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後藤委員 大変くどいように私申し上げましたのは、これから安定基本計画を策定する過程でそれぞれの審議会等がつくられて、そこで論議がされるわけです。その際は、各
大臣は
答弁をなさっておられるわけですけれ
ども、ぜひ労働代表をそこに参加させて、そして十分に
労働者の意見を聞いて安定基本計画をつくっていきたいという姿勢を明らかにされているわけです。しかし、私がいまくどいように申し上げておりますのは、この姿勢がないと、結局
労働者がその安定基本計画に参加、発言をいたしましても、どこにも歯どめがない。だから、そういった
労働者がきちっとその産業を守り雇用を確保していくために発言をするよりどころに対して、労働省、労働
大臣がしっかりと受けとめてやっていただきたいということを私は申し上げたかったわけです。
なお、それとの関連で申し上げますと、私は、この
法案というのは、目的にも書いてありますように――恐らくこれからの論議の中で第一条にも雇用の確保というものがやはり修正として明確に入っていかなければならぬと思いますが、しかし、この
法律では
企業経営の安定ということがやはり主務
大臣の大きな行政責任になっているのだろうと思うのですね。しかし、私が言いたいのは、雇用の安定は労働
大臣、そして
企業の安定と雇用の安定というものは全く同質のものでなければならぬだろうと思うのです。これがこれからの産業政策なり労働政策のあり方の基本的な
考え方だ。そういう
意味では、これまでは、パイを大きくすれば、あるいは
企業が何とか生き残れば、あるいは設備廃棄をしていま苦境に陥っているのが安定をすればまた雇用も確保できるのだ、したがってひとつそれまで
労働者がまんをしてくれ、これがいままでのあり方であったと思う。そうではなくて、
企業の安定というものと雇用の安定というものは同質同等に行政としては扱っていかれなければならない、そういう立場から私は申し上げたわけでございまして、ぜひひとつこの辺で雇用の問題、労働の問題に対する発想を転換をしていただきたい、このことを、
答弁は結構でございますので、申し上げておきたいと思います。
そこで、
運輸大臣にお伺いをしたいわけですけれ
ども、私は
河本通産大臣にもお伺いをしたのです。と申しますのは、今度の
法案というのは、これは単なるといいますか、いわゆる循環
不況、その強弱はもちろんございますけれ
ども、いわゆる単なる循環
不況としてとらえておられないだろう。もし単なる循環
不況であるとするならば、これは
造船にいたしましてもそうですし、あるいは合繊、アルミ、平電炉等にいたしましても、それぞれの審議会なり研究会なりが知恵をしぼってあり方というものを検討しておるわけですし、それぞれの主務官庁が
行政指導をなさっているわけですから、それをさらに強めていかれればいいじゃないか。しかし、この
法律ができるというのは、これはいわゆる循環
不況ではなくて、大変構造的な問題を持っている、そこからこの
法律というものは出てきていると思う。
そこで、お伺いをしたいのは、私は、
造船はその最も構造的なものを抱えた典型であろうと思うのですね。いろいろとその実情を報道しております資料なり文書等を見てみますと、世界的にも三千五百万総トンですか、そのうちの三分の一ぐらいより需要がない。これから二、三年後ボトルネックを過ぎたといたしましても、建造能力から見て半分の需要よりないんじゃないか、こういうように言われているとすれば、これはまさしく大変構造的な
不況だ。構造的な問題だ。そういたしますと、この
法律のわずか十二条ぐらい――私は、
信用基金の問題はこの際別にいたします。これはやはりそれぞれに必要なものがあるだろうと思いますけれ
ども、その前段の、つまり安定基本計画なり設備廃棄、格納、休止、こういった問題を進めようとする前段のこの
法律で、果たして
造船業というものが安定基本計画に乗って安定するとお考えでございましょうか、
運輸大臣、お願いします。