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藍原政府委員 国有林材の販売の問題でございますけれ
ども、御存じのように、
国有林はそれぞれの地方に点在いたしておりまして、それぞれの
地域におきます
国産材の市場の維持と申しますか、市場の確保というものが一つの大きな、これは
国有林を含めまして民有林との問題もございますけれ
ども、そういうものを確保していく必要がございます。そしてまた、そのためには、その
地域にございます関連企業が今後やはり近代的な形で合理化されていくというものに
国有林としても寄与していかなければいけないというふうにも
考えております。そういうことを通じまして、
国有林の安定的な基盤というものが築き上げられてくるのではなかろうかというふうにわれわれ
考えておりますけれ
ども、いま
国有林が現在までやっております
考え方といたしまして、たとえば銘木等高品質な材質を持った材がございますけれ
ども、そういうもの、あるいはパルプ用の原材料になりますもの、こういうものは原則として一般競争契約で対応していっておりますし、それから製材工場原料になります一般材につきましては、
国有林材への依存度等それぞれの
地域の特性というものを十分考慮しながら、一般競争契約による販売割合というものを漸次拡大してきております。それから、間伐材等のようなこれから
需要を開発しなければいけないもの、こういう材につきましては、主として随意契約で契約をいたしております。
従来からそういう形で販売につきましての
改善をやってきたわけでございますが、その結果、立木販売におきましては、一般競争契約によります販売量が、
昭和四十七
年度では大体一九%でございましたけれ
ども、五十一
年度には二九%という形で、四年間ぐらいで約一〇%増加いたしておりますし、それから素材におきます一般競争契約によります販売量は、いま申し上げました四年間で三七%から六二%へと増加をさせておる次第でございます。
こういうことによりまして販売の
改善を図っておりますけれ
ども、しかしながら、最近の
木材市場におきます
国産材の
需要の減退
状況、それから関連産業の業界の不振、こういう中で、一律に一般競争原理による販売方法が拡大することが、
国産材の市場を確保することあるいはその関連の企業を安定的にさせるということで適切かどうかということ、これはある
意味で
考えなければいけない面があろうかと思います。
たとえば、五十二年あたり公売に出しましても不落が非常に多いというような問題等々もございまして、この辺はやはり販売方法の選択
実施にはいろいろな問題がございますので、いま申し上げましたような形でその
改善は進めてまいりますけれ
ども、それぞれの
地域の実情というものも十分配慮し、それから
国産材の市場の確保なり企業のこれからの健全な発展というものに寄与する
あり方というような問題、そういうもの等十分加味しながら、今後の販売の問題については
考えてまいりたいというふうに思っております。