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1978-06-06 第84回国会 参議院 大蔵委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年六月六日(火曜日)    午前十時十二分開会     —————————————    委員異動  六月二日     辞任         補欠選任      宮之原貞光君     浜本 万三君  六月三日     辞任         補欠選任      浜本 万三君    目黒朝次郎君  六月五日     辞任         補欠選任     目黒朝次郎君     浜本 万三君      森下 昭司君     大塚  喬君      渡辺  武君     小笠原貞子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         嶋崎  均君     理 事                 藤田 正明君                 細川 護熙君                 福間 知之君                 塩出 啓典君                 中村 利次君     委 員                 岩動 道行君                 糸山英太郎君                 梶木 又三君                 河本嘉久蔵君                 中西 一郎君                 桧垣徳太郎君                 藤井 裕久君                 宮田  輝君                 竹田 四郎君                 浜本 万三君                 吉田忠三郎君                 多田 省吾君                 佐藤 昭夫君                 市川 房枝君                 野末 陳平君    国務大臣        大 蔵 大 臣  村山 達雄君    政府委員        大蔵政務次官   井上 吉夫君        大蔵省主計局次        長        禿河 徹映君        大蔵省理財局長  田中  敬君        大蔵省銀行局長  徳田 博美君    事務局側        常任委員会専門        員        杉本 金馬君    説明員        文部省大学局学        生課長      石井 久夫君        文部省管理局企        画調整課長    塩津 有彦君        文部省管理局福        利課長      高野 文雄君        中小企業庁小規        模企業部小規模        企業政策課長   富永 孝雄君     —————————————   本日の会議に付した案件国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の  一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送  付)     —————————————
  2. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨五日、森下昭司君及び渡辺武君が委員辞任され、その補欠として大塚喬君及び小笠原貞子君が選任されました。     —————————————
  3. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 竹田四郎

    竹田四郎君 初歩的なことをちょっとお尋ねをいたしたいと思いますが、国民金融公庫業務方法書というのがございます。これの第二に「代理業務に関する準則」というところがございますが、これによりますと、公庫が委任をした代理機関代理業務資金というものを交付したときに、その代理店というんですか、代理機関業務資金に対して利息を払う。しかしその利息が年三・六五%というふうに規定をしてあるわけでありますが、同じような公庫、他の公庫業務方法書等々を見てみますと、確かに利息は払わなけりゃならぬという規定はございますけれども、具体的に利率数字というものは実は出ておらないわけですけれども、国民金融公庫だけにこの数字が出ている。また、この数字というのは、種の利率でありますから、どうもこの利率というものがその他の利息と連動をしていないように思います。いつもこの数字に決められている。これなんかもちょっと不思議な点があるわけです。公定歩合が九%しても三・六五%、今日のように三・五%に公定歩合がなっても三・六五%というふうに非常に固定され、硬直化されているわけでありますが、これ一体どういうわけなのか、この辺の御説明をいただきたいと思います。
  5. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生指摘のとおり、国民公庫業務方法書によりますと、代理店に対しまして代理業務を行うための資金を交付するわけでございますが、交付した場合には、その代理機関代理業務資金に対して年三・六五%の利息を支払うと、このように決められているわけでございます。ほかの公庫についてでございますが、中小企業金融公庫につきましては、公庫の定める代理貸付事務取扱要領によりましてこれは七・二%と、このように決められているわけでございます。  このように、国民公庫中小公庫において利率が違うわけでございますが、まずこの点から御説明申し上げますと、国民公庫の場合には、御承知のように比較的零細小口貸し付けでございます。したがいまして、一々小口貸し付け一件ごと代理店に送付いたしますと事務が繁雑になりますし、また代理店での貸し出し事務円滑化にも支障がございますので、大体十日ごとに一拝して資金を送付することになっております。十日ごと代理店からこれからの十日間において予定される貸出額、それから同じくその期間に予定されている貸し金の回収額等について報告をとりまして、それに必要な資金を送付しているわけでございまして、この資金代理店に滞留している間につきましては年三・六五%の利息をつけているわけでございます。この利息につきましては日歩一銭という、かつて利息の計算を日歩で行っていたときに日歩一銭ということでこの取り決めをいたしまして、先生指摘のとおり、その後ずっと同じレートできているわけでございます。  一方、中小公庫でございますが、これは国民公庫に比べて一件当たり金額が非常に高額になっておりますものでございますから、これをあらかじめ資金を交付するということをしないで、一件ごと代理貸し資金を交付することになっております。資金が、たとえば五十二年度で申しますと、国民公庫代理貸しが一件当たり二百三十五万円でございますが、中小公庫は千二百二十三万円でございまして非常に高額でございますので、また件数国民公庫に比べますと中小公庫は十分の一ぐらいでございますので——これは全体の件数でございますが、そういうこともございまして一件ごとに送付しております。その場合に、原則として一件ごとでございますから、送付を受けたならばすぐに貸出金として相手方に交付するのが普通の事務処理でございますけれども、何らかの都合によりまして滞留する場合があるわけでございます。そういう場合には、貸付資金を受け入れた日から起算して三営業日以内に貸し出したときは利息はかかりませんけれども、三営業日以内に貸し出し実行しなかったときには、その第三営業日から貸付実行日の前日までの期間につきまして七・三%の割合による利息を取るわけでございまして、これは日歩二銭でございます。これは国民公庫日歩一銭であったのに対して、若干ペナルティー的な意味も含めまして日歩二銭と、このようになっているわけでございまして、この金利もずっと固定したままで推移しているわけでございます。
  6. 竹田四郎

    竹田四郎君 中小公庫の話はわかったわけですけれども、たとえば環衛公庫受託国民金融公庫はしているわけですね。これも金額的にはかなり零細なものですね。これとの契約書の写しを見ても、これは別に定める利息によりと、こういうようになっているわけですね。だから零細だとか零細でないとかということはどうも私、受けている方でも現実にこういうことになっていないわけです。これどういうわけですか。
  7. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 環衛公庫の問題につきましては、確かに先生御疑念をお持ちになるそのような数字になっているわけでございますが、これは若干経緯があるわけでございまして、環衛公庫が発足いたしましたときに、中小公庫国民公庫両方とも同じような貸し出しを行っていたわけでございますが、そのうち中小公庫が行っていた分についてはこれは代理貸しに移すと、それから国民公庫が行っていた分は国民公庫の直貸しで行うと、このような仕組みに分けられたわけでございまして、したがいまして、環衛公庫代理貸しにつきましては中小公庫と同じか式を踏襲しているわけでございます。ただ、そのときに比べまして確かに限度額その他が上がっているわけでございまして、実際の貸し出し国民公庫と同じように零細金額ではないかという点は先生指摘のとおりでございますが、発足の当時の経緯によりましてそのように取り扱いが分かれているわけでございます。
  8. 竹田四郎

    竹田四郎君 環衛公庫の場合には具体的には利率はどうなっているわけですか。いま利率のお話は出なかったわけですが、これはやっぱり三・六五ですか、それとも七・三なんですか。
  9. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 環衛公庫の場合には、中小公庫と同じでございますので、七・三%ということになっております。
  10. 竹田四郎

    竹田四郎君 そうすると、同じようなぼくは趣旨だと思うんですがね。それにかかわらず、片方は三・六五、片方は七・二ですから、倍ですね。これはちょっと均衡を失するとお思いになりませんか。趣旨は同じだろうと思いますよね、どっちも。むしろそういう点ではかえって環衛公庫の方が、飲食店等相当あるわけでありますが、どっちかといえ、は、環衛公庫の方が一件当たり貸付残高を見てもどちらかというと小さいわけですよね。だからそこの方がそういう形で倍もするのをそういうふうにやるというのはどうもちょっと均衡を失しているように思われてならないわけですが、どうでしょうか。
  11. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 環衛公庫中小公庫と同じ方式をとりまして一件ごと資金を交付しておりますものでございますから、したがいまして、原則としては同じように三営業日以内に貸し出しするのが原則でございますし、それを超えて保有していた場合にはペナルティー的にいま七・三%の金利をつけるということになっているわけでございまして、そのこと自体は一応扱いとしては適正なものと考えておりますけれども、ただしかし、先生指摘のとおり、環衛公庫はいまになってみれば一件当たり金額は非常に小さいではないか、したがって国民公庫と同じ扱いをすべきではないかという御指摘でございますが、その点の、先生の御指摘になるような点は確かにあると思います。ただ、その場合には今度は資金交付方式国民公庫並みにあらかじめ一定の額を交付するという方式にならざるを得ないわけでございまして、その場合には日歩一銭ということになるわけでございます。ただ、そのような事務取扱が、環衛公庫の場合いままでこういうやり方でずっときてまいりまして、それに慣熟しておりますものでございますから、そのような方式を変えることが適正か、あるいは事務処理上能率的かどうかということについてはこれは検討してみる必要があるんじゃないかと思います。
  12. 竹田四郎

    竹田四郎君 環衛公庫貸付状況を見ますと、かなり申し込み貸し付けがおくれているわけですよね。しかし、国民金融公庫普通貸し付けというのは、この前も議論がありまして若干はおくれているんですけれども、環衛公庫に比べますと、事務のおくれというんですか、申し込みから貸し付けまでのおくれというのはそれほど目立ってないわけですよね。環衛公庫の場合には大変これ目立っているように、私は公庫で出しておる資料によって見ましてもかなりおくれているようにこれは思うんですよね。  そうしますと、何かその辺に関連がありそうな感じもいたしますし、環衛公庫だけ特別な扱いをしているというのはどうも均衡上おかしいんじゃないか、やっぱり内容的にはほとんど同じだと、資金が交付されているか交付されてないかということだけですが、これはやっぱり同じように私は扱ってしかるべきだと、こう思うんですがね。それは慣熟する慣熟しないの問題はこれは直していけばいいことでありまして、そうむずかしい問題ではないと思うんですがね。どうもちょっと均衡を失しているんじゃないだろうか。
  13. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生指摘のとおり、確かに環衛公庫の場合の貸出処理日数国民公庫の普通の貸出処理日数よりかなり延びているようでございまして、この点につきましては環衛公庫貸出対象になっている業種の特殊性というところに基づくものもあるのではないかと思われますけれども、事務処理の面でもしこのような点で改善を要する点があるならば検討して是正を図ってまいりたい、このように考えております。
  14. 竹田四郎

    竹田四郎君 それはこれからの検討項目としてあれですけれども、環衛公庫業務受託というのは、八五%ぐらいはもう国民金融公庫が実はやっているわけですからね。そうしてみますと、片方国民金融公庫が委託するとき、受託するときというので違っているというのはどうもおかしいんじゃないか。もう少しその辺は検討してしかるべきでないか。これがほかの方へ主にいっているというなら、これはまた一つ問題があろうかと思いますけれどもね。  それからもう一つは、どうもずっと前から三・六五%に固定されているというのも、昔のように非常に公定歩合なり一般金利が高い時期であればこれは私はわかりますけれども、最近のように低くなってまいりますと、どうもこれがやっぱり固定されているというのもちょっと何か手数料みたいな感じだけがしまして、金利と言えるのかどうなのか。それならむしろ手数料という形を考えた万がいいわけであって、何かそんなのが固定されているというのは、金利弾力化の方向にあるにもかかわらず、もうずっとこれ固定されているというのもちょっと私は理解できない点なのですが、これはどういうわけでしょうか。
  15. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 実はこの代理業務資金についての利息先生指摘のとおり全く変更がございませんで、ずっと当初から固定されているわけでございます。その点では現在のような金利水準全体が非常に低くなっているときには、相対的にはかなり高い金利になっているわけでございまして、これにたとえば類似したものとして、中小金融機関普通銀行代理交換を委託している場合もございますけれども、その場合の中小金融機関から普通銀行への預け金は、たとえば普通預金で行いますと一%の金利が現在つくだけでございますから、その点でもかなり割り高になっているということは言えると思います。この問題につきましては先生指摘のとおり、いままで同じ金利で来たということについては、現在の金利情勢あるいは金利弾力化という点からはいろいろ問題がございますので、さらにこれは検討を進めてみたいと、このように考えております。
  16. 竹田四郎

    竹田四郎君 そうすると、近い機会にひとつこの業務方法書のさっきの点は検討される、早期にこれは改正する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  17. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この点につきましては、現在公庫経理方法等についてもいま研究会を設けていろいろ検討しているわけでございますが、場合によってはそういうものの一環としてこういうものを見直しまして、改正する必要がある点につきましては改正をしてまいりたいと考えております。
  18. 竹田四郎

    竹田四郎君 それから、いまも環衛公庫受託業務が大変おくれているというふうに私思いますのですが、これ一体どういうことなんでしょうか。——これ、この資料お持ちになっているだろうと思うのですが、その二十五ページをお開きいただきたいと思います。そこに「受託業務状況」「1環衛貸付」というのがありまして、下に「年度、申込貸付」というので件数がずっと出ていると思うんですが、四十九年、五十年、五十一年という数字を見ますと、申込件数貸付件数、いずれも四十九、五十、五十一、五十二も含めて、こういう長期にわたって申込件数貸付件数が、申込件数が多くて貸付件数が少ないというのはよくわかりますけれども、申込件数の方が少なくて貸付件数の方の数値が多いというのはどういうことなんですか、ちょっとこれよくわからぬですがね。たとえば時期的に六、七が貸付件数が多くて申込件数が少なくなるとか、十、十一、十二あたりが申込件数より貸付件数が多くなるというならわかります、それだけ若干仕事が忙しくておくれるということで。ここで四年にもわたってこういう事態が起きているということは一体どういう意味なんですか、あるいはこの数字が間違っているんでしょうか、どうでしょうか、ちょっと理解ができないんですがね。
  19. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この申込件数貸付件数ずれは、やはり審査ずれによるのではないかと思いますけれども、細かい内容についてはさらに調査をしてみたいと思います。
  20. 竹田四郎

    竹田四郎君 一カ月や二カ月のずれというのは私よくわかるんです、あるいはそのときの一年ぐらいのずれというのはよくわかるんですが、四年もずれているというのは仕事が進んでいないということじゃないですか。どうもこの数字だけは、ほかもそういうのがたくさんあるんですが、結局環衛受託貸付業務というのは余り申込手が、どういう意味だかよくわからぬですね。一年や二年そういう現象があるというのはある意味ではわかるんですが、四年も引き続きこういうことがあるということは、どうも私これを読んでいて理解できないんですよ。これ至急調べてくださいよ。
  21. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 明細については、至急調べて御報告申し上げます。
  22. 竹田四郎

    竹田四郎君 ですから私は、これ悪く解釈すると、いつまでもいつまでも処理しないでずっとためている。先ほども環衛受託業務についてはおくれているというふうに御答弁になっていたんですが、この数字を見るとどうも全然やってないんじゃないか。そんなのは受託業務だから、本当の他の国民公庫独特の貸し付け、これだって忙しいですからね、この方だって。受託はしているけれども仕事はできないと、こういうふうにしか私はとれないわけなんですがね、まじめにやっているんですか、受託業務を。それでないとこんな数字出てこないと思うんですがね。どこかで申し込みが多くて貸し付けが少なくなるという事態が出てこなければならぬと思うんです。人が足りなくて、結局受託業務というのはどうしたって二の次、三の次になっちゃっているということをこの数字が示しているんじゃないだろうか、こう思うんです。これでは零細企業にお金を貸すっていっても極端な場合は三年、四年待つと。これじゃあ仕事にならないんじゃないか、こういうふうに思うんですが、大体わかっているところで環衛貸し付けは、申し込みから貸し付けの実施まで平均どのぐらいかかっているんですか、日数でも月数でもいいです、期間的には。
  23. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この表の数字は四十八年以前が出てないわけでございますけれども、一応この数字だけを見ますと、四十八年ごろまでに非常に滞留案件があって、それを現在非常な勢いで取り戻しているというふうに見られる数字にもなっているわけでございますけれども、この辺はもう少し精査して御報告申し上げます。  それから、貸し付け所要日数は大体五十日前後になっているようでございます。
  24. 竹田四郎

    竹田四郎君 これは局長、もう少し調べて、だれにもわかるぐらいの数字にしてもらわなけりゃ、これだけ見ていたら本当にどうなっているんだと、こういうふうに言わざるを得ないと思いますから、これはひとつ後で十分御説明をいただきたいと思います。  しかし、これは、いま私が申し上げましたのは最も極端な例だと思うのですけれども、そのほかの貸し付けでもそれと同じようなものがありますね。たとえば特別貸し付けの中の産業公害防止なんかでも同じような傾向がありますし、それから流通近代化資金貸し付けとか、近代化資金貸し付けその他についても大体それに似たような傾向が見えるわけですけれども、こういうのもやっぱり同じことなんですか、どういうところにそういうおくれが出てくる問題点があるというふうにお考えなんですか、こういうのでもかなりあると思うのですね。
  25. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先ほどの申込件数貸付件数の差でございますが、これはまださらに正確に調べる必要があると思いますけれども、環衛公庫の場合には申し込みを受けました場合に、それを貸し付け実行をする際に資金種類ごとに分けて、それぞれを一つ件数として計算しているようでございまして、基準金利分であるとか、あるいは近代化設備分衛生設備分消防設備分と分けてある、いろいろの種類があるわけでございますが、こういうふうに分けて貸し出しをしてその件数を数えることになっているようでございます。したがいまして、申し込みが一件でありましても実行の際には二件あるいは三件に分かれて処理をされるということから、一見このような非常におかしな形の数字になっているという面もあるようでございまして、この点につきましては、計数処理上もそのような処理をすることには若干問題がございますので、処理の仕方もあわせまして検討してまいりたいと思います。
  26. 竹田四郎

    竹田四郎君 ただそういう単なる技術的な面だけではなくて、私が前回、前々回から申し上げているように、国民金融公庫の定員の問題ですね、ここにやっぱり相当大きな問題があるからこういう事態が起きるわけです。これは私もうこれで三回ぐらい言うことになるんですが、とにかく百万円や二百万円を借りる企業ですから、そんなにいろんな帳簿——一生懸命そういう帳簿を整理するように、あるいは資金繰り表を整理するように指導はなさっているでしょうけれども、なかなかそう自分の独自の判断でいかない場合もこういう企業の場合にあるわけでありまして、そういう意味ではせっかく国民金融公庫という名前で貸している、国が貸しているわけですね。そういうのがそうした中小企業者の要望になかなかこたえられない。これではやっぱりなかなか中小企業者の計画的な経営ということも私はできなくなってくるだろうと思いますし、そうした点ではもっと早く、申し込んでから審査も終了して早く貸し出してやる、こういうことにしないと、せっかく貸してやっても借りた方は余りありがたがらないと、またせっかくいろんな経営者の方では計画を立てても金が来るのが遅いからそれに間に合わない。これじゃやっぱり実際上安い金利貸してやっても、そのつなぎにどこかから、高利貸しから金を借りてきて、一時借りて埋めるということで、一見国民金融公庫が安い金利のようであっても実質的な金利は高くなってしまう、こういうことにもなるわけですから、その辺はひとつ十分御検討をいただいて、やはり早く業者の手に金が入るような、そういうふうにひとつ積極的に改善をしていただきたいと、こう思います。  そこで、もう一つお伺いをしておきたいんですが、普通の貸し付けの場合でも、この資料によりまして、十ページの資料によりまして見ますと、直接扱い代理店扱いというのの比率が出ております。大体この件数金額両方で申し上げましても、大体直接扱いが八八%から九〇%程度代理扱いが一〇%から一二%程度にずっといっているわけですが、もう少し、私はこの代理店扱いというのがもっとふえてもいいんじゃないか。国民金融公庫普通貸し付けでの代理店というのは、この資料によりますと全部で八百三十六もあるわけですわな。そういたしますと、もう少しこの代理店扱いというものがふえてもいいんではないかと、こう思うんですが、そういう点で全体の一割しかやってない。国民金融公庫の店は恐らく百二千ぐらいあって代理店が八百幾らもある。扱っている量というのは七分の一ぐらいだと。この辺はもう少し活用してもいいんじゃないかと私は思うんですがね。やっぱり一つの限界が何かあるような感じがこの数字でするわけですけれども、その辺はどういうところに問題があるんでしょうか。
  27. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 確かに国民公庫の場合には一応支店は百三十七ございますけれども、全国をことごとく網羅するという点では一般の代理店を活用した方がよろしいわけで、そういう意味では借入者の便宜を図ります等、代理貸しをもっと伸ばすべきではないかという御説はこれは確かにそういうことかと思います。ただ、実は国民公庫中小企業金融公庫とこの点かなり形を異にしておりまして、国民公庫の場合には直貸しがほぼ九割でございまして、代理貸しが一割でございますけれども、中小企業金融公庫の場合には逆に直貸しが三割足らずでございまして、件数にいたしまして代理貸しが七割程度になっているわけです。  この違いがどのようにして起こるかということでございますが、確かに中小公庫の場合には支店の数も四十六程度でございまして、国民公庫の三分の一しかないということもこれには影響しておると思いますけれども、より基本的には、国民公庫中小公庫貸付対象の層が違うというところに大きな原因があるようでございます。  つまり国民公庫の場合には、公庫法第一条にございますように、一般民間金融機関の融通を困難とするような資金を融通すると、そのような相手に対して資金貸し出すということになっているわけでございまして、特に国民公庫の場合には中小公庫に比べましてさらに零細な小規模な企業が主体になっているわけでございます。このような小規模零細企業は余り民間金融機関からなかなか借りることができない階層でございますので、したがって、ふだんから民間の金融機関とはほとんど余り取引がない場合が多いわけでございます。したがいまして、これ代理店になっているのは民間の金融機関でございますから、どうも国民公庫代理店には日ごろからの取引がなくてなじみがないということで、直接国民公庫の支店、店舗に来るというケースが多いわけでございまして、この点で直貸しが多くなっているという一向があるようでございます。  これに対しまして中小公庫の場合には、ふだんから民間金融機関と取引もできている層がかなり多いようでございまして、この点が一応代理貸しの比率の相違になっているのではないかと、このように考えております。
  28. 竹田四郎

    竹田四郎君 それは局長違うと思いますよ。いまそういうところで、たとえば都市銀行とか地か銀行について、地方銀行の大きなところについて取引がないという人はありますよ。しかし相互銀行とか信用金庫、信用組合——この数字見たって信用金庫が五百二の代理店契約しているわけですよね。全体の六割以上を信用金庫が占めているわけですよね。そういうところが幾ら小さな、極端なことを言えば飲食店ですね、あるいは小売店ですね、小さな小売店。そういうところと全然取引がないということはこれはありませんよ、いまの世の中に。普通の個人だって給料の払い込みとか何とかというようなことで銀行との関係はあるわけでありまして、全然そういうところと取引ないから国民金融公庫へ来るというふうには私は思いませんよ。私はそういうふうに思いませんがね。
  29. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) その点は、確かに信用組合まで代理店になっているわけでございますから、そのようなところには取引のない者はないのではないかという御指摘、そのような点もあろうかと思いますけれども、ただ、国民公庫の取引先の従業員規模でございますと、大体従業員が十九人以下のところが九四%でございまして、一人から四人程度が四割以上あるわけでございます。こういう点で普通の金融機関からなかなか借りたことがない者というのはかなり多いようでございまして、これは国民公庫でサンプル調査をしたことがあるわけでございますが、いま、かつて国民公庫と取引をしたことがある者で他の金融機関から借りたことのない人が五三、四%というような数字もあるわけでございまして、初めて金を借りるのに国民公庫に行ったというような人もかなりあるようでございます。したがいまして、これがすべての理由ではもちろんないと思いますけれども、こういう面もやはり国民公庫中小公庫との違いにかなり大きく影響しているのではないか、このように考えます。
  30. 竹田四郎

    竹田四郎君 結局こういうことじゃないですか。たとえば信用金庫とか地方銀行とか相互銀行はこれは受信業務をやっているわけですよ。受信業務やっているから借りに来た人の経営内容というのはよくわかるわけですよ。だから、この前も鈴木委員がおっしゃっておりましたけれども、信用金庫や信用組合や相互銀行へ行った方が早く貸してくれる。したがって、少しは金利は高くてもやっぱり早く貸してくれると、国民金融公庫の方では受信業務やっておりませんから、相手が一体どれだけ預金をどう持って、どこの銀行と取引しているというところからわからないわけですね、そこから調べていかなくちゃ。実際売り上げがどのくらいあるかということも、何か書類を持ってきてもらわなければこれもわからぬわけですね。そうするとついつい国民金融公庫審査日数というのはかなりの時間を食う。ところがそうした中小金融機関は、そういうのの審査の手間というのがかなり私は少なくなる。そういうことが、金利は高くてもとにかく手続が簡単でしかも早く貸し出してくれる。だから自分が要るときにすぐ金が手に入ってくる、借りられると、こういうところに代理店貸しと直貸しとが、代理店の方が余りそれを利用しない。それよりも早く来た金の方が使いよいと、金利ぐらいの問題はそれによって解消できる、こういうことで代理店貸しというのは少なくなって直貸しの方が多い。こういうので代理店というものを十分に活用できない、そういうとろに根本原因があるんじゃないですか、そういうふうには思いませんか。
  31. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 確かに先生指摘のとおり、金融機関が貸し出し審査を行う場合には、預金その他の内容を把握している場合には、これは非常に有力な材料になるわけでございますから、それを踏まえて審査することは審査事務の効率化には非常に役立つことでございまして、そのような資料を持たない国民公庫の場合とは若干違ってくるかと思います。ただしかし、その代理貸しを申し入れてきた企業に対して民間金融機関が融通ができれば、それは政府関係機関から必ずしも借りなくても済むならば、それは一つの行き方かとも思うわけでございますが、それにしても、しかし、低利の金を借りるという道がそれによって阻害されるということも問題でございますので、審査日数の短縮ということについてはこれからもいろいろ努力をしてまいりたいと思います。  特に環衛公庫の場合には、これはほかの業種ももちろんそうでございますけれども、特に環衛公庫の融資対象となっている業種の場合には、秀節性のものもかなりあるわけでございますから、そのような方々の融資について日数が非常にとられるというところは問題でございますので、この点についてはさらに国民公庫に対しましても努力を行うように指導してまいりたいと思います。
  32. 竹田四郎

    竹田四郎君 だからやはりあれですよ、幾ら金利が安くても、事務手続が複雑であったり、審査日数が長くかかるということであると、これは結局実質的には、先ほど私申しましたように、その間をどこかでつなぎ資金を借りにゃならぬということになりゃ、これは結局高いものになっちゃうわけですよ。そういう意味で、本当に零細企業に安い金利で金を貸して、そういう人たちが営業ができていくということになれば、やっぱり私は審査日数を縮めて早く貸してやる、これでなければ実際の低利という本来の目的が達成できないと思うんですよね。だからこの辺も私は改善をしていかないと、進学ローンの問題だけでなくて、やっぱりこういうところに影響してくると思うんですよ。  それで、私は国民金融公庫が最近になってえらい忙しくなったわけじゃないと思うんですよ。かなり前から同じような状態であるにもかかわらず、代理貸しというのは一向に進展していない。やっぱりそれは構造的な問題がどうもあるんではないだろうか。ただ単なる一時的な問題ではない。こういうふうに考えざるを得ないんですけれども、あなたは必ずしも私の意見に同意ではないようでありますけれども、やはりその辺が私は大きなポイントになっている。その辺でもやはりまた問題は——繰り返しませんけれども、やはり審査を早くするという手数の問題、こういう問題にはね返っていかざるを得ない。それでなけりゃ国民金融公庫、宣伝だけはいいけれども、事務が停滞をしたり、あるいは貸し出す日数が長くなったり、こういうことでは実際上の意味を私はなしていないだろう、これもひとつ十分検討してみていただきたい。そして、本当の意味での実質的にも低利で早く資金がそうした零細企業に行く、このことが必要だと思うんですね。普通でいったって高いんですからね。それがさらに高くなるわけでありますから、これで自由競争だ何だかんだって言ったって、それは自由競争にならない、条件が違うんでありますから、そういう意味でひとつこれも十分検討をしていただかなくちゃならぬ問題であろうと、こういうふうに思います。  それから、小企業経営改善資金、これは主に恐らく商工会議所や商工会の指導員を通じて貸し出している部面が非常に多いだろうと私は思うんですけれども、現実に小企業経営改善資金というのは、これはどんなふうにやって、どんな割合で、どんなふうにやってるんですか。
  33. 富永孝雄

    説明員(富永孝雄君) 先生指摘の小企業経営改善資金貸し付けでございますが、これは商工会あるいは商工会議所が、その地区の小規模事業者の経営改善のために経営改善普及事業というのを行っておりますが、その経営改善普及事業の実効を金融面から後づけをいたしまして、十分実効あらしめるために行っている制度でございます。  経営指導員がその地区の小規模事業者の経営指導をやりまして、実際にそういった経営改善のための資金が必要だということがはっきりいたしました場合には、これに対しまして実際に調査もいたしまして、これをその地区ごとにございます商工会あるいは商工会議所ごとの推薦をする機関がございますが、その推薦をする機関に上げまして、その結果、その推薦に基づきまして国民金融公庫の万で審査をいただきましてお金が出ると、そういうことになっているわけでございます。
  34. 竹田四郎

    竹田四郎君 この貸付状況を見ましても、五十一年の貸付状況というのはまあ三千五百億、不況だかり三千五百億ということでかなり融資枠をふやしているわけですよね。それから、さらに五十二年度にはそれを四千七百億、大変ふやしているわけですよね。しかし、実際は五十一年度でその枠を大分余らしていますね。七百億ぐらい余らしておりますか、五十二年度は最終にどのくらい余らしているか、まだ資料が私のところへは来ておりませんけれども、これは一体どのぐらい余らしているんですか。
  35. 富永孝雄

    説明員(富永孝雄君) 五十二年度の貸付実績は、予算の枠が四千七百億ということでございましたが、それに対しまして約三千三百億円ということになっております。したがいまして、予算に対します消化率で見ますとほぼ七〇%ということになるわけでございます。
  36. 竹田四郎

    竹田四郎君 どうして、政府は小企業が不況で困っているだろうということで三千五百億から四千七百億、一千二百億も融資の枠をふやしているわけですよね。それにもかかわらず、この五十一年、五十二年というのは特にその枠の達成ができない。まあ確かに資金需要が少なかったということも一つかもしれませんけれども、余りにも極端じゃないか。これは結局商工会あるいは商工会議所のこの経営指導員といいますか、そういう人が十分配置されない、あるいは配置されていても、制度も新しいこともあると思いますよね。古くからやっている制度ではないと思うんですが、やっぱり十分そういう経営相談等に応じられる体制ができてない、こういうことじゃないのですか。  大体経営指導員にはどんな待遇をしているのか。その人数というのは一体毎年どのくらいになっているのか。あるいはまだ商工会議所あるいは——商工会議所は大体配置はしてあると思うのですけれども、商工会なんかでまだ配置されてないような、そういうところも私はまだかなりあるんじゃないか。あるいは配置されていても人員が不足だというようなところも相当あると思うのですけれども、この経営指導員というのは——その辺の実態をひとつ先にお話しをいただきたいと思うのですがね。
  37. 富永孝雄

    説明員(富永孝雄君) 経営指導員の指導の体制が十分でないために貸し付けの実績が予算の枠に比べまして十分伸びなかったのではないかという御指摘でございます。  貸し付けの実績は、確かに予算の枠に比べての消化率は、五十一年度、五十二年度は、先生指摘のように、景気の回復が予想されたほど十分な程度回復してこなかったということのために、小企業者の資金需要の盛り上がりが十分でなかったということがあろうかと思うわけでございますが、貸し出しの水準から見ますと、五十一年度も五十二年度もほぼ二割——一八%、一九%といった対前年比でございまして、したがいまして、ほかの貸し付けと比べましても、貸し出しの水準がそう低いということではなかったと考えるわけでございますが、やはり景気後退のためにその影響を受けまして、小企業者の資金の盛り上がりが十分でなかったということが大きな原因であろうかと思われるわけでございます。  経営指導員につきましては、年々小企業者の数に応じまして一定の基準を定めまして配置しているわけでございます。したがいまして、予算は、小企業者の増加に伴いまして、経営指導員の数につきまして十分御配慮をいただきまして数がふえてきておるわけでございまして、五十二年度の経営指導員の数は全国で八千百五十人人ということになっております。五十三年度はさらにネット増で二百十三人ということになっておりまして、八千三百六十九人の指導員が全国の商工会、商工会議所に配置されております。  商工会の中でまだ経営指導員が配置されてないところがあるのではないかという御指摘でございますが、そういったところがまだ若干残っておりますが、全国二千八百三十三の商工会がございますけれども、このうちほとんどに経営指導員が配置されております。ただ、若干残っておりますところでは、これは各県の県連に経営指導員が配置されておりまして、この指導員がその指導員のいない商工会のところの小規模企業者に対して指導を行う、マル経資金の推薦も行う、そういうことをやっております。  それから指導員の待遇でございますけれども、これは私ども国家公務員の待遇に準じまして待遇を改善していただくということで、年々改善を進めているわけでございまして、現在五十三年度の予算では、単価といたしましては十四万八千六百円といった水準を基準といたしましてこれを配分しているわけでございます。
  38. 竹田四郎

    竹田四郎君 とかく経営指導員の仕事についてもいろいろ批判が私どもの耳に入ってきていることも事実です。ですから、やるならやるように、ひとつ融資の枠だってかなり見ているんだし、やってもらわなければ私は困ると思うのですが、これ一層ひとつ努力をしてほしいと思います。  次へ移りたいと思います。通産省の方、もうよろしゅうございますから。  それから銀行局長にお尋ねするのですが、この間せっかく総裁に来ていただいたのだけれども、どうも私の質問とあんまりうまく合わなかった点があるわけですが、この進学ローンの貸し付け申し込みのときは一体どんな書類を出すようになっているのですか。この間はそういうことはもう三月末に大体決まったというふうにお話を承ったわけで、あとは各団体やあるいは従業員に対する研修をこれからやっていくのだというふうなことなんですが、具体的にはどんな書類を出させるわけですか。
  39. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 実際の進学ローンの手続につきましては、細かいところにつきましてはまだいろいろ詰めているところでございまして、必ずしも確定しておりませんけれども、貸し付け申し込みの際に一緒に出してもらう書類といたしましては、一般貸し付けの場合には、当然のことでございますが、所得制限がございますので、所得に関する証明書をいただくことになると思います。そのほか保証人の保証承諾書、あるいは印鑑証明等が必要と考えられますが、いずれにしても極力簡略化を図るということでいろいろ検討を進めているところでございます。
  40. 竹田四郎

    竹田四郎君 この辺もすでに質問が出ておりましたように、たとえば保証人をなくすべきだというような意見もありましたし、金利の問題もありますし、返済の問題もありましたしするのですが、こういうものはやっぱり相当早く明示していかないと、その場になってといっても、なかなかできないと思うのですよ。ですから、どうもいまのお話でもまだはっきりしない面が多分にあるんですが、やるなら私は早くそれを明示してやらないと——そういう書類の取り扱いということになれてない人が大部分ですからね。この点も早くどういう書類が要るのだということをひとつ明示をするように努力をお願いをしたいと思います。  もう一つこの際お聞きしておきたいのですが、この間も総裁が、確かに相手の信用調査といっても、事務所や事業場を持っている人が金を借りるのと現実には違うわけですよ。普通貸し付けの場合には大体事務所があったり、あるいは工場があったりするわけでありますけれども、今度の進学ローンの場合には、もう住宅だけだっていいわけだと思いますから、あるいはその人があっちこっちへ住居を変えるということもあるわけでありまして、そういう点は普通貸し付け、その他の貸し付けに比べて、信用調査なり審査主務というような、こういうことがより私は困難だと思われるわけです。そういう意味で、この閥総裁が信用保証機構をつくるのだというような発言があったのですが、これはどんなものをどんなふうにつくられるのですか。
  41. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先ほど先生の御指摘の中で、手続を早急に決める話、あるいはこれを明示するということにつきましては、いま鋭意努力をしておりまして、手続が詰まりましたならば、何らかの形で極力国民一般の方に広くわかっていただくような形のPR活動をやりたいと、このように考えております。  それから信用保証機構でございますが、現在のところ、いままで申し上げておりましたように、国民公庫は従来から保証人をとることを原則としておりますし、今回も保証人をとるということでいろいろ事務を進めているわけでございますけれども、国民公庫総裁のお話にもございました信用保証機構につきましては、こういう保証機関をつくる場合にいろいろ基礎になる資金、その他いろいろな手続が必要でございますので、そういう各方面の検討も同時に並行的に進めてまいりたいと考えております。
  42. 竹田四郎

    竹田四郎君 そうすると、これはまだ余り具体的な構想が練られていないと、これから練るんだと、こういうお話のようでありますが、確かに取れない、あるいは返済不能になる、こういう場合もあるわけですね。特にいままでお話が出ていた母子家庭とかあるいは交通遺児の家庭とか、こういうところではなかなかうまくはいかない、こういう問題があるからそうした信用保証の機構をつくるということは私もいいと思うんですが、ただその場合、普通の一般貸し付けの場合には確かに保証料を取るわけですよね。そういう場合には、七・一%のこの利率の上へ上積みされるんですか、それとも七・一%という中でやっていくのかどうなのか。保証機構をつくったはいいけれども金利は高くなってしまった、実質的には高くなってしまったということでは、これはまた余り金利を安くした安くしたという、そういう宣伝と相反することになっちゃうわけですが、その辺はどういうふうにお考えなんですか。七・一%の枠内で、その中で保証料を出していく、こういうことになるんですか、どうなんですか。
  43. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 保証機構につきましてはまだ全く検討の段階でございますので、このようなものになるということは申し上げられないわけでございますが、しかし仮に保証機構がつくられることになりますと、これは国民公庫とは全く別の第二者の機関になると思われますので、恐らく保証料を何がしかいただくということになると思います。したがいまして、これもまたどのようになるかはまだ全くわからないわけでございますが、保証人がとりやすい万は保証人を選んでいただくし、保証人をとるのが大変だとか、あるいは保証人をとるのがどうもめんどうくさいとおっしゃる方には若干の手数料をいただいて保証機構を利用していただくというようなことも考えておられるのではないかと思います。
  44. 竹田四郎

    竹田四郎君 もう時間が来たようでありますから、きょうは余り超過するのはやめたいと思いますが、しかし、そういうときに保証人もとれない人というのは大体私は相当困窮した家庭であろうと思うんですよ。そこへまた金利を上乗せするといったならば、どうも看板は表からはいいけれども裏を見ると鬼がかいてあるというような、看板に偽りありというような形に私はなりかねないと思うんですよ。その辺は私は特別に考慮してもらわなければいけないんではないか。それでなければ、せっかくのこの制度をつくっても、やっぱり私がこの前言いましたように、貸付対象は結局上位へシフトする、金のある方に、所得の高いシフトとしてしまうということに私はなってしまうんじゃないだろうか、せっかくつくった当初の意図というものが崩れてしまうんではないか、こう思いますが、できていないということでありますから、その辺も篤とひとつ、いま局長の答弁と違ったような結果が出るように私はやってもらわなければいけない、こういうふうに思います。これはまだどっちとも御返事はできないだろうと思うんですけれども、そういう方向で検討をしていただきたいと思います。  時間が参りましたので、私はきょうはこれで終りたいと思います。
  45. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは、今回の進学資金貸し付けということが法律改正で行われるわけでありますが、きょうまでの当委員会の質疑を通して私が感ずることは、果たして国民金融公庫においてこの制度を円滑に実施する体制にないのではないか、そういう点が非常に心配をされるわけであります。現在でも非常に公庫事務処理はおくれ、自宅に帰ってやらなければいけない、こういう点に追い込まれておるのに、この制度が加わりますとそれがさらに倍加されていくんではないか、こういう点が非常に心配されるわけであります。  そういう立場から二、三お尋ねをしたいと思いますが、まず最初に第四条の、「公庫は、大蔵大臣の認可を受けて、他の金融機関にその業務の一部を代理させることができる。」、これが「委託することができる。」と、このように改正をされておりますが、代理と委託というのはどういう違いがあるわけですか。
  46. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この代理と委託の関係でございますが、若干法律的な見解、角度からの御答弁になるかと思いますけれども、代理は、代理人の行為によって本人に権利義務関係を生じさせる地位であって、事実行為には代理はないという解釈でございます。  これに対しまして委託は、業務処理にその本質がございまして、法律行為または事実行為を他の機関に依頼することを言うものと、このようになっているわけでございます。  こういうことから、実は他の公庫法はすべて代理という言葉を使わないで委託という表現を使っているわけでございます。  また、郵政省に今回実施していただくことになっております事務は、申し込みの受理あるいは貸付金の交付というような仕事でございまして、必ずしも法律行為ではないわけでございます。  こういうことから、この際条文の整理という、表現の整理ということもございましてこのような改正の案になっているわけでございます。
  47. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 どうも銀行局長のいまの説明は私ちょっとわからないわけですが、これはこういうことなんですか。  いままでの代理というのは、たとえば貸付業務のいわゆる審査とかそういうことも全部金融機関に任せておったと、そういうのが代理であり、委託というのは、その代理も委託の中に含まれるけれども、さらに今回のいわゆる郵便局を通ずる貸し付けのように、審査は全部こちらがやる、ただ窓口だけを、取り次ぎだけを頼む、こういうものも含めてこれが委託であると、こう理解していいわけですね。
  48. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生指摘のとおり、委託というのは代理よりも若干広い、また角度が変わった概念でございまして、法律行為または事実行為を他の金融機関、他の機関に依頼する行為でございます。  いま先生指摘のように、郵政省の方でやっていただくことになっております事務は、仕事は、申し込みの受理、貸付金の交付でございまして、これは必ずしも法律行為ではございませんで、事実行為に属するものでございますので、こういうものを踏まえまして委託という言葉、委託という表現にしたわけでございます。
  49. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 いわゆるいままでの第四条による代理機関というのは、代理店というのは八百三十か四十ぐらいあったわけですね。今回の改正によりまして、農協、漁協などにも委託をするように聞いておるわけですが、新しい改正法における第四条の委託する金融機関というのはどの程度になるのか、その内容はどういう内容の委託であるのか、これをお尋ねいたします。
  50. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 御指摘のとおり、現在の代理店貸し付け審査その他を含めて事務を行わせているわけでございまして、今回の進学ローンに関しまして同じように代理店を設けるわけでございますが、これにつきましてはいままでの代理店と若干異なりまして、いままでの代理店公庫貸し付け一般についての代理と申しますか、その仕事の委託をしていたわけでございますけれども、進学ローンにつきましては進学ローンだけの仕事を委託することを考えておりまして、この委託の対象といたしましては、現在代理店になっておりません普通銀行あるいはそれ以外の相互銀行を含め、また農協、漁協等も代理店にするという考えでございます。ただ、この場合には当然すべての店舗が代理店になるというわけではございませんで、主要な店舗を代理店にいたしまして、あとの店舗は幾つかの店舗を取次店という形で一般の国民の利便に資するようにしたい、このように考えております。
  51. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 そうすると、この場合はいままでの代理店と同じように農協、漁協にもそういう審査を任せる、こういうように理解していいわけですね。
  52. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 代理店に指定した店舗に対しましては、進学ローンに仕事を限るわけでございますけれども、しかし仕事の内容としては、先生指摘のとおり審査を含めて委託することになります。
  53. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 農協、漁協等の話し合いはもう進んでおるわけですね。それともう一点は、大体何カ所ぐらいに代理店はなるのか。
  54. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 農協、漁協ともこの点につきましては中央の組織を通じましていろいろ連絡をしております。その窓口全体といたしましては、現在農協が約四千七百、漁協が約千七百の本支店を持っておりますので、このほとんどが窓口になると思いますけれども、先ほど申しましたように、これが全部が代理店になるということではなくて、主要なところが代理店になって、あとは取り次ぎという形で事務処理する、このような方式をとるものと考えております。
  55. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 まだそういう詳細はこれから検討する、こういうことですね。
  56. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) そのとおりでございます。
  57. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 大蔵大臣にお尋ねしますが、この法案を審議する過程で政府の御答弁を聞いておりますと、何もかもこれから検討する、この進学資金を借りたいときの申し込みの形式もこれから検討する、何もかもこれから検討するということで、余りにもどろぼうを見てなわをなうというか、そういう感じがしてならないわけであります。やはり一つのことをやっていくには、どういうやり万をするかによって申し込みの数も違うし、それに対応する事務量も当然違ってくるわけであって、それを実際に始めてみてその結果を見て次の対策を立てる、これでは余りにもどろなわ式のような感じがするわけなんですが、そういうような点は大蔵省としても十分検討して、これならやっていける、そういう体制で私は出発すべきであって、今回のこの法律はまことにそういう点ではどろなわ式の感じがするわけですが、そういう点は大蔵大臣としては認めますか。
  58. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 事務処理の運び方でございますが、内部的に処理することのできる事務につきましてはいまもう詰めが終わっておりますし、また事務的な面ではいろいろ対応策が全部でき上がっているわけでございますけれども、外部と接触する問題につきましては、この法案の成立を認めていただいてからそういうようなことを開始するのが当然のことでございますが、そういう面で外部とのそのような接触についてはまだ必ずしも十分には行われていない、しかしそのようなものについても下相談はいろいろ実施しているわけでございます。
  59. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) まあ新しい試みでございますので、基本的な構想については固まっておりますけれども、いろいろ御質問を受けます細かい問題につきましては、ただいま申しましたように、内部事務の方は進めておるわけでございますけれども、外部事務は、あるいは細かい手続になりますとできるだけ簡略にしたい、しかし、同時にまた金融原則の上に立っておるからどれぐらいの書類を徴求するか、こういう問題はやはり資金需要者のことも考えながら、まだ時間がございますので、この法案の趣旨に沿ってこれから鋭意検討して詰めてまいりたい、かように思っているところでございます。
  60. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 今回農協、漁協等の代理業務をするところがふえると、当然国民金融公庫としてもそのような金融機関を管理することも必要になってくると思うんですが、これは代理店の数が幾らになるかということによっても違ってくると思うんですけれども、そういう管理する面における金融公庫の体制というものは心配はないのかどうか、そのためにどの程度事務量がふえると考えていらっしゃるのか、その点はどうでございますか。
  61. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 御指摘のとおり、代理店が増加しますと代理店に対する管理、監督の仕事があるわけでございますが、これは先般当委員会において国民金融公庫の総裁からも御答弁申し上げたところと存じておりますが、そういうものに対する、そういう代理店の増加に対する体制は国民金融公庫でも十分に用意しておるということでございます。
  62. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それから、第四条の三項で郵政省に対しては委託業務が行われるわけでありますが、この委託業務については準則を示すということになっておるわけですが、準則の内容はどういうものでございますか。
  63. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 準則の内容につきましては、一応の素案はいろいろ固めておりますが、まだ郵政省と正式のそういう意味での折衝は行っていないわけでございます。
  64. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 大蔵大臣にお尋ねしますが、やはり国会で一つの法案を審議する場合に、よく政令で定めるとか、あるいはこのように準則をつくるとか、こういうようなことは当然法案に付随した問題でございますので、私たちとしてもこの法案を審議するときに、きちっとした政令なり準則じゃなくても、大体こういう考えである、こういうことは私は委員会に出していただきたい、やはり国会の審議に対して行政当局もそれぐらいの誠意は私は今後とも示してもらいたいと思うんですが、ただ二法案だけ審議しろと、あと法案通った後決める政令とか準則というのは、これは大蔵大臣の判断でやるんだから国会の方はそんなこと関係ないじゃないかと、こういうような姿勢では私は困ると思うんですがね。今後はそういう点を努力をしてもらいたいと思うんですが、どうですか。
  65. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) 仰せのように今後十分詰めてまいりたいと思っております。私が考えますと、大体事務手続に関する問題ではないかと、そのように考えておりますので、詰めてまいりますれば、郵政省とも十分相談いたしまして、両者ともに最も簡素な形で事務処理ができるような角度でこの問題を取り決めてやっていきたいと、かように考えているところでございます。
  66. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 郵政省に対する委託業務の内容は、これは代理店とは違って法律行為は行わない、こういうようなお話でございますが、郵政省は私がお聞きしている範囲では普通局が千二百十九局、特定局が一万七千百七十局、簡易局が四千四十五局、それから貯金の外務員が九千二百二十三人と、こういうように非常に全国で郵便局の窓口は一番数が多く、国民にも身近なところにあるわけでありますが、こういうすべての局がこの委託局になるのか、あるいは郵政省でいま審議されております貸し付けの方の積み立てもこういうすべての局で扱うようになるのか、そのあたりはどうなんでしょうか。
  67. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この進学積立郵便貯金預金者貸し付けにつきましては、郵政省では普通郵便局と特定郵便局を取扱窓口にすると予定していると、このように聞いております。簡易郵便局につきましては事務能力、人員の点から問題がございますので取り扱いをさせることは困難であろう、このように郵政省は考えておるわけでございます。
  68. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 この進学積み立ての場合ですね、これは外務員は募集はしないと、全部窓口へ持参して払い込みをしなければいけないと、こういうような話し合いになっておるように私は聞いておるわけでありますが、これは郵政省の問題ではありますけれども、大蔵省との話し合いの上においてなぜそういうようになったのか、この点を伺っておきます。
  69. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この進学資金貸し付けにかかわる積立定期につきましては、集金はしないで全部窓口に貯金を持ってきてもらう制度になっているというふうに聞いておりますが、この点につきましては、特に大蔵省としてこの制度につきまして関与をするようなことはないわけでございます。
  70. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私は、郵便局へ持っていくのもいいわけですけれども、外務員の人が全国で九千二百二十三人、これは五十三年の二月末でありますが、そういう人たちが動いておるわけでありまして、そういう人たちにこの進学積み立てもやるようにした方がより国民の立場から見ていいんじゃないか。これは四年間で五十四万を積み立てるにしても、毎月毎月の金額はそう大きな金額でないわけでありまして、それをわざわざ持っていくということは非常によくないわけで、これは郵政省の問題でありますが、郵政省がもしそういう貯金外務員に集金までやらせるということになれば大蔵省としては別に異存はないのかどうか、その点はどうなんですか。
  71. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この問題は貯金の形式の問題でございますので、郵政省の問題と考えております。
  72. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 郵政省の窓口でこの進学積み立てですね、これを受け付けてこれを国民金融公庫に取り次ぐわけですが、私はやっぱり債務の合理化、簡略化という点から考えて、この進学積み立てについては、郵政省の窓口を委託ではなしに代理店のようにした方が、その方が国民金融公庫事務もより簡略化されていくんではないか。これが今回のように委託でありますと郵政省を通して申し込まれてくる、それを審査をする、あるいはその審査の結果貸し付けをしても、その債権の返却を管理していく、そういう点からも非常にやりにくいんじゃないか。郵便局ならば、もういままで何年間か積み立ててきておるわけですから、そういうつながりの中から相手の事情もよくわかるし、そういう信頼のもとに成り立っておるのが私は郵便局の貯金、月掛け貯金というか、そういう姿じゃないかと思うんですがね。いままで郵便局は与信業務をやっていない。それはそうかもしれませんが、この問題に限っては郵便局を代理店にするということの万がはるかに私は効率的であり、いまでもオーバーロードの国民金融公庫仕事量のやはり合理化にも役立っていくんではないか、そういう気がしてならないわけですが、その点についての御見解はどうですか。
  73. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 郵便局に審査その他貸し出し事務をやらせるということは結局郵便局が与信業務を持つことになるわけでございまして、この点につきましては、いままでも申し上げましたように、財政投融資資金の一元化の問題でございますとか、あるいはすでにその融資の審査、回収、管理等を行うものとして、政府としては各種銀行、金庫、公庫があるわけでありまして、これを利用する方が行政制度全体としては効率的ではないかというような観点からこのように考えているわけでございまして、代理業務を郵政省にやらせますと当然回収の責任も郵便局が持つことになりまして、したがいまして、審査、管理、回収等の組織がまた郵便局に必要になるわけでございまして、こういう点は、いままでもいろいろ申し上げましたように、行政事務の簡素化の点からもいろいろ問題がございますし、財政投融資資金の一元化の点からも問題がございますので、それは適当ではない、このように考えております。
  74. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それは国民金融公庫にそういう十分な体制、定員増加、そういうこともやって国民金融公庫でやらせると言うならばまだ話はわかるわけなんですけれども。  じゃお尋ねしますけれども、ことしは予算が二百二億円ですね。これはこの大蔵省の進学貸し付けと、それから郵政省関係の積み立てと両方あるわけですが、これはもし半々ですね、百億と百億とそれが全部消化されたとした場合ですが、七万件と私は聞いておるわけですが、それがさらに四年間続けば返却に四年間かかるわけでしょう。だからその七万件は四年間は——三年の場合もあるでしょうけれども、四年間とすればやっぱり四年間毎月これを返済してもらわなくちゃいけない。そうすると、ことしも来年も同じ金額であるとすれば、四年たてば約三十万件になるわけでしょう。その三十万件の中で、もちろん代理店の場合は事務がほとんど向こうに任されるわけでいいわけですけれども、代理店の方が先ほどのお話では大体いままでのところは一割であると、九割は直接貸すわけですからね。これがもし半々としても十五万件は実際は国民金融公庫が毎月毎月返済も管理していかなきゃならない。この貸し出し審査事務も大変ですけれども、そういう債権の管理も大変じゃないかと思うんですがね。もし一〇〇%貸し出された場合は、大体債権管理の仕事量としてはどの程度ふえるように考えていらっしゃるのかですね。私はもう金額は少なくてもこれは事務処理的には件数ですからね。たとえ二万円の返却でも百万円の返却でも同じぐらいの仕事量変わらないわけですから、そういう点から考えますと、実際現在の国民金融公庫事務量からすれば一割ぐらいふえるんじゃないか、全部貸し出された場合はそれぐらいふえるんじゃないかと思うんですが、そういう点は検討していますか、お尋ねします。
  75. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生指摘のような、四年間には三十万件近い事務量になるということは十分予想されるところでございまして、当然のことながら、こういう状態を踏まえまして、国民公庫でもいままで作業をやってまいりましたし、これからもさらにその作業を続けてまいると思いますが、このうちのどの程度代理貸しになりどの程度が直貸しになるかということにつきましては、いま予測することはきわめて困難でございますけれども、ただ今度の進学ローンに関しましては、農協、漁協を含めまして民間のほとんどすべての金融機関が窓口になる可能性が高いと考えられますので、そのような点から申しますと、代理貸しの比率はかなり高くなると考えてもよろしいのではないかと考えております。  また、この債権の管理、回収事務につきましては、現在オンラインによる貸し出し処理も進んでおりますし、その点そういう機械化、合理化を進めますならば、現在国民公庫が考えております体制のもとで十分に円滑に処理できるのではないかと、このように考えております。
  76. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 処理できればいいわけですけれども、しかし、現在でも当委員会での参考人の方々のお話を聞きましてもかなり無理がいっていると、それが持ち帰り労働になり、ほかの機関に比べて健康管理の面でも悪影響が出ておるわけでありまして、私はそういう点を非常に心配をするわけであります。  それでもう一つは、たとえば恩給担保の貸し付けのような場合は、資格要件さえそろえば審査する必要なしに貸し付けができると、こうなってくると非常に審査というものもスムーズにいくと思うんですね。郵政省のいわゆる積み立てによる貸し付けの場合は、これは審査基準はどうなりますか。四年間でたとえば五十四万円積み立てておれば、それだけでも無条件に五十四万円は貸すのかどうか、ただ積み立てておっても、そのほかにいろいろ条件が要るのかどうか、その点はどうなりますか。
  77. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 恩給担保貸し付けの場合には恩給が担保になるわけでございますから、審査事務はかなり簡単になるわけでございますが、進学ローンの場合におきましては、郵便貯金を積み立てた場合にも、その積み立てた郵便貯金は担保にはならないわけでございまして、別途に貸し出しをして、その貯金はいつでも引き出して構わないという形になっておるわけでございます。したがって一般の全く担保のない貸し出しと同じでございますので、したがって国民公庫としての通常の審査が行われるわけでございまして、返済能力についてのいろんな要件をとりまして、それを踏まえて審査するわけでございます。ただしかし、これは一般の事業貸し出しと違いまして、審査の対象となるデータというのはかなり限られてくるわけでございまして、年間所得であるとか資産負債状況であるとか、あるいは事業とか勤務の継続年数とか、そのようなものを目安として審査を行うことになると思います。  それから、やはり進学ローンの郵便積立貯金を行っていた人に対しましては、すでに過去二年なり三年なり継続してそのような貯金を行い得たという事実は、これはやはりその人の信用度につきましては大きなデータでございますので、そういうものを踏まえて、それを大きな要素として審査が行われることになると思います。
  78. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 だから、いまのいろいろな基準をはっきりしてもらわなくちゃいかぬと思うんですね。やはり国民の側から見ればこの人は借りられる、この人は借りられないと、それがはっきりしないと、郵政省に申し込んで借りられるように当てをしておって借りられないということじゃ困ると思うんですね。それをはっきりさせしていかなければならない。  それともう一つは、審査のやはり事務処理を合理化するためにも、たとえば勤務年数は幾ら、あるいはお父さんの年間収入幾らとか、そういうものをやっぱりはっきり決めて、一人一人呼ばなければ審査できない、こういうことでは物すごく事務量がふえるんじゃないかと思うんですが、そういう点審査の基準というのはいつできるんですか、それが一点。  それともう一つは、一人一人面接をすることが必要になってくるんですか。
  79. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 今回の進学ローンの貸し出しは、かなり短期間に多量なものを処理することになりますし、また、もともと国民公庫は一般民間金融機関の融通を困難とする資金を貸すわけでございますから、通常の民間資金に比べて審査基準は当然違ってくるわけでございまして、特に今回の場合には、いままで余り金融機関から借りたことのない方を対象にするわけでございますので、先生指摘のとおり、審査基準あるいはその貸し付け申込書の様式等につきましては極力簡素化を図りまして、簡易に貸し出しができるようにいま検討を進めているところでございます。特に郵便局を通ずる貸し出し、つまり進学積立定期を終えた方に対する貸し出しにつきましては、先ほど申し上げましたように、その進学積立定期を全く事故なく終えたこと自体が一つの信用力の大きな目安になりますので、その点では十分に評価して審査が行われることになるかと思います。
  80. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 いまサラリーローンが全国的にも非常にふえまして、これをめぐるトラブルが起きているわけですが、しかし、なぜサラリーローンのような金利の高いところへ行くかと言えば、簡単に貸してくれるから行くわけですね。だからこういう制度をつくってもやっぱり手続を簡素化して、これとこれとこれがこの条件であれば一〇〇%借りられるんだと、そういうふうにぼくはすべきだと思うんですね。そうすれば、借りる方も自分の条件に照らして借りられる借りられないということがはっきりわかるわけですから、それと公庫の方の事務処理体制から見ても、まあ年金証書担保貸し付けほどはいかないにしても、ずっとスムーズになりますし、それでこそこの制度が生きるんじゃないかと思うんですがね。そういう点、本日の時点でそのような点がはっきりしていないということは私は非常に不満ではございますが、そういう方向でひとつやってもらいたい、これを要望しておきますが、これはひとつ大蔵大臣からお答えいただきたいと思います。
  81. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) いま塩出委員のおっしゃった趣旨はよく理解できるわけでございます。したがいまして、このようなところでできるだけ詰めてまいりたいと思います。ただ、何しろ金融という問題でございますので、法律で決めるように、これこれがあったらこれこれというふうにうまくいくかどうかわかりませんけれども、御趣旨はよくわかりますので、その方向で実務的に詰めてまいりたいと、かように思っているわけでございます。
  82. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 大蔵大臣にさらに要望しておきますが、国民のための制度としていくためには、やはり速やかに事務処理体制が行われなければいけないことは当然じゃないかと思います。そういう点から、先ほど申しましたように、本当に私はこの制度が円滑に行われるのかどうか、その点を非常に心配をするわけであります。まあ先般公庫の総裁がここへお見えになったときには、そう心配のないような御答弁でありましたけれども、実際には大変じゃないかなあと。申し込みがなければそれはいいわけですけれども、実際にこの制度が国民に喜んでもらえるような制度としてどんどんふえてきた場合には、これは公庫としても私は大変じゃないかなあと、そういう点でひとつ当委員会でも問題になりました金融公庫事務処理体制についても不当なしわ寄せがかからないように、そういう点を努力してもらいたい、このことを要望いたします。大蔵大臣の御見解を承っておきます。
  83. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) いまの委員の御意見を踏まえまして、最善の努力を尽くしてまいります。
  84. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 前回の私の質問の中で、進学ローンでは交通遺児や母子家庭に対処するには限界があり、社会福祉政策の面で考えるべきだという銀行局長が答弁をされた、一方主計局次長は現行制度のもとでは義務教育ではない高校や大学、特に私学はむずかしいと答えられているので、それでは何もないじゃないかということで質問をいたしましたら、大蔵大臣の方から、まず今回の進学ローンを実施をさせてほしい、運用面でいろいろ努力するが、御指摘の点は総合的に検討をいたしたいという御答弁があったわけであります。  そこで私の方から、本日の委員会までに日曜日はさんで四日間ぐらいありますから、関係する各省と協議をして具体的な前進方向を出していただくようお願いをしてきたわけでありますが、どのような具体的方向で検討が進んでいるのか、大臣、どうでしょうか。
  85. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) この前、佐藤委員にもお答えしたと思うのでございますけれども、これはやはり試行錯誤的に進めていかなければならぬのでございまして、初めから相談で決まるという筋の問題ではございませんので、実施した上でいろいろ考えてみたいということを基本的に申し上げたわけでございます。その意味でまずスタートさせていただきたい。しかし、運用面でもある程度考えられるのじゃないかと申し上げた点は、私一点ございまして、大体五十万円ということになりまして三年間といたしますと月額二万三千円くらい、母子家庭であるとか交通遺児になりますとあるいは少し無理がかかるのじゃなかろうか。今日の普通の生活水準から申しまして、この五十万という金額の二万三千円というのは普通の人には私はできるのではなかろうかと思っているのでございますが、交通遺児とか特殊の人については場合によるとかなり苦しい問題があるかもしれない。そういう場合には、ケース・バイ・ケースである程度やはり延滞になる場合も考えて運用を考えなくちゃいかぬのではなかろうか、こういうことを申し上げたつもりなのでございます。その点は前回お答えしたときもただいまも変わっておりません。そういう意味で、もう少し運用面について検討さしてほしいと、こう申し上げたつもりでございます。
  86. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 当面の運用の問題については具体的に触れられているわけですけれども、いわゆる総合的施策をどう講じていくか、この点について御検討がもう一つ具体化していない模様ですけれども、それでは逆に私の方からお尋ねをいたしますが、現在社会福祉費の中に世帯更生資金、母子福祉資金、寡婦福祉資金というのがありますが、その中に修学資金というのがあります。これはいわゆる修学支度金でありますけれども、五十三年度について見ますと、たとえば大学の自宅外通学の場合で五万五千円ということになっていますが、この額で見る限り、国立の入学金六万円もさりながら公立の平均は九万円、私立の大学の平均入学金というのはさらに大きな額になるという、こういう点から見て不十分だというのは言うまでもないと思いますし、この修学支度金を拡充をして、過大な入学一時金の一定程度を援助できるように、できる限りの増額をするという問題をぜひ検討していただきたいというふうに思うのですけれども、その点についてはどうでしょうか。
  87. 禿河徹映

    政府委員禿河徹映君) ただいまお話がございましたとおり、母子福祉資金とか世帯更生資金ということの中に、修学支度のための貸付金という制度がございます。この限度額につきましては、御指摘のとおり五十三年度で五万五千円ということに相なっておりますが、これは年々増額を私ども相努めてきたところでございまして、それで現在五万五千と、こういう水準に相なっておるわけでございます。私どもといたしましては、今後ともこの貸付限度額の引き上げ、改善ということにつきましては努力してまいるつもりでございます。ただ余りに高額な入学金、それについてまでこれをカバーするということに相なりますと、社会保障制度と申しますか、この制度の趣旨でなかなか対応することが困難な面がございますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、この支度金貸し付けの限度の引き上げには今後とも努めてまいりたいと、かように考えておるような次第でございます。
  88. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 実は、本日の委員会質問に先立って、いまも主計局次長の方からは増額に努力をしたいというふうに言われておりますが、この修学資金の大幅増額をするように厚生省にいろいろお尋ねをしてまいりました。厚生省の見解としては、この修学資金というのはいわば育英資金制度の補完物だと、育英資金の適用から漏れた生活困難者に適用するものになっていると、そういう点で、しかもその額の基準についての考え方が育英資金制度にいわば準拠をしていく、こういう考え方が基本になっておるという点から言って、根本である育英資金制度が拡充をされればそれに沿って直ちにこの修学資金の拡充というのもやりやすくなる、こういう見解が厚生省から述べられているわけであります。こうした点でも、先日来わが党の渡辺委員が強調してまいりましたように、この育英資金の中で入学一時金についても手当てをする、制度的拡充を図る問題というのがいよいよもって重要になってくると思うんですが、この点に関して大臣の方からは五十四年度に向けて前向き方向で検討をしたいという答弁をいただいているわけでありますけれども、ぜひこうした見地からこの問題の具体化に一層努力をしていただきたいと思うわけであります。  なお、この機会に質問をしておきたいと思いますが、この育英資金制度に関連をして、もう御存じのように、現状はその配分が国公立大学関係の学生に比べて私立大学の関係の配分が非常に偏っている。文部省から少しいただきました数字によりましても、五十二年度の数字が出てない模様なんでありますが、五十一年度について見ますと、大学生の総数に対する育英資金適用を受けている奨学生の数の比率は国公立大学では二七・八%、私立大学では六・〇%と、かなり大きな傾斜が起こっている。それから、育英資金についてのこの申請をした適格者、一定の基準があるわけですけれども、適格者に対する採用率という点で見ますと、国公立大学六七・八%、私立の大学五〇・八%、こういう状況にもなっているということでありますし、もちろん現状のままで配分改善をするという、これでは矛盾を来すわけでありますし、育英資金の総額を増額しながらということを前提にした上での私学への配分を国公立に近づけていくよう一段の努力をお願いをいたしたいというふうに思うんですが、文部省どうでしょう。
  89. 石井久夫

    説明員(石井久夫君) ただいま先生から御指摘のありましたとおり、私学につきましては奨学生数の比率が学生数に対しまして現在では六・〇%程度で、国公率に比して少ないわけでございますが、こういう現状につきまして、私大に対する貸与学生数を増額するために最近では私立大学に対する学生数を増加しているわけでございまして、特別貸与という制度がございますが、その中で五十二年度千八百五十名、五十三年度二千三百名ということで、最近では合わせまして四千百五十名の増員を図っているわけでございます。こういうことから見ますと、先ほど御指摘のありました申請適格者に対する採用比率が私立の場合には国立に比しまして五〇・八%ということで若干低くなっているわけでございますが、私学に対する貸与人員を拡大することによってこういう点は改善されているというふうに考えております。ただし、いま御指摘のとおり、私大の学生数が全体的に多いわけでございますので、その学生数に対する採用比率というのから見ますと、まだ私学の場合奨学生数の採用比率が少ないわけでございますので、今後とも私立大学を中心にして貸与人員等の拡充を図っていく必要がある、そういうふうに考えております。
  90. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いま特別貸与の関係で私立大学の学生の関係についての努力をやっていると言われていましたが、その点は事実ではありますけれども、結果的に今度は一般貸与の関係においてそのことのしわ寄せが来ると、こういう現状になっているということも事実あるわけですね。だからそういう点で、総額をふやしながら全体として前進をさせるという方向でぜひ一般の努力をやっていただきたいというふうにお願いをしたいと思うんですけれども、よろしいですね。
  91. 石井久夫

    説明員(石井久夫君) 御指摘のとおりだと思いますので、私立大学については各般の状況を見ながら拡充の方向で努力したいと思います。
  92. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 次に、今回提案の進学ローンについて、専修学校にも適用させるべきであるということが多くの委員かりも当委員会でずっと指摘をされてきたわけでありまして、当局も政令公布の時期までによく検討をしたいと答弁をされてきたわけであります。わが党としても、調査室から出されました資料では、かなり比べると、その後市中銀行では専修学校の適用をしようというところがふえているように私どもつかんでいるんですが、わが党としましても、ぜひ専修学校にも適用をする必要を重ねて強調をするものでありますが、さらに具体的にお聞きしたいと思います。  専修学校には大まかに言って、中学校卒ないしはその同程度の者が入学資格があります高等課程というのと、それから高校卒ないし同程度の者が入学の資格があります専門課程というこの二つがあります。したがって、この高等課程の三年以上というのは、いわば高等学校にまさに匹敵するものになるだろう、その位置から言って。それから専門課程の二年以上というのは短大に匹敵するものになるだろうというふうに常識的に考えられると思うんですけれども、しかも内容をいろいろ調べてみますと、この専門課程というのは工業技術を中心にした工学関係が非常に多くて、社会的にも相当有用な役割りを果たしている、そういう位置づけをされると思います。  また高等課程は、普通の、通常の高等学校と提携をした教育運営をやっているというところも少なからずある、こういう現実の上に立って、お尋ねをしたいのは、この高校に匹敵をする高等課程三年以上履修をした者、それから短大に匹敵をする専門課程二年以上、これを終了、専修学校の中でもここの部分については当然もう適用をすべきだという判断が出るんではないかというふうに思うんでありますけれども、大蔵省の見解はどうでしょうか。
  93. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生指摘のとおり、現在専修学校の中で高等課程を置く学校が五百六十五、専門課程を置く学校が千五百二十一あるわけでございますが、この中につきましても国公私立もございますし、また修業年限別でいろいろな区分があるようでございます。したがいまして、この点につきましては関係各省とよく打ち合わせの上、きょうの先生の御発言も踏まえまして検討を進めてまいりたいと考えます。
  94. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それなら、文部省のいまの点についての見解をお持ちかどうか。  それから、あわせてお尋ねしますけれども、育英資金制度の対象にもこの種の、いま言いました事実上高校、短大に匹敵をするような専門学校、こういうものを対象にするという方向でこれから検討をしていただく必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、その点を含めて文部省どうでしょうか。
  95. 塩津有彦

    説明員(塩津有彦君) 第一の点でございますけれども、専修学校、各種学校、学校数、生徒数、相当ございますが、特に専修学校についてお尋ねがあったわけでございますが、専修学校の生徒について、奨学面でお尋ねのような措置をしていただくということは、生徒にとって一つのプラスと言いますか、修学上の便宜になるとは思いますけれども、制度の具体的適用等につきましては、やはり諸般の事情を考慮して所轄庁である大蔵省御当局で御検討をいただいてその判断にまちたいと、かように思うところでございます。  それから第2番目の、文部省内の奨学中業について専修学校の生徒について適用することについてどうかというお話でございましたが、これは先生御承知のとおり、去年の八月から専修学校教育に関する調査研究協力者会議というのを開いておりまして、生徒に対する奨学面を含めて専修学校教育の振興全般について学識経験者による調査研究をお願いしておるところでございます。その調査研究の結論を待ちまして、諸般の施策に取り組みたい。その中で生徒に対する奨学面も討議されると思いますので、それに従っていきたいと、かように思っておるところでございます。
  96. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 ぜひひとつ大蔵省、文部省、それぞれ前向きの方向での検討を強めていただきたいというふうに思います。  次は文部省にお尋ねをしますが、私学振興財団を通しての入学一時金の分割納入制度について、前回渡辺委員からも、いろいろ考られた制度ではあるが、多くの限界があって、実施をしている学校も貸し付けを受けている学生数も現状では非常に少ないということを指摘をしてきたわけでありますが、文部省としてはこの制度の拡充普及を図っていきたいというふうに言われていますが、そのためには、この制度の内容についての幾つかの改善をしないことには広がっていかないんじゃないかというふうに思うわけであります。そうした点で、たとえば、大学が一割資金拠出をしなくちゃならぬという、これをもっと大学の負担を減らす方向にするという問題、あるいは事務的経費については財団で負担をするという問題、さらには、この制度については返還免除規定がないわけですけれども、こういう返還免除規定などを定めるという問題、こうした点についての具体的な普及が広がっていくことを可能にするようなこの制度の内容改善をぜひ検討してもらう要があるというふうに思うんですけれども、文部省どうでしょうか。
  97. 石井久夫

    説明員(石井久夫君) ただいま先生からお話のありました私大奨学事業につきましては、四十九年度から実施しておりまして、これは逐年拡充を見てきているわけでございますが、御指摘のとおり、五十二年度現在につきましては大学で三十一大学、奨学生数で二千三百七十二人というふうになっております。  それから入学一時金の分納制度を五十二年度から実施しておりますが、実施大学が二十五大学、対象学生数が百六十人、これは主として私立の医科大学、歯科大学の入一時金が非常に高額にわたる関係で、その分納制度を実施している大学等に対して、分納制度を認めているものに対して、日本私学振興財団を通じて融資しているわけでございます。  御指摘のとおり、現在逐年拡充を見ているわけでございますが、採用学生数等がまだまだ少ないわけでございまして、これにつきましてはいろいろ理由があろうかと思いますが、まず一つは、やはり私どもは実施してまだ日が浅いということ、そのために各大学に対しまして十分理解が徹底していないということがあるというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、まず第一に、この事業につきまして各大学に対しまして、いろいろな連盟とか協会とかそういうのを通じまして、また私ども機会がありましたら面接PRを図る必要があるというふうに考えているわけでございます。  それからもう一点は、御指摘のとおり、大学が貸与するものについて日本私学振興財団を通じて融資するわけでございますので、貸与事務とか返還業務事務とか、そういうものがかなりあるわけでございます。そういうことにつきましては、日本私学振興財団を通じまして事務費の補助はいたしているわけでございますが、こういうこと等につきましても、今後とも改善、増額の方向で努力する必要があるというふうに考えるわけでございます。  それから、先ほど融資率の御指摘がありましたけれども、この点につきましては、日本私学振興財団を通じて私学に対します融資につきましては、たとえば学校建築費等に対する融資率等も七五%とかいう程度で、融資率がそういう程度になっているわけでございまして、今回のものについては融資率が九〇%ということでかなり高率の融資率を見ているわけでございまして、やはりこれは、一つには、こういう事業を実施するについての私立大学の自主性というものに期待しているんだというふうに私どもは理解しているわけでございます。  それから、御指摘の返還免除の規定のことにつきましては、まだ発足して非常に期間的に浅いわけでございまして、もう少し貸与の状況等判断させていただきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
  98. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 実施して日がまだ浅い、PRが十分進んでないということを主な理由に挙げられておるわけでありますけれども、実は私も教員出身でありまして、私学の関係者にこの問題についていろいろ実情を聞いてみたんです。そうしますと、率直に言って今度の大蔵省提案の進学ローンよりはましだとも言えるようないろいろな工夫をされた制度でありますけれども、しかしこのせっかくの制度が、事前に、制度をつくる前の段階で私学関係者によくいろいろの意見も聞いて練り上げてつくられた制度でないということで、いわば突然降って出たような感じを、私学関係者が少なからずそういう気持ちを持っているということですね。そういう点で、実はそういうプロセスのことなんかもめぐって、これがもうひとつ普及をしていかない。しかも内容的に見れば、さっきから挙げていますいろいろな限界がある、こういうことでありますので、ぜひせっかくのこの制度をもっと普及をしていく方向に、内容改善にひとつ努力を払っていただきたいと思います。  時間が来ておりますので、最後にもう一問だけお尋ねをしますが、今日、この私学の経営危機のもとで教職員の退職金などを国公並みの水準にしようとしますと、勢い入学金、授業料の大幅値上げをせざるを得ぬという、こういう相互関係にあるということは言うまでもない御存じの状況であるわけですけれども、私立高校については指導監督権が知事にあることから、各都道府県ごとに、都道府県も一定の出資をしながら、各学校から資金を組合をして財団をつくり、相互連帯的にこの退職金の問題を解決をしているという府県がかなりふえてきております。しかし大学にはこのような財団がないわけでありますから、指導監督権を持つ文部省が前面に乗り出して、国としてこういう一定の出資をして、各大学の資金を集めながらこうした制度を早くつくっていくということが非常に切望されておる問題でありますけれども、何か関係のない問題のようでありますけれども、実はこれが今回の進学ローン問題の根っこにあります私学の財政危機、国民の側から見れば大きな負担、これをどうやって軽減をしていくかという問題との一翼の問題だという関係にもなるわけでありますし、そういう点で、大学関係の退職金財団を早期確立をする、この問題について文部省はどういう努力をやっておられるのか、その点どうですか。
  99. 高野文雄

    説明員(高野文雄君) 先生指摘の私立大学の教職員の退職金問題につきましては、さきに昭和四十九年にも私立学校振興方策懇談会から提出されました振興万策の中でも、国公立大学の振興ということについて所要の措置を講ずることというふうな御答申もいただいておりまして、これを受けまして文部省では昭和五十一年、五十二年、調査研究費を計上いたしまして、まず現在の私立学校における退職状況をよく把握する必要があるということで、五十一年、五十二年は幼稚園から大学まで全学種にわたりましてその実態の調査をしたわけでございます。本年五十三年度におきましては、さらに学識経験者等を含めた新たな研究会を組織いたしまして、現行制度の関連について十分検討を重ね、私学教職員の退職金制度のあり方につきまして、私学団体の意見も聞きながら検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
  100. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 大蔵大臣、文部省に現行制度の改善方向をいろいろただしてきておるわけでありますけれども、冒頭お願いをしております、また大臣からも言われております総合的施策をこれからいろいろ検討していきたいということとの関係で、しかし結局最後の財政を握っているのが大蔵省だという、こことの関係が出てくると思うんです。文部省がいろいろ今後検討の上出されてくるそうした方向について、ぜひ相協力をして、現状改善のために、一日も早くそうした改善が実っていく方向で、大蔵大臣として御努力をいただきたいと思うんですけれども、最後に所信を伺っておきたいと思います。
  101. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) 財政は、もう御案内のとおりに、限りある財源で最も有効な施策を講じておるところでございます。文部省は文部行政の立場で鋭意検討しておることは十分承知いたしておるのでございます。そういうわけでございますので、文部省に十分御検討願いまして、われわれも文部省の意見に真剣になりまして、一緒に一歩でも制度を進めてまいる、こういう基本的なスタンスで今後とも努力してまいりたいと、かように思っておるところでございます。
  102. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 終わります。
  103. 中村利次

    ○中村利次君 二百億円ほどの予算措置をして進学ローンの制度を設けようということでありますから、これは歓迎すべきことだと思いますけれども、前回も申し上げましたように、何かやっぱり落とし子みたいな感じがぬぐい切れないということ、それから、こういうまあ金融ではありますけれども国の政策として進学ローンをやろうというのに、貸付条件が部分的に異なる郵政がこれにかまなければならないという必然性も、どうもやっぱり、どうしても何かこう不協和音というものを感じざるを得ません。また教育とは何かということから言っても、進学も高校進学が九〇%を超え、大学の進学率も三分の一というようになる。就学率が高いのはまことに結構でありますけれども、しかし巨額な寄付金等による裏口入学の話題も尽きないわけである。いろいろな点について、進学教育等について、じっくり見直すべき課題があると思いますが、とにかく衆議院を全会一致で参議院に送ってきた本法案でありますから、参議院においてもこれは全会一致で立法化されるものと思いますが、そういう法案なだけに、ぜひひとつ国民に理解、支持をされるようなものにするための御努力をお願いをしたいと思うのです。  すでに本委員会においていろいろ指摘をされました貸付条件、あるいは償還の条件、あるいはまた専修学校等についても、これは専修学校の位置づけをどうするかという問題等と絡めた、国民の理解と支持を得られるような、そういう答えをお出しいただかなければならないと思います。これはもう御答弁は要りません。政府のりっぱなものにするための御努力を要望いたしまして、私の質問を終わります。
  104. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  106. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、福間君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
  107. 福間知之

    ○福間知之君 私は、ただいま可決されました国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ及び新自由クラブの各派共同による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法施行にあたり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、母子家庭等の家計の実情にかんがみ、進学資金貸付制度の改善について、今後とも実態に即するよう検討すること。 一、進学資金等の貸付の円滑な実施のため、国民金融公庫等の業務量の実態に即し、持ち帰り労働、人員の配置を含め事務処理体制の整備について十分配意すること。 一、貸付金の償還に関し、やむをえない事情により返済が困難となつた場合の対応策について検討すること。  右決議する。  以上でございます。
  108. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) ただいま福間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  109. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 全会一致と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、村山大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。村山大蔵大臣。
  110. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意いたしたいと存じます。
  111. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十分散会      —————・—————