なうような危険性を含んでおります。特に、南部開発区域の画定に当たって、北部と同じ境界線が画定できず、「共同開発区域」という表現で問題を後日に残しております。なぜ南部境界画定ができなかったのか、南部に対する日本政府方針は、両国間の中間線をとるのか、それとも韓国の言う自然延長線をとるのか、お尋ねいたします。  また、過去の世界の争いの原因が常に領土問題にあったことを考えるときに、本法案は単にエネルギー解決のための問題だけでは済まされない重要な内容が含まれておることを考えなければなりません。このような危険を伴う地域において、わが国主権的権利の放棄につながるような本協定をなぜ締結したのか、あわせて、竹島の現況と政府見解国民の納得のできるように説明を求めるものであります。  次に、中国との関係について質問いたします。  この開発区域の一部は明らかに中国の二百海里の領域が含まれております。このため、中国外務省は、日韓大陸だな協定承認直後声明を発表し、日本政府と南朝鮮当局が中国に隠れて承認した日韓大陸だな共同開発協定は全く不法のもので無効である、いかなる国家や個人も、中国の同意なくして東海大陸だなで開発活動を進めるならば、これによって引き起こされるすべての結果について完全な責任を負わなければならないと、強く抗議をしております。このように、中国主権に関する問題に対して、政府中国政府抗議に耳をかさず、協定承認を押し通し、さらに国内法である本法案成立をも強行しようとするのか、この問題について政府説明を求めます。  しかも、現在、日中平和友好条約締結交渉を目前にして、まさに軽率に過ぎるものであると思うのであります。いまや日中間は、過去の暗い歴史の中から両国民の努力によって、国交正常化へ、そして条約締結へと、長年の国民の願望である日中友好は達成されようとしております。何としても両国間の摩擦は避けなければなりません。このように問題のある本法案は、速やかにこれを凍結し、まずもって中国との平和友好を進めることが先決であると考えるが、これについての見解と、あわせて、最近問題になっておる尖閣諸島における中国漁船群の現況と日中平和友好条約締結の見通しについて、政府見解を尋ねるものであります。  次に、この開発事業に対する石油開発公団投融資について質問いたします。  公団投融資は、国際紛争のおそれがある地域の探鉱業務にはこれを行わないのが従来からの方針であります。そこで、問題は、この区域が果たして国際紛争のおそれがあるかどうか、中国の同意も得ずに開発を強行すれば、これにより国際紛争を引き起こすことにもなりかねない。したがって、公団がこの区域内における開発事業に投融資することは問題があると思いますが、政府見解をお伺いいたします。  次に、石油埋蔵量と収益性について質問いたします。  政府は、開発区域石油埋蔵量は七億キロリットルを超えるとしきりにPRをしておりますが、国会答弁によると、その埋蔵量はいまだに正確に把握されていないようであります。一体この区域からどのくらいの石油が出る見通しなのか、また、その石油の半分が日本取り分となっているが、それで経済的に引き合うのかどうか。さらに、政府は、この開発を将来の日本エネルギー政策上どのように位置づけるのか、説明願いたいのであります。  次に、海洋汚染の対策について質問いたします。  外務省説明によれば、開発に伴う海洋汚染の防止については、世界各国とも厳重な規制を行い、日本ではいままで海を汚染したことはない、世界でもまれであると、開発地域での事故の可能性はないことを強調しておりますが、政府のこのような根拠のない例示的見解にはわれわれは納得できないのであります。そのやさきに、世界的な技術を集めた北海油田事故が発生し、一日四十トンの原油が流出し、長さ二十三キロ、幅五キロの海上を汚染したのであります。この開発区域は、黒潮が日本海と太平洋に流れる分岐点で、日本にとって大切な漁場であります。特に二百海里時代を迎え、漁場が狭められる日本漁業立場から見れば、もしこの地域で同じ事故が起こったなら、日本沿岸の被害は甚大であり、特に漁場に及ぼす影響は大であります。このことは、漁民の死活問題であります。漁業補償等を含めた事故対策について政府の確たる答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫登壇拍手
  25. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) お答え申し上げます。  日韓大陸だな開発は、これは長期に、また無制限に政府資金を出すための仕組みではないか、政府自民党特別措置法案成立を急ぐ理由はここにあるのではないかというようなお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたが、これは開発事業を進めるのですから、金はかかります。その金は直接間接国民負担になる、これはもう自然のことでございますけれども、いまわれわれが長きにわたってわれわれの前途を展望してみるときに、一番大事なことは、やっぱり資源エネルギーに対する備えを十分にしておくことである、こういうことなんです。そのための一環として日韓大陸だな開発ということが着目された。これをほうっておくということは、私は、政府国民に対して責任を尽くすゆえんではない、このように考えております。  なお、この特別措置法案日韓大陸だな協定を批准、実施するために不可欠のものでありまして、もうすでに五十二年の六月八日に協定の方は国会で承認され、これが一年近くも批准できないというようなことになりますと、これは国会としての意思が一体どういうことであるかという問題にもなってくるのじゃあるまいか。私どもは、資源、そういう立場からこの開発を非常に急いでおるのであります。  なお、竹島あるいは尖閣列島などの係争地域に対する問題、これについての考えをただされましたが、まず、竹島は歴史的にも国際法上も明白にわが国領土でありますが、韓国がこれを不法占拠しておる、こういう状態にあることは御承知のとおりであります。政府といたしましては、平和的手段によりましてこれを解決をする、そういう基本方針で、いま粘り強く交渉をいたしておるというところでございます。  北方領土につきましては、これも申し上げるまでもないことでありまするけれども、歯舞、色丹、国後、択捉、この四島は歴史上一度も他国の領土となったことはありません。まさにわが国固有領土であります。サンフランシスコ平和条約でも、わが国が放棄した千島列島、それはこれらの固有領土は含んでおらぬということが明白になっておる次第でございます。政府といたしましては、北方四島の一括返還実現、日ソ平和条約締結、そういう基本方針をもって、これまた粘り強く折衝を行っておるところでございます。  尖閣列島につきましては、先ほども申し上げましたが、これはわが国固有領土であるという点につきまして、これまた一点の疑いもありません。その見解につきましては、ちょうど昭和四十七年の三月八日に、当時外務大臣でありました私が国会において解明をいたしております。その主要点を申し上げますると、明治十八年以降政府が再三にわたって現地調査を行い、単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡のないことを慎重に確認いたしました上、明治二十八年一月十四日の閣議決定で正式にわが国領土に編入されたのであります。また、それ以来歴史的に一貫いたしましてわが国領土として南西諸島の一部を構成してきておるわけであります。そこへこういう事件が起こってきた。まことに遺憾千万でございまするけれども、日中平和友好条約を双方満足し得る状態において締結するという基本方針につきましてはいささかの変わりもございません。  以上であります。(拍手)    〔国務大臣園田直君登壇拍手
  26. 園田直

    国務大臣(園田直君) 共同開発協定のいかなる規定大陸だな境界画定に関するわが方の法的立場を何ら損なうものでなく、協定第二十八条に明記してございますので、わが方の主権的権利を放棄したことでないことは先ほど答弁したとおりでございます。  東シナ海大陸だなのうち、日韓にまたがる部分にのみ限定して日韓の間で話し合いを行い、取り決めをやったものでありまして、いかなる意味においても中国国際法上の権利を損なわないよう配慮してございます。しかし、東シナ海大陸だなに対する中国の関心と日中友好の精神から、本協定についてのわが方の立場について中国側に誠意を持って説明し、中国側理解を得んと鋭意努力を行ってきた次第でありますが、わが国との間に立場の相違があり、政府としては、今後とも本協定についての中国側理解を得るべく最大限の努力を重ねる所存でございます。  なお、日中間大陸だな境界画定については、政府としては速やかにその話し合いに入りたい旨を中国側に申し入れている次第は先ほど答弁したとおりでございます。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫登壇拍手
  27. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) まず、この地域開発に必要とする資金石油公団から投融資するのかどうかとというお話でございますが、中国側からの異議が続いておる間は、これは紛争地域と認定をいたしまして、投融資はいたしません。  次に、エネルギー政策上の地位いかんと、こういうお話でございますが、わが国石油の九九・九%を輸入をしております。ここで開発成功いたしました場合には、経済の安全保障上、エネルギー政策上、きわめて有力になるわけでございまして、ぜひとも成功をさせたいと考えております。  なお、採算性の問題につきましては、現在日本の周辺で、阿賀沖で成功しておりますが、ここの究極可採埋蔵量は約一千万キロでございます。開発のための投融資は約三百億でありますが、十分採算に乗っておるわけでございます。一つの参考事例として申し上げた次第でございます。  なお、漁業対策の問題でありますが、漁業との調整漁業補償は、この計画を進めてまいります上におきまして非常に重要な課題であります。この特別措置法の第二十一条、第三十六条に詳細規定をいたしておりますが、この面では格段の配慮を払っていきたいと考えております。  なお、この事故防止の問題についてもお述べになりましたが、事故防止ということはきわめて重大な課題でございまして、先ほども、日本大陸だなでは昭和三十年以降約百カ所の地点におきまして掘削をいたしましたが、事故等は一切発生をいたしておりません。また、阿賀沖の操業もきわめて順調に推移をしておるところでございます。  なお、北海油田事故は、昨年の四月下旬に発生をいたしまして、約一週間継続をしております。二万キロの油が噴出をいたしておりますが、ノルウェー政府の調査委員会が昨年の十月にその結果報告を発表いたしましたが、それによりますと、きわめて初歩的な機械の取り扱いミスである、こういう報告がされております。(拍手)     —————————————
  28. 安井謙

    議長安井謙君) 沓脱タケ子君。    〔沓脱タケ子君登壇拍手
  29. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表して、日韓大陸だな協定実施に伴う特別措置法案について、総理並びに関係大臣質問を行います。  私は、この法案わが国主権にかかわる重大な問題を持つことにかんがみ、いま尖閣列島をめぐって起こっている事態について、まず質問をしておきたいと思います。    〔議長退席、副議長着席〕  言うまでもなく、尖閣列島及びその周辺海域は、明確なわが国領土領海であり、かつ、現在主権を行使している地域であります。したがって、今回の中国漁船団の行為はわが国主権に対する乱暴な侵害行為であり、このような事態をそのままにして日中平和友好条約締結することは、国民のとうてい納得できることではありません。中国漁船団は一応退去しましたが、中国尖閣列島中国領と主張しております。政府は今後どう対処するのか、また、領有権問題の正しい解決のためこれまでどのような努力をしてきたのか、また、今後どのような努力をするのか、見通しも含めて、総理並びに外務大臣の明確な答弁を求めます。  さて、日韓大陸だな協定並びに国内法である特別措置法案についてであります。  第一に、この協定並びに国内法は、本来国際的にも正当にわが国に属する大陸だなであり、また、わが国の沿岸から二百海里内にある広大な地域に、五十年の長期にわたってアメリカの石油独占企業や韓国石油掘削を容認するという、きわめて反民族的なものであります。特に、相対立する大陸だなの境界画定が通常双方の沿岸からの等距離中間線で行われるということは、国際的にも公認されたものであります。この立場に立つならば、共同開発区域は当然わが国主権的権利を行使し得る大陸だなであります。政府自身も、当初はこの立場から、国際司法裁判所への提訴まで考えていたではありませんか。政府がその後この大陸だな問題をたな上げして韓国との共同開発を進めようとしていることは、どのように口実を設けようとも、明らかにわが国主権的権利の行使を放棄することではありませんか。総理、歴代自民党政府は、アメリカに対してはわが国をアジア侵略の根拠地として提供し、サンフランシスコ条約で千島列島の領有権を放棄した上、ソ連に対しては全千島列島の返還を要求せず、また、韓国に対しては金大中事件などKCIAの犯罪行為を放任するなど、主権に対する他国の侵犯に対し、きわめて卑屈な態度をとっております。総理、あなたには、わが国主権を正当に守ろうとするお考えがないのですか。もしあなたにいささかでもその考えがあるならば、アメリカなどの石油大資本と韓国わが国主権を売り渡すに等しい日韓大陸だな協定を廃棄し、この国内法の成立を断念すべきではありませんか。明確な答弁を要求します。  第二に、この法案によれば、共同開発区域開発権者である操業管理者が韓国側である場合には、ほぼ全面的に韓国の法令が適用されることになっております。したがって、漁場保護の問題につきましても、日本側が操業管理者になった場合には、漁礁保護のために指定区域設定できることになっておりますが、韓国側が操業管理者の場合には、そのような規定は適用できません。また、韓国側が操業管理者の場合、日本の労働者に対してまで、雇用、解雇などの労働関係法は言うに及ばず、反共法、国家保安法などの人権無視の韓国法が適用されるという恐るべき事態まで予測されるのであります。政府は、共同開発区域でのわが国の漁民や労働者をどのように守るのか。また、わが国憲法とは全く相入れない韓国の国内法がわが国主権的権利を行使し得る区域内に適用されることを容認されるのか。責任ある答弁を求めたいと思います。  第三に、この法案では、鉱業権者の資格は、日本国民または日本国法人となっております。しかし、この日本国法人なるものは、実質的には外国の石油独占大企業、すなわちメジャーそのものにほかならないではありませんか。このことは、現に行われている日本企業とアメリカのメジャーの共同開発事業契約内容が、たとえば日石開発とテキサコ及びシェブロンとの場合のように、日本企業を名目だけの鉱業権者とし、メジャーに対し実権を全面的にゆだねるものになっていることを見ただけでも明らかであります。それにもかかわらず、この法案は、国家的事業という美名のもとに、開発権者に対し、鉱区税、登録免許税など税制上の優遇措置まで講じているのであります。しかも、採掘された石油は、出資比率に応じてメジャーのものになることになっております。まさにメジャー奉仕と言わなければなりません。政府が、わが国エネルギーの深刻な対米依存を脱却し、エネルギーの自主的開発を促進する立場に立つなら、こうしたメジャー支配に歯どめをかける有効な対策を講じ、優遇措置をやめるべきではありませんか。明確な答弁を求めます。  第四に、この法案は鉱業権の申請権を日本国民及び日本国法人すべてに与え、その認可手続を定めたものであります。にもかかわらず、すでに締結されている「掘さく義務に関する交換公文」は、日本石油開発など特定の企業に鉱業権者としての資格を与えることを前提としているのであります。これでは国内法案を審議する意味は全くないではありませんか。これは、国権の最高機関である国会の審議権に対する重大な侮辱ではありませんか。責任ある答弁を求めます。  いま、日韓関係をめぐって、金大中事件でのKCIAの犯罪やソウル地下鉄、浦項総合製鉄所など、さまざまの黒い疑惑が渦巻いております。この日韓大陸だな開発自体についても、日韓協力委員会の介入をめぐって繰り返し疑惑が提起され、また、アメリカ議会で朴政権がガルフ社から三百万ドルの賄賂を受け取ったことまで暴露されているのであります。にもかかわらず、総理は、これらの日韓癒着をむしろ結構なことだと開き直って、日韓大陸だな協定成立強行に続いて、本案の成立をしゃにむに進めようとしております。こうした福田内閣の姿勢は、韓国留学生拉致事件におけるKCIAの主権侵害に対して対韓援助の打ち切りまで表明をし、原状回復をなさしめた西ドイツ政府の態度と比べるならば、余りにも対照的ではありませんか。  総理が真にわが国主権擁護の立場に立つならば、日韓癒着勢力をめぐる黒い霧こそまず徹底的に究明をし、国際的腐敗関係の根を絶つべきではありませんか。総理の明確な見解を伺って、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫登壇拍手
  30. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) お答え申し上げます。  尖閣諸島に対する中国漁船領海侵犯問題についてのお尋ねでございますが、これは先ほどるる申し上げましたので、お答えは省略をさしていただきます。  それから、それに関連いたしまして、尖閣列島の領有権問題について政府はいままで何をしてきたのかと、こういうお話でございますが、これは、尖閣列島わが国固有領土であることにつきましては、国際社会で誤解があってはならぬことでありまするから、これを機会があるごとにその説明をし、PRに努めてきておる次第でございまするが、この紛争が生ずる相手国に対しましては、これは相手国そのものに対しまして具体的な交渉等はいたしておりません。わが国固有領土である、それを、これは私のものであります、交渉いたしましょうなんていう、そんな態度はとらない。これは、私は政府として当然のことであったと、このように考えます。  それから、歴代の自民党政府が、アメリカやソビエト連邦や韓国などに対しまして、主権侵犯事案があった際に屈辱的態度をとってきたという点につきましてのおとがめでございますが、わが国に対する一連の主権侵犯に政府が屈辱的態度をとったという事実は全然ございませんでございます。  今回の日韓共同開発協定、これは、日韓両国間の大陸だな南部に関しまして、日韓両国法的立場につきまして両国の間に意見の相違、対立があったわけであります。しかしながら、これは対立があるからといって開発をほうっておくわけにはいかない。エネルギー問題はわが国に対しまして死活の問題であります。そういうことを考えまするときに、両国が相互信頼の精神のもとでこれが開発に当たると、こういうとを協定する、これは現実的な処理であると、このように考えております。現実的かつ妥当の処理であると、このように考えておるのであります。  それから、この協定締結をめぐって日韓協力委員会が介入したなどのうわさもあるが、この際日韓癒着を徹底的に究明せよ、国際的腐敗関係を根本的に絶つべしというような御所見でございますが、どうも一部の人はですね、日韓関係日韓関係と言うとすぐ目くじらを立てて、いろんなことをおっしゃいますけれども、韓国わが国の本当の一番近いところにある全く一衣帯水の隣国中の隣国なんです。この隣国との間にいろんな関係ができることは、これは当然であります。ただ、その関係がですね、悪い関係であってはならぬということだけの話であります。いい関係でありますれば、その関係が濃密になればなるほどいいのである、このように御理解を願いたいのであります。悪い関係がありますれば、これは剔抉いたし、厳重に処理いたします。(拍手)    〔国務大臣園田直君登壇拍手
  31. 園田直

    国務大臣(園田直君) 共同開発協定第二十八条に、「この協定のいかなる規定も、共同開発区域の全部若しくは一部に対する主権的権利の問題を決定し又は大陸棚境界画定に関する各締約国の立場を害するものとみなしてはならない。」とございます。たびたび答弁いたしましたとおり、主権の放棄ではないと考えております。  なお、この開発に当たって、石油天然ガス資源探査または採掘に関連をして、原則として操業管理者たる開発権者を認可した日韓いずれかの国の国内法令をその小区域に適用することを日韓相互で認め合うこととしておるわけでありますけれども、ある特定の法令が、一般的、包括的に当該小区域に適用されるか否かということを云々することは適当ではなく、いずれにせよ、個々の法令の適用については、日韓間で密接な協議を行うべきであると考えており、かかる協議を通じ、わが国労働者が受ける取り扱いにも十分配慮を払ってまいる所存でございます。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫登壇拍手
  32. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 第一の御質問漁業についての御質問でありますが、いま御指摘になりました点は、重要な魚礁の存在する地域を指定区域として採掘等を制限する制度は韓国側が操業管理者のときは適用されない事実がありますが、これは、協定第二十七条に、その点につきましては共同開発漁業に不当な影響を与えないように定めておりますので、政府といたしましては、この趣旨にかんがみまして、指定区域に指定するような重要な魚礁では特に慎重な開発を行うよう、操業管理者である韓国開発権者と共同で事業を行います日本側開発権者を十分に指導してまいりたいと存じます。また、共同開発事業契約の認可に際しましても、協定の第二十七条の趣旨に沿いまして、両国政府の他産業保護に関する政策に従う旨を契約に記載させる、こういうことをいたしまして、漁業者と調整がつかないうちに事業を開始することのないように契約に明記させる所存でございます。したがいまして、御指摘のようなことのないように十分配慮したいと存じます。  それから第二点は、開発権者は今度の特別措置法に基づきまして特別鉱業権者として認められることになりますが、これは能力主義で査定をすることになっております。現在だれをするかというようなことは一切決まっておりませんで、経理上の能力、技術上の能力等を十分勘案をいたしまして、今回の特別措置法成立をいたしました後におきまして決定をすることになっております。  なお、メジャーに対する奉仕ではないかというお話がございますが、メジャーは、御案内のように、世界各地で開発に参加をいたしております。それは各国がリスクを分散するという意味もございますが、同時に、開発には多額の資金を必要とする、技術力を活用すると、こういうことから世界各国で開発に参加をいたしておるわけでございますが、今回の場合は、メジャーの参加ということはまだ何も決まっていないのでございます。仮に万一メジャーの参加が決まりました場合といえども、開発をいたしました油は、先ほども申し上げましたように、貿易管理令第一条によりまして、場合によりましたならば外国に輸出をさせない、日本供給するように指導してまいる所存でございます。(拍手)     —————————————
  33. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 木島則夫君。    〔木島則夫君登壇拍手
  34. 木島則夫

    ○木島則夫君 私は、ただいま趣旨説明の行われましたいわゆる日韓大陸だな特別措置法案について、民社党を代表して、総理並びに関係大臣にお尋ねをいたします。  わが国にとって石油の安定的確保は緊急の課題であり、そのための必要にして十分な対策が行われなければ、経済の安定的発展はもとより、国民生活や福祉の向上も望み得ないところであります。現在、自由世界の確認埋蔵量は、現在の消費量の三十七年分と言われておりますが、すでに年間の消費量が新規発見量を上回り始めてきており、このような状況の中で、世界石油は、一九八〇年代後半から一九九〇年代にかけての期間に増産の限界に達する可能性があるという見方は、いまや一般的であり過ぎる見方となっております。このような意味から考えてみましても、また、備蓄という点に着目をいたしましても、わが国に近い海底油田の開発は緊急の課題であることは言うをまたないと思います。  このような状況のもとで、日韓大陸だなの共同開発構想は、日韓両国の間に横たわる大陸だなの境界問題についての日韓両国意見が必ずしも一致せず、国際海洋法会議における結論もまだ出ていない現状の中で、共同開発という現実的な解決方策がとられました。このことは、エネルギー問題を真正面に据えた、まさに今日的な取り組みと言えましょう。ただ、多くの論議を呼んできた共同開発事業だけに、実施する以上は、必ずや実効の上がるものでなければならず、また同時に、実施後に懸念される諸問題についても十分な解明配慮がなされなければならないと考えます。  そこでお伺いをしたいのは、大陸だな開発には大きなリスクを伴い、かつ、相当の日時を必要とするため、その開発を促進するためには、探鉱開発計画の策定及び精密な基礎調査の実施などがぜひとも必要であります。どのような手順で調査を進めていくか、通産大臣から具体性のあるお答えをいただきます。  また、日韓共同開発地域開発に当たっては、新たな国内法は必要ないという意見もあるようでありますが、日韓大陸だな協定実施するとなりますと、現行の鉱業法では無理な点が多々あると考えます。たとえば、開発権者の認可に当たっての能力主義鉱区放棄義務坑井掘削義務などがこれであります。政府としては、現鉱業法でも日韓共同開発が可能と考えているのか、不可能であるとするならば、その理由は何か、明確にお答えをいただきたいと思います。  私は、わが国周辺大陸だな開発の中で最も有望な鉱区日韓大陸だなの共同開発地域にあると思いますが、この開発区域における可採埋蔵量はどのくらいなのか、予測される原油の質はどうか、これが開発された場合のわが国エネルギーと経済面に与える影響について、具体性のあるお答えをいただきたいと思います。  次に、資金面についてであります。  御承知のとおり、石油の探鉱開発はきわめてリスキーなものであります。したがいまして、石油開発公団からの資金援助がなされなければ、開発事業は現実の問題として進まないと思うのであります。ところが、この共同開発に対する石油開発公団投融資について、河本通産大臣は、先般の衆議院商工委員会においても、また、本本会議におきましても、強硬姿勢をとっている中国の態度に変化がなければ投融資しないとの見解を表明をしておりますが、その真意のほどを通産大臣にお伺いをしたい。それとも、近い将来、中国側の態度に変化があり得ると政府考えているのでしょうか。また、もし中国側の態度に変化がなく、その結果、公団投融資ができなくとも、民間企業の調達資金だけで十分な探鉱活動が可能だと政府考えているのでしょうか。この際、明確な答弁を要求をするものであります。  このことに関連をし、中国との関係について伺っておきます。  政府は、この日韓共同開発区域は、中国国際法上の権利を侵害しない地域を慎重に選んで共同開発をするのであるから、国際的な慣行からいっても許されるべきものであることを中国側理解を求める努力はするが、中国と協議すべき性質のものではないと一貫をして主張をされてまいりました。私は、それはそれで筋が通っていると思うのでありますが、尖閣列島等の問題が起こっている折でもあり、外務大臣中国との問題をどのように考えているか、お伺いをしたいと思います。  次に、共同開発区域における探鉱開発の技術的な可能性について伺います。  この共同開発区域の東半分は水深二百メートルから一千メートルの大陸だなの傾斜面に当たり、西半分はその大部分が隆起帯に当たっています。したがって、三百メートルより深いところでは従来のようなプラットホーム方式で生産することがむずかしく、どうしても海底生産システムの開発が必要となるからであります。これらの可能性について率直にお伺いをいたします。また、パイプラインの敷設の問題についても技術的な面で不安はないのかどうか、通産大臣見解を伺っておきたいと思います。  次に、開発事業の実施に伴って生ずるであろう問題の中で、漁業との調整について伺います。  御案内のとおり、この共同開発区域は、わが国の重要な漁場でもあります。なるほど、本特別措置法第二十一条は、両国開発権者がそれぞれの国の漁業関係者の漁業利益との調整を行い、かつ、その方策を両開発権者の問の事業契約に明確に盛り込むこととなっております。これは具体的にいかなる内容を盛り込むのか、また、盛り込む場合、漁民の意見はどのように反映されるのか、欠けるところがあってはならないと思いますので、政府見解をただしておきたいと思います。  さて、日韓大陸だな協定は四十九年一月三十日に署名され、五十二年六月八日、国会で承認をされておりますが、それ以来十カ月を経過した今日、批准書が交換をされていないことは異常な事態と言わなければなりません。そこで、今回のように、これまで協定を国会で承認した後これほどの長期間批准書の交換を行わなかった事例はあるのか、外務大臣伺います。  また、こうしたわが国の事情に対し、韓国の最近における受け取り方について御説明も願いたいと思います。私は、かくも長きにわたって条約の批准をしないことは、韓国側に単独開発に踏み切らせる口実を与えはしないかと危惧をするものであります。万一韓国側が単独開発に踏み切った場合、わが国はどう対処をするつもりか、外務大臣見解をお伺いをいたします。  また、このようにいつまでも国内法を成立させないことにより協定実施できないことは、国際信義に反し、今後のわが国外交に大きな禍根を残すことになると思いますが、その影響について総理並びに外務大臣はどのように考えているのか、的確なお答えをいただきたいと思います。  私は、国益の面からも、また国際信義の面からも、早急に日韓大陸だなの開発が推進されるべきであり、政府も確固たる姿勢で臨むことを強く要求をして、質問を終わるものであります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫登壇拍手
  35. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 木島さんが、長い将来を展望いたし、その中で、日韓大陸だな協定、これは国内的に見ましても国際的に見ましてもその開発がどうしても必要なんだ、その協定の批准を急ぐべきであるという御見識を示されましたが、全く同感でありまして(拍手)深くその御見識に対しまして敬意を表する次第でございます。  とにかく、いま御指摘もありましたが、協定はもう署名いたしてから四年を経過しておる、また、協定が国会で承認をされてから一年近くを経過しておる。これがこのままで長引くというようなことになりますれば、まあ国益の問題、この開発自体の問題についての国益の問題、それはさておくといたしまして、わが国の国際社会におけるメンツはまるつぶれになってしまうのであります。そういうことを考えましても、これはもう一刻も早くこの承認協定の批准をいたさなけりゃならぬ。その前提といたしまして、今回の国内法、これはもう早急に御承認賜りたいということをお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫登壇拍手
  36. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) まず、この石油天然ガスの探鉱をいたします場合には、物理探査から始めます。それから試掘を実施すると、こういう順序になるわけでございますが、いずれにいたしましても、この探鉱はリスクが非常に大きい。かつまた、時間と多額の資金を必要といたしますので、各段階ごとにきわめて綿密なプランが、また技術的な検討が必要でございます。しかし、幸いわが国昭和三十年ごろからこの探鉱活動をやっておりまして、世界各地で幾多の実績もございますし、それから大陸だなにつきましては昭和四十六年ごろからやっておりまして、これも幾つかの経験がございます。私どもは、必ずこれが成功するものと期待をいたしております。  それから、これが開発された場合に、わが国エネルギー政策上どのような意義を持つかということでございますが、これは非常に大きな意義を持つと考えております。石油が全然出ない日本にとりまして、ある程度の安定供給ができるということでございますから、経済の安全保障上からも非常に大きな意義を持っておると、このように理解をいたしております。  それから、この開発のためには特別措置法が必要かということでございますが、これは昨年国会で御承認をしていただきましたが、協定実施するための国内法——国内手続を定めた国内法でございまして、これがありませんと現実に事は進んでまいりません。必要でございますので、ぜひとも早期に成立するようにお願いを申し上げたいと存じます。  それから埋蔵量の問題でございますが、もうすでに御案内のとおりだと思いますけれども、究極の可採埋蔵量は約四億キロと想定をいたしております。これには幾つかの根拠がございますが、この際はその根拠は申し上げません。省略さしていただきます。  それから、石油開発公団投融資するのかどうかというお尋ねでございますが、中国異議が続いております間は公団からの投融資はしないことにいたしております。その場合に多額の民間資金が必要だが、この事業は可能かと、こういうお尋ねでございますが、特定鉱業権者設定をいたします場合に、能力主義で、経理上の能力、それから技術上の能力を十分勘案をいたしまして最終決定をすることにいたしておりますので、この点に対しては十分可能であると考えております。  それから、まあ開発に際しまして気象条件とかパイプ、そういう問題についてはどうかというお話でございますが、気象条件がよくないということは、これはまあ御案内のとおりでございますが、しかし、わが国の技術は相当進んでおりまして、大体水深三百メーター前後のところまでは開発が可能になっております。また、パイプラインも水深六百メーター程度までは敷設が可能であると、このように私どもは考えておりますので、技術上問題はないと確信をいたしております。  なお、漁業の問題はどうかということでございますが、漁業につきましては格段の配慮をいたしております。特別措置法の中でもいろんな規定を設けておりますが、漁業との調整がうまくまいりませんとこの開発は進みませんので、十二分の配慮をいたしておるところでございます。(拍手)    〔国務大臣園田直君登壇拍手
  37. 園田直

    国務大臣(園田直君) お答えいたします。  中国側に対しては誠意を持ってわが方の立場説明し、中国側理解を得るべく鋭意努力を行ってきたところでありますが、今後とも最善の努力を続けていく所存でございます。  国会承認後、署名後、時日が経過していることは、このような長いことは異例ではございまするが、本件協定は、署名以降四年、承認から御指摘のとおり十カ月たっております。これがおくれますると大変なことでございまして、昨年九月の日韓定期閣僚会議においても、本年二月の日韓外相会談の際にも、しばしば、一日も早く関係国内法が成立をして、本協定を一日も早く批准してもらいたいという強い希望を表明いたしております。  この批准並びに国内法の成立がおくれた場合においては、韓国において、単独開発初めもろもろの強硬意見が起こり、韓国政府立場に困ることは御指摘のとおりでありまして、わが国韓国関係及び国際信義等にも響くこときわめて重大であります。どうか一日も早く本法律案成立しますようお願いをいたします。(拍手
  38. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これにて質疑は終了いたしました。      ——————————
  39. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第二 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長和田静夫君。    〔和田静夫君登壇拍手
  40. 和田静夫

    ○和田静夫君 ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会の審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案の主な内容は、第一に、勤労者財産形成基金制度を創設し、その基金は、事業主の拠出による金銭を運用し、財産形成基金給付金として勤労者に支払われるようにすること、第二に、財形持ち家個人融資の貸付限度額を現行の一千万円から一千五百万円に引き上げるとともに、融資対象に中古住宅の購入等のための資金を加えるほか、公務員等に対する融資について改善すること、第三に、雇用促進事業団は、財形貯蓄を行っている勤労者またはその子弟の進学に要する資金の貸し付けを行うことができるものとすること等であります。  委員会におきましては、勤労者財産形成政策基本方針の早期策定、土地対策の抜本的検討、財形貯蓄の目減り対策、中小企業に対する助成金制度の充実、財形持ち家融資における融資条件の改善等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、討論はなく、採決の結果、本法律案は全会一致で原案どおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、財形促進のための具体策の確立と計画的実施、土地対策等の基礎的条件の整備、税制、財政面における優遇措置のあり方、還元融資の内容改善とその普及促進等を内容とする附帯決議を全会一致でつけることに決しました。  以上報告いたします。(拍手
  41. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  42. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ——————————
  43. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第三 国際協力事業団法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。外務委員長安孫子藤吉君。    〔安孫子藤吉君登壇拍手
  44. 安孫子藤吉

    ○安孫子藤吉君 ただいま議題となりました国際協力事業団法の一部を改正する法律案につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。  この法律案は、わが国開発途上地域政府に対して行う無償資金協力を一層効率的に実施するため、これまで外務省が一元的に行っておりました無償資金協力業務のうち、技術協力と密接に関連する無償資金協力の促進に必要な業務を国際協力事業団に移管すること等について定めたものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。  去る十三日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  45. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  46. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ——————————
  47. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第四 特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長楠正俊君。    〔楠正俊君登壇拍手
  48. 楠正俊

    ○楠正俊君 ただいま議題となりました特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、特許協力条約実施するため、同条約に基づく国際出願等に関し、特許庁と出願人との間における手続を定めるとともに、特許法、実用新案法等の規定を整備しようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わりましたところ、安武理事より、日本共産党を代表して、国際出願の翻訳文と原文に不一致があった場合の審査手続に係る修正案が提出されました。  原案及び修正案に対する討論はなく、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、対馬理事より、各派共同提案に係る、国際出願を翻訳文に基づいて審査することに伴う発明保護のための国内特許制度の検討など五項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  49. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  50. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ——————————
  51. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) この際、日程に追加して、安全なコンテナーに関する国際条約(CSC)の締結について承認を求めるの件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。外務委員長安孫子藤吉君。    〔安孫子藤吉君登壇拍手
  53. 安孫子藤吉

    ○安孫子藤吉君 ただいま議題となりました安全なコンテナーに関する国際条約につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。  この条約は、コンテナーの運用に関し、人命の安全を確保し、かつ、コンテナーによる国際運送を容易にすることを目的として一九七二年に作成され、一九七七年に発効したものでありまして、締約国がコンテナーの試験、検査及び承認に関する手続をこの条約に定める基準に従って定めること、一つの締約国がこの条約に従って与えた承認は他の締約国において認容されること等を規定したものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。  本日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  54. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  55. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時三十三分散会