○田中(昭)
委員 もう少しこの
事件の問題に触れるために
指摘しておきますが、先ほどから言われでおりますように、
郵政省、特にまた
監察も、いままでのこの
事件の捜査なり、この
佐藤の問題に関しては、大変身内意識が強いといいますか、逓信一家という言葉が先ほども出ておりましたが、そういうことが悪い方向に作用しておるということです。だから
世間から見れば甘いということで、
監察制度無用論まで出ておる。先ほどの話のように警察に任せた方がいいのではないかという話も出ておる。しかし、私はそうは思いません。やはり、
国民の
信頼回復のためには喪失したものを回復しなければならない。
そこで、先ほど地元の
監察官が知っておったということを
指摘しましたが、その
犯罪の動機やそういうものの中で私がいままだあると申し上げましたが、そのことも、ここにあります
記事から見ましても、「現場の
監察官は」
——これは今度公表された分ですよ。それ以外にあるということですが、「現場の
監察官は「まだまだあるかも知れない」というのだ。」というふうにまで
新聞に書かれているのです。
それから、先ほどのいわゆる部内牽制が行われなかったという問題は、これはいわゆる
関係者は知っていたということをやはり
新聞は
指摘しておるのです。「一万数千人の「全国
局長会」は参院全国区に議員を一人出すほどの圧力団体でもある。」となっているが、これは
特定局長会のことだと思うのです。そして、「ヘタなことを言えば、
自分の首が飛ぶ」と書いてある。これを推察しますと、五、六局の
特定局長の部会があり、その部会長さんのことを変なことを言ったら
自分の
特定局長としての首が飛ぶというふうにもとれる。ずっと上に上げていけばそうなるでしょうね。そういうふうに
指摘しているのです。そして、「局員はじめ
関係者は
佐藤の
犯行を知っても
郵政監察局へ報告しなかったようだ。」というふうに
新聞は
指摘しているが、やはりこれは事実ですね。先ほどの米田
委員のやりとりを聞いていますと、推察もありましょうけれども、やはり事実だろうな、そういうものだなということがわかる。
ここではなはだしいのは、官側の
立場に立って
監察官が
被害者のところをずっと聞いて回っている。そのときに、「あなたの
事件は郵便局と
関係ないんですよ。これは
個人間の問題ですからね。これでもうやめた方がいいですよ。」ということを言って回ったということまで
指摘してある。それだったら、先ほど
大臣が言われたように、これは
郵政省と
関係がないことですから
補償しませんよということを言って回ったことになってしまう。そういう可能性がある。いまから調べるにおいてもですよ。だから私は
指摘しておる。
これを読んでいきますと、もう本当にむちゃくちゃですね。だから私は先ほども
最初に言ったのだが、こんなことを言うこと自体、
自分の顔が赤くなるようですよ。
先ほどの特定局の問題について、制度そのものにも問題があるということが出ました。そして、私は特推連の問題も
指摘しました。しかし、いろいろな権威がある雑誌等にもそういうことは多く
指摘されております。
これはある月刊雑誌でございますが、これにも、「郵便を底辺で支える
特定郵便局にこそ本当の問題があるのだ」というふうに
指摘しております。そして、「この
特定郵便局は全国二万二二五四ある郵便局の実に七二%を占め、超マンモス郵貯をつくり上げた先兵集団である。」として、その最後の方に、「
特定郵便局はこの手当が」
——これは募集手当のことですが、「貴重な財源だけに反対するだろう。そして自民党はこの声をバックに
郵政省、大蔵省を突き上げてツブシにかかる。」となっている。これはこの手当を上げてくれという問題だろうと思うのですが、それで、「郵貯の体質改善を抑える集団がここにもあるのだ。」となっている。いわゆる
特定郵便局長さんという集まりは、もう断固としてだれの言うことも聞かない。これはこの言葉の私の推察ですが、だれの言うことも聞かない。いざというときには与党、第一党の自民党に圧力を与える団体になってしまう。ですから、どんなことを言ってもつぶされてしまうというようなことがここに
指摘してあるわけです。
ここにこういうふうに書いてありますね。「この
局長らは」
——というのは、先ほど
指摘がありましたように、いわゆる
特定局長の、特推連の部会長でもあったために、「地域のボス的存在で、選挙にでもなると、いろいろ票の取りまとめに走り回ることもある。」となっています。こういうことをやり出しますと、これはおたくの党のことですから、内部に立ち入ってあれですが、おたくの党では総裁選でいま盛んに党員獲得が行われておるが、これにもこの
特定局長会が全員入党ということで動いておるということも
指摘されておるわけです。
時間がございませんからそういう
指摘だけに私はとどめましたが、ここで問題点を拾うと、特定局の制度の問題のほかにといいますか、いわゆる郵便貯金の非課税限度額の問題もある。とにかく郵便貯金は税金がかかりませんよと言って募集してくるのですよ。そういう問題と、それからいまの制度の問題といろいろございますが、やはり、郵便貯金という国営
事業といわゆる民間の金融機関の
預金獲得という問題での対決もある。でありますから、私はここで郵便貯金の問題に触れておきます。
まず、大蔵省の方に、政務次官も来てもらっておりますから聞きますが、いまのわが国の財政危機はまだ続くわけでございますが、その中で財政投融資に依存することはだんだん高くなると私は思うのです。そうしますと、現在の財投と郵貯との相関
関係は、郵便貯金は一段と無理してでも資金を集めなければならないということになるわけです。それはすなわち財投の原資を確保せよという要請になってくるわけです。そこで、貯金を集める簡易局から、特定局から、普通局から本省まで、そして大蔵省までも一緒になってその要請にこたえなければならない。この私の認識は間違いじゃないと思いますが、いかがでしょうか。