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松沢(俊)
委員 それから、
水田地帯では本当に
土地の基盤整備というものが行われておらない。だから
転作をやろうと思ってもやれない。これは三月にも私は大臣にも意見を申し上げましたけれ
ども、私がでっち上げたところの
数字ではないわけなんでありまして、
農林省の方で田畑輪換可能な
水田面積というのが発表されまして、要するにその
水田面積は百七十万町歩以上ということになっておりましたのですが、その
条件というのはどういうことかというのを、これも
農林省の方にお聞きをいたしましたところが、冬季間において地下水位が深さ七十センチ、これが限界だ、こういう
お話であったわけであります。ところが、新潟県なんかの場合におきましては、百十一町村ですかのうち十七カ町村というのは、
農林省の言っておりますところのいわゆる田畑輪換可能
水田面積がないわけなんであります。これは単に新潟県だけではないと思います。
全国的にそういう
水田の
転作ができないというところの
条件の部落や町村というのがたくさんあると思うわけなんであります。そういうところに
転作の
面積の割り当てが行っているわけなんであります。だから、やろうにもやりようがないわけなんであります。
ところが、この四月六日の
要綱それからし実施要領、それからさらにはそれに伴うところの
対象作物等取扱要領、こういうものが出されております。そこで、その場合においては稲の青刈りによってそれをえさにしてやってもいい、こういうことになっているわけなんであります。だから市町村の方でも、そういう場合においてはどうしようもないから、稲の
作付をやってそうしてそれを青刈りした方がいいじゃないか、こういう
指導が行われておるわけなんであります。ところが、そのときの
条件といたしましては、青刈りは糊熟期以前ということになっているわけなんですね。そうすると、糊熟期というのは
一体どういう時期なのであるか。
農林省の見解もいろいろ聞きましたけれ
ども、出穂期後二週間、そこから糊熟期に入るのだ、こういう
お話であるわけなんであります。
そうすると、いまは平野部におきましては空中散布あるいはまた共同防除、こういう
ぐあいにして農薬散布が行われております。これを動物のえさにするに大丈夫なのかどうかということを、これまた
農林省の方に聞きましたところが、やはり毒性がなくならなければ大丈夫でございません、こういう話なんであります。そうすると、毒性がなくなるというのはいつごろなんだ。消毒してから、その時期にもよるかもしれぬけれ
ども、一週間か十日くらいかかるのじゃないかというような
お話であるわけなんですね。
それからもう
一つは、そういうところですから、
水田ですから、それ以前に刈り取れなんて言っても、コンバインが入らぬということになるわけなんであります。そうすると、コンバインも入らぬところを刈り取りをやるということになれば、手刈りをやる以外にない、こういうことになるわけなんです。実際上これは不可能だと思います。
しかも、これが青刈りが行われたか行われないかというところを、その
確認は国、県、市町村の職員が立ち会いをやるということになっているわけなんです。一反歩刈り取りをやるに一日はかかると思います。そのところを弁当持ちで役場の職員が刈り取るまで待っていなければならぬ、こういう
状態になるわけなんでありまして、実際上これは不可能に近いのじゃないか、こう思われるわけなんです。その点どういうふうにして
確認をおやりになるのか。
そうして、そういう農薬散布によって毒性のあるものをえさにしろと言っても、これは無理な話なんであります。ということになると、えさにはしなくてもいいけれ
ども、とにかく米をとらなければそれでいいのだ、こういう
考え方でおやりになっているということになれば、これはやはり
日本の
農業経済という面からいたしましても大変不合理な話だということになるわけなんであります。また一面、私は言うのでありますけれ
ども、それほどどうにもならぬということになれば、それはやはりちゃんと米にして、濃厚飼料としてそれを使った方がいいじゃないか。ところが
農林省の方では、横に流れるところのおそれがある、それほど厳密に立ち会いのもとにこの
調査をやって
確認をされるということであるとするならば、横に流れるところの
心配なんというものはこれはないじゃないか。どっちの方が経済的に利益のあるところのやり方なのか。私はやはりそういうのであるなら、米にしてえさにした方がよっほどやりがいのあるところの、効果のあるところのやり方なんじゃないか、こんな
ぐあいに実は
考えるわけなんであります。その点
一体どういうふうにされるのか、具体的に私は説明を求めたいと思います。
それからもう
一つは、これは大臣もいろいろ県とも相談してというような
お話であったわけなんでありますが、とにかく
湿田地帯で
転作ができない、そこへ
転作面積の割り当てをやる、これだけは私はやめてもらいたい、こう思うわけなんでありますが、この点は次官はどのようにお
考えになっているか、はっきりしてもらいたいと思います。