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小笠原貞子君
国民年金に対する期待と関心というのは近年非常に高くなってまいりましたし、いろいろ御
質疑を伺わせていただいている中で、
制度審なりまた
基本懇なりでいろいろ御
審議もいただいているわけですけれ
ども、やっぱりこんなに
年金に対する期待と関心が多くなったということは、何といってもやっぱり安心して暮らせるその
保障がほしいという、それに尽きると思うわけでございます。
年金の問題に関しましては、いろいろと各制度間の格差の是正の問題とか、また制度の統合の問題、そして
負担の問題といったような本格的な解決、制度の充実ということから
考えますと、いろいろ御
審議いただいている中で、まだまだ問題が残されて今後にかかってくると思うわけでございます。しかし、それが本当に解決されるためには、先ほど私が申し上げましたように、
国民が何を願っているかということを
基本にしてこの制度というものを見直して整理もしていただきたいと、これがやっぱり
基本的に一番大事なことだと思うわけです。その暮らしを守っていきたいというようないろいろな階層の方、たくさんございましたけれ
ども、
〔
委員長退席、理事
片山甚市君着席〕
私はその中で一番苦労しながら生きていらっしゃる障害者の方たちに、どうしても目を向けざるを得ないというわけで、この連休の間、障害者の方たちとも特にお目にかかっていろいろお話を伺ってまいりました。その中で、やっぱり一番私問題だなと思ったのは、
所得制限の問題でございました。特に、本人の
所得制限という問題を私はやっぱりお
考えいただかなければならないと、そう思ったわけでございます。御
承知のように、
わが国の
年金制度で、
加入前の障害というものが認められていない、
年金加入後にある障害者ですと二十歳までは特別児童
扶養手当が親に支給される、二十歳以後になると障害
福祉年金が適用される。しかし、それが
所得制限が非常に厳しいという問題でした。五十三年度はいろいろ御配慮いただきまして、前年度に比べますと十万円ですか、
所得制限が
所得で九十万と。総収入で言うと百五十万二千円という制限で、それ以上の場合には支給されないということが起こっているわけです。この
所得制限というものを
考えてみると、ここに
一つの
矛盾が出てくるのではないか。つまり、
年金加入後障害を受けた人は、ともかく障害
年金がもらえる。しかし、小さいときから障害を持っていらっしゃる人たちは、
年金に
加入しても掛金をかけても障害
年金はもらえないと。
年金の立場から言えば仕方がないんだと言われるのだと思いますけれ
ども、障害というものを持って生きている者にとっては、これは大変な
矛盾みたいに私は
考えられたわけです。障害
福祉年金があるとおっしゃると思いますけれ
ども、先ほ
ども申し上げましたように、本人の総収入で百五十万二千円ということで支給が限られてきている。こうしますと、どうしてもここに障害、同じ障害を持っても障害
年金を受ける人と受けられない人というのが実際に出てくるという問題で、この方たちも非常に悩んでいらっしたわけなんです。それで実はこれはいままで機会がございませんでできなかったんですけれ
ども、ことしある方からお手紙をいただいたわけです。その方は、この社労
委員会としても調査に入りました北海道の札幌の隣の町の広島というところのリハビリ、授産施設なんです。この授産施設でいろいろと私たちお話を伺いまして、それが縁になりまして、その後お手紙をいただいたわけです。ここに言われていることは、実は障害者で、そのリハビリに働いて、授産施設に働いていらっしゃる矢野さんという方なんですけれ
ども、この矢野さんという方が知事さん、そして
国会議員みんなにどうしても手紙を出したいんだということで、その手紙がここにございますけど、カナタイプで書かれた手紙、これをカナタイプで読みにくいだろうというので、この授産所の指導員やっていらっしゃる方が私にお手紙をくだすったわけです。これはこう書いてあるんですね。「限度額を一円でも超えると、
年金が停止(ゼロになる)という制度の非情さ」と、これが大変な悩みの種なんだと、こう書いてあるわけです。実はこの方も授産施設で働いていらして、そして訓練手当をもらって、そして一生懸命がんばっていた。たまたまお父さんが亡くなられて遺産が入ったというようなことで、そして制限オーバーしちゃったと。それがもううんとたくさんもらったんならいいけれ
ども、ちょっとでもオーバーしたということによって、その
福祉年金が停止されたということなんですね。
そこで、
年金というものを何とかふやしてもらえないかという内容なんでございます。このカナタイプ、一生懸命私も読んだんですけれ
ども、「コトシモ ヤガテオワロウトシテイマス」、去年のことなんです。「アマリニモ アナタ タチノセードト イウカ ヤリカタガ キタナクテ ミモ ココロモ タイヘンツメタイデス サテネンキンノ ゼンガクノテーシノテガミヲミテカラ ネテモ オキテモ ユメノナカデモ イマニモ バクハツスル ココロヲ オサエテイルノニ ナンデスカ キノウ テレビデミマシタ アナタノボーナス」、「アナタ」というのは
国会議員のボーナスがテレビで出たわけですね。
国会議員と知事さんも同じだと、それをわれわれに向けて言っているんですけれ
ども、「アナタノボーナス 一四〇マン コエテイマス ネ ヨクフカクアリマセンカ ソレデニンゲンデスカ アナタハ オソロシイ オニデス」、まあ鬼にされちゃって私もちょっと困っちゃうわけですけれ
ども、この方にしてみれば、そういうふうに思えたんだろうと思います。「スコシ オダシナサイ テヲムネニアテテボクノキモチニナツテクダサイ ヒトリノネンガクシヨトク キメテ 八〇マン ヨリ オーカツタラ テーシスル ソレヨリ スクナカツタラダス イマノホーリツマチガツテイマセンカ イチニチモハヤクハヤク オナオシクダサイ アナタノ ボーナスミテ マスマス ムネノナカガハリサケマス アナタガナツテゴランナサイ」と、こういうふうに訴えているわけですね。私はね、これ非常に素朴な
考え方だと思うんですね。自分は障害を持ちながら一生懸命に働いていて、そしてちょっと
所得がオーバーしたということでその障害
年金停止されてしまう。もう働いている者にとってはたくさんの給料もらっているわけではないから大変つらいというふうに、その裏ににじんでいる気持ちが私は痛いように感じられたわけなんです。そして、この方は直接私にお手紙くださいましたけれ
ども、いろんな団体から、調べてみますと御要望が出ております。社会福祉法人日本盲人会連合の会長高尾正徳さんという方からも要望書が出て、それにもやっぱり
所得制限というのが書いてございましたし、この間連休中にはり、きゅう、あんまの方たちの連合会の方たちともお話をいたしましたけれ
ども、やっぱり障害
福祉年金の
所得制限、特に本人の
所得制限は何とか
考えていただきたい、こういうふうなお願いでございました。私も本当にそうだと思いました。
そこで、
大臣にお伺いしたいんだけれ
ども、その
所得制限というものを撤廃していただきたいと、いう要望なんです。撤廃してほしいというんだけれ
ども、撤廃というのは
大臣としてはとてもだめだとおっしゃるんだろうと思いますけれ
ども、そういう御要望に関して、
大臣としてはどのようにお
考えになっていらっしゃいますか、一言伺わせていただきたいと思います。