○山中郁子君 結局、
研究者の
研究費問題含めた
総合調整的
役割りを
科学技術庁がお持ちになっていらっしゃると。たとえば
日本学術
会議の具体的な窓口も
科学技術庁が当たられているはずです。そういう点で、いまもちろん積極的に充実、待遇改善のために努力するという御答弁でしたけれ
ども、それは表向きだけの御答弁ではなくて、実際に逐年そうした成果が上がるような、単なる調整
機関であるというだけじゃなくて、
科学技術庁でそこのところの責任は持っているんだということをはっきりとして取り組んでいただく必要があると思っております。
それで、そういう全体としても、国際比較からいってもそういう状態だし、いま
局長が答弁されましたけれ
ども、私はその補助者の問題自体もかなり問題があると思っております。で、これがまた婦人
研究者の問題にも直接
関係してくるわけなんですけれ
ども、婦人
研究者はまさにその補助者というところにかなり多くためられているみたいな形で、昇格昇任の問題、一本立ち、そうしたことについて大きな隘路があります。いろんな点から婦人
研究者が、
研究者全体の待遇の問題一地位の問題から見ても矛盾の結節点になっているということは言えると思いますので、初めに婦人
研究者の問題の
基本的な
科学技術庁の
考え方を
お尋ねしたいわけなんですけれ
ども、その前に私はぜひこれは強調もし、認識を深めていただきたいと思っていますそれは、認識が余りないんじゃないかというふうに私がいままでのいろいろ
お話を伺う中でも感ぜざるを得なかったわけで、あえて申し上げるわけですけれ
ども、たとえば、先般第三十回婦人週間に当たりまして、
総理大臣、それから労働
大臣がそれぞれメッセージを出されています。で、御承知だと思いますが、婦人問題企画
推進本部長の福田
総理大臣のメッセージの中には、
日本の婦人の果たす
役割りというのは大きく変化してきたけれ
ども、「社会の各方面において婦人の能力がいまだ十分発揮されているとは言い難い
状況にあることもまた事実であります。そのため、
政府は、国際婦人年を契機として
設置した婦人問題企画
推進本部において、昨年一月、国内行動
計画を策定し、憲法の理想とする男女の平等を真に実現し、すべての婦人が生涯を通じて、充実した生きがいのある
生活を送ることができる社会をつくるべく努力しているところであります。」と、こう述べられています。それから労働
大臣のメッセージには、「なかでも、男女の平等を
基本とするあらゆる
分野への婦人の参加の促進は、まず取り上げられるべき問題」である。で、その行動
計画にはどういうことが述べてあるかと言えば、まあいろいろありますけれ
ども、この問題に関して言うならば、たとえばこういうふうに述べられています。「婦人が従来のいわゆる女子向き職種という固定観念にとらわれず能力・個性に応じて専門的
技術的職業その他幅広い職業
分野へ進出するとともに、自ら能力の
開発に努め、」と、こういう表現になっておりますけれ
ども、だから専門的、
技術的
研究者の職務
分野もそこの中に入りますけれ
ども、そうしたところに積極的に婦人の力を生かしていくと、こういうことが、国際婦人年の理念からいっても、それを受けた
日本の企画
推進本部の立場からいっても、
日本政府の国内行動
計画の立場からいっても、それが
一つの大きな柱になっているわけですね。
で、私は国内行動
計画にもさまざまな問題点がありますし、それはかねてから
指摘もしておりますからきょうはあえて触れませんけれ
ども、少なくとも、そうした理念に立って婦人
研究者の
実態を考えるとどうかということは、かなり大きな問題点があると言わざるを得ないと思います。婦人
研究者の問題は、まさに国際婦人年の平等、
発展、平和というスローガンのそのままの問題で集中されている問題だと思います。
で、平和という問題について、
科学技術研究が大きなウエートを占めるということは当然でありますし、平等、
研究者が男女平等という立場でその
仕事ができる、
発展、つまり地位向上、社会参加ですね、そうした問題について婦人が専門的、
技術的職務にどんどんその力を発揮していくと、まさに平等、
発展、平和というのは婦人
研究者にとってまるごと大変重要なウエートを持つ問題だというふうに言えると思いますが、その点については、ぜひ私は
科学技術庁が単に調整
機関ということではなくて、科学者の待遇改善、
科学技術の
振興、そのための人材確保と、こういう点に照らして、しっかりとした認識と積極的な
姿勢をお持ちいただかなければならないと思っております。
で、具体的にお伺いいたしますけれ
ども、たとえば、学術
会議が婦人
研究者の問題に関して要望を出されました。これは、五十二年の五月二十三日に学術
会議の会長名で、要望として、婦人
研究者の地位の改善についてということで出されております。で、これは
先ほど申し上げましたように、
科学技術庁が窓口となってしかるべき対応をされているはずでございますが、具体的にこの要望に対してどのような受けとめ方をされ、どのような対処をされておられるのかということについてまずお伺いをいたします。