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1978-05-30 第84回国会 参議院 大蔵委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年五月三十日(火曜日)    午前十時十分開会     —————————————    委員異動  五月二十五日     辞任         補欠選任      福間 知之君     村沢  牧君  五月二十六日     辞任         補欠選任      村沢  牧君     福間 知之君  五月三十日     辞任         補欠選任      藤井 裕久君     藤井 丙午君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         嶋崎  均君     理 事                 藤田 正明君                 細川 護熙君                 福間 知之君                 塩出 啓典君                 中村 利次君     委 員                 岩動 道行君                 糸山英太郎君                 梶木 又三君                 河本嘉久蔵君                 戸塚 進也君                 中西 一郎君                 桧垣徳太郎君                 藤井 裕久君                 宮田  輝君                 竹田 四郎君                 浜本 万三君                 森下 昭司君                 鈴木 一弘君                 多田 省吾君                 佐藤 昭夫君                 渡辺  武君                 市川 房枝君                 野末 陳平君    国務大臣        大 蔵 大 臣  村山 達雄君    政府委員        大蔵政務次官   井上 吉夫君        大蔵省主計局次        長        山口 光秀君        大蔵省理財局長  田中  敬君        大蔵省銀行局長  徳田 博美君        大蔵省国際金融        局長       旦  弘昌君    事務局側        常任委員会専門        員        杉本 金馬君    説明員        大蔵省主計局主        計官       岡崎  洋君        文部省大学局学        生課長      石井 久夫君    参考人        国民金融公庫労        働組合執行委員        長        木村 清昭君     —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に  伴う措置に関する法律及び国際金融公社への加  盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の  一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送  付)     —————————————
  2. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際理事補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事福間知之君を指名いたします。     —————————————
  4. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会国民金融公庫労働組合執行委員長木村清昭君に参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑は去る二十五日の委員会において終局いたしておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  7. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、福間君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
  8. 福間知之

    福間知之君 私は、ただいま可決されました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議日本社会党、公明党、民社党、第二院クラブ及び新日山クラブ各派共同による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    国際通過基全及び国際復興闘発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、国際復興開発銀行等の任務の重大性にかんがみ、その増資に当たっては加盟国の経済の現状を十分反映したものとなるように努めるとともに、その運営についてもさらに積極的に協力すべきである。   右決議する。  以上でございます。
  9. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) ただいま福間君から提出されました附帯決議案議題とし、採決を行います。  本附帯決議案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  10. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 多数と認めます。よって、福間書提出附帯決議案は多数をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、村山大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。村山大蔵大臣
  11. 村山達雄

    国務大臣村山達雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨に沿って十分努力いたしたいと存じます。
  12. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  14. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案議題といたします。  木村参考人には、本委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。  委員会質疑にお答えいただく形で議事を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  本案趣旨説明は太る十一日の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  15. 竹田四郎

    竹田四郎君 国民金融公庫法の審議に入るわけでありますが、きょうは十分時間がございませんので、私は主として参考人に対する質疑を中心としたいと思いますので、大蔵省あるいは公庫総裁等に対する質疑は、後日また機会をお与えいただきますように委員長お願いをして、おきます。  参考人にお伺いいたしますけれども、今度のこの進学ローン国民金融公庫で扱ういきさつというのは、どうも余り明快ではございませんけれども、そういう意味におきまして、この進学ローン国民金融公庫業務一つに組み入れた。このことについて、私はかなりいまの国民金融公庫業務量というのを、これは神奈川下でありますけれども、ときどき行って見て参りますけれども、なかなか忙しいような感じを私は実は受けているわけでありまして、そうした意味で、今回のこの進学ローン貸し付けというものが出てくるということはかなりいろいろ問題が私はあるような気が実はするわけでありますけれども労働組合として、この進学ローンに対する基本的な考え方、どんなふうに組合としてはこれについてはお考えなのか、基本的な考え方についてお述べをいただけたら幸いだと思います。
  16. 木村清昭

    参考人木村清昭君) 私、国民金融公庫労働組合執行委員長をやっております木村と申します。本日は、本委員会にお招きいただきましてありがとうございました。私は国民金融公庫労働組合責任者としまして、竹田先生から御質問のありました点につきましてお答えしたいというふうに思います。  私どもとしましては、今回の進学貸し付けにつきまして、国の金融機関進学貸し付けを実施するということは非常に好ましいことであるというふうに考えております。特に財政資金をより多くの国民大衆に回していく点を考えてみるならば非常に好ましいし、さらに拡充していくということが必要ではないかという点で積極的に評価しておるところでございます。  しかし、今回の提案を見ますと、私どもからしますと、制度面においてはまだ改善すべき点等、あるいは運営の問題につきましても幾つか私どもとしましては問題にしているところがございます。  金額につきましては、進単貸し付けという趣旨からしまして、この程度でよろしいんじゃないかというふうに思いますけれども、特に貸付期間でございますけれども大学につきましては四年、それから高校につきましては三年と、こういうような御提案になっておりますけれども進学貸し付けというものはこの対象人たちの将来に対する先行投資、こういう点になろうかと思いますので、現有国民金融公庫で行っております事業貸し付け普通貸し付けは、運転資金の場合ですと五年、設備資金の場合ですと七年と、こういう期間になっておりますので、できるだけこの線に近づけるような形の制度にしていただきたいというふうに私どもとしては考えております。  結論的に申し上げますと、この期間につきましては、在学中につきましてはできることならば据え置いて、卒業後返済に回していく。こういうような形が望ましいのではないかというふうに思います。私ども普通貸し付け事業資金という形が主体でございますけれども、今回の進学ローン貸し付けにつきましては消費者金融、こういう性格になろうかと思いますので、その点は事業資金消費者金融、こういう点での区別はこの段階でしていただきたいというふうに思いますそういう点で、返済期間につきましては在学中は据え置いて、その後大学であれば四年あるいは高校であれば三年、こういう形でやっていただきたいというふうに思う次第でございます。  次に、金利につきましてでございますけれども、本制度が低所得者向けである。こういう点を考えてみれば金利はできるだけ低いといいますか、安い方がいいというふうに私どもとしては考えております。現行の恩給担保貸し付け消費者金融ということで行われておるわけでございますけれども、この金利が五・五%というところでございまして、また、同じ財政資金であります住宅金融公庫木造住宅貸し付けを見ますと五・〇五%という点でございます。したがいまして、最低でも五%という線が金利面では妥当であるのではないかというふうに思います。  しかしながら、金利を下げるということにつきましては、公庫経営収支の悪化、こういう点にもつながってまいるのでありますけれども、現在行っております経営改善貸し付けなりあるいは為替変動対策貸し付けには利子補給か行われている、またほかの住宅金融公庫あるいは農林漁業金融公庫などの支出につきましても補給金という形で政府の方から補てんがある、こういう点を考えますと、今回の七・一%という御提案でございますけれども、これを五%にした場合でもその差は二・一%という点で、総貸付原資が二百億円という点では四億円程度補給で足りるのではないかというふうに考えております。また、補給金なしでこの制度金利を低めて行う、こういう点につきましては、まあ資本金の増額なり、あるいは滞貸償却引当金の取り崩し、こういう点が考えられるのではないかというふうに思います。  また保証人につきましても、私どもとしましては資金性格上、やはりできることであるならば保社人なしで、無保証人でやっていただきたいというふうに思います。すでに四十八年からは公庫では経常改善貸し付けというのを行っておりまして、ここでは保証人なしで融資が行われている、こういう点もございますので、保証人につきましては保証人なしと、こういう点をお願いしたいというふうに思います。  以上、私どもが現在考えております点を申し上げまして、竹田先生の御質問にお答えいたしたいと思います。
  17. 竹田四郎

    竹田四郎君 ありがとうございました。  銀行局長に伺うんですが、今度のこのローンで、件数は大体何件くらい出てくるというふうにお考えでしょうか。
  18. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この進学ローンにつきましては、まだ現実に実施するまでには大分時間ございますので、どの程度の重要があるかということについて予測をつけることは困難でございますが、現在国民公庫並びに沖繩公庫に対しまして合計二百二億円の資金枠を一応予定しております。この資金枠は、大体貸付対象の数が七万人前後ということを予想して、このような金額を一応準備しているわけでございます。
  19. 竹田四郎

    竹田四郎君 そうすると、貸付件数が大体七万件というふうに見てよろしかろうと、こういうふうに思うわけでありますが、大蔵省はこの進学ローンを扱うことに対して一体どのくらいの定員増考えているのか。恐らくこれだけの件数を扱うわけでありますから、いままでであっても必ずしも私、国民金融公庫の申し込み、あるいは貸し付け、まあ特に審査業務、こういうのを見まして、余り人が余っていてしょうがないというような状況にあるとは、私ときどき支店を見て、実はそう感じないわけであります。まあ私どもも、中小企業者からお話がありましていろいろなことをお願いに行くことがありますけれども、話をしかけるのが実は気の毒だというくらいに、どうも余りほかのところは知りませんけれども、ほかの政府機関の役所は知りませんけれども国民金融公庫に関しては私はかなり忙しい、こういうふうに常日ごろ見ておりまして感ずるわけでありますけれども人体進学ローンをとにかく七万件もやるわけですけれども、それに対する定員増というのは一体どんなふうに考えているのか。まあことしは新しい支店の増設もあるわけでありますが、進学ローンには、大体何人くらい計算上人を割り当てることになるのか、どうでしょうか。
  20. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 国民公庫進学ローンを扱うことによってどのくらいの定員増が必要かということでございますが、確かにかなりの件数がふえるわけでございますので、その限りにおいては事務量増加するわけでございます。ただしかしながら、現在この進学ローンの実施に当たたりましては、これはかなり代理店を使うことを考えておりまして、したがって、直接国民公庫の本支店で取り扱う件数というのは、全体の件数は七万件であるにしても、それをかなり下回った数になるのではないか。もちろん郵便局も窓口になることでございますし、そういう点からかなり直接取り扱う件数は下回るのではないかということがまず一つ考えられるわけでございます。  それからもう一つは、この進学ローン年間を通して取り扱っているわけではございませんので、まあ毎年一月、二月あたりの入学期試験期にこの仕事が起こるわけでございます。ただ、そのころの時期と申しますのは、もう一方の事業資金貸し付けが例年かなり時期的に少なくなる季節でございますので、その辺の調整も考えなければならないわけでございます。  このような幾つかの点を勘案いたしまして、もちろん事務量がふえるわけでございますから、本年度において定員増を行ったわけでございまして、厳しい環境の中でいろいろ配慮をいたしまして、五十三年度は増員百一名、これは計画削減が三十七名ございますので、差し引き純増は六十四人でございますけれども、一応定員増としては百一人を考えております。この積算根拠といたしましては、先生御指摘のような店舗増加とか、そのような面もあるわけでございまして、その中に含めまして計算してあるわけでございます。
  21. 竹田四郎

    竹田四郎君 そうすると、まあ百一名で、減員が三十七名で、今年度六十四名が増員されるというんですか、これはしかし新しい店舗をつくるわけですからね。これは四店舖ですか、ことしっくるのは四店舖、これは新しくできるんですからね、それは新しく配置する以外には私は手はないと思うんですがね。四店舖分はこれははっきりするわけですね、だれだれがこの店舖に行けって。四店舖分ははっきりするんですが、四店舖分には何人張りつけるんですか。
  22. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この宝貝の策定の根拠といたしましては、いろいろな要素が複雑に入っておりますので、はっきり、何カ店舗について何人というようなことをちょっと申し上げることはむずかしいかと思いますが、五十二年度は定員増加は八十九名でございまして、五十三年度は百一名でございます。この間の店舗数増加は両方とも四カ店でございますので、まあその辺を御勘案いただければと思っております。
  23. 竹田四郎

    竹田四郎君 そんなばかなことないでしょう。ことしは新しい店舗をつくるんでしょう。そこへ新しい人をはっきり配置しなくちゃいけないわけよ。だから、新しい人を新しい店舗に何人配置するかっていうことを、それをしなけりゃ決まらないじゃないですか。そんなことを、人の配置も決めないで店舗をつくる予算を出してるんですか。そんなばかなことないでしょう。
  24. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) ただいま申し上げましたように、五十二年度も四カ店の増加がございまして、五十三年度も四カ店の増加があったわけでございます。これに対しまして五十二年度の定員の増分の方につきましては八十九名でございますし、五十三年度は百一名でございますので、この差の全部が進学ローンということでは必ずしもございませんけれども、この中にそういう部分が相当含まれてるというふうにお考えいただければと思います。
  25. 竹田四郎

    竹田四郎君 もちろん進学ローンの人は進学ローンだけやるわけじゃないわけですから、ほかの事務もやるわけですから、ある意味では私はこの数字というのは計算上の数字だと思うんですよね、事務量増加に伴うところの計算上の定員増ということに私はなると思うんですかね。そうすると、いまおっしゃられた百一名と八十九名、ことしが定員増が百一名だと、それから去年が八十九名だと、店舗数は同じだということになりますと、大体十二名がマル進の計算上の定数ということになるわけですが、事務量のふえる計算上の定数は大体十三名と、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  26. 岡崎洋

    説明員岡崎洋君) やや細かい点でございますので私からお話しさしていただきますが、この定員の問題は各段階公庫と協議しながらやってきておるわけでございまして、お店を仮に四つつくる場合にも、既存の店舗からどのくらいの案件をそこに持っていって分けてやるかとか、いろいろな要素がかみ合わさりますものでございますから、それらの執行につきましてはむしろ公庫責任を持っていろいろ分割してやられるわけでございますので、画一的に四店だからこうこうという数字は私ども予算積算段階では必ずしもはっきりしないわけでございます。  しかし先生おっしゃるとおり、大体一店舗当たりまあこのくらいの人数は要るんじゃないかなというようなお話を年来しておりまして、そういったことを勘案いたしまして数字を決めてまいる。したがいまして、いまおっしゃいましたように、進学ローンに絶対数としてこれだけ張りつけるとか、あるいは支店が四つふえたからこの支店分としこれだけというふうにはなかなか必ずしもはっきりきちっとは出てきていないわけでございますけれども、そこのところは公庫の担当の部署の方々からお話を聞きながら、全体的に協議しながら、まあ百一人なら百一人ぐらいの数字で来年度の仕事はやり得るという御了解をいただきまして最終的に定員として予算で認めている、こういうプロセスを経ているわけでございます。
  27. 竹田四郎

    竹田四郎君 具体的な人がどこへどう行くということを私は言っているわけじゃないですよ。言うならばこの進学ローンというのは、うんと悪口言えば、大蔵省と郵政省のけんかの結果出てきた問題ですよ、これどう見たって。  木村参考人にお聞きしますが、あなたはこれは結構なことだとおっしゃっていたんですが、これは国民金融公庫自体がこれをどうしてもやりたいから大蔵省の方にやらしてくれと、そういうふうなことでこの問題は出てきたというふうに御理解なさっているんですか。それとも、ある程度いろいろ政治的な折衝の結果こういうものが来たと、来た趣旨は悪くはないんだけれども、大いに私どももやるつもりなんだけれども、しかし公庫の方からどうしてもこの仕事はやらしてくれという形で出てきたものなんですか。どうも私はそうじゃないような気がするんですが、どうなんでしょうか。
  28. 木村清昭

    参考人木村清昭君) いま先生の方からお話のありました点でございますけれども、私どもとしましても、昨年の暮れ段階、五十三年度の予算編成段階新聞報道、そういう中で初めて知ったものでありまして、公庫側との団体交渉とか話し合いの席の中ではそういうものが出てこなかった。そういう点では、私がこれにつきまして正式に知りましたのは昨年の十二月の二十九日段階ということで、ぽつんとここに出た。そういう点では、今二百億円で七万件の貸し付けがある、こういう点につきましては私どもとしましても定員の点でまだまだ不十分ではないかと、このように考えております。
  29. 竹田四郎

    竹田四郎君 木村参考人にお伺いしますが、いまの大蔵省銀行局側の答弁というのは、私はどうもはっきりしない。ですから、もちろんだれとだれはこの進学ローン事務を取り扱うということを私は質問しているわけじゃないんですよ。事務量年間七万件、これは初めてのことですから何件になるかわかりませんよしあるいは代理店業務をやれと言ったって、この代理店の方だって、自分の方だって進学ローン持っているんですから、なるべく自分のところの金を貸したいわけですから、そううまくいくかどうかこれはわかりませんよ。  初めてのことだからわからぬですけれども、ある意味で、いままでのほかの貸し付けの件からいって、七万件の新しい事務屋かふえるとすれば計算人体何人ぐらいはどうしても必要だという数字というものは当然私は出てくると思うんですよ。それがはっきりしないんですよ。大体私の日の予勘定でいって、七万件を十二人の事務量というふうにどうもお考えになっているらしいんですが、はっきりその辺は言わないところはきわめて私はずるいと思うんですよ。はっきりずるいですよ。仕事量がこれだけふえたんだからそれに対する人間の量はこれだけ要るんだということは計算上出るはずなんです。私は計算上のことを言っているわけです。ちっとも何だかもやもや、まああなた何とおっしゃるのか知らないけれども、あなたの話だってもやもやして何が何だかさっぱりわからぬ。  これ労働組合側として、たとえば七万件の仕事がふえるとすれば労働組合ではどのぐらいの人間をこのために割かなければならないか、これは計算の上ですな、参考人はどんなふうにお考えですか、それは。
  30. 木村清昭

    参考人木村清昭君) この貸し付けにつきましては、五十三年度から始まるという点ではなかなか申し込みの予測なりそういう点が非常にむずかしいものがあろうかと思いますけれども、ただいま銀行局長の方からお話しのありましたこの貸し付けにつきましては、代理店等を使って行う部分もかなりある、こういうような点で、はっきりその辺の割合もわかればさらによろしいかと思うんですけれども、新規の貸し付けと申しますと、申し込みの受け付けを行いまして、それを処理しまして、その貸し付けしたお金を管理しまた返済事務を行う、また返済が滞りそうな方につきましては一応督促させていただく、こういうような形の事務の流れになろうかと思います。  この場合、私どもの経験から言いましてなかなか推定というのはむずかしいわけでございますけれども、昭和五十年度に厚生年金担保貸し付けの人員の要求を公庫側が行ったという点を聞いているわけでございますけれども、この点では、五十年度につきまして厚生年金担保貸し付けを十三万五十件行うにつきまして百七十九名の人員の増加の要求をされたというふうに聞いております。そうしますと、この割合からしまして、代理店と直接扱いというものを五〇%、五〇%、こういうふうに仮定した場合に、現場の支店の人員としましては五十名ぐらい、また本店の管理要員としまして十名ぐらい、事務センターのプログラマー、あるいは事務センターのマシンを管理する部門として合計で二十名ということで、計締めまして八十名、これを代理店の割合を七割、直接扱いを三割というふうにした場合、これと同じような計算で算出しますと約六十名、この程度定員をふやしていただかないと、従来の私どもの労働の実態からしますと非常に職場は過重になるのではないかというふうに思います。
  31. 竹田四郎

    竹田四郎君 どうも、まあ大蔵省側なり公庫の方にこの次おいでいただきたいと思うんで、その辺はもう少し明らかにしていかなくちゃならぬと思うんですが、相当ふやさにゃいかぬのにどうもここよくわからないですね、三十七名定員削減するというのはね。現実にはふやしているわけですね。恐らくそれは金融機関の、同じ公庫でもいろいろな公庫がありますけれども、私は一律にどうも定員削減をやっていくというこの考え方はおかしいし、最近の定員増についても何かその辺をもやもやとしてしまっているような気がするんですね。これだけの人間はたとえば支店増の定員でございます、こちらは新しい業務をやるからこれだけの定員でございますということをいままでは示してきているわけですね。最近一緒にしちゃっているんですね。財政の方は、これは経常部分だ投資部分だと盛んにそっちの方は分けているんだけれども、人の問題になるとごちゃごちゃにしてわけのわからぬようにしちゃっている、この辺私はおかしいと思うんですがね。  特に今日のような状況で、国民金融公庫仕事というのは恐らく減ってないだろうと思うんですね、全体とすればふえているだろうと思うんですよ。景気のいいときは人の金を借りなくてもかなり企業同上の金の融通もあるだろうと思うんですけれども、いまは私はそういう状況にないと思うんですよ。それにもかかわらず一律定員削減というようなこと、このことは一体どういうことなんですかな。  これは参考人にもひとつお聞きしたいと思いますし、当局にもお聞きしたいと思うんですが、どうも何か、何でもかんでも形式的に仕事を進めなけりゃ進められないんだというような、そういう感じがするし、またこういうところはうんとひとつ定員削減してかせげるだけしぼってやろうというふうな気持ちもあるような気がして私しようがないんですよ。あなたなんか国民金融公庫毎月幾つ見ていますか、支店を。見ていないでしょう。私なんか毎月一回ずつは行ってますよ。仕事をしない者にだってわかりますよ、忙しさは。これはどうなんですか、一律的に定員削減というものを国民金融公庫に適用する是非の問題が一つ私はあると思うんですがね。どうですか、これは参考人の方からひとつお聞きしたいと思います。
  32. 木村清昭

    参考人木村清昭君) 先生御指摘のとおり、私ども労働組合の要求としましても、定員削減政策ははっきり言って私の方の職場については当てはめていただかないでもらいたいと、こういう点は長年の要求になっております。しかしながら、昭和四十三年から行われております定員削減政策によりまして、私どもも一律に削減になっている。五十三年度を見ましても百一名の増員ということでございますけれども、二十七名が定員削減政策になっている。純増は六十四名という点でございますけれども、そういう点では定員削減政策は特に国民生活に密着な部門につきましては私どもこの点を外していただきたいと。しかし、国家的な見地から見ますと非常にむずかしい点があろうかと思いますけれども、特に国民生活に密着した私ども国民金融公庫業務の中においては、一律に定員の削減政策というものはしないでいただきたいということを、私どもは企業側あるいは関係各機関にも絶えずこの点につきましては御要請しておるところでございます。
  33. 竹田四郎

    竹田四郎君 大蔵省側。
  34. 岡崎洋

    説明員岡崎洋君) ただいまの削減三十七名の件につきましては、公庫定員等につきましても五十一年の八月の閣議決定によりまして、国家公務員等が四年間で三%定員を削減するという方針がとられまして、これはもちろん行政コストの削減に資すると、節減に資するという観点でございますが、その方針に準じて政府関係金融機関もやるということが決まっておりまして、それの一還としてお願いしておるわけでございます。ただそれが機械的な削減ということであってはいかぬというのは先生のおっしゃるとおりでございまして、削減はお願いして、経常の合理化あるいは効率化をお願いする。まあ国民公庫等につきましてもオンラインの推進でございますとか、そういう面では非常に経営努力をお願いしておるわけでございますけれども、それでもなおかつ三十七名を削減してしまうと事務に支障ができるということはごもっともでございますので、先ほど来から銀行局長からもお話がありますように、それを戻してなおかつプラス六十四名というような形の純増をお認めしておるわけでございます。  たとえば、ほかの機関で申しますと、純増ベースで申しまして増加の人数が十名以上になっておるものは一つもございません。非常に最近仕事が活発になっております住宅金融公庫を見ましても、五十一年度は純増減なし、五十二年度人名の増、五十三年度六名の増というぐらいのところで仕事を賄っていただいておりますので、私どもといたしますれば国民金融公庫につきましては交情に即してずいぶん配慮をしておるというつもりでございます。
  35. 竹田四郎

    竹田四郎君 それから、これはだれに聞いたらいいのかよくわからぬですが、マル経の貸し付け、経営改善資金ですか。これの貸し付けを始めたときにはこの分としてたとえば五十五人だ、七十四人だ、六人だという形で、はかのと分けて定員を示しておりますね。ところが五十一年からそういうことをしなくなった理由というのは何ですか。
  36. 岡崎洋

    説明員岡崎洋君) 五十一年度からそういう内訳を明示しなくなった理由につきましては、私は即座にお答えできませんので、実情を調べてみますけれども予算積算としていろいろ検討しておる数字の中身を御説明したかしないかということだろうと思います。
  37. 竹田四郎

    竹田四郎君 その点はこの次はっきりしてください、調べてきて。  それから、先ほど銀行局長は、この進学資金貸し付け時期というのは国民金融公庫仕事量が少なくなっている時期だと、一応そうは考えられるわけですがね。必ずしもそれじゃそのときは少なくなっているかというと、私はそう考えないんですかね。これは参考人にお聞きした方が実情は一番よくはっきりするんですがね。  しかも、これは銀行局長にしても組合の方にしても、私は特に希望しておきたいと思うんですが、入学金やその他のいろいろ金を納めろという時期は決められているわけですね、学校ごとに。何大学はいついつまでにやらないとあんたの権利はもうなくなっちゃうぞと、補欠をそのかわりそこへ入れちゃうぞということで、そういう期日がかなり私は厳しいと思うのですよ、短期に集中して。それで、下手してその事務が完了しないために金が出せない、そうなるとその人は、せっかく自分が試験は合格して、これだけの金を払ってくれればちゃんと入学させますよという権利を失う心配は私はうんとあると思うのですよ。もしそんなことが起きたらこれは大変な問題ですよ。ですから、そのときはひまだからいいかげんにやっておけと言って、若い子供がせっかく合格はしたけれども入学許可にならない、こういう事例は私はどうもあるような気がするんですよ。ですから、それは確かに金融機関ですから、忙しいときと忙しくない時期というのは私はあると思うのですよ。確かにあると思うのです。たとえば盆、暮れは、その前というのは大変忙しい。その後は幾らかちょっとひまだということはあると思うのですがね。不当にひまだからこれかびしっと決められた日に審査を終わって、金の貸し出しまでできて、本人に金を渡してその期日までに学校当局へ納めるというようなことが、もし一件でも二件でもそれが延びたということになれば、それは大変な社会問題に私はなると思うのですよ。  そういう意味で、ただひまだからそのとき当てはめたというような、そういうような感じでこの仕事をさせられたら、もしそういう間違いがあったときのその子供の失望というのはそれは私人変なもんだと思うのですよ。本当に二月、二月に大体集中してくるだろうと思うのですが、これは木村参考人、そのときは公庫の中はひまですか、どうなんですか。はっきりひまだというんならそれもいいんですがね。もしひまでないということになれば、そういう間違いが赴きたらどうしますか。私はそれを心配するから、果たして一−三月が国民金融公庫は七万件の仕事を与えられても、これも集中的に与えられてくるわけですね、その時期に。年間平均というわけにいかない、そのときに集中的に与えられてくる、そのときは本当に暇ですか。
  38. 木村清昭

    参考人木村清昭君) この進学貸し付けが二月、三月に集中するということは、貸し付け性格から見て当然だと思います。私どもの二月、三月の状況でございますけれども、五十二年度の場合を見ますと、五十二年度おのおの四半期ごとに分けまして申し込みの状況を見てみました。  五十二年度の第一・四半期が、申し込み直接扱いでございますが十九万二千三百九十七件で、全体の二四・三%を占めております。第二・四半期は十八万六千六十九件ということで、年度中の占める割合は二三・五%。第三・四半期は御承知のように非常に申し込みの殺到する時期でございます。このときは二十四万五千八百九十九件、占める割合は三一・一%。第四・四半期は十六万六千三百八十三件ということで、二一・〇%。  こういうことでございまして、この一月から二月の中でも、特に一月の申し込みというのは三万七千二百三十三件という点で非常に少うございますけれども、一月といいますのは、お正月という点がございまして、経済活動も具体的に活動するのは一月の中旬以降になる。こういう点で半月程度の申し込みの期間になろうかと思いますけれども、二月、三月の場合を見ますと、人体、一年を通した平均程度の申し込みが行われているのが五十三年度についての実態でございます。それから、第三・四半期は非常に忙しいという点で、事務の不完全といいますか、暇なときに回すというような仕事もこの第三・四半期の中には回ってまいりまして、具体的に申しますと、一月には支店内で検査を行いまして、いままでの事務の間違いはないかと、こういう点につきましてやるわけでございます。  また二月、三月になりますと、私どもの実際の人員が非常に少なくなるという時期でございます。通常の採用は四月一日の採用でございますから、五十一年度の場合を見ますと、五十一年度の定員が四千五百六十二名、このようになっておりますけれども、五十一年度の年度末では四千三百九十名という点で、定員を百七十二名割っておる。また五十二年度の状況を見ますと、定員が四千六百十四名でありますけれども、年度末では四千四百七十六名ということになりまして、百三十八名定員より少ない人員になっておるわけです。これはやはり四月に採用しまして、その後定年退職者なり、あるいは中途で、特に女性の方なんかですと、結婚なりあるいは出産なりあるいは家庭の都合等でおやめになるという方がおりますから、四月の当初は定員を上回った人員がおりますけれども、実際に年度末になりますと、このように五十一年度の場合は百七十二名、五十二年度の場合は百三十八名、こういう形で定員より割っている。こういう中で、やはり進学貸し付けを私どもはいまの政府側の御提案ではやらなければならないような状況にあるのではないかと思います。  加えまして、また二月、三月段階では、私ども七月と三月段階で定例の転勤がございます。五十三年の二月二十日付で転勤の内示が行われまして、五十三年三月十三日付で発令しまして、このときの総数が四百四十五名に上っております。これは四十三年三月末の実人員四千四百七十六人のうち、男子を推定しまして二千五百五十一名おる。これで異動率を割りますと、一七・四%の人が具体的に転勤という形で職場を変わっておる。この転勤は、学校の切りのいいときという点でこの時期に集中するわけでございますけれども、例年この程度の規模の転勤が行われているというふうに思います。  また、私どもとしましては、この転勤につきましては、本人の希望を取り入れた転勤制度を取り入れていただきたい、人生の生活設計も十分できるような転勤の配慮をしていただきたいという点、また子供の教育の点から見ましても、十分その辺は配慮していただきたいという点でございます。  また、お客さんから出てくる転勤についての意見としましては、窓口で接しましていろいろ話をしていく中で、他県なまりで聞き取りにくいと、こういうような点もございまして、公庫の方針でも、五十三年度は地域経済に密着した業務運営をしようと、こういう点で出されておりますので、そういう点では転勤もこの時期に集中するという点を先生にお答えしたいと思います。  また加えて、この二月、三月では、事務連絡出張と申しまして、各支店を回りましてそれを研修に役立てる、こういう点も行われましたし、五十二年度の二月、三月の残業の状況を見ましても、月平均二十時間ぐらいの残業を行ってきたのではないかというふうに思います。  そういう点からしまして、二月、三月は暇であるというような御説明がございましたんですけれども、私ども現場に働く者としましては、そういう点は当てはまらないのではないかというふうに思っている次第でございます。
  39. 竹田四郎

    竹田四郎君 局長ね、ただこれを何か政治的な、あるいはなわ張り争いで進学ローン定数もふやさないで割り当てる。概念的には二月、三月は、十一月、十二月は仕事がそこへどうしても駆け込みになるから、だからここへ割り当てればいいんだというような安直な安易な考え方でこういうものを、人の準備も十分しないでやられるということになると、ただ単に、先ほどの進学ローンのような誤りですね、期日に間に合わないというような誤りが起こる心配もあるし、ただ、そういう進学するあるいは入学する人たちの問題だけじゃなくて、中小企業者の金を借りたいというのが借りられなくなる。  私どもに相談に一番たくさん来るのは、借りる金をふやしてくれというよりも早く貸してほしいと、こういうことかやっぱり要求が強いわけですね。公庫で出している資料をざっと見ましても、やっぱり運転資金の方がはるかに多いわけですね。借りる人なんかを見ましても、従業員別に見ますと、一人から四人、五人から九人、その辺がもう件数でまいりますと大体八五%ですよね。大企業なんかのように人が十分あり組織もしっかりしているところでありますれば、それは資金繰りというものもかなり計画的にできると思うんですけれども、そういうようなところでは、私はそんなに資金繰りが計画的にできるとは思えないんですよ。本人の方でしっかり資金繰りができていても、お客さんの方でちょっと待ってくれとか、最近なんか特にぼくはそういう例が多いと思うんですけれども、そういうことで、受動的な要因といいますかね、そういう点で資金繰りなんかも狂ってくる、こういう例が多いわけですよ。だから、早く何とか金貸してくれということだと思うんですけれども、これからますます私はそういうものはふえてくるだろうと思うんですがね。  これは念のためにお聞きしておきたいんですが、特に運転資金関係で申し込みから貸し付けまで、大体どのくらいの日数を要しているのですか。これは御両者から聞きたいです。参考人の方と、大蔵当局がどの辺につかんでるか。その辺の御両者の話を聞きたいんですが、どのくらいに考えているのですか。
  40. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 国民公庫貸し付け処理日数でございますが、普通貸し付けの場合の直接扱いでございますと、五十二年度におきまして、申し込みから貸し付けまでの平均日数は二十二・三と、このようになっております。  なお、少し前にさかのぼりますと、四十九年度は二十五・八でございまして、そのころに比べますと短縮が行われているわけでございます。
  41. 竹田四郎

    竹田四郎君 参考人の方はどうですか。
  42. 木村清昭

    参考人木村清昭君) 私どもは五十二年度につきましては詳しい資料がないわけでございますけれども、五十一年度の場合は申し込みから貸し付けまで、普通貸し付けの場合二十一日というふうに記憶しております。  私どもとしましても、できるだけお客さんの方から早く貸してもらいたい、こういう要望は非常に強く参っておりますから、職場では日夜お客さんのためにもその点では一応がんばっておるということでございます。
  43. 竹田四郎

    竹田四郎君 これは公庫の総裁が、衆議院でありましたか、残業なんかほとんどないんだ、それから持ち帰りの仕事もないんだというようなことをおっしゃったように私聞いておりますけれども、やはり中小企業者にしてみれば、先ほど申し上げましたように、もうとにかく早く、申し込んだらなるべく早くひとつ金を手にしたいわけですよ。そのためには公庫の窓口、あるいは審査に当たられる方々というのはそれに対応しなくちゃならぬと思うのですよね。どんなふうにその対応するやり方をやっておりますか。恐らく残業なんかも、いまおっしゃられたように二十時間もあるのだと、こういうふうにおっしゃっておりますし、その辺は持ち帰りの仕事というのはあるのですか。一日にどのくらいそういうものを公庫の方は消化をされているんでしょうか、何件くらい油化をされているのでしょうか。
  44. 木村清昭

    参考人木村清昭君) 日常の処理でございますけれども、私どもとしましては、中小企業の方から申し込みかございますと、それにつきまして審査をするということになっております。実際に毎日三件から四件、こういう状況で審査を行っておるわけです。  この中で、お客様と面接しまして、資金の使い道や御商売の状況等を聞いておるわけです。面接は大体一件当たり一時間ぐらいかかるわけでございます。これを四件しますと約四時間かかるわけですね。ですから、九時から始めまして十二時までで三件。その後昼休みを一時間とりまして、一時から二時まで四件目の方とお会いする、このような状況になっております。  このうち、四件のうち大体一件か二件ぐらい実際に店舗や工場に行って現地を拝見さしていただいておるわけです。これは非常に距離的にも遠いところ、あるいは近いところもございますけれども、平均しまして約二時間ぐらいはかかるというふうに思っております。  その後、決算書の分析や調査票と申しまして、これは企業のカルテのようなものでございますけれども、これを整理して役席の方に提出する。こういうことになっておりまして、この整理に一件当たり三十分から一時間程度かかる。  こういうような状況でございますから、どうしても所定の——平日の場合ですと現在七時間五分という労働時間になっておりますけれども、これでは十分仕事が仕上がらない。こういう点がございまして、一方、お客さんからしますと早く資金が欲しい、こういうような要望も非常にありますので、仕事を終わって帰宅してから仕事をせざるを得ない。こういうような状況になっておるわけです。  で、最近の業務は、非常に不況のため、それから経済情勢の悪化という点で仕事が非常にむずかしくなっておりまして、できるだけお客さんのお話を十分聞いてやる、こういう点では非常に時間のかかるような状況でございまして、労働組合としましても、この五月段階支店の持ち帰り労働の状況につきまして調べましたところ、百三十三支店のうち百二十六支店で実際に持ち帰りが行われている。こういう点では現在の人員が不足している、こういう点が端的にあらわれているというふうに思います。  また、働いている者の健康の状況につきましても、私ども労働組合がことしの一月に実施しました日本産業衛生学会制定のアンケート用紙を用いた調査結果によりますと、実施者約三千名のうち百九十六名が休養とかあるいは治療を要するというようにアンケートの結果に出ております。これは百九十六名のうち男性が二十二名、女性が百七十四名ということでございまして、女性の中には事務労働者特有の頸肩腕症候群という病気が出ておるという点が指摘できるというふうに思います。  また私どもは、政府関係特殊法人百十余のうち、事務系でこの頸肩腕症候群について業務上の労災申請の申し立てを現在しておるわけですけれども、私どもとしましては、現在七件を労基署なり中央審査会の方に申し立てをしている。こういう点でやはり組合員の健康、こういう点を見ましても非常に危機的な状況にあるのではないかというふうに思います。  また、五月だけをとって見ましても、病気休暇で休んでおるという方が実際七十六名という数に上っておりまして、このうち長期病休者四十六名ということでございまして、この中には内臓疾患とか頸肩腕障害、あるいはノイローゼ、こういうような形の病名になっております。  私どもとしましては、こういう病気をなくさせるとともに、直ちに治るような形の措置をいろいろ講じていただくように企業側にも申し上げておるわけでございますけれども、現在頸肩腕障害の援助措置というのが公庫側から提案されてまいりまして、これは公庫の指定する二百七十八人の医療機関で頸肩腕障害、こういうような診断を受けた場合については、治療費の健康保険ではきかない部分につきまして二万円の補助、また病気休暇につきまして、通常の病気より上回った内容というような形の援助措置というのが出ておりますけれども、実際これらの頸肩腕症候群で罹病しておる方を見ますと、公庫の指定した二百七十八の医療機関に該当していないということも出ておりますので、現在のところ指定医をふやしていただきたい、こういうような点を公庫側団体交渉で交渉をしておるところでございます。  それから五月の職場の状況を見ますと、審査業務のほかに、督促業務としまして早期監理あるいは監理係というのもございますけれども、この中では百三十三支店のうち十支店については残業がなかったというふうな報告がございますけれども、そのほかの支店におきましては、平均して六時間ぐらいの残業が月末に集中しておる。  現在、ことしの七月に全店オンラインということで移行作業が行われております。こういうオンライン移行事務が集中する支店におきましては、月三十七時間というような非常な多くの残業になっております。また契約係と申しまして、融資の決定した方に対しまして借用証書等を、必要書類を整えて契約をする業務につきましては、百三十三支店のうち五月に残業がなかったというのが三十六支店ございましたんですけれども、そのほかの支店におきましては、残業平均月四時間半ぐらいの時間になっている。オンラインの移行の支店では月二十時間ぐらいの残業になっておるという点が報告に出されております。そういう点で、私どもとしましても今年度公庫の人員をふやしていただきたいという点でいろいろ運動をしておりまして、現在のところ四百三十九名の人員をふやしていただきたいというふうに思っております。  そういうような状況で、先生の御心配されるように、私たちの職場には持ち帰り労働あるいは健康を害している組合員また残業の状況と、これが現在進学貸し付けか行われていない段階でそのようになっているというところでございます。
  45. 竹田四郎

    竹田四郎君 これは大蔵大臣に最後にお伺いしなきゃいかぬと思うんですが、国民金融公庫の従業員が健康を害したり、あるいは非常な無理をしてたくさんの件数をふやさなくちゃならぬということになりますと、ただ単に物をつくるとかなんとかじゃないと思うんですね。やっぱりある意味では、中小企業に対する経常コンサルタント的な役割りもしなくちゃ私はいかぬと思いますし、また片一方では、債権確保という立場から見ましても、まあ無理なく債権が確保され、またそれが貸し金が償還されるようにしていかないと、一方このお金というのは国民の貯金した金でありますから、どうでもいいということじゃないと思うんです。その辺がうまくいかないと国民金融公庫のあり方もうまくいかないし、それから中小企業に対するあり方というのもこれは本当に冷たくなってしまって、それでなくたって中小企業のおやじなんというのは、こういう銀行関係のところへ行ったり役所へ行ったりすると、まあなかなかわれわれがしゃべるのと違って、言いたいことの半分もしゃべればいい方で、中にはもうなかなか思っていることもしゃべれないというような人も私はたくさんいると思うんですよ。それをやっぱり公庫の従業員というのは引き出してやらなくちゃならぬと思うんですよね。それには、まあ自分の気持ちがいらいらしていたり疲れ切っていたりということになれば、聞き出してやるべき問題も聞き出せない。あるいはそれに対して対応する態度というものもつっけんどんになったら、なんだ国民金融公庫なんて官僚的で不親切だと、こういうことになってしまうわけですよね。  そういう意味では、いまのような時代に仕事進学ローンということでふやすのは、私もそうやっぱりこれは反対はできないと思うんですが、やるならやるだけの体制をとってやってくれなけりゃ私は困ると。健康を害しても、あるいは家庭生活をかなり犠牲にしてもやるという精神はいいと思うんですけれども、これだって限度がありますよ。そういう意味では、最初に言われたいまの現状でさえこうなんだ、これを期間をぴちっと限られて、まあ中小企業者なら一日ぐらい何とかなるということもあると思うんですがね、進学ローンの場合にはもうこれは初めから決まっていることであって、そういう中で間違いがあったり、またそっちを一生懸命やるために今度は中小企業の方に手抜きが起きたり、これも困る。  そういう意味では、さっき大体、十二名ということがいいか悪いかということになると、私はどうもこれは少し酷じゃないか。私もかなり国民金融公庫の店見ているつもりですよ。ほかのところとは違うですわ。もう少しこの辺は、大蔵省としてもやはりもう少し仕事がスムーズに親切にできるような体制をつくってあげなければ、何かしらぬけれども、大蔵大臣と郵政大臣のメンツでこういうものを持ち込んで、しわは全部下へ行ってしまうという結果になるのを私は恐れるんですよ。この辺大蔵大臣どのように考えますか。  参考人には私さらに詳しく伺いたいことありますけれども、私のもう決められた時間来てしまったから、まあこれ以上できませんけれども、やはりこの辺は真剣に考えてくれないと困ると思うんですよね。また同時に、まあ中小企業者にしても、いままで相談していた人が急にかわられても実際困るんですよ。いままでの話をもう一回し直さにゃならぬですからね。中小企業のおやじにしたって、そんなに暇で暇でしようがないということはないわけなんですから、すべての仕事を一人でやっているわけですから。だからもう少しこれ対応を、何名がいいかはわかりませんが、私はどうしても十二名でこれだけの仕事をやらせるというのは、局長は二月、三月は暇だからいいと言うんだけれども、どうも私はそんな暇なようには思いません。もう少し考え直してもらいたいんです。この仕事をやることは私どもも反対しませんけれども、やるなら十分にそれをやれるだけの体制をつくって仕事を始めてもらう。まあ幸いまだこれ期間かありますからね、その辺はどうでしょうか、大蔵大臣。
  46. 村山達雄

    国務大臣村山達雄君) 私も竹田さんと同じように、国民金融公庫はずいぶん見たつもりでございます。きょうは木村参考人から詳しいデータを聞きまして非常に参考になったところでございます。まあ特に罹病率が高いというのはちょっと私もびっくりしたところでございます。この点は真剣に検討したいと思います。  ただ、先ほど岡崎君の方から説明しましたように、政府機関の中で住宅金融公庫の増員が一けた台だという話をしまして、これに対してこの国民金融公庫が純増で六十四人でございますから、これはやはり相当がんばってやってはおるなあという感じを率直に持ったわけでございます。しかしどうしても、国家公務員の場合もそうでございますし、それからそれに準ずる政府機関でも恐らくそうだろうと思うのでございますが、減らす方はなかなか減らしにくい、その分のしわがやはりふやすべきところをふやさないという問題がありはしないだろうか、そういう点を先ほどから応答聞いておりまして深く感じたのでございます。  いずれにいたしましても、この金融機関は最も忙しい、そして中小企業を扱い、今度はまあ進学ローンをやるわけでございます。進学ローンについて御懸念のような、その事務がおくれたために入学ができないようなことは絶対にしないようにやってまいりたいと思います。事務量につきましては、いまのようないろいろな点の示唆がございましたので、なお真剣に検討いたしまして、そうして適切な処置を講じてまいりたい、かように考えているところでございます。
  47. 竹田四郎

    竹田四郎君 終わります。
  48. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 最初にお尋ねをいたしますが、この提案理由に、本法律案提案した理由として、「最近における高等学校、大学等への進学のために必要な資金の負担の実情にかんがみ、」とありますが、これはどういう意味でございますか、簡単で結構ですから……。
  49. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生御承知のとおり、最近高等学校、大学へ進学するためには授業料、入学金、施設費等の入学当初に必要な金の額が非常に上がってきているわけでございます。したがいまして、進学の一時期における父兄の負担か非常にふえてきているわけでございますので、このような進学の一時期に集中する父兄の負担というものを何らかの形で軽減する必要があるということが考えられるわけでございまして、そのことがここに提案理由として申し上げたところでございます。
  50. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 そうすると、これは大学へ行けば行くときにもお金が要るし、また入ってからもお金が要るわけですが、入学のときの金の負担に対するものであると、このように理解いたします。  そこで今回の進学ローンは、いわゆる一般貸し付けとそれから進学積立郵便貯金預金者貸し付けと、こういう二つの制度があるわけでございますが、この二本立ての制度とした理由は何か、それぞれの違いはどこにあるのか、その点はどうでしょうか。
  51. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先ほど申し上げましたとおり、最近、進学時における父兄の一時の負担が非常に多額に上るわけでございまして、これに対しまして何らかの意味で軽減措置を講ずることの必要性ということにつきましては、国においてもそれを認めて、何らかの方策がないかということでいろいろ検討してまいったわけでございますが、同時に、昨年九月の郵政審の答申の中で進学ローン制度の実現が要望をされましたし、また、五十三年度予算の編成に際しまして郵政省からこの制度の創設についての要望があったわけでございます。  しかしながら、国としてそのような進学時における父兄の一時の負担の軽減を図るという場合には、やはり何よりもそのような手元の資金が潤沢でない、いわば低所得者に属する階層について手当てをすることが必要と考えられたわけでございます。しかし一方、いま申し上げましたように、郵政省からは、郵便貯金をした人に対して、それを優遇する意味での進学ローン制度ということについても要望が出てきたわけでございまして、この両者を勘案いたしまして、一般の低所得者向け進学ローン制度と、それからそれに加えまして、郵便貯金者に対する優遇措置としての進学ローン制度と、この二本立ての制度を設けることを考えた次第でございます。
  52. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 そうすると、郵政省関係はずっと何年か積み立てをしてきて、その人にその積み立て額と同じものを貸し出すと。大蔵省の場合は、そういう積み立てをしていないけれどもお金の要る低所得者を対象にしていると、こう理解していいわけですね。
  53. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生御指摘のとおりでございまして、国民公庫を通ずる一般の進学ローンにつきましては、低所得者を対象にしているわけでございます。それから郵便局を通ずる進学ローンについては、郵便貯金者に対する優遇ということに視点を置きまして、このような制度になっているわけでございます。
  54. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これは二百二億円のことしの予算をとっているわけですが、この根拠が余りはっきりしていないようでありますが、大体二百二億円の予算算をとったと。それはただ当てずっぽうに二百二億円にしているのか、その点はどうか。それともう一つは、郵政省とそれから大蔵省、いわゆる国民金融公庫、この二百二億円の内訳は大体どの程度に予想しているわけですか。
  55. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 進学ローンについてどのぐらいの資金計画を立てるかということについては、いろいろ検討してみたわけでございますけれども、何分にも初めての制度でございますので、どの程度の利用者があるかということを正確に算定することは非常にむずかしいわけでございます。そこで一つの目安といたしましては御承知のとおり、いま日本育英会において奨学資金貸し付けを行っているわけでございまして、その貸し付けの状況を見ますと、大学におきましては人体利用率が一割程度でございます。それから私立の高校では人体利用率が二%でございます。そこで、このような数字を基礎にいたしまして、予想される大学あるいは私立高校への進学者に対しまして、ただいまのような比率を掛けまして、大体大学へ進学する場合には六万一千人程度高校の場合には九千人程度というふうに見込んだわけでございまして、これに対しまして、実際に貸し付けの際に実行されるであろうと思われる金額を掛けまして、二百二億円という数字を算定したわけでございます。  なお、これが一般の進学資金貸し付け郵便局を通ずる貸し付けとの比率がどのようになるかということでございますが、この点につきましては、これは実行してみませんとどのような比率になりますか、いまのところは全く予想がつかない状況でございます。
  56. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 やってみなければわからないと、こういうことで二百二億円の国民金融公庫予算がつけられたということは、非常にわれわれとしても理解に苦しむところでありますが、そのことはそれとして、これはわれわれがこの金を借りる場合にどこに行けばいいのか、審査というのはどこがやるのか、日にちはどれぐらいかかるのか、そうして回収の責任国民金融公庫が持つのかあるいは郵政省が持つのか、そのあたりはどうなんですか。
  57. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この進学ローン貸し付けの窓口でございますが、これは国民公庫を通ずる一般の貸し付けにつきましては、国民公庫のほかに代理店を予定しておるわけでございまして、この代理店には一般の民間金融機関、特に農協、漁協も全部含める予定になっているわけでございます。恐らくその数においては二万を超えることになるかと思いますが、そこに行って手続をしていただくことになると思います。それから郵便局を通ずる貸し付けにつきましては、当然ながら郵便局を通じて行っていただくわけでございます。これに要する日数でございますが、先ほど竹山先生からも御指摘がございましたように、この進学のために必要な資金というのは、入学金の納入が一日でもおくれますと入学の許可が取り消しになるわけでございますので、非常にその点は綿密な手続を必要とするわけでございまして、現在考えております手続といたしましては、一応入学することが決まりまして、入学金の納入を行うべき口があらかじめわかるわけでございますので、そのように入学金を実際に必要とする日の少なくとも一カ月以上前に、あらかじめ国民公庫あるいは郵便局において申し込みをしていただく。郵便局あるいは国民公庫を通ずるその審査につきましては、この審査を行いますのは、貸し出しは国民公庫が行うわけでございますが、当然国民公債が審査を行うわけでございますが、その審査はきわめて迅速にやりまして、入学の決定が行われる数週間前に御本人に対して貸し付けの決定通知を行うことにいたしております。その入学が、いよいよ試験が受かりまして入学金を納付するということになりましたら、その決定通知だけを持って窓口に来ていただければ即時に金が交付できる、資金が交付できる、このような手続をとることになっておりまして、その点については万全の措置をとりたいと、このように考えているわけでございます。  なお、これは国民金融公庫において行う貸し出しでございますので、回収の責任は、当然郵便局を通ずる貸し出しにおきましてもこれは金融公庫がこれを持つと、こういうことになります。
  58. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 たとえば、私が郵政省関係の場合、毎月毎月積み立てしますね。それでまあ何年か積み立てる、そしてその積み立てた金額の倍を貸す、そうすると、後の返済はいままでと同じように積み立てていけば返済できるわけですね。そういう点で、この入学に必要な金を言うなれば前後八年で積み立てていく、こういうことで、しかも四年間すでに積み立てをしてきておるわけですから、郵政省とその積み立てる人とのつながりもできるし、そこに郵政省のサイドにすれば、じゃこの人は十分貸し出し可能であると、そういうように、こっちの方はもうすべて郵政省に任せて、国民金融公庫国民金融公庫でやるなら別個でやると。何かそれが、あくまでも受け付けば郵便局の窓口だけれども貸し付けの方は国民金融公庫である。国民金融公庫審査して回収責任を持つといっても、実際は郵政省を通さなければできない問題でありますので、それはいたずらに事務が複雑になるばかりである。この点はどうなんですか、そのように変更する考えはありませんか。
  59. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この進学ローンの問題につきましては、御指摘のように、国民公庫郵便局と両方使うことについてのいろいろの問題があるということでございますけれども、本来いま郵便局において、その集めた資金を直ちに郵便局において貸し出しを行うということについてはこれまた非常に問題があるわけでございまして、財政投融資資金は財政投融資計画に従って、その必要性、緊要度を勘案しながら統一的かつ計画的に運用することが貴重な財政投融資の原資を効率的に使用するゆえんであると、このように考えられるわけでございます。  それから、国の貸し付けを行う組織といたしましては、すでに各銀行、各公庫もあるわけでございまして、このような公庫、銀行におきまして貸し出しをいままで効率的に行っているわけでございます。したがいまして、これにさらに貸し付けの窓口として郵便局を加え、そこにいろいろな人員組織を加えることは金融機関の経営の効率性という点から見ましても好ましくないわけでございまして、行政簡素化の趣旨にも反する面があるわけでございます。そういう点がございますので、この進学ローンを取り扱うにつきましては国民金融公庫を通ずる貸し出しとしたわけでございまして、本米政府が貸し出しを行う業務のあり方としてはこれが一軒効率的でもあり、また簡素化の趣旨にも合うのではないかと、このように考えるわけであります。
  60. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 大蔵大臣、私は郵政省で受け付けて、それをわざわざ国民公庫から貸し出しをする、こういうようなことの方がはるかに行政を複雑にするわけでありまして、その点どのように考えるのか。それと、政府の財政投融資の計画に非常に一元性に反するじゃないか、そのようにおっしゃいますけれども、これは二百億円のうちの半分としても百億円ですからね。何兆円という中でそういうことを一元化しなければならないほどの大義名分はないんじゃないか、この点はどうですか。
  61. 村山達雄

    国務大臣村山達雄君) 二つの点でやはりいま御提案申し上げている方がすぐれているのじゃないかと思うわけでございます。  一つは、やはり貸出業務という問題でございますが、郵便局は御案内のように受信業務だけやっておるのでございます。したがいまして、貸出審査をやるということ自体、やはり事務には慣れておりません。そういう意味で言うと、やはりそのために人をふやすとか新しい訓練をやるというよりも、すでにあるものを利用した方がよくはないであろうか、こういう点が第一点でございます。  第二点は、郵便局に、これは一種のある意味で与信業務を伴うのでございます。御案内のようにゆうゆうローンというのがございますが、あれは御案内のように三十万を五十万に上げましたけれども、入れたものを引き出す、あれを限度にして貸し出すわけでございますけれども、事実上は引き出しと同じことになりますから、私は実質的な意味では与信業務ではないであろうと思います。  ところが、今度の場合はそうではございませんで、ある時点で貸出限度は、郵便局におきましては、そのとき現在における積立額、それと五十四万ですか、いずれか低い方で貸し出しの限度か決まるわけでございます。貸し出した後で引き出しを拒否しているわけではございません。したがいまして、事実上ゆうゆうローンと違いまして、これは与信業務になるわけでございます。  御案内のように、日本の郵便貯金というものは世界でも珍しい例でございまして、免税特権を持っておるわけでございます。そしてまた、現存ずっと見ておりますと、預金の増加率等を見ますと、民間金融機関の約倍以上伸びておる、こういうことでございます。これが与信業務を始めるということになりますと、なかなか金融制度全体としてかなり大きな問題じゃないであろうか。先ほど銀行局長から申しました財政投融資の一元的運用という、言ってみますと、大義名分のほかに私はそういう一つの問題があると思っておるわけでございまして、そういう意味で、その間調整いたしまして、進学ローンというものが郵政省から出ました、この構想はそれ自身私は一つの大きな示唆を受けたわけでございます。それを少し整理さしていただいて、そして交通整理をいたして今日のような案で出さしていただいているわけでございます。  そういう意味で、従来民間金融機関がこのごろ八分八厘八毛ぐらいで進学ローンをやっておりますけれども、七分一厘という基準金利で、金融原則に沿ったものを郵政省の方でこういうアイディアを出していただいたことには大きな示唆を受けました。その間、若干の交通整理をさして、両省間で合意したものが今度の案である、かように御理解願えれば幸甚だと思います。
  62. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 非常に大蔵大臣のそういう発言にはわれわれは納得できない点があり、もうちょっと柔軟に考えていくべきではないか、こういう主張を申し上げておきます。  それから、本制度は入学のときの一時金でございますが、やはりさらに入学をすれば後毎月かなりの金が要る、しかも自宅通学ならばいいわけですけれども、田舎から東京に来ている場合には一カ月十万円前後のお金も要るわけでありまして、そういう点では奨学金制度があるわけですが、わが国はやはり世界の先進国に比較いたしても、日本育英会等の状況等を見ましてもかなりおくれておるんではないか。特に私立大学の方が非常に採用率も悪い。こういう点で私は日本育英会のような貸付制度をさらに充実すべきである。これは大蔵大臣としてもそういう決意があるかどうか。
  63. 村山達雄

    国務大臣村山達雄君) この点は、一つの点からやっているわけでございまして、一つは御案内の日本私学振興財団を通じまして、それで私学振興資金を出しております、大学生、高校生を合わせますと大体年間一人十一万円というのが行っております。そのほか、いま塩出委員が御指摘になりました日本育英会の問題でございます。これは最後はやはり教育行政の立場からやっているわけでございまして、卒業後、後で返していただく、こういうことになっております。われわれはこの制度が大いに利用されることを言っているわけでございますが、先ほど申しましたように、資金需要から申しますと大体一割程度である、こういうことでございます。したがいまして、やはりこれは需要の問題でございますので、需給の状況というものを見まして、そして必要な予算措置をとるべきであろう、このように考えておるところでございます。
  64. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これは利息なども非常に高い。先ほど低所得者向けである、このように言われましたけれども、先ほども話がありましたように、恩給担保貸付制度が五・五五%、あるいは円高関連融資の国民金融公庫からの貸し付け等も非常に利子補給をしているわけでありますが、この進学ローンというものは、実際には所得制限を設けて低所得者に対するものでありながら、利子が七・一%というのは非常に高い。これはもう少し下げる考えはないのかどうか。
  65. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 進学資金貸し付け金利につきましては、先生御指摘のとおり低所得者向けでございますので、一般の民間の貸し出しよりもどの程度低くするかということが問題になるわけでございますけれども、しかしながら、この進学資金は入学、高校の際の進学資金でございますので、これは義務教育ではないわけでございます。もちろん最近は大学高校への進学率は非常にしがっているわけではございますけれども、一応義務教育になっておりませんので、したがって、その点も勘案いたしまして国民公庫の基準金利を適用することにしたわけでございまして、国民公庫の原資の金利あるいは事務コスト等を勘案いたしました場合には、これはできる限り低い金利であるというふうに考えております。
  66. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 どうも大学高校は義務教育じゃないんだからお金のないやつは行く必要はないと、こういうような御趣旨にもとれる発言で、非常に私は問題だと思います。  そこで、大体これは借りても在学期間中に返さなくちゃならない。これではお金のない青年が本当に大学へ入り、そして勉強して、それから卒業して返済すると、こういうところぐらいまで当然考えるべきじゃないか。それを在学期間中に返せ。これでは特に交通遺児のようなお父さんのいない家庭、そういうような人たちの子息、子供さんに対しては全然配慮がされていない、余り意味がないんではないか。これをなぜもっと、卒業後本人が就職してから返済できるようなそういう制度にしなかったのか、お伺いします。
  67. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この進学ローン制度につきましては、本来のこれの趣旨が、進学時における最近におけるような父兄の資金負担が非常にふえてきたことに対応いたしまして、その進学時における父兄の負担をいかに軽減するかということを目的として仕組みが考えられたわけでございまして、その場合に、この父兄の負担を在学期間中に均分化する、そういう考えのもとにこの仕組みが考えられたわけでございます。したがいまして、期間としては在学期間中、一応このようなことにしたわけでございまして、これは当初の原案はこれよりも短くて二年ということでございましたけれども国民金融公庫が貸し出す以上はやはり金融血でもっと配慮すべきではないかということで、最大限在学期間四年と延ばしたわけでございます。もちろん先生御指摘のように、在学期間中はこれを据え置きにして卒業してから返すということも一つの方向かと考えられますけれども、特にこの場合には高校大学と進学する場合に、高校における資金負担は高校において一応全部完済して、また次の大学における資金手当てを行うというようなことも考えられるわけでございまして、限られた財政資金をなるべく多くの人に利用していただくという見地からも、この最長四年という貸出期間、これは据え置き期間一年を含むわけでございますが、これか適正なところではなかろうかと、このように考えている次第でございます。
  68. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それから、これは所得制限があるわけですがね。その所得よりも大きい者は借りられないわけですが、しかし、それより少ない人は全部借りられるかというとそういうわけではない。保証人が必要であるし返済能力もなければならない。こうなってまいりますと、この審査というのは一体どういう審査をするのか。申し込んでも、あなただめですよと言う。担保は取らないけれども保証人——保証人というのはだれが保証人になってもいいのか。そこにいろいろやかましい基準があって、なかなか申し込んでも借りられない場合もあるんじゃないかと思うんですが、そういう点はどうなんですか。保証をたとえば地方自治体がするとか、そうしないと実際に生活の苦しい先ほど申しましたような母子家庭等は借りられないんじゃないか。これは社会奉仕じゃなしに融資なんだからそういう者は借りる必要ない、そういう家庭は何も大学なんか行く必要ないということであれば別ですけれども、この点どうなんですか。
  69. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 国民公庫の貸し出しは、先生御指摘のとおり、国民の貴重な財政投融資を原資としているわけでございますから、やはり償還の確実性ということは大事なことでございます。しかしながら、他面、国民金融公庫は一般の民間金融機関と異なりまして、民間の一般金融機関の融通を困難とするような資金を融通することに目的があるわけでございますので、そこにおのずからの差はあるべきでございます。保証人の徴求ということは確かに大変なことではございますが、従来からも国民公庫の貸し出しは原則として保証人をいただいておりまして、戦争直後に行われました戦災者、引き揚げ昔に対する生業資金貸し付けにおいても保証人を一人出していただいているわけでございます。そういうことで今回も保証人を立てていただくということになっているわけでございますか、返済能力の審査等につきましては、当然のことながら一般の民間金融機関とはおのずから基準が異なってくるのではないかと考えております。  なお、この保証人の問題につきましては、現実の問題として保証人を徴求することがいろいろ困難な場合もあろうかと考えられますので、この制度を発足しましてからいろいろな問題点をさらに洗いまして、別途の方法についても研究を進めてまいりたいと、このように考えております。
  70. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私は、郵政省の方の四年間積み立てをして貸りる方はまだそれだけの意義があると思うんですが、何となく、いまわれわれ本委員会で審議している内容は非常に必要性の少ない、余り国民の要望も少ないんで、実際二百億の予算取っても果たして活用されるのかどうか、そういう点非常に心配な点があります。  そこで時間がございませんが、本日は労働組合委員長さんにも御出席をいただいておるわけでありますが、先ほどから竹田委員質問にもありましたように、現在の国民金融公庫は非常に多忙である、現在でもかなり持ち帰りの仕事が多いと、こういうことでありますが、そこで一つは、持ち帰りという、残業でなしになぜ持ち帰るのか。持ち帰ったんでは収入にも何にもならないわけで、当然そういう仕事があれば残業してやるとか、それなら私はまだ理解できるんですけれども、そのように追い込まれている理由はどこにあるのか。それと、その上にこういう進学ローン審査、そういうものはいまお聞きしてもそう簡単に事務的にできる問題じゃない。七万件もあるわけで、しかも中には郵政省を通してくるわけですから、そこには直接郵政省の状況はどうなのか、郵政省を通して聞くなんということはこれはなかなか大変なことでございまして、それで定員もわずかの増ではできないんじゃないかと、そういう点非常に心配しているわけなんですが、労働組合としてもそういう点どう考えているのか、お伺いいたします。
  71. 木村清昭

    参考人木村清昭君) 私どもとしましても、この持ち帰り労働につきましては決していいものであるというふうには思っておりませんし、昭和四十九年の衆議院の大蔵委員会の中でもこの問題につきまして取り上げていただきまして、私どもとしましても内部的にもやらないというような方向で確認しておりまして、公庫側の方からも昭和四十九年七月二十六日付におきまして、「審査事務における勤務時間外の事務処理について」ということで、持ち帰りは、これは出ましたのが七月二十六日付の文書でございますけれども、九月末までにやめるようにというような指示があったわけでございます。  やはりこの根本的な原因としましては、現在の国民公庫にはオンラインが昭和四十九年三月から入っておりまして、すでに現在時点では百三十三支店のうち百二十四支店でオンラインが開通しまして、多少の事務の合理化にもつながっておるというふうには思いますけれども、しかし根本的に人員が足らない、あるいは調査票を配布するのが毎日毎日四件というような形で来ますものですから、その繰り越したものを翌日やるということはできないわけですね。そうしますと、どうしてもそれが時間外なりあるいは家へ帰ってやると、こういうようなことになっておりますし、やはり健康面あるいは家庭生活を十分楽しみ、またあすへの休養をとっていく、こういう点ではぜひ持ち帰りのないように、今後とも私の方としましても企業側にも話したいと思いますし、あるいは必要な定員増加という点をお願いしたいというふうに思います。  そういう点で、私どもは過去三年間にわたりまして、利用者のためにもより利用しやすい国民公庫に、あるいは私たちの人口増加に御支援をと、こういうビラをつくりまして利用者の方に配布するとともに、今年度につきましては、国民金融公庫の融資制度等の改善に関する請願書、それから国民金融公庫定員増加に関する請願井、この面を請願書面をつくりまして全国の利用者の皆さんにお願いしまして、私たちの実情につきまして訴えておりまして、非常に好意的な御支持を利用者の皆さんからいただきまして、もうすでに国会の方に提出しておるわけでございますけれども、そういう点で定員増加、あるいはいまの非常に苦しい中小企業の状況の中でもっと国民公庫の融資の制度を改善する、こういうような請願に取り組んでおるところでございます。  そういう点では、非常に打ち帰り労働というのはいいものではありませんし、一刻も早く私どもとしてはやめたいというふうに思っておりますけれども、実際に定員が少ない、それから仕事の内容も非常に複雑になっている、こういう点で現状のところではやむを得ない措置だというふうに思っておりまして、早急に改めるような形でいろいろな活動を今後ともしてまいりたいというふうに思っています。
  72. 渡辺武

    ○渡辺武君 木村参考人に伺いたいと思いますが、先ほど来、公庫で働いていらっしゃる方々が非常な労働強化になっているという点のお話がるるございました。大蔵大臣もこの点については、病人が非常に多いということで驚いているという趣旨で事実上認めざるを得ないような発言をしておられたわけですが、私、やはり病人が非常にふえているという点非常に重大だというふうに考えております。特に超過勤務が非常に——私か組合の方からいただいた資料ですと、早監、監理ですか、残業が月、平均一人七時間、最高で月三十七時間というような数字も出ておりますし、これは非常に深刻だと思うんですが、特にいまも御指摘がありましたけれども、この持ち帰りの問題ですね、これは超過勤務の場合だったら超過勤務手当がつくと思うんですが、持ち帰りの場合には手当はどうなっていますか。
  73. 木村清昭

    参考人木村清昭君) 持ち帰りの場合は家に帰ってやるということになりますものですから、企業側の方としましても何時間という点でははかりにくいというような点で、いまのところ超過勤務手当につきましてはついておりません。
  74. 渡辺武

    ○渡辺武君 いまの時代に労働者に無償労働を強要すると、これは大蔵省としても監督の義務がある公庫ですから、その点は十分にひとつ頭に置いていただきたいと思うんですよ。  それで持ち帰りですが、先ほど木村参考人からのお話ですと、百三十三支店中百二十三支店が持ち帰りをやっているというふうにおっしゃっておられましたが、その実態をもう少し詳しくお聞かせいただけないだろうか。  特に、私伺っておりますのは、ことし一月に、昨年十二月の持ち帰りの実情について組合としてお調べになったということを伺っておりますか、そういう点も含んで、実態についてお聞かせいただきたいと思います。
  75. 木村清昭

    参考人木村清昭君) 持ち帰りの実態でございますけれども、これはなかなか調査のしにくいというのが実情でありまして、私どもとしましても、昨年の十二月一日から三十一日までの一カ月間にわたりまして無作為抽出によります審査担当者の状況につきまして調査をしたわけでございます。これは一カ月でありまして、調査人員は五十名でございます。調査整理を持ち帰ってやるという人が四十一人、持ち帰ってないという人が九人おるわけですね。それから、一週間に何時間ぐらいやるかという点につきましては、一週間三時間から五時間というのが十三人、二時間から三時間というのが八人、五時間から七時間というのが六人、七時間から十時間というのが五人、一時間以内が三人、一時間から二時間というのが三人ということでございます。  これは本人につきまして聞いたわけですけれども、他の同僚につきましては一週間どのくらいやっておるかというような点につきまして質問したわけですけれども、これにつきましても三時間から五時間というのか十四人、それから五時間から七時間というのが十四人、こういう点で最高では十時間ぐらいは持ち帰りしている、こういう面も出されています。  で、なぜ持ち帰りの原因が起きるのか、こういう点につきましては、やはり難件化、高額化しておりまして、その勤務時間内につきましてでは十分な与信判断ができない。また配布件数が多い、こういう点が三十四人、三十一三人と、こういう数字になっております。また、返済の督促の方の担当します早期監理あるいは監理係におきましても、家に帰って調査票の整理をしたりというような形で持ち帰りもしておる、こういうような実態を集計したわけでございます。
  76. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣、中座されている間に実は公庫の労働者の方々の労働強化の問題について伺っているんですが、先ほど大臣も病人が多いということを驚いておるという趣旨のことを言われました。その病人が多いということの一つの重要な原因としてこの持ち帰りの問題があるだろうというふうに思いまして、いま木村参考人からその実情を伺っているんですが、超過勤務と違って、この持ち帰りというのは何の手当もつかないんですね。大蔵省が監督している職場で労働者が全く無償で働かざるを得ないような事態に追い込まれている。そのために大変な数の病人が出ている。これは大蔵省責任でも私はあると思うんです。先ほど木村参考人も言われましたが、昭和四十九年に衆議院の大蔵委員会でわが党の小林政子議員がこの問題を質問いたしまして、それがきっかけで持ち帰り自粛の通達というのが公庫で出されたというふうに私聞いているんです。  先日の衆議院の大蔵委員会で、わが党の荒木議員がこの問題について大蔵省として調査し対処すべきだということを申しましたが、この点について大蔵省としては調査しているのかどうか、その結果はどうなのか、これを伺いたい。
  77. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) この持ち帰り問題につきましては、先生御指摘のようないろいろな問題点があるわけでございまして、四十九年におきましては国民公庫に対しまして報告を出すようにというような御指示があったわけでございまして、これに対しましては実はその後報告が出されていないようでございますので、この点について至急調査して報告を出すように指導してまいりたいと、このように考えております。
  78. 渡辺武

    ○渡辺武君 それは怠慢ですよ。労働者の状態を少しでも考えてごらんなさいよ。いま木村参考人がるる言われましたけれども、ショッキングですよ。これは当然大蔵省としても監督の立場から十分に調査をさせるということをここで確約していただきたい。  同時にまた、調査するだけじゃ私はだめだと思うんです。こういう労働強化のよって来る原因は、先ほど木村参考人も言われましたが、件数が多いと言うんです。逆に言えば件数に比べて人員か少ないということですわな。当然人員の点について大蔵省として考えなければならぬじゃないか。その点どう思われますか。  これは、私なぜ特別にこの点を言うかと言いますと、先ほど来他の委員も言っておりましたけれども、今度進学ローン制度がつくられて、そして大体七万人ぐらいは、ということをあなた方は予想しているわけでしょう。代理店に頼む問題もあるでしょうけれども、恐らく公庫として直接扱うものについて二、三万件はあるだろうというふうに考えざるを得ない。二月、三月は暇なときだと言われますけれども、先ほど木村参考人お話を伺っておりますと、ほかの月と変わりはないと言うんですよ。特に二月、三月には人員の減る場合が多いし、転勤その他でいわば職場が混乱する時期だという趣旨のことも言っておられる。せっかく制度を創設してもそれを裏づける体制について考えなければ、私は仏つくって魂入れずだと思うんですね。そういう点からして、いまの質問にお答えいただきたいと思うんです。
  79. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 先生御指摘のとおり、この進学ローン事務を適正に運営することは非常に大切なことだと思います。実際に進学ローン事務が集中する時期は、先ほど申し上げましたように、普通の入学期よりも一カ月以上前に申し込みしていただくたてまえでございまして、事務の中でかなりのウエートを占める審査事務はしたがいましてもう少し前にすれ込んで、一月かあるいは二月というようなことになるかと思いますけれども、いずれにしても、先ほど委員長からのお話もございましたように、いろいろな問題があるようでございますので、今後ともこの事務運営の適正化についてはいろいろ配慮をしてまいりたいと思っております。人員の増加につきましても、先ほど御説明申し上げましたように、国民金融公庫につきましては重点的な配慮をしているわけでございまして、五十二年度におきましては政府関係機関の職員の純増が九十名のうち六十四名が国民公庫でございまして、今後ともこのような点については十分検討してまいりたいと思います。
  80. 渡辺武

    ○渡辺武君 いや、いままでやった措置では足りないだろうということで申し上げているんです。  大臣、お留守のときに木村参考人からのお話があったんですが、この持ち帰りです。七時間から十時間も一週間に持ち帰りで仕事をしているという人が五十人のうち五人もおられるというんですよ。五時間から七時間の人が六人、それから一番多いのは三時間から五時間程度十三人、こんな実情をこれは捨てておけないですよ。公庫の人員について特別配慮していると言うんならば、新たに進学ローンという制度が発足して労働強化は一回激しくなるだろう。恐らくこの無償労働、さらに一癖労働者は強要されざるを得ないという実態が目に見えているわけですね。ですから、この人員について十分にやはり考慮すべきだというふうに思いますが、どうですか。
  81. 村山達雄

    国務大臣村山達雄君) 先ほど竹田委員からも同趣旨の御意見の御表明がございました。いままた渡辺委員から同じ御意見でございます。持ち帰りの問題あるいは罹病率の問題、こういった点が注目を引くわけでございますけれども、私たちもこの国民金融公庫の実態調査をいたしまして、人員等について適切な措置を講じてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  82. 渡辺武

    ○渡辺武君 木村参考人ありがとうございました。  進学ローンの問題について、若干伺います。  今度創設される進学ローンですね、大蔵省は低所得者向け進学ローンだというふうに言っておられるんですが、まことに皮肉なことですけれども、私ここに交通遺児育英会専務理事の玉井さんという方が新聞に書かれた投書を持っております。まさに交通遺児のことについていろいろ考慮されている万から、これは母子家庭、交通遺児その他の低所得者には絵にかいたもちにすぎないということを非常に強調されているわけです。  それで、まず第一にこの遊学ローン在学中に返さなきゃならない。いまの交通遺児や母子家庭の子供さん、これはもう大変な家庭生活での苦労をして学校へ行かれて、それで在学中に返すというようなことはほとんどこれはもうできないんだと、だからこれは事業後に返済するようにすべきじゃないかということを言っておられる。  それから、全国学生交通遺児育英募金事務局の事務局長さんと交通遺児を代表された方が、「低所得者向け進学ローンに関する要望書」というのを私の手元に寄せられておりますけれども、この方々は、この点についてさらに具体的に、卒業後半年は据え置き期間にして、そしてその後五年間返済というふうにすべきじゃないかという意見を出しておられます。  それからもう一点、金利が七・一%というようなことでは、母子家庭の母親はとうてい金を借りようという気打ちも起こらないんだと、だからこれは国が利子補給をして無利子にするかあるいは超低利にすべきだということを玉井さんは言っておられますし、この資金募集に努力しておられる学生の方々は、これは年三%を上限とした金利にすべきだというふうに具体的に提起をしているわけです。  またもう一点、今度創設される進学ローン、これは母親に——母子家庭の場合ですよ、母親か借りて、その母親が借りるときに保証人一人以上つけなきゃならない、こういうことになっているんですが、交通遺児の家庭あるいは母子家庭、これの保証人になる人を探そうといったってとうていこれは見つかるはずはないんだと。だからこれは母親が保証人になって本人が借りられるというような制度にすべきじゃないか、どうしても現行制度でやれというんであれば、国もしくは自治体が保証人になるというふうにすべきじゃないかという主張をしておられます。私、全くもっともな主張だというふうに思いますが、この点について大蔵省としてはどう考えておられるか、伺いたい。
  83. 徳田博美

    政府委員徳田博美君) 交通遺児育英会の玉井さんの書かれたことは私も拝見しておりますし、また、前々から私も玉井さんとは何度かお会いいたしまして御意見も伺っているわけでございます。また、この交通遺児育英会につきましては、大蔵省としても損害保険の方を通じていろいろの御援助を申し上げているわけでございますが、ただこの教育ローンの問題につきましては、一般の低所得者を対象といたしまして金融面からの措置として考えているわけでございます。しかもその金融面の措置として、財政投融資の一環として国民金融公庫を通ずる融資の形をとっているわけでございまして、その面で金利あるいは返済条件あるいは審査の条件等については、一般の民間金融機関よりもはるかに優遇されたものになっていると、このように考えておりますけれども、しかしながら、これは金融面での措置であるということで、おのずからそこには限界があるわけでございます。  先生御指摘のように、これを非常に超低利の金にするということであるとか、あるいは非常に貸し出し期間を長期にするということにつきましては、これは金融面の措置だけではただいま申し上げましたように限界があることでございまして、本来の交通遺児その他社会的な弱者の対策としていろいろなことをお考えいただくその一環としてむしろお考えいただくべき問題ではなかろうかと考えているわけでございまして、まあ一般低所得者に対する優遇的な措置としては現在の、ここに先ほどいろいろ申し上げましたような条件が精いっぱいの措置ではないかと、このように考えております。
  84. 渡辺武

    ○渡辺武君 金融面の措置だから無理だという、私はまことに冷然たる御答弁だなあというふうに思いますね。これは低所得者向け進学ローンと銘打ってあなた方宣伝していて、まさにその低所得者がこの恩典にあすかれないという実情があるんです。私はそこのところを十分に見ながら、よくやってくれたというような措置をやるところに意味があるんじゃないかと思うんですね。まあ、その点はきょうは時間がないので余り追及しませんけれども、そういう問題を十分に考えていただきたいと思う。  それからもう一点、弱者対策という面から考えるべきだという趣旨のことを言われました。それで私それに関連して伺いたいんですけれども、いま世帯更生資金それから母子福祉資金ですね、これの中に就学資金を貸与する制度がありますですね。この制度の中に入学金についてやはり一時貸し付け制度をつくるというようなことを、もしあなた方が弱者対策でやれと言うんだったらお考えになるべきじゃないかと思うが、その点どうですか。
  85. 山口光秀

    政府委員(山口光秀君) 世帯更生資金とか母子福祉資金というのは広い意味での社会保障の一環でございますから、社会保障の体系の中でどういうふうに考えていくかという問題であろうかと思うわけでございます。そういう意味で、私どもかお答えするよりは厚生省からお答えする方が適切かもしれませんが、小中学校の生徒につきましては、入学金につきましても、たとえば生活保護制度でめんどう見るとか、あるいは準要保護の世帯についても生活保護に準じた取り扱いをするとかいったようなことをいたしておるわけでございますけれども高校大学についての入学一時金ということになりますと、ちょっと社会保障体系のしでの取り扱いは、たとえば多額の私学の入学一時金までカバーするというところまではいっていないわけでございまして、この世帯更生資金とか母子福祉資金で現在でも就学支度資金、これは入学一時金などもカバーされるわけでございますけれども、五万五千円ということで融資の対象にはなっておるわけでございます。これは毎年改善に努めておりまして、今後ともこの貸付額のレベルにつきましては物価等の推移を見ながら改善に努めていきたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、私立学校の高額な入学料に対して世帯史生資金のような社会保障の一環としてめんどう見るということについては、現在の段階では制度趣旨から見ておのずから限界があるんではないかというふうに考えます。
  86. 渡辺武

    ○渡辺武君 まあ、弱者対策という面で考えてほしいと一方で言っていながら、その弱者対策の方では無理だと言う。これはどういうことになりますか、何にも考えてやらないということですか。徳田さんの答弁、それは逃げ日上ということになりますわな。そうでしょう。融資制度ということでもだめなんだと、弱者対策で考えたらどうだと言うから、弱者対策聞いたらそれは無理だと言う。どういうことですか、これは。  もう時間が来ましたので、文部省においでいただいていますので一言だけ伺いたいと思うんですが、私立大学の奨学事業の中に入学一時金の分割納入制度があると思いますけれども、この制度はどういう制度なのか、御説明いただきたい。
  87. 石井久夫

    説明員(石井久夫君) 現在奨学金につきましては日本育英会を通ずる奨学金があるわけでございますけれども、最近の私立大学等における学費の納入というようなことを軽減させるということから、四十九年度から、私立大学等におきまして、学校法人がその在学する学生に対して奨学金を貸与するというような場合に、私大奨学事業というのをは日本私学振興財団を通じまして実施しているわけでございますが、さらに五十二年度から、五十三年の四月の入学生からでございますが、私立大学におきまして入学一時金を分納制度を認めている大学につきまして、その私学振興財団から長期低利の融資をばいたしているわけでございます。現在この分割納入制度につきましては、布学生につきましては割賦償還ということになるわけで、左学期間中の割賦償還ということになるわけでございますが、学生は無利子ということになっているわけでございます。すなわち、四年の大学につきましては、必要とされる入学時の納付金の四分の一をば大学に一時には納める、それであとの四分の三は在学期間中にそれぞれ年限に応じて四分の一ずつ納めていく。それから医師系につきましては入学時に六分の一を納入して、六分の五を在学期間中に大字に納付していく。したがいまして、私大の側から見れば、入学時において学生の納める金が四年生については四分の三、あるいは医師系については六分の五か一回に入らないわけでございますので、日本私学振興財団を通じましてその必要経費をば長期低利で融資しているという仕組みになっているわけでございます。
  88. 渡辺武

    ○渡辺武君 次回に譲ります。
  89. 嶋崎均

    委員長嶋崎均君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にいたします。  次回は六月一日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十三分散会