○多田省吾君 次に、
参議院地方区の定数是正について二問だけ
質問しておきます。
新聞報道によりますと、自民党は
参議院の
選挙制度改正案を今
国会に
提出することはもう事実上見送ったというように報道をされております。だが、私は、全国区の
改正については見送りは当然の
措置であると思いますし、福田総理に対しましても、やはり審議会を再開するとか、あるいは
国民の幅広いやはり討議が必要である。ですから、拙速に陥らずに十分時間をとって
検討すべきであるということを主張したわけでございます。しかし私は、地方区の定数問題は憲法にかかわる問題でありますし、他の
改正問題と切り離して、次の五十五年度通常
選挙から新定数で実施すべきである、このように当然思います。代々の自治
大臣は、第六次
選挙制度審議会の報告のときもあるいは第七次のときも、定数是正はやりますやりますと、このようにしょっちゅうこの委員会で
答弁したのに、全然行われていないわけです。
それから第二番目に、自治
大臣はこの前の
参議院の予算委員会で、
参議院地方区の現在の定数
状況は憲法違反ではないというような
答弁をなさいましたけれ
ども、私は憲法違反であると思っておりますし、また、正確に言えば憲法違反の疑いが非常に濃厚であると、このように思うわけでございます。
昭和四十九年の
最高裁の
判決では、「極端な不平等を生じさせる場合は格別、」云々、——まあその
程度では極端な不平等には当たらないということで、四・〇九倍のときには憲法違反ではないということで、そういう
判決でございましたけれ
ども、御存じのように、その後の
昭和五十一年の
判決では、やはり
衆議院の定数問題を憲法違反としておるわけですね。それに対して、そのときの内閣
法制局長官吉國長官とか、あるいは、その当時は次長であった真田次長等は、この
判決は衆参両院にまたがるものだと。また、真田次長も私の
質問に対して、現在の
参議院地方区の配分規定というものを「
最高裁判所はやはり
違憲だと言うかもしれません。」ということも
答弁しているわけです。これは
最高裁の
答弁がない以上は、はっきりした、であるとは言えませんけれ
ども、でないということも言えないわけですよね。私は非常に濃厚だと思うんです。しかも、
衆議院の
判決は、四・九九倍でも
違憲判決だと。
参議院の場合は、神奈川と鳥取の間は五・五〇倍ですわ。私は、そのほかのいろいろな条件はあろうとも、これは
違憲の疑いが非常に濃厚であると、このように思うわけです。
大臣はどう思うのか、この二点に関して御
答弁をいただきたいと思います。