○藤井(貞)政府
委員 先刻来から公平
制度の運用その他の
問題点等について、大変示唆の多い御
意見を拝聴いたしました。私もいろいろ考えさせられるところがあったように思っております。ただ、私もこの道に入りましてかなり時間がたっておるわけでありますけれども、
制度というものが積み重なってまいりますその背景というものには、いろいろなものがございます。これは
先生もよく御承知のとおりでありまして、それを動かすべからざるものとしてやるということは
制度を固定化してしまいますから適当ではないということで、その点は率直に、謙虚な反省を加えつつ、日日の
運営をやっていかなければならぬというふうに、私としても心がけております。
ただ、いまお話がございました不利益処分の
審査の問題にいたしましても、件数
自体は大変多くて、私自身も、これはかっこうが悪いと、そういう
言葉は不謹慎かもしれませんが、それ
自体は余りかっこうのいいことではないという認識は前々から持っております。したがって、これを促進する方途というものは何か適当なものがないだろうかということで、私自身も考え、また事務当局にも真剣に研究をさせておるところでございます。ただ、これにつきましては、私たちの方だけの都合でなくて、処分者側の都合なりあるいは請求者側の都合というものがございます。個々具体的の案件は挙げませんけれども、こちらはひとつ公の席上に出てきてもらいたいという要請に対しましても、何か
組合は
組合の事情でそれができない、もうしばらく待ってくれというようなことも現実問題としてはございます。
そういうようなこともありまして、不本意ながらこういうことになっておるわけなんですが、もう少し事案の審理の促進なり、場合によっては、非常に名
目的な懸案
事項、係属になっておるものは、何か手続をこらしまして、これは非民主的になっては困りますけれども、民主的な手続をこらして、両方承知の上でこれをひとつないものにするとか、そういうようなことも同時に考えていくべきことではないだろうかという考え方を持っております。
また、
先生いまお話しになりました、時間が経過いたしますと、やはり臨場感というものが薄れる、これは訴訟の場合もそうだと思いますけれども、そういうことは事実でございます。したがいまして、これも事柄によってなかなか千差万別で、一概には申し上げられませんけれども、ものによっては請求書を出してもらう、またこれに対する反論書も出してもらうというようなことができれば、そういうこともひとつ検討していっていいことではないだろうかという感じは持っております。これはひとつ検討さしていただきたいというふうに、あわせて申し上げておきたいと思います。
それから、最後にお話のございました懲戒手続の問題でございますが、これは御承知のように、戦後のこの
制度の以前におきましては、要するに懲戒については事前
審査制度があったわけでございます。それを変えて
事後審査制度に切りかえた、これはそれなりの一つの
目的があったわけでございます。公務秩序というようなものは、やはり早急にはっきりしなければならぬ。そこに責任の所在というものははっきりさして、あとは、本人あるいは職員の身分保障というようなたてまえからは、これは中立
機関である人事院の
審査にゆだねる、いわゆる
事後審査制度ということに相なったわけでございます。それは御承知のとおりでございます。この
制度の
趣旨自体は、私はそれなりの効果は上げてきておるというふうに考えておるわけでございます。公平
審査の段階におきましては、事実上処分を受けました本人
自体が出席することもございますし、その委任を受けて
組合の代表等が出てまいることも、事実上は
組合案件等については多いわけでありまして、いまのような点は実質的には保障されておる面もあるのではないかと思います。
ただ、いまお話しになっておる面の、これは直接の解決ではございません。懲戒手続自身の問題でございまして、これは人事院といたしましては、いまは
事後審査ということでやっておることでございますので、
制度の改変について、私の口からいまここでとやかく申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。