運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1978-03-29 第84回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年三月二十九日(水曜日)    午後一時五十五分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         岡田  広君     理 事                 稲嶺 一郎君                 志村 愛子君                 丸谷 金保君                 相沢 武彦君     委 員                 伊江 朝雄君                 北  修二君                 高橋 誉冨君                 増岡 康治君                 川村 清一君                 対馬 孝且君                 二宮 文造君                 下田 京子君                 立木  洋君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)        (沖繩開発庁長        官)      稻村左四郎君    政府委員        内閣総理大臣官        房交通安全対策        室長       三島  孟君        沖繩開発庁総務        局長       亀谷 礼次君        沖繩開発庁振興        局長       美野輪俊三君        郵政政務次官   宮崎 茂一君        郵政大臣官房電        気通信監理官   神保 健二君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  保君    説明員        沖繩開発庁総務        局調査金融課長  吉川 元信君        日本電信電話公        社営業局長    西井  昭君    参考人        沖繩振興開発金        融公庫理事長   岩尾  一君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 岡田広

    委員長岡田広君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会沖繩振興開発金融公庫理事長岩尾一君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡田広

    委員長岡田広君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  4. 岡田広

    委員長岡田広君) 次に、沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 二宮文造

    二宮文造君 提案沖繩公庫法中心にしまして、若干お伺いしたいと思うのですが、まず今回の改正出資制度についてその趣旨を概略説明いただきたい。
  6. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) お答え申し上げます。  沖繩が四十七年に本土復帰いたしまして以来六年目に入っておるわけでございますが、復帰沖繩振興開発計画を策定いたしまして沖繩各般社会資本整備を初め経済自立を目途に施策を進めてきたわけでございますが、現在目標に対しまして順調に進捗している面もある一方、現状にいたしましてなお経済の構造上の問題、あるいは石油ショックに端を発しました日本全体との関連におきます沖繩のやはり経済の落ち込み、それに関連をしました労働雇用問題等、なお厳しい状況もあるわけでございますが、計画趣旨にのっとり、政府といたしましても、さらに沖繩経済振興開発のために、積極的なてこ入れと申しますか、沖繩におきますそういった施策を浸透する一助といたしまして、今回、復帰に際しまして発足しました現在の沖繩開発金融公庫の持っておりますいわゆる融資機能に加えまして、北海道東北公庫等の例にもならい新たに出資機能等付与することにいたしまして、これらの出資機能付与することによって新たに沖繩経済刺激効果をもたらし、幅広く地場産業振興にこれが資するものと考えまして今回御提案申し上げた次第でございます。  内容といたしましては、北東公庫等の例にもならっておるわけでございますが、沖繩地域におきます産業振興開発に資するために、当面沖繩経済現状に照らし、農産加工等加工度の高い事業、あるいはまた鉱物資源開発との関連における事業、あるいはまた広く沖繩地域におきます産業開発に資するための交通運輸関連事業等を特に明定いたし、あわせて今後さまざまの企業事業設立を想定した上で、所要事業が出た場合を考えまして、主務大臣認可を得てさらに追加指定個別ケースでできると、こういう主要の内容を盛り込んだわけでございます。  なお、これに関連しまして、公庫予算決算等関連経理等を含めた所要規定整備改正を行って御提案を申し上げた次第でございます。
  7. 二宮文造

    二宮文造君 具体的に伺いますが、いま若干御説明がありましたけれども沖繩公庫業務範囲として十九条の一の二に規定をされるようです。これは御説明もあったように北海道東北開発公庫の例にならって列記をされたのだろうと思うのですが、いまの説明でもわかりますようにイからホまで列記されているのですが、この列記の仕方は非常に抽象的であり包括的ですね。ですから、逆に言いますと、今回改正される沖繩公庫出資になじまない業種をお伺いしておいた方がはっきりするのじゃないかと思うのですが、逆に質問してみたいのですが、どうでしょうか。何だか、ここに書かれているイの「農林畜水産物加工度の高い工業」、ロには「鉱業」、ハには「産業振興開発に係る交通運輸業」、ニには「産業振興開発に寄与する事業の用に供する土地の造成事業」、そしてホには「イからニまでに掲げるもののほか、産業振興開発のため特に必要な事業主務大臣指定するもの」と、こうなっておりますと、非常に広いようにも思われたり、なじまない業種というのを伺った方がいいと思うのですが、どうでしょう。
  8. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 業務範囲法律明定の仕方はいろいろあろうかとは思っておるわけでございますが、端的に申しまして、先生のお尋ねのように、こういう業種は特になじまないということの範囲については明確にお答えに苦しむわけでございますが、私どもは、あくまでこの法律趣旨が、沖繩地域におきます産業振興開発、いわば沖繩地域主体にしておりますので、ここに例示をしてございますような、沖繩の現在の産業振興のいわゆるポイントと申しますか、大きな目標となるべき事業というものを一応例示的に例挙したつもりでございます。当然考えられますその他の二次製造産業あるいはまたその他各般事業考えられるわけでございますが、私どもとしては、一応、法文の体裁といいますか、フォームといたしまして、当面明定されるべき例示的な事業を明示いたしまして、最後のホという項に、ただいま先生からも御指摘ございましたように、これらの例示された事業のほか、特に産業振興開発のために必要なものはケースによって指定をいたしていくんだと、こういう体制をとったわけでございます。
  9. 二宮文造

    二宮文造君 私は若干問題があるんですがね。今度主務大臣指定するのはもっと具体的な指定になるわけでしょう。その前のイからニまでは非常に抽象的なあれですが、今後はホに入りますと、恐らくもっと幅の狭い業種指定されると思うのですね。ですから、その辺のところでちょっと問題が将来出てきやせぬかという心配を私は指摘をしておきます。  それから本改正案を検討している段階で、御承知のように、沖繩経済の柱は公共事業基地収入観光収入だと、こういうふうに三つの柱だと言われているぐらい重要なウエートを占めております観光事業につきまして、明定ですね、あなたのおっしゃるように明確に規定するような考え方があったように、いろいろな説明書を読みますとそうなっているのですが、これを見ますと、恐らく答弁はホに該当するような答弁だと思うのですが、検討の段階では観光事業というものを置いておきながらホの方へランクを落としたというのはどういうわけですか。
  10. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 御指摘のとおり、私どもも、この法案の作業の過程におきまして、いろいろな業種について、包括的に前広に指定をするかどうか、あるいは規定をするかどうか、議論をしたことは、御指摘のとおりでございます。先生おっしゃいますように、沖繩経済現況及び将来の見通しにおいて、観光及び観光関連する産業というものの持つウエートがきわめて高い、これはまさに御指摘のとおりでございます。ただ、私どもが特にここに例示明記をいたしませんで、先生指摘のとおりこれは結果的にホの事項に該当することに相なるわけでございますが、いわゆる観光あるいは観光関連産業というものが非常に幅広い概念でございますし、私ども、その事業をここにそのまま観光関連と書きますかわりに、結果的には先生の御指摘にも関連するわけですが、いわゆる主務大臣指定の中でそういった事業についてある程度の業種として明記できるものを拾っていこうと、こういうことで考えておるわけでございます。
  11. 二宮文造

    二宮文造君 これは詰めるとまだ政令もできていないでしょうし――できていますか。できていないでしょう。だからちょっとあれですから次に進みますが、一つその点は指摘しておきたいと思います。  それから出資をする場合ですね、いろいろな手続等があるのですが、まず対象事業をどういうふうに選ぶか、その基準、あるいは条件ともいいますか、そういうものについてどういうお考えを持っているか、お伺いしたい。
  12. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) この法律が制定された後に、沖繩におきますこういう出資対象となる事業の取り上げる取り上げ方といいますか、手続といいますか、基準ということでございますが、この法案の御提案を申し上げた趣旨にも関連をいたしますことでございますが、私どもは、基本的に、沖繩地域におきます産業振興開発の重要な柱となると申しますか、沖繩地域における振興開発に非常に大きく寄与するもの、したがって、その事業というものが、ある程度公共性といいますか、沖繩地域沖繩県民全体に恩恵の及ぶような、できるだけ前広の対象事業である。それから第二点は、これらのある程度公共性を加味し、将来を展望してこれらの事業をやる場合に、当然、先生も御承知のとおり、その事業が当面直ちに収益性のあるものでございましたら、ざっくばらんに申し上げまして、公庫あるいは何と申しますか県策的なてこ入れをしなくても、おのずから民間の中のプロジェクトというものが盛り上がってしかるべきものでございますが、中長期的に見て当面は必ずしも経済採算に十二分には合致しないかもわかりませんけれども、冒頭、繰り返し申し上げますような、沖繩県経済の将来展望の中で非常に有益な事業である、しかし中長期的に見なければなかなか経済ベースには乗りにくいというふうなものについてむしろ積極的にてこ入れをして差し上げる、こういう非常に抽象的概念になりますが、そういった基準というものはおのずから設定さるべきであろうと、こう考えております。  したがいまして、実際にこれらの事業が、ある程度熟度に達しまして、実現を見るという過程におきましては、できる限り地場と申しますか、地元企業経済界方々が十二分に御相談をいただき、でき得れば私ども希望といいますか方針と申しますか、そういった公共的な調整をされた上で熟度の高いものということになりますと、勢い県を初め地元関係公共団体にも御参加をいただき、それにさらに公庫を通じてこれらの出資の御協力をすると、こういうふうな過程と御協力の仕方が最も望ましいのではないかと、先生の御質問に対してやや抽象めいて恐縮でございますが、当面そういった考え方でこの出資の活用を図っていくよう公庫に対しましても指導をいたしたいと思っておるわけであります。
  13. 二宮文造

    二宮文造君 答弁をいただきながら抽象的と断られると私も非常に困るのですが、ですから私の方から今度は具体的にお伺いしたいのですが、いま説明をいただいた公共性のあるものとか、あるいは収益性は薄くとも中長期的に展望が持てるものとか、あるいは地元企業、しかもそれに公共団体が加わっての事業というふうな説明を加味しますと、いわゆる第三セクターみたいなそういう関係出資対象としたいと、こういうお考えのようですが、純然たる民間資本民間企業も全く外すというのじゃないのでしょうね、その点どうですか。第三セクターはわかりました。
  14. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 公庫の今度の出資機能付与と、沖繩経済現況に照らして、私たちは、望ましいフォームといいますか、形としては、関係公共団体の御参加を積極的に期待しておるという意味では、御質問にございました第三セクターという方式が望ましいとは思いますが、端的にお答えしますと、それに限定をして第三セクター方式でなければ出資ができないというふうには考えておりません。
  15. 二宮文造

    二宮文造君 それから先ほど地元企業ということを特に言葉を使われたのですが、いま沖繩へ参りまして目ぼしいものを拾ってみますと、大体本土資本のあるいは本土資本が相当ウエートを占めた企業が非常に目につくわけです。そうしますと、今度この沖繩公庫出資対象になる事業ないし企業について、本土資本との関係はどうなりますか。そういう意味をも含めて先ほど地元企業という言葉をちょっとおっしゃったように思うのですが、本土資本との関係企業についてはどう考えますか。
  16. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 沖繩経済振興という目標の基礎的な条件といいますか、希望と申しますか、期待といいますか、あくまで主役は地場企業でございますから、われわれいつも使わせていただいています地場産業振興というのは、まさしく沖繩の県民の経済界の方が主体となって各種のプロジェクトを盛り上げていただくということにほかならないと思っております。しかしながら、これもまた余り厳密に本土のソフトウエアを含めた技術の導入なりそういったものを峻拒する、一切こういうものは排除するんだということになりますと、角をためて牛を殺すと申しますか、必ずしも本来われわれが希求しております地場産業育成そのものにもデメリットも生ずる事態もあろうかと思っております。しかし、私どもの気持ちといたしましては、あくまで第三セクター論も重複してくるわけでございますが、できる限り地元経済企業家の中で積極的に事業調整をいただき、そういった各般の御参加をいただいたものにわれわれが御協力をしていくというたてまえを原則にしたい。しかし、本土からのそういったあらゆる面における企業協力と申しますか、そういうものを絶対的に排除するということもいかがかと、こういうふうに思っております。
  17. 二宮文造

    二宮文造君 絶対的に排除することはいかがと思うと。私はもっと具体的にお伺いしたわけです。本土資本との関係企業についてはどうなさるおつもりですかと。現状としてもういまや沖繩では本土資本が牛耳っていると言っても間違いないような感じ、しかもそういう状況の中から見まして将来これは考えられる問題ですから、画然とやっぱり私は一線を引いておくべきだろうと思うのです。そういう意味でお伺いした。絶対に排除しないという方針ならば、資本構成率なんかで縛ってみますか。たとえばよくあります五十一対四十九というようなそういう資本構成比率、そういうところをめどに出資対象とするかしないかというふうなお考えを持ちますか、それとも、本土資本は絶対排除しないという考え方のもとに、過半数を占めているそういう合弁の企業でもよろしいということになりますか、その点はいかがです。
  18. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 将来この法律が制定された後に、実際の出資運用につきましては、公庫におきまして業務方法書を初め各般制度が準備されるわけでございますし、その中で公庫の方でいろいろと検討いただかなきゃならぬと思いますが、私の記憶が間違いでございませんでしたら、現在の北東公庫業務運用も、この出資に関して特に北海道以外の他地域からの出資を五一%禁止するというような規定はなかったかと思いますけれども沖繩の場合、私どもは繰り返し御答弁しておりますように沖繩地場産業振興というたてまえが基本でございますので、当然沖繩地場企業方々中心に、でき得べくんば関係公共機関等も御参加をいただくような事業調整にわれわれが御協力をするわけでございますから、先生が御質問になりました計数的なパーセントでどうこうということについては端的にお答えすることは非常にできかねるわけでございますが、その辺の意向と申しますか意味合いをおくみ取りいただければと考えるわけでございます。
  19. 二宮文造

    二宮文造君 公庫業務方法書ができると。だから公庫に何か全権をゆだねたような御答弁ですが、私はそれはそのままいただけません。やっぱり開発庁の方から、国の方から、指示をし、行政指導しながら、公庫運営とか業務方法書というのはできるわけですから、その大もとになるところでいま言ったような問題について明確な線がはっきりしておりませんと、これは私の心配するようなことになると思うのです。もし事務的に御答弁いただけないのだったら、政治的な配慮として大臣に御答弁をお願いしなきゃならぬと思います。
  20. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 先ほどから繰り返し御答弁をしていることに尽きるわけでございますが、公庫出資機能付与の本来の目的に照らして、地場産業振興という見地から地元経済界中心プロジェクト調整ができたものにつきまして原則としてわれわれは公庫を通じて出資を申し上げるということが原則でございますので、当初から、本土資本と申しますか、本土プロジェクトを、本土資本主体となって沖繩に待ち込むというふうな事業につきまして出資をすることを当面のわれわれの業務目標といいますか分野というふうには考えておらないわけでございます。
  21. 二宮文造

    二宮文造君 大分答弁が前進してきました。ほぼ了解できました。そして、これはもう申し上げても恐らくはっきりした答弁は来ないと思いますが、やっぱりそれを明確にあらわすのは私は資本構成比率だと思います。この点は先ほど申し上げたようによくのみ込んだそういう運営公庫指示をしていただきたい。大臣、その点について御答弁をちょうだいしたいと思います。
  22. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) 沖繩公庫機能の拡充でありますから、一日も早く沖繩経済自立でできるようにと、そういう意味から沖繩地場産業育成、これは相当広範囲なものが含まれておるわけです。そういう意味から、当然、沖繩振興開発に寄与するというこれが目的でありますが、しかしながら、先ほど来から幾つか苦しい答弁をしておりますが、いろいろな第三セクター等による一つの長期的あるいは短期的あるいはまた雇用の拡大と、こういう意味でそういう資本との提携と、こういう問題があり得るときには、いま御指摘の点は十二分に注意をして、あくまでもやはり地場産業中心とした物の考え方でいきたいと、こういうふうに思っております。
  23. 二宮文造

    二宮文造君 それで、公庫にせっかくおいでいただいているのでお伺いしたいと思うのですが、出資をする場合に、公庫としては、まだ業務方法書はできていませんからお考えで結構ですが、どういう機関を通して出資決定するか、その考え方をお伺いしたいと思う。たとえば、融資の場合、あるいは事業計画の変更の場合は、現在、運営協議会というものをお持ちですね。それでそこに諮問というかそこで諮って決定をするように聞いておりますけれども、この出資対象を決める場合に、公庫に何かやっぱり機関をつくっておやりになるつもりなのかどうか、この点お伺いしたい。
  24. 岩尾一

    参考人岩尾一君) お話でございますが、新しく出資機能をちょうだいした場合に、公庫内に何か出資だけを扱うような機関窓口をつくるかという御質問でございますが、それは……
  25. 二宮文造

    二宮文造君 窓口は当然でしょうけれども決定をする機関ですよ。
  26. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 決定をする機関も、特に設置するというつもりは私はいま持っておりません。私のいまのところの考え方は、先ほどお話がございますように、沖繩全体振興開発に役立つような企業で、しかも地元の御賛同を得られて、そうして公共的でないといけない。なるべく県とか市町村の出資のあるものについて、法律にもございますように現在の出資機能というのは補完作用でございますから、補う作用でございますから、そういうものが出やすいようにするというところに目的がございますので、県あるいは沖繩開発庁等意見、それから地元でこの点におきまして沖繩産業界の御意見等を聞いて、そうしてぜひこれにやってほしいというお話がありましたときに、それを窓口にして受け付けてそして開発庁と御相談をして出資をやりたい、こういうふうに考えております。
  27. 二宮文造

    二宮文造君 それからもう一つ、いま公庫事業計画四半期ごとにつくりますね、それで資金有効利用という関係でいわゆる流用をやりますね。そうすると、今度出資機能付与された。そして、その事業計画、まあ融資計画もある。一応出資限度は決められますけれども、将来そういうふうな対象事業が多くなる可能性も持っているわけですから、事業計画、いわゆる融資計画資金ですね、それと出資金との流用というようなことは考えられましょうか。私はちょっと考えられないのじゃないかと、限度も決められているし、考えられないのじゃないかと思いますが、確認意味事業計画における融資分野出資分野とが流用されるかどうか、これはちょっと確認意味でお伺いしたいと思います。
  28. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 融資分野出資分野との調整の問題でございますけれども法律的に申しますと、これは特に規制はないわけでございます。
  29. 二宮文造

    二宮文造君 できる……。
  30. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ええ、法律的に申しますと。しかし、たとえば予算総則とかあるいは法律では何も書いてございませんけれども、現在の予算のつくり方というものから見まして、添付書類等にもちゃんと区分けをして書いてございますし、それから法律にも、いま申しましたように、法律といいますか、出資とそれから融資の金額というのはこれだけだと これだけをつくって出資をしなさいというふうに予算ができておりますから、その範囲内を守っていくと、そういう意味公庫法にございます認可計画沖繩開発庁長官大蔵大臣認可を得て仕事をいたしますわけでございますから、その場合に予算で決まっております融資額とそれから出資額とを流用してやるんだというような認可計画を出しましても、それは開発庁なり大蔵省の方でとうてい御承認がありませんから通ることはないというふうに考えております。
  31. 二宮文造

    二宮文造君 それで、五十三年度の出資範囲、これはいま計画されているのですが、限度はどれだけですか。
  32. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 一億円でございます。
  33. 二宮文造

    二宮文造君 まず一億円から頭を出したということですね。本当にもう何と言うか今年度の効果というのはほとんど期待ができません。五十四年度以降です、これはどういうふうにお考えになりますか。
  34. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 先生指摘のように、五十三年度予算では、ただいま公庫理事長からも説明ございました一億円というのが計上されておるわけでございます。これは出資機能が今回初めて法案を御提案しましたように、公庫機能付与として提案申し上げた設立といいますか発足当初でございまして、実はこの一億円の対象事業も現時点においては一応白紙ということでもございますし、明年度以降につきましても今後沖繩地元におきましてしばしば御答弁いたしますようにそれぞれ各界の自主的な御努力によりまして出資に適するプロジェクト熟度が高まった場合におきましてはそれに即応しまして所要の枠を確保するよう努めていく所存でございます。
  35. 二宮文造

    二宮文造君 私は次に当面どのような企業への出資を想定されているか、検討されているかという質問をしようと思ったんです。ところが、いま先走って白紙でございますという答弁が来たので、そういう聞き方をしてもとても満足な答弁がいただけないと思いますので、私の方から具体的にこれは可能か可能でないかというふうな意味で問題を提起してみますけれども、御承知のように、県が株式会社に出資をしておりますのは、南西航空とか沖繩電力とか、それから琉銀ですね、それから宝くじの関係で第一勧銀ですか、こういうところに若干の出資をしている。それから今度は公社を持っておりますが、沖繩県の期待としては、現在ありますリゾート開発公社――沖繩観光関連するんですがリゾート開発公社、これはぜひともそういう出資対象に将来持っていってもらいたいというふうな気持ちを持っているのですが、このリゾート開発公社というのはそういうことになじむようになりますか、この点いかがでしょう。
  36. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 先生が御指摘のとおり、現在、県は、南西航空を含めた四株式会社、あるいはその他の公社、協会等に各般出資をされておるようでございますが、私ども考えておりますこの業務対象事業主務大臣認可を得て新たに今後追加すべき指定事業観光関連産業も当然考えておると申し上げたわけでございます。  ただ、私が聞いておりますのが間違っておりませんでしたら、現在、県におきましては、御質問にございましたリゾート公社の今後の運営につきましては、観光開発公社等いろいろ入り組みがございまして、今後これらの公社の再編整備をいま検討中であると、こういうふうにも聞いております。  それからかたがた、これも先生はよく御案内のことでございますが、沖繩海洋博が当時開催される直前においてこのリゾート公社の設立をめぐりましていわゆる第三センター論が沖繩の県議会を揺るがした事実を私は記憶しております。結果的にあのリゾート公社は現在出資対象は県と関係地元市町村のみでございます。今後私ども先生の御指摘のとおり沖繩地場産業の中の一翼を担う観光関連産業というものをどういう位置づけをしてどういう面に配慮すべきかという問題にも関連するわけでございますけれども、できるだけやはり私どもはそういうプロジェクト調整された暁には地元関係地場企業経済界も積極的に御参加になるような事業というものを考えたいという気持ちも率直にございます。  あれやこれや御答弁いたしましたが、そういったいまの現状でございますので、そういったものが十分煮詰まった段階において検討させていただきたいと、こういうふうに考えます。
  37. 二宮文造

    二宮文造君 もう一点。いまございませんけれども、県の考え方としては水産公社を将来設置をしていく、これもそういうふうな方向に御検討願いたいような意向を持っていますが、これはどうですか。
  38. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) これも、私どもが聞いております現状におきましては、現在糸満の地先の海面の埋め立てが造成中でございまして、これが完成した暁に、本土の漁船等を含めた一大漁業基地ということで水産加工団地を含めたそういう公社の構想があるやに聞いております。こういったものもまだかなりいろいろと問題点を含んでおりまして、それらの問題が煮詰まるのにはまだ熟度に距離があるように聞いておりますので、そういった問題を含めた見通しが立ちませんと、私どもとしてはいま直ちにこれがどうこうと言うことは差し控えたいと思います。  なお、先ほどの御答弁で若干補足させていただきますが、私ども地場産業に対する振興というたてまえからまいりまして、もっぱら主体が県策会社といいますか県だけが主体となっている出資公社、これはいわば行政公社に近い色彩がございますが、そういうものはやはりなるべく避けるのがよろしいのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  39. 二宮文造

    二宮文造君 適切な御答弁をいただいたと思うのです。県としても、そういうふうに、先ほど答弁の中にありましたように、この出資になじむように再編成とか、あるいは出資内容の変更とか、そういうものを加味しながらやっていこうという気持ちのようでもありますし、ですから、開発庁として、こういう方向だと、その熟度が高まってくる、そして待つという待ちの姿勢と、それからその方向を指示をしていただいて、その指示する方向にずうっと熟度を高めていくというのと、私は、やはり、指示を与える、方向性を与えるというそういうふうな明確な行政指導というものが現在の沖繩には非常に大事だと思うのです。地元で高まってきて、それに開発庁が乗っかる、公庫が乗っかるというのではなかなかむずかしい。こういうことであるならば応援しましょう、出資もしましよう、育ててもいきましょう、こうなりますと、固まる可能性が出てくる。ぜひそういうふうな姿勢で御検討をいただきたい、これをあわせてお願いをしておきます。  それから公社関係ではありませんけれども、すでにこの委員会で話が出たと思いますけれども、宮古空港ターミナル、これはもうすでに発足をしたようです。資本金が二億五千万、県が五千万、それから宮古市、南西航空、こういう出資で発足した、これをひとつ検討してもらいたいという機運もありましょうし、それから沖繩本島ですが、畜産振興のサイロ事業をやっていきたい、これもひとつこれになじむようにしたい。それからこれは現況が非常に設備が過剰になって直ちにどうかと思うのですが、いわゆる沖繩特産の糖みつのアルコール化ですね、この事業にもひとつそういう機能付与されないものだろうか。さらには、将来の問題になりますけれども、これも説明書の中にもありますが、沖繩周辺には全国で第三位の天然ガス、これが可能であると。ならば天然ガスの問題についてもそういうふうに出資機能になじむように持っていきたいと、こういうふうな意見がございますが、この個々の四つの問題については、可能性とか注意すべき点はどういうところなのか、お考えを聞かしていただきたいと思います。
  40. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 私、先ほど、一億円の出資の原資が新年度予算案に盛り込まれておるという前提で当面白紙と申し上げましたけれども先生の御指摘のとおり、沖繩現地におきましては、各般事業につきまして、それぞれの準備といいますか、検討段階には若干の距離の差はございますが検討されておることは、御指摘のとおりでございます。しかし、その中で、当面いま非常に検討されております中身で言いますと、御指摘のとおり、家畜の飼料コストダウンを図る見地から飼料穀物サイロの建設計画というのが非常に検討の対象に上がっております。これはやはり率直に申し上げまして、会社が設立された暁におきましては当然沖繩の畜産の振興にも資するところは大きいと私ども考えておるわけでございますが、これも内容をお聞きしたところ、関係企業のまだそれぞれの御調整、それから企業として当然施設を設置するわけでございますからその用地、端的に申し上げて那覇市の港湾埋立地を予定されておるようでございますが、そういった用地取得との関係における調整、これらのもろもろの調整がまだ十分煮詰まっていないと、こういう段階であるように聞いておりますが、今後そういった計画熟度が高まる場合には、私どもとしても当然慎重にこれらの問題にも検討をさせていただきたいと、こう思います。  また、御指摘のように、宮古の空港が今週ジェット化の整備が終わるわけでございます。そういったことで、現在宮古空港のターミナルビルの新設計画がございまして、これについても御指摘のように出資の御要望をいただいておるところでございます。あれこれございます中ではこの計画がやや現時点では熟度が比較的高い方の部類に入るのではないかと、こういうふうにも考えておりますが、今回お願いをしております法案の成立以後において十分検討させていただくことにいたしたいと思います。  それから糖廃みつの活用に関連したアルコール工場の問題がございます。この問題につきましては、地元においてかねてから分蜜糖工業会を中心にいろいろ御検討、御要望があるやに聞いておりますけれども、この問題の最大の問題点は、端的に申しまして、先生もよく御承知のことと存じますが、本土におきますここ十年前後のレンジを見た場合の長中期的なアルコールの需給の問題、これが現時点では必ずしもこれらのものを沖繩にいまに新設をするというほどの需給のショートが来していないと、こういう需給の問題、それからもう一つは製造コストとの関係等若干問題がございまして、当面はややこれは熟度としてむずかしいのではないか、こういうふうに考えております。  それから天然ガスにつきましては、これは地元におきます鉱業試掘権の権限を持っておられる方々中心に県の労働商工部等相集まられまして、これらの天然資源の活用、いわゆる天然ガスの都市ガス化というものを真剣に検討されておると理解をしております。ただ、この問題も、先般も若干私どもも調査をしたのでございますが、端的に申しまして、先生承知のように、沖繩本島を中心にした沖繩の都市ガスの普及率が非常に低い。そういったことで、結果的には九割程度がいわゆるプロパンガスの経営に任せられております。そういったこともございまして、いわゆる既存の企業と鉱業権者の方々との間の調整問題に加えまして、そういった都市ガス化の開発の暁における経営の調整の問題等々を含めて県としてはむしろ積極的に県の県策会社として設立したいという希望が非常に強いというように承っておりますので、現在せっかくそれらの問題の問題点の煮詰めと調整が行われている最中であると、こういうふうに理解をしております。
  41. 二宮文造

    二宮文造君 それで、ちょっと包括的な問題が一つ残っておりましたが、先ほど指摘しました十九条一の二に、冒頭に、「主務大臣認可を受けて、」と、こういう規定があります。それで以下何々と、こう書かれておりますが、参考資料としていただいた北海道東北開発公庫法では「主務大臣認可を受けて、」というのがございません。これは同じような性格の機関でありながら、一方では主務大臣認可を受けて、一方では先発した北海道東北公庫はそれがない。ちょっと法律自体に整合性がないのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  42. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 御指摘のとおり、北東公庫につきましては、法律上は確かに出資につきましての主務大臣認可規定がないわけでございます。ただ、結論から先に申し上げますと、北東公庫を除きましたと申しますか、最近設立をされていますこういった事業団的な制度を持ちました政府機関、たとえば立法例で申しますと日本開発銀行や日本道路公団等でございますが、最近のこういった事業団は、おおむね主務大臣認可出資等をかからしめておるのが通例ということに理解をしております。したがいまして、北東公庫を前提としまして、沖繩だけ特別に沖繩経済の特殊事情というふうな理由で認可制度にかかわらしめたわけではございません。  なお、冒頭繰り返しお答えしておりますように、出資対象事業が、当然、公共性があり、沖繩振興開発上必要があるもので、速やかには収益が期待できないと、こういう事業に対する呼び水ということを基本の考え方にしておりますので、公庫出資対象の選定に当たりまして、当然、対象事業公共性とか、地域開発に寄与する度合い等、総合勘案することもやはり必要ではなかろうかと、こういったことで主務大臣認可ということにいたしておるわけでございます。
  43. 二宮文造

    二宮文造君 いや、私は特殊事情としてそういう決めがあるというような問題提起をしているのじゃないんです。法律そのものに整合性がないじゃありませんかということです。だから、北海道東北開発公庫だけがこういうふうになっているのなら、これを直すべきじゃありませんか、それは関連が違いましょうけれども。それはそういうふうに直すように意見具申しますか、どうです。
  44. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 先生承知のように、北東公庫は戦後非常に古くできた公庫でございまして、法律上おっしゃるように確かに出資認可システムはございませんけれども出資ということの性格から、いわゆる財産の取得その他いろいろ関連をしてくるわけでございますが、事実上そういった総合的な基本にかかわる問題はすべて主務大臣認可にかかわらしめるということになっておるわけでございまして、実体上は何ら変わりがないと、こういうふうに私は理解をしております。
  45. 二宮文造

    二宮文造君 実体が変わらないことは承知していますよ。だけれども法律は実体の前に体裁が要るじゃありませんか。実体があるから体裁のそろわないようなものはやはり法律としては好ましくないじゃありませんか。
  46. 吉川元信

    説明員(吉川元信君) 北海道東北開発公庫は昭和三十一年に設立されまして、そのときに出資機能付与されているわけでございます。したがいまして、前例がないということでもございますし、二十年以上前の法制でございます。ただ、実際上の運営におきましては、北海道東北開発公庫におきましても、十分主務官庁と協議をして、ほぼ主務大臣認可にかかわらしめているのと同様の運営がされていると、かように伺っております。
  47. 二宮文造

    二宮文造君 内容関係ありませんから、このことで余りやりとりするつもりはありませんけれども、要するに法律の体裁として整合性がないということを指摘しておきます。  次に、沖繩開発公庫業務についてもう少しお伺いしたいのですが、沖繩公庫状況は四十八年の三月に資金の占めるシェア、これが一五・一%であった、それが順次ずうっとシェアが広がってきまして五十二年の九月度では三二・五%と、きわめて大きなシェアを占めて重要性が年々加味している、これはそのように認識をします。そこで、先ほどちょっと触れましたが、公庫の場合は、いわゆる本土の一銀行六公庫ですか、その機能を一元的に果たしていくということでそれぞれの資金間の流用が認められておりますけれども流用する場合の手続とかそれから基準考え方ですね、それをあらまし説明いただきたいと思います。
  48. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ただいま先生のおっしゃいましたように、沖繩金融公庫というのは本土の一行六金融公庫機能を一元的に持たせていただいておるわけでございますけれども、そのお金は、予算参考書にもございますように、それぞれの銀行あるいは公庫資金別に掲記をいたしまして、そして事業計画をつくっておるわけでございます。これは本土のほかの政府関係機関にもいろいろ違った例もあるのでございますけれども、あらゆる資金を全部一本にいたしまして事業計画一本で予算書を作成しておる政府金融機関もございますし、それから農林公庫のように細かく分けましてつくっておる公庫もございます。この資金の中でどういうふうにお金を振り分けていくかということは、これは本来は各公庫の自由でございます。ですから、ほかの金融公庫で申しますと、たとえば国民金融公庫でございますと、国民金融公庫予算書に書いてあります総額何ぼという金額の中でどういうふうに自分のところのお金を使うかということは自由でございます。ところが、私のところは、いま申しましたように、一行六金融公庫機能をもらっておりますので、それぞれに産発資金とか中小企業資金とか農林資金というふうに各公庫資金を引き受けた形で予算書をつくっております。したがって、その予算書に書かれております資金の間の流用といいますか使い分けは、これは先ほど申しましたように、毎四半期ごと主務大臣認可を得る事業計画にはっきりと掲記をいたしまして、それを変更する場合も主務大臣認可を受けると、こういうふうになっておりますので、認可を受けながらその間の資金調整をやっていくと、こういうふうにしております。
  49. 二宮文造

    二宮文造君 その主務大臣認可を受けるための四半期ごと事業計画ですね、これはどういうふうにしてお決めになるのですか。そこに先ほど言った運営協議会の議を経てというような規定はあるんですか。その点どうでしょうか。
  50. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 先生の申されました運営協議会は、重要な事項を審議するということでございまして……
  51. 二宮文造

    二宮文造君 具体的にはどういうことですか。
  52. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 具体的には、大体、まあ事後的になることもございますけれども、報告あるいは御説明をしておりますけれども、必ず運営協議会の議を経なければならないということはございません。
  53. 二宮文造

    二宮文造君 運営協議会の性格とか何かは、それはどういうところにあるんですか。
  54. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 運営協議会は、先生も御承知かと思いますけれども沖繩復帰沖繩金融公庫設立されましたときの金融公庫法の附帯決議で、地元意見を十分によく聞くようにというふうな附帯決議がございまして、それに基づきまして一月ぐらいたった後の閣議決定でこういう協議会をつくろうと、そうして沖繩金融公庫に関する経営の健全性と地元の意向の反映ということを目的につくりなさい、こういうことでございます。
  55. 二宮文造

    二宮文造君 そうでしょう。健全な経営ということよりも、地元の意向を聞きなさいということがその主眼でしょう。そうしますと、四半期ごと事業計画を策定したり、あるいは変更したりする、これはきわめて地元に対して影響の強いものじゃありませんか。それを運営協議会に諮らない、ただ事後報告で済ませるというのは、つくっておきながら、上の方へほうり上げて体裁だけ整えて中身が伴わないという、結果として地元意見が反映されないということになりませんか。また、設置の趣旨に反しませんか。
  56. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ちょっと私の答弁がまずうございました。実際には全部かけております。ただ、私が申しましたのは、運営協議会で必ず四半期の計画をかけなければいけないというふうにはなっていないということだけを申し上げたわけでございます。
  57. 二宮文造

    二宮文造君 それでは、五十二年の第四・四半期の事業計画の策定、これは変更ありましたか。主務大臣認可を得る第四・四半期の事業計画というのはお出しになりましたでしょうね。
  58. 岩尾一

    参考人岩尾一君) はい。
  59. 二宮文造

    二宮文造君 それは運営協議会はいつ開いたですか。また、主務大臣認可を受けるために提出した期限はいつですか、その計画書を。
  60. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ちょっと正確なところを私記憶しておりません。
  61. 二宮文造

    二宮文造君 提出と運営協議会の開催と、どちらが先ですか。
  62. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 先生の御指摘運営協議会の基本的な性格と権限の問題に関連するわけでございますが、本来政府の私の方から御答弁すべきでございまして恐縮に存じておりますが、ただいま公庫理事長から御答弁がありましたとおり、本来公庫の基本的な事項について十分地元意見を聞くということはまさしく先生の御指摘のとおりでございますが、法的に制度として公庫事業資金計画等を含めた事項について運営協議会の議を経て主務大臣認可をするということにはなっていないわけでございます。したがいまして、理事長から御答弁もございましたけれども公庫運営協議会の開催時期等それぞれのいろいろな状況もございまして、原則としては次期資金計画の確定の前にお諮りする場合もございますし、年度末等の第四・四半期は、私の理解が間違いでございませんければ、やはり年度末になりましていわゆる各般の修正その他も出てまいりますので、結果的に次の機会に御報告をするということもあるわけでございます。
  63. 二宮文造

    二宮文造君 大臣ね、いまの公庫運営のことについて頭の中にとめておいていただきたいと思う。それで、これから私が申し上げる各資金の間の流用の問題について改善をお願いしたいと思うわけです。  たとえば五十二年度の資料はございませんので五十一年度の資料でお伺いをするわけですけれども、結論として農林漁業の方から住宅に五十億円資金流用されましたね。それから中小企業資金から十七億円、農林漁業の方から三億、それから医療資金の方から六億、それから環境衛生資金の方から十六億、合わせて四十二億を産業開発資金の方に流用しましたね。これはそのとおりですか。
  64. 岩尾一

    参考人岩尾一君) そのとおりでございます。
  65. 二宮文造

    二宮文造君 その理由をお伺いしたい。
  66. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ただいま申しましたように、公庫本土の一行六公庫機能を持っておりますので、それぞれの金融機関の持っております資金を全体としてまとめてちょうだいいたしておるわけでございます。それで、予算作成時にはそれぞれの目的に合うようにその資金が使われるというふうに積算して予算を計上しておるわけでございますけれども、実際に年度が進んでまいりますと、なかなかそのとおりにはお金が使われない、あるいは申込が少ないという場合もありますし、ある場合には多いという場合も出てくる。それぞれ資金間に異動がございます。また、これは経済全体の動きにも関連をするわけですけれども、そういったことにも関連して動いてまいります。  そこで、いま申しましたような資金間の流用につきましては、ちょうど五十一年のときに、いま申されましたような農林資金あるいは中小資金等におきましてかなり申込が少のうございまして資金がはけないという状況になってまいったわけでございます。一方、産業開発資金の方は、従来からCTSが行われるということでかなりそういう見込みで予算を計上しておったのでございますけれども、ちょうど五十一年のときには県の方の消防法の認可がなされるかどうかということに非常に疑問がございまして四十億だけ最初の予算のときに計上しておったわけでございます。それがだんだん年度の終わりに近づきまして県の方で認可をするという様子がはっきりしてまいりまして、そして、認可をすれば融資をしなければならないという状況になりました。片方でお金が余っておりますし……
  67. 二宮文造

    二宮文造君 日にちの件はよく考え答弁してくださいよ、後で食い違いますよ。
  68. 岩尾一

    参考人岩尾一君) はい。ということで、片方でお金が余り片方でそういう必要が生じたということで流用をいたしたわけでございます。
  69. 二宮文造

    二宮文造君 この流用決定したのはいつですか。
  70. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 流用といいますのは、実際にお金を出した日でございますか、貸付を決定した日でございますか。
  71. 二宮文造

    二宮文造君 だって、ここにちゃんと出ているじゃありませんか。おたくの方の資料で何々から資金流用と、こう書いてあります。
  72. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 資金流用は、実際には、いま申しましたように、主務大臣認可を得た日が流用を許された日という……
  73. 二宮文造

    二宮文造君 ですから、認可を得た日はいつですか。
  74. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ちょっと手元に資料がありません。
  75. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 開発庁及び大蔵主務官庁で事業計画の変更の認可をいたしましたのが三月の十九日でございます。
  76. 二宮文造

    二宮文造君 五十二年ですか。
  77. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 五十二年の三月十九日でございます。
  78. 二宮文造

    二宮文造君 そうですね。それで、いま公庫の方から御説明いただいて、申込がなかったと。申込のない分については、冒頭に私も言ったように、資金有効利用、いわゆる何といいますか不要額に計上しないで有効利用を図るという意味流用はわかるんです。ところが、傾向をたどってみますと、四十九年度は中小企業資金は財投の追加が五十五億円、それからさらにその上農村漁業から三十七億円を中小企業の方へ回しているんですね。それほど需要があるわけです。それから五十年度も、財投の追加が三十億中小企業にあった、それから農林漁業の枠の方からさらに二十億円、この年も五十億円ふやしているわけですね、中小企業の方に。ところが、五十一年度については、本当に資金に困っている中小企業資金貸付の方から逆に産業開発資金の方へ流用しているわけですね。これは状況としては私は違うと思うのです。申込がなかったと。事実ありませんでしたか、申込が。
  79. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 私の申し上げましたのは、申込といいましても、その年度に借りたいということで、実際に資金需要と申しますかお金が出ていくような申込が少なかったということでございまして、先生のお手元にも資料はあるかと思いますけれども、毎年度毎年度の申込受付件数というのがございます。それは毎年翌年度に繰り越されるものもございますし、その中で実際に審査をして貸付決定に至らないというような対象もございますし、そういう関係もありますから減ってくるという場合もあるわけでございます。その数字だけで必ずふえておるというふうには言えないわけでございます。
  80. 二宮文造

    二宮文造君 それでは、ちょっと開発庁の方にお伺いしますが、私がちょうだいしているこの資料です。要するにこういう形式になっているわけです。一つは「事業計画」、年度別に事業計画として、それから貸付計画が右に出て、それからその次に事業計画の当初計画、最終計画、実績、それから計画達成率と、こう出ていますね。この実績というのは、貸付を決定した金額でしょう、こう理解してよろしゅうございますね。  それからもう一つ別途「五十一年度各資金の申込件数と額及び貸付件数と額」と、こういう資料をちょうだいしておりますが、これは出てくる申込受付というのは、その年度の申込受付でしょう、その年度の。それからその右に出てくる貸付決定というのは、その年度のいわゆる決定した金額でしょう。そうですね。ですから、あなたのおっしゃるような資金が要るとか要らないとか、来年貸してもらってもいいんですというようなことはこの資料の中には全く出てこない。あなたの方は、資金が遊んでいたら流用するんだと、こうおっしゃるのですか。――ちょっと待ってください。それでもう一つ具体的に申し上げますが、たとえば中小企業資金貸付というのがここには三つになっています。生業資金貸付と、恩給担保貸付と、それから中小企業資金貸付と、これを三つ合わしてこちらの表にある中小企業資金貸付に含まれていると思うのですが、これを見ますと、申込は、合計しますと二百六十七億八千五百十四万四千円、こういう申込金額になるわけです。そして、その貸付決定の方は二百二十八億七千二十五万四千円。決して十何億も流用できるような、申込がなかったというデータはこの数字が示す限り出てこない。もちろん私もわかります。申込されたものが全部貸付するというものではない、こういう答弁が返ってくると思いますが、しかし、私もいろいろ皆さんに状況を聞いてみますと、最初からだめなものは大体公庫は受け付けてくれないらしいです。窓口ではねられているらしいです。ですから、相当にこれは融資を受ける可能性のある、しかも希望の非常に強い件数であり金額であろうと思うわけです。それが二百六十七億八千万円、こういう数字が挙がっていながら、決定されたのは二百二十八億、結局ここに四十億のダウンがある。一方、この資金が余りましたということで産業開発資金の方に十何億ですか、流用されている。こういうことは、私はやはり中小企業の圧迫につながらないだろうか、こういう心配をするのですが、この点を御説明いただきたい。
  81. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ただいま先生のおっしゃいました表でございますけれども、おっしゃいましたように、生業、中小、環衛でございますかを足したものの申込件数というのは実際に非常にふえているというお話でございますね。ところが、その表でちょっとごらんいただきたいのですけれども、たとえば農林漁業資金貸付というのがございます。千百八十六件ですか、これが貸付決定では千二百七件になっております。それから一番大きいのは住宅資金貸付でございますけれども、一万二千五百六十三件が七千百二十八件になっております。住宅資金の方は、これはもう御承知のように、最初に募集いたしましたときに立候補いたしますと、もう全部申込になってしまうわけでございます。実際にはお金は三回に出てまいりまして貸付決定をやっていくわけでございますから、翌年にずれていくわけでございます。そういう関係でおくれている。それから農林漁業の方も行政庁の選認定に関連をする貸付が多うございますので、申込がございましても翌年にずれていくというのがたくさんあるわけでございます。私の申しましたのは、そういったずれといま先生のおっしゃったようにその本体自身が審査の上で対象になるかならないかという話と両方あって、実際の申込件数と実績というのは見合わない。そこで、私らは、内部で資金需要というのが――本省の資金需要でございますね、資金需要がどれくらいあるかというのをその都度とっております。とっておる資料に基づいて、中小資金の方は余るではないか、農林資金は余るではないかという判断をいたしまして主務大臣の方に事業計画認可を申請しておる、こういうことでございます。
  82. 二宮文造

    二宮文造君 私はそういうふうに聞いていないんです。たとえば農林漁業資金の最初の事業計画をつくる場合に、もうすでに四十八年から経験があるわけです、何年かはね。そして、これだけの枠は要らないんだけれども、一応一たん枠を落としちゃうとあとなかなか組みにくいから、これだけは組んでおいて、もう当初から流用を予定して漁業のあれは組むんだと。ですから、毎年農林漁業資金は他の方面に流用されているわけです、決して余ったからとか資金的にゆとりがあったからということじゃなくて。私が心配しているのは、中小企業資金や生業資金の貸付の申込がないほど沖繩の人たちは資金はゆっくりしていないんです。非常に苦しんでいるんです。御存じだろうと思いますけれども沖繩は模合というのがありましてね。銀行はなかなかなじまない。だから、危険度は承知の上で模合で営業資金をつくり出していこうというような苦肉の策、これがあるわけですよ。したがって、この表を見た限りでは、中小企業資金から産業開発資金資金流用する。そのかげには中小企業融資が相当に狭められたのではないかという心配がこの表からは出てくる。そこで、先ほども言いました運営協議会というものをもう少し活用をして、恐らく運営協議会の議にかければそういうような流用は相当にクレームがつくと思います。そういう作業をサボっていて、サボってということは悪いですが、運営協議会というものが決められておりながら、そういう機関をつくっておりながら、それを余り重要視しない。そして、中小企業資金産業開発に向けていく。結局、弱い者が資金に苦しむという、もう公庫を頼るよりほかにないそういう人たちが困るのではないかという心配を私は提起しているわけです。この点ひとつ……。
  83. 岩尾一

    参考人岩尾一君) いまのお話はまことにごもっともでございまして、実際に沖繩におきましてもいま申されたような現況にあるわけでございます。しかし、実際の中小資金の全体の資金の中での流用の問題につきましては、いまちょっと先生が笑いごとで農林資金のことを申されましたように、全体の枠というものがかなり私らから申しますとゆったりとつくられておる……
  84. 二宮文造

    二宮文造君 中小企業も。
  85. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 中小企業も。そういうことがございますので、いま申しましたような必要な資金窓口での積み上げ作業というものをやりますと、実際にはこれだけの資金が使い切れないという状態になるわけでございまして、その金を産発の方に回したということでございまして、決して御要望のある中小資金を貸さないで、そしてそれを抑えて産発の方に回したということは絶対にございません。
  86. 二宮文造

    二宮文造君 では、データで、私もう一遍お伺いしますが、中小企業資金が全体にゆっくりと事業計画が持たれていると、こういうお話でございますが、これは生業資金と恩給担保と中小企業とこれを一緒にして計算をしてみますが、よろしいですか。四十九年度は、申込件数を合計しますと七千三百五件で、三百七億四千二百五十五万七千円の申込金額です。反対に、貸付決定の方は、六千六百三十六件で二百五十二億何がし。この間にも申込金額と貸付決定したその差は五十五億円出ております。それから五十年は、七千九十六件の申込で二百七十八億四千五百六十一万何がし、貸付決定が六千六百九十四件で二百四十八億三千五百四十三万何がし、ここにも申込金額と貸付金額の間に約三十億円の差が出ています。中小企業資金の枠が優にこの事業計画の中に組まれているという説明は、毎年こういうように各項で削られていっているわけですから、これは私はちょっといただけぬ説明だと思うのですが、いかがですか。
  87. 岩尾一

    参考人岩尾一君) いま先生の申されましたのは申込受付金額と貸付決定金額との開きを申されておられるわけで、これは先ほど来るる申し上げますように、その年度内に申込受付のあった件数あるいは金額というものをそのまま集計をする、それから片方で今度は別途貸付決定をした金額をその年度内のものを全部集計するというわけでありますから、申込受付を受けてそしてその年度中に貸付決定をされたというものが大半でございますけれども、全体がそれではない。そこで繰り返されるものも出てくる。それから先ほど私申しましたように、申し込まれましてもたとえばいろいろな条件が不備なためになかなかお貸しできないということのために査定をされるものもございますから、申込受付件数と貸付決定件数の開きだけで中小資金が非常に逼迫しておるというふうには申されないかと思います。
  88. 二宮文造

    二宮文造君 おかしいですよ。私は資金の動きでどうこうと言っているのじゃないんです。事業計画とそれから決定とこの間の数字を並べているんですから。あなたはその金が来年に出るとか出ないとか、そういうことを私は言っていないんです。だから私聞いたんです、この年度に申込のあった件数でこの年度に貸付決定をした分でしょうと。だから、この右と左は見合う数字なんです。見合うというのは、同一条件で右と左の数字が出てくるわけです。四十九年度に申込を受け、四十九年度に貸付決定した。あなたの言う、お金が次に出るとか出ないとか、来年に回るとかというのは議論になっていないんです、いま。私は、これほどに要望はあるんですよと。しかも、決定をしたのは五十億とか三十億とか少ない金額しか決定しない。だから、あなたのおっしゃる、中小企業関係資金がゆっくりとした枠を持っているというようにはこの数字の中からは受け取れませんと言うんです。ましてや、産業開発資金の方に流用されるほどのゆとりはないのではないかというわけです。
  89. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 資金間の流用の問題に絡んでの御質疑でございますので開発庁としてもお答えをいたしたいと思うのですが、私、先生公庫理事長の御討議を聞いておりまして私から御答弁いたしたいと思いますのは、先生の確かに御指摘のように、たとえば四十九年度のこの申込受付と貸付決定は、たとえば生業で申しますと、五千九百七十四件、百五十一億の申込がありまして、貸付は百二十一億、まさに先生のおっしゃるように件数も金額も落ちているわけでございます。しかし、私の理解が間違いでございませんでしたら、先生も御理解いただけると思いますが、三月末まで次々と貸付の申込はあるわけでございます。その申込があったものについて、三月中に申込があればすべて三月中に決定するということには必ずしもならないのではないか。そういう審査のアローアンスがございますから、先ほどからしばしば公庫理事長が申し上げますように、たとえば三月に申し込まれたようなものがこの中で五、六百件あると私は聞いておりますけれども、それはやはり必然的に四月以降の決定ないし資金融資にもなる。公庫事業計画資金運用のアローアンスとしてわれわれはそれは当然のことである、こういうふうに考えております。
  90. 二宮文造

    二宮文造君 それはだめですわ。ずっと毎年そうですもの。毎年申込件数よりも決定件数が少ないんですから。前からずっとずれてきているんですから。  私はこれが云々ということじゃないんです。重要なのは、産業開発資金流用されるということがこれから出てくるかもわからぬので、もう歯どめをしておきたい。したがって、運営協議会というものをもう少し活用をし、そして、要するに地元意見というものが吸い上がっていくような事業計画あるいは流用計画をおつくりになるべきではないかということを指摘したいがゆえに、過去三ヵ年の問題を取り上げてきたわけです。  それで、もう時間がなくなってきましたので、問題は金武湾のCTSのところにお金が行ったわけです。しかも、この五十一年には産業開発資金は二百四十五億円、そのうちの五三%、百三十億円が沖繩石油基地株式会社に行ったわけです。先ほど説明のあった中小企業から流用された、あるいは農林漁業から流用されたものも、あわせてこの沖繩石油基地株式会社に行ったわけです。これはもう時間がありませんのでできませんが、先ほど公庫の方から県が認可をした段階融資というふうな話が出ておりましたが、表(オモテ)の上から出ている数字はこうなっているんです。県が沖繩石油基地の増設建設計画認可したのは五十一年の六月二十二日、それから会社から公庫への百三十億円の融資の申込は五十二年の二月の一日、決して、あれですよ、県の認可を待っていて融資したのじゃないんです。認可が先、表(オモテ)に出ている融資の申込は二月の一日、八ヵ月おくれての融資の申込、そして申込を公庫決定をされたのは五十二年の三月の二十二日、流用決定されたのも同じく三月の二十二日、そしてその貸付契約をされたのが三月の二十五日資金の交付が三月三十一日と、きわめてうまくいっていますよね。合計百三十億円の融資がこんなにスムーズにいっています。申込の決定と同時に流用決定流用決定と同時に契約、契約と同時に資金交付。もちろんその前があるんでしょう。それからそれに一役買いまして通産省がこういう企業に対しては融資を推薦いたしますというのを出されたのが五十一年の六月の二十一日、これはしかし包括的な推薦です。そして、具体的に石油基地株式会社に対する融資を推薦されたのが五十二年の三月十八日。ですから、余りにもこれは仕組まれた――こんなにスムースに貸付が決定するものか。やはりこの辺、運営協議会というものを相当に軽視されているのじゃないか。――もう答弁は要りません。これは言い分もありましょうが、時間がありませんのでね。  ですから、私はここで大臣にお願いしたいのですが、公庫融資に当たっての公庫業務とそれから運営協議会との関係をもう少しシビアに行政指導をして、少なくとも、私の言うような、まあ疑いと言いましょう、私の疑問と言いましょう、そういうものが公庫融資に持たれないように、厳しくまた公平に行政指導していただくというお約束をちょうだいしたいわけです。
  91. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) いま石油備蓄問題に対する融資問題が取り上げられたわけでありますが、私は、これは国策であると、こういうふうな関係から、地元の了解、地元が御理解をちょうだいできるならば、これは融資をすることにはいささかも問題はないと、こういうふうに解釈をいたしております。しかしながら、この融資によっていささかでも沖繩の中小企業が圧迫されるとか、圧迫された事実があると、こういうことになりますと大変ゆゆしき問題であると、こういうふうに私は申し上げておかなきゃならぬと思います。今後におきましては、できるだけ運営協議会を活発に活用いたしまして、いささかも疑問のないような運営をさせてまいりたいと、こういうふうに思っております。
  92. 二宮文造

    二宮文造君 それで、もう一つ沖繩の石油基地株式会社に五十二年は幾ら融資されていますか。いまのは五十一年ですね、百三十億。五十二年は……。
  93. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 約五十億でございます。
  94. 二宮文造

    二宮文造君 五十三年はどうですか、これから始まるやつは。何か申込か期待が出ているでしょう。
  95. 岩尾一

    参考人岩尾一君) 百二十七億の見込みでございます。
  96. 二宮文造

    二宮文造君 大臣がおっしゃった石油備蓄は大事なことだと思います。そのためにまた国の資金を使いたいというのも当然のことだろうと思いますけれども、それはそれ。そのために、一方に、少なくとも流用という言葉が余りよろしくない。流用というのは余ったからこっちへ流すというんでしょう。こういうのはやっぱり用語の関係なんかもあれするし、それから少なくともそういう疑問が出ないように先ほど大臣が注意をしていくということでそれを了として、私は次の質問をさしていただきたいと思うのです。  もう時間がありません、一、二問で終わりたいと思いますが、要するに四十七年から五十六年にかけての沖繩振興開発十ヵ年計画というのが現に進んできました。そして、五十一年の十月二十七日に中期展望も明示されました。それから県自体としては、五十三年の二月に振興計画の課題と施策というもので総括をしております。要するに、この振興開発計画中心的な議題は、平和で明るい豊かな県づくりと、こういうスローガンを掲げて、まず第一に本土との格差の是正、第二番目には技術的発展の基礎条件整備と、こういううたい文句で十ヵ年計画が進んでいるわけですが、残念ながら、格差の是正ということも、たとえば県民所得でとってみますと、四十九年は七一%、五十年は七五・一%とやや上向いてずっと来たわけです。ところが、五十一年は残念ながら六九・六%、四捨五入して七〇%、こういう本土との格差になっている。これは恐らく海洋博後の落ち込みということでこうなっているのですが、海洋博のときに財政的なてこ入れがありました。それでぐっと県民所得も持ち直してきました。しかし、その後の落ち込みがこういうふうに本土に比べて七〇%を割る県民所得に落ち込んできたということは、やはりその第二の柱である自立発展の整備が進んでいないということだろうと思う。また、現実に倒産の状況を見ましても、それからまた本土に大体三倍するような失業状況を見ましても、やはりここで相当にてこ入れをしなければならないと、こういう状況を経過の中から見るわけですが、そこで、非常にラフな提案の仕方で恐縮なんですが、いわゆる第一次産業、第二次産業、そういうものに労働力を吸収するまだそれだけの活力がない。したがって、ここで、沖繩に限って、大胆な提案ですよ、公共事業十ヵ年計画みたいなものを明示して、そういうもろもろの問題、ひいてはそれが自立発展の整備に役に立つようなことにもなろうかと思うのですが、一つには雇用問題の解決の方向に、一つには経済自立整備の問題で、公共事業の十ヵ年計画みたいなものを持たれて対処されていくのが必要じゃないかと思うのですが、この点はどうでしょう。
  97. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) お答えいたします。  先生ただいま御指摘ございましたが、私ども沖繩公共事業費、あるいはそれを含みます沖繩振興開発事業費、これにつきましては、先生も御承知のように、昭和五十六年度までの十年間の総合計画でございます沖繩振興開発計画、これに基づきまして本土との格差是正あるいは沖繩自立的発展の条件整備、これを目指して具体的には毎年度の予算におきましてその事業予算化していく、それで実行していると、こういうわけでございます。ただ、これを各事業別に見ますと、先生も御承知のように、道路五ヵ年計画であるとか、あるいは治水、港湾その他各事業ごとにそれぞれ五年ないし十年の長期計画がございます。これらの長期計画の策定段階あるいは予算計上の段階におきましては、私ども地元あるいは関係の各省庁とも十分調整をいたしまして、この振興開発計画趣旨に沿ってバランスのとれた振興開発になるよう、こういうことでこれまでもいろいろ努力をしてきたわけでございます。先生指摘の長期的な展望あるいはバランスのとれた発展と、こういう点、形の上では先生指摘のとおりにはなってございませんけれども、そういう点も十分配慮いたしまして今後進めていきたいと思っております。
  98. 二宮文造

    二宮文造君 私はあなたに答弁してもらおうとは思わなかった。ですから、そういうふうに振興計画でやってきたけれども、現況としては一たん持ち上がってきた県民所得が本土との格差が広がったじゃありませんかと。それからまた失業率にしたって、本土は二・四なのに沖繩は下がったとはいってもまだ五・六でしょう。幾らあなた方は計画を持ってきたと言われても、またそのとおりにかさ上げをしてきたと言われても、現況が追いつかないんだと。これを何とか最初のうたい文句である本土との格差の是正、それから自立経済の基盤を整備する、こういうところに持っていくためにはもう一つ上積みをしたものが要るのじゃないかという政治的な答弁大臣にお願いしてこれを終わろうとしたわけです。やっていないとは言っていない。やっているけれども追いつかないから、かさ上げしてもらわなければ困るという話を申し上げたわけです。大臣、ひとつ、それで終わりにします。
  99. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) 復帰本土との格差是正ということで積極的な施策を取り組んでまいったわけですが、いかんせん五年、六年目を迎えておると、こういうふうな関係から、今年度は特に、まあ本土も同じことでありますが、他の地域を上回る大幅な公共投資に踏み切ったわけであります。そういう意味から、公共では道路、港湾、その他下水、こういったものは大体本土の水準に達しておる。しかしながら、学校施設であるとか、あるいは福祉関係であるとか、あるいは水資源対策、こういったものはやっぱりここしばらくのうちにできるだけ実現をしてまいらなきゃならぬ。いまいろいろの雇用関係自立経済と、こういうことの御指摘がありましたが、私もやっぱりそのとおりだと思っております。そういう意味から、今度の公庫のまあわずか少なかったわけですけれども公庫機能拡充といったことも、沖繩経済自立、こういうことに役立てばと、こういう考え方で今度の機能拡充を御審議をちょうだいしておるというようなわけであります。ただ、結論的に申し上げますと、実は沖繩の問題につきましてはそれではその枠はどこに置いてあるのだと、こう言われると大変まずいのですが、今後は、いま御指摘の十カ年計画ということについては、ここでこれを直す気持ちはありません。現在の十カ年計画はやはり具体的に逐次進めてまいりますが、しかしながら、予算化をここでふやしていくということについては、私は御指摘の点には十分おこたえはできるものではないかと、こういう意味から、一日も早く本土との格差の是正を図るということは、これは当然行政の責任でもあり、また政治の責任でもあると、こういうふうにお答えを申し上げておきたいと、こういうふうに思います。
  100. 二宮文造

    二宮文造君 終わります。
  101. 稲嶺一郎

    ○稲嶺一郎君 沖繩振興開発金融公庫法の一部改正とそれに関連した問題につきまして御質問をいたしたいと存じます。  今回の金融公庫法の一部改正、一億円の出資の点につきましては、私ども年来ずっと期待をしていたのでございまして、これによって沖繩の伝統工芸並びに地場産業が盛んになるということをわれわれは期待いたしております。これが十分に機能を発揮することをわれわれとしては願うものでございます。先般、稻村長官が伝統工芸の問題について話をされたのですが、奄美大島においては二百億円、それから石川県では五百億円、ところが沖繩においては陶器、織物等々をみんな合わしても三十五億円しかないということをお伺いいたしました。沖繩としても何とかして石川県並みに持っていかれないか。そうなると、現在サトウキビでもやっと三百億円ぐらいにしかならないということで、沖繩の基盤産業と同じくらいかそれ以上のものに持っていける可能性があるのじゃないかということも感じますので、ただ、この際考えなければならないのは、なぜ沖繩の方が三十五億円にとまっておるか。これは生産の方に欠点があるのか、あるいはアイデアに欠点があるのか、また流通機構に欠陥があるのか。そういったものを総合的に勘案をして伝統工芸の発展策を講ずべきじゃないか。そうすることによって発展が期待されるのじゃないか、ただ比較をするだけじゃ何にもなりませんので、その点をさらに一歩を進めまして具体的にこれが発展することをひとつこの際お考えいただきたい。  時間がありませんから続けますが、それから先ほど亀谷局長が発言をされたのですが、糖みつによるアルコールの点ですが、この点については私は見解を異にしているのでこれも申し上げておきたいと思います。私は、糖みつからアルコールにするという問題については、これは積極的に推進すべきだという考え方を持っております。戦前におきましては、沖繩においては糖みつからアルコールをつくったのでございます。ところが、アメリカの統治の間これはだめになってしまった。ところが、復帰をした段階において本土においてはアルコール産業が相当なところまで来ていた。だから、これがアメリカの占領におけるところの落とし子みたいなものなんで、これについては私は政府は責任を負うべきだというふうに考えております。せっかく砂糖ができるし、糖みつができる。この副産物から新しいアルコールをつくるということは、私は、政府として当然とるべき施策であるし、この点振興開発計画の中に入れるべきじゃないか。  もう一つの問題ですが、泡盛の件でございますが、この前もこの問題が出たのですが、私は前から古酒をつくるべきだということで関係省庁の方ともこの点においては話をし、開発庁においてもこの問題を幾たびか提起をしたのでございますが、若干は進展は見られるのだが、しかし大した進展は見られぬ。私はいろいろな方々に聞くのですが、泡盛の古酒というのはすばらしいものだと、ウイスキーよりも非常にいいんだということがあるし、またロシアのウォツカなんかよりもはるかに上だという方もあるんで、もしこれをパリの品評会に出す場合においては、あるいは丸谷さんがもらわれた銅賞よりももっと以上のものがもらえるのじゃないかという感じもしますので、ぜひ開発庁においてもこの泡盛をパリの品評会に出すような努力をひとつ考えていただきたい。これは政府としてはそれほどむずかしい問題じゃないと思うので、ひとつお願いしたいと思います。  それからこれは金融公庫の総裁にお伺いしたいのですが、いま二百海里が問題になっている。それで将来恐らく南方において沖繩との水産による合弁事業が生まれる可能性があるのじゃないか。と申しますのは、戦前において向こうには約七万ぐらいの沖繩の人間がいる。これが現在でも非常につながりがあるし、向こうの方からぜひ合弁をやってくれという提案があるし、私の方にもそれは来ております。だから、そういう場合において、開発金融公庫資金が利用できるかどうか、また、利用できる線において御検討を願いたいというふうに考える次第でございます。  そういうことで、いま前向きの姿勢でいろいろな問題を盛り上げたのでございますが、この一億円という金はそう多くはない。しかし、これは毎年毎年追加されると思いますが、ぜひ積極的に伝統工芸と地場産業を盛んにするという線において御検討を願いたい。これについての長官初め関係方々からの御答弁をお願いいたします。
  102. 亀谷礼次

    政府委員亀谷礼次君) 伝統工芸の全般の問題につきましては改めて大臣から御答弁を申し上げたいと思いますが、ただいま御提案ございました問題に若干触れましてお答えをいたしたいと思います。  先生も御指摘のように、沖繩の伝統工芸の生産額が、最近の統計でございますと、やはり三十億弱ということで、まさしく、大島つむぎが鹿児島県の本島分を含めても四百億を超えておるという数字、あるいは石川県の伝統工芸産品の生産額に比べましてきわめて微々たるものであるということは、御指摘のとおりでございます。いろいろ問題はございますけれども、やはり何といいましても基本的な問題は小規模な零細企業が多いということ、それから経営基盤が脆弱で労働生産性がかなり低い、しかも流通機構が未整備と、こういったいろいろな問題があるわけでございます。ただ、御指摘のように、今後は当然伝統的な工芸品に対する需要が伸びることが予想されますので、観光資源としての重要な役割りもありますから、開発庁としましても、開発計画に基づきましてそれぞれ協業化、共同化等の経営の合理化の指導、デザインの研究開発、後継者の確保等の分野公庫資金その他行政サイドで積極的に手を差し伸べていくつもりでございます。従来進めております離島振興を絡めました共同利用施設の建設を助成しておりますとともに、新しく新年度には伝統的工芸展の開催等も私どもの手で施策を推進したいと、かように考えておるわけでございます。  アルコールの問題につきましては、御所見もございましたが、御趣旨は十分私どもも理解をしているわけでございますが、しばしば御答弁申し上げますような市場における需給の問題やコスト等なお問題があるというふうなことを承っております。  それから泡盛の問題につきましては、先生の御造詣の深い御所見を承ったわけでございますが、近年その需要が本土にも非常に広まりつつあるということで私ども喜んでおりますが、御案内のように、泡盛の近代化といいますか構造改善といいますか、私の見ておりますのでは、品質と品種を統一しまして定量の古酒が広く市場に流通機構に乗って流れないことにはなかなかこれ以上の飛躍はむずかしいのではないか。その場合、私の承っておりますところでは、県内における業者がこれまた小規模零細で非常に多くて、なかなかその企業調整がむずかしいという議論も若干残っておるようでございますけれども先生指摘のように非常に御熱心な企業の先達の方もございますので、今後私ども公庫その他各般の面で御援助できる面は積極的に対応してまいりたいと、かように考えているわけでございます。
  103. 岩尾一

    参考人岩尾一君) ただいまお話しの水産関係で南方との合弁会社等をつくって水産事業振興させたいという御意見で、その場合に公庫の方で貸せるかどうかというお話でございますけれども、そういった合弁会社がどういうお金を必要とされますかということによって違ってくるわけでございますけれども、一般的には、たとえば先ほど質問のありました中小企業資金等でございますと、やはり日本法人ということを非常に強く意識いたしまして出資割合は五〇%以上というようなことでないと日本法人というふうには認めないというふうな規定がございまして、現行はすらりと全部受けるということにはなかなかお答えにくいのでございますけれども、御趣旨は大変結構だと私は思いますので、できるだけ実現するように努力をいたしたいと思います。
  104. 岡田広

    委員長岡田広君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  105. 岡田広

    委員長岡田広君) 速記を起こして。
  106. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) アルコールの問題ですが、この前の委員会のときに丸谷委員から御指摘をちょうだいいたしまして、これは古ければ古いほど値打ちがあり味がある、そのためには金融措置を必要とすると、こういう御指摘がございましたので、いまの公庫制度のあり方からいって融資の道を開くということにはなかなか困難だろうと思いますが、沖繩の特別事情をしんしゃくしてその方向を見出すようにと、こういう指示をいたしました。  それから伝統工芸の問題でありますが、私は、沖繩の伝統工芸というのは、また私のことを言っては大変恐縮ですが、石川県の漆器から見れば大変すぐれておる点が多い、大変りっぱなものがあると、そういうふうな意味から、伝統工芸全体を見ても五百億以上である、沖繩の場合は三十億前後であると、こういうふうな関係から、どこに原因があるかというと、やはりこれに参画する沖繩の人たちも、積極的に自分が自立をしよう、自分のものを開発をしながら販路を広めようという、こういう一つの姿勢にもぜひひとつなっていただきたい。政府としましては、沖繩の特殊事情を勘案して、たとえば流通機構に対するところの指導援助、あるいはまた展示等々に対しても援助を加えて、そして沖繩の伝統工芸というものが本土と一味も二味も違うという、こういう線がまず本土にも、あるいはまた諸外国と申しますかそこへも大きく普及をして、そして沖繩地場産業の中でも特に古い歴史的な伝統工芸というものを栄えさせていくということが大変雇用の拡大につながっていく、こういう認識に立って、今度の沖繩公庫機能拡充もここに大きく寄与させていきたいと、こういう考え方を持っております。  地場産業については、先ほど来からお答えをいたしたとおりであります。
  107. 稲嶺一郎

    ○稲嶺一郎君 第二点目は、何度もこれは委員会で申し上げるのでございますが、海洋博の跡利用の問題でございます。  これは時間がございませんのでお答えは要りませんが、ただ、私どもが海洋博の問題を最初に論じたときにこういう話をいたしました。沖繩のいろいろな施設が南部の方に集中しておる、北部の方はだんだん過疎地帯になる、ひとつ沖繩本島を北部と南部と両方発展するように考えようじゃないかということで北部の本部の方に海洋博を持っていったのでございますが、その後の跡利用の問題につきましてなかなか進捗はしない、まあ公園の方は着々進んでおりますが。それで、私がぜひ要望したいのは、大浜先生の場合に国際交流の場にしようじゃないかということでずいぶん御熱心でございましたが、その点において何か国際交流の場にするということについてはどこかに置き忘れたような感じがするし、それから私がASEANセンター構想をぶち上げて前の藤田長官から前向きの御姿勢で御意見をお伺いしたことがございますが、その後まだどういうふうになっているかわかりませんし、それからいまある人たちによって北部レクリエーション構想を持っておる方々もおる、これについては開発庁の方においてもすでに御存じだと思いますが、こういったような大きな構想をぜひ実現するように前向きの姿勢で開発庁の方で取り組んでいただきたい、これだけ要望し、ておきます。  それで、次には沖繩のテレビ回線の料金問題について御質問いたしたいと存じます。  これはもう時間がないから読み上げますが、御存じとは存じますが、テレビ回線の料金問題は私は復帰の積み残しの問題じゃないかなという感じをいたしております。本件は、電電公社が料金を回線運営センターに対して一括請求している現在のシステムの中での回線センター内部の料金割り振りの問題としてとらえるのではなく、あくまでも郵政省並びに電電公社サイドの政治的問題であるという立場でございます。沖繩のテレビ二社が現在の負担している回線料は、民放八十九社中、東京の親局を除けば、単純比較でありますが、全国一の高額料金となっております。さらに、四月一日以降全国的に実施される平均三四%の値上げは、もとの料金が高いだけにその支払い総額は本土各局の約三倍にはね上がろうとしております。この高額負担は、直接地元の宮古、八重山、南北両大東島を中心とした未視聴地域からのマイクロ回線の早期設置という強い要請に対して、あるいは北部の山岳地区の難視聴地域の解消にブレーキとなり、もはや地域住民の要求の解決は絶望的な感じさえしております。四十七年の十月三十一日の閣議決定におきましても、沖繩本土より隔絶された認識に立って、沖繩開発基本構想の中で「沖繩のもつ遠隔性、隔絶性を除去する為通信ネットワークの整備をする」とうたっております。本件に対して郵政省当局はどうお考えになっているか、お尋ねしたいと存じます。
  108. 神保健二

    政府委員(神保健二君) 沖繩に対する通信ネットワークの整備につきましては、先生指摘のように、その必要性、重要性というものは私ども十分承知いたしておるわけでございますが、沖繩復帰以来、マイクロ回線の増設を初めといたしまして、海底同軸ケーブルの敷設など通信設備の整備拡充ということをいろいろ努めてきたわけでございますが、沖繩の持つ遠隔性とか隔絶性にかんがみまして、今後ともさらにより一層の整備拡充を図るよう電電公社を指導してまいりたいと存じておる次第でございます。
  109. 稲嶺一郎

    ○稲嶺一郎君 次に、現行の料金体系につきましてお尋ねします。現在、公社は回線センターに対して料金を一括請求するシステムを採用しており、これを受けてセンターが沖繩の二局を除く八十七社に対してプール制を前提とした料金割り振りを行っております。しかしながら、沖繩二局に対しては余りにも遠隔地であるために、つまり東京-鹿児島間の約二倍の距離にあるために、センター内部の好意から一社当たり月間九十万円の特別援助を受けてはいるものの、体系の基本であるプール制の恩恵を享受できないまま今日に至っております。先般、私と沖繩二社の代表者が郵政大臣それから電電公社の総裁等にお会いいたしましてるると現在の、実情を説明したのでございます。その後、承りますると、回線センターにおきましては本問題検討のために小委員会を設置したというふうに聞いております。この点、私としては小委員会を設置して検討することに対しては深く高く評価するものであります。しかしながら、私としては、現在の鹿児島までの料金については問題がなく、本件の起因するところはあくまでも鹿児島以南のことだと理解しておりますので、鹿児島-沖繩間の料金に対しては特別に別途公社サイドで検討すべき筋の問題ではないかと思っています。このことが、沖繩二局のために、残り八十七社に対して迷惑をかけずに、またセンター本来のプール制の趣旨が従来どおり円滑に生かされ、解決するものであると確信しております。この点について公社のお考えをお伺いしたいと思います。
  110. 西井昭

    説明員(西井昭君) お答えいたします。  ただいま先生からもお話のございましたとおり、沖繩のテレビ料金に関しまして、回線運営センターでこの扱い方について小委員会を設けられまして検討しておられるところでございます。公社といたしましても、この料金問題が円満にこの小委員会において解決されることを期待しておりますところでございまして、われわれもその検討の内容を慎重に見守りながら側面からできるだけの御協力をさしていただきたい、このように考えている次第でございます。  ただ、そのほかに公社の電話料金の話が出てまいりましたが、これはただいま先生からのお話のございましたとおり、公社が回線運営センターに対しまして請求しております料金と個々の民放各社がお払いになっておられる料金というのは現在のところ一応まあ無関係ということになっておりまして、これは一本の専用線にたくさんの社が共用してお使いになっておりますテレビ専用線の性格からまいっておるところでございます。仮に公社といたしまして料金体系を変えたといたしましても、民放各社でつくっておられます現行の分担の割り振りをお変えになりません場合には、結果的には同じことになると申しますか、無関係でございますので、そういう性格を持っておりますので、私といたしましては、先ほど申しましたとおり、回線運営センターにおきまして沖繩料金特別小委員会というものを設けられまして検討を進めておられるところでございますので、先ほど申しました趣旨で慎重に見守ってまいりたいと、このように考えている次第でございます。
  111. 稲嶺一郎

    ○稲嶺一郎君 最後に、この問題につきまして政務次官にお伺いいたしたいと存じます。  沖繩二局の実態は先ほど申し上げたとおりでございますので、その点十分に御理解いただきまして、鹿児島以南の特別料金の設定からの検討、あるいはそれ以外での東京-沖繩間の十区制度による解決方法等、非常に複雑な要素が多々あるとは存じますが、わが国の放送文化の均てんを守るという大きな見地から、再度郵政省当局の方におきましては政治レベルでこの問題を解決いたされまして沖繩の要望が通るように善処されんことを期待するのでございます。
  112. 宮崎茂一

    政府委員(宮崎茂一君) 稲嶺先生お話は十分理解できます。私も鹿児島でございまして非常に遠いということから、これは話が違いますけれども電話料金は非常に高いということもございますし、十分わかるわけでございます。ただいま電電公社並びに私どもの監理官から回答いたしましたけれども、郵政省といたしましても、いろいろこの問題はむずかしい。御存じのように回線センターといういわゆる民放相互間の問題でもありますし、また電電公社の料金体系の問題でもございます。なかなか郵政省といたしましても直接にすぐ介入してどうこうという問題とはちょっと縁が遠いように思いますけれども、しかしながら、お話しのように、全国民がテレビを見れるように難視聴の解消の問題、そういった問題につきまして、前向きでNHKやあるいは電電公社その他を督励をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
  113. 稲嶺一郎

    ○稲嶺一郎君 ただいま政務次官初め郵政省、電電公社等の御意見をお伺いいたしまして前向きの姿勢でこの問題を取り上げるということを聞きました。ぜひその線でこの問題の解決に当たってもらうように要望する次第でございます。  次に、教育の問題についてお伺いいたしたいと存じます。  昨年の十月に、沖繩県教育委員会の定例会議で、大浜委員長が、学力の低下の責任は一体どこにあるんだということを話をされました。家庭や行政にも責任はあるが、最大の責任は学校現場にあり、この点をもっと打ち出すべきだと述べて、これが沖繩の教育界それからまた家庭内においても社会の大きな教育論争のもとになっております。時間がないから余り触れませんが、私はこの点について特に文部省の方にお話をしたいのは、高校進学率が低いこと、あるいは中学浪人が多いこと、それから国立琉球大学の入学者が非常に少なくなっていること、特にここで問題になるのは中学教員の国語科の問題ですが、今度県内の方から一人の合格者も出ていないということで各界に非常なショックが生まれているし、今後恐らく沖繩の教育の問題についても大きな問題を提起するのじゃないかと、そういうことがございまして、私は、この際、だれが悪いとか、教師が悪いとか、父兄が悪いとか、社会が悪いとか、こういったことは言いたくありません。この際は、この現実を踏まえて、お互いに謙虚になって、文部省の方も、県の方も、父兄の方も、それから教師の方も、一緒になって、現実はこうなんだと、これは一体どういうふうにすれば打開できるんだということで取り組んで結論を出してそしてそれを実行に移す、開発庁においてもその点を十分踏まえて沖繩の教育の問題を考えていただきたいということを私は要望したいのでございまして、答えは要りません。  それで、私一つ提案があるんですが、教育というものは、その人間の持っておる特性というものを十分に引き出すという問題と、それからその地域社会というものを発展させるという二つの要素があるのじゃないか。その意味におきまして私は沖繩の人間を考えてみる場合に、こういう例があるのを知っております。実は戦前において沖繩の漁師がシンガポールにいた。そのとき、大きな排日運動が起きて、日本人がもう家の中から一歩も外に出られない。ところが、沖繩の漁民の連中はシンガポールで漁をして魚をとってきて堂々と市場に行って魚を売っている、こういう実情がございます。それから南洋群島におきましても、南洋の人たちと一緒になっていろいろな仕事をやってきた。これはほかの国民の中に簡単に入っていくという非常に特徴を持っている。こういうものを生かすということが今後の南北問題解決に日本人としての一つの大きな打開策になるのじゃないか。こういうところを生かすような教育をやるということが大事じゃないかということを感じます。  それからあと一点でございますが、これで終わりますが、先生の資質の向上の問題でございます。二十何カ年という異民族の支配という点もありましたし、それから学校の教職員の資質の点も私はあるのじゃないかと思っております。その点において、研修の問題もございますし、あと何年かたったらこの研修制度をひとつやめようじゃないかということもございますが、しかし、この点につきましてはもっとむしろ積極的に研修制度を活用して、あるいは本土における研修はもちろん、外国の方にも派遣をいたしまして、できるだけ目を大きく開かせる。そして、国際的なよその方から沖繩を見る、その見た目でもって沖繩における教育をやる。どうも、現在の沖繩の方を見ていると、みんなが非常に小さく固まっている。いまから六十年ぐらい前にはなかなか偉いのがおりまして、今後は五大州だというようなことでもってハワイに移民を引き連れていったようなのもおります。ところが、現在においては、何か海に親しむのもこわいぐらいのえらい小さなものになった。現在泳ぐのも非常に少なくなっておる。われわれのときなんかには大体五、六歳ぐらいからみんな海に入っていたものです。ですから、そういうふうな小さくなりつつあるところの沖繩の若い諸君というのをどうすれば大きくできるか。今日まで、約十七、八万人ぐらいの沖繩の人間が、あるいはハワイ、あるいは北米、あるいは南米等に行って、非常に広い視野からものを見るようなことがあったんだが、だんだん小さくなってきつつある。これは私は沖繩の将来のために非常に寒心にたえない次第でございますので、私がいま申し上げたところをよく御勘案の上、文部省におかれましても、それから開発庁におかれましても、ぜひこれを御参考にされながら沖繩の教育の問題に対しても取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、時間が足りませんので、きょうはごく簡単でございますが、これで私の質問を終わりたいと存じます。
  114. 岡田広

    委員長岡田広君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  速記をとめてください。   〔速記中止〕
  115. 岡田広

    委員長岡田広君) 速記を起こしてください。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  116. 岡田広

    委員長岡田広君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  117. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 ただいま可決されました沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。    沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。  一、沖繩振興開発金公庫運営については、地元の意向を十分反映させるよう努めること。  二、公庫融資については、住宅、農林漁業、医療、環境・衛生資金、とくに中小・零細企業向け資金を十分確保するとともに、利用しやすいよう利率及び手続き等について特段の配慮をすること。    なお、資金流用については十分注意を払うこと。  三、公庫出資及び債務保障を行うに当たつては、立地条件を踏まえた、伝統工芸を含む地場産業振興開発及び雇用の拡大など、県民生活の向上につながるよう十分配慮すること。   右決議する。  以上でございます。委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  118. 岡田広

    委員長岡田広君) ただいま丸谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  119. 岡田広

    委員長岡田広君) 全会一致と認めます。よって、丸谷君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、稻村沖繩開発庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。稻村沖繩開発庁長官
  120. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村左四郎君) ただいまの附帯決議につきましては、十分その趣旨を尊重いたしまして努力をいたします。  なお、沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について御可決をいただきまして、ありがとうございました。
  121. 岡田広

    委員長岡田広君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 岡田広

    委員長岡田広君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時八分散会