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1978-03-03 第84回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年三月三日(金曜日)     午前十時一分開議  出席分科員    主査 藤田 義光君       加藤 六月君    金子 一平君       村田敬次郎君    毛利 松平君       阿部喜男君    大原  亨君       土井たか子君    瀬野栄次郎君    兼務 上原 康助君 兼務 井上 普方君    兼務 後藤  茂君 兼務 田中美智子君    兼務 大成 正雄君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 服部 安司君  出席政府委員         郵政政務次官  宮崎 茂一君         郵政大臣官房長 河野  弘君         郵政大臣官房電         気通信監理官  江上 貞利君         郵政大臣官房電         気通信監理官  神保 健二君         郵政省郵務局長 神山 文男君         郵政省電波監理         局長      平野 正雄君  分科員外出席者         外務省アメリカ         局安全保障課長 丹波  実君         大蔵省主計局主         計官      角谷 正彦君         自治省行政局振         興課長     矢野  始君         日本電信電話公         社総裁     秋草 篤二君         日本電信電話公         社総務理事   長田 武彦君         日本電信電話公         社総務理事   玉野 義雄君         日本電信電話公         社技術局長   前田 光治君         日本電信電話公         社営業局長   西井  昭君         日本電信電話公         社業務管理局長 浅原 巌人君         日本電信電話公         社計画局長   福富禮治郎君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締役         社長)     板野  學君     ————————————— 分科員の異動 三月三日  辞任         補欠選任   石橋 政嗣君     大原  亨君   兒玉 末男君     土井たか子君   瀬野栄次郎君     山田 太郎君   河村  勝君     小平  忠君 同日  辞任         補欠選任   大原  亨君     石橋 政嗣君   土井たか子君     阿部喜男君   山田 太郎君     有島 重武君   小平  忠君     河村  勝君 同日  辞任         補欠選任   阿部喜男君     兒玉 末男君   有島 重武君     坂口  力君 同日  辞任         補欠選任   坂口  力君     瀬野栄次郎君 同日  第一分科員井上普方君、第三分科員田中美智子  君、大成正雄君、第四分科員上原康助君及び後  藤茂君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十三年度一般会計予算  昭和五十三年度特別会計予算  昭和五十三年度政府関係機関予算  (郵政省所管)      ————◇—————
  2. 藤田義光

    藤田主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  昭和五十三年度一般会計予算昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算郵政省所管について説明を聴取いたします。郵政大臣服部安司君。
  3. 服部安司

    服部国務大臣 郵政省所管会計昭和五十三年度予算案につきまして御説明申し上げます。  まず、一般会計でございますが、歳出予定額は、二百二十三億三千四百万円で、前年度予算額に対しまして、十五億九千五百万円の増加となっております。  この歳出予定額には、昨年十二月に打ち上げられた実験用通信衛星及び本年度に打ち上げが予定されている放送衛星を利用した実験を初めとする宇宙開発推進に必要な経費三十億四百万円、新海底同軸ケーブルシステム開発のために要する経費二億九千万円及び総合的電気通信施策の強化、放送行政推進などの経費が含まれているほか、国際協力推進するための経費を計上いたしております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出予定額ともに三兆一千百四十四億四千六百万円で、前年度に対し一千八百五億五千万円の増加となっております。  この歳入歳出予定額の中には、業務外収入及び支出が、一兆一千五百五十四億七千八百万円含まれておりますので、これを差し引いた郵政事業運営に必要な歳入歳出予定額は、一兆九千五百八十九億六千八百万円であります。これは、前年度に対し五百八十億九千四百万円の増加となっております。  なお、歳入におきまして、昭和五十三年度で見込まれる郵便事業の単年度収入不足額三百七十六億円は、借入金をもって措置することとしております。  歳出予定額におきましては、重要施策としております郵便局舎等建設予算を、一千二十七億円計上いたしておりまして、これは、前年度に対し百三十三億円の増加となっております。  また、安定した郵便業務運行を確保するために必要な経費郵便貯金簡易保険の増強と利用者サービスの向上を図るために必要な経費職場環境改善等に必要な経費などを計上いたしております。  次に、郵便貯金特別会計でありますが、歳入歳出予定額ともに、三兆一千六十九億一千九百万円で、前年度に対し四千百三十三億二千八百万円の増加となっております。  次に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は三兆百二億八千二百万円で、前年度に対し三千六百十三億八千二百万円の増加となっております。  歳出予定額は、一兆四千五百七十八億四千三百万円で、前年度に対し二千五百十八億一千五百万円の増加となっております。  また、年金勘定歳入歳出予定額は、二十四億四千万円となっております。  最後に、日本電信電話公社予算案につきまして御説明申し上げます。  事業収入につきましては、三兆五千五百七十億円で、前年度に対し一千四百九十二億円の増加となっており、事業支出は三兆二千三百一億円で、前年度に対し二千二百九億円の増加となっております。  建設投資の額につきましては、一兆六千百億円といたしております。これにより、加入電話百六十万加入の増設を行うとともに、三千五百万を超える加入者を擁する電気通信網維持改善に特に配意することといたしております。  この建設投資及び電信電話債券償還等に必要な資金は、二兆二千四十二億円となりますが、その調達につきましては、内部資金で一兆三千六百三十六億円を、加入者引き受け電信電話債券設備料等による外部資金で八千四百六億円をそれぞれ予定いたしております。  なお、外部資金のうち、財政投融資は四百八十億円を予定いたしております。  以上をもちまして、郵政省所管会計昭和五十三年度予算案の概略につきまして、御説明を終わらせていただきます。
  4. 藤田義光

    藤田主査 以上をもちまして郵政大臣説明は終わりました。     —————————————
  5. 藤田義光

    藤田主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく簡潔にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
  6. 大原亨

    大原(亨)分科員 電話自動化ですが、これはいつから始まっていつ自動化が完了するのか、現在、自動化達成率というのか、普及率というのか、大体何%か、最初にお伺いいたします。
  7. 福富禮治郎

    福富説明員 お答えいたします。  電話自動化が始まりましたのは、これは御存じのとおり、はるか古い関東震災の後でございましたが、自動化の終了は、五十三年をもちまして全国磁石局は全部自動化する予定でございます。
  8. 大原亨

    大原(亨)分科員 それから、全部の国民世帯に対しまして、電話普及しておる率は何%ですか。
  9. 福富禮治郎

    福富説明員 いまの加入電話世帯普及率でございますが、正確にはちょっとむずかしゅうございますが、大体ことしをもちまして百世帯当たり住宅電話で申しまして七十程度になるという予定でございます。
  10. 大原亨

    大原(亨)分科員 いまの数字以外に、商業用というのですか、事業用があると思うのですが、それは別にいたしまして、電話はいまやほとんどの世帯普及いたしておるわけです。したがって、これはぜいたく品でもなければ、もう生活に密着をいたしておるわけですね。  そこで、それであるだけに、最近、料金問題で何とかならぬか、内訳がわからぬかという議論がありますが、私は、きょうは時間が限られておりますから、具体的な問題で、しかも全国的な国民関心のある、地域におきましての関心のある問題を取り上げまして、住民サービスを向上させる、こういう観点で一つの問題を提起いたしたいと思います。  というのは、電話料金決め方なんですが、この料金決め方は、どういう考え方で、いっそういう方式を始められたか。自動化普及に伴いましての料金決定の仕方を……。
  11. 西井昭

    西井説明員 お答え申し上げます。  電話料金決め方でございますが、電話サービスを開始いたしましたのは明治の当初でございまして、当時は、市内通話を均一にし、それから市外通話距離に応じた料金にする、こういうことでずっとまいってきております。  この考え方はずっとその後続けてまいってきておったわけでございますが、変遷の歴史を持ち出すと非常に長くなりますので、簡単に申しますが、電話料金体系が一番大きく変わりましたのは、広域時分制という制度昭和三十七年にいたしましたときに一番大きく変更いたしたわけでございます。それまでは市外通話は三分三分制度でございましたのを、その制度実施によりまして、単位料金、当時は七円でございますが、七円の単位料金をもとといたしまして、距離に応じて秒数を調整する、したがいまして、簡単な会話ですと七円で済む、そういう料金に改正をいたしました。その後若干の変動はございますが、原則的にはその料金体系を維持しておりまして、一昨年の料金変更のときに単位料金を十円にした、こういうのが大体の経緯でございます。
  12. 大原亨

    大原(亨)分科員 距離別時間差法というのですか、広島市の電話帳、重くて全部持ってこられないから一部だけ切って私は持ってきましたが、それを見てみますと、距離別時間差法でやっておるといいましても、たとえば同じ広島市の合併地域を含めての考えですが、可部町というところと阿佐町というところがあるのですが、そこは十円で八十秒、それから広島市のやはり合併地域で戸山とかあるいは阿戸というのが、これは安芸地区で、東の方のずっと離れたところですが、そういう遠いところは十円で三分間かけられる。片っ方は十円で八十秒。同じ地域内で、自治体行政区画の中で遠いところでも十円で三分かけられる。約二倍半、そういう料金の差があるわけですね。  これは私が調べておりましたら、距離基点のとり方にもよるわけですけれども、しかし広島市の中心部基点にいたしましてとりましても、そういう点で不公平になっておるのではないか。住民の側に立ちますと、そういう問題は随所に出てくると思うのですが、やはり全国をいろいろな方式で、原則でやる際に問題が起きてくることはわかるわけですけれども、同じ行政区域内でそういうことが起きておるということは、たとえば同じ生活単位料金に二倍半の差があるというのは問題ではないかというふうに思うのですが、どう考えておるのですか。
  13. 西井昭

    西井説明員 お答えいたします。  ただいま先生のおっしゃっておりますことを、少し敷征いたしますと、まず当初、われわれの電話料金といいますのは、市内通話市外通話というものに分かれておりまして、広島の例をとりますと、以前は広島市は一つ加入区域、それ以外の各市町村とは別の加入区域でございまして、広島からそういう遠いところにおかけになります通話市外通話として扱っておりましたところでございます。  それに対しまして、先ほどお話し申しましたように、三十七年に距離別時間差法という料金体系を採用いたしまして、そのときに広島市とそれからその広島市の周辺でございます安芸郡との一体制をするということのもとで、その二つを合わせまして単位料金区域というのを設定いたしまして、そうして、その当時は広島市内通話は時間に制限なく七円でございましたが、広島市と安芸郡の各町との間の通話を準市内通話制度ということにいたしまして、一律に六十秒七円、こういう料金体系にしたわけでございます。  この後、昭和四十四年に近距離通話値下げを行いまして、旧広島市と安芸郡の各町の同じ単位料金区域内を準市内通話制度という制度を設けまして、これを六十秒七円から八十秒七円に料金値下げをしたわけでございます。  さらに、昭和四十七年の十一月には、広域時分制実施いたしまして、画期的な通話料金体系の是正を行いまして、単位料金七円で通話できる範囲加入区域から単位料金区域まで広げまして、これによりまして旧広島市と安芸郡の各町相互間の通話を八十秒七円から三分七円に値下げをした、こういう歴史的経緯をたどってまいったわけでございます。  その結果、当初は広島市と別の町でございました市町村のうちで、ただいま先生がおっしゃいましたように、十町村が広島市と同じ単位料金区域になりまして、三分十円という最低料金通話ができるように改善になったところでございます。  ただ、いまおっしゃいましたように、安佐町とそれから可部町それから白木町は、これは安芸郡の外でございまして、単位料金区域の外になっております。したがいまして、この地域からの旧広島市への電話といいますのは、隣接区域内通話料ということで、ただいまおっしゃいましたように八十秒七円、こういう料金をちょうだいしておるところでございます。
  14. 大原亨

    大原(亨)分科員 私の主張は、やはり生活圏とか経済圏同一である場合には同一方式料金でやるべきではないかという原則です。  あとの対策については、もう一回郵政大臣を含めて議論をしたいですが、もう一つ広島市の電話帳をめくってみますと、広島市内でありながら市外電話局番を回すところが大体十三カ所あるわけです。いまの話の中でちょっと反論があるのですけれども、十三カ所あるのです。たとえば広島市の中で可部とか安佐よりもさらに近いところで、もうこれはベッドタウンになって広島市と全部一緒ですが、八木というところがあるのです。ここは〇八二八七三。それで電電公社出身の大下君という県会議員がおりますが、絶対これは直してくれといつも言っている。〇八二八七三という局番で今度ストレートに四けたがあるわけですね。これが市内局番なしに市外局番一本で長い。これはなかなか覚えられやせぬ。間違う。一つ間違ったら、どれでもそうですけれども、これは大変なんですね。  それから、たとえば安古市の局番もあるし、あるいは白木町、白木町にも井原、三田と二つあるし、これは遠いところですから料金も高い。安芸祇園というところがあって、そこには広島市内市外局番なしのところもある。安芸祇園というところには、市外局番で〇八二八七という市内局番をやってかける、こういうのがある。阿佐町というところは〇八二六七。阿戸というところは遠いところですけれども三分十円、〇八二八五。こういうふうにずっと十三あるわけです。  それで、市外局番が十三ありまして、全部合計いたしますと一つぐらい多いのですけれども、しかし一つぐらい多いにいたしましても、組み方というものが頭に入ってまいりませんと、これはなかなか不便なんです。     〔主査退席村田主査代理着席住民サービスから言えば非常に不便なんです。だから、そういう局番については、市外局番を非常に近いところでもずっと昔のままで放任しておいて自動化しておるものですから、住民立場から見れば非常に問題があるのじゃないか。これは市外局番決め方市内局番の整備の仕方というものについて一定の方針があるのかどうか、こういう点を私は住民立場から、これはかなり議論されている問題ですけれども、どういうふうに考えておるかお聞きしたい。
  15. 福富禮治郎

    福富説明員 お答えいたします。  いま先生のおっしゃられました市外局番問題というのは、ナンバーリングプランと申しまして、通信においては非常に重要なポイントでございまして、ことに自動通話というものは番号によって接続し、番号によって料金を課金していくわけでございますので非常に重要な点でございます。  それで、ちょっと仕組みを申しますと、まず一つは、料金の点でございますが、先ほど営業局長がお答えいたしましたように、この料金区域というのを、外からつなぐために識別していかなければなりません。そしてその番号がございます。それから一人一人の加入者のところまでつないでいくという必要性があるわけでございます。しかし、いま先生のおっしゃいましたように、非常に長いところと短いところがあるということがございまして、一つには料金問題等関係のない番号はできるだけわかりやすくしていこうというふうに現在考えております。  それで、先生のおっしゃられました広島市で例をとりますと、広島市内というのは、市外局番が八二二でございまして、あとは全部市内局番になっているわけでございますが、広島市の中におきましても、旧市町村は、いまおっしゃられました八木というところは八二八七三というような形の長い番号になっております。そういうことでございまして、こういうことをできるだけわかりやすい番号にするべく研究しておりまして、できれば広島の中はさしあたり、旧広島市は市外局番〇八二二のままとし、〇八二八××のところは〇八二八というところで区切って、それ以下を市内番号というような方向へ向けて検討しているところでございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、料金区域が違うところ、あるいはまた番号が八二八、八二二のいずれでもないところになりますと、これは番号上もむずかしいわけでございますので、できるだけわかりやすい形で進めていこうと思いますが、番号それ自体での必然性と申しますか、限度はあるわけでございまして、その限度内におきましてそういう形へ今後進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
  16. 大原亨

    大原(亨)分科員 私もいろいろ検討してみると、なかなかむずかしい問題もあるのです。たとえばうんと昔から広島市外安芸府中町というところがあるのですが、これは東洋工業があるところですが、そこは広島市内番号になっているわけです。〇八二二で市内と同じようにその区域料金が同じです。ですから、行政区画を考えているとか、経済圏距離を考えているようでもないし、昔の差別料金の名残が市外局番号になってずっと残っているわけです。たとえば五日市、二十日市というところは、広島市の中心部から非常に近いところですが、それが局番が違いまして料金が違う。しかし一方では、全国的に見てみると、東京は二十三区同じですね。同じで、十円でこれは三分間かけられるわけでしょう。〇三の同じ局番内はかけられる。大阪の地域は〇六ですね。そうすると、住民立場から見ると、やはりこの昭和三十七年以来の料金の新しい決定方式なんですけれども、高度成長の中で民族移動が起きて、生活圏高度成長の中でがらりと変わっていっているわけです。そういたしますと、通勤とか通学とか経済圏範囲内であるならば、市内局番で処理できるようにすればいいのだが、局番がない。東京は〇三回せばいいが、広島は〇八二二あるいは市内局番なしの長い局番がある。これはなかなか記憶もむずかしいし、大体頭の中へ整理をして入れるわけにいかぬということもある。そういう点で料金決定の仕方にも問題がある。これは再検討する余地があるのじゃないか。  それからもう一つは、そういう市外局番市内局番整理の仕方について、やはりそういう点も一緒検討すべきではないか。ただいまの答弁で、たとえば広島市内を例にとると、〇八二二と〇八二八に市外局番整理をするということは、その範囲内においては市内局番になるわけですから、十円で三分間ということになるわけです。これは一歩前進だと思うわけですが、その検討をしておるということなんですが、いつごろ実施を目標に検討しておるのかということもあわせて私は責任者の方からお聞きをしたい。  私が提起したのは二つあるわけです。料金決め方というものについても、もう昭和三十七年以来のことですけれども、高度成長生活圏ががらっと変わっておる、全国的に見ても料金決定が不公平ではないかということと、市外局番をやはり自動化していく過程の中で整理をしていくべきではないか。機械の動かし方や機械構造等について、私は知識はないわけですけれども、自動化しているのですから、そういう二つの点は、住民サービスということできちっとすべきじゃないのかというふうに思うのです。責任者の方からまず答弁していただいて、郵政大臣、ひとつ所見を述べてもらいたい。
  17. 福富禮治郎

    福富説明員 一つは、先生のおっしゃいました番号の点でございますが、番号の点というのは、それによりまして自動交換機が動き、接続するわけでございますので、おのすと限度がございます。それからまた非常にむずかしいのでございますが、通信網というようなものが、実際の線を張っていくわけでございますので、行政区域が、この府中町のように入り組んで安芸郡のところにありますものというのは非常にむずかしゅうございます。それで、そういうのは広島市の番号と同じ番号に入っているというところもございます。  ですから、そういう境目のところで入り組んでいるところが、いろいろな形でなっているところが全国にはあるわけでございます。しかし、いま申し上げましたように、できるだけわかりやすい番号にするべく努力しておるわけでございまして、それにはやはりいままであります古い形のステップバイステップ交換機というのが広島市にもいっぱいございますので、そういうような点を逐次新しい交換機にかえていくというような工事がございます。そして、これはなかなか一遍にできにくい点がございます。しかし、できるだけ逐次進めていきたい、こう思うわけでございますが、比較的工事上支障のないところから進めていきたいというふうに考えている次第でございます。  広島市の八二二のところではすでにもうなっているわけでございますので、八二八のところの部分をできるだけ早く進めていきたい、こう考えておりますが、いま申しましたように、広島市にありますステップバイステップ局等の改造を考えていく、こういうことでございます。  それから、料金の問題につきましては、担当の方から……。
  18. 西井昭

    西井説明員 ただいま先生からお話しのございました料金関係でございますが、ただいま御説明申しましたように、公社は、社会生活圏広域化等に伴いまして、三十七年から三度にわたりまして近郊通話料金値下げを行ってきて、そういう社会の実態に極力合うような通話料金制度実施してまいってきたところでございます。  ただ、ただいまおっしゃいましたように、広島市の中でも三つほどの地域がまだ単位料金区域の外になっておりまして、八十秒七円という地域になっておるところがございますが、これにつきましては、同じように過去三回にわたりまして値下げをしてまいったところでございます。  今後の検討でございますが、先生御存じのとおり、電信電話諮問委員会答申をいただきまして、その中にも「さらに今後とも市町村合併とか生活圏拡大等に見合った料金制度検討を行うべきである。」という答申をいただいておりますので、その答申を勘案しまして、今後さらにその方向で進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  19. 大原亨

    大原(亨)分科員 旧市内、新市内と、いろいろあるわけですけれども、それは様相が一変しておる。いまの御答弁の中で、たとえば安芸府中町というのは入り組んでおると、こう言われたのですけれども、高度成長以前の昔でしたら、広島市と同じような連檐地域ではなかったわけです。東洋工業もあったわけです。ですから、そういうことで入り組んでいるのではなく、あそこは出っ張っている。方々へ入り組んでいるのではなしに、出っ張っているところがある。よく言うゲリマンダーだな。国会議員の選挙区を決めるときにやるゲリマンダーです。     〔村田主査代理退席、主査着席〕 こういう高度成長地域がずっと全部連檐地域になってしまった。ですから、市外と市内との間において、交通上もコミュニケーションにおいても物すごい不便があるわけです。その上に局番が長くて料金が高い。  そこで、東京とか大阪などというのは、〇三で二十三区全体の地域をやっておるわけですから、もう少し頭を切りかえて、生活圏経済圏について同じようなところは同じような料金局番でやっていくという原則でやらないといけない。いまは近代化して自動化が物すごく進んで、電話ぜいたく品ではなくなった、希望している者もかなり経済的にゆとりのある者がかけた時代とは違う、電話がなかったらもう社会生活ができないような情勢になっているのだから、これはもう頭を切りかえるということと、そういうゲリマンダーをすぐ是正するということ、いまの考え方でももう少し頭を切りかえる、こういうことで処理をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  20. 服部安司

    服部国務大臣 大原先生御指摘のとおりに、同一行政区域内における市外番号の異なる区域が存在することは、できるだけこれは改善をやらねばならないということ全く私も同感であります。  したがいまして、御承知のとおり、もう一〇〇彩近い自動化が完成いたしましたので、これからは加入者サービス本位に電電公社の運営の仕方も移行せねばならないわけでありまするから、第六次計画で完全解消をするべく強力に指導してまいりたいと思います。  いわゆる局番の複雑な問題は、理想は御指摘のとおりに東京都内二十三区ですか、こういった状態に全国的に持っていくのが一応の大目標であります。しかし、なかなか全国にこういった問題がかなりあるわけでして、一挙に解決はできませんが、御指摘の広島の問題はおそくとも六次計画で完全解決を図りたい、また、そのように強力に電電公社を指導してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解願います。
  21. 大原亨

    大原(亨)分科員 わかりました。記録にとどめておきたいのですが、最近定住圏構想とよく言っていますね。ですから、生活に密着している電話住民立場で再編成していくということについて頭を切りかえて、国民にわからぬように金を取る方だけではなしに、やはりそのサービスをぜひやってもらいたい。いまの郵政大臣答弁は、私は政治的に非常に明快な答弁であるというふうに思いまして、質問を終わります。
  22. 藤田義光

    藤田主査 以上で大原亨君の質疑は終了いたしました。  次に、井上普方君の質疑に入るのでありますが同君の質疑に対し参考人として国際電信電話株式会社取締役社長板野學君が御出席になっております。  なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。  井上普方君。
  23. 井上普方

    井上(普)分科員 福田内閣が出現いたしましてからもう一年数カ月たつのでありますが、この中で一ついいことをやったことは、これは郵便局が入学ローンをつくったことだと私は思う。これだけしかいいことやっていない。この点について頑迷なる大蔵省に対して果敢に闘った郵政省諸君に対しまして私は敬意を表するのです。しかしながらその後、大蔵省がおとり捜査なるものを使って郵便貯金の隠し預金調査ということをやった。いま世界じゆうでおとり捜査というのを認められておるのは、人命に最も大切な、害を及ぼす麻薬の取り締まりと国家の機密を侵すスパイ、これに対しては捜査上おとりをやってもいいけれども、他の捜査をやる場合におとりというのは最もひきょうな方法であるということは世界の通例になっている。  ところで、それをやられてふんまんやる方ない思いを大臣はせられておるのだろうと思うが、しかし、それに屈してか何か知らぬけれども、昨日の新聞を見ますと、公定歩合の引き下げが行われると、これに直ちに郵便貯金の金利も連動して引き下げせなければならぬというようなことをおっしゃったやに承る。気骨満々たる郵政大臣としてはまことに情ない態度だと私は思う。この点強くしかりおくものであります。ともかく、そういう大衆の預金ということを大事にして、そしてああいうような卑劣なることをやる場合には、郵政省が受け持っておる預金目標額なんというのは三分の一くらいに引き下げるというくらいの態度でもってひとつ臨んでいただきたいことを強く望んでおきます。  さてそこで、先ほど来問題になっております電話料金についてお伺いします。  私は、この間、電電公社の方を呼びまして聞いてみました。東京から徳島までの電話料金は幾らなんだと言いますと、三分間六百円、ニューヨークから東京までの三分間の電話料金は二千百八十五円です。おかしいじゃないか、一体どんな原価計算をやっているのだと言いまして聞きました。そうすると電電公社では、何とこれは原価計算はやっておりませんと、こう言う。さっき大原さんがお話しになりましたときに答弁したように、全く長さとかなんとかどんぶり勘定でやられている。ひどい話だ。考えてみれば、このごろはおわんからおわんへピピッと移って、それで電話が来る。だから、電話の原価計算が何もできぬわけがない。それをやっておらぬというのは何に原因があるのだろう。もしやれないとするならば、これだけ近代設備を整えておる世界一の電電公社なんて言うけれども、経営者は経営能力がないからこんなことになるのだと私は思う。  先ほども大原さんのお話にありましたように、将来は日本の定住圏構想というものを考えなければいかぬ。定住圏構想を考える場合には、地域的な料金あるいはまた地域間における料金を安くしろということが、第三次総合開発計画の最後の附帯決議になっておったのは、大臣も総合開発計画の委員であったから御存じのはずです。したがって、当然原価計算はやらなければならない。東京——徳島の間、東京——熊本の間、このやらなければならないのがいまだにできてないというのは一体どういうわけだ。総裁の御答弁をお願いします。
  24. 秋草篤二

    ○秋草説明員 十円でかかる距離あるいは東京都内の十円という単価はどうして出したかということを聞かれますと、これは非常にむずかしい問題で、私は不可能だと思っております。計算もできないと思っておりますが、まず電話料金も度数料だけではございませんで、基本料というものがありまして、基本料の取り方をアメリカのように四割くらいまずいただこうということになりますと、度数料もおのずと六割。日本はいままで一割八分くらいであったのが大体三割、これをまず取って、あとの残りを度数料の単価に還元するわけでございますが、こうしたものを今度は、距離の長さもたくさんございますが、正確には全国距離は全部違いますけれども、ただいま十三段階に分けて直線距離に直したのでございます。過去においては郵便路図によって運ぶ距離距離としたのでございますが、いまは直線距離でございます。そういうことによって、結局配分によってこれをどの程度に分配したらいいかということを考えた上で最終的な料金が出てくるわけでございまして、三分十円という単価は一体どうなんだということの原価計算は絶対不可能だと思います。またやってもおりません。そういう点ひとつ御了承いただきたい。総合原価計算の上に基づいて配分比でやっております。
  25. 井上普方

    井上(普)分科員 私は、そういうことを聞いているのじゃない。徳島と東京間の電話料金の原価計算は一体幾らになるのだ、原価計算は幾らになるけれども、そのうちの定額だのそんなのは後でいい、一体幾らになるのだ、これをわれわれは知りたいのです。その上へもってきて定額制であるとかあるいは度数制を加えていって料金というものは決めるべき問題だ。ともかく東京——徳島間の電話料金は一体原価は幾ら要っておるのか、これをわれわれは知らなければ、電話料金が高いだの安いだの言えぬじゃないですか。それさえやっていないというのであれば、これはもう経営能力ゼロだと言わざるを得ない。大臣も経営者としてこれくらいの原価計算ができないというはずはないと思うのですが、どうです。
  26. 服部安司

    服部国務大臣 事業として原価計算のない企業というものはまことに危険な経営であるということは、これは経済の第一歩だと私も心得ております。しかし、どういう経緯であったのか、私はこの間十二分に知らないので、ひとつ電信電話公社に、利用者が納得のいくような、説明のできるような原価計算方式またはその他の問題について私の方からよく指導したい、かように考えております。
  27. 井上普方

    井上(普)分科員 ともかく東京と熊本との間の原価計算ができない、札幌との原価計算ができない、これじゃ一体、料金はどうやってやっているのだ、どうも厚いベールに隠して、国民の目から覆い隠しておるというのが現状じゃないかと思う。このごろはおわんからおわんまでピピッと行くのですから、そうかからないはずです。後は有線電話で電線で行くのだから、原価計算なんかすぐできなければならない。素人が考えてもできることだ。私が電電公社総裁だったらすぐやってみせる。これくらいなことをやってないということは、いまの料金体系をともかく国民の目から覆い隠すがためにやっていることだと私は思う。  しかも将来は、御承知のようにこれから第三次総合開発計画で定住圏ができてくる。その際には、ともかく遠距離についての料金体系も考え直せという附帯決議がついている。そういうことを考えるならば、当然距離のあるところの原価計算というものをやって、そしてその上で——私は損しろと言っているのじゃない。その上にはあるいは定額制も入りましょう、度数の多い少ないも入りましょう、そういうのを加えながらやっていかなければならないと思うのです。こういう点はひとつ電電公社の諸君も真剣に考えていただきたい。そして国民に知らしめず寄らしむべしの態度はやめていただきたい。このことを強く要求しておきます。大臣、よろしいな。
  28. 服部安司

    服部国務大臣 誤解を生じては責任問題になりますので一言申し上げておきます。  原価計算の出し方にもいろいろあると思います。私も腹の中から商売人の子供で、絶対経費から見たいわゆる逆算方式もありまするし、また、いま仰せのとおりにいわゆる距離計算によってやる、ケーブルが幾らでという方法もありまして、決して御質問の御趣旨は私は間違っているというのじゃなしに、よくわかりますが、ただ電信電話というのは、何といっても国民へのサービス業務でありますから、どの地域国民にも不自由をかけてはならない、できるだけの恩恵を与えることは国または電電公社の責任でありますので、この点もちょっと御理解を願っておきたいと思います。
  29. 井上普方

    井上(普)分科員 いずれにいたしましても、近代的な経営をやる以上は原価計算というものがなかったらいかぬ。その原価の上に経費率を足していって当然料金は出していくべきである、こう思うのです。その点強く要求しておきたいと思います。  それから、続いて国際電電にお伺いします。  先ほど申しましたように、ニューヨークから日本へ三分間電話する場合には、いま個人が払うのは二千百八十五円、日本からニューヨークに電話する場合には三分間四千二百四十円かかっている。それにつきまして聞きましたところが、これは何だと言いますと、金フランを中心にしてやり変えたのだからドルの差益は出てまいりませんなんということを言っている。いかにも本当らしいような宣伝文書も書いているのです。しかし、中心に置いたのは金フランであって、一金フランを百二十円にし、アメリカにおきましては、これを金フランを中心にして割り出したものでありますから、これを仲介にして一ドル三百六十円というのが出てくる。ごまかすのにも、中に金フランが入っておりますから、直接ドルとは関係ございませんなんということを、麗々しくわれわれに言ってくるというのは不届き至極だと思う。だから三百六十円で、向こうは九ドルでやっておるのです。  しかし私が申したいのは、東京からニューヨークにかけたら三千二百円かかる。ニューヨークから東京へかけてきたときには二千百円しかからない。この不合理を直さなければなりません。そうしますと、西ドイツは高いのだ、日本から西ドイツにかけたときは高いのだとかあるいはスイスは高い、こうおっしゃいますけれども、しかし、これを見てみますと、どうも私は納得しがたいものがある、これは個人の費用なんだから。  そして会社の内容を見てみますと、何ともうけももうけたり、わずか半期に、去年の四月から九月までの半期の間に税引き資本金の三分の二もうけている。そして国際電電というのは、東京の一等地のあの新宿のど真ん中にあんなに大きいものを建てている。それならもっと料金を安くすればいいじゃないか。国際電電なんというのは、電波のよく通るようなところにいけばいいのであって、ことによれば第一相互みたいに大井松田の付近に八十階建てぐらい建ててもいいと思う。それを東京のど真ん中の一等地にああいうのを建てて、そしてまたドル差益だと言われるのをおそれて、金フランで仲介にしておりますからそんなことはありませんと言って、国民には日本から電話をかけると三千二百円も取る。アメリカから日本へかかる場合には二千百円。こんな不合理な話があるかと言うんです。  この会社の内容を、実は損益計算書を私は見せてもらいました。いかにもよけいもうける会社だなと思って感心したんです。大臣、どう思います。これは去年の四月から九月ですから、ドル差益というのが余りないときに税引きで資本金の三分の二もうけるような会社なんです。これを国民にサービスしろと言うんです。料金を安くしろと言うんです。どうです、大臣。
  30. 服部安司

    服部国務大臣 KDDがずいぶん利益を上げて、税引き資本金の三分の二の収入を上げているにもかかわらず、外国との交信料金は非常に高いではないかという御指摘でございます。確かに、社長以下職員が、私もそういう御指摘があったのでみずから乗り込んでいっていろいろ調査をいたしましたが、大変な努力を払って企業の合理化、近代化をやっていることも確認いたしました。しかし、そういう努力も結果的には利用者の国民に還元するべきであるという御指摘は全く同感でありまするが、御承知のとおり、金フランということもありますが、外国と日本との交信は交信回数によって相殺をするということになっているわけですね。したがって現在では、むしろ日本が向こうからドル建てで受け取る分がかなりふえてまいりまして多い率になっております。  そういう経緯もありますが、しかし私は、御指摘どおりに、こういった利益を上げているという現実を踏まえて、もっと国内の利用者のサービスに徹するように、ただいまこの値下げを、適正な価格にするように大変なファイトで指導いたしておりますので、御理解を賜りたいと思います。
  31. 井上普方

    井上(普)分科員 私も最初はごまかされた。というのは、昭和三十年代にアメリカとの間で料金の協定を結んでおるんです。そのときに一通話を幾らにするのだということを金フランで決めているんです。いまあなたのおっしゃったのは、日本とアメリカとの間で、たとえば一万五千回アメリカから日本へ来た、今度は日本からアメリカに対して一万回行った、差は五千回ある、その五千回の決済を一体何でするかといったら金フランだ、こうあなたはおっしゃいますけれども、それもあるんです。それもあるんだけれども、しかし一番先に条約で一ドル三百六十円と料金を決めている。だから、こういうような結果になってきているわけだ。だから、このごろですと、日本人の利口な人は着払いにするんです。着払いにしますと、先ほどの三千二百四十円みたいな高い金で払わなくていいからいいというような結果を招いているのです。  ですから、ここらあたりは、経営努力もありましょうけれども、これほどまでにともかく高利益を上げておる会社なんだから、しかも国の庇護を受けて独占的にやっているのだから、国民に利益を還元するよう努力をお願いいたしまして、総裁のひとつ御答弁を承りたい。
  32. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。  ただいま大臣のお話のとおりに、私どもといたしましても、先生の御指摘のとおりに、ただいまわりあい良好な経営成績を上げております。こういう点につきましては、今後郵政省、大臣の御指導を受けまして、料金問題につきましてもいろいろ検討いたしたいと思います。  ただいま先生が御指摘になりましたように、いまのドルと円の換算におきましては、そういうようなバランスが崩れておるということはもちろん確かでございます。この料金決め方につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、昭和三十年代におきましてITUの三十条の規則によりまして金フランを設定しました。それに基づきまして、ドルは三百六十円、円の方は百二十円という換算率を持ったわけでございます。したがいまして、日本の料金を決める場合には、三百六十円対百二十円じゃなくて、日本の料金の方は、当時の物価とかあるいは料金体系とかあるいはコストとかそういうものを基準にして、いまのステーションプールにしましては三千二百四十円というのを決めました。その後、アメリカの方はなかなか物価が上がらないが、日本を見ますと、日本は大体三十年ごろから物価が三百三十倍くらいになっておりますけれども、アメリカは百八十倍ぐらいにしかなっておりません。  ところで、私の方の会社は、会社の経営費をどうしても円払いで払わなければならない。そのときに、アメリカの物価体系と日本の物価体系は確かに違っております。一例をとりますと、私どもの方は、オペレーターというもの、電話の交換手を雇いますけれども、アメリカの方はきわめて安く雇えるわけです、英語で全部通じますから。私どもの方はどうしても大学出とか短大出を雇ってやらないと、オペレーターの任務が果たせないというわけで、私どもの会社では、オペレーターの給与というものは、ほかの大学出の方と同じような給与を与えておるわけでございまして、男女の差別は全然ございません。また、いろいろな施設をいたしましても、これは皆円払いでございまして、確かに、両者間の為替換算からいたしますと、先生のおっしゃいましたとおりでございます。  そういうことで、今後私ども十分考えますけれども、こういう点もひとつ御理解をいただきたいと思うのは、いまちょうど国際電気通信は技術が非常に発達をいたしまして、データ通信とかファクシミリとかあるいは加入データサービスというような新しい、非常に高速度のサービスができておりまして、これを導入いたしますと、ただいま先生が御指摘なさいましたような主たる利益を構成しておりますテレックスとかあるいは専用線とかいろいろな利用が、このようなデータ通信とかファクシミリとかいうものにだんだん移っていきます。これらはわりあい安い原価のものでございますので、この利用構造の変化によりまして、今後国際通信の行く先につきましてもそう楽観は許さない。それからまた、年々私どもの利益率も下がっております。  こういうような関係で、努力はいたします、大臣の御指摘をいろいろあれいたしまして。しかし、どうぞひとつその点も御了承いただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  33. 井上普方

    井上(普)分科員 最後に申し上げておきますが、貸借対照表を見ましても、あなたの方の機械設備よりもむしろ建物の方が高いじゃないですか。こんなこと、考えてごらんなさい、まだまだ安くなければならないはずなんです。私は委員長に対しまして、このことを強く要求いたしておきます。  私の関連質問に土井たか子君が要求しておりますので、委員長におきましてよろしくお願いいたします。
  34. 藤田義光

    藤田主査 関連質問の申し出がありますので、これを許します。土井たか子君。
  35. 土井たか子

    ○土井分科員 郵政大臣御存じのとおりで、公共用の飛行場周辺や新幹線の沿線などにつきましては、航空機や車両の通過に伴いましてテレビの電波障害や電話通話障害という事実がございます。国道周辺で大変な車の通過量に伴ってテレビの電波障害や通話障害があるという事実について、いままでお調べになったことがおありになるかどうかというのを一つお尋ねいたします。
  36. 服部安司

    服部国務大臣 国の直轄事業による電波障害で、そういった沿線の住民に大変な御迷惑をかけていることは十分認識をいたしております。したがいまして、いわゆる直轄事業の施行責任者である建設省当局に、強力にこういった問題の解決、言うならば補償について申し入れをいたしました。建設省当局も大変理解を示しまして、御承知のとおりに、電波も日照権並みの補償を行うべきであるという立場から、建設省内に補償問題研究会、座長に国宗正義さん、国立国会図書館の専門員の方を委嘱していただいて、鋭意わが郵政省電波監理局ともいろいろと資料の交換、意見の交換を図りまして、ただいまそういった問題の解決のための真剣な検討を進めている状態でございます。
  37. 土井たか子

    ○土井分科員 研究会で慎重な検討を進めていただくことは大変結構ですし、それは十分にお進めいただきたいわけでありますが、現実に来る日も来る日もこれに悩んでおる住民があることを、ひとつ一日も早くお取り上げいただいて、行政措置としてどうするかという、いま直ちに打てる手があるならば打つべきだ、こう考えるわけであります。  そういう点から申し上げますと、すでに公共用の飛行場周辺においても、また新幹線の沿線におきましても、テレビの受信料については減免措置という行政措置がございます。それからまた電話につきましては、先ほど来国際電話の話も取り上げられました。特に遠隔の地と通話をいたしております最中に障害がある場合なんというのは、とてもたまったものじゃございません。こういう問題などを考えてまいりますと、いまある防音装置を電話機に取りつけるという方策も一部試みられて具体的に実施されております。  こういう方法が現実にあるわけでございます。ですから、東京の環七であるとか全国でも有名な国道四十三号線なんて申しますと、上に高速道路が走り、下に国道が走りまして、全部数えたら十二車線あるわけでありますから、連日の車の量もさることながら、大型の長距離輸送トラックなんかが走りますと、壁にひび割れができたり、ひどい場合には壁が落ちてくるというふうな現象があるくらいに被害が頻発している地域であります。沿線の人たちが自主的に調べた限りでも、テレビの受信障害の数は相当に上っておりますし、電話通話に難儀を来すという数字もかなりの数に上っております。ひとつこれを早急にお調べいただきまして、これにしかるべき措置を講じていただきたい、このことを申し上げたいと思いますが、大臣いかがでございますか。
  38. 服部安司

    服部国務大臣 御指摘の問題は、国民の当然な権利でありまするし、われわれもこれを軽視はいたしておりません。これは第三者機関を設けて、がまんのできない範囲以上のものは早急に補償措置を講ずるという方針を確立いたしておりまして、しかも、これを拡大いたしまして、また普通のいわゆる電力会社とか地方公共団体とか電電公社とかこういったところにも、これに準じて措置を講ずるべきである。大変役所仕事で先生から見ると歯がゆい点があるだろうと思うのですが、私はなかなかせっかちですから、御要望にこたえて急ぎ関係機関とも連携をとりながら御期待に沿う措置をとりたい、かように考えております。
  39. 土井たか子

    ○土井分科員 御期待に沿う措置をとりたいといま大臣から御答弁をいただいておりますから、ひとつ急いで国道四十三号線や環七の沿線に対しての措置を講じられんことを重ねて申し上げさせていただいて終わりたいと思います。よろしゅうございますね、大臣。
  40. 服部安司

    服部国務大臣 十分わかりました。
  41. 藤田義光

    藤田主査 これにて土井たか子君の質疑は終了いたしました。  次に、後藤茂君。
  42. 後藤茂

    ○後藤分科員 大臣にお伺いをしたいわけですが、おびただしい通常切手、特殊切手、記念切手が発行されているわけです。これは大臣、特に記念あるいは特殊切手はどういう目的で発行されているかお伺いをしたい。
  43. 服部安司

    服部国務大臣 御指摘の記念切手並びに特殊切手の発行方針でございまするが、これは、まず国家的もしくは国民的に記念すべき重要事項、または国際会議等で広く内外に周知する意義の有するもの、または各種の国際的もしくは国民的キャンペーンに協賛し、その意義を周知して発展を図りたいという内容のもの、またはわが国の代表的な風物、産業の紹介、また広く郵趣を高める切手であって、慣例的にもしくはシリーズとして発行する価値のあるもの、このような発行方針のもとに、広く国の内外に周知され、また、より多くの人々に満足していただける切手を発行するためにいろいろと、特に画題の選定、図案、印刷技術等に努力をいたして、意義あらしめるための発行であると御理解を賜りたいと存じます。
  44. 後藤茂

    ○後藤分科員 時間がございませんので簡単にお願いをしたいのですけれども、そういたしますと、その切手はやはり郵便物に張られて、そして国内、国外であまねく使用されまして、いま大臣が御説明になりましたような中身がみんなに知らされるということが大切だと思うのですが、大臣、そういった記念、特殊切手が一体どのくらい使われているとお考えでございましょうか。簡単で結構です。
  45. 神山文男

    ○神山政府委員 お答えいたします。  発行された切手がどの程度使われているかということについては、調査が技術的にも非常にむずかしく、一回発行されますと、これは相当の期間使われるという状態にございまして、これを一件一件追跡調査するというのは非常に至難なことに属します。そして過去に一度若干調査した例もありますが、相当推定を加えてやっておりまして、そのときの結果では、四割が未使用のまま保存されているのではないかというような調査結果も過去にございました。しかし、あくまでも相当推定が入っておりまして、現段階においては非常にむずかしく、諸外国においてもその種の調査は行われていないというふうに存じております。
  46. 後藤茂

    ○後藤分科員 全く四割というのは当てずっぽうだと思うのです。実際にはほとんど使われていないのではないか。九割から九割五分ぐらいは退蔵されているように私どもは思うわけです。そういたしますと、先ほど大臣が御説明になりましたことは全く違ってくる。つまりそのことは、みんなが使っていくような切手発行政策なり郵政当局の姿勢が欠けているのではないか、むしろ使わないように使わないようにしているのではないかと考えるわけであります。  そこで、幾つかの問題をお聞きしたいわけですけれども、一つは、たとえば百円の切手が通常とは別に記念切手として発行されますが、この百円記念切手はどういう書状に使うわけですか。
  47. 神山文男

    ○神山政府委員 百円の切手でございますが、ただいま百円の郵便物といいますと、内国の定形外の最低料金五十グラムまでのものが百円でございます。外国郵便につきましては、これは航空郵便物の通常郵便物でありますが、書状の第一地帯が百円でございまして、それ以遠は百円以上の料金になります。それから船便の通常郵便物のうち定量扱いの印刷物の百一グラムから二百五十グラムまでの料金、その他印刷物の二十一グラムから五十グラムまでの料金、私製の航空書簡、こういつたものが百円でございます。
  48. 後藤茂

    ○後藤分科員 以上だとか以下だとか出ておりますけれども、普通私たちが日常生活をするのは二十円のはがきか五十円の封書なんですね。あとは速達があります。簡易書留があります。郵務局長、これは全部百円は使えないじゃないですか。  いまの御説明の中でも、船便にいたしましてもあるいは航空便にいたしましても、外国で百円の切手を一枚張って使えるのはアジア、オセアニアだけです。一体アジア、オセアニアは、外国への差し立て郵便物の中でどのくらいのウェートを占めておりますか。それから恐らく常識的にはアメリカなりヨーロッパへの郵便物の方が私は多いと思うのですが、どうでしょうか。
  49. 神山文男

    ○神山政府委員 ただいまの第一地帯あての航空通常ですが、これは年間七百六十万通ばかりございます。ただ、それ以遠のものは、外国郵便の差し立てば年間九千四百三十万通ぐらいございますので、それのは百円にプラス何十円とか百円を二枚張るとか、そういうことに使っていただけるというふうに考えておるわけでございます。
  50. 後藤茂

    ○後藤分科員 郵務局長は自分で郵便物をお出しになったことがないのじゃないかと思うのです。切手を何枚も何枚も張って出すということは、一般の人には大変煩わしいわけです。何千円もするというなら別ですけれども、たかが百円とか二百円です。たとえば航空の外国への封書はアメリカが百二十円、ヨーロッパが百四十円、アジア、オセアニアがいま言われたように百円です。そうすれば、いま郵務局長は二枚も三枚もとおっしゃいますけれども、アメリカの百二十円切手でいいじゃないですか。日本の国宝だとか自然保護、いろいろな風物とか伝統とかを外国に紹介するとすれば、特に多い——アジア、オセアニアは一割あるかどうかでしょう。それ以外のところがアメリカなりヨーロッパ、百二十円と百四十円でいいのではないかと思うのです。  後で申し上げようと思ったのですが、特に国際文通週間等の切手は三種出す、アメリカ百二十円、ヨーロッパ百四十円、そしてアジア、オセアニア百円と三種出して、国民の皆さんに外国にいる兄弟や友人に年に一回くらいふるさとの便りを出したらどうか、こういうような親切があっていいじゃないか、こう思うわけですが、いかがでしょう。
  51. 神山文男

    ○神山政府委員 百円切手を利用する道は相当ありまして、五十一年度で言いますと、発行枚数としてのうちの一割程度が百円と存じておりますけれども、その程度の枚数でございますと、利用される方に便利ではないかと考えて出しているわけでございます。  先生の御質問、何枚も張らないでもう少し高額のという御質問でしたらなんですが……。
  52. 服部安司

    服部国務大臣 後藤先生、よくわかりました。たとえばいま御指摘の文通週間に出す記念切手の場合には、もうちょっと利用する者の立場に立って、またはその記念切手の発行目的が達せられるような配慮をせよという御指摘だと私は理解いたします。大変すばらしいアイデアでありますので、今後は記念切手発行については、そういった趣旨を十二分に踏まえてより効果の上がるように努力したい、かように考えております。
  53. 後藤茂

    ○後藤分科員 何も五百円とか千円のことを言っているのじゃないのです。私たちが旅行しましても、その国々の絵はがきかせいぜい一番最低の封書なんです。だから、その最低の基準の切手をお出しになった方がいいのではないか。つまり百円というのはアジア、オセアニアだけではないか。ヨーロッパやアメリカの場合には、二十円なり四十円なりをさらにつけ加えて張らなければいかぬじゃないか、そういう不親切さがあるか。つまり郵政省というのは、使われないように使われないように切手発行政策が行われているということを申し上げたい。  もう一点、これはことしのお年玉で当たったものですが、この中に、この封筒が七枚入っている。それから角封筒が二枚入っている。あとはグリーティングカードになっているわけですけれども、この封筒はJIS規格で郵政省が御推奨になっておる。外国ではこの角の方が多いですが、日本の場合はほとんどこれを使う。このどこに切手を張るように郵政省としては御指導になっていますか。まず、その根拠はどこにありましょうか。
  54. 神山文男

    ○神山政府委員 これは郵便規則で場所を決めてございまして、左上すみ、その封筒ですと、郵便番号枠の左のところになっているわけであります。
  55. 後藤茂

    ○後藤分科員 郵便規則第四十二条に左肩に張れということになっているようです。これはもう規則がなくても皆さんがここに張る。ところが、昔はこの郵便番号を書くところがなかったわけです。しかし、最近はこれがあって自動読み取りをするわけですが、そういたしますと、これにひっかかると、郵務局長、これは機能しないのじゃないでしょうか。
  56. 神山文男

    ○神山政府委員 郵便番号枠にはかからないように張っていただきたいという考えでございます。
  57. 後藤茂

    ○後藤分科員 これに入っている帯にも「郵便番号は正しくはっきりと」、こう書いてある。ところが、たとえばこの百円、私は逆に縦に張っておりますけれども、この切手は皆ひっかかるのです。こういう小さいのでもひっかかるのです、丁寧に張りますと。ということになりますと、記念切手というのは張れないような張れないようなサイズに持っていっている。張っちゃいけないぞというサイズに持っていっている。  こっちのこれならいいのです、角ですから。これなら相当大きくても張れるわけです。郵政省の方針というのは、かっては、いつも私はこういうように張っているわけですけれども、これは古い切手ですが、みんなこの封筒に張れるようになっていた、どころが、値段が上がって大型になってから、いや大型でないものでも張れないように張れないように、ひっかかるようにひっかかるように、そういう意思で発行されているのではないかと思いますが、いかがでしょう。
  58. 神山文男

    ○神山政府委員 横長の場合、封筒によりましてはそういう場合が出てまいりまして、そういう場合は位置を変えていただくとか、あるいはそれに合う封筒を使っていただくようにということで発行してまいっております。  それと一方、切手につきましては、最近、非常に国際的なニーズ、評価を受けるという場合が多くなっておりまして、そういった大型の方が、わが国の風物とか絵画とかそういうものを紹介する場合、非常に高い評価を受けるというようなこともありまして、そういうものが入ってまいっておると思います。しかし今後、そういう御指摘もありますし、どういうふうにしていけばいいのか、よく私どもとしては研究をしていきたいという気持ちでおります。
  59. 後藤茂

    ○後藤分科員 これからの研究の問題では実はないのです。初めてこの問題が出ているのではないわけですから、大臣、これはぜひひとつ御検討いただきたいのです。大変たくさんの新聞に投書が出ているのです、大変使いにくいという投書が。何で大型ばかりを刷るのだろうかというのです。幾つかあるのですが、たとえば岸本伊代さんという五十歳の女の方が新聞に出しているのを見ますと「通常の場所にはるのにも、気を付けないと郵便番号ワクやあて名の文字にかかってしまいます。」また「記念切手だからといっても、不必要に大きく、使う便利を考えないでは、逆に消費者が困ることが多いと思います。」とか「美しい見事な切手というものは実際に使うためでなく、一部の切手愛好家が大切にしまっておくためか、外国郵便向けに作られるのかと不思議に思うときがある。」あるいは「歌舞伎の絵や、唐招提寺の切手を、郵便番号を隠してはならないと横向けにはるとき、部屋の壁に絵の額を横を向けてかけるような悲しさをいつも味わう。」横にかけなければひっかかるんですからね。あるいは「最近発売される記念切手のサイズがバカでかくなったことで、定形封筒の所定位置にはりつけた場合、郵便番号の左端がかくれてしまうのである。郵便番号は住所の一部ですと国民に奨励しておきながら、その番号がかくれてしまうような大きさの切手を発行する郵政省の無神経さにはあきれる。」それから「第二は五十円以下にしてもらいたいことだ。百円と五十円がペアで発行されるときも、百円切手に比べて五十円は見劣りして、ぼろい商売の巧妙さには敬服するが、だれでも買えるように五十円以下にしてもらいたい。記念切手がますます大型化し、大量に発売され、商品化がひどくなり、退蔵したくなるようなデラックスなものばかりになると、使われないことによる利益は膨大なものとなり、郵政省の思うツボかも知れない。商売もほどほどに願いたい。」こういうようにたくさんあります。  一体この記念特殊切手は年間の発行額はどのくらいでしょうか、郵務局長
  60. 神山文男

    ○神山政府委員 五十一年度につきましては、収入額が特殊切手だけで四百二十三億程度でございます。
  61. 後藤茂

    ○後藤分科員 三百億なり四百億、五百億程度のことを、大臣、この程度のことを一生懸命もうける、収益を上げようという気持ちはわからぬでもないですけれども、使わせないようにしておいて、一方そのことによって数百億の財源を確保しようという、そんな了見というものが私にはどうもわからないのです。これだけ多くの国民郵便事業というものに大変な関心を持ち、その郵便を利用しながら交信をしておるわけですけれども、その人々のためのサービスというものが記念特殊切手に関しては全く行われてないのです。大臣、ぜひひとつ使われるようにしてください、こういう横向けて張るようなものとか、あるいは下の方に張らなければならぬとかじゃなくて。  それから、これは読売新聞ですか「私書箱三二五号」というその追跡記事が出ているのですが、「私どもは切手は左上、住所は右から一字分、上から一、二字分あけたところから書き始めるなんて学校で習ったものです。ですから、最近の横長の切手には困ります。仕方なく、目上の方には郵便番号の下、子供たちにはあて名の下、とはり分けています。どうもしっくりいきません。」これなどもみんなが使えるようにしてやる必要がある。  それでまず第一に、たとえば読み取り機のこれであったって、昔は小さいのばかりじゃなかった、昔からやはり記念切手は大きなものもあったのです。とすれば、横に一段にしないで、たとえば二段にしてもよかったわけですね、日本の風習というのはこれですから。先ほど郵務局長は、角封筒に——これから角封筒にされますか。そうじゃないでしょう。やはり日本の歴史と伝統を考えていきますと、この封筒というものは推奨規格になるだろうと思うのです。そういたしますと、これなんかも、もうつくってしまったからこれから機械改造するのは大変だということかもわかりませんが、もっと神経が細やかであればこれは二段に、パーレンのこちらからの小さい方は二段にしてもよかった。その読み取りの機械がつくれないはずはないわけです。ところが、そうしてしまっているなら、やはり日常使われる切手というものはここに張って、ここの赤い枠にひっかからないような大きさをやるべきではないか。  しかも発行枚数を見てごらんなさい。私は、第一の問題で指摘をいたしましたが、百円と五十円の切手は割合は幾らになっていますか、三対二です。ほとんど使われない百円が千六百万枚も千八百万枚も一回に出ている。それが年間十回ぐらいも出ているわけです。何でこんな大きな割合になるのでしょうか。どれもこれもすべて使われないようにして、そして収益を上げようというのです。その収益を上げなければ郵政事業がもうどうにもならないという状況でしょう。この点ひとつ大臣にお伺いしたい。
  62. 服部安司

    服部国務大臣 御指摘の問題、確かに温かみのない、配意の足りない点は私、率直に認めたいと思います。外国人の評価、外国人の好評は理屈にならない。郵便業務、郵政業務というものは日本の国民本位でいかねばならないことも、これはもう私は率直に認めます。  したがいまして、いろいろと御指摘の問題についてはひとつ早急に検討を加えて、ただいまの御指摘の問題を十二分に尊重しつつ、ひとつよりよい方向に、国民に理解されるような方向に努力をいたします。
  63. 後藤茂

    ○後藤分科員 私が指摘をしたいのは、郵政省はこれだけ切手を発行されながらそれがどのように使われているのか、どのように愛好されているのか、こういうような調査が全くないということです。この間配られました、これは「時の動き政府の窓」ですね。これに女性消費者モニター募集、公正取引委員会八百十八名。それから同じ号に文部、教育モニターを募集、これも約五百名。こういうように各官庁ともみずからの行政を進めていくためには、国民のいろいろな声を聞くための手段なり措置を考えているわけです。ところが郵政省は、切手はおまえたち買って使うな、最初大臣は切手発行政策の中身を申されましたけれども、全く温かみも配慮も、どういうように使われているのかさっぱりわからぬような中で出されている。だから使われない百円切手が数多く発行されたり、あるいは張りにくい五十円切手が発行されたり、そしてあて名番号をはっきりとだとか、定位置に張りなさいとか、こういうことを言っている。全く逆行しているではないか。     〔主査退席、瀬野主査代理着席〕 外国では、いろいろな郵趣家たちの話を郵政省当局が聞いて、意見を聞いて、そしてより喜ばれるような切手を発行する、あるいはどういうようにしたらいい切手が発行できるだろうかということをやっているわけです。先ほどの古い調査で、退蔵率が約四割ということを言われました。全く何も、何もと言ったら失礼ですけれども、調査をされていない。こういう調査をしながら、これからの切手発行政策をする御意思があるかどうか、お伺いをしたいと思います。
  64. 神山文男

    ○神山政府委員 切手の発行につきまして、市場調査あるいは意識調査というようなものをやっていくということも確かに大切なことだと思います。ただいまのは、私どもとしては、郵政審議会の専門委員の御意見を聞き、あるいは図案等については学識経験者でつくっております郵便切手図案審査委員という方々の御意見を聞いてやっております。郵政省にも郵便モニターという制度がございまして、全国に現在四千人ばかりの方々がモニターになっていただいて、いろいろの御意見をちょうだいしております。今後こういうモニターを活用するというようなことも含めまして十分検討してまいりたいと思います。
  65. 後藤茂

    ○後藤分科員 審議会はどこの官庁にもあるわけです。あるいは行政を進めていく上において、そういう学識経験者の御意見を聞く。しかし、いま私が申し上げているのは、もっと大衆のレベルで物を考えてやってほしいということなんです。皆さん方は切手を発行されるたびに見本という仮刷をして各小学校、中学に送られるわけですね。国民のみんなが、今度こういう切手が出されますよ、ぜひひとつ買って、そして友達に張って送ってやってほしい、こういうことだろうと思う、意図は。しかし、その背景は、すべて使われないように持っていこうとしている。そのことが現実に先ほど指摘した幾つかの点で出てきているわけです。だからこれは大臣、ぜひひとつもう一度考え直していただきたい。外国ではもっと使われるように、その中からやはりコレクショんとして結果的には死蔵される、退蔵されるというものがありますけれども、私は大変いい趣味だと思うのですね、古くからありますから。そういう趣味を育てていくというだけではなくて、発行することが目的であるとすれば、みんなで使われて、なるほど日本の切手の印刷技術あるいはそのデザイン、まあやぼったいのもありますけれども、外国から単なるエキゾチックな切手としての収集ではなくて評価をされているのです。それがいたずらに退蔵をされないように発行されることが、先ほど郵務局長がお答えになりましたけれども、五百億とか四百億程度の年間収益ではなくて、もっと多く発行されたら、日本の国が国際的に文化国家としての認識を高めることができると思うのです。  ですから、そういう観点でひとつその切手発行政策を出していただきたいということを申し上げまして、特に大臣からその点と、それからもう一つ、いま郵務局長はモニターとかいろいろなことを言っておられましたが、もっと郵趣家なり、あるいは小学校、中学校等に送られて、そして一生懸命それを買う、あるいは文通に使うという者たちの声を聞いてやるということを大臣ここでひとつ確認をしていただきたいと思うのです。
  66. 服部安司

    服部国務大臣 御承知だと思いまするが、郵便切手趣味の会とか郵便何とか普及会とか、ちょっとつまびらかではないのですが、数団体あるわけでして、会員も三百万人を擁する団体もあるわけでございます。また御指摘の小中学、高校生と多岐にわたって広い立場で、こういった機関もひとつ利用させていただいて、どのような方途を講ずれば所期の目的が達成されるかという点について十二分に、真剣に取り組んでまいりたい、かように考えております。
  67. 後藤茂

    ○後藤分科員 一点だけ。いま大臣は建設関係の方でも大変熱心にやっておられるので、これからもひとつ郵便の、特に切手関係については、いままでのようにただ発行して買いなさい、後はどうなるか知らぬという姿勢ではなしに、ひとつきめ細かな行政を進めていただくように要望いたしまして、私の質問を終わります。
  68. 瀬野栄次郎

    ○瀬野主査代理 これにて後藤茂君の質疑は終了いたしました。  次に、田中美智子君。
  69. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 ます最近、電話に対する苦情が非常に新聞や週刊誌などで言われておりますし、多少社会問題になってきているのではないかと思います。それで、おたくからいただきました資料を見ますと、作業の誤りと機械の故障というので両方合わせますと百万台に対して五というふうに出ております。そうしますと、これは年間で計算しますと二百四十というミスがあるということですね。これについていかにも少ないような、これは週刊誌とか新聞などを見てですけれども、少ないような答弁公社の側がしていますけれども、年間二百四十というミスというのは、少ないのでしょうか。まず大臣と秋草総裁と両方にお尋ねいたします。
  70. 秋草篤二

    ○秋草説明員 全国三千五百万加入、これは通数にしますと、ちょっと私記憶はしておりませんけれども、何百億通という大変な通話が交流しているわけでございます。その事故でございますから、そういう目で見ていただけば、率からすれば本当に〇・〇〇〇〇何%という数になりますが、いやしくも公共企業体で電気通信事業を預っている立場からすれば、一件でもこれはあってはならないという信念に燃えて、従来懸命にこの事故の数を減らす、究極には一つもなくするということを理想に描いて努力しておるわけでございまして、全体的に申しますると、公社発足当時の記録は私、定かに覚えておりませんが、ここ四、五年の経過からすれば、苦情は料金値上げをした直後から少しふえてきております。しかし、事故率は、従業員の努力によって、年々歳々わずかではございますけれども減っておるのでございまして、お答えにはなっておりませんが、二百五十という数は、やはり一件もなくするという前提からすれば、やはりかなり大きな数字だと私は思っております。
  71. 服部安司

    服部国務大臣 お答えいたします。  田中先生御指摘のとおり、一件も許されないというのは、これはもう基本姿勢でありまして、今日までそういった立場で電電公社を指導してまいりましたが、ただ残念なことに、機械のやることですし、いま総裁が申し上げたとおりに、加入者数が何千万、回数にすれば何百億通話ということで、なかなか現実問題は防ぎにくい点もあるわけです。しかし、それでも許されない。たとえば法外な料金請求を受けた人の立場に立てば、何日間か大変不愉快な思いをせねばならないということは許されない。そこでいろいろと電電公社でも、この問題に真剣に、神経がすり減るほど取り組んでいることは私も素直に認めてやりたいと思うわけでありまするが、ただいま総裁が申し上げたとおりに、私の言う目標の、一件もあってはならないという点について、今後必死の努力を払わせるように指導してまいりたい、かように考える次第でございます。
  72. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 一件も許せないということでしたら、一件も許せない方向に向かっての努力をしていただきたい。ただ、精神的努力では困るわけです。  おたくからいただきました資料を見てみますと、昭和四十七年から五十一年までの資料が届いているわけですけれども、これを見ますと、四十七年と五十一年を比べまして、四十七年を一〇〇としますと、営業部門では三〇%の人員がふえています。それと比較しますと、保全部門、機械を保全する部門では一四%しか人がふえていないという事実があります。それからもう一つは、電話加入者が、四十七年を一〇〇にしますと、五五%と急激にふえているわけですね。それに対して職員は九%しかふえていない。いわば、機械は五五%ふえているのに保全部門は一四%しかふえていないということがこの資料で言えると思います。これでは幾ら精神的に努力する、こう言われても、人間がふえていないということは、今後もこの努力の効果が上がらないということになるんではないかとこの資料を見て心配するわけですけれども、いかがでしょうか。
  73. 服部安司

    服部国務大臣 先ほどの答弁で少し言葉足らずであったと思うのでありまするが、私は前回の衆議院の逓信委員会でもお答えしたのでありますけれども、日本の電気通信というのは、これはもう世界的に大変すぐれた技術を持っておりますが……(田中(美)分科員「簡潔にお願いします」と呼ぶ)はい、わかりました。ただ、この料金計算について、どこか外国ですぐれた国があるかもしれないから、そういった点も十二分に調査をし、いい面は大いに取り入れなさいということを強く指導しているわけでございます。  人間の増については、私は専門家ではありませんので、技術的な問題ですから総裁がお答えすると思いますが、決して精神的な面での指導ではありません。そういった事例を挙げて、わが方の専門家にも知恵を出させて、極力一人もそういった不愉快な思いをさせないように真剣に取り組んでいるということを重ねて申し上げます。
  74. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 公社の方にお願いしたいのですけれども、大臣は私の質問したことに焦点を合わせて答えていただきたいと思うのです。私は、いまの機械は故障が多いから、新しい機械開発して入れろということをいま言っているのではないのですね。その次元を話しているのではなくて、機械がこれだけふえているのに、五五%もふえているのに、保全部門の人員が一四%しかふえていないというのは結果的にだめではないかと聞いているのです。公社、お願いいたします。
  75. 秋草篤二

    ○秋草説明員 機械がふえる、加入者がふえることと人がふえるということを、料金の問題と離れていま先生が御質問されたと思うのでございますが、うちの技術は、増加する加入者に対応して、機械化、無人化、自動化というものを長い間懸命に追ってまいりました。したがいまして、加入者がふえても人の数はふえない、あるいはまた、首を切ることは絶対やりませんけれども、減員をする要素を相当はらんでおります。だから、そういう点では、保全の人がふえないということは正しいんではなかろうか、あるいは私などは、保全の人がもう少し減っていいんではないかということを幹部にも言っておるわけでございまして、一概に、加入者がふえた、機械がふえたから人が直ちにふえなくちゃいけないという結論にはならないと思っております。
  76. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 私の質問をよく聞いて答えていただきたいと思うのです。公社全体の人間を言っているんじゃないのです。交換台がかわれば交換手が要らなくなるというふうに、一般的に考えたら人が減るということを言っているわけではないのです。私がいま言っておりますのは、機械が五五彩もふえているのに、この機械の故障があるかないかチェックし、故障を早く見つけるという保全部門——おたくの資料では機械の故障だけでも年間八百十六件も出ているわけですね。料金のミスには、機械のミスとそれから作業の誤りのミスとがあるわけです。あなたの方では一件も許さないと言っているのですから、いまの機械が正しく作動するようにするためには、保全の人間を減らすということはおかしいんじゃないですか。機械というのを大切にしないと、どうしてもそこには故障が出てくるのです。苦情があったときに、機械に対する保全の人間を少なくしておきながら、機械は絶対ですというような加入者に対する言い方をするということですが、この数字を見た限りにおいては機械を大切にしてない、このことを私は言っているわけです。どうですか公社
  77. 長田武彦

    ○長田説明員 お答えいたします。  先生からいまお話がございましたここ五年ぐらいで約五〇%の加入者増、といいますことは大体五〇%近い設備の増がありまして、それだけ保守しなければならない物量がふえておるわけでございます。しかし、最近つけております設備というのは非常に新しい設備で、全体といたしましては障害の非常に少ないものでございます。それから過去の古い設備につきましても相当手を入れまして、整備をいたしましたりあるいは取りかえいたしましたり、そういうような経過をたどりまして、実際問題といたしまして、現在の障害の発生している状況、これはいま先生御指摘のありました料金に関する苦情のみならず、すべての機械関係の障害であるとかあるいは線路関係の障害であるとかそういうものを全部足しましても、障害の実数といたしましてはほぼ横ばいというような状態あるいは横ばいより若干減るというような状態になってきております。そういう意味におきまして、人をふやして障害を減らすということではなしに、実際にいい設備を入れて障害を減らすこと、さらにたとえば人手で試験をするとかいうようなことを機械で自動的に試験をさせる、そういうような保守の能率を向上させる力を講じまして、障害の減少に努めておる次第でございます。
  78. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 だから故障が一件もなくならないのです。一件でもだめだという状態にはいまの状態ではいかないわけです。いま新しい物を入れたとおっしゃいますけれども、まだDEXは数が少ないですよ。A型だって残っていますし、クロスバーにしたって、ある局全体で電話がばっと動かなくなったという事実も私は知っています。そして結局動かなくなったというのは電話料わからないわけでしょう、過去の記録は全部消えるわけですからね。ですから、あと前の年を平均して断り状もなしに請求したという事実も出ているじゃありませんか。そういうふうに、電話局の機械が全部ストップしたという故障さえあるわけですよね。ですから、人を減らさないで新しい機械を入れるというのは、これは次の次元でその問題を話しているのではなくて、機械の方に人間を少なくして営業の方に多くしているというところが——やはり公社というのは営利を目的とした企業ではないわけですから、誤りをなくすということに重点を置いて、保全のところにもつと人をふやすべきだ。横ばいだということは、永遠に八百十六というのが出るということです。いま大臣は一件でもなくすんだと言っているということは、いまの機械ですぐに保全に人をふやすべきだ、これを公社と大臣に私はまず要求して、次の質問に移ります。  いま電話に対する不満というのは非常に多くなっているというのを、ことしに入りましてからこれは私、朝日新聞だけをとったわけです。これを見ましても、一月二十三日の朝日新聞「天声人語」に、朝日新聞社に電話の苦情が一週間に四十件あったという、これも一つですね。それから一月二十九日、一月三十一日、一月三十一日には二つも投書が出ています。それから二月三日、二月八日、それから二月二十三日というように出ています。そうして逃れられないものについて三月二日に局がごめんなさいとおわびを出しています。こういうふうに出ていますし、週刊誌でも毎週この電話問題を取り上げているというのもあるわけですね。  なぜこんなに苦情が来るのかというふうに言いますと、まず公社からいただいた資料によりますと、一台に対して五件の苦情を受け付けているというんですね。そうすると、これは公社が苦情を受け付けたものは、年間でいきますと二十万四千件という苦情を公社が受け付けているわけですね。おたくの出した資料でですよ。いろいろ新聞やいろんなものに書いているので見ると、大分上へ上がるのにもみ消しているとかいろいろ言いますけれども、そんな意地悪は言わないで、おたくの資料で見て二十万四千件の苦情が公社に来ている。営業の受付の人に聞いてみますと、問い合わせも含めて正式な受け付け申請としないもの、しないでそこで済んでしまったもの、こういうものというのは大体三倍から五倍あるということです。そうしますと、単純に二十万四千に五を掛けてみますと、百二万件、ということは約百万の人が公社に対して電話なり行くなりして行動を起こしているということです。これはただごとでない数だと思うのです。いま銀行振り込みというのが七六%にふえています。そうしますと、この人たちは知らない間に取られてしまっているわけですね。もちろん自分が承諾しているわけですけれども、知らない間に電話料を取られてしまっている。こういう人たちの不満とか不安というものは、この百万をはるかに超しているというふうに思うのですね。そういうふうに、オーバーに言えば国民の十人に一人は不安を持っているんじゃないかというような状態が、いま社会問題として電話料金が間違っているんじゃないかというふうな疑惑として出てきているんだというふうに思います。私は公社としては横ばいだったとか数が減っているとか、一件でもだめだ、こう言いながらも〇・〇〇〇%なんだから数は少ないんだというようなことを言っておられますけれども、故障をなくして本当のミスをなくすという努力と同時に、国民がこんなに不信を持っているということは、やはり公社がその不信感をなくす努力をすべきだというふうに私は思います。  それで、まず先ほど秋草さんおっしゃったように、電話料金広域時分制にして値上げをしてから苦情がふえている、こういうふうに言われましたけれども、あれでいきますと、どこへかけてもわからないし、それから後で聞いても証拠がない。度数がただ回るだけですから、証拠は全くないというところに不満も出てくるわけです。私は、何日にどこからどこまでかけたことがわかるようにと、こういうことは言いません。しかし、せめて市内と市外の電話を分けて請求書が来るというようなことはできないんでしょうか。これができますと、公社がよく言われる加入者が勘違いしているんだというようなことが、そういう面もあると思いますが、これが相当私は防げると思うんですけれども、いかがでしようか。
  79. 浅原巌人

    ○浅原説明員 お答え申し上げます。  いま先生おっしゃっいましたように、一人一人の加入者について市内の度数が幾ら、市外の度数が幾らというふうに分けて出すということは、純粋に技術的には不可能なことではございません。しかしこれをやろうといたしますと、これは交換機方式によってもいろいろ技術的な手段が異なりますので、一概には幾らと申し上げかねますけれども、かなり高価な投資を必要といたします。また、お客様の御苦情がそれでかなり御理解がいただけるかということを考えてみましても、どうも実際のお客様が言ってこられる苦情のいままでの応対状況の経験からいたしましても余り効果が多くはないのではないかと考えられますので、やはり多額の投資を要することでありますので、現在では実際上無理ではないかというふうに考えます。
  80. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 多額の金がかかるという、その金をどうするかということで苦慮すると言うならわかりますよ。しかしいまの答弁、けしからぬと思うんですよ。広域時分制にしてから苦情が起きているんですよ。私たちは長い間、同じ市内では一通話七円で済むんだと思い込んで生活してきているんです。それが三分ごとに、市内だとカチカチ回るということを徹底したPRもしないで、そうしてあれしているから、市内と市外を分けていればその勘違いというのはなくなるわけです。そういうPRを何もしないでいて、それで効果がないなんということを断定するということは、この新聞の投書を見ても、いかに公社が——いまの態度は公社の体質を出していると思うんです。私は市内と市外を分けるという、こういうことがどれぐらいでできるかということを検討していただきたいと思うんです。これはいますぐせよとは言えません。  それでもう一つは、事前チェックをする場合に、電話料金が前月より十倍になったときしかしない、九倍のときにはしないという、こういう本社基準がありますでしょう。ほかの電話局ではもっと少なくやっているところもありますけれども、本社基準が十倍になっているということ自体、これは国民の不信を買うことです。十倍にならなければチェックしない、これも直していただきたいということを要求します。  そしてもう一つ、最後に私はどうしてもこれだけやっていただきたいということは、先ほどのお答えが非常にけしからないというのは、人が物を買うときには、大体何を幾ら、大根一本幾ら、ニンジン幾ら、タマネギ幾らで、合計幾らというのが常識なんですよね。ですから、その常識が抜けているんです。その公社のあの方は総裁の代理か知りませんけれども。ですから、それを基本にしていれば市内と市外に分けるのは当然だ。当然だけれども、金がないからと言うならまだわかるわけですけれども、そんなことは必要ないんだという立場に立っているところに、公社の体質体質と言われるのはそこにあるわけです。やはり常識として何が幾ら、何が幾らとするのがあたりまえです。しかし便宜上こうしてください、こうしてくださいという、そういう姿勢でなければいけないわけですね。ですから私は、これが金がかかると言うなら、今後の研究課題として、この基準を直すのは簡単ですね。ですから、市内、市外を分けるのは研究課題としてできるだけやってほしい、そういう方向で向いてほしいと言っているわけですけれども、いますぐそれでは大した金もかからない請求書を出すということですね。銀行振り込みが七六%と言えば、これはもっとふえます。八〇%になります。ほとんどの人が銀行振り込みになるわけですね。こういう人にはいま請求書が来ていないのです。ですから、銀行から取られてしまってからその通知が来る。それを見て、これはおかしいというので公社に言いに行きますと、そのときにはもはやわれわれはお金を取られてからの交渉になるのですね。そうではなくて、幾ら銀行から金を取られるのかということを承知した上で銀行から取るということが礼儀じゃないかと私は思うのですね。そしてそれが信頼感につながるし、ミスを未然に防ぐことになる。たとえば銀行にお金が少ない。特に共かせぎ家庭などはそれをうっかりしているわけですね。そうすると留守の間に電話を一、二回したと言う。共かせぎに昼間幾ら電話しても人がいるはずないでしょう。そういうことをしておいて、突然銀行に金がないからお金を払わないと電話をとめるぞ、銀行に金を持って行ってもだめなんだ、こっちの方に金を持ってこい、こういう高圧的なことを言う。ですから、請求書が来れば、銀行に入ってなかった、これでは足らぬというので銀行にすぐ持っていくということがまずできる。これを加入者が非常に要求しているのですね。それともう一つは、さっき言いました、知らない間にたくさん取られて、苦情を言いに行ったときにはもう払ってしまっているというこの二つの問題があります。  それで、公社の信頼を取り戻すということでは、まず請求書を銀行振り込みの人にも出していただきたい。これは大臣にそういう指導をしていただきたい。これを要求しますが、大臣いかがですか。
  81. 服部安司

    服部国務大臣 私は、壁頭に申し上げたとおりに、一件もないように努力はします。指導もします、当然な行為であります、こう申し上げていることには変わりはありませんが、田中先生大変専門的に御質問されましたので、ひとつ専門家をして答弁させます。
  82. 浅原巌人

    ○浅原説明員 私どもの関係していること二、三ございましたので申し上げたいと思います。  請求書の前にチェックの話がございまして、十倍云々というお話でございました。御指摘のとおり、本社の標準がそういうふうになっていた時代もございますが、やはり全体的にその事前チェック、前月から今月に向けて非常にふえたということだけでなくて、すべての行程のチェックを強化することを含めまして、おととしこれを改めまして、本社標準といたしまして従来より倍以上のチェックをするような指導をいたしております。ただこれは現場のいろいろの実態、機械その他の関係もございますので、逐次その実施率を上げるように指導しているところでございます。  それから請求書の問題でございますけれども、御指摘のように銀行振りかえのお客様がふえてまいりまして、これは私ども決して強制しているわけではございませんが、お願いをしていることも事実でございます。これは実際に先生御指摘のように、別に請求書を発行することにいたしますと、またしかられるかもしれませんが、やはり相当の経費を要しますので、その辺を含めまして、私、十分研究をさしていただきたいと思います。
  83. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 研究するというお答えですけれども、相当の金額と言われましたけれども、相当というのは抽象的です。大体やったって百億くらいでできるんじゃないですか。どんなに多くたって。電話料金は三兆数千億入っているんじゃないですか。百億円なんというのは公社にとって涙金でしょう。常識で考えて、はがき出すだけじゃないですか。現実にやっているわけですから、大臣、これは研究すると言っているので、ぜひ実現していただきたい。簡潔にひとつお答え願いたい。
  84. 服部安司

    服部国務大臣 持ち時間で十二分に納得することが得られなかったと思いますので、後で公社の方に言いつけて、先生のところに行って十二分に納得するような説明をさせます。私はあくまでも一人もそういった間違いを起こさないように、目標に必死の努力を払うということをお約束いたします。
  85. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 同じことを何遍も言わなくてもいいのです。不信感をなくするのはどうするかということで私はいまの請求書のことを言っているのです。領収書を出してほしいと言っているわけです。いま電話の役割りというのは非常に急速に変わっています。昭和四十年には百人当たり七・五台だったものが、五十年度は二十八・三台、ということは約四倍近くに電話がふくれ上がっている。ということは、初めは緊急かつ必要欠くべからざる連絡をするという認識であった電話というものが、人間と人間との心の触れ合いをつくるという電話に変わってきているわけです。決してエリートではなく、冷蔵庫やテレビと一緒電話を新家庭が入れるというふうに変わってきている。まして遠く離れた親子や家族、それから障害者、老人にとっては、電話というものは心の情緒のためにも必要なものになってきているわけです。そういう意味で公社の姿勢を変えてほしいと思うのです。  私が次に要求したいことは、お正月三が日に電話の割引をやっています。おたくの方から資料をもらいますと、もしやらなかった場合を想定すると、これよりも約一億一千万という増収があったというふうにあるわけですね。ですから電話料金の割引をもっと多くしてたくさんの人が長話ができるようにしてほしいわけです。そのためには日曜祭日の料金を割引してほしいということと、いま八時になっているのを六時にすればもっとみんなが電話をかけるようになる。そうすれば割引しても、相殺すれば結局電話料金の減収にはならない。電話というのは金がかからない。かからないというのは暴言ですけれども、普通の商品と違いますから、この点をぜひやっていただきたい。  時間がありませんのでこれと一緒に申しますけれども、もう一つは障害者みんなが電話で話せるようになったときに、障害者の中の特に聾唖者というのは全く電話から取り残されていくわけです。これは比較の問題として彼らは非常に気の毒だと思うのです。いま電話ファックスというのがあります。これの送受兼用機を聾唖者に限っては債券を要らないようにするとか、債券が五十七万円とか使用料が一万五千円とか、これでは高過ぎるので、聾唖者のためにはなしで取りつけてほしいという要求です。せめて聾唖者の施設からまずこういうことをやっていただけないか。こういうふうに電話の役割りは変わってきているわけですし、電話の中でも福祉ということを考えていただきたい。プッシュホンとかキャッチホンとかいうものを何億もかけてテレビでPRしている。営利の方だけに力を入れている。そうじゃなくて、そういう金をもっと福祉のために、庶民の日常の用具として電話が使えるようにいまの要求をいたします。それについての回答を大臣から伺いまして、時間になりましたので質問を終わりたいと思います。
  86. 服部安司

    服部国務大臣 社会福祉の観点から、特にいま技術開発ができて実用化に向かっている聾唖者のためのファクシミリの活用、債券の免除、優遇措置の点、これもよく御趣旨はわかりますが、聾唖者だからといって全く経済的に行き詰まっているとは断じがたいので、ケース・バイ・ケースで十二分に検討を加えたいことと、もう一つは、まず施設とおっしゃいましたが、施設には所管省があるわけでございまして、電電公社にすべてその負担を帰するということも問題がありますので、厚生大臣とも緊密な連携をとって、こういった措置について国がどの程度の責任を果たすかということも検討を加えてまいりたい、かように考えます。
  87. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 割引料金のことは……。
  88. 服部安司

    服部国務大臣 こちらの方が専門家ですから……。
  89. 西井昭

    西井説明員 お答えいたします。  最初に夜間の通話料割引でございますが、現在私どもで八時以降夜間割引をいたしておりますが、夜間の通話実態を見ますと、大都市のビジネス街ではなるほど昼間のところにピークが来ておりますが、全体の約四分の一のところではむしろ夜間の方にピークがございます。したがいまして、そういうところはむしろ夜間よりも昼間を割り引いた方が通話上トラフィックが平均されるというようないろいろな実態がございます。ただ、私どもといたしましても、夜間割引の問題につきましてはそういう複雑な各都市ごとの実態を踏まえまして今後なお実態に合うような検討をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。  それから、日曜祝日等の料金割引の問題でございますが、正月三が日間はいわゆる年賀通話という、あいさつ通話という特殊の事情によりまして先ほど先生がおっしゃったように若干の増収がございますが、日曜祝日割引をいたしますと、ほかの日からそこに通話が移動してまいるという実態もございますので、そういうトラフィックといいますか、日曜祝日の割引をしたときの通話の変動がどのようになるか、こういうことも十分詳細に検討、分析をいたしまして今後の問題として考えてまいっていきたい、このように考えております。
  90. 田中美智子

    ○田中(美)分科員 質問を終わります。
  91. 瀬野栄次郎

    ○瀬野主査代理 これにて田中美智子君の質疑は終了いたしました。  次に、大成正雄君。
  92. 大成正雄

    大成分科員 私はまず、速達郵便物の取り扱いについて御質問を申し上げたいと存じます。  進学あるいは就職シーズンになりますと、速達というものは非常に重要な使命を持ってまいります。速達が速達でなかったために人生のかけがえのない、生涯のチャンスを失うといったことも絶対にないということではないわけでありまして、このシーズンになりますと、この種にちなんだ苦情等がずいぶん出てまいるわけであります。私の知っている事例でもそういった事例がつい最近幾つかあったわけでありますが、そこでこの速達郵便物の区域外指定の問題について承りたいわけであります。  この速達郵便物は、私もちょっと郵便法等勉強してみたんですけれども、郵便法の第六十条に「速達」というのがありまして、「速達の取扱においては、郵政省において、当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物で速達としないものに優先して送達する。」「速達の取扱は、郵政大臣の定める地域にあてる郵便物につき、これをするものとする。」こういこうとになっておりまして、これを受けて郵便規則第百条で「速達郵便物は、最もすみやかな運送便により遅滞なくこれを運送すること。」こうなっております。さらに百一条におきまして「郵便法第六十条第二項の地域は、次のとおりとし、郵便局にこれを掲出する。」こうなっておりまして、「配達を受け持つ郵便局から郵政省の定める路程による陸路四キロメートル以内の場所」、そのほか「前号以外の場所で、配達を受け持つ郵便局から郵政省の定める路程による陸路八キロメートル以内の住宅等が集中する場所のうち、郵政省において、必要と認める場所」、こうなっておるわけであります。  以上の法律的な根拠からいたしまして、承りますが、大臣、この郵便規則百一条により四キロというのは、いつの時代に決められたものですか。
  93. 服部安司

    服部国務大臣 ちょっと事務的ですので、郵務局長から答えさせます。
  94. 神山文男

    ○神山政府委員 経緯がございまして、昭和二十二年十二月十二日法律第百六十五号、これで配達郵便局から陸路四キロメートル以内の場所とされております。それから二十八年に省令第二十四号で配達郵便局から陸路四キロ以内の場所及び郵政省において特に適当と認める場所とされております。それからいろいろ経緯がありますが、大体四キロというのは二十二年でございますが、その四キロを超える八キロ以下というのが現在ございますが、この方は四十六年に改正になったわけであります。
  95. 大成正雄

    大成分科員 郵政省のOBに聞きますと、この四キロというのは戦前ですよ。戦後郵便法や郵便規則が新しく改められたとき、二十二年とか二十三年とか言っておられるのですが、戦前からなんですね。大臣、いま宇宙時代ですよ。大阪、京都を一日で日帰りできるような状態のとき、しかも郵便局の配達の人たちの使っている足だって、自転車からオートバイにかわっているはずですよ。その四キロというのが、そううい戦後だけをとらえても今日まで続いているということはおかしいと思うのですよ。しかも大都市周辺のいわゆるベッドタウン化で、外郭周辺部に密集住宅として公団、公社あるいは民間の開発といったものが進むに従って、集団住宅については別扱いにするといったようなことになってきているわけですね。そういったことを今日いまだに守ってきているというところに、何かちょゃと私たちの想像する以上の保守的なものが、また前時代的なものが郵政省の中にあるような気がしてならない。この問題を解決するためには、まず法律を改めること、同時にまた人の問題、予算の問題も伴ってくるわけでございますけれども、この配達区域外というものは、われわれ国民は知らないです。たとえば大臣なら大臣がお住まいになっておる選挙区の市の人に、おまえ、この市の区域の中で速達になるところとならないところとわかっているかと言えば、わからないと思うのですよ。この郵政省の立場から言うならば、速達便覧というのがあって、何か六百ページくらいの分厚いものだそうですけれども、それが郵便局に一冊ずつある、こう言うのですね。速達で百五十円速達料を払って差し出す人は、一々速達便覧を点検して速達になるかならないかといって出さないですよ。一体全体、大臣、速達便の扱いというのは年間どのくらいあるのですか。
  96. 神山文男

    ○神山政府委員 五十一年度の速達郵便物数でございますが、速達のうち通常が三億五千二百万通、小包が二千四百万通でございます。     〔瀬野主査代理退席、主査着席〕
  97. 大成正雄

    大成分科員 この三億五千二百万通のうちで、大体一割ぐらいが速達区域外のものだ、こういうふうに聞いているんですね。そうすると三千五百万通ということですよ、いまの数字から言えば。そうすると三千五百万掛ける百五十円、幾らになりますか、これは四十何億、五十億近いですね。その五十億近い金は、われわれ国民は速達でないのを知らないために郵政省に取られてしまっているようなものですね。これはどういうことですか。
  98. 服部安司

    服部国務大臣 御指摘の問題については部内でも真剣に検討を進めております。先般も逓信委員会でそういった御注意がありましたので、私は、これは許せない、しかし順次見直しながら拡大はしつつありまするが、大成先生の御指摘のとおり全部やるとなりますると、これは御承知のとおり、先ほども御指摘ありましたが、当然に要員増の必要に迫られる。こういつたことが理屈になるかならないか別問題にして、現在郵便事業は赤字経営を続けておりまして、私は料金値上げをやりません、こう言ったものですから大変苦しい状態でございます。そこで、先般もこの問題について省議で私が提案いたしました。御指摘のように三千五百万人の、いわゆる認識不足の方が百五十円の切手を張って投函される。こうなりますると、これは当然今度は配達員が仕分けをやって、いわゆる百五十円張りながら普通郵便扱いをされる地域があるわけですから、まず初めの手当てとして、投函する郵便受けに、もしあなたが投函される地域が配達区域であるかないか不明の点は、まことに申しわけありませんが、窓口までお越しいただきたいという、まず第一弾として利用者の認識を深める努力をしようという検討を実は一週間前に命じました。さらに、こういった問題についての、いわゆる速達区域の拡大について、現実におっしゃるとおりに衛星都市ができて、ちょっと行けば、ライン一つ超えれば、ずっと連檐しているのに、これは区域外だと言うことも余りにも愛情がなさ過ぎるから、見直しをやる準備をいま進めているのが実情でございます。
  99. 大成正雄

    大成分科員 大臣の言わんとするところはわかります。しかし、速達いうのは早飛脚ですからね名実ともに速達なんですから、郵便局に問い合わせて六百ページからの便覧を点検してもらって返事を聞いてというようなことはなかなかやらないし、ましてや会社の事務員が速達で就職の決定通知を出すとか、試験日の通知を出すとかという場合に、一々それを確認することはなかなか不可能だと思うんですね。一番簡単なのは、区域外をなくしてしまうということ。大臣の所管行政の中でも、たとえば電波一つを見ましても、日本列島どこでもテレビが見られるような努力はしているはずですよ。しかも戦前の四キロなんというものをいまだもって、オートバイや何かを使っているような時代に、そういったことが行われているというところが問題ですね。  そこで、いわば五十億近い金というのは不労所得みたいなものですね。これは失礼な言い方です。ごめんなさい。不労所得みたいなものですから、それは一体何に使っているのです。
  100. 神山文男

    ○神山政府委員 郵便の収入は、郵便の業務収入といたしまして郵便物の運送等の経費に使っております。
  101. 大成正雄

    大成分科員 大胆、これはお札に色は、切手に色もついていないし、わかりませんよ。予算書を見ても、それは色はわかりませんよ。しかしながら、大まかにそういうものは大臣も把握しておられるのですから、その区域内を広げるためにその五十億を使えと大臣が命令すれば、それぞれの所管においては、じゃどうしたら区域内を広げることができるかということの、その金の使い道を研究するはずですよ。これはひとつ大臣、この次の省議に早速そういう命令を出してください。その五十億は、一般の切手を売った金と同じように使うということは、ちょっと筋合いが違うと思いますよ。  そういうことを申し上げて、さらに住居表示の問題について、自治省来ていますか。——郵便局も現場の皆さん方が配達しやすいようにということでずいぶん努力をして、私いまここに持っておる「新しい町づくりは住居表示から」ということで、これだけのものを配って努力しておられるということ、その努力に敬意を表します。昭和三十七年の住居表示に関する法律によって、それぞれの自治体は住居表示を徹底するようにやるんですが、このパンフレットの中にも、関東郵政局管内主要都市の住居表示実施状況を見ても、五〇%までいっていません。また、私の地元埼玉の内容等を見ましても、住居表示の進捗状況というのは非常に低いですね。埼玉県の事例を挙げて恐縮ですが、一〇〇%住居表示を実施しているというのは三市しかないですね。蕨、新座、志木。志木は九九・九。全然住居表示をやっていないというのが川越、熊谷、不名誉ですが私の地元の大宮、深谷、与野、八潮、六市あります。ともかく昭和三十七年にそういう法律ができても、今日そんな状態であります。これは郵便局の現場の人が苦労するというだけのことではないと思うのですが、大体自治省は住居表示を促進するために、郵政省ではそれがための無料のはがきをサービスしたり何かして、こういうパンフレットをつくったりしてやっていますが、自治省は一体どういう努力をしておられるのですか。
  102. 矢野始

    ○矢野説明員 お答え申し上げます。  まず、財政的な面でございますけれども、財政的な面といたしましては、これにつきましては交付税で実施する団体についての交付税措置をとっております。これについては普通交付税と特別交付税と二種類ございます。普通交付税は、標準団体ベースで申し上げて恐縮ですが、各市町村当たり三十八万というこれは行政費でございます。なお実施に関するものについては特別交付税で措置させていただいております。これにつきましては最近におきましては大体、年度約一億二、三千万という形で毎年措置をさせていただいておる状況でございます。それの内訳と申しますすと、政令指定都市では二百万、それから人口五十万以上の市、区では百五十万、その他の市区町村では百万、こういうことで実施される町村としまして、本年度、五十二年度予定されておりますのは百四十一団体で一億五千二百万、こういう形のものを用意させていただいておるわけでございます。
  103. 大成正雄

    大成分科員 これは大臣にお願いしておきます。自治大臣と郵政大臣の間に住居表示をどうしたら急速に進められるかの協議機関を関係者同士でチームをつくっていただくように、一億や二億くらいの金でこういうものをやっているなんということ自体がもう問題があると思います。私は時間がありませんからそのことに触れません。ともかく自治大臣と郵政大臣の間でこの住居表示を年次計画を立てて早く一〇〇%に持っていくという、その目標を決めて努力をしていただくということだけお願いを申し上げたいと思います。  次に、電報のことでございますが、電信電話諮問委員会からの答申内容を見ますと、電報事業につきまして電話普及によって電報利用者が急速に低下をした、こういうことと、それから赤字を埋めるために内部相互補助ということの必要性をうたっております。同時にまた、電報に関しましては、「電報事業については、料金の適正化、総費用低下のための近代化、合理化を、労働問題にも配意しつつ推進すべきであろう。」こういうことを言っております。この答申に対する大臣なりあるいはまた関係者の御答弁を承っておりますと、私の持ち時間がなくなりますので簡潔に、電報は電報としてやはり電話、速達とは違ったそれなりの意味があるわけでありますから、こういった赤字でもサービスするということでどういうふうに考えておられるかを承りたいと思います。できるならば電報の取り扱いだけで赤字が幾らあるのかということだけを承りたいと思います。
  104. 玉野義雄

    ○玉野説明員 五十一年度で電報の赤字は約一千百億でございます。これに対しましては先生おっしゃいましたように、電報はやはり必須的な面もございますので続けていく必要があると思いますが、これをさらに合理化いたしますために、ただいま千七百局が配達業務をやっておりますが、これに対して七百局を委託にいたしております。そうするとかなり合理化できるわけでございますが、これをさらにふやす。それから一一五で受け付けておりますが、これはかって五百局あったわけですが、これを現在三百局に集中いたしまして集中合理化を図っておるわけでございます。これをさらに六次中に五十局に集中するというようなことで合理化を図ってまいりたいと考えております。
  105. 大成正雄

    大成分科員 この電報の送達には時間の問題もあります。また、いろいろな防犯的な問題であるとか、現場の人たちは大変苦労しておられると思うのですけれども、電報は電報として努力をしていただくということでございますが、ある程度信書の秘密の問題もありますけれども、遊休労働力を使うとか、それぞれの自治会を活用するとか、何とかひとつ創意工夫をして、電報は電報としてできるだけ国民のニーズにこたえられるようにお願いを申し上げたいと思います。  最後に、最近解散があるのだとかないとか、解散のことが新聞にいろいろ出ていますが、私は大臣に解散をいつやるのだという福田総理大臣の腹の中を聞くのではないのです。解散になると解散電報をよく打ちますね。「シウギインタダイマカイサン」といった電報です。昔は「ヨロシクタノム」といったのですが、いまは「ヨロシクタノム」というのはいけないらしいのですが、大臣、どうですか、千百億も赤字を出していて、解散電報を今後とも扱っていく考え方ですか。
  106. 服部安司

    服部国務大臣 私は専門家でないので余りわかりません。御満足いただけないので、監理官からお答えさせます。
  107. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 先生のただいまの御質問は、実は電気通信政策の基本にも触れる問題かと思いますが、電気通信政策の基本の一つといたしまして、サービスは提供するけれども通信の内容には触れないというのが電気通信政策の基本点でございます。したがいまして、お出しになる方の通信の内容を見て郵政省なり電電公社なりが判断することは、本来的にいたしてはならないことであると私どもは存じております。
  108. 大成正雄

    大成分科員 大臣、そうすると、通信立場からするとこれに横やりを入れるわけにいかないということですが、政治家としての服部先生のお立場からして、あるいは公職選挙法等の取り扱いからして、解散電報というのは許されるべきものか、昔からやっていることだからしようがないだろうと思っていらっしゃるのか、大臣自身はどうですか。
  109. 服部安司

    服部国務大臣 これはたしか禁止されたと理解しております。しかし、うちの監理官が言ったとおり、おれはやるのだとおっしゃられれば断わることはできないでしょうね。法律では電報を受け付けてはならないとは書いてないわけですからね。ですから、その人は司直の手でお裁きを受けることに相なろうかと思います。  ただ、やれと言われれば、私の方は内容のいかんにかかわらず受け付けざるを得ない、かように理解しております。
  110. 大成正雄

    大成分科員 であるとすれば、この公選法の解釈からして、前回の総選挙の場合も、「ヨロシクタノム」ということがなければ、「シウギインタダイマカイサン」というだけのことだったら別に違反でも何でもないのだということで、みんなある程度電報を打っていますよ。多数に及ぶので、郵政省でも打信に対しては相当サービスして協力していますよ。これは事実を申し上げているわけです。  ですから、これは自粛決議みたいなもので、そういうことはやらないならやらないように閣議決定をして、あるいは衆議院の議運で決めてもらうとか、その辺のところの取り扱いを——いまの調子だといつ解散になるかわかりませんから、あえてこのことをお聞きしたわけですが、ひとつ意思統一をしておいていただきたい。
  111. 服部安司

    服部国務大臣 意思統一よりか、公職選挙法で禁じているわけです。たしか、昨年でしたか、国会を通過したと記憶いたします。  それ以上のことは専門家ではございませんので、法務委員会か何か、適当なところで確認していただければ大変ありがたいと思います。
  112. 大成正雄

    大成分科員 わかりました。  終わります。
  113. 藤田義光

    藤田主査 以上で大成正雄君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。
  114. 上原康助

    上原分科員 私は、最初にNHKの受信料問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  もうすでに予算委員会あるいは逓信委員会などでも取り上げられたようでありますけれども、いわゆる在日米軍あるいは軍属の方々の受信料金が徴収できない、相当額に上る滞納といいますか、未納があるということで政治問題になっているような感を受けます。  そこで、現在の状況は一体どうなっているのか、まず、その御説明をいただきたいと思います。
  115. 平野正雄

    ○平野政府委員 お答え申し上げます。  地位協定の絡みがございまして、その解釈につきましては外務省の所管になっておりますけれども、NHKは国の機関あるいは公共団体ではございませんので、受信料は私法上の契約に基づきまして、NHKを維持するための費用を受信者が分担するものでございますので、郵政省といたしましては、公租公課に該当するものではないという外務省の方の解釈に従って考えておるわけでございます。NHK自身はあくまでも放送事業体でございますので、NHK自身が現在のところ、企業努力の一環といたしまして米関係当局と折衝中でございます。  すでに先生御承知のように、米軍関係から公租公課に該当するという誤った判断が出されましたのに対しまして、NHKは抗議文を発送するなどいたしまして、米軍と話し合いをいたし再たいという努力を現在継続中でございます。郵政省といたしましては、その状況を見守りながら、必要のある場合には米軍の誤解を解くために関係機関と積極的に協議を進めてまいりたいということで、事務的なコンタクトを始めたところでございます。
  116. 上原康助

    上原分科員 その程度のことはすでに報道されておるわけですから、もう少しその内容をお聞かせいただきたいのです。  米軍人、軍属の世帯数はどのくらいあるのか、徴収するとなると幾らくらいの額に上っておるのか、そこいらはどうなんですか。
  117. 丹波実

    ○丹波説明員 お答え申し上げます。  私たちが持っておる資料によりますと、これはことしの二月末の数字でございますが、在日米軍の数をまず申し上げますと、約四万八千ということになっております。  家族は、員数で申しますと、軍人、軍属を別にして、純粋な家族だけで約三万六千ぐらいの数字であろうと考えております。
  118. 上原康助

    上原分科員 家族は三万六千で、世帯数は違いますよね。三名かあるいはそれ以下かもしらぬし、世帯数で言うとどのくらいになるのですか。
  119. 丹波実

    ○丹波説明員 この点につきましては、面接には施設庁が適当な答え得る官庁だと思いますけれども、昨日の逓信委員会で施設庁の担当課長が述べておった数字としては、基地内の戸数だけに限りますと、本土においては約六千戸程度であろう、沖繩においては約五千戸程度であろう、合計して約一万一千ぐらいの戸数が考えられると、こういう答弁がありました。
  120. 上原康助

    上原分科員 そうしますと、これは大体一万一千世帯になるわけですね。  これはなぜいまになって受信料の問題が起こったのか、ちょっと疑問なんですね。そこいらはどういう経緯になっているのかということと、もう一点はっきりさせていただきたいことは、地位協定の十三条の一項あるいは三項を引用するまでもないと思うのですが、その地位協定上の租税、課税の減免措置には当たらないという解釈は政府としてはとっていらっしゃるわけですね。その点は確認できますね。
  121. 丹波実

    ○丹波説明員 まず、本件がどのような経緯でこういう問題になったかという点につきましては、郵政省あるいはNHKの方からお聞きいただきたいと思います。  地位協定上の解釈について私から申し上げますが、地位協定第十三条三項では、合衆国軍隊の軍人、軍属、家族が日本国内において保有しておる動産に関連するところの租税は免除されるという規定になっておりますが、私たちの解釈では、ここに言う免除の対象となる租税にはいわゆるNHKのテレビ受信料は当たらない、こういう解釈でございます。
  122. 平野正雄

    ○平野政府委員 お答え申し上げます。  先ほど先生の方から、いまになってなぜこのような問題が起きたのだろうかという御質問でございましたが、NHKの方からは、従来からこのような形ではございませんけれども、若干地域によっては問題がなかったわけではない。それに対しましてNHKは、英文のパンフレットをつくったり、個々の御家庭に対しまして説明をいたしましたり、そういったことで、ここまで燃え広がると申しますか、そういうようなことはなかったように私どもとしても聞いておるわけでございま  ただ、御承知のように、NHKはこのところ経営的に非常に危機感を感じておりまして、そういった意味で、いわゆる集金活動と申しますか、収納活動と申しますか、そのようなものを積極化してきていることも一つの原因ではなかろうかというふうに思っておる次第でございます。
  123. 上原康助

    上原分科員 ほかの件もありますので余り多くは申し上げませんが、NHKさん、いまの御答弁では少し怠慢じゃないですか。国民の方にはびしびし徴収をしようという姿勢を示しながら、当然支払いをすべき料金を在日米軍軍人、軍属が全く納めていないということは、これは問題ですね。  そこで、特に沖繩あたりだったら、これは占領意識があるから、こんなものなんか絶対納めるべきものではないと思っているのじゃないですかね。情報を担当するNHKさんが、みずからの経営なり、そういったものに対して徹底させきれないとなると、これまた何をか言わんやです。そのことは別として、地位協定上も減免措置に当たらないという解釈を政府が、外務省がとっておられるとするならば、基地内には御承知のように自由に立ち入りできませんから、取ろうにも取れないといういろいろな不利な条件などもあって、今日までこの問題が企業努力としてなかなか達成できなかったと私は理解をするわけです。その点はわからぬわけでもありませんが、これがここまで問題化して、何だ、ではNHKの料金はわれわれも払わぬでもいいのかということになりますといろいろ弊害が出てくると思いますので、ここをいま企業努力によって、NHKの方で米側といろいろ話し合っておられる。たしか、大使館を通して、あるいは領事館を通してのことだと思うのですが、それも結構なことですが、事がここまで問題になると、大臣、これは一つの外交問題に値する点だと私は思うのですね。したがって、当然NHKさんはそれなりの御努力はやっていただかなければいかぬと思うのですが、外務省なり郵政省として、この問題を早期に解決していかねばならぬし、あるいは皆さんが絶えずおっしゃる相互の理解という面からもこういう問題をほったらかしておくわけにはまいらぬと思うのですね。  その点の解決策はどのようにおとりになるおつもりなのか、大臣の方からひとつ決意を伺っておきたいと思うのです。
  124. 服部安司

    服部国務大臣 御指摘どおりに、NHKの企業努力の足りなかったことは、私はむしろNHKに対して強く企業努力を今日まで求めている状態であります。  しかし、戦後三十三年間放てきしていたということはまことに残念なことであって、御承知のとおりに、NHKは聴視料をもっていわゆる公共放送業務を行うという権限を法律で与えられているわけでありますが、しかしながら、今後どう対処するかという問題でありますが、放送事業者のNHKは必死の努力を払うのは当然でありますが、こういった問題が大きくクローズアップされて、はっきりと外務省の見解も出ましたので、私は、外務省、防衛施設庁、郵政省が一体になってこの問題解決のために最善の努力を払う体制をいまつくっております。  したがって、この問題の解決はNHKの経営基盤にも大きく影響するというわけでありますから、早期解決のために懸命の努力を払うことをはっきりとお誓い申し上げる次第であります。
  125. 上原康助

    上原分科員 これは外務省、NHK、まあ防衛施設庁も関連すると思うのですが、いま大臣がお述べになったような方向でぜひ御努力をいただきたいと思います。  次に、電話の積滞問題についてお尋ねをしたいのですけれども、私はこれまでも、本委員会なりあるいは沖繩北方問題特別委員会などでも沖繩の電話積滞問題を中心にいろいろお尋ねしてきたのですが、残念ながら余りはかばかしくない現状なんです。  そこで、現在、全国電話加入申請、申し込み申請がなされて、まだ架設されていない件数はどのくらい残っているのか、お答えください。
  126. 玉野義雄

    ○玉野説明員 手元に資料がございませんので正確な数字は申し上げられませんが、大体二十万足らずであるというふうに考えております。
  127. 上原康助

    上原分科員 昨年十二月末日段階で、いまおっしゃるように大体二十万あるいは二十二万程度の積滞数が全国であるということですが、私の手元の資料にもそういうふうになっています。  これは全国的にも、新興都市の問題とか、団地がどんどんできていくとか、いろいろとそういう面でなかなか需要を満たし切れない面があることは理解しないわけでもありませんが、特に沖繩の場合を申し上げますと、いまおっしゃった二十万のうちでも、約三分の一に相当するものが沖繩の件数になっているわけですが、現在どのくらいの積滞数になっておりますか。
  128. 玉野義雄

    ○玉野説明員 大体六万九千でございます。
  129. 上原康助

    上原分科員 それは、復帰前から申し込んでまだ架設されていない、その件数はどのくらいかおわかりですか。
  130. 玉野義雄

    ○玉野説明員 復帰前からの分につきましては、現在残っておりますのは二百九十でございます。
  131. 上原康助

    上原分科員 二百九十件ぐらいまだ残っている。この五月が来ますとちょうど満六年ですよ。これも直接間接にいろいろと事情も公社の方からも御説明を受けておりますし、また、皆さんのお立場も理解しないわけでもないですが、およそ七万件に上る積滞数があるということは、これは申請をしている県民の方からするとなかなか納得のいかない点なんです。  そこで、なぜこのようにはかばかしく事が運ばぬのか、その障害となっているのは一体どういうことなのか、その原因について少し御説明をいただけますか。
  132. 福富禮治郎

    福富説明員 お答えいたします。  いま先生のおっしゃられました沖繩県におきます積滞解消につきましては、復帰以来非常な努力をしてまいりまして、いままで約九百億円に余る建設投資を行って、敷地の取得とか局舎の建設に可能な限り努力を払ってまいりました。その結果、復帰時に比べますと、加入者数は大体一六五%、一・七倍近くにふえたわけでございますが、まだ復帰後五年有半でございまして、本土におきましても、加入者の積滞が解消いたしましたのは、公社発足以来二十五年の長い期間がかかったわけでございます。これに比べますと非常にまだ短期間でございまして、まだわれわれの努力の至らないところがあるわけでございますが、ほかの県に比べまして、先生のおっしゃいましたように電話の需給がまだ十分に行き渡っていないということから、新規の需要が非常に旺盛でございます。それで積滞がなかなか解消しないわけでございます。  その理由といたしまして、敷地の取得というような点で、非常に多数の地権者に細分されておるとか、あるいは境界が不明確なものがかなりあるとかいうこと等によりまして、本土に比べて取得に非常に時間がかかる、また、いろいろな方面とのお話し合いや組合との話にも時間がかかるというようなことでいままでなかなか進んでいかなかったわけでございますが、主なところの敷地等も取得される状況になってまいりましたので、今後できるだけ早期に解決すべく努力を続けていきたいと考えておる次第でございます。
  133. 上原康助

    上原分科員 そういうふうに、本土も二十五年かかったのだとか、あるいは沖繩はまだ五年ぐらいだからまあそんなにとか、それはそういう理屈も成り立つでしょうが、昔の十年といまの一年が匹敵するぐらいに文化、情報網が発達しているのです。あなた、そんな悠長なことではいけませんよ。いろいろ事情はあるでしょうが、早急にやってもらいたいが、あと何年ぐらいで——この間は三年ぐらいと言ったが、三年待つわけにはまいりませんよ。ぜひもう少しスピードアップをしてもらいたい。  これの大きな原因の一つは、はっきり言うと、海洋博関係事業だけに優先をさせたということですよ。民事を後回しにしたということです。そういう弊害が出てきている。特に、那覇とか中部あたりの面では非常に悪影響を受けている。一方、北部の海洋博周辺地域は、山間部落に至るまで回線が余って、入れてくれとむしろ公社の方から頼んで入れているくらいの状況が出ているのです。そういう皆さんの計画自体にも誤りがあったということを、この際十分御理解をいただいて進めていただきたいと思います。  それが一つと、もう一つ足りないのは公衆電話なんです。私は時折飛行機なんかで沖繩によく行く方々にお尋ねするのですが、一番困るのは何かというと、交通機関と通信網電話だと言うのです。街を歩いても公衆電話のボックスが非常に少ない。鉄道がないものですから、交通と電話とか、そういった通信が沖繩へ行って一番困ります。ですから、これはやはり社会の基本施設の整備の問題ですから、そういった面をぜひ十分改善をするようにやっていただきたい。  もう一つは、これは沖繩に限りませんが、新興都市とか団地ができた場合に、そういう地域への公衆電話の配置の問題がまだまだきわめて不十分であるということ、そしてもう一つは、離島関係においてまだ自動ダイヤルになっていないところが相当あります。この面の解消を早急にやっていただきたい。  この四点についてどのような具体策を持っておられるか、その点をぜひこの際明確にしておいていただきたいと思います。
  134. 福富禮治郎

    福富説明員 お答えいたします。  海洋博の関係でございますが、沖繩海洋博につきましては、非常に国家的な事業であることも考えまして、公社といたしまして通信設備の整備に協力いたしました。しかし、いま沖繩県の電気通信設備の整備のおくれておりますのは、先ほど申し上げましたように、敷地の取得困難等によります局舎の新増設がおくれているというような点でございまして、海洋博がこれに影響を及ぼしたというようなことは決してございません。  それから、第二点の公衆電話でございますが、公衆電話につきましては、確かに全国に比べまして普及率が低うございます。これもいま毎年千程度ふやそうとしておりますので、できるだけ早い機会に本土並みの状況にいたしたいと考えているわけでございます。  それから、自動改式でございますが、五十一年末に沖繩に十一局の磁石局がございました。それが五十二年に改式いたしまして、あと残り、磁石局として五十二年度末に八局残ります。集中合併するところも入れまして、五十三年度に七局自動改式いたしまして、すべての磁石局はなくなる予定でございます。
  135. 上原康助

    上原分科員 いまのお答えの中には、南大東島とか、そういった離島も含んでいるのですか。
  136. 福富禮治郎

    福富説明員 含んでございます。
  137. 上原康助

    上原分科員 それはいつまでに……。
  138. 福富禮治郎

    福富説明員 先生のいまおっしゃられました南大東、北大東の局も、五十三年度中に全部改式を終了する予定でございます。
  139. 上原康助

    上原分科員 それは八重山群島全部を含んでいますね。
  140. 福富禮治郎

    福富説明員 全部含んでございます。
  141. 上原康助

    上原分科員 早急に自動式にするということと、離島の情報網の確立を促進していただきたいということですが、五十三年度中というともうすぐですから、ぜひその間に達成をしていただきたい。  それと、いま一つテレビの問題なんですが、これも御承知のように、NHKの回線は両先島までは一応一方通行回線で行っているわけですね。しかし、NHKだって向こうから来ないのですね。宮古、八重山からの回線はないわけです。一方通行です。そこで、これを当面ぜひ実現をしていただきたいということと、いま一つは、南大東、北大東の場合なんか、NHKだってまだビデオで一日二時間ぐらいしか流れていないという状況なんですね。恐らくそういうへんぴな地域というのは全国的に幾らかあるかもしれませんが、しかし、現代のこういった情報発達の時代において、電話なりテレビの回線が全く行かないというのは、その離島に住んでおられる住民にとっては大きな社会問題でありますので、それを早急に解決をしていただきたいということと、もう一つは、民放の場合はほとんど両先島さえもいま回線がない。これの解決も公社なりでぜひやっていただかなければならないということです。  さらに、まとめてお答えいただきたいのですが、せんだっても大臣に要請をいたしましたが、沖繩のテレビ中継回線料金改定の問題については特別の御配慮をこの際いただきたいということですね。これも距離逓減制がないということで、今度の料金改定によって相当大幅な影響を受ける。さっき申し上げたローカル番組なり、いろいろな民放の経営問題なり、地域住民へのサービスという面では相当しわ寄せがあるわけですから、この際そういった問題等を含めて全般的に解決していただく御配慮をするべきだ、その処置を講ずるべきだと私は思うのです。  こういった点についてどのような御計画を持っておられるのか、また、その見通し等について御回答を煩わしておきたいと思います。
  142. 西井昭

    西井説明員 お答え申し上げます。  順序不同になるかと思いますが、まず、沖繩の先島方面のテレビ回線の問題でございますが、現在、先島の方にテレビを置くべく海底同軸の工事をいたしたところでございます。これは下り方面には先生がおっしゃったとおり可能でございますが、上り方面に関しては回線をとることができませんし、この点につきましては、事実上テレビ会社の方からの需要も余りございませんので、現在の同軸ケーブル方式ではいますぐ行うことは困難な状態でございます。  それから、沖繩にございます民放二社のテレビ回線料金の問題でございますが、ただいまおっしゃいましたとおり、この四月からテレビ回線の料金を改定させていただくべく準備をいたしておるところでございます。私どもが決めておりますテレビ回線料金と民放各社が実際にお払いになっておられます回線料金とは、現在のところでは直接的には関係のない制度になってございます。たとえば東京から沖繩に参りますテレビ回線は、途中でたくさんの民放会社が一回線を共用していらっしゃるわけでございます。  私どもは、あるテレビ回線については、定められた料金によりまして、民放各社でおつくりになっております回線運営センターというところに請求書を出しまして、そして回線運営センターというところで、これを民放各社に割り振っておられるわけでございます。したがいまして、公社の請求いたします料金と民放各社がお払いになっていただく料金との間には直接的には無関係ということになってございます。  ただいま先生のおっしゃいましたとおり、ただいま回線運営センターの方で沖繩二社に対するテレビ料金の値上げの動きがあるようでございますが、とりあえずのところでは、私どもの承っておりますところでは、昭和五十五年までは現在の体系のままにしておきまして、そしてその間に沖繩の関係をどのように扱うかということを回線運営センターの中で小委員会を設けて検討をしておられる、このように承っておる次第でございます。
  143. 上原康助

    上原分科員 これで終わりますが、いまの点は事務当局だけに任さぬで、特殊事情のあるいろいろな県がありますから、政治的な御配慮もいただきたいと思います。  その点を大臣の方からひとつ……。
  144. 服部安司

    服部国務大臣 先般来、この専用回線の料金問題についてるる御陳情も受けております。ただ、私の方でどうしろこうしろという権限はないわけでありまして、回線運営センターですべて決定するわけでありますが、先生方の御要望もまことに強いですし、できるだけの配慮をしてほしいということを、非公式ですが、私自身が、郵政大臣じゃなしに個人の立場でいろいろな機会にそういった民放関係者にお願い申し上げているのが現実の姿でございますが、なお今後も沖繩の現実を十二分にとらえて、なるたけ沖繩県民もひとしく本土の国民同様の恩恵を受けられるようなせめてもの努力を払いたい、かように考えておる次第であります。
  145. 上原康助

    上原分科員 終わります。
  146. 藤田義光

    藤田主査 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  昭和五十三年度一般会計予算昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算郵政省所管について質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の格段の御協力によりまして、本分科会の議事を無事終了することができましたことをここに厚く御礼申し上げます。  これにて散会いたします。     午後一時九分散会