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大出委員 実は数字がいろいろございますので、どうしてもこの資料をごらんいただきながらでないと立証できない、そういうことでございますので、お許しをいただきたいのです。
そこで、日立が発表いたしました。ところで、四角い小さい方の三枚か四枚かございますが、こちらの方をごらんいただきたいのでありますが、一番上に表が出ておりますが、表を後にしていただきまして、表を一枚あけていただきますと、「日立の説明に疑惑あり、」以下は、「参考の為の資料」と書いてありますように、実は、私が
質問をしようと思ってまとめてメモをつくったのですが、お渡ししておかぬと、中身が中身で、おわかりいただけないと思ったものですから、時間がありませんでしたから、そのままゼロックスをとったのでございまして、そういう
意味でこれは私の
質問のメモでございますから、そういうふうにお受け取りいただきたいのです。
「日立の説明に疑惑あり、二月十六日異例の発表」これは日立開聞以来の発表をした。しかも、発表する、発表すると言ってなかなか、数字合わせをやっておって、対策
委員会を日立さんおつくりになって、いつになったって出てこない。とうとうしようがなくて発表されたという
事情がございます。専門用語や数字のつじつま合わせをおやりになっておりまして、むずかしいところは専門用語でみんな
お話しになる。記者の方々は煙に巻かれるという場面まであったわけであります。危なっかしいところはまとめた数字にしてしまっているわけですね。単体ATS百四十五万円、列車無線四十万円、金額を明らかにしたのはこのくらいしかない。あとは幾らか言わない。一両について仕様アップ三百七十四万円、こう言っているのですが、これは電気回りであります。モーターの例を挙げている。モーターの例を挙げますと、これは日立が言っているのですが、地下鉄の地下部分は駅の間が短いから加速性能が欲しい。加速性能は、つまり牽引力、引っ張る力、トルクアップ二七%、こう言うのです。トルクというのは、引っ張る力、こう解釈していただけばいいと思うのです。これを二七%上げた。地上の部分は駅の間が長いので高速性能が必要である。最高回転数二七%アップした。これはモーターですよ。以上によって、モーターコストが一四%アップしたというのです。これは、金額は言わない。これはまた、私に言わせれば不納得であります。
そこで、これからが問題です。モーターということを例に挙げたから、モーターを調べてみたら、これは会計検査院の方にも後で承りますが、実を言うと国鉄の四一五系とそう変わっていない。これは表をごらんいただきたいのです。「ソウル地下鉄と国鉄四一五糸電車の比較」ほとんど同一である。主電動機、こればモーターであります。ソウル地下鉄と四一五系に分けまして、方式、脈流直巻補極付、両方同じであります。極数が四で、これは同じであります。一時間定格、出力が百二十キロワット、これは同じであります。電圧が三百七十五ボルト、これも同じであります。電流が三百六十アンペア、これも同じであります。回転数が千六百五十rpm、千八百六十rpm、ここに数字の違いが出てまいります。界磁率というのがその後にありまして、八〇%、一〇〇%と、ここに違いが出てまいります。そこのところを一枚あけていただいたところをいま私が読んでまいりました。ここで説明を私、したつもりでございます。
出どころを明らかにいたします。国鉄臨時車両設計事務所というのがございまして、ここの資料の中に主要諸元集というのがございます。その二ページに、四一五糸主要諸元というのがございます。原本を私ここに持っておりますが、ここに主要諸元というのがございます。原本から私は抜き書きをいたしました。この中に、きわめて詳細に、国鉄側の四一五系の諸元が説明をされております。日立はそれを引き合いに出して比較していますから、これを出したわけであります。
ところで、もう
一つ資料を申し上げます。
ほかならぬ、この間申し上げました、これは国鉄の外務部から出向した方でありますが、
河村四郎さんがジャーツのソウル支所長であります。国鉄の方がジャーツの支所長というのはいまだにわからぬわけでありますけれ
ども、何遍も申し上げて恐縮なんですが、わからぬから申し上げる。御勘弁願いたいのですが、この
河村さんと一緒におやりになっておられました、国鉄の方でありますが、川添雄司さん、この方が
佐藤慎也さんという方と一緒に「ソウル首都圏用電車の計画」というのを詳細にお書きになっています。原典、指摘をいたしますが、「電気車の科学」六月号、こういう表紙のものであります。ここにジャーツの福崎直治さんが前書きを書きまして、後、
河村さんと一緒にやっておられました川添雄司さん、
佐藤さんという二人の方がここに書いています。この中に、NHKがやっておりましたが、試験なんというのはジャーツがやっていて、日立はやってないじゃないかというようなことをニュースで流しています。それだけもうけたのじゃないかと言っていますが、総合試験以下、試験のことも全部書いてあります。ジャーツがやったわけです。日立が、総合試験と言っているけれ
ども、それは一体どの部分だったのか疑問になりますが、それは後から申し上げます。
そこで、この六月号十五ページというところにきわめて詳細に、川添さんはなかなか練達の技術者でございますから、モーターの諸元を全部細かく書いてあります。その二つをこの表にして並べてみたわけであります。
ところで、ここで一分間の回転数が、実はここで言っておりますrpmであります。この表の「主電動機」の下から二番目、千六百五十rpm、千八百六十rpm、一分間の回転数、こういうわけであります。この回転数は、国鉄の技術の専門家に確かめましたが、この回転数の違いでコストアップはしない、初めからそういうふうにつくるのであります。コストアップしない、はっきりしております。だから、これは変わりがない。回転数の相違だけであります。それから界磁率に八〇%、一〇〇%という、数字が二〇%違います。界磁率というのはどういうことかといいますと、つまり歯車を回して引っ張っていくわけでありますが、これを八〇にするというのは牽引力を強める、引っ張る力ですよ、これをここに書いておきましたが、二枚目の方を続けて読ましていただきますが、
最初、説明だけしちやいますから。
国鉄臨時車両設計事務所主要諸元集二ページ、四一五系主要諸元、主電動機——主電動機というのは、国鉄用語で言うとMT54Bであります。方式は直流及び脈流直巻補極付、一時間定格百二十キロワット、三百七十五ボルト、三百六十アンペア、千八百六十rpm、こうなっておりまして、回転数の違いだけであります。モーターのところは直流でございまして、変圧器で入ってまいります。回転数の違いは価格アップにならない、これは技術者の明確な
お話でございます。四一五系は、国鉄の方でありますが、一〇〇界磁率で六千六百九十キログラムを引っ張れる。八〇界磁率だと七千八百九十キログラムを引っ張れる、牽引力がふえるということであります。出力、電圧、電流が同じならば、変圧器で直流で入れてまいりますから、界磁率が違いましても同じモーターでいいのでありまして、モーターに関係がありません。そういう
意味で、界磁率の違いは価格には関係ない、同一のモーターですから。したがいまして、この差は差になりません。つまり同一のモーターでいいことになります。
それから、ここで申し上げておきたいのでありますが、もう一枚あけていただきますと、常磐線、交直両用四一五系は受電電圧は交流二万ボルト、ソウルは二万五千ボルト、ボルトで五千ボルト違います。ソウルの方が高い。ところが、モーター電圧はいずれも千五百ボルトで一緒であります。変わりない。四一五系に比べ五千ボルト分アップというのは、受電電車線からトロリーを通じて変圧器の一次側巻き線を五千ボルト分よけい巻けばいいということになっている。絶縁階級を五千ボルト分上げただけで絶縁の方もいいわけであります。これは何ら技術的な問題はなく、もちろん価格上昇の理由にはならない。要するに線をそれだけ巻いた分しか変わらない。絶縁も階級を五千ボルト上げただけですから変わりがない。四一五系というのは常磐線等を走っている電車でありますが、四一五系の電気機器類は五十サイクル、六十サイクル両用だからそのまま韓国に当てはめることができる。だから電気方式も大して違いはない。電気機器類の性格、性能、規格も新しいものにする必要はない。五十サイクルというのは関東、六十サイクルは関西、もちろん両方使えるようにできている。両方の要求を満たすのは四一五系なのです。まさにソウルぴったりの電気回りなのです。
説明だけしてから承りたいのでありますが、ここで問題は、四一五系というのはどういうふうに開発されたかという歴史があります。国鉄臨時車両設計事務所主要諸元集に出てまいります。この中を読んでみますと、昔から
一つの系統として育ててきているわけでありますが、四十五年に第一次債務により四一五系は十二両計画された。ソウル地下鉄のこの時期とちょうどぴったり一致しているのですね。在来のような個々の周波数独自のものでなく、五十、六十のいま申し上げた両ヘルツ用の変圧器を搭載して両方使える、
全国的に運用できる三電気方式の新しい四一五系という標準化された近郊型交直流電車として開発され、国鉄が製作した、実はこういう歴史がありまして、ソウルにぴったりだ。むしろソウルの百八十六両のために別な新しい規格のものにするなんということは必要ない。ぴったりだ。しかも同じ規格でそれだけふえれば開発費が下がる。だから、そういう
意味で、新しい仕様規格を日立さんはどうしても出さない。
この辺で一遍、協力基金に承りたいのですが、いま私はモーターを例に挙げましたが、全く相違がない。コストアップにならない。基金に何回も、基金を通じてお調べ願いたいということを、ジャーツにしても日立にしても三菱にしても申し上げてまいりましたが、日立発表以後お調べになりましたか。なったら、この例に挙げたモーターについては一体どうお
考えになりますか。