○横山
委員 私の手元に、大分前からでありますが、米軍
関係の事故の
状況がずっと来ております。
四十三年の四月、これはお母さんと十二歳の子供が横断しようとしたところ、米軍の特別捜査員ジョン・J・フェイ准尉の乗用車にはねられて、お嬢さんは即死、お母さんも内臓破裂で重体。夜の九時過ぎでございますから、公務中とは考えられない。自宅へ帰る途中であったという事案。それから、同じく四十三年「ベトナム帰休兵が横須賀バーで乱暴」「料金が高いと、同店のバーテンと口論、ハラを立てて」広永チヨさん、七十四歳に乱暴、傷害犯で引き渡される。結果がどうなっているかわからない。それから四十三年「横浜市で六人死傷」「米軍人による交通事故が三件あり、日本人二人がはねられて死に、四人が重軽傷 うち一件は酔払い運転」。それから四十五年、
逃亡の強盗米兵の
身柄を
アメリカから送還させたという、これは本
法案に該当する問題。四十八年、強盗米兵本国へ
逃亡。「タクシー強盗を働き、一審で実刑
判決を受け、控訴した米兵の被告が、
東京高裁の初
公判直前に、
身柄を監視されていた神奈川県・横須賀基地から
アメリカへ
逃亡」これは「
東京高検の十八日までの調べでわかったもので、同高検では、法務省を通じて米軍当局に
身柄の
引き渡しを要求」これも結果がどうなったかわからない。それから四十八年十一月「神奈川県警保安課と横須賀署は、米軍の
協力で 麻薬を密売買していた米兵グループを摘発、十五日までに米兵十四人と日本女性一人を麻薬取締法違反の疑いで逮捕」これも結果がどうなったかわからない。四十九年九月五日「元米兵に
死刑判決 那覇地裁“密告者焼殺”で」これは那覇地裁で
死刑言い渡し、「犯行に加わった米兵のうち、死亡者を除く残る二人の米兵の一人は米軍法
会議で懲役十年の刑が確定し服役中。もう一人は免責特権で処分なしとなっている。」四十九年四月「基地従業員射殺の米兵 那覇地裁が政「
無罪」」
無罪の
理由は、「精神分裂病で心神喪失状態であったと認められる」となっている。これが確定をしたのかどうかということがわからない。また、精神分裂病で心神喪失状態であったと認められるならば、先般来本
委員会で問題になっておる刑事補償が適用されてお金が出ておるのかどうか、それがわからない。四十九年七月三十日「米、裁判権行使を通告」これは「伊江島の米軍射撃演習場で起きた地元民に対する米兵の発砲不祥
事件について」在沖繩米空軍司令官から那覇地検に、これは公務中だという通告書が届いた。その前に公務証明書は出さないと言っておったにかかわらず、いきなり公務中だというふうになったので、最高検、法務、外務両省などに指揮を仰ぎ、今後の対策を
検討しておると言っている。最終的に
日米両国政府の問題として結論を出さなければならないことだろうと言っておるが、これも結果がわからない。それから四十九年七月「沖繩発砲米兵の裁判権」これはいまのものと同じ問題です。五十一年六月二十四日の新聞によりますと「酒酔い運転の米兵が起こした事故で夫を失なった妻が「公務外の
犯罪被害についても、国が責任を負え」」と言うて、結局は「国と米軍がそれぞれ百三十余万円の見舞金を支払う形で、当事者間の示談が成立した。国はこれまで、
日米安保
条約に基づく地位協定などをもとに「賠償責任はない」とする建前を取ってきており、「見舞金」の形とはいえ百万円を超す支払いに応じたのは異例のことである。」と言っている。五十二年五月二十六日、米軍の「佐官級が大麻密売米海軍 横須賀基地に衝撃」となっているが、これによりますと「シュナイダーは基地の統合人事部次長の要職にあって、」これは逮捕。もう一人の三等兵曹は、ある
情報で、横須賀署が逮捕。「この自供からシュナイダーの名がうかび、シュナイダーが休暇をとって米国へ一時帰国しようとしたところを、」五月二十四日「羽田空港で逮捕した。同署は、組織的な大麻密売が基地内部で行われていたとみて、組織の解明に全力をあげている。」。その結果はわからない。
私が朗読いたしましたのは、私が集められるだけのことでありますが、要するに、本国会におきまして、予算
委員会なり外務
委員会なり当
委員会において、
逃亡犯罪人の問題を議論いたします過程で、米軍
犯罪は、地位協定が優先するというのだけれども、優先して米軍の軍事裁判で行われた裁判が、余りにも
国民の納得が得られない。軍事裁判で一回も処分された者がない。降等、減給などの懲戒処分があったということもわからないということについては、さまざまな問題をここに提起をしております。
一つは、軍事裁判が仲間裁判であって、いいかげんになっているではないか。これについて、米国
政府あるいは米軍当局について注意を喚起をしてもらわなければ困るではないか、これが
一つであります。
それから、いま
伊藤局長から、どうも今後はという話があったのだけれども、裁判をやらなくても降等、減給などの懲戒処分があったはずだからということについて、一回全部この際整理をして、本
委員会に報告をしてもらいたい。
それから第三番目に、日本に裁判権が移った問題。向こうが一次裁判権を放棄して、日本に裁判権が移った問題が、これがまた世論として、非常に軽過ぎるという批判がある。たとえば、三十二年のジラードの
事件は、これはもう古いのですけれども、薬きょう拾いのおばさんを「ママさん、だいじょうぶ」と言って、引き寄せておいて発砲して殺した。
アメリカが裁判権を放棄した。
日米双方で大騒ぎになったが、ジラードに対する前橋地裁の
判決は
執行猶予四年で、彼は大手をふって
アメリカへ帰った。それから、そのほかの例がまだここにありますが、時間の
関係で省略をいたしますが、米軍が裁判権を放棄して、日本の
裁判所で裁判をしたものの処分がきわめて軽いということについて批判が強い。これらのことを一体どう考えたらいいであろうかと思うのでありますが、
法務大臣、お帰りになりまして、国会側の各
委員会からの主張、追及について、何かとるべき
方法がございますか。
つまり、もう一回言いますと、
アメリカが軍事裁判をやる問題について、処分がきわめて軽いということについての
国民の非難。二番目は、裁判はやらなくても、減給、降等なんかのことについて何も知らぬということはいかぬから、これから調べるとおっしゃるが、いままでのことについて調べて、われわれとして判断の材料をつくるべきだということ。それから日本側でやる場合にも、裁判がきわめて軽い。米軍がやろうと日本側がやろうと、米軍
関係についての裁判の結果というものはきわめて軽過ぎるという批判は、いまやごうごうたるものがあると思うのですが、
法務大臣、どういう手を打ってくれますか。