○工藤(晃)
委員(共) 私は、東京電力が
計画している三多摩地域を通る高圧送電線
計画について質問しますが、一応きょうは限定しまして、東京西線について
伺います。
東京電力がいま多摩ニュータウンにこういうりっぱなパンフを一万部ばかりばらまいておるわけであります。聞いてみますと、一部が二百二十円ですから、二百二十万円を多摩ニュータウンには円高の差益をこういう形で還元しているらしいのでありますが、この中を見ますと大変問題が多いと思われます。
〔
委員長退席、中島(源)
委員長代理着席〕
たとえばこの中で
一つの問題は、住民側に対しまして、東京西線を建設しないと来年は多摩の電気は一大ピンチを迎えるというようなことを言っているわけであります。ところで、その根拠として幾つかグラフなどを挙げて書いてありますが、この中でどういう方面の
需要が多いかということにつきましては、生活関連と産業用
需要と二つ分けているのです。これはこれまでの普通の電力
需要の分類と大分違いまして、生活関連というと、いわゆる狭い産業用
需要以外ですね。業務用、たとえば東京電力の本社のビルのそういう業務用も含めてこれに入るわけですが、そういうのを生活関連だと、鉄道などの公共事業も皆生活関連だといって、ばかに生活関連という比重を高くしてしまって、生活がよくなるとこれだけ要るというふうに見せているという問題で、ここらあたり、東京電力がこの問題を解決するに当たっての姿勢、
一つのデマゴギー的なイメージ戦で問題をうまくやっていこうというのが見られてはなはだ遺憾なのでありますが、ここらはまた後で、
通産省の方の指導の問題としても、こういうやり方についてもっと厳しい態度で当たるべきだと思いますが、それだけでなしに、ここに電気の使用量の推移というのがこれまた載っているわけであります。
この電気の使用量の推移を見ますと、大体昭和四十七年度から五十六年度に倍増する。ところが、四十八年、四十九年の
需要はオイルショックのときで余り伸びないという、ほぼ横ばいでありますから、もしこのようなグラフがかけるとするならば、ここの使用量、
需要の増加の率というのは七六年以降年率九・四%ぐらいずつふえなければならない勘定でかかれているけれ
ども、果たしてこういうようなグラフが勝手にかけるのだろうか。これは電気事業
審議会
需給部会の五十二年八月十九日「電気事業
審議会
需給部会中間
報告」というのがありますが、これを見ますとこの時期にほぼ相当する。これは全国的でありますが、電力
需要の伸びは五十年から六十年に年率で五・八%というわけです。この三多摩に限って九・四%ぐらい伸びなければいけないということでありますと、今後、
国会でも問題になっております
エネルギーの節約の問題とかそういうことも見込んで
エネルギー政策、
需給見通しを立てなければならないのに、それがこのように全国的な
見通しからも著しくずれた、これは地域的特性とかなんとかいうでしょうが、が立てられ、そしてそれが住民に向かっては宣伝されて、このように電気はどんどん要るんだ、さあピンチが来るぞという宣伝になっているわけなのであります。ですから、こういう分類の仕方、そしてまた伸び率がかなり勝手に示されているのではないか、こういう点どうしても疑問に思わざるを得ない。
それからもう一点、この
需給をめぐりましてついでに申しておきますと、これは私の方から
通産省の方に、東京の西側と言われる地域の電力の予想潮流図が一体どうなっているのかということでいただきました。ところが、最初いただいた五十四年八月電力予想潮流図というのは、この西線がまだつくられない場合、それからもう
一つ、新多摩線が完成されない場合、こういう前提を設けた場合にどうなるというのをもらいました。しかし、これは今後のことからいろいろこの潮流図を
検討しなければならないので、両方完成した場合どうだ、それから西線が完成して新多摩線ができない場合、それから逆の場合、こういうものも出してもらいたいと言ったところが、新多摩線が完成して西線がないという場合の予想はどういうわけか出されなかったのです。しかし、これらの潮流図を重ね合わせてみると、これはまだ非常に粗雑なものであるということが幾つか出てきたわけであります。
と申しますのは、ここにおいて港北のところがありますが、この港北部分は、来年八月、第一のケースとして西線も新多摩線もありという場合には百十万六千キロワット、そういう
需要がここの変電所で配分になるということになります。ところが、もう
一つの両方ないという場合には十一万三千キロワットということになっていて、一けたも違うわけなんです。ですから、北多摩、それから西東京、新宿、城南、城北、世田谷、合計しますと、あるものでいくと三十二万二千キロワットであり、あるものでいけば百四十三万七千キロワットである。こんなにばかげた開きが出るわけがないので、この図そのものがまだ大変ずさんな
段階であるというふうに
判断せざるを得ないわけでありますが、一応以上の点につきまして
伺いたいと思います。