○小野説明員 お答え申し上げます。
ただいま先生が御指摘になりました件につきましては、私
ども詳細を
承知していないのでにわかにお答えできない点がございますけれ
ども、農業標準そのものについてちょっと御説明させていただきますと、御案内のように、申告所得税につきましては、納税者の記帳に基づいて実際の収入から必要経費を差し引いて計算した所得金額を基礎として課税するということをたてまえとしているわけでございます。このため農家の
方々にも常々から私
どもは青色申告をお勧めしているところではございます。現在、
先ほどお尋ねのございました農家の青色普及割合というものは全国で一五%程度、若干ずつはふえておりますが、その程度でございます。ちなみに、先生の地元の八代署管内で申しますと、全体で二九%ということでございますので、特殊系作物などを扱っておられる農家の方が多いせいかと思いますが、全国平均の約二倍近い数字になっているわけでございます。
ところで、そういうふうに青色申告の勧めをしているわけでございますが、現在一般農家の
実情から見ますと、このような記帳に基づいた収支計算というものをすべての農家の
方々に期待するというのはなかなか無理であるという現状にあるわけでございます。
そういうこともございまして、申告をされる際の目安といたしまして、農業所得標準率というものをつくっているわけでございますが、この農業所得標準と申しますのは、御案内のように、サンプリングで抽出いたしました青色申告農家とかそういった農家の
調査実績のいわば平均値なわけでございます。そういうことではございますけれ
ども、可能な限りそれぞれの農家の経営実態に即したものとするために、
調査に当たりましては収入支出の
状況を的確に把握するように努めておるとともに、一方、雇い人費であるとか、大農具費であるとか、あるいは借入金の金利であるとか、そういう個々の農家によって相当差の大きなものにつきましては、標準外経費として標準の外へ出しまして扱うことにしておるわけでございます。さらに、その標準の作成に当たりましては、各種の統計資料によって物価
変動等の
状況を把握するとか、あるいは農協等の農業団体の意見をよく承るとか、あるいは隣接地域のバランス等、そういったようなものにも十分留意して、その経営実態を反映しているというふうに私
ども理解しておるわけでございます。
御指摘のような青色申告と白色申告との間の格差につきましては、農業所得標準の性格から起きる問題、つまり平均値でございますから、どうしてもそれよりもある程度実際の所得が上回るとかあるいはそれの所得を下回るとかいう多少の格差があることはやむを得ないと思っております。ただ、それが標準偏差と申しますか、一定の範囲内にとどまる限りはやむを得ないものではないか。ただ、そういうことをなくするために、
先ほど申し上げたような標準外経費をふやすとかいろいろな手だては講じているところでございます。
それとまた、ただいま
農林省の方から御
答弁がございましたように、青色申告に認められました特典的な控除、
先ほどのお話に出ましたような青色専従者給与でございますとか、あるいは青色申告控除、こういったようなものについては、制度上の問題でございますので、農家の方の御努力によりまして青色申告を進めていただきたい、かように思っておるわけでございます。
青色申告の普及につきましては、私
どもかねてから普及指導に努めておるところでございますけれ
ども、一昨年から特に熊本地区等におきましては
日本税務協会というものがございまして、こちらのルートを使いましていろいろと青色申告の普及等あるいは記帳指導等をやっているところでございます。
大体以上でございます。