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村山国務大臣 私に対しては、特恵
関税とスワップの話でございます。
特恵
関税は御承知のように、昭和四十六年からでしたか、発展途上国が、贈与よりもむしろわれわれの貿易を促進することによってわれわれを援助してくれ、こういう一致した
要求に基づきまして各
先進国がとってまいりまして、今日まで非常に拡大しておる。そしてまた、発展途上国がその恩恵を受けてきたことは御承知のとおりでございます。
そこで、私はやはり今後ますますこの貿易は大きくなるであろうと思います。しかし同時にまた
わが国は、当然のことではございますけれ
ども、合理的な
国内産業の保護という問題を
考えていかねばならぬ、これはもう当然でございます。その辺がまさにバランスの問題だと思うのでございまして、一方におきましては、それが余りにも急激であれば、現在持っております特恵率、特恵
関税のいろいろな弾力条項がございますから、これを運用してまいりたいというふうに
考えております。
それからまた同時に
考えねばならぬことは、
わが国はどうしても貿易の自由化に本質的な利益があるわけでございますから、その間に
わが国が今後進むべき
産業構造というものを、
わが国自体がまた努力してまいらねばならぬことは当然でございまして、そういうことによりまして、できるだけ国際分業の方に持ってまいるというのが基本でございますけれ
ども、なかなかそうはうまくいくかどうか。その辺の競合するところが、特恵
関税の弾力条項をどう使っていくかというところで、その場面場面でバランスのとれた方法をとることが私はやはり基本だと思うのでございます。
それから、スワップの問題でございますけれ
ども、たしか
アメリカとの間、まあ
アメリカを中心にいたしまして、
アメリカは大体二十億ドルぐらいずつのスワップを結んでいるわけでございます。しかし、なかなかスワップ協定で発動したということは私は聞いていないのでございます。しかし、
アメリカは御案内のように、昨年の暮れカーターが、やはりドルの安定を
考えねばならぬ、またことしの一月になりましてから連銀の総裁が、やはりスワップ協定を大いに利用しなくちゃならぬ、こう言っておりますので、私は漸次これは安定していくものだと思っているわけでございます。
ついでに申し上げますと、きのうの夜からきょうあたりにかけましてちょっとまた上がりぎみでございますが、私の
判断では、これは
日本に対するというよりも、欧州においてブルメンソールとシュミットが会って、
経済政策でちょっと合わぬとか合ったとかいろいろな外電が伝えられておるわけでございますし、また財務次官が、いままでドル支えに介入していなかった、こう言って、それが国際的に非常に微妙な
影響を及ぼしたと聞いておるわけです。財務次官は後ほど、いや、介入しなかったというのはドルが安定しておったから介入する必要がなかった、こう言い直したと言っておるのでございますが、しかし、こういう際でございますから、そういう一言が非常に
影響を及ぼしまして、そして強い通貨に向かっておるということが、きのうからきょうにかけての為替相場のあれではないか。したがって私は、これを二、三日見ますと、大体少し安定の方に向かってくるのじゃなかろうか、こういうふうに見ているわけでございます。