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鈴木(強)小
委員 おっしゃることはわかりますが、私も実は
一つ反省をしていることがあるのです。
かつて白黒からカラーへの転換の際に、いまは亡き正力読売新聞社長が非常に積極的な推進論者でありました。私
どもは党派を超えて慎重論者で、
民放連も非常に慎重でした。ただひとり
NTVの正力さんはマウンテントップ方式ぐらいのマイクロウエーブをみずからの力でつくって
放送を開始しようとしたことがございます。それで、実際にいま歴史を振り返ってみますと、あの当時正力さんが、やや強引と思われましたけれ
ども日本にカラー
テレビを導入していくと言う考え方をとられたことが今日のカラー化への飛躍的な
発展を遂げるスタートになったような気が私はします。
当時確かに
アメリカのNTSC方式とかSECAM方式とかに分かれており、方式が国際的にまだ統一されておりませんでしたから、これはぜひ統一されることが必要だということも
一つの反対の論拠でございましたが、私はそういうことを思うときに、いまの沢村さんの御発言、今日の
NHKの
経営状態から見ますと慎重であることはわかりますが、あなたがおっしゃるように余りにも大勢順応でおってもいけない。やはり、世論に少し先走ってもいいから、いいものは取り入れていけばいいのです。皆が喜ぶものはやるべきである。しかも、情報過多の時代と言われておりますけれ
ども、完全な情報社会に入っているのですから、よりよいものを
国民に提供していくことが為政者の義務ではないですか。そういうことを私は反省しながらいまこの問題を頭の中にとらえているのです。ですから、これ以上は言いませんけれ
ども、ぜひそういう点を
配慮していただいて、できるだけ早い機会にこれが
実用化できるように今後とも努力をしていただきたいということを申し添えて次に移ります。
次は
FMでございますが、御承知のように、
昭和三十二年十二月二十四日に
NHKが
東京で
実験放送を開始し、翌三十三年十二月三十一日に東海大学が
実験放送を開始いたしました。今日まですでに二十一年くらいたっておりますが、今日
NHKは全国的に
FM放送局ができまして
放送いたしておりますが、民間
放送におきましては、問題の
FM東京とそれから
大阪、
名古屋、
福岡と、
東京を含めまして四
地区で
放送がやられておるわけです。そして、前の
委員会でも私は
質問しましたが、その後全国的に
FMの
免許を早くしてほしいという
要望が強く出ていることは御承知のとおりです。ある新聞を見ますと、一日も早く
民放FMが欲しい、
NHK一局では
番組の選択もできない、いらだちすら感ずる、みんなが望んでいるのにどうしてできないのかと、こういう
FMに対する痛烈な不満が
電波行政が遅々として進まないことに対して出ているのです。
UV混在からVへの転換をやるかと思えば、途中でひっくり返してもとに戻してみたり、AMと
FMとの関連において
免許の基準を一応決めながら、また途中で紆余曲折をするなど、
日本の
電波行政はまことになっておらぬ。そういうことを思うにつけても、いまや
FMについては一刻も早く
免許をおろすべき時期に来ていると思うのですが、最近まで全国で一体どれだけの申し込みがございますでしょうか。