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政府委員(
二瓶博君) 燐につきまして、今回
富栄養化の
被害の
防止という角度でこの
削減対策を
行政指導でやる、その際の
規定を
法律的にも織り込んだわけでございます。問題は、燐というものにつきまして
行政指導ということでやっているわけでございますけれ
ども、これが
規制というわけにはまいらぬのかという
お尋ねでございます。
まあ燐につきましては、これは
汚濁物質というものでもないわけでございます。
一つの
栄養物質といいますか、そういうものでございます。したがいまして、完全に、これは少なければ少ないほどいいというふうにも言い切れないものでございます。したがいまして、
環境水質、
瀬戸内海なら
瀬戸内海の水の中に燐というものは幾らあればよろしいのか、望ましいのかというまず
レベルを、これを決めないとおかしいのではないか。ところが、このどの
程度がいいのかというその
レベルは、これは現在の知見では、遺憾ながらまだ決める
段階にまで行っておらないということでございます。
それから、一応
環境水質の望ましい
レベルはわからないが、それだったら
工場なり
生活排水、そういうものに燐が非常に含まれておるわけですが、これを落とす、除去する
技術というものは相当進んでおるかと、またどの
程度のところからこういう燐を含んだものを出すのかということに、次になると思いますが、これは
COD等と違いまして、まずどの
程度のものがということになりますと、
瀬戸内海を考えます際は、
産業系と
生活系では
生活系の方が大体七割ぐらいになろうかと思います。
産業系の方が三割ぐらい。これは
CODと逆転いたしております。
生活系の方が圧倒的に多いわけでございます。したがいまして、そういうものに対していきなり
規制という
手法でやって本当に効果的な
措置ができるんだろうかという問題もございます。それから、
技術的には、これは相当燐の
削減技術については
実用化の
めどが出てきている。従来の
活性汚泥法というああいう二次
処理では余り落ちませんけれ
ども、それをさらに落とす
手法がないかということでいろいろいま
検討をやっておるわけですが、
凝集沈でん法等によりまして相当落ちるではないかという一応の
めどが立っておりますので、一応今回は
削減措置ということでやっておりますが、これも完全に
技術的にぴしゃり必ずこうだというところまで、まだ十分はっきりしていない向きもございます。その辺は
技術的に若干まだ詰める点もあろうかと思います。そういう点もございまして、燐を、
水質汚濁防止法の排水
規制等いろいろあるわけでございますが、そういうものの中に組み込むというのはまだ早いのではないか。
しかし、さればといって、ただいま先生からお話がございましたように、
瀬戸内海の
赤潮というのは非常に多発いたしておりますし、またその範囲も
広域化しております。そういうような
状況下におきまして、何もしないと、放置しておくというわけにはまいらぬということで、今回考えたのがこの
行政指導による燐の
削減指導ということでございます。