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1978-04-13 第84回国会 衆議院 逓信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月十三日(木曜日)     午前十時三分開議  出席委員    委員長 松本 七郎君    理事 小渕 恵三君 理事 加藤常太郎君    理事 左藤  恵君 理事 志賀  節君    理事 鈴木  強君 理事 米田 東吾君    理事 田中 昭二君 理事 小宮 武喜君       伊藤宗一郎君    亀岡 高夫君       原田昇左右君    島本 虎三君       野口 幸一君    古川 喜一君       鳥居 一雄君    青山  丘君       東中 光雄君    依田  実君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 服部 安司君  出席政府委員         郵政政務次官  宮崎 茂一君         郵政大臣官房長 河野  弘君         郵政省郵務局長 神山 文男君         郵政省貯金局長 高仲  優君         郵政省簡易保険         局長      佐藤 昭一君         郵政省人事局長 守住 有信君         郵政省経理局長 浅尾  宏君  委員外出席者         郵政大臣官房首         席監察官    日裏 泰弘君         逓信委員会調査         室長      芦田 茂男君     ————————————— 委員の異動 四月十三日  辞任         補欠選任   藤原ひろ子君     東中 光雄君 同日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     藤原ひろ子君     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提出  第六一号)  逓信行政に関する件      ————◇—————
  2. 松本七郎

    松本委員長 これより会議を開きます。  郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。  提案理由説明を求めます。郵政大臣服部安司君。     —————————————  郵便貯金法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 服部安司

    服部国務大臣 郵便貯金法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、預金者利益増進を図るため、新たに進学積立郵便貯金を設けるとともに、預金者貸し付け貸付限度額引き上げようとするものであります。  まず、進学積立郵便貯金の新設について申し上げます。  最近における高等学校大学等への入学に際し必要な経費は年々ふえており、進学者を有する家計を大きく圧迫しております。このような状況にかんがみまして、進学積立郵便貯金を新設し、この貯金預金者に対して、高等学校大学等への進学時に必要な資金の一部を国民金融公庫または沖繩振興開発金融公庫から郵便局を通じて貸し付け、もってその経済生活の安定と福祉の増進に寄与しようとするものであります。  新たに設けようとしておりますこの進学積立郵便貯金は、高等学校大学等進学する者またはその親族が、国民金融公庫等から進学資金小口貸し付けを受け、かつ、必要な資金を貯蓄する目的で、あらかじめ一定据え置き期間を定め、その期間内毎月一定額を預入することを内容とする貯金であります。  この貯金預金者で、国民金融公庫等から進学資金小口貸し付けを受けようとする者に対しましては、郵政大臣は、その貸し付けを受けることについてあっせんを行うこととするものであります。  次に、預金者貸し付け貸付限度額引き上げについて申し上げます。  現在、預金者貸し付け限度額は一人三十万円でありますが、最近における経済情勢にかんがみまして、これを五十万円に引き上げて、預金者利益増進に寄与しようとするものであります。  なお、この法律施行期日は、進学積立郵便貯金に関しましては、この法律公布の日から三カ月を超えない範囲内で政令で定める日から、進学積立郵便貯金預金者に対する郵政大臣国民金融公庫等へのあっせんに関しましては、国民金融公庫法及び沖繩振興開発金融公庫法の一部を改正する法律施行の日から、預金者貸し付け貸付限度額引き上げに関しましては、この法律公布の日からといたしております。  以上がこの法律案提案理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  4. 松本七郎

    松本委員長 これにて提案理由説明は終わりました。      ————◇—————
  5. 松本七郎

    松本委員長 次に、逓信行政に関する件について調査を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米田東吾君。
  6. 米田東吾

    米田委員 私は、相模大野郵便局におきましての犯罪事件に基づいて議論をしてまいりました特定局関係につきましてきょう改めて御質問を申し上げて、今後この種の事件絶滅するように私どもも努力していきたいと思っているところでございますので、当局の方からは誠意のある回答をいただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。  まず、今度の相模大野におきましての事件については、私はかつて二月の集中審議の際にも申し上げたわけでありますが、大臣並びに当局の認識がどうでありましょうとも、特定局の現在置かれておるいろいろな制度に原因があるし、これを直さなければこの事件の真の解決にはならないという考え方をいまでも私は持っているわけであります。  たとえば相模大野佐藤和也なる前局長が、二十六歳、勤続六年で郵政省の末端の官署の長になってきているという事実、これは他の官署にはあり得ないことであります。それから、同時に、その妻がその局に同伴で勤務をしている。こういうようなことも他には例を見ない特定局一つの姿であります。それから、夫人が現金出納係をやって局長と共謀してこの種の事件が起きているわけでありますけれども、こういう状態を持たせておくということも特定郵便局以外にはあり得ないことであります。これはもうすでに答弁によって明らかであります。  それから、局舎関係につきましても、自宅と局舎が一緒でありまして、局長をやめておるにもかかわらずまだ局長を装いながら、またそれが可能な状態の中で郵便局というものが運営されておる。これなんかも全く他に例を挙げることはできないはずであります。  それから、この犯罪局長会あるいは特推連というところとのかかわり合いが多分にあるように私は感じて御質問をいたしましたが、調査に当たられました監察官の見たところでも大体肯定されているような答弁をいただいているわけであります。そういうようなことについても、他の郵便官署やあるいは他の官庁に見ることのできない一つの悪弊だと私は思うのであります。  こういうふうに挙げてまいりますと切りがありませんが、いずれにいたしましても、これはもちろん監察の強化、指導によりましてこの種の問題の絶滅を期していろいろと努力をしてもらわなければなりませんけれども、こうした制度そのものがこのままの状態に置かれて、果たして今後絶滅を期することができるであろうかということを私は真剣に考えておる一人なのであります。したがいまして、そういう観点人事局長もこの事件の真相について勇気を持って直視していただいて、制度上に問題があれば、現状に合わせて近代化方向改善をしていってもらわなければならぬ。かつて、私は、国民の期待する方向国民の納得する方向郵政省制度等については改革をしていきますという大臣答弁をいただいておるわけでありまして、そういうことにやぶさかであってはならぬと私は思うのであります。  したがって、そういう点でまず私は人事局長にお聞きをするのでありますけれども一つ問題点は、特定局長任用関係です。あえてここで現在の任用規程のことについては申し上げませんが、これについて何かいま少し改善を加えるとか、あるいは制度近代化を取り入れるという方向考えているものがないのかどうか、人事局長の現在の考え方を聞いておきたい。  率直に言わせていただければ、いま少し締めた方がいいのじゃないか。特定局長の三十年前、四十年前の特権がいまなおまかり通るというこの状態をもう少しあなたの方で締めて、現状に合わせたらどうか。最近郵政省犯罪が多いわけでありますし、特定局長犯罪だって多いわけでありますが、そういうことについてお考えはございませんか。これは人事局長にお聞きをしておきたいと思います。
  7. 守住有信

    守住政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの先生の御指摘の数々についてはいろいろな面があったわけでございますが、その中で人事局として所管しております点について申し上げますと、特に任用年齢の点で、前相模大野局長が二十六歳で任命された。これはもちろん年齢だけで見るのはいかがかと思うわけでございます。時代も変わっております。したがいまして、私どもとしましては、任用規程そのものは非常に簡便で基礎的なことを決めまして、後は郵政局長が任命する場合にいろいろな面を慎重に多角的に検討してやっておるわけでございます。  たとえて申しますと、年齢の点につきましても、昭和五十一年度で調べたわけでございますが、記憶によりますと、年間千百ちょっとの新しい任用の中で、二十五歳以上三十歳までというのは現実には四十数名というふうな姿で、すなわち任命者が個々の任用に当たりましていろいろな点を総合的に慎重に検討いたしまして任命しておるわけでございまして、実態を見ますと集配特定局にはほとんどありませんし、無集配におきましても四十数名というふうな状態でございます。  さらにもっと厳しくという先生の御指摘ですが、特に私どもといたしましては、服務の厳正という角度から、国家公務員法百三条で禁じている営利企業に隠れて関与しておったということが非常に大きな問題だとして、この前も御指摘の中で御答弁申し上げましたけれども、二局長会議でも人事部長会議でも、この点について非常に厳しく地方郵政局を指導する、それからさらに大臣のおっしゃいましたローラー的な監察等による調査の中でもこの点の項目を起こしまして、それに対して十分指導し、矯正していく、そして、それでも聞かぬというむのは適正な措置をとる、こういうことを考えておる次第でございます。特に、私どもとしましては、営利事業に直接関与するということはとんでもないことで、国家公務員としてあるべきことではございませんので、この点を非常に厳しく取り上げておる次第でございます。  また、ほかにも任用なり服務ということでのいろいろな問題があろうかと思いますが、今回の事件を契機としまして、任用に対して慎重な総合的な判断の中でより厳しくやっていこう、服務につきましてはさらに徹底していこう、と、このような決意を持って臨んでおる次第でございます。
  8. 米田東吾

    米田委員 人事局長の御決意は私も十分理解できたのでありますが、具体的に申し上げますと、現在無集配郵便局長は二十五歳以上、集配郵便局長は三十歳以上という基準を持っていらっしゃるようであります。これも年齢だけで議論するのは人によって違いますからちょっと乱暴なような気がしますけれども、それにしても、一つ基準、めどとして持っていらっしゃる年齢というものについてはもう少し引き上げてみるというようなお考えはございませんか。  何年とは申し上げませんが、二十五歳、三十歳というこの基準については再検討して、引き上げてみようというようなお気持ちはございませんか。
  9. 守住有信

    守住政府委員 先生も御承知のとおり、特定郵便局というのは全国津々浦々に一万七千余あるわけでございまして、郵政事業を通し、あるいは特定郵便局特色を生かして、本当に地域社会に密着して、その地域のお客様に親しまれ愛される郵便局づくり窓口づくりということの特色を発揮しておるわけでございます。  したがいまして、それぞれの特色地域の特性がございますので、やはり、基準と申しますか、大枠というものは広くしておきまして、そしてその中で部内部外を問わず、特定局長として真にふさわしい人材特定郵便局長としての事業に対する熱意と情熱を持っておる候補者の中から選択をし、簡抜をするという、こういう基本的な考え方で広く人材を求めるという考え方に相なっておるわけでございまして、私どもはその大枠基準というものは変えるという考えは持っておりません。ただし、前段で申し上げましたように、個別の判定の場合にそれぞれの状況に応じて判断をしていきたいと考えておる次第でございます。
  10. 米田東吾

    米田委員 お考えはわかりますが、人事局長答弁を聞いておりますと、それは小局にある特定郵便局というところの局長だけに当てはまる議論ではなくて、局長に対してもそういう採用方法をとって、地域になじめてまた住民に愛される郵便局にしていった方がいいというふうにもとれるのですよ。  あなたがおっしゃるように、大枠だけ決めておいて、あとは厳正、慎重に審査をして、そして最も適任者を求めていく、いまの選考任用をうんと長所を生かして適任者を求めていくということの御答弁なんですけれども特定郵便局長一般公務員なんでありますから、特定局長一般公務員としての条件を持たせながら選考任用という方法をとっているわけなんでありまして、これを人事院に言わしめれば成績主義というものの原則は崩していないんだ。しかし、実情を考え人事権者選考して任用するという制度を認めているんだということなんでありまして、原則原則としてあるわけなんであります。  そういうことからいきますれば、もう少し枠あるいは基準というものをきちっとしても選考任用のよさというものは生かされていくんじゃないか。余りにもあなたの方の裁量が多過ぎる。任用規程が本当に簡潔なものでありますだけに幅が非常に広過ぎるわけですね。そういう点で、いかに慎重に厳正にやると言いましても、情が移ったり、あるいは地域のいろいろな関係の圧力があったり、いろいろな事情が勘案されますとなかなかそうはいかないという事態が出てくるんじゃないか。  そういう面から言って、大綱的な基準というようなものについてはもう少し範囲を狭めるなり、あるいはもっと基準を具体的に設けるなりした方がよろしいんじゃないかというのが私の考えなんですけれども、お考えはどうですか。
  11. 守住有信

    守住政府委員 特定局長の問題でございますが、職員につきましては一般公開競争試験ということで、学科試験十分程度面接試験ということでやっておるわけでございますが、しかし、特定局ということになりますと、その特色を発揮するためには、なるべくその地縁性を重んじたい。交通の通勤事情関係もございますけれども、なるべくその地域に親しい人たちを使いたい。局員もやはりそういう考え方——大都会はなかなか別だろうと思いますけれども、そういう考え方で臨んでいかなければならぬと思っているわけでございます。  もちろん、採用につきましては選考任用でございますが、また、昇任につきましても選考でございます。したがいまして、部外者の場合はいきなり採用ということに相なるわけでございますが、また、全体の中では部外者も非常に少ない。部内の場合の昇任ということになりますと、主事に昇任する場合、課長に昇任する場合、普通局長昇任する場合もこれまたやはり選考任用ということで、登用試験というふうないわゆる公開競争試験のようなものは設けていない。日ごろの勤務実績なり能力なり意欲なり、そういうものを総合判断した中で選考任用をしておるということでございます。  御指摘の点は、部外任用の点は、おっしゃいますように、いかに特定局長といえども国家公務員でございまますから、その点の議論は確かにあろうかと思うわけでございますが、部内職員から昇任をしていくという場合は、いろいろな官職につきまして、いわゆる人事院指定外官職ということに相なっておりまして選考任用でやっておる、こういうことでございます。
  12. 米田東吾

    米田委員 私は局長考えを聞いているのでありまして、現在どうやっているかということは大体私もわかっておるつもりでございますから、そういう現状の中でこれからに向けてあなたはどういうお考えでしょうかということを聞いているわけでありますから、お聞違いのないようにお願いします。  それから、いまもちょっと出ましたが、それならば、わかりやすく言えば一般的にあります世襲任用ですが、これは制度的には現在やはり生きているわけですね。最近傾向としてはずっと少なくなっているように私も承知をいたしておりますが、これなんかについてもある程度の常識的な基準といいますか、運用についての何らかの基準を設けて、余りにもひどい、近代に合わないような任用については考えていくということにされたらどうなんでしょうかね。現に世襲任用というものはやはりありますよ。これはいかがでしょうか。
  13. 松本七郎

    松本委員長 守住人事局長に申し上げますが、答弁が少し焦点がぼけるきらいがありますから、もう少し焦点を的確に御答弁願います。
  14. 守住有信

    守住政府委員 特定郵便局長任用でございますけれども世襲という御指摘でありますが、局長候補者の中から、職務や勤務実績のほか面接等による人物評価の結果、あるいは地縁性程度など必要な事項につきまして慎重に検討いたしまして、その地域における特定郵便局長としてふさわしい人物を総合的な角度の中から選考の上任用しておるわけでございまして、前局長親族関係にある者がどのくらいおるかということについて私の方も関心を持って調べておりますが、毎年この関係も四月一日で調査をいたしておるということでございますけれども、そういう選考の結果特定郵便局長になる場合もございます。  しかし、いわゆる世襲による任用というふうな見方はいろいろあろうかと思いいますが、私どもとしてはそういう考え方で行っておるものではございませんで、実態を見ましても全体の約九割が部内者からの任用でございますし、また、大多数は縁故関係者以外の者からの任用でございまして、実態もそうでございますが、さらにその傾向も結果として見ました場合、先生の御指摘のように減っておる傾向だということでございますが、私どもといたしましては、やはり、世襲という角度ではなくて、それぞれの地域特定局長として真にふさわしい者は候補者の中のだれであるかということを総合判断して今後とも厳しくやってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  15. 米田東吾

    米田委員 人事局長、私は新潟一区の出身ですけれども、私のところに佐渡島がございますが、ここに約三十数局の集配、無集配局舎がある。相川町がありますが、その下戸という無集配郵便局は、局長以下大体三名くらいの——四名でしたか、その程度の小さい局であります。そこの局長任用をめぐりまして、昨年局長さんが亡くなりまして、その奥さんが、自分の実家が旅館をやっておるものでありますから、旅館の帳面づけをやっておった奥さんがその局長の後に去年任用されましたよ。これはもう終わったことでありますが、これは問題ではないかということで、任免権を持っております信越郵政局長にも私どもは当時話をしたことがありますけれども、ちょうどいまのあなたの答弁と同じようにりっぱな答弁をされまして、世襲でもないし情実でもない、選考試験をやったりいろいろ審査をした、そして監察調査をしたら一番りっぱな人だからと、こういうことであります。年は三十三歳か三十四歳の御婦人でございました。年のことはともかくといたしまして、現実にはそれは世間世襲と見ますよ。そういうことがあるのです。  いまのあなたは縁故者がなっている場合があるという答弁をされましたけれども、その縁故者も私に言わしめればやはり世襲ですよ。特定局長の株を自分縁故のだれかに渡して引き継がせたというのは、奥さんの場合や子供の場合だけじゃないですよ。おじさんの場合とかいろいろあるんですよ。そういうことが現実にあるわけですよ。  ですから、そういうことについてはこれからもう少しきちっとしたらどうかということなんですが、それはいかがですか。
  16. 守住有信

    守住政府委員 もちろん任用上は、特定局長として真にふさわしい者を熱意を持っておる候補者の中から選考するということでございます。それが本来の筋でございます。私どもはそれを念頭に置いております。  ただし、その中で、いわゆる立地条件のよいところにその特定郵便局の用としての土地、建物が提供できるかどうか、住民サービスのためにもそれが断絶、途絶してはいけないという面もございます。そういう点も事実上は考慮せざるを得ないという面ももちろんあるわけでございまして、そういう総合の中で私ども任免権者がやっておるということでございます。
  17. 米田東吾

    米田委員 局舎関係しますから、あなたの答弁のとおり、局舎の問題が任用段階でありますから、それはわかりますが、局舎自分でつくってよければつくりますし、あるいは国がつくってくれればそれに従いますし、あるいは郵政互助会等でつくってくれればそれでも結構ですし、私につくれと言えば私もつくりますという候補者もちゃんと出ているわけです。  具体的なことは時間の関係でもういいですが、もちろん局舎の問題もありますが、それでもなおあなたの方では世襲的な任用をされているという事実だけ私は申し上げておきますが、そういう例があるんだから、任用等についても十分検討して、それこそ厳正に慎重にやってもらいたい。そして世間が納得するということが大事でありますから、そういう方向で取り組んでもらうようにしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。
  18. 守住有信

    守住政府委員 先生の御指摘世間が納得するという点については、私どももその地域社会の中で本当に信望のある人をという考え方でございまして、その地域社会から信望を失うような任用をやりますと、郵政事業あるいは特定郵便局特色にとりましてこれは逆にマイナスでございますので、いわゆるその地域信望と申しますか、そういう点も判断の中に十分入れていかなければならない、今後ますますそういう観点も入れていかなければならない、こういうふうに考えている次第でございます。
  19. 米田東吾

    米田委員 私の言ったのもそういうことであります。ただ、信望があるとか、あるいは理解、協力があるかということのとらえ方に間違いがないように、それだけ申し上げておきます。  それから、もう一つは、これは一般的に私ども部外者任用という言葉で申し上げておるわけなんでありますけれども部外者選考されて任用される場合が現にあるわけであります。特定局現状からいきまして、部外者といえども適任者があればあなたの方が任用されることは、常識としては、一般論としてはあり得ると思いますし、私どももこれを是認する立場をとりますけれども、しかし、土地名望家だとか、あるいは政治的な要素が加わって強引に部外者任用がなされるというケースもまた多いのです。これもいままで何回かトラブルが全国的にも起きているはずなんであります。  しかし、最近は部外任用というのはやや減っているように私どもは聞いておりますけれども、これなんかについても、もう少しあなたの方では規制をして、できれば部外任用はもうやめるということにしたらどうですか。郵便局なり郵政官署の中で経験を経て、訓練をされて、人格、識見、力量等名実ともに備わった職員がいるわけでありますから、それが最高の方針だと私は思いますし、そういう者から任用していくというふうに重点を置きかえたらどうでしょうかね。これはいかがですか。
  20. 守住有信

    守住政府委員 もちろん、その部外者につきましても、何人かの候補者の中から慎重に判断の上やるわけでございまして、結果として部外者の場合もございます。  これはやはり広く人材を簡抜するというふうな観点一つでございますが、なおまた、特に部外者特定局というものをよく知らない普通局職員の場合もございますので、私どもといたしましては、そういう場合は内命の段階で近隣の局に配置させまして、その実務的な面を実習させるということを現にやっておりますけれども、今後さらに力を入れてやっていこうということでございます。  もちろん、実務の知識がなくても、その地域における信望とか人物、人格とか、あるいはいろいろな多面的な能力ということから、部外者を絶対排除しなければならないということは必ずしも考えてはおらないわけでございますが、実態で見ますと、部外任用は、傾向としては先生の御指摘のような傾向にあるというふうに理解、認識をいたしております。
  21. 米田東吾

    米田委員 これも世襲の場合と同じでありますけれども、しかし、人事権者が確信を持って任用するのでありますから、それがガラス張りになって当然なんでありまして、隠すことなくガラス張りの任用をやるということで今後対処されたらどうですか。これは個人のいろいろなプライバシーにかかわる問題等もありましょうから少しむちゃかもしれませんが、任用については十分ガラス張りで、要するに公開された任用をやるというふうにされたらどうですか。そうすればあなたの言うように適任者部外者であっても是認されるし、地域からも支持をもらえると私は思う。  一つの例として申し上げますと、特定局長会がもう決まっておって、それを強引に持ってくるとか、あるいは政治家が背後についていて、それが強引に持ってくるとか、あるいは土地の何かの関係が圧力をかけて強引に持ってくるというようなことがある。あなたがどんなきれいなことを言ったって、私どもは現場におるんですからわかるんですよ。そういうようなことを排除するには、やはり、ガラス張り公開で、納得ずくの任用に今後努力をするということにされたらいいんじゃないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
  22. 守住有信

    守住政府委員 任用につきましては、すべての人事任用を通しまして、任命権者の慎重な総合的な判断の中でやっておるわけでございまして、ガラス張りという意味が具体的にどういうことであろうかということをいま考えてはおるわけでございますが、慎重な上にも慎重な任命をいたしたい。  そしてかつ、最初におっしゃいましたような部外者等の場合はすでに内命の段階で明らかになるわけでございますが、本任命前でございますけれども、そういう特定局長としてふさわしい能力は持っておるけれども実務的な面でさらに教育訓練の徹底をするというふうなやり方でございますので、その点ではわかっておるわけでございますけれども、そういう考え方、やり方で対処をしていきたい、このように思っておる次第でございます。
  23. 米田東吾

    米田委員 抽象的な答弁だけいただいても余り意味がないのですが、特定局長会あるいは特推連は同体ですから、はっきり言えば特定局長会で推薦するというような運用は——これは制度ではないのでしょう。運用でしょうね。そういうものはやめるという約束はできませんか。局長会の推薦なんというやり方についてはもうやめるという約束はいたしませんか。
  24. 守住有信

    守住政府委員 先生の御承知のとおり、特推連というものは、特定郵便局相互間の業務上の連絡を円滑にしまして、事業の能率的な運営に資するために設けられた組織でありますから、これにそもそも人事権などあるわけではございませんわけで、そういうものの介入というふうなことあるいはまた推薦というふうなことはあってはならないという基本的な考えに私は立っております。  したがいまして、仮にも人事に介入するといった誤解を招くことのないように、任命権者である郵政局長に対してさらに注意を喚起いたしまして、先生がおっしゃいましたような介入だとか推薦だとかいうものに対しまして——いろいろな地域の情報を集める、信望度合いを集めるということで多方面からの情報をいろいろ聞くという場合はございますけれども、御指摘のような介入、推薦というふうなことはあってはならぬことでございます。これはあらゆる勢力に対してあってはいかぬというふうな指導を強化していきたい、このように考えております。
  25. 米田東吾

    米田委員 指導強化も結構ですが、それだけではなしに、具体的にそういう事例がありましたら断固としてあなたの方は排除されますね。今度はそういうときに事例を申し上げますからね。  さっき私が申し上げた佐渡島の相川の下戸の奥さんが就任されたときも、そこの特定局は一致して郵政局に圧力をかけてその奥さん任用したのですよ。監察もそれにふさわしいような調査をして、それを第一順位にして出したのですよ。そういう例が現実にあるのです。だから私は申し上げておるのです。特推連は確かにあなたの方の機構でしょうけれども、同じ形で後ろに局長会がついているじゃないですか。役員みんな同じじゃないですか。集まってくるメンバーみんな同じじゃないですか。だから、実権的に、政治的なものというのは局長会が持っているのです。特推連はほんの上辺の仮面ですよ。  そういうことがありますから、そういうものは排除すると毅然としてあなたに答弁してもらいたかったのですけれども、どういう答弁したのかさっぱり意味のわからぬような答弁で私は困っているのです。あなたの答弁はそうなんですが、今後は具体的に持っていったらそういうことのないようにしてくれますね。
  26. 守住有信

    守住政府委員 私が申しましたのは、いわゆる推薦というふうな形をとりまして局長会なら局長会がやるということに対しては、そういうものの介入を許さないという姿勢を郵政局長としては持っておらなければならない。郵政局長は任命権者でございますので、任命権者の判断の中で、いろいろな要望や陳情はいろいろな方面からあるだろうと思いますけれども、推薦というふうな形でのものに対しては十分注意を喚起していきたい、このように思っております。
  27. 米田東吾

    米田委員 繰り返して申し上げておきますが、これはもう明らかに介入ですからね。推薦なんか、それはあたりまえでしょう。よその団体からも推薦がある場合もあるでしょう。これはこれにしなさいという介入ですよ。これがまかり通っている。だから私は申し上げておるのです。そういうことのないようにこれははっきり申し上げておきますし、あなたのさっきの答弁の中でそういうことは厳にさせない、許さないということを答弁されたわけでありますから、今度具体的にそういう事例が出たときに私はこの委員会で具体的にあなたの方に示しますから、断固としてはねのけるということだけを約束をしていただけばいいのです。
  28. 服部安司

    服部国務大臣 米田先生のただいまの御指摘特定局長任用に際しての介入については、私もこれは絶対に許すべきではないという姿勢で、実は、先般の地方三局長会議と二局長会議でも直接私から、俗に言う特定局長会とか特定局長からのそういういろいろな圧力、介入は断固排除するべきである、局長としての職務に邁進するようにと、これはもうくどいほど注意をいたしておきましたので、今後はそういうことは絶対あり得ないし、また、今後も十二分に注視をしながら指導をしてまいりたいと考えておりますので、御理解を願いたいと思います。
  29. 米田東吾

    米田委員 わかりました。ひとつよろしく御指導をお願いいたします。  それから、もう一つ人事局長さんに伺いますが、この特定局長さんというのは、実際問題としてほとんど転勤がないですね。もちろん親子何代と続いておるのもありますし、それから最近の状態からいきましても、もう何十年と一つのところで勤務をされているわけであります。これはいい面もありましょうけれども一つはこれがまた犯罪に結びついたり、あるいは独善に結びついたりして、逆に言うと地域からひんしゅくを買う。これは郵政事業にとってはむしろマイナスだというような面もやはりあるのですよね。交通事情も変わっておる今日の時代でありますから、特定局長はみんなマイカーです。ですから、せめて常識的に可能な地域には、あなたの方の人事管理上必要があれば転勤をさせるというふうにきちっとさせたらどうか。これは無理なことじゃないと私は思うし、ごくあたりまえな公務員の服務一般原則だろうと私は思う。したがって、そういう制度考えるということはどんなものですか。
  30. 守住有信

    守住政府委員 特定郵便局長ももちろん国家公務員であると同時に、やはり地域住民に奉仕するという気持ちでやっておりますから、その特色なり事業の発展の成果があらわれておるというふうに思うわけでございます。したがいまして、特定局長の転勤を実施するということは、確かに防犯という角度だけでは多少のあれはあろうかと存じますけれども、この特定郵便局特色である地縁性というものが希薄になってまいりまして、事業の運営やその発展のために少なからぬ支障を来すのではないかというふうに考えておる次第でございますので、制度としてこれを取り入れるということはいかがかと思っておるわけでございます。  なお、また、先生の御指摘のようないろいろなあれで年間千百余ぐらいの新しい任命をやっておりますが、そのほかに、結果として調査をいたしましたところ、百数十ぐらいの転勤の事実もあるようでございますが、それはやはり先生がおっしゃいましたような都会地とかその近郊等のようでございます。
  31. 米田東吾

    米田委員 いまの答弁を聞いておりますと、私はやはり納得できませんよ。何で特定局長だけが転勤すると事業に支障が出るのですか。普通局長はみんな転勤しているじゃないですか。大体二年か三年でみんな転勤していますよ。それ以上はあなたの方は置きませんよ。それが特定局長だけがどうして支障が出るのですか。特定局でも、その局員なんかはみんな事業成績を局長以上に上げておる者がたくさんいるのですよ。そういう者はみんな転勤しているのです。特定局長だけどうして支障が出るのか。そういうふうにあなたの方が見ているから今日のこの時代に特定局長がわがままをしているのじゃないですか。そして犯罪が起きるのじゃないですか。その言葉は私はいただけませんよ。きょうの委員会で最高責任者の人事担当官が厳然として支障が出ると言っているが、どんな支障が出るのですか。それは私はいただけません。運用上そういう事情があることは私はわかりますけれども郵政事業に支障が出るからだめなんだということは、これは私はいただけません。それならみんな同じですよ。普通局長だってみんな同じです。  では、長くいるから支障が出ないのですか。そんなばかなことはないでしょう。もう一遍答弁してください。
  32. 守住有信

    守住政府委員 いわゆる特定郵便局としての特色が薄くなってしまうというとらえ方でございます。  やはり、特定局長がその地域の中で本当に地域住民に親しまれ愛されて地域に奉仕するという精神で臨んでおるわけでございまして、ほとんど全部の特定局長はそういう精神で臨んでおり、また、そうなければならぬと思っておるわけでございまして、その地域信望をもし犯罪などで失うということになったら一家眷属までそういうことになるという意識は非常に強いというふうに私は思っておる次第でございます。  その特色を生かすためにもそうあった方が望ましいし、そうなければならぬと考えておる次第でございます。
  33. 米田東吾

    米田委員 特色を生かすということはいいでしょうが、それが何で局長に限って特色が生かされるのですか。その局の局員全体を挙げての特色でしょう。そして地域に密着して信望を得るということでしょう。何で局長だけがこの特色を発揮する絶対条件になるのですか。あなたの答弁はわかりませんよ。そういう答弁じゃ納得しませんが、私はこの問題は別個にあなたに十分説明しますから考えてもらいたいと思います。  それと、この前のときに私は家族従業員の関係を申し上げたのですが、資料をいただいたものによりましても、全国一万七千余の特定郵便局のうち、配偶者、奥さんが一緒に在勤しているのが千九百十三局あります。これは無集配です。集配局は百十八局ございます。合計二千三十一局、これは局長奥さんが一緒に働いているところであります。そのうち今度の相模大野のように奥さんが出納官吏になって窓口で現金出し入れの責任に当たっており、実務をやっているという局が、集配局では全国で二つで、無集配局ではなお現在六十八局ある。こういう関係なんですが、この前の私の質問のときは、奥さん局長が一緒におっても、せめて現金の出納の関係だけは、防犯の面からいきましても、配置がえをするなり指導をしてやめるようにしたらどうですかと申し上げて、あなたの方は検討しましょうということになっているのですが、これがどうなっているかということも聞きたいと思いますし、この家族従業員が同じ職場で一緒にいるようなことは、これは小局であるからなおさら問題だと私は思うのです。  二千三十一局という局の大部分は無集配でありますから問題だと思うのですが、これなんかについてはどうされるお考えでしょうかね。これはあなたの方で方針なり検討した答えが出ておりましたら、聞かせていただきたい。
  34. 浅尾宏

    ○浅尾政府委員 いまお尋ねの郵便局長の妻が出納官吏になっている関係は、その妻が主事ということになっている関係から自動的に出納官吏になるという、こういう仕組みにしてございます。  出納官吏の配置と申しますのは、その郵便局の現金の受け払いの責任者ということは先生も御承知のとおりですが、そこで、主事が配置されている郵便局の場合に、だれをこの現金出納の責任にすればいいかという観点から考えてみますと、第一に考えられますことは、それでは郵便局長に一緒にやらせるかということがございますが、これも、やはり、監督者が現金出納をするということ自体は内部牽制という意味からも不適当ではなかろうかと思われますし、そうかと申しまして、それじゃ主事以外の一般職員あるいは主任にやらせるということも、仕事の性格上から、これもいかがかという感じがいたします。そういう意味から、主事が配置されておる郵便局の出納官吏はこの主事にやらせるという出納事務の仕組みにしてあるわけです。  そこで、問題は、その出納官吏が妻あるいは家族従事員だという場合に、そのことのゆえにいろいろなことが考えられるから直ちにそれを配置がえしろとか、あるいはそれが主事じゃ困るから降格しろというようなこともいかがかと考えられます。  その辺の問題になりますと、全国に七十ございまして、現在ローラー監査等も大臣の命令で実施しておりますし、いろいろなそれらの実態をよく見た結果、どう措置していくか個々の問題として対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  35. 米田東吾

    米田委員 経理局長、小局の定員が局長以下二名や三名の局には主事の配置はないでしょう。主事の配置があるのは無集配局でも相当大きいところで、大きいところと言えば、具体的に数を言いますれば六、七名以上じゃないですか。あとは集配局ですね。ですから、主事という関係で困難ということはないだろうと私は思う。やはり、実情として、小局で現金窓口を持っておりますから、局長奥さんなり家族従業員なりが座っている場合にかえるのはなかなか困難があるだろうと私は思います。  おっしゃることはわかりますけれども、しかし、こういう機会に内部の刷新をやるということは必要だと思いますから、付近局に相互に転勤をし合うとか、やろうと思えば方法は幾らでもあるのじゃないかと私は思うのでありまして、そういうふうに対処されたらどうか。  それから、現金窓口係は必ずしも出納官吏ではありません。ですから、郵便の窓口をやっている人でもあるいは保険の窓口をやっている人でも現金出納の事務はやれるはずであります。局長の監督が十分であればできるのであります。したがって、そういうふうにこれもやろうと思えばできる方法じゃないかと思って私はこの前御提言をしたのですけれども、これから少し時間をかけて実情を調べてからやるという趣旨の御答弁のようでありますが、その決意で対処していらっしゃるのですか。もう一回答弁してくれますか。
  36. 浅尾宏

    ○浅尾政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、主事が配置されておる郵便局は、これは六名以上の定員があるところでございます。  そこで、いまのお尋ねの出納官吏というのは、実際に窓口に着いておりますのはその監督下におります出納員で、その出納員というのがお客様と接触をしております。そこで、この出納官吏が直接窓口に出張りましてお客様と接していくということは内部牽制上からいかがかという感じがいたします。  したがって、主事を配置していない小局でございます五人以下の局でございますが、ここは局長自身が現金の出納官吏になっておりまして、実際窓口でお客様と接触するのは出納員ということで仕事を分離いたしまして、窓口で実際に証拠書類と現金とをきちっとやったかということを出納官吏が後方におりまして内部牽制をしていくという、こういう組織が適当じゃなかろうかと思っておるわけでございます。したがって、この出納官吏を直接窓口に配置していくということは、こういう内部牽制という立場から申しましても少しいかがなものかと思っておる次第でございます。  そこで、この出納官吏が家族従事員あるいは妻という場合にどうするかということになるわけですが、これも先ほど申しましたとおりに、そのことだけで直ちに犯罪が発生するから他局に配置がえするぞということもいかがなものかと思いますし、個々の任命をする場合、あるいは主事にだれをどうしていくかという場合に、先生の御趣旨等もよく念頭に置きながら対処してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  37. 米田東吾

    米田委員 それはぜひそういう方向で対処してもらいたい。私の言っているのも、出納官吏が直接現金をやれということじゃありません。二名、三名の小さい郵便局では、無集配局では全部局長が出納官吏でしょう。集配局以上普通局を含めまして、出納官吏が局長以外に任命されているのは主事ないし課長クラスだと私は思う。そういう者が窓口に出るということは困難でしょうが、問題は二名、三各の局をどうするかということです。特定郵便局の無集配の大部分はそれに該当すると統計数字が出ております。その関係では、あなたがいまおっしゃるように、局長が出納官吏ですから、後ろで総体的に指導監督をして内部牽制の役を果たせばいいのです。あとは窓口要員はかえることができるわけです。出納員として資格を与えてやれるわけであります。だから、やりようによってはできるだろうということで私は申し上げたわけでありますから、これは十分検討していただきたい。  それから、千九百十三局ある無集配局の配偶者の関係をどうするか。いま聞いたのは配偶者が出納員である場合の関係でございます。集配局百十八局、無集配局千九百十三局、合計二千三十一局のこの関係をどうするかということなんですけれども人事局長、これは何かお考えを持ってこれから対処されますか。
  38. 守住有信

    守住政府委員 家族従業員の中でも、特に配偶者というふうな御指摘でございますのでお答え申し上げます。  御承知のとおり、山間僻地を含めまして全国至るところに特定局があるわけでございまして、その特定局の配偶者も含めまして、職員も全部含めまして通勤事情や住居等を考慮した場合、その職員特定郵便局の家族だからということで、同一局に勤務することを一概に一律に禁止するわけには実はいかないのではないかと思っております。家族的な悪い面はいろいろ起こりやすいわけでございますけれども、家族的な雰囲気と申しますか、そういう面で能率向上に役立っている面もあるというふうに思っております。  しかし、一方では、配偶者の関係という緩みの中で一たん犯罪が起こりますと、この犯罪が御指摘のような非常に大きいものになりやすい、あるいはまた発見がおくれる、発見しにくいというふうな面があると認識いたしておりまして、職員の配偶者の配置につきましても従来から注意を喚起してきたところでございますけれども、今回こういう配偶者と特定局長が組んでの大きな犯罪が起こったわけでございますので、この事件の反省という意味からもさらに徹底させていきたいと考えております。配偶者の配置はできるだけ自粛するように、たとえて申しますと、局長自身やその配偶者の個人的な利便だけを理由として同一局に配置することがないように今後改めて地方郵政局に対していろいろと指導してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  39. 米田東吾

    米田委員 大臣にちょっとお聞きしますが、今回の相模大野や目黒、それから四、五日前に深川の郵便局で約千五十万円ですか、現金出納係が簡単に他人の貯金通帳から払い戻しをして局員に渡しておるという事件がございましたが、ここ二、三カ月の間に一千万を超えるこのような事件が新聞で見ただけでも三件続いておる。これらの事件でいずれも共通していることは、私の受ける感じでは、現金出納係が公金を扱っているという責任感と、それから取扱手続に対して忠実に履行していくという服務の規律と、もう一つは内部による何らかの立ち会いないしはチェックの機能が内務事務、自治監査の面で常に確立しているということ、これがあればこの事件は完全に防げたと思うのです。そういうチェック機能があるわけでありますから、やろうとしてもこれはできないと思うのでありまして、これは挙げて郵政の責任だと私は思うのです。  こういう現状考えますときに、特に為替、貯金の窓口がそうでありましょうが、現金出納の関係についてはこの際特別に焦点を合わせて、監査の面、業務の面、内部規律の面からも何らかの対策が必要だと思うのでありますけれども、この点はいかがでございますか。実際問題として、こういう状態では郵便局は金を預かれませんよ。これはちょっと大臣の見解を聞きたいし、担当の局長貯金局長になろうかと思いますけれども、現在どういう反省と対処をしているか、具体的に聞かせていただきたい。
  40. 服部安司

    服部国務大臣 チェック機関もちゃんとあるわけでありますし、正規の事務処理をしておればこういう犯罪が起きるはずがないと私は申うのでありますが、しかし、現実に御指摘のとおりに目黒、深川できわめて大きな金額の犯罪が発生したことは事実であります。そこで、私も非常に不思議に思って、関係局長関係部課長を呼んでいろいろと詳細な報告を求めたのでありますが、正規の手続と事務処理とができていなかった点と、いま一つ職員の精神の弛緩と申しましょうか、現金を預かるという重要な使命感が欠けている点であります。深川のごときは、この莫大な金をメモでしてきたというのですね。  私は、こういう国民の零細な金を預かる仕事に携わる国家公務員としてはこれは断じて許されまじき行為であるという点から、御指摘のとおりに、今後正規の事務手続並びに出納に関しては厳に姿勢を正して職務に邁進するように、また、チェック機関である主任、主事、課長補佐、課長といった関係——これはもちろん次長、局長等数段階あるわけですから、こういった機能も定められた職務規程に従って厳正に執行すべきであるということを先日も注意をしたような次第でありまして、今後こういった面の職員の心がけについても、また、監督の立場にある管理者においても特に十二分な配意をするようにしてまいりたいと考えております。
  41. 高仲優

    ○高仲政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたことに尽きるのでございますが、私といたしましても正規の事務処理が励行されていなかったという点につきまして大いに反省いたしております。  深川の問題が出るや、直ちにこの事件の内容を詳しく書いた注意通達を流しまして、いささかも便宜処理に陥らないように、直ちに部内貯金関係に強く通達いたしておるところでございます。  また、反面、お客様の方にも、通帳をお預けになったときは必ず受預証をおとりいただくように新聞広告をすでに相当回数やっておりますし、また、局の窓口にパネルを置きましてその事実を明記させております。いささかも便宜処理に陥らないように、今後とも十分注意するように取り計らいたいと考えております。  問題は、内部牽制が正常に行われていれば深川の局のような事件は起きないわけでございますが、ただ、小局についていかがするかという点につきまして先ほど来先生から御質問がございまして、人事局長、経理局長から答弁申し上げたわけでございますが、基本的にはその答弁によるわけでございますが、貯金の業務といたしまして特にこれから励行しようと考えておりますのは、こうした内部牽制について問題のあるであろう局は、小さい局及び特に家族従事員の地位上の点から問題のある局につきましては、後方事務を担当しております地方貯金局から、たとえば通常貯金につきましては元利金がこのようになっておりますという通知をお客様の方に頻繁に差し上げて、お客様の持っておられる通帳名とそれから地方局の原簿面のすり合わせを十分やっていきたいと思っております。  なお、最近発行しております新しい通帳につきましては、磁気テープが表紙のところにくっつけてございまして、目には見えませんけれども、そこに現在高が常に記入されるようにしております。こうした点もこれから大いに配意してまいりたいと考えております。  また、定額貯金等につきましての受け払い、お預けいただいたときとそれから払い戻しをいただいたときにつきましても、そうした要注視局の分についてはお礼状等を差し上げるという形で実態との整合性をチェックしていきたい、このように考えておる次第でございます。
  42. 米田東吾

    米田委員 もう時間が終わっておりまして恐縮ですが、最後に大臣にこの際認識を新たにしていただいて、この犯罪防止に大臣の指導性を十分発揮していただきたいということでちょっと一、二申し上げますが、ここ約十年、郵政省の郵便におきましても、貯金におきましても、保険におきましても、その業務の重点は労務対策に、もっとはっきり言えば全逓対策にあったように思います。これは全逓との労使関係をここ十年間見てもらえば明らかであります。そういう面で、郵政省の省を挙げての方針というものは労務対策という原点を常に持っていろいろな業務指導をやったし、あるいは服務の態様についてもそれで対処してこられた。早く言えば、労務対策で必要であれば服務が規律を欠いてもそれで見過ごしてきている。そういうことが大体十年間続いておったと私は思うのです。それが蓄積されて、私に率直に言わせてもらえばいま服務が非常に怠慢であり、乱れており、ルーズであるということが顕著になって幾つかの犯罪事件となって出てきておるように私は思います。あえて言えば、十年間のそういう郵政省の対労務対策優先という方針で、一般の仕事の方はどうでもいいという状態が続いたところに今回のような事態が出ているんじゃないかと思うのです。  監察も同じなんであります。監察は本来内部監察でありまして、内部の犯罪防止、予防ということが主たるものでありまして、これは労使の関係からいけば、厳に中立的に国民郵政省の立場に立って内部チェックをするはずなんでありますけれども、これが労使の関係にやはり導入されてきておる。そういうようなものがあったがゆえに、相模大野のようなああいうものについてもあえて見逃すというようなことになっておったと思うのであります。  最近はそういう傾向はもう徐々に改善されて、労使関係というものはきわめてよくなってきておりますし、仕事の面にも非常に呼吸を合わせて対処しているというふうに思っておりますからいいのですが、そういう十年間の対労務対策優先ということから来るいろいろな緩みから来る事件がこれからもまた予想されますので、この機会に十分引き締めて指導を強めていただきたい。  それから、もう一つは、やはり高度成長時代でありましたので、特に貯金、保険は奨励第一主義、成績主義といいますか、とにかく募集して郵政省の財投に送り込む金が集まればよろしいということで、もう徹頭徹尾貯金、保険の職員や外野の諸君は締め上げられてきたんですよ。そのためには特定局長会は全面的に動員されて利用されてきたんですよ。したがって、ある意味では、それが特定局長会に、これだけの協力をしてこれだけの実績を上げているんだから、服務のことやあるいはわれわれの言うことを多少聞いてくれてもいいじゃないかという甘えというものを逆に言えば出させてきておる。それが相模大野なんかに端的にあらわれておると私は思うんですね。最近特定局長犯罪傾向的にはふえているように聞いておりますけれども、これはそういう一つのあらわれじゃないかと思います。  いま、低成長時代、安定成長時代を迎えて、貯金も保険も方向変換をせざるを得ないという時期でありますから、これからは内部の充実、犯罪の防止に努め、それこそ国民に奉仕する郵政省として十分な内部体制を引き締めていかなければならないし、そういう時期を迎えておると思うのであります。そういう点について、十年間やってきたものをもう一遍この際ここでもっと積極的に締め直すということで、内部の体制については十分な指導を発揮して、本来の郵政省犯罪のない事業に戻るようにぜひ御指導をいただきたい。私はそういうふうに思いまして、最後にそれを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。  大臣から一言ありましたら承りたい。
  43. 服部安司

    服部国務大臣 あってはならない犯罪が最近のように続出いたしておりますので、われわれも御指摘のとおりに静かに、しかも厳しい姿勢で今日までの歩みを振り返り、再びこういった悲しい事件が起きないように必死の努力を払うとともに、労使は信頼の上に立って話し合いの場をつくり、一体になって改善を図ってまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げたいと思います。
  44. 米田東吾

    米田委員 終わります。
  45. 松本七郎

    松本委員長 田中昭二君。
  46. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 きょうの議題になっております特定郵便局長の不正事件は重大な事件でございまして、当委員会におきましても例にない集中審議まで行ったわけでございますが、いまから私が申し上げることは、この重大な事件に関して集中審議まで行いました中での当局の御答弁、認識等において間違いがあったり、疑問が持たれるような不穏当な答弁が大変多いようでございまして、それをこのままにしておきますことはよくございませんし、本当ならば当局の方からこういう間違いについては進んで訂正なりをするというのが当然だと思いますけれども、それを求めてもいたしませんから、きょうは私はこの時間をかりましてそういう問題からまず入っていきたいと思います。  簡単に申し上げますが、相模大野佐藤局長事件の前に、内田局長というのが麻溝局で事件を起こしております。私が最初に質問しましたときにこれについて聞きましたところが当局は最初これは「郵政犯罪ではございませんけれども」という余分なことを言っておるわけです。しかし、後から言ったことを聞いてみますと、当局説明でも明らかなとおり、これは郵政犯罪でもあり、そのほかにそれに加えて詐欺、横領事件を現職の特定郵便局長が行っておる。だからそういうふうに答弁すべきなんです。違いますか。
  47. 日裏泰弘

    ○日裏説明員 お答え申し上げます。  ただいまの先生の御指摘の点でございますが、御承知のとおり、麻溝郵便局事件と申しますのは、先日申し上げましたように、元麻溝郵便局長内田茂が局長在職中の昭和四十八年一月二十八日から昭和五十年一月三十日までの間に、自己が会計担当の役員をしておりましたお寺の金二千六百二十八万七千四百九十九円を横領したというものでございます。それから、また、この犯行の発覚を防ぐために内田茂は、自己が勤めておりました麻溝郵便局におきまして、貯金通帳及び割定証書用紙に金額印などを押しまして虚偽の公文書を作成したものでございます。  この一連の犯行のうち、お寺の金を業務上横領した行為につきましては郵政犯罪ではありませんが、虚偽の公文書作成の点につきましては、ただいまの先生指摘のとおり郵政犯罪に当たるものでございます。  本年二月十五日の当委員会におきまして御説明申し上げたのもこの趣旨によったものでございますが、ただ、説明不足でそういうような御認識をいただいたことは大変申しわけなく思っております。
  48. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 こういうふうに私が求めていないことをぺらぺら言うが、この前にそのことも聞いているのですよ。麻溝局の局長がどうであろうとも、一般大衆の庶民の金を使い込みをして、郵政犯罪をやっているのです。それを郵政犯罪じゃございませんと言ったから、それは間違いじゃないかと聞いただけです。余分な答弁などするのはいかぬです。  委員長、こういうことじゃ時間がどんどん進んでいきますよ。注意してください。  大臣、いまのことについてはどうですか。
  49. 松本七郎

    松本委員長 限られた時間ですから、答弁は簡潔に、しかも的確にお願いします。
  50. 服部安司

    服部国務大臣 確かに郵政犯罪であると私は認識をいたしております。
  51. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 だから、私が郵政犯罪もあり詐欺事件もあったんじゃないかと言ったのだから、そうですと言えばいいのです。これは本当によくないけれども、仕方がありません。  その次の問題に移りますが、これは最初の麻溝の内田局長佐藤関係しているのです。そのときに内田が小切手を発行して、それを佐藤のところで現金化している。それはわかっていますね。  そこで、これは先ほども四十八年から悪いことをしたと言うのですが、この佐藤を通じて内田がやってはならない取扱規程の違反をしている。小切手を現金化したのですから、正当なことじゃない。その小切手を現金化した当時佐藤はどういうことをやっていたかという認識がこれまた間違っていたのです。当時そういう規定違反を行っている。近所の同じ郵便局長同士でそういうことをやっている。そういうことがわかっておればもう少しちゃんとやるべきである。佐藤に対しても、内田は逮捕されてから司法の手に渡っているからと言うかもしれませんけれども、その時点で佐藤局長として営利事業をずっとやっておったわけでしょう。それがどうして明快な処分ができないのですか。
  52. 日裏泰弘

    ○日裏説明員 麻溝局事件に関連して佐藤和也なる者がどのようであったか、その当時どういうことをしていたかということにつきましては、監察としては当時つかんでおりませんでした。  ただ、先般も御説明申し上げましたように、五十年の十二月に、警察当局の方から、佐藤和也が元麻溝郵便局長の内田茂に頼まれて小切手と現金を交換した事実があるという情報を入手したわけでございます。この点につきまして、麻溝局事件が警察で捜査が終わった段階で、五十一年の四月から六月の間に監察が入りましてこの事実を確認いたしました。そういったことで、この件につきましては非違として郵政局に通報し、それに基づいて郵政局はこれを処分いたしております。  では、その当時麻溝局事件に関連して佐藤和也が別に何か余罪があったのではないかということでございますが、当時のことを聞きますと、警察当局佐藤和也を相当取り調べております。非常に厳しく調べておりますが、その結果内田茂との関係では共犯関係はないということでそのままになっているということを承知している次第でございます。
  53. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大臣、結局当時知らなかったというのですよ。  そうなると、あなたはいま首席監察官ですから当時はそういう関係は知らなかったというふうにもとれますけれども、四十四年ごろから営利事業佐藤がやっておって、五十年といえばやっている事業がパンクしかかったところですよ。そして内田の事件についても非違事項があったと言うけれども特定局長としてやってはならないことをやっていることがわからなかったというようなことでは、これは身内のことだからわからぬふりをしておったというふうに見なさざるを得ない。そうでないならば一つ一つずっと指摘してもいいですよ。それではまとめてやっていきましょう。  大臣はこの佐藤局長がいつごろからどういう事業をやっておったか知っておりますか。この前も私が言いましたが、大臣事件を処理するにおいては全体を把握しなければならぬ。被害金額なり、悪いことをやった金額がどのくらいになるかと私が言ったら、いまのところわからぬということだったけれども、いま事件の解明も終わったようですが、わかりましたか。まず、この事件に関連する金額の総額を聞きたい。それから、大臣佐藤がどういうことをやっておったかは御存じかと思いますが、これは後でまたお聞きしますから、事件の総金額だけ…。
  54. 日裏泰弘

    ○日裏説明員 この事件の総額が幾らかという御質問がこの前の委員会でございまして、その当時私は先生がおっしゃるような意味での総額は存じておりませんということを申し上げたわけでございますが、私の方ではっきりこれは犯罪だとしてつかんでおりますもの、あるいは私の方の調査でつかんでおりますものを申し上げますと、この佐藤和也犯罪関係する金額につきましては、定額貯金関係につきましては総額一億五千百四十二万円でございまして、このうち実損は千百四十六万円でございます。それから、小切手関係につきましては八千七百九十五万円でございます。そして、そのうち実損が五千九百七十万円であります。この両者を合わせますと二億三千九百三十七万円がこの犯罪関係する金額ということになります。  このほかに預金者から総額にいたしまして一億千百十三万円の定額貯金証書を受領するというようなことをいたしまして、払い戻ししながら、このうち返済しないものが五千二百二十二万円あったわけでございます。したいがまして、これを加えました三億五千五十万円というものが佐藤和也のこの一連の行為に関係する金額ということで私どもは把握しているわけでございます。  ただいま御指摘がございましたように、この二月十五日の当委員会におきまして、佐藤和也の行為に関係する金額について御指摘がございました。これは大臣からも詳しく調べるようにという御指示を受けまして、実は相当調査をしているところでございますが、これは非常にむずかしい、非常に手数のかかる調査でございまして、まだ結論を得ておりません。現在まだ調査中でございますが、ただ、現在までのところでは先生のこの前の御指摘のような状況は出ておりませんが、今後結論を急ぎまして、その中で明らかにしてまいりたいと思います。  ただ、これは郵政関係の問題ではございませんが、捜査の過程におきまして判明したことでございますけれども佐藤和也の個人的な貸借でございますが、これが犯罪の発覚時におきましてかなりの額になっているということは聞いております。したがいまして、これを加えますと先生の御指摘のような金額に近くなるというようなこともあらうかと思いますが、これはやはり佐藤和也が個人的に郵便局関係以外でいろいろ借りているというものでございます。
  55. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大分わかってきたようですけれども、いまの三億五千万ではまだわからぬ部分の方が多いということです。その三億五千万も、実際は本当にお年寄りが預けた三百万、二百万という金が救済されていないものがあるんですよ。私に言えと言っても、私は向こうから言われまして、いろいろな問題があるからということになっていますから、それはやはり調べなければいけないと思うのですよ。そして、救済してやらなければいけない。それだけ言っておきます。  そこで、個人貸借まで入れると十億ぐらいあるのじゃないかと私はこの前言ったんですけれども、これは推定ですから私はこだわりませんけれども、いずれにしろ、なぜそういうことを言ったかと言いますと、この事件が重大な事件であるから、事件の全体をつかまないと正しい解決の方法が出てこないじゃないかということが私の主眼なんです。  それで、次に、今度は大臣に、大臣の御答弁のことで私はお尋ねしますが、この前大臣に、この問題の特殊性についてといいますか、歴史上類のない事件であったということはどういうふうに思いますかというふうにお尋ねしたんですが、ところが御答弁には、いわゆる認識の軽薄さといいますか、当を得ないといいますか、あさはかといいますか、そういうものがあったようです。  大臣が答えられたことを要約して言えば、佐藤営利事業に手を出して、その資金獲得のためにこういうことを行ったのだという趣旨のことをお述べになりましたが、いま私が言ったように、その事実認識は軽薄であり、あさはかであり、当を得ていないというように私は思いますが、いかがでしょうか。
  56. 服部安司

    服部国務大臣 先ほどの、佐藤和也がこの事件に絡んで営利企業にどの時点から関与していたかという御質問もあわせてお答えいたしたいと思います。  これは私もあくまで捜査当局の捜査状況、捜査結果に基づくより以外に適確な情報を入手することはできませんので、この点もまず御理解を願っておきたいと存じます。  佐藤和也がボーリング場の営業に関与いたしましたのは大体昭和四十七年ごろからだと私は承知いたしております。認識の相違と、それからまた、先般の田中先生の御質問に対する大臣の答えは余りにも軽率過ぎないかという御指摘でありますが、私は、まことに申しわけありませんが、そのようには認識はいたしておりません。と申しますのは、佐藤和也営利事業に関与していたことは明白であることは御理解いただけると思いますが、昭和四十七年の三月にこのボーリング場が開設されましてずっと続いて、昭和五十年四月に営業不振によって閉鎖したものであることも御案内のとおりでありますが、この問題に関連いたしまして、佐藤和也が五十年四月に赤字で閉鎖したボーリング場をスーパーにするべくいろいろ暗躍をしたことも捜査過程で明白になっておりますことは御案内のとおりであります。  このスーパーマーケットを誘致するための計画を進めていたところ、この資金の調達がなかなか思うように進まなかったので本件の犯行に及んだということを私は捜査当局から報告を受けておりましたので、なるほどスーパーマーケットの資金調達計画のためにということになっていますが、もとを正せば、佐藤和也営利企業であるボーリングに関与し、これが倒産したから今度はまたスーパーマーケット誘致のために資金繰りで犯行に及んだのであれば、ボーリング経営に関与したから最終的に資金繰りに行き詰まって犯行に及んだという理解を私がするのは当然だと思うのであります。  ここで先生から指摘を受けて、私は最後にひとつ議事録をごらんいただきたいと思うのでありますが、これもこの時点では私は断定しているものではありません。御指摘のとおり、「史上まれに見る悪質な、きわめて遺憾な犯罪につながったと私は考えておるところでございます。」と言っておりますが、この時点ではまだ明白でなかったことは先生も御承知のとおりなんでして、私は常識的に考えて、国家公務員である佐藤和也がこういった民間の営利企業に手を出したということは、ボーリングであろうが、スーパーであろうが、何であろうが、断じて許されることではありません。したがって、このボーリング経営というのは一時は大変な繁盛をいたしましたが、その当時から今日にかけて衰微の一路をたどっておるのでありまして、常識的にそういったことが犯罪の要因ではなかっただろうかと私は考えておりますということをつけ加えておるわけでありまして、どうぞこの点も御理解を賜りたいと存じます。
  57. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 それが少し認識が浅かったのじゃないかと私は言っているのです。その事実で、たとえば営利企業国家公務員が手を出すことはできないということは先ほどから言われております。大臣は四十七年からそういうことをやったという御認識ですが、私はこの前も四十四、五年ごろからやっているのじゃないかと問題提起をしておったわけです。これは地元ではだれでも知っていることなんですよ。そこで、私から言えば、そういう指摘をされてもまだわからぬと言わざるを得ないのですよ。  この前から、この事件については、事件の発生源の究明とともに現状分析までやって処分もした、改善策も立てたと大みえを切っておられますが、発生源を究明して現状分析とは、一言で言えばどういうことですか。
  58. 日裏泰弘

    ○日裏説明員 ただいま大臣から御答弁がありましたが、この相模大野事件は、郵便局長が公務員として関与してはならない営利事業関係しまして、そしてまた郵便局に対する地域住民の絶大な信用を利用した計画的な犯罪であるということがまず言えますが、職員といたしまして、常に姿勢を正して公私の観念を明確に区別して職務の執行に当たるべきであるという、公務員としての自覚に欠けていたということが言えると思います。  それから、また、今回の事件は正規の取り扱いが励行されていない上に、さらに部下の指導監督の責任者である後任局長が職場の実態把握を怠りまして、局長として日常みずから行うべき検査、監査が十分でなくて、むしろ部下任せにしていたということが犯行を容易にしたものと認められるのでございまして、職務の執行に当たっての正規の取り扱い、それから日常の検査、監査の励行など、防犯管理体制について重大な遺漏があったということがその原因だということでございます。
  59. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いまお聞きしたようなことは、この前大臣がこの事件に対する事後処理をお述べになった中に抽象的に述べられたと思っております。大臣のことで言えば、いま、私は、この事件関係して認識の違いなどがあって、間違いがあるというようなことを言ったのですが、それに関連しての大臣の発言の中で、特推連の問題を私が聞いたときに、簡単に言いますが、特推連というのは、自分が勉強したところでは任意なものである、そしてこれには事故、犯罪防止に関しては権限がないというようなこともおっしゃっているのですけれども、これは間違いじゃないですか。特推連はそんな任意の特定局長会と違うのじゃないですか。どうですか。
  60. 服部安司

    服部国務大臣 確かにそのとおり答えたことも記憶にはっきりいたしております。また、特定局長会についての私の認識の相違であったことも素直に認めたいと思います。機会があれば御説明申し上げたいと思っていたやさきに御指摘がございましたので、あれは全く私の認識違いであるということをはっきりと表明いたしておわび申し上げます。
  61. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そういうことで、大臣に仕事を教えるときに間違って教えた者もいかぬですな。大臣は調べたとおっしゃっているのだからね。そういうはね返りが質問者に来たり一般国民に来たりすると困るのですよ。  そこで、重大な点を指摘しておきますが、麻溝局の内田局長佐藤に小切手の現金化を依頼した。それが四十九年の終わりから五十年の初めですよ。人事局長答弁の中にもありましたが、この事件に関してそういう背景というか事実がありまして、佐藤が内田局長の小切手を現金化したのは六回です。これは妻英子も共謀してやっておった。これは四十九年から五十年の初めごろまでに四回で、あとは五十年の後半に二回です。  そこで、問題は、先ほどから言いますように、大臣も言ったように、佐藤局長は四十七年ごろから事業を始めて、五十年ごろにはボウリング場の経営が悪くなって、そして事業に手を出した。そして、そのときに内田から頼まれて佐藤は小切手を現金化した。これは妻と共同で自分の局でやっているのです。それで、佐藤もやはり人間ですから、悪いことをやったと思ったと私は思いますよ。それで、五十一年の三月ですか、佐藤から郵政局の方に口頭で辞意を申し出たと、人事局長はこういう答弁をしている。  そこで、もう一つ背景があるのですよ。五十一年の三月といいますと、佐藤はこのボウリング場の、先ほど大臣が言ったようなこととちょっと違うことで告発を受けているのです。二回も告発を受けているのです。その告発事件も発覚して、私が佐藤の心境になれば、五十一年三月に郵政局に辞意を申し出ただろうと思うのです。それが四十七年ごろから事業をやっておったわけでしょう。そして、四十九年から五十年にかけてはそういう規定違反をやっておるわけでしょう。内田から頼まれて小切手を現金化する。そしてボウリング場が行き詰まって、その問題で告発を受けた。そういう状況のもとで郵政局の方に身柄を預けるといいますか、どうしましょうかと言ってきた。どうしましょうかというよりも、悪いことをしましたからやめますと言ってきたのだと思うのです。  ところが、そのときの郵政局のだれか知りませんけれども、それが守住さんじゃないから、だれかが守住さんにそういううそを教えたのだろうと私は思うのですが——うそといいますか、本人がそういう背景を持ちながら口頭で辞意を申し出て、それに対して守住人事局長答弁では、いや早まるなと言った、何のためにやめるのかと言ったら仕事をやると言うから、そういう仕事をやるぐらいのことで軽率にやめてはいかぬと言って、その口頭での辞意は受け付けなかった、それで二カ月後の五月に正式に退職願いを出させたという、こういう経過になっていますね。  そのときには内田も事件を起こして逮捕されているのですよ。先ほどの説明によりますと、恐らく監察調査をしている。世間的には民事事件で告発を受けている。そういうものが現実にわからなかったのでしょうかね。それまでわからなかったと言うのだったら、わからなかったと言った守住人事局長答弁は不自然であり、うそだ。そういうふうに言った方が常識的でしょう。だれがそういうふうにあなたに教えたか。関東郵政局ですか。郵政局に佐藤が口頭で辞意を申し出たときの状況をあなたはここで答弁しましたね。それはいま私が言ったようなことだけでも、事件の推移を見ますと簡単にわかる。  これはどうしてですか。それとも郵政局、本省まで含めてそういううそを通そうとするのですか。どうですか。
  62. 守住有信

    守住政府委員 いま先生のお話をずっと承っておりますと、総合的に見まして、私も個人としては不自然だという感じを持つわけでございますが、私の方でさらにこの関係を調べてみましたところ、佐藤和也が五十一年の三月に——あのときは正確な日にちがわかっておりませんので三月ごろということを申し上げましたが、三月十六日に関東郵政局に来まして局長をやめたいと言うので、何でだと言いましたら、商売をやりたいということでした。実は、ちょうど三月十六日には人事担当の方は……(田中(昭)委員「そうじゃない。四十七年からやっておったじゃないですか」と呼ぶ)そういう総合情報、いわゆる告発を受けておるということは人事担当の方で知らなかったわけでございます。そして四月の十九日に、今度ははっきりした文書で辞職願を本人が郵政局に持参してまいりました。  ところが、当時はもちろん、先生の御指摘の麻溝局の関連での預金の取り扱い上の非違行為につきまして監察調査が進められておるということを郵政の方は承知しておりましたために、辞職をうかつに承認して依願退職ではいけないということで一時保留しまして、調査結果を待って、それらの非違が確定した七月末に、その調査内容に即しまして相当の処分を行ない、辞職を承認したという事情でございます。
  63. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大臣、うそを何とかしてずっとつじつまを合わせようとすると、いまのように大変おかしな説明をしなければならなくなるんですよ。これを一つ一つずっと問題にしていったら、これはまた問題になりますよ。それで、七月に受け付けて、依願免職させないと言いながら、八月には退職金も五百何十万やったわけでしょう。全然合わぬじゃないですか。  だからこの事件に限らず、特定郵便局制度とかいろいろな犯罪事件もありましたが、どうもその裏には、郵便局なら郵便局の中で、特推連なら特推連の部会の中で、連絡会の中で、郵政局の中で、何か事件を表に出したくないというようなことがあるのではないか。表に出したくないことはわかりますけれども、事柄の性質上内輪のことを隠そう隠そうとするというかなんというか、そういうことが重なってきているというふうな感じがしてならない。  ですから、これを整理してみますと、いまの佐藤の問題にしましても、退職金の問題も、五十一年の八月十三日に五百十三万やってやめさせたわけですが、これにも問題がございます。それから告発を受けたと言うが、告発の内容がどういう事件であったかも知らないようですね。これではもう問題になりません。これでは私から見れば事件の発生原因の究明をして現状を分析したとは言えない。まだ残ります。その上で、改善策として、この前ずっと大臣がお述べになったような特定局長防犯対策打ち合わせ会とか特別調査とかいろいろなことをやったということになっているのですけれども、これを一つ一つ聞いていきますとまた時間もかかりますが、問題は、そのように一つ事件に対して言葉の上だけでは物事は解決しないということです。どうもこれは役所の体質でもありましょうけれども、言葉だけでは物事は直らないということを私は指摘しておかなければならないと思うのです。  そこで、この事件についてはもうこれ以上ここで私が事実を指摘しましても調査をされていないことでございますからかみ合いませんし、一方通行になりますから別の問題に移りますが、先ほどから聞いておりまして思うことはこの特推連の問題ですね。この特推連というのは官側でちゃんと規定をつくりまして、役員は全部郵政局長の指名ですよ。そういう組織と特定局長の役員が一緒だということは、これはいつごろからですか。何か、前は特定局長会と特推連の役員は違っておったそうですか、いつごろから一緒になったのですか。
  64. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  必ずしもすべてが全く一緒ではございませんけれども特推連の役員につきましては、四月一日に、当該年度の頭首におきまして一年ごとに更新を——更新といいますか、重なる場合もございますけれども、改めて任命いたしております。  それで、局長会の方におきましては、これは任意団体でございまして自主的に役員を任命するわけでございますが、その局長会におきまして、特推連の役員に任命された者を局長会の役員に任命するようになったのはいつごろからかといういまの先生のお尋ねの点につきましては、私は正確な記憶がございませんけれども、最近に至りましてそれが非常に多くなったということは言えるかと思います。
  65. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 どうもはっきりしないですね。その特推連の問題は、先ほど私が指摘しました佐藤も内田も、副部会長を経て当時は部会長なんですよ。恐らく特定局長会でも役職は一緒なんですよ。ですから、内容はとやかくは言いませんけれども、これはお互いの親睦の会であるならば、特定局長会の役員は別の方がよかろうと私は思うのです。特推連はやはり郵政局の指示に従って仕事をやる。せっかく今度の解決策で防犯何とか会、何とか会といってつくって、監察等は四半期に一回打ち合わせをするとか言っていますけれども、これはこういうことではまた働きませんよ。ですから、特推連の役員と官が任命するお互いの親睦のための特定局長会の役員は別に考えるという、もとの基本原則に戻られた方がいいんじゃないでしょうか。  大臣、どうでしょうか、これは今後の方針としてでもいいですから、検討するのかどうかですね。
  66. 服部安司

    服部国務大臣 特推連の役員は郵政局長の任命行為であることは御案内のとおりでありまして、田中先生の御意見もよくわかるわけでありますが、しかし、特定局長会で会長に、部会長ですか、選ばれるという人は、やはりその地域で一番信望の高い人を——あれは互選ですか、選挙ですから、そういうふうに郵政局長考えているのではなかろうか。だから、まとめていく上においても、特推連の任務を全うする上においても非常にスムーズではなかろうかというきわめて一般的な考え方からそういう方法をとっているのではなかろうかと思いますが、しかし、何といったって佐藤特推連の幹部であった、部会の長であったという事実がここにはっきりあらわれたわけですから、私は、きょうまでの経緯について、またどのような方法が最も犯罪防止につながるか、特推連の使命を果たせるかという点についてひとつ検討してまいりたいと考えております。
  67. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 検討されるときにぜひ参考にしてもらいたいと思いますが、特定局長制度の問題についてはそういう不満がいっぱいあるんですよ。それは郵政局長はただ任命するだけですから、机上でやるだけですからいいでしょうけれどもね。それだから結局、先ほどから言われますように、特定局長制度の問題のいろいろな利害得失といいますか、そういうものに対するなれといいますか、甘えといいますか、そういうものがあるから、それをお互いに是正する上についても特定局長会と特推連は別がいいというのが正論だろうと私は思うのですよ。そういう考えを持って検討してもらいたいということです。  それと、先ほどの米田委員質問人事局長答弁を聞いておりまして私は考えるのですが、これまた特推連関係のあることですが、特定局ができた趣旨から言えば特定局長地域に密着してもいいでしょうけれども、これはやはりいまの社会はそうじゃないんじゃないですか。それは地縁とか何とか縁というものは町の中なんかではもうそんなに強いものじゃないですよ。田舎でももちろん有力者が特定局長になうておりましょうけれども、有力者が特定局長になっているからそこに甘えが出てくる。何十年も局長の異動がないということは、やはりどろ沼みたいなところに不正に引きずられていく可能性が十分にある。  ですから、昔のような地縁とか何とか縁というようなものはありませんよ、交流した方がいいんですよということは特定局長の仲間の中でのみんなの考え方だと私は聞いておるのですから、これはやはり人事交流をやった方がいいのではないかと思うが、どうですか。いままでのことだけにこだわるのは、郵政省の今後の発展の中でまたこれに類する事件を起こして発展を阻害されると私は思うのですが、いかがですか。もう一遍答えてください。
  68. 守住有信

    守住政府委員 先ほど米田先生の方にお答えしましたのは、制度的に転勤制を進めていくというのはいかがであろうかと思っておるということでございます。ただし、その中で、現実問題といたしましては、いろいろな特定局長を任命した後のその局の業務運行なりいろいろな情報を集めて判定いたしました場合に、たとえて申しますと集配特定局長としてはふさわしくないんじゃないかというふうな面だとか、あるいはまた他のいろいろな強制措置の中でこの転勤を行うという実例はあるわけでございまして、一切合財を一切言わないんだということはございません。  先ほどもちょっと一言触れましたけれども、最近では一年間に千百人くらいの中で、それとは別に転勤という形で百六十というくらいの転勤を実際はやっておりますが、それはやはりそれぞれの地域の中での能力の発揮ぶりというものを十分にいろいろと判定して、そのままがいいのかどうかということを考えてそういう措置をとっておるということでございます。
  69. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これは私も特推連なり特定局長会なりのいろいろな意見を聞いてみますと、局長会の中でのお互いの相互牽制といいますか、そういう上からは人事交流をやった方がいいという意見があるのに、本省の方では、人事局長の方ではどうしてそれを聞き入れないのか、その辺の郵政省の体質といいますか、仕組みといいますか、そういうものが私にはどうしても納得がいかないのです。先ほどの内田局長に対する処置のとり方、それから佐藤局長の不正事件に対する対処の仕方、その中にそういうものを大変感じますよ。  大臣、そういう特定局長会の中でみんながこうした方が相互牽制もされていいでしょうと言ったことを、本省の方でいままでの制度だけにこだわるということは一体どこに原因があるんでしょうか。何か大臣としてお感じはお持ちになりませんか。
  70. 服部安司

    服部国務大臣 事業運営上転勤はかなりな支障があるという見解を、いまの答弁では主管局長はとっているわけですね。これは、地縁の利点を生かすという点についてはそういったことも私は理解できるわけであります。しかし、田中先生の御指摘のとおりに全持定局長に転勤があっていいんだということになれば、これはもう考えねばならないと思いますが、田中先生は、特定局長がそういった異動、転勤をいま望んでいるではないか、しかも、それによって相互牽制で犯罪を未然に防げる利点があるじゃないかと言われますが、私は素直にこれを認めたいと思うのでありますが、非常にむずかしい問題でありまして、大臣はどのように考えるかとおっしゃられても、このように考えますと言える内容のものではございません。  しかし、時代も変わりつつあるということは素直に認めて、われわれも特定局長各位の現在の心境というものを何かの方法調査をして、その上で的確な判断を下すべききわめて重要な問題であるというふうに私は認識をいたしております。
  71. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 質問なり答弁がどうものらりくらりで終わっておるようでございますが、大臣の就任早々にこういう事件が起こったわけですが、郵政事業に対する大臣の対処の仕方や、また、ここにおきますいろいろな国会の答弁、物の取り組み方については大変誠意があっていいと私は思うのでありまして、その誠意のあるところは評価をいたしますが、誠意だけではいけない。  これは私が言うのは失礼でございますけれども、今度の事件の解決策にしましても、呼び集めていろいろな注意をするということが、その段階大臣考えておる誠意がより正確に伝わるように、そしてそうあるようにしなければならないという気持ちで私は申し上げるわけですが、いままで大臣は、郵政当局のそれぞれの局長さんやお役人さんの立場とは自分は違うのだというようなことも率直に御発言になっておりますが、それは違いは違いとして、一つの問題が指摘され、一つの問題が改善方向に向かったならば、大臣の大事な発言については、郵政部内においても部外においてもそれがそのまま生かされていかなきゃならないと私は思うのです。  その点、大臣が就任以来現在まで、大臣考えておることが部内はもちろん部外にもそのとおり徹底しておるかどうか、官房長の方からでも答えてください。
  72. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 いま先生から御指摘がございましたが、私ども郵政省の役人といたしまして、大臣御就任以来、その新しい方向づけについて、発想の転換と申しますか、いろいろな御指摘を受けております。そしてまた国会でこうしていろいろ御意見をいただき、あるいは御教示をいただきました段階、あるいはその以前とその後におきましても、省議メンバーと私どもは申しておりますが、局部長のメンバーが常に大臣のもとに参りまして、そして御説明を申し上げますとともに御指示をいただきまして、これを極力実現に向けるべく努力いたしております。  先生の御指摘のとおり、今後ともそれに努力してまいりたいというように考えているところでございます。
  73. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 その気持ちはわかりましたが、それが現実にいろいろな不協和音になって聞こえたり、いろいろなところにつまずきが出たりする。きのうも私が質問したときも、大臣は人を見て答弁されるのかどうか知らぬけれども、私もちゃんと質問事項をきのう申し上げていたつもりですけれども、勉強をしておらぬからと言われるからそれ以上の質問はできなかったのですけれども、それでは一つだけ指摘しておきましょう。  大臣はこの逓信委員会で最初に所信表明を行いましたが、その所信表明はそのとおりの方向でそのとおりのことが国民に知らされなければならないと私は思いますが、ところが、知らされていないんですよ。  ここに大臣の所信表明が出ておりますが、これには違った方向が出ておりますよ。そうすると、これはやはり一つの何かだろうと思うのです。大臣が所信表明をしたことは、そのまま国民に意のあるところを知らさなければならないものだと私は思いますが、これはある新聞ですが、郵政省関係のある新聞ですが、「服部郵政相 衆議院逓信委で所信表明」となっていて、これは書き出しが違うんですよ。これはどういうことですか。
  74. 服部安司

    服部国務大臣 先ほどからのいろいろの御指摘の中で、私は率直に申し上げたいことは、恐らく部内では厳しいやつが出てきたなという評価を受けたであろうことは私が一番よく知っております。しかし、これは当然のことなんでして、要領よく世渡りをしようというような利口な男ではないことも私は十分認識いたしております。それで当初かなり誤解も受けたことも知っております。しかし、最近は私の真意もわかってくれたような感じで、私自身がそういう感触であります。  私自身も一時はいら立ちを覚えたことも、これははっきり意識しておりますが、また、省外、いわゆる関係のある末端の郵便局長まで、今度の大臣は厳し過ぎるという声のあることも知っております。私の一族にも大変特定局長が多いわけですから、逆に、限られた期間いるだけでなぜあんなことをやって厳しくやるんだというような指摘も受けました。ここらに今日までの郵政省の悪い面が一挙に出てきたんじゃなかろうかと私は理解しております。  不協和音ということも聞きました。それはまあそうでしょうが、ともかくイエスマンであれば、ああいいおっさんが来たなと言うでしょう。——おっさんと陰で言っているんですからね。前では大臣と言って、陰ではおっさん何を考えてるんじゃろうてなもんで、私はそんなことはよく知っているんです。しかし、私は任命されて引き受けた以上はやはり自分の力だけのことをやりたい、一時は誤解は受けても必ず理解はしてもらえるものなりという気持ちで、これで約五カ月にも近く手が届く期間やってまいりましたが、先ほど申し上げたとおりに、中堅どころなどはもう大変理解してくれたと思うし、私も日々やりがいのある日常生活を送っております。  だから、この国会の場を通じていろいろと御指摘を受けた問題は今後も決してゆめゆめおろそかにいたしませんし、また、いたしておりません。私も国会議員ですから十二分に御意見を尊重し、また、つけるべき方向づけは、少々無理をしてでも幹部職員やまた関係者に絶えず強い指示を私はいたしております。  先般の、国会の発言は即国民の声と理解すべきであると申しましたこともこれはまあ親しさからくるいろいろなものもありますが、そこまで私は強い姿勢で臨んでおりますので、人間的にもまだきわめてでき上がっておらない服部でございますし、また、物事を率直に言い過ぎていろいろ誤解も受ける面が多いこともはっきりとわかっているのですが、私のこの真意を御理解いただいて、今後いろいろと高い次元から御指導をいただいて、よりよい郵政事業の推進に御協力いただくならばこの上もない喜びと存じております。  いまは何をさておいても国民の信頼回復が一番大事な懸案事項でありますので、そういった面にも力を注いで皆様方のお期待にこたえたいと私は考えておりますので、御了承のほどを願っておきます。
  75. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大変率直なお気持ちを聞かせてもらったわけでございますが、そういうことが行政の中でも生かされていかなければならない。一言で言えばそういうことでしょうけれども、それがひいては国民のためになり、郵政全般の正常な発展になり、国民からの信頼の回復になるのであって、そういう方向についていくことについては、私たちも今後なおさら協力をしたい。いま大臣がおられる間も、またかわられても、そのつもりで意見も申し上げておるわけでございますから、その勇気ある大臣の決断を進めてもらうと同時に、今後の議論については、こういう抽象的なこともいいのですけれども、政策的な一つ方向についても、私は御発言の趣旨をずっと見ながら、いい方向にいくべきであろうというように思います。  きょうはちょうど特定郵便局のこの問題についてそういう方向指摘もしましたし、これは今後のために申し上げたのでございます。  以上で質問を終わります。
  76. 松本七郎

    松本委員長 次回は、来る十九日水曜日、午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十八分散会      ————◇—————