運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1978-04-20 第84回国会 参議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月二十日(木曜日)    午後二時開会     ―――――――――――――    委員異動  四月二十日     辞任         補欠選任      山中 郁子君     小笠原貞子君   出席者は左のとおり。     ―――――――――――――     理 事                 林  ゆう君                 原 文兵衛君                 片岡 勝治君                 井上  計君     委 員                 岡田  広君                 源田  実君                 竹内  潔君                 林  寛子君                 野田  哲君                 山崎  昇君                 黒柳  明君                 森田 重郎君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)      稻村左四郎君    政府委員        総理府恩給局長  小熊 鐵雄君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君    説明員        総理府恩給局恩        給問題審議室長  手塚 康夫君        大蔵省主税局税        制第一課長    矢澤富太郎君        厚生省年金局年        金課長      長尾 立子君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     ―――――――――――――   〔理事原文兵衛委員長席に着く〕
  2. 原文兵衛

    理事原文兵衛君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員長が所用のため委員会に出席できませんので、私がかわって委員長の職務を行います。  委員異動について御報告いたします。  本日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。
  3. 原文兵衛

    理事原文兵衛君) 恩給法等の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。稻村総理府総務長官。
  4. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、最近の経済情勢にかんがみ、恩給年額増額するとともに、戦没者等遺族傷病者及び老齢者処遇改善を図るほか、旧軍人等加算恩給に対する減算率緩和等措置を講じ、恩給受給者に対する処遇の一層の充実を図ろうとするものであります。  次に、この法律案概要について御説明申し上げます。  この法律案による措置の第一点は、恩給年額増額であります。  これは、昭和五十二年度における公務員給与改善基礎として、昭和五十三年四月から、恩給年額を約七%増額しようとするものであります。また、公務関係扶助料最低保障額傷病恩給基本年額等につき、同年六月からさらに特別の増額を行い、公務扶助料については遺族加算を含み年額八十五万二千円を保障することといたしております。  その第二点は、普通恩給等最低保障額増額であります。  これは、昭和五十三年四月から、長期在職老齢者普通恩給最低保障額を六十二万二千円に引き上げる等、普通恩給及び普通扶信料最低保障額を引き上げるほか、同年六月から、六十歳以上の者または寡婦加算の対象となる子を有する妻に支給する普通扶助料最低保障額について特段の措置を講じようとするものであります。  その第三点は、寡婦加算及び遺族加算増額であります。  これは、普通扶助料を受ける妻に係る寡婦加算及び公務関係扶助料を受ける者に係る遺族加算の額を引き上げようとするものであります。  その第四点は、旧軍人等加算恩給減算率緩和であります。  これは、六十歳以上六十五歳未満の者に給する加算による普通恩給または普通扶助料年額を計算する場合には、減算を行わないこととしようとするものであります。  その第五点は、介護を要する重症者に対する特別加給増額であります。  これは、第二項症以上の増加恩給または特例傷病恩給受給者に給する特別加給年額を十五万円に引き上げようとするものであります。  その第六点は、長期在職老齢者等に対する算出率特例措置改善であります。  これは、七十歳以上の者、妻子及び傷病者に給する普通恩給または扶助料について、その算出率特例措置における三百分の二に係る年数の上限を十三年に改善しようとするものであります。  以上のほか、扶養加給額増額短期在職の旧軍人等に対する仮定俸給改善普通恩給と併給される傷病年金減額制の廃止、断続実在職年三年以上の旧軍人に対する一時金の支給等所要改善を行うこととしております。  なお、以上の措置については、公務員給与改善に伴う恩給年額及び扶養加給額増額並びに普通恩給最低保障額増額昭和五十三年四月から、その他の改善措置は同年六月から、ただし、加算恩給に対する減算率緩和及び旧軍人等に対する一時金の支給については同年十月から、それぞれ実施することといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  なお、この法律案では、公務員給与改善に伴う恩給年額増額等措置は、昭和五十三年四月一日から施行することにいたしておりましたが、衆議院において、これを公布の日から施行し、本年四月一日から適用することに修正されております。  よろしくお願いをいたします。
  5. 原文兵衛

    理事原文兵衛君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 竹内潔

    竹内潔君 私は、これから特に旧軍人普通恩給について政府の御見解をただしたいと思います。  ここ数年、当局の非常な御努力によりまして、著しい改善を見ましたことは大いに評価をするものです。しかし、戦後すでに三十数年を経過した今日、恩給受給者も亡くなる方が非常に多くなってまいりました。旧軍人普通恩給受給者も現在百二十万人ぐらいだと思います。その恩給金額は約三千億円。全恩給受給者が二百五十万ぐらいまだおいでと思いますが、その全恩給金額が一兆二千億円になる。そういたしますと、普通恩給受給者の数は大体全受給者の約二分の一、それから金額にして約四分の一、そういたしますと、一人当たりの一年間の受給金額が約二十五万円であります。これらは遺族の方の公務扶助料とか傷つかれた方の傷病恩給が優先的に処遇されることはもう当然でありますけれども、一人当たり年額二十五万円、月額にして二万円強ということは余りにもいかがなものか、こんな感じを持っております。ちなみに無拠出の老齢福祉年金でも五十二年度においては十八万円ということでございますので、二十五万円という平均受給額は適正なものとは思われないわけであります。  国に青春をささげた旧軍人もすでに受給者平均年齢が六十二、三歳になっていると思います。しかも、二十八年まで旧軍人普通恩給は停止されていました。二十八年に復活したものの、戦前既得権者と、そして長期在職者だけが復活した。大半の方が三十六年の加算を認められて受給権者になったという実情を見ますと、余りにも低額ではないかと私は思うわけなんです。そこで長官、その辺の金額との感じと申しますか、一遍長官の御見解をひとつ伺いたいと思います。
  7. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) ただいま先生お示しの金額でございますが、多分昭和五十三年度予算初年度分予算で計算された額かと思いますが、これは平年度化しますともう少し、いま二十五万と先生おっしゃったのが二十六、七万ぐらいになるんじゃないかと思いますが、いずれにしてもその額は余りにも少な過ぎるのではないか、こういうお話でございますが、先生もうすでに御承知のように、軍人恩給というのは各階級ごとに定められた仮定俸給と、その在職年限、これによって決められていくわけでございまして、在職年限につきましても、御承知のように加算年が入っているわけでございまして、実在職で考えますと最短三年からあるわけでございまして、非常に短い在職の方、そして仮定俸給の非常に低い方、こういう方が恩給年額として非常に少ないということはある程度やむを得ないんじゃないかと、このように考えておるわけでございますが、ただ、先生いまおっしゃいましたように、国にその青春をささげて非常に苦労された方々、この方々の老後の生活の支えをという機能を果たすという意味からは、やはり余り少ないというのはいかがかということで、これらの給付の改善ということにつきましては逐年行ってまいっておりまして、特に四十一年以降最低保障額という制度も導入いたしまして、かなり水準は上がってきているんじゃないかと、このように考えるわけでございます。
  8. 竹内潔

    竹内潔君 いまの御説明で、確かに仮定俸給、その他三年の実役のような方もおいでになるということはわかりますが、そこで私、恩給年齢関係につきまして、現在の恩給法からしまして御意見を伺いたいんでございますけれども、恩給精神と申しますか、本質といいますか、恩給年齢によって異なると申しますか、そういう点につきまして若干私は疑問を持つわけなんでございます。旧法にも新法にも若年停止というものがあるわけです。四十五歳-五十歳-五十五歳、それぞれ五〇%、三〇%減額される。私はこの規定それなりに理解できると思います。しかし、戦後すでにもう三十年も経過いたしまして、もはや受給者の中にはこの若年停止によって減額されるという方はもうほとんど少なくなってしまった。しかるに新法においては、また五十五歳とか六十歳とか、六十五歳、七十歳と、五年刻み減額規定があるわけです。たとえば仮定俸給とか、また加算減算とか、非常にこれは恩給の根本に触れるようなものが五歳刻み規定されている。ここに私は現在の恩給における、さっきの御説明にもありますけれども、低額という原因があるのではないか。考えますれば、これは若年停止の延長と言われてもしようがないんじゃないかとさえ思うんですが、恩給年齢関係につきましてどういうようなお考えを持っておられますか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  9. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 戦後の軍人恩給につきましては、先生も御承知のように、二十八年までの空白期間とか、あるいはその後、未裁定者加算年を加えるとか、こういったことで非常に大きな変遷をしてきておりますし、また非常に激しい社会的、経済的変動といいますか、これに伴いましていろんな改善措置あるいは改定措置が行われてまいったわけでございます。これらの改定措置というのは、やはり当時の国民的な要請というものに対応して行われてきたんじゃないかと思いますが、やはりいま申し上げたような非常に激しい経済的な変動というものに伴いまして、やはり経済的、社会的に非常に弱い立場にある老齢者あるいは戦傷者、こういったところに非常に大きく向けられていたんじゃないかと思います。まあほとんどの改善措置が、老齢者の救済といいますが、これが主眼になっていたんじゃないかと思うぐらい老齢者に対して手厚く処遇してまいったわけでございます。私、ただいま先生指摘された非常に若年の者が制限を受けているんじゃないか、これは戦前になかったものだから軍人恩給本質に反するんじゃないかと、こういう御説のように伺うわけですが、それはそれなりに私理解できるわけでございますが、しかし、ただいま申し上げましたように、これを若年制限と考えるのか、あるいは老齢者を優遇した結果その間に差ができたと考えるのか、その辺がちょっといろいろ問題があるんではないかと、このように考えるわけでございまして、老齢者を優遇した結果のそういった若年者との差、これができたから直ちにいまの恩給制度というものがその精神に反しているんだと、このようには私考えない、こう思うわけでございます。
  10. 竹内潔

    竹内潔君 いまおっしゃったように、確かに老齢者優遇ということはわかるんです。わかりますけれども、私はこれからお聞きしたいと思いますが、たとえば仮定俸給の問題とか、加算減算率の問題というものは、これはある意味においては受給者がひとしく私は平等でなければならぬ問題だと思っておるわけです。そういう点において差があるということは、単に老齢者優遇ということでは済まされない。私は老齢者優遇ということは非常に大事なことであるし、当然それはやっていただかなきゃならぬ。しかし、その基本になるものがいわゆる平等を欠くということに問題があるんじゃないかと、こう思っているわけです。  そこで、以下数項目にわたって具体的な御質問をしたいと思うわけですけれども、まず仮定俸給でございます。  申すまでもなく仮定俸給というのは、これは恩給を計算する基本でございます。この仮定俸給が、いま申し上げた年齢による格差があるということはどうも私は納得できない。現在もまだ、しかも特に旧軍人恩給から言うならば文官との間に格差がまだあるのではないか、こういうふうに思うわけです。確かに二十八年から数回の手直しがなされまして、まあここはいろいろ議論が分かれるところかもわかりませんけれども、やはり私は格差があると思っているわけです。特に私、最近の例といたしましては、四十八年でございますか、文官長期在職者の七十歳以上の方を一律の四号俸上げた。この点につきましては、ごく最近でございますし、明らかな私これは格差だと、こう思っているわけでございます。この辺についてはいかがなものでしょうか、この辺のひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
  11. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 旧軍人文官との恩給額格差の問題でございますが、先ほどもちょっと申したかと思いますが、旧軍人恩給額というのは、大体階級に応じた一定仮定俸給、これに基づいて戦前から計算されておったわけでございます。また、文官につきましては、その方の実俸給基礎として計算されてまいったわけでございます。したがいまして、格差の話は別として、旧軍人文官とが必ずしも一定でなければならない、あるいは一致しなければならないというたてまえのものではなかったんじゃないかと、このように考えるわけでございます。ただ、先生いま御指摘のように、旧軍人文官との間には確かに格差がございました。しかし、これも昨年からの一号俸アップとか、あるいはことしも大尉以下の一号俸アップ、こういったことによりまして、大体短期の方についてはこの計画をもう少し推し進めればなくなるんじゃないか。短期の方と申しますのは、先生も御承知と思いますが、大体軍人恩給を受けておられる方の九五%以上を占めておるわけでございまして、この方についてはもうちょっと努力すればなくなるんではないか、私このように考えております。ただ、長期につきましては、いま先生も申されたように、文官について四十八年、それから五十二年、大きな是正を行っております。この是正は、別に軍人との差をつけるための是正ということではなくて、文官同士年次別格差文官同士で、昔やめた人と比較的新しくやめた人、この人との間の格差を埋めるという趣旨で行われた是正でございまして、この結果、確かにおっしゃるように長期についてはかなりの格差があると思います。しかし、先ほど申し上げましたような趣旨で、九五%以上を占める短期については、しかもこれらの軍人さん方は非常に低い恩給でございますが、この方々についての格差はもうなくなったと言ってもいいんじゃないかと、このように考えております。
  12. 竹内潔

    竹内潔君 いま、文官同士長期の方の年次別格差をなくすということは私もわからぬわけじゃないんです。しかし、それはやはりどうしても格差というものをなくすというのは、低くするわけじゃなくて高く持っていくと、そうなると、やっぱり全般的にも上がるという感じも持たれるわけですね。この辺、これは議論の分かれるところですが、ひとつ御検討を賜りたい点なんですけれども、あると思います。  それから、九五%以上が旧軍人では短期なんですが、それに比しまして、文官の方というのはほんのわずかが短期短期で見合っていると言うけれども、これは何かちょっと私どもといたしましては、どうも長期はあるけれども短期はないと、こうおっしゃるところに旧軍人大半受給者というものは、何かそこに意図的と申しちゃいけませんけれども、考えさせられるものが私はあるんじゃないか。これはなかなか議論が分かれますので、これ以上、いま申し上げる時間もございませんので申し上げませんが、その点のところはどうもそういうような感じがいたしてなりませんので、ひとつ再度また御検討を賜りたいと思うわけでございます。  おっしゃったように、確かに旧文官との間はいま申し上げたとおりでございますけれども、旧軍人間の中にも実はあることも事実でございまして、それは御説明ありましたように、去年、五十二年度からですけれども、一号俸ずつ上げて、しかも六十歳以上上げていかれまして、ことしこれが法案が通りますと、各階級とも一号俸になっているわけで、確かに大きなこれは御努力に対する評価をするわけです。しかし、この中で私一つ特別のケースかと思うんですけれども、一般的には、いま申されたように六十歳以上で大体長期短期はなくなってくるということでございますけれども、旧海軍特務士官、これは御承知のように、かつて特別なやっぱり俸給体系においては処遇された方でございます。それが現在非常に一律になっているというところに私自身も問題あるんじゃないかと思うし、その勤務年数からいたしましても、何かこれを同じように見るということは若干私は平等を欠くような気がいたしますが、この辺ひとつどういう御見解でございましょうか。
  13. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) ただいま先生指摘の問題は、旧海軍におきましての一般士官と、それから特務士官、この間の格差というようなお話ではないかと思いますが、御承知のように、かつて旧海軍では一般士官の方は特務士官に比べ非常に俸給そのものは低かった。それが昭和八年だと思いますが、仮定俸給が定められましたときに、少尉少尉として一律の仮定俸給になってしまった。そこに問題があるんだろうと、このように考えるわけですが、先生も御存じのように、旧軍人恩給につきましては、ずっと以前は階級勤務年限、これに対応する恩給額そのものが一律に決まっておったわけでございますが、その後、先ほど申し上げましたように、これが各階級ごと仮定俸給、これによって計算する、こういうシステムになったわけでございます。これが昭和八年に制度化されまして以来、今日まで戦前戦後を通じて四十数年聞こういったシステムでまいっておるわけでございまして、いまおっしゃったような特務士官の方に何らか特別の処置をするということが軍人恩給内部でどのような問題を起こすのか、この辺もう少し私ども研究してまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
  14. 竹内潔

    竹内潔君 なかなかこれはむずかしい問題でございますので、時間もございませんのでこの辺でとどめますけれども、ここ数年来、仮定俸給も含めて恩給全般調査をするということで調査費もついておりますが、ひとつその点、調査結果が出ておられれば後日で結構ですがいただきたいと思いますし、また、その調査過程にあるということでございましたら一遍中間的な調査の結果をわかれば一遍お知らせ願いたいと、こう思います。
  15. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) 先生ただいま御指摘になりましたように、五十年度からでございますが、調査研究費というのを計上しております。これはかつて恩給審議会というような審議会でいろいろ御検討いただいたこともございます。いま政府の責任でやっていくという姿勢をとっているために、やはり理論的にもいろいろと研究し、あるいは必要な調査をしていかなければいけないのじゃないかということで、今度の予算案におきましても約四百万計上しておるわけでございます。ただ、これはいろんな問題を抱えておりまして、主としては研究が主になります。たとえば仮定俸給の問題、いろんな問題があるのではないか、ただ、その歴史的な経過自体なかなかわからない点がございます。たとえば明治二十三年の軍人恩給法から大正十二年の現在の恩給法、先ほど局長申しましたように、階級別年数別に決められた恩給額そのものが定められていた、それがどのようにして増額されたかというのはなかなか資料的にもわからない点がございます。そういった点を広く深く研究してということでございますので、端的なあれは出るとか、中間で報告できるといったものでは残念ながらございません。念のために申しますと、仮定俸給部会で端的にやらなければいけませんのが、現在、恩給のベースアップ、人事院勧告基礎にしております。したがって、人事院勧告が出ますとすの草々の間にそれを分析いたしまして、そこから資本を求めるということをここ数年やっておるわけでございますが、この部会ではそれが常に最も緊急な問題として研究しておるところでございます。
  16. 竹内潔

    竹内潔君 事情もわかりますけれども、やっぱり仮定俸給というのは一番恩給基礎になるものですから、ひとつ十分その点は納得のいくような御調査を賜りたいと、これだけお願いしておきます。  次に進ましていただきます。  次は加算減算の問題なんです。私は普通恩給の中で、仮定俸給の三分の一、これが私は恩給最低であると、こういうふうに思うわけです。しかるに、戦前恩給法になかった加算減算率新法において出てきたわけです。戦前なかった。戦争公務という生命を危険にさらした勤務こそが他の公務には見られない軍人勤務の特色だったと思います。しかるがゆえにこの加算制度というものを私は生んだのではないかと思うわけであります。その意味では加算こそが軍人恩給生命と言っても過言じゃないと思う。しかるに戦後、いま申したように、軍人恩給に関しまして加算どころではなくして減算率もあると、しかしその後の改善によりまして、六十五歳以上というものは現在加算が認められている。しかし六十五歳以下には、さっきの年齢でございますけれども、依然として加算どころじゃない、減算率が見られる。しかし五十三年度の改善案の中には、六十歳以上の減算率を撤廃すると、非常に結構な改善を見たわけでございますが、そういうわけで、まだある。そうして、その加算というものが、私の知る範囲においては軍人は六十五歳以上が認められている。しかるに文官においては年齢いかんにかかわらず認められている。非常な格差があるのじゃないかと私こう思っているわけです。大体加算というものが軍人恩給から発生したものであるにかかわらず、文官は認めていて軍人には一部しか認めていない。大変おかしい。しかも、それにいま申したように五十五歳、六十歳、六十五歳といったように減算率があるために、現在最低でやるべき恩給が三分の一になっている、こういう実情でございますね。大変私この減算率というのは遺憾な制度だと思っておるのです。何としてもこれを一日も早く撤廃していただきたい。そして加算を認めていただきたいというのが申し上げる点でございます。  そこで、一体なぜ軍人には六十五歳以上で加算を認めていながら文官だけは年齢いかんにかかわらず認めているのか、その辺のところを一遍御説明願いたいと思うわけであります。減算率とあわせてひとつ御説明願いたいと思います。
  17. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 加算年に対する減算措置と申しますか、それはもう先生十分御承知のように、またいまおっしゃられたように、戦前加算年を全部入れておったわけでございます。二十八年に軍人恩給が再出発いたしましたときに、この加算年というのを単に資格年としてだけ認める、しかも金額計算の上では減算を行って実在職年最低恩給年限に達しない年数分だけある率で減額していく、こういう措置がおしなべてとられたわけでございます。この減算措置というのが二十八年当時どうしてとられたのか、余り詳しい事情はちょっとわからないのですが、私個人的な意見として推測いたしますのに、加算年というものの考え方、これが二十八年、戦争が終わって八年たった当時、軍人さんとして非常に危険な戦地その他で苦労されたということはあったわけですが、これがやはり何といいますか、国民的な規模で非常に広範な戦争犠牲というものの中にあるいは影が薄くなったというか、埋没したというか、そういうような感じがあるいはあったのではないか、これは個人的な推測でございます。また、当時といいますか、現在でもそのようでございますが、アメリカにはこの加算という制度がない、こんなこともあるいは影響したのではないかというように考えておるわけでございますが、いずれにしましても、二十八年には全くこの加算年というものは資格年限だけでしかも減算をつける、こういう制度になり、恐らく当時の国民的な何といいますか、コンセンサスといいますか、国民的な考え方がそういうような加算年の考え方であったのじゃないのかなと、このように推測するわけでございます。ただ、その後、軍人恩給というもののあり方、あるいは先ほど申し上げたような社会的な経済的ないろんな基盤が変わってきたということから、老齢者の方には、昔の期待感といいますか、そういうものも含めて優遇措置を講じていく、こういうように変わってまいって逐年改善されていった、このように私考えておるわけでございます。これも先生先ほど御指摘になりましたように、ただいま御審議いただいております法案の中では、六十歳以上については減算を行わない、こういう改善措置をいたしておるわけでございます。これらにつきまして、私ももう少し過去の事情等も勉強いたしまして、先生の御意見でもございますので御検討いたしたいと思います。
  18. 竹内潔

    竹内潔君 ただ、私いまの御説明わからないわけじゃないのでございますけれども、しかし文官年齢の差がないということはこれは銘記していただきたい。そういうことで、何としても、九五%以上が減算によって恩給減額されているということをひとつぜひ御銘記願って、この改善に全力を挙げていただきたいということをお願いしておきます。  時間もございませんので次に参りますが、次は最低保障の問題についてお聞きしたいのでございます。  最低保障というものができた目的と申しますか、それは少額の恩給受給者をば底上げして最低金額を保障しようと。私は大変結構な制度だと思っております。ところが現行規定では、実役十二年以上、九年以上または九年未満と、こう三区分されている。しかもその金額の配分比率が一〇〇、七五、五〇でございます。こういうところに、本来この制度低額恩給受給者を救済するためにあるにかかわらず、長期在職者に比して、救済される恩恵と申しますか、その比率が少ないということがあると思うのです。そこでまず第一点、なぜ九年で線を引いたか、そして一〇〇、七五、五〇というふうにこの比率配分をしたかということを一遍御説明いただきたいと思います。
  19. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 最低保障制度でございますが、これが四十一年に初めて制度化されましたときは、すべて長期在職者だけに限られておったわけでございます。ここでもやはり加算年というものは捨象されておったわけでございますが、これも御存じのように、四十九年に老齢者優遇という趣旨も含めまして、実在職年が最短恩給年限に達しない方にもこれを及ぼすという形に改められたわけでございます。その際、九年以上、それ以下の区分をつけたのはどういう理由か、こういう御質問かと思いますが、最短恩給年限未満の方をそれ以上の方に準じた扱いをしようという際の、この準じたというのをどの程度にするか。これは冗談に、この準じた扱いというのは恩給では大体七五%というようなことがよく笑い話に出るのですが、十二年の七五%、九年というようなこともあったかと思いますが、やはりこれは何といいますか、実態を踏まえた政策的な判断といいますか、こういうことであったと思います。したがいまして、私としましては、この九年というものに合理的な根拠というものが本当に求められるのかどうかという点については、いささかじくじたるものがあるわけでございますが、いま申し上げましたように、これは当時の実態を踏まえて政策判断を下したということではないかと思います。したがいまして、先生のいまの御意見十分拝聴いたしましたので、一体本当にもっと合理的にそういった切り方というものが考えられるのかどうか、この辺もう少し勉強してみたい、このように思っております。
  20. 竹内潔

    竹内潔君 いま、合理的根拠が九年で切ったのにあるかどうかということに対して、局長も明確なる根拠というものをお示しにならなかったんで、私もそうだと思うんです。そこで、最低保障という制度は、さっき冒頭に申したように、非常にいい制度であることは私も十分認めますのですが、ただ、軍人恩給というものが階級とか勤続年数によって恩給計算の基礎をぴしっと出している、そういう点が現在も依然として受給者の中には一つの誇りになっているわけでございますね、それがこの最低保障によってある程度大まかに三区分されたために階級と勤続年数意味が薄れてきているわけです。これは事実です。この辺に若干誇りに対する不満というものがあることもまた事実でございます。それと同時に、たとえば長期、それから九年から十二年の間、また九年以下、こういうふうに分けて毎年同じ率でベースアップされているわけです。ですから、同じ率を掛けるものですから、その間の三区分の差がだんだん開いてしまうわけですね。去年は、仮に言うならば九年以上の方が十三万幾らだったと思います、九年を境にして九年以上と九年以下は。まあ十四万ですか、ことしは十五万ぐらいになっている。このままの方式でいきますと、やはりそういう不合理性も出てくると思います。そこで私、いま御検討されるとおっしゃったわけでございますけれども、ひとつこの階級と勤続年数最低保障にかみ合わせていくということはなかなか両立しない理論かとも思うんです。しかし、そこを何とか、何かより合理的な手法というものはないものか、そんなこを考えるわけですが、たとえばそこで、一つはもう少し細分したらどうかという考え方があります。たとえば、いま九年、十二年と、その九年以下の六年ぐらいにひとつもう一段階入れてみたらどうかと、こんなことも考えてみましたけれども、ひとつこの点、いまここで明確な御答弁はできないと思いますけれども、ひとつその考え方につきまして御見解をお聞きしたいと思います。
  21. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 最低保障というものの性格から言いまして、そう細かに切るというようなことはいかがなものかというように考えるわけでございますが、いまの御提案のようなものがどういった合理性を持つのか、その辺先ほどもちょっとお話し申し上げましたような、いろいろ研究費によりまして部会その他持っておりますし、仮定俸給部会というものもありますので、検討さしていただきたいというふうに思います。
  22. 竹内潔

    竹内潔君 次は、普通扶助料の問題に移らしていただきたいと思いますけれども、普通扶助料というものが、大正十二年に恩給法が大改正になった。それから五十年経過した今日まで、やはり扶助料というものが普通恩給の半分であると。大体いま遺族年金でも、まあ私は世界の趨勢が七割になっているというように聞いておるんですが、わが国でももうそろそろ扶助料というのは七割の時代になってくるんではないかと、こう思うわけであります。そこで、現行法規でいきますと、こういう若干五割ではいかぬという考えもあったかと思うんですが、現在六十歳という年齢でこの扶助料を切っておられる。それで、六十歳未満の方で十八歳未満のお子さんのない方というのは依然として五割だと。それで、去年五十二年度においては十四万七千三百円が最低になっている。まあ五十三年度は改正されまして十五万五千五百円になっている。徐々に改善を見ていることは事実です。しかし、これは余りにも――月一万円ちょっとですからね、年額ですからね、余りにもこれは低いんじゃないかと、こう思うわけなんです。それで、じゃ六十歳以上をどう見るかと言えば、六十歳以上には最低保障額といって五十二年度十六万円、五十三年度はこれが通りますと十八万円、それにいま寡婦加算が二万四千円と、まあことしが通れば三万六千円と、こうなるわけであります。かなりそれも改善見ていますし、まあ六十歳以上の方ではやや七割近くなってきた、最近なったことも事実だし、まあ御努力は認めます。しかし、ここで、旧軍人の六十歳以上と、それから六十歳未満でもいま十八歳未満のお子さんのある方は六十歳以上と同じに処遇されるわけですね。だから、最低保障額が十六万円になるわけですが、この旧軍人の未亡人を見ますと、十八歳未満のお子さんをお持ちになった方というのは本当にもうまれなケースなんですね、ほとんどないと言っていいくらい。そうなってくると、この六十歳以上、また六十歳未満で十八歳未満のお子さんを持っているという規定は、実際軍人恩給普通扶助料に関してはほとんど有名無実になっているということでございます。そこで、まあ私どういう意味でこの六十歳という線をお切りになったか、ひとつその点御見解をお伺いしたいと思います。
  23. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 普通扶助料について、その最低保障額短期のお方に対して六十歳、こういう話でございます。まあ先ほど申し上げましたように、この普通扶助料短期の方、これを最低保障額で拾い上げるというのにつきましては、やはり老齢者優遇措置ということもございまして、これは他の年金でもいわゆる寡婦加算の対象になる者、これがまず緊急を要する方々ではないかということでつい最近六十歳ということに相なったわけでございますが、ただ、ちょっとここで敷衍しますと、先ほど五〇%、七〇%の話でございますが、これらについても私ども十分いろいろ検討しているわけでございまして、まあパーセントで上げるのは、先ほど先生例示されましたように、非常に格差が、同じ割合を掛けていきますと格差が大きくなって開いていく。それよりは、やはり緊急な方々、必要度の高い方々、この方々を先に処置するべきではないかと、いうような考えから六十歳というのが出てきた、このように考えております。
  24. 竹内潔

    竹内潔君 まあいまの御説明でわかるんですけれども、老人優遇、老人優遇とおっしゃるわけですけれども、考えようによっては、婦人の場合はやっぱり早く御主人を亡くされた方の方が苦労も多い点もあるわけです。むしろ年とってから御主人が亡くなった方の方が、その意味においては比較すればまあ恵まれているというようなことも言われるかもわからない。若い方が苦労も多い場合がある。そういうところからいたしますと、やはりこの扶助料に関しては年齢でぴしゃり切るということは、これはちょっと私実は少し納得できないんです。どうぞこの点につきましては、ぜひひとつこの婦人の立場ということから考えた場合には、余り年齢というものは――男子はそれは若ければ働く場も多いというか、婦人の場合にはそういうような場が比較的男子に比べて狭いと、またちょっと意味も違うということもひとつ御検討賜りまして、ぜひひとつこの六十歳撤廃ということは早期にお考え願いたい、これだけ御要望しておきます。  次は、時間もございませんので少しはしょりますが、三十六年に加算が復活して、そして、それまでに一時恩給をもらわれた方、そのときその一時恩給普通恩給に切りかわったときに返済されれば一番よかったんですけれども、返済されなくてもよかった。したがって、その方が依然としてそのとき支給された一時恩給の十五分の一というものを今日に至るまでずっと減額されている。もうすでに十六、七年たっていると思うんですね。この際、金額も非常に私わずかだと思うし、対象人員もそう多くないと思うんですけれども、まあ私としてはこの際もうこの制度は中止していただけないかと、こう思うわけなんですけれども、ひとつその点で、これいまそこに資料がなければ結構でございますけれども、対象人員と、それから減額された金額の合計というのは幾らかおわかりでございましょうか。資料がなければ結構です。
  25. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) いま手持ちの数字ございませんので、後ほどまた御連絡いたします。
  26. 竹内潔

    竹内潔君 恐らく大した人員もおられないと思いますし、金額も大しいことない。しかも、私拝見しますと、非常に事務的にもう煩瑣というか、大変だということもお聞きしているんです。そういう意味におきまして御検討願いたいと同時に、さっき長官からの趣旨説明の中に、いわゆる普通恩給に併給される傷病恩給減額制がありましたですね、あれは本当に御尽力によって、まあ.五%残ったのが今度の改善でゼロになるわけですよ。こういうような改善を見ているわけでございますから、この十五分の一というのはこれはぜひひとつお願いしたいと、ひとつ御見解賜りたいと思います。
  27. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) この十五分の一の減額につきましては、ただいま先生もおっしゃいましたように、すでに返された方、いっときに返された方がおられるわけです。この方との均衡の問題といいますか、その当時返された方は非常に苦心して返されたと思うんです。で、現在返されておられる方は、いま先生おっしゃいましたように当時の一時金の十五分の一でございますので、年間何千円かの金をお返しいただくというようなことになっておりますので、まあ確かに事務の煩瑣ということもあるいはあるのかもしれませんが、やはり公平の原則といいますか、こういうことでなかなかむずかしい問題じゃないかと思いますが、先生の御意見もございますので、ひとつ検討させていただきます。
  28. 竹内潔

    竹内潔君 確かに当時の貨幣価値、いまの貨幣価値で十五分の一割っているんですから、それはもう違うことは事実でございます。しかし、これは十五分の一というと、別にこれ十五回完納したらもう終わりだということじゃないことも私承知しております。しかし、もうすでに十六、十七回になっておりますので、この点はもう受給者の気持ちといたしましても、これが一生続くのかということは、やはり恩給をもらったありがたみというものはもう非常に違うと私は思うんです、はっきり言って。何かそこに二千円、三千円引かれていること自体が、金額の問題じゃなくて一つのこれは気持ちと申しますか、そういう点もあると思いますので、どうぞひとつこの点は十分御検討賜ってお願いしたいと思います。  次は、厚生省の方おいででございましょうか。――実は老齢福祉年金の問題について若干お伺いしたいのでございます。私も、老齢福祉年金が、いわゆる年金の谷間と申しますか、明治三十九年以前生まれの方でございますが、七十歳以上になった場合に、恩給も年金も何もない方に老齢福祉年金支給するということでこの制度が発足したことは大変結構なことだったと思うんです。そこで、いま申したように、恩給とか年金をお持ちになる方はこれは併給できないわけでございますね。私ここで思いますことは、一体恩給は何かということを思いますとき、恩給はまあ歴代の長官もまた御答弁になっているように、やはり法律にはございませんけれども国家補償ということで来ているわけです。しかし、老齢福祉年金はこれは無拠出でございますし、まあさっき申し上げたようにもうことしでも十八万円、またさらに千五百円プラスされるわけですが、もう二十万近くになっている。恩給はさっき申したように、まだ平年度で二十六、七万円だとおっしゃいましたけれども、その程度なんですね。それで国家補償として恩給は来ている。片一方は、まあこれは私、老齢福祉年金を批判するわけじゃございません、結構な制度なんですけれども、純然たる社会保障であって、これが併給できないということは私は国家補償と社会保障の混同ではないかと思うんですが、この辺いかがでございましょうか。
  29. 長尾立子

    説明員(長尾立子君) お答え申し上げます。  いま先生お話ございましたように、国民皆年金になりましたときに福祉年金という制度をつくりまして、年金制度の網の目から漏れておられた方に何らかの形で年金を差し上げると、こういう形でそもそも発足したものでございます。そういう意味では、すべての先行いたしますいろんな年金制度、私どもの方からいたしますと、その目的といいますよりも、ある意味では機能といいますか、その制度の効果ということに着目せざるを得ないと思うのでございますが、すでにございました幾つかの年金制度から給付を受けておられます方につきましては、御遠慮いただくという考え方をとらざるを得ないというふうに思っておるわけでございます。先生お話しの、国家補償ということに着目するならば併給をしてもいいではないかという御意見でございますが、まあこれは先生よく御承知だと思うのでございますけれども、純粋な形で戦争による戦死をされました方の御遺族、または戦争によりまして傷害を受けられました方につきましては、御承知のようにこれは完全併給をいたしておるわけでございまして、私どもとしては現段階で、国家補償というものと福祉年金とのお互いの関係ということにつきましては、こういう形の割り切りということが妥当なのではないかというふうに思っておるわけでございます。
  30. 竹内潔

    竹内潔君 いま御説明ありましたように、その公務扶助料と、それから傷病恩給については大尉以下に併給されているんです。私もその点戦争で亡くなった方、傷つかれた方、これは例外規定として認めていただくことには、これは本当に敬意を表するわけですけれども、しかしやはり、こちらも命をかけて戦場にあった者がおるわけですね。それで、この方たちは大体においていま国民年金にも入れなかった方が多いんですよ、そうすると恩給だけだという方なんですね。そうなると、それは確かに戦死された方の遺族の方、また傷つかれた方、同じというわけにはいかぬと思いますけれども、やはり筋論から言うならば、私はちょっと片手落ちじゃないかと思っているんですが、いかがでございましょうか。
  31. 長尾立子

    説明員(長尾立子君) 私ども、福祉年金の他の公的年金制度との伴給につきまして原則的なことを申し上げたわけでございますが、現実問題といたしましては、公的年金制度、私どもが所管いたしております厚生年金等におきましても、少額の年金しか受け取られないという方もございます。こういった実態に着目いたしまして、ある程度の限度額を設けまして併給するという考え方をとっておるわけでございます。ただいま先生、その軍人の方の少額の年金というものと併給をしてはどうかという御意見であろうと思うのでございますが、まあこれ、国民全体の立場から考えますと、たとえば軍需工場等で非常に御苦労をいただいた方、これは私どもから言いますと、多分厚生年金の受給者であられたという方でございます。こういった方々と、私どもはその年金制度を扱っております立場からはなかなかにその差をつけがたいということがあるわけでございまして、ある一定額ということを目途に併給を考えていくということにならざるを得ないのではないかと、こう思いわけでございます。
  32. 竹内潔

    竹内潔君 まあ御説明わからぬわけでもないんですけれども、しかし、やはり旧軍人恩給の普通受給者の中で、もう何もないんですね、恩給だけだと。そのために、若干いまおっしゃった当局の方にも、まあ片方は大尉以下に併給しているということからして若干じくじたるものがおありだと思うんです。そのために、私は併給制限額というものを設定されたと、言うならば中間的方策だと思っているんです。で、五十二年で三十三万円、ことし三十七万円に上げられた、かなりの私増額を見て大変結構なことだと思う。しかし、原則としてはやっぱりどうしてもこれは併給すべきだと思うんです。大変財政的には大きな金額になります。しかし、これはもうふえていく年金じゃございません。老齢福祉年金、減る一方だと思う。まだこれからなる方もおりますけれども、しかし一定の限った方ばかりですね。そうなってくると、後から後から続くものじゃない。そういうことからいたしますと、この際、やっぱり国家補償という普通恩給、それから社会保障は老齢福祉年金、これは伴給するということでぜひお進め願いたいと思うんです。ですから、いま言った中間的な併給制限額をおやりになっているということはわかるんです、よく。わかりますけれども、何か私はその点につきましては一つ筋が通らないものがあると、こういうふうに思うわけですが、まあ時間もございませんのでこの辺にいたしますけれども、どうぞひとつその点は十分お考えいただきたいと、こう思います。  次に、この改善実施の時期の問題につきまして一言お伺いしたいんですけれども、まあ大変御努力によって毎年一ヵ月ずつ繰り上げてきて、やっと四月実施という年度当初実施にまでこぎつけていただいた、大変これはもう御尽力多といたします。しかし、それでもまだ一年の開きがあることはもう御承知のとおりでございます。それにまた、ことし五十三年度に見られたように、六月、十月というふうにその他の項目の改善実施時期がずれている。やはりこれは現在の国家公務員給与のベースアップと一年おくれているんですから、この辺、私聞きますところによると、きのう衆議院の方においても附帯決議がついて実施時期を四月にそろえてくれと、そういうことを私からもお願いすると同時に、ひとつ何らか一年のおくれというものをカバーするということを一遍御考慮願えないか、こう思うんですけれども、いかがでございましょうか。
  33. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 四月、六月、十月実施を全部四月にそろえるというのが一点と、四月をさらに一年おくれを取り戻せと、こういう二点かと思いますが、先生承知のように、六月実施を四月に繰り上げるということに要する経費、それと中身を非常に手厚く濃密にするという経費、これを一体どう考えていくか、ここで二ヵ月早めて中身を薄くすれば平年度化もずっと低くなるわけですし、その辺の兼ね合いいろいろ検討して、今回ようやく四月、六月、十月、こういう線にそろったわけでございまして、この辺ひとつお認めいただきたいと思いますが、さらに四月をもっと繰り上げるということにつきましては、これはまあほかの年金等との並びもありますし、それから年度を繰り下げて前年度に金を払うというようなことの技術的な問題もあるかと思いますが、先生おっしゃいましたように衆議院の附帯決議もついておりますし、私どもも今後十分検討していきたいと、このように考えております。
  34. 竹内潔

    竹内潔君 それではひとつ最後の質問に移らしていただきますけれども、最近公的年金の見直しということが非常に言われているわけでございまして、社会保険制度審議会とか年金懇あたりから出されている中間報告の中にも、基本年金という考え方がかなりクローズアップされてきているわけです。全額国庫負担の皆年金ということのようですが、ここで私一番問題にしたいところは、さっきから申し上げている国家補償である恩給を、もしか、これは将来の問題ですけれども、なった場合に、この年金手直しのできたものとの間にどういうふうに位置づけしていくか、こういうことを実は非常に心配すると同時に、一遍御見解をお聞きしたいと思っているんですが、これは恩給局の側かそちらの方か――恩給局じゃひとり。
  35. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 先生おっしゃいましたように、最近基本年金構想といいますか、これが議論されているところでございますが、まあこれにつきましては、私、公的にもあるいは私的にも非常に関心を持っておりまして、今後の成り行きを注目していきたいと思います。ただ、いまの段階ではどうこうということは申し上げる段階ではないと思います。  先ほどの御質問でございますが、将来問題が具体化するような段階におきましては、もちろん先生おっしゃいましたように、恩給というものが非常に国家補償的な性格を持っておるものでありますし、そういったほかの年金との違いというものもあるかと思いますが、そういったものを踏まえながらひとつ慎重に対応していく、こういう態度でまいりたいと思っております。
  36. 竹内潔

    竹内潔君 この問題につきましては、恩給受給者の間に私は非常に関心があると思いますので、ぜひひとつ国家補償である恩給を社会保障の中に埋没しないでいただきたい、これはもう切なる願いでございますので、どうぞひとつその点を十分御認識の上、将来の問題ですけれども御対処願いたい、こう思います。  これで私の質問終わりますが、最後に長官、全般的にひとつ御見解を賜って私の質問を終わりたいと思います。
  37. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) 恩給等社会保障制度の問題だと思いますが、恩給は、御承知のように厳しい制約の中で忠実に相当の年限勤務された公務員の方に、功労の意味公務員またはその遺族に対して給付されるという独自の国家的補償的性格を持っているわけです。そういう意味で社会保障制度の性格とは私は基本的に異なるものであると、こういう見解を持っております。
  38. 岡田広

    ○岡田広君 私は、ただいま竹内委員からの質疑がございましたが、それに関係のない二点について大蔵省と大臣にお尋ねを申し上げたいと存じます。  一つは、所得税法をずっと見てみますと、恩給、年金は所得税法の対象だと、しかし、恩給の一部に対しては源泉徴収を現在やっておるが、公的年金については附則第二十五条ですか、それによって免除しておると、どうもそういうのについて不公平があるのではないかと、これが私の大蔵省に対する質問の要旨でございます。  そこで、私の考えを整理する意味合いにおいて恩給局長に一つお尋ねをしておきたいと思いますが、恩給受給者というものはいずれも老齢者でございます。そのような老齢者が老後の生活保障として恩給というものを非常に大切にいたしておるわけでございます。そこで、法的な見解は、これは御無理と存じますが、一般社会通念として恩給は老後の生活保障なのかどうか、そういう点についてひとつ恩給局長の私見で結構でございますから、一応お考えをひとつただしておきたいと思います。
  39. 小熊鐵雄

    政府委員小熊鐵雄君) 恩給の性格といいますか、意義といいますか、これは先生いまおっしゃいましたように法律の上できちっと決まっておるようなものはございませんですが、いま私見と申されましたので私自身の考えを申し上げますと、恩給というのは、先ほど大臣の方からも言いましたように、非常に厳しい条件のもとで長年公務に励んだ方に対する国家補償ということで、その方が退職され年老いられた後、生活の支え、適正な生活の支えとして機能していく、こういうように考えておりますので、私どもの改善措置等におきましてもそういった面を非常に強く受けとめて改善措置を行っていくというのが恩給のいまの制度のあり方ではないかと、このように私自身考えております。
  40. 岡田広

    ○岡田広君 厚生省から見えてますか、だれか。さっきの年金課長帰っちゃいましたか。――じゃ結構です。  大蔵省ね、恩給局長は、法的な見解において恩給が老後の生活保障であるということは的確には表示されませんでしたが、私見として一応そういうような一つの性格のものであろうというような意味に聞き及んだのでございますが、所得税法の第二十八条に、課税対象としての給与所得と、この条項には俸給、給料、恩給に係る所得というと、こう書いてございますね。恩給は含まれておりますね、所得と。
  41. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 仰せのとおりでございます。
  42. 岡田広

    ○岡田広君 それでは、恩給の中で源泉徴収を免れている恩給はどういうものでございますか。
  43. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 若干技術的なことになって恐縮でございますが、恩給はかなり昔から給与所得として税制上扱ってあります。それに対して共済年金等戦後出てきたものはまだ未成熟の時代がございまして……
  44. 岡田広

    ○岡田広君 年金は聞いていない、恩給だけ。
  45. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 恩給給与として扱っております。それで、いまの源泉徴収のところの御説明の前にちょっと御説明させていただきたいと思って年金の話を申し上げたわけでございますが、共済年金はまだ未成熟だった段階には雑所得という扱いをしておりました。で、給与所得の場合は給与所得控除が働きますから課税上は取り扱いは有利でございます。ただ、そのかわり給与所得は源泉徴収を受けるという仕組みになっていたわけでございます。ところで共済年金は、従来は雑所得でございますから給与所得控除はないかわりに源泉徴収がなかったわけでございます。それが成熟してまいりましたものでございますから、給与所得の扱いをするようにこの二十九条でなっているわけでございます。その際に、今度は給与所得控除は働いてまいりますけれども源泉徴収も受けることになりますので、いままで源泉徴収がなかったものが源泉徴収を受けるということになりますと、それはちょっと急激な変化でございますから、経過措置といたしまして、恩給以外の年金等につきましては、先生指摘のように、六十五歳以下でございますれば現行は六十万円、それから六十五歳以上でございますれば九十万円、当初は九万円から出発しておりますが、それ以下の場合には源泉徴収をしないという経過措置昭和三十二年に設けたわけでございます。したがいまして、私どもから考えますと、その経過措置は臨時異例の措置で当初つくったわけでございますが、実はそれが二十年間定着してしまったというところに立ち返って考えますと、先生指摘のように恩給と共済年金の扱いが違うではないかという御疑問を持たれるのはまた当然かと私どもも思っております。
  46. 岡田広

    ○岡田広君 まあいみじくも私の本心を読み取って、一応二十年の経過措置において若干の疑問点を持たれるのは当然だろうと、こういうお考えのようでございますが、じゃ結論からひとつお伺いいたしましょう。  恩給でも増加恩給とかあるいは傷病賜金、あるいは傷病年金、それから御遺族の受ける年金あるいは公務扶助料等は、これは源泉徴収されておりませんね、それはどうですか。
  47. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 仰せのとおりでございます。これは非課税でございます、源泉徴収のみならず。
  48. 岡田広

    ○岡田広君 のみならずね。じゃどうして普通恩給だけ源泉徴収の対象にしておるのかと、一応理由をちょっと聞かせていただきたいと思いますが、先ほど竹内委員から普通恩給受給者は約百二十余万人と、そして恩給局長からはその平均受給額が二十六万何がしと――よく覚えておいてくださいよ。実際その中の六十万人というものは十一、二万円ですよ、年間、半分は。しかも暫定処置とはいえ公的年金受給者に対して、源泉徴収を六十から六十四までは六十万円、六十五以上は九十万円まで源泉徴収をしないんだと。旧軍人普通恩給受給者大半が十万円前後、この五十三年度の恩給改善法が通って初めて十月一日から二十六万円になると、こういう低額受給者普通恩給だけに対してその所得に対して源泉徴収をかける。さらに私言いましょう。これは大臣も御承知のように、ことしは七%国家公務員の上昇率にスライドしてわれわれの恩給は上がりました。七%源泉徴収をされたら実質増加率というものはゼロじゃないですか。ましてや五十三年度の国家公務員の一般給与の上昇率というものは、いまの春闘から推論いたして四%台にとどまるんじゃなかろうかと、こういう想像も十分成り立つわけでございます。それじゃ四%上がって来年七%の源泉徴収をされるということになれば実質三%の減率と、こういうことになろうと思うんです。で、恐らく大蔵省においても、一応普通恩給受給者に対しては何らかの処置はいたさなけりゃならないだろうと、こういうようなお考えもあろうかと思いますので、きょうは結論だけひとつ……。  普通恩給受給者恩給受給額に対して、公的年金と同じように六十四歳から六十までの者は六十万、に満たない者に対しては一応源泉徴収は徴収しないと、六十五歳以上の者に対しては九十万を限度として源泉徴収は徴収しないと、こういうことについて前向きの御検討を約束していただけますか。
  49. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) 結論を申しますと、一言申し上げさしていただきたいと思うんですが、源泉徴収というのは便宜的な、税の何といいますか、まあ仮の前取りみたいなところがございまして、確定申告をされれば、あるいは支給者に……
  50. 岡田広

    ○岡田広君 高額所得のことは言わぬでいいんだよ。
  51. 矢澤富太郎

    説明員矢澤富太郎君) はい。されれば、現在六十五歳以上で奥さんがございますれば、年金だけで暮らしている方は、恩給も含めまして二百十九万四千円までは非課税なんでございます。そこのところは多少御不便を忍んでいただければ、たとえば、支給者の方に一枚扶養家族申告書を出していただくというような手だてをしていただきますれば、老年者年金特別控除というようなものもございますし、給与所得控除も働きますし、二百万円余りのものはそもそも税金はかからない。仮にそれを提出しないで源泉徴収されたとしても、確定申告をしていただければその税金は返ってくるということで、制度の上では私どもなりの配慮はしているつもりでございます。ただ、いま先生の御指摘のように、片一方で六十万、九十万、仮に臨時異例のものとして設けられたにしても、それが二十年も続いていて片一方がないのはおかしいじゃないかということは、確かに、理屈は別として私ども理解できるところでございます。いずれにいたしましても、この改正は所得税法の改正を要する問題でございます。したがいまして、私どもといたしましても、ただいま先生の御指摘の点につきまして今後実態をよく勉強さしていただきまして、次回、所得税改正法を提出する機会までに検討を進めたいと思っております。
  52. 岡田広

    ○岡田広君 控除の問題とか、高額所得の問題とか、総合所得で課税されることはもうシビアに課税して結構だと言うんですよ。大体百二十余万の旧軍人普通恩給受給者の者は、一応赤紙応召というのが九五%なんだと、それは大体六十万以下なんですよ、いま。じゃ卑近な例で私の例を申しましょう。私は十年間、星一つ、赤紙応召者で戦地に応召されたんです。全部の恩給が六十万ですよ。二百万だか何とかいういわゆる文官のことはいいんだよ。旧軍人の、とりあえず戦争に十年引っ張られたこの岡田広がいただく恩給が六十万そこそこですよ、一年に対して三年の加算を入れて。加算があるからそのようになるんですよ。そういう者に対して、公的年金には優遇措置をしておって、普通恩給だけにそういう冷遇措置をするのはどうかと、こういうことなんです。だから、あなたがおっしゃる二百十七万以上、そんなことは私、百も承知ですよ。総合所得において課税するのはがっちり課税してくださいと言うのです。ほとんどの者が他に職もなくって恩給だけに頼って、そして六畳の間に隠居生活をしているのがわれわれ受給者の生活実態なんですよ。だから私が声を大にして代弁して大蔵省にお願いするんでございますよ。われわれの切なる願いを大蔵大臣にこれ要望として申し上げておきますが、ひとつほかの公的年金、それからまた恩給のその他の公務扶助料とか傷病年金とか、皆これは徴収されないんです。普通恩給だけですから、ひとつ大臣のお力において、村山大蔵大臣に特に御要望していただきたいと思います。じゃ大蔵省それで結構でございます。  じゃ次に、大臣にお伺いいたしますが、日赤の従軍看護婦の処遇の問題についてお尋ね申し上げます。  この問題はわが自民党においてもかねてから非常に心を砕いておるところでありまして、本院においてもまた政府がその処遇検討するよう決議を行ってきた経過がございます。で、申し上げるまでもなく日赤の従軍看護婦は、いわば赤十字精神にのっとって戦時勤務に当たった者でございまして、銃をとって戦った旧軍人とは身分においてもまたその任務においても異なるわけでございますが、国のために一身をささげてその使命の遂行に当たったことは事実でございます。戦場において軍人とともに軍人に劣らない働きをしたことも事実でございます。このような考えでまいりますと、なるほど従軍看護婦の皆さんは、いわゆる恩給法でいう恩給公務員ではございませんので、恩給法をそのまま適用するということはいろんな観点から見て困難があろうかと存じます。しかしながら、国として何らかの処遇はしてしかるべきじゃないかと、かように強く私どもは感じておるわけでございます。最後にこの際、長官の御見解をお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
  53. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) 日赤救護の看護婦の方々の問題でありますが、これは各党とも大変この問題に真剣に取り組んでまいられたことは私はよく承知をいたしております。そういう意味で、私は就任直後、事務副長官、前の秋山副長官を長といたしまして、この問題は今国会中に解決をすべくという、こういう形から前の総務副長官を長といたしまして、そして一つの連絡会議をつくりましてこの問題に対処させてまいりました。私の受けとめ方も岡田委員と同じであります。長い間、三十年間声なき声と申しましょうか、放置をされておったということについて、大変私は、むしろ遺憾ということよりも憤りを感じてまいりました。そういう意味から、この機に片づけなければとても片づくものではないということで、この問題には各党を背景としながら全知全能を尽くしてまいったわけであります。その結果、恩給法の適用と、この制度の中への組み入れというのにはやはりいろいろ問題点がありました。そうかといって一時金でこれをやはり逃げる、こういうことは私は断じてならぬと。そこで、どういうふうな形でこれを解決をしていくかということでございますが、いま申し上げたところの恩給制度の中ではなかなかむずかしい、しかし一時金では絶対これはだめだという、こういう基本線を私は貫いておりまして、大体というのじゃなく、ほぼ結論が出てまいっております。しかしながら、予算の伴うことでございまして、いまここでそれではどれなんだ、こういうふうにもう詰められましても、ぜひひとつ私にお任せを願いたいと、概算要求までには必ず各党が納得をできるような形で概算要求に臨むと。そのときに各党の御声援というか、これをぜひひとつ御協力を願って今国会中に必ずやはり一つの結論を出すことが妥当な時期である、こういうふうに考えておりますので、責任を持って解決をすると、こういうことでお答えを申し上げておきたいと、こういうように思います。
  54. 岡田広

    ○岡田広君 長官の誠意ある、かつまた責任ある御答弁を承りまして非常に意を強うした次第でございます。この問題については、特に野党の委員先生方が非常に御熱心でございますので、長官から特に協力を要請されましたので、私どもも野党の委員先生方の御指導また御協力、御鞭撻をいただいて、ともにひとつ大臣を御協力申し上げますから、ぜひひとつ実を結ぶようによろしくお願いいたします。  以上で質問終わります。
  55. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) 本当にどうもありがとうございました。
  56. 原文兵衛

    理事原文兵衛君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十七分散会      ―――――・―――――