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1978-06-16 第84回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年六月十六日(金曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 川崎 寛治君    理事 有馬 元治君 理事 志賀  節君    理事 高鳥  修君 理事 矢山 有作君    理事 湯山  勇君 理事 広沢 直樹君    理事 神田  厚君       愛知 和男君    越智 伊平君       小島 静馬君    佐藤  隆君       谷  洋一君    谷川 寛三君       中島  衛君    中村  直君       村上 茂利君    森   清君       渡辺 秀央君    伊賀 定盛君       伊藤  茂君    池端 清一君       佐藤 敬治君    日野 市朗君       米田 東吾君    渡辺 芳男君       武田 一夫君    古川 雅司君       津川 武一君    安田 純治君       菊池福治郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣         国土庁長官   櫻内 義雄君  出席政府委員         国土政務次官  丹羽 久章君         国土庁長官官房         長       河野 正三君         国土庁長官官房         審議官     四柳  修君         農林大臣官房審         議官      角道 謙一君  委員外出席者         厚生省社会局施         設課長     山内 豊徳君         水産庁漁港部防         災海岸課長   佐藤 稔夫君         資源エネルギー         庁公益事業部技         術課長     松田  泰君         資源エネルギー         庁公益事業部ガ         ス保安課長   香田  昭君         中小企業庁小規         模企業部参事官 山口  務君         海上保安庁警備         救難部救難課長 宗形 健寿君         気象庁観測部地         震課長     渡辺 偉夫君         建設省河川局災         害対策調査室長 森   淳君         建設省道路局道         路防災対策室長 藤井 達也君         建設省住宅局住         宅総務課長   川合 宏之君         建設省住宅局建         築物防災対策室         長       上田 康二君         国土地理院地殻         調査部長    藤田 尚美君         消防庁危険物規         制課長     小池 次雄君         消防庁地域防災         課長      中川  登君     ————————————— 委員の異動 六月十六日  辞任         補欠選任   後藤田正晴君     愛知 和男君   伊賀 定盛君     日野 市朗君   瀬野栄次郎君     武田 一夫君   安田 純治君     山原健二郎君 同日  辞任         補欠選任   愛知 和男君     後藤田正晴君   日野 市朗君     伊賀 定盛君   武田 一夫君     瀬野栄次郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  一九七八年宮城沖地震による災害対策  派遣委員からの報告聴取  請 願   一 桜島火山降灰対策強化に関する請願(     山原健二郎紹介)(第八〇八号)   二 吾妻一切経山火山活動に伴う災害恒久    対策に関する請願天野光晴紹介)(第    三一一七号)      ————◇—————
  2. 川崎寛治

    川崎委員長 これより会議を開きます。  これより請願審査に入ります。  今会期中本委員会付託されました請願は、本日の請願日程に記載してありますとおり二件であります。  請願日程全部を議題といたします。  まず、審査の方法についてお諮りいたします。  両請願の内容につきましては、先刻の理事会で十分御検討願いましたので、紹介議員説明等を省略し、直ちに採決を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、これより採決いたします。  本日の請願日程中、第二の請願は、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませ・か。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  6. 川崎寛治

    川崎委員長 なお、本委員会参考のため送付されました陳情書は、有珠山噴火による災害防止対策確立に関する陳情書外三件であります。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————
  7. 川崎寛治

    川崎委員長 次に、閉会審査に関する件にいてお諮りいたします。  先刻の理事会におきまして協議いたしましたとおり、災害対策に関する件について、議長に対し、閉会審査申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、お諮りいたします。  閉会審査案件付託になりました場合、本会期中に設置いたしました災害対策の基本問題に関する小委員会につきましては、閉会中も引き続き存置することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長従前どおりとし、その辞任の許可及び補欠選任等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中、委員会及び小委員会において、参考人出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、それぞれ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会審査案件付託になり、審査のため委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣委員の氏名、人数、派遣地、期間、その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  14. 川崎寛治

    川崎委員長 次に、災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、一九七八年宮城沖地震災害対策について、政府当局から説明を聴取いたします。国土庁柳審議官
  15. 四柳修

    四柳政府委員 去る六月十二日、宮城県沖において発生いたしました地震による被害につきまして御報告申し上げます。  六月十二日午後五時十四分ごろ、宮城県沖にマグニチュード七・五程度の地震が発生し、宮城県を中心に大きな被害を生じました。  現在までに判明いたしました被害状況は、死者二十二名、行方不明一名、負傷者七百一名、建物の全半壊二千八百六十九棟、一部破損一万七千三百六十二棟、道路損壊四百四十二カ所、橋梁損壊五十五カ所、山崩れ等百五十四カ所等となっております。  今回の地震によります被害は、急激な地震動によるものが多く、特に人的被害におきましては、御老人、子供さん方を中心に、ブロックべい等の倒壊による圧死が目立っているところでございます。また、市街地では、ガス水道等の導管の破裂、あるいは断水、供給施設等破損、あるいは電気ガス供給停止等が生じまして、市民日常生活に大きな支障を生じました。さらに、東北石油タンクからの油が流出し、あるいは鉄道線路等の損傷がございまして、いわゆる都市災害の典型的な状況を示しておりますのが今回の災害の特色でございます。  また、高層住宅等、外見上は大して被害がなくても、詳細に見ますと、壁に割れが入っているとか、内部の施設家具等が全部倒壊しているとか、そういった形で市民生活に大きな影響を与えている状況でございます。  現在までに宮城県から御報告いただきました数字が十五日の十三時現在で四百十億という被害報告をいただいております。このうち主なものは、公共土木施設九十八億、あるいは水産関係三十二億、教育施設十九億、さらに一般住家の被害百五十三億となっておりますが、このほか、中小企業関係等相当被害が未調査でございまして、これらが追加されますと、なお被害額はふえるものと思われます。  今回の災害に際しまして、宮城県その他関係市町村等におきましては災害対策本部を設置し、応急対策に努力されておりますが、政府におきましても、去る十三日に国土庁長官本部長とする非常災害対策本部を設置し、翌十四日に本部長団長とする政府調査団派遣いたしまして、その被害状況の詳細な把握に努めるとともに、応急対策に万全を期しているところでございますが、今後とも早急な復旧が図られますよう適切な措置をとってまいる所存でございます。  以上簡単でございますが、御報告とします。
  16. 川崎寛治

    川崎委員長 次に、昨十五日、宮城沖地震による被害状況につきまして、宮城県に現地調査を行いましたので、私が、派遣委員を代表して、便宜、この席から調査の概要を御報告申し上げます。  なお、宮城等関係当局から提出された要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載することをお願いいたしたいと存じます。  派遣委員は、神田君、小島君、中村君、伊藤君、古川君、安田君及び私川崎と、それに地元から多数の参加を得て、現地被害実情をつぶさに調査してまいりました。なお、今回の派遣は参議院と合同で行ったことを申し添えておきます。  まず、地震発生状況について申し上げます。  去る十二日午後五時十四分ごろ、東北地方中心に北海道、関東東海地方にかけて強い地震が発生いたしました。気象庁観測によりますと、震源地宮城県の沖合い約百キロの北緯三十八一度東経百四十二・四度の地点で、震源の深さは四十キロ、その規模マグニチュード七・五であったとしております。  主な各地震度は、震度五を観測したところは仙台、大船渡、福島等とされており、また、これら地域を除く東北地方のほぼ全域関東地方のほぼ全域では震度四を観測したとされております。  この地震による被害宮城県、福島県、秋田県、山形県、青森県、東京都、神奈川県など広範な地域に及びました。この地震による被害状況及び国や地方自治体の対応につきましては、ただいま政府より説明がございましたので省略させていただますが、地震による二次災害として一番恐れられている火災宮城県下で発生した九件だけであり、いずれも大事に至らなかったことは不幸中の幸いと言えるのではないかと思います。  次に、派遣地であります宮城県の被害状況等について申し上げます。  まず、宮城県内被害状況であります。  県の説明によりますと、昨十五日現在、人的被害死者行方不明者二十三名、負傷者九百四十六名となっており、また、建物被害は、住宅全壊三百二十九戸、半壊二千九百四十七戸、一部破損三万四千二百八戸となっており、一方、非住宅被害も八千百四十二戸に及んでおります。その他県内公共土木水道鉄道、電力、ガスなどの各施設は甚大な被害を受け、被害総額は約四百十億円に達したとされております。  今回の地震による死亡者行方不明者仙台市を初めとして震源地に最も近い宮城県内市町村に集中しており、そのほとんどが倒壊したブロックベい、門柱等の下敷きとなり亡くなられたのであります。年齢別構成を見ますと、その大半が状況を的確に判断することに欠ける老齢者並びに幼児でありまして、全く痛ましい限りであります。特にブロックべいにつきましては、本来、防犯やプライバシーの保護など快適な市民生活を約束する象徴でありました。これが一転、人の命を奪う危険な物体に変わり、いたいけな幼児などに襲いかかったのであります。ブロックべいは全国各地に普及しており、特に大都市ではブロックべいではさまれた狭い道を人が出入りするといった場所も見受けられるのであります。もし地震大都市で発生した場合のことを考えますと慄然といたします。政府におかれましては早急に建築基準見直しを行うとともに、これが遵守されるよう対策を講ずべきであろうと存じます。  ただいま申し上げました被害の中で市民生活に深刻な影響が心配されておりますものに水道電気ガス供給がストップしている事態がございます。申し上げるまでもなく水道電気ガスはいずれも生活に欠くことができないものでありますが、地震発生後直ちに供給がストップいたしました。水道につきましては、水道管故障などにより県内の五十四市町村が断水し、また電気につきましても、送電線故障などで仙台市を中心に約二十七万戸が停電となり、さらにガスにつきましても、仙台市の約二十一万世帯への供給がとまったとされております。私ども視察いたしました十五日にはいまだ水道及びガス供給がとまっている家庭も多く、特にガス完全復旧には長期間が見込まれており、住民は、現在もなお不自由な生活を余儀なくされる状態が続いているのであります。  次に、視察いたしました個所現況について、視察の順序に従って御説明申し上げます。  まず、重油流出事故が発生いたしました東北石油仙台製油所でありますが、同製油所仙台市の中心部から約二十キロのところにあり、八十七基のオイルタンクのうち三基にひびが入り、重油が流出し、その一部が同製油所内道路の側溝を伝って排水口から港内に流れ込みました。このためオイルフェンスを幾重にも張って拡散を防ぎ事なきを得ておりますが、火災が発生していたならば大きな被害が懸念されたところであります。大都市油流出火災といった事態のことを考えますと、政府石油コンビナート防災対策見直し強化を検討すべきであると存じます。  次に、高砂サニーハイツでありますが、この建物仙台市の郊外にあります十四階建てのしょうしゃなマンションでありまして、地震がなければ、平和な市民生活が営まれていたでありましょう。しかし、この地震により給水、排水の両施設損壊し、生活上の基本的条件であります水が断たれ、かつ建物に亀裂が入り、ドアがあかなくなるなどの事態が生じたのであります。このマンションは水田を造成して建てられたものであり、もともと地盤が緩かったと推定されるのでありまして、このような高層建築物が建てられる場合、徹底した地盤調査必要性を感じました。  次に、卸商二百八十六社で構成されております仙台卸商団地でありますが、この地区の建物幾つかは見るも無残な崩壊状態でありました。被害額につきましては目下調査中であるとのことでありますが、その額は優に百億円を超すものと推定されております。  以上、被害状況及び視察個所現況を御説明申し上げましたが、今回の派遣を通じまして感じましたことを一、二点申し上げたいと存じます。  まず初めに、都市防災についてであります。  都市はさまざまな文明科学などを取り入れて発展してまいりました。そしていまや巨大なものと変わりつつあります。しかしながら、一方では発達した文明科学ゆえ都市もろさも指摘されるわけでありまして、今回の地震でもそのもろさを露呈いたしました。水道電気などがストップした場合の市民生活への影響都市の各般の要求を満たすために建設される危険物取扱施設など、一たん災害が発生すると予想もできない事態に発展する要素を秘めております。  都市防災につきましては近年特に議論が盛んになり、ようやくその体制整備も進められており、私どもも真剣に取り組んできたところであります。今回の地震を貴重な参考として、政府側とも意見を交わしながら、万全な防災体制を確立するよう努力してまいる必要があります。  次に、地震予知体制整備充実であります。  最近、耐震工学の進歩により徐々に耐震環境整備が進められておりますが、経済社会の発展などにより、都市構造はそれを上回って危険をはらんだものに変化をいたしております。地震防災の決め手はやはり予知であろうと存じます。  御承知のように今国会、大規模地震対策特別措置法が成立し、地震防災対策強化地域につきましては観測体制強化が図られることとなりました。しかしながら、日本列島全体が危険地域でありまして、こういう意味からいたしますと、強化地域のみならず、全国的な規模でその充実強化を図っていく必要があります。財政上の制約、人的な制約などさまざまな難問が山積しておりますが、政府はこれらの難問を速やかに解決の上、充実強化を進められるよう特段の配慮をすべきであります。  以上、現地で感じましたことを申し述べましたが、宮城当局等からはさまざまな要望がございました。時間の制約もございますので、ここで申し述べることは省略させていただきます。日程都合により視察仙台中心となり、その他の市町村あるいは宮城県以外の被災地に赴き、お見舞いを申し上げられなかったことは残念に思います。この席をおかりいたしましてお見舞い申し上げるとともに、政府におかれましては被災地の声をよく聞き、各種の措置十分活用の上、被災地災害復旧に御尽力願いたいと存じます。  最後に、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災地が一日も早く復旧されんことを切望し、あわせて日夜救助活動に当たっておられる関係各位に感謝申し上げて、私の報告を終わります。  派遣委員皆様にはまことに御苦労さまでした。  この際、お諮りいたします。  ただいまの派遣報告にありましたとおり、宮城県及び関係方面からの詳細な要望事項につきましては、本日の会議録末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 川崎寛治

    川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————     〔要望事項本号末尾掲載〕     —————————————
  18. 川崎寛治

    川崎委員長 災害対策に関する件、特に宮城沖地震災害対策について議事を進めます。  この際、政府方々に申し上げます。本日は政府側出席者が多数おられますので、御答弁の際は官職名を明らかにされた上で御答弁願います。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。愛知和男君。
  19. 愛知和男

    愛知委員 先ほど来御報告がございましたとおり、六月十二日午後五時十四分、宮城県を中心にして大変大きな地震がありまして、数々の被害があったわけでございます。亡くなられた方が二十二人、行方不明が一人、重軽傷合わせますとおよそ千人、また家屋被害等まことに大きなものがあったわけでございますが、私は質疑に入ります前に、亡くなられた方々に対しまして心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、また御遺族の方々には、これまた心を込めてお悔やみを申し上げたいと存じます。また、そのほか数々の被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  同時に、私、地元出身の代議士といたしまして、今日まで数々の物心両面にわたるお見舞いをいただきましたことに対し、この機会地元を代表して心から厚く御礼を申し上げたいと存じます。被害は大変大きなものがございましたけれども、おかげさまで県民挙げて元気を取り戻しまして、目下復旧に全力を挙げております。しかしながら、今後とも国民各位の御援助等必要かと存じますので、この機会御礼を申し上げますとともに、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと存じます。  それでは質疑に入らせていただきますが、昨日十四日に櫻内長官団長といたします政府調査団現地に赴かれまして、各地を御調査いただいたわけでございまして、まことにありがとう存じました。  そこで、まず最初に、団長として現地を御視察になられました櫻内長官から、被害等御自分の目でごらんになったわけでありますが、その御感想と申しますか、被害状況をどのように把握されましたか、ひとつ長官からお答えをいただきたいと存じます。
  20. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 お答え申し上げます前に、亡くなられた方々に心からなる弔意を表して御冥福をお祈りする次第でございます。また多数の負傷者が出ております。災害を受けられて、家屋全壊半壊、一部破損、大変な被災者でございますが、これらの皆さん方にお見舞いを申し上げますとともに、一日も速やかに御回復、復旧を御期待申し上げる次第でございます。  ただいま私に、調査についての感想をということでございますが、広範囲に及んだ今回の地震に当たりまして、被災中心とも言うべき仙台市のごく一部を調査に参ったのでございまして、十分意を尽くすことができませんが、大都市震度五の地震によってこのような多くの影響を受けるのであるということをつぶさに承知をいたしまして、被害を受けられた方々の御心痛を察するとともに、今後の対策に万全を尽くさなければならないという印象を受けた次第でございます。一見、ビルあるいは家屋被災状況というものはいわゆる惨たんたる風景であるということではございませんが、しかし一たび個々の皆様の御家庭実情に触れてみますと、電気がとまる、ガスがとまる、水道がとまる、室内の家具、什器その他が倒れ、破損する、地震を受けると同時に直ちに、予想もできないような多くの生活に対する影響を受け、その中で復旧をしていかなければならない、そういう状況を目の当たりに見た次第でございまして、一言で言いますと、都市に対するこういう大地震というものが非常に広範囲に生活面影響を与えるということを痛感いたした次第でございまして、この経験を生かして、今後この種都市地震を受けた場合にどう措置をしていくべきであるかということを十分研究しなければならないと思っておる次第でございます。  それにいたしましても、いまだ被災後の深刻な影響を受けておられる方々が多数ある次第でございまして、政府対策本部といたしましては、それが復旧の上に万全を尽くしていきたい、このように思います。
  21. 愛知和男

    愛知委員 大変お忙しいスケジュールで駆け足で各地を御視察になられましたので、ある程度やむを得なかったと存じますけれども調査団がお帰りになりましてから、地元で私もいろいろなところから聞きました中に、調査のやり方と申しますか、たとえば卸団地に行かれましたが、時間の都合から、バスに乗ったまま代表者が一人そこへ入りまして、実情を聞かれたということでございますが、実はそのときに事務所の中に被害を受けた人たちが集まっておりまして、一言でもいいから大臣の激励の言葉が欲しかった、こんなことも言っておりました。そんなようなこともございますので、今後このたぐいの調査等ある場合には、たとえば幾つかの班に分かれるとか、それからまた事務当局が行かれる場合と違いまして、大臣が行かれた場合には、一言声をかけてやるというようなことも、被害を受けた地元の者としては大変力強く感ずるわけでございますので、今後そのようなこともひとつぜひ御配慮をいただきたいとお願いさせていただきます。  次に、これからの問題でございますが、まず宮城県からも強く要望として出ております中に、宮城県を激甚災害地に指定してほしいということがあります。各地のいろいろな被害状況等々から考えましても、この際激甚災害地に指定をいたしまして、各種の救済措置を講ずるのが適当と考えるわけでございます。が、この点につきましてはいかがでございましょうか。
  22. 四柳修

    四柳政府委員 今回の宮城沖地震災害によります被害額につきましては現在各省庁で調査中でございます。先ほど御報告申し上げた中にも肝心の中小企業の数字が入っておりません。そういう状況でございまして、地元の切なる御要望ということも私どもよくわかりますが、御案内のように、激甚災の指定につきましても一つの基準もございますものですから、その調査の結果を待ちまして、御要望に沿えるよう努力してまいりたいと思います。
  23. 愛知和男

    愛知委員 事務的なそのようなお話はよくわかりますが、現地長官が記者会見等で、自分の見た範囲ではこれは激甚災害地に指定して当然だというような御発言もなされております。また、このような災害でもございますので、ただ事務的な処置でこれを措置するということ以外にいろいろな政治的な配慮なり何なりが加えられて当然だと思うのでございますが、この点につきまして長官からひとつお考えをお述べいただきたいと存じます。
  24. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 ただいま審議官がお答えをいたしましたように、激甚地指定についての一応の基準があるのは当然でございますが、恐らく、被害状況報告を逐次受けておりますが、激甚地指定の基準を満たすに至るものと私は見ておる次第でございます。被災状況は、おっしゃるように、まさに激甚地の指定をいたして対処すべき要素を持っておる、こういうふうに見ておりますが、近く被害額がまとまってまいることと思いますので、その際善処いたしたいと思います。
  25. 愛知和男

    愛知委員 長官の力強いリーダーシップをぜひお願い申し上げる次第でございます。  さて、残り時間もございませんが、幾つか具体的な問題に触れながら御質疑を申し上げたいと思います。  今回のこの地震仙台中心としました地震であるだけに都市型、こう言われておるわけでございます。確かにいわゆる都市部における被害も非常に大きかったわけですが、実は詳細に調べてみますと、特に仙台の東部に非常に大きな被害がございまして、仙台の東部には地名で言いますと六郷とか七郷とか言われるいわゆる農村地帯があるわけでございます。そこへ実は私も行ってみましたところが、非常に古い農家、中には百年、二百年と続いた大きな農家が非常に大きな被害を受けておりました。御承知のとおり実はいま大きな農家は自分のうちの敷地の中に小さな借家をつくって人に貸しておりますが、そういうのは余り被害を受けておりませんで、かえって大きな農家の方が大きな被害を受けておりました。それと同時に、母屋だけではなくていわゆる農作業をいたします作業場などが大変大きな被害を受けて、中に入っております農機具、またさらにことしの秋使う予定にしております乾燥機等々、そういったようなものが非常に大きな被害を受けておりますことを目の当たりにしてまいりました。中には家が大変傾いておりますので中に住むことができずにビニールハウスの中に寝起きをしているという農家も、これはもう大変数が多くあったわけでございます。この農家の方々が一様に、一体これをどういうふうにして復旧をしていったものか、お金をどういうふうに借りたらいいものか、あるいは秋の収穫までにこの農機具や作業場などが果たして再建できるだろうかという非常に強い不安を抱いておられました。このことにつきましてどのような対策が考えられるか、ひとつ当局からお答えをいただきたいと存じます。
  26. 角道謙一

    角道政府委員 農林省の官房審議官でございます。  ただいま御質問のございました農林漁業関係の施設につきましては、災害復旧資金は農林漁業金融公庫におきまして主務大臣指定施設資金ということで災害復旧金融を行うことといたしておりますので、事実上そういう被害がございましたら私ども十分の対応ができるかと思っております。  ただ問題は、いま御指摘の住宅部分につきましては、これは農業プロパーのものではございませんので農林省では対応できませんので、別途住宅金融公庫等において御処置をいただくということになろうかと思っております。
  27. 川合宏之

    ○川合説明員 住宅金融公庫の貸し付けにつきましてお答え申し上げます。  現在の災害状況によりまして住宅金融公庫におきましては災害復興住宅の貸付条件を満たしておりますので、過日私どもから災害復興住宅として貸し付けを行うように指示したところであります。今後とも資金が不足などしないように被災者の保護には十分に配意してまいりたいと考えております。
  28. 愛知和男

    愛知委員 ひとつぜひとも、都市型ということでとかく農家の方が忘れられがちでございますけれども、そのようなことのないように、なお細かい点、質疑を申し上げたいところがございますが、時間がございませんので次に移らせていただきます。  住宅とかそういうような被害もさることながら、同時にまた製造業も非常に大きな被害を受けているわけでございます。特に中小の企業等につきましては非常に大きな被害を受けておりまして、一つの例でございますが、ちょうど被害を大きく受けた近辺に中小の印刷会社が全部で二十七社ほど集まりまして印刷団地をつくっているところがございます。そこで、被害を急遽まとめた資料がございますが、それによりましても、その団地全体の年間の商いが大体八十億程度の規模の団地でございますが、実際の建物、機械、それから活字だとかそういったようなもの、細かい被害を受けた実損だけで大体四億六千万、そのほか休業のための損害等で大体二億円という金額が見込まれておりまして、ざっと年間の商いの一割程度にも及ぼう、こういうことでございます。なお、再開の見込みがまだ七月の下旬になるところも幾つかある、こういうようなことで、こういうような中小企業、一つの小さな例ではございますが、この災害によって倒産の憂き目を見なければならないというようなところも出てくる危険が十分にあるわけでございますが、特に中小企業に対する救済につきまして当局のお答えをいただきたいと存じます。
  29. 山口務

    ○山口説明員 中小企業庁の参事官をいたしております山口でございます。  今回の地震によりまして、中小企業者の方々が工場だとかあるいは店舗、こういったものを破損を受けたりあるいはまた御指摘のように機械が壊れた、こういったこと、あるいは商品が崩れ落ちるといったような被害があったということはわれわれも十分承知いたしております。  このため、先ほど御指摘ありました激甚災害の問題につきましては別途調査の結果をもって対処いたしたいと思っておりますが、非常に緊急を要しますので、これらの被害を受けられました中小企業者の事業の再建に必要な資金につきましては、政府系中小三金融機関におきまして災害復旧貸付制度、こういう制度がございます。この適用を直ちに実施いたしております。したがいまして、この災害復旧資金の御活用をお願いしたい、こういうふうに思っております。
  30. 愛知和男

    愛知委員 ひとつ行政当局の細かい配慮をぜひよろしくお願い申し上げたいと存じます。  次に移らせていただきますが、調査団も御視察になりました卸団地というのがございます。これは大体二百八十社余りの会社がつくっておる団地でございますが、この団地の中で建物が数々被害を受けたわけで、建物の中には倒れてしまったようなものがあって、新聞などで報道されておりますとおりでございます。  それで、大体いままでの調査によりますと、先ほど委員長からの御報告にもありましたが、金額的にはおおよそ百億というようなことを言われておりますが、建物にしましても、大体一割ぐらい、二十七、八、三十ぐらいの建物が何らかの手を加えなければならない、こういうような大変な事態になってしまったわけであります。もともとこの地区はたんぼを埋め立てたところで地盤が悪いということもあったわけでありますが、果たしてそれだけなんだろうかということを実は現地で見てみますと感じます。特に崩壊をしてしまったビルへ参りますと、私も素人でよくわかりませんが、鉄筋が非常に外へ飛び出しております。普通ああいうビルのコンクリートの中に入れる鉄筋というのは、私の素人のあれで言いますと、鉄筋は何からせん状になったぎざぎざがついたものを入れるのじゃなかろうかと思うのでありますが、そういう鉄筋ではなくて非常に表面がつるつるしておる鉄筋でございまして、こういうところにあるいは工事の手抜きがあったのではなかろうかというようなこともちょっと感じたわけであります。しかももう一つ特筆すべきことは、実はこの何らかの被害を受けたビル、全部で三十ほどあるわけですが、そのうちの三つのビルは完全にこれは建て直さなければならない、そういう被害を受けておりますが、実にその三つのビルのうちの二つまでが同じ建設会社の建設になっている、こういうような事実があるわけでございます。したがいまして、こういうことから、これは推測でございますけれども、やはり地盤等々の問題もあったかもしれませんが、何らかのまた手抜き工事というものがこういうことになったのではなかろうかと思うわけでございまして、今後ひとつ十分調査の上原因をはっきり究明していただきたい、こう思うわけでございますが、この点につきまして関係御当局のお答えをいただきたいと存じます。
  31. 上田康二

    ○上田説明員 お答えいたします。  御指摘のように、卸町団地の中の鉄筋のビルに非常に倒壊したものが集中しているわけでございますが、軟弱地盤であるところに、一階に非常に柱の少ない構造方式をとっているというようなことで、一般的に地震に対して弱い建物であるということは言えようかと思います。それで、御指摘のような鉄筋が露出している問題、この辺はコンクリート強度の問題等もあろうかと思いますので、建設省としましては、地震の発生しました翌日、建築研究所から三名の構造の専門家を現地派遣いたしまして、原因の究明に当たっております。この調査結果に基づきまして、その辺の実態も明らかになろうかと考えております。
  32. 愛知和男

    愛知委員 ひとつ、二度とそういうことが起きないように詳細なる御調査をお願いをいたします。  私に与えられました時間が限られておりますので、最後に今度の地震、時間も夕方五時というようなことで、いろいろな意味で、たとえば学校も終わっておりましたし、あるいは事務所においても大体もう中に人が余りいなかったという、また同時に炊事等々がまだ余り始まっていなかったというようなことから、いろいろな意味で不幸中の幸いだったと言われております。また、市民、県民挙げて非常に冷静に行動した、こういうふうに言われておりまして、余り大きなパニック状態もなかったと言われておりますけれども、やはりこういうような災害事態になりますと、何といってもいろいろな情報というものが不足をしがちだ、あるいは非常に誤った情報が伝わるというようなことからパニック状態になるわけであります。私も実は、私自身は東京におりましたが、東京からこの地震の報を聞きまして仙台に電話をいたしましても電話が全然通じない、その不安たるや大変なものでございます。実際現地でこの地震を体験した方々は、お互いに大変そういう意味で不安を感じられたと思うのでございますが、現地で私がいろいろな人から話を聞いた中に、NHKが大変適切な情報提供をしたということが言われておりました。一般の電気はとまっておりますけれども、たとえば車の中で一般の市民方々がニュースを聞く、その場合にNHKのラジオがいわゆるテレホンサービス的ないろいろなサービスをした、それが非常に一般の市民の気持ちを落ちつける上で役に立ったという話を各方面から聞いたわけでございます。私は、NHKという公共放送の役割りの一つとして、こういうときのこういう役割りも非常に大きいのではなかろうかと考えるわけでございますが、この点につきましてぜひともこういった緊急の場合に、このような行動を今後もとれるように、こういうことで、御当局はお見えかどうかわかりませんが、ひとつ今後もそういう点につきまして前向きの検討をお願いを申し上げたいと思います。
  33. 四柳修

    四柳政府委員 御指摘のように、発災直後に電気ガス水道も一遍にとまってしまって、一晩そういう状態の中でよくあの大都市で混乱が起きなかったということを私ども非常に地元皆様方の御努力といいますか、あるいはお知恵といいますか、大変感激しております。特に、いま御指摘ございましたNHKあるいは民放等のお話でございますが、私も現地に参りましていろいろ伺いました。やはりNHKが日ごろ指定公共機関として、いろいろ東海地域も含め、地震対策についていわば勉強なさっているといいますか、そういう形で通常の防災業務計画以上に非常に細かいテレビ、ラジオ等でお流しになるマニュアルを勉強しております。私昨日、たとえば仙台でテレビを拝見しまして、ガスがないものですからLPGの部品を配っている、その使い方なども非常に丁寧に教えておられまして、これはやはりNHKの御努力だろうと思って大変感謝しております。  いま御指摘の点、今後とも国としての中央防災会議あるいは県の地方防災会議、それぞれ場がございますけれども、今回の非常に冷静な判断なり適切な対応というものを指針といたしまして、十分協力しながら指導をしてまいりたいと思います。
  34. 愛知和男

    愛知委員 私の与えられた時間がそろそろ参りましたので、あとは同僚議員からの質疑にバトンタッチをすることにいたしまして、今回の地震から起きました災害、これは起きてしまったもので仕方がございませんが、各方面からの救済につきまして、ひとつ心のこもった救済をぜひともよろしくお願い申し上げますとともに、この貴重な経験を生かしまして、今後地震というのは、まず予知をするということにつきましてはもちろんでありますけれども、やはりいつどこで起きるかわからないというのが地震でございまして、これから起こるであろうそういった災害地震において今回のこの宮城県沖の地震が貴重な教訓となるように、これまた関係御当局のこれからの対策にひとつ大きく役立たせていただきたい、こんなふうにお願いをさせていただきまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  35. 川崎寛治

  36. 日野市朗

    日野委員 今回の宮城沖地震につきましては、国土庁長官を初めとしていろいろな御心配をいただいております。厚く御礼を申し上げます。早速長官を初め宮城県に行っていただいて調査をしていただいた。このことによって大分宮城県の人々も、国も一生懸命考えていてくれるということで安堵の念を覚えているのではないかと思います。そうして、その調査が一日も早く実を結んでいくように、私としても強く望みたいところでございます。  そこで、若干御質問を申し上げたいわけでございますが、何分にもこれは時間的な制約もあって調査の範囲がきわめて限られてしまったことは、十分よくわかります。ただ、今回の地震、これは今回に限らず地震災害というものはそういうものであるかもしれませんが、被害がどの程度のものであって、どの程度の規模に及んでいてということが、通信網が壊滅状態になってしまったり、それからまた道路も各所で寸断されるというような状況になりますと、なかなか集まりにくいであろうと思います。それで、長官を初め仙台に入られて一部をごらんになってきたわけでありましょうが、これからどんどん被害報告がふえていくであろうというふうに思いますが、そのことは十分覚悟はしておられるのだと思うのです。それで、できるだけ早く被害を集約していくという方向で御努力をいただかなければならないのでありますが、そのような努力は現在進めておられますか。
  37. 四柳修

    四柳政府委員 御指摘の点、私ども現地に参りまして痛感しております。仙台市ばかりでなくて、たとえば石巻につきましても、防災行政無線が必ずしもそのとおり働かなかったという形でおくれてしまった、あるいは迫、米山、さらには小牛田といった町村が災害救助法をさかのぼって適用するような状況になってきた。そういった状況で、県の方もいろいろ御努力なさっておりますが、各省ともども先般参りまして、そういった点につきましてそれぞれ協力して、できるだけ早くそういったことがつかまえられるようにということをお願いしてまいっております。
  38. 日野市朗

    日野委員 仄聞するところによりますと、長官現地を見られて激甚災害地として指定をする準備があるかのような発言をなさったかに聞いておるわけであります。激甚災害地として指定をするためにはいろいろの要件があることは私も十分存じておるところでありますが、すでに掌握された被害状況、それからさらに拡大するであろう被害状況、こういったものを勘案すると、その措置が一刻も早く行われなければならないというふうに考えるわけでございます。これを激甚災害地として指定する方向で動いているかどうか、このことについてお答えをいただきたいと思います。
  39. 四柳修

    四柳政府委員 御指摘の点、被害状況がまとまりまして、その被害状況と、たとえば中小企業の方々の所得ですとかあるいは関係地方公共団体の標準的な財政規模ですとか、そういったものによりまして、そのバランス上ある基準以上になりますと激甚災の適用になろうかと思います。そういう意味で、それぞれの数字をそれぞれの組織を通じましてできるだけ早くまとめる方向で努力しております。私どもも関係各省ともどもできるだけ早くそういった数字をまとめられるように協力しているところでございます。
  40. 日野市朗

    日野委員 実は、私どもも社会党の組織を通して、なかなか電話なんかも機能しないということから、足を使ったりなんかしてかなり調べた状況が私の手元に現在ございます。それによりますと、県が現在の段階で発表している被害状況よりもかなり上回るものが現地側からの報告という形であらわれているわけであります。しかし、これは何分にもオフィシャルなものではございませんので、私ちょっと公表は避けておきたいと思うのであります。私の手元にある数字から見ますと、現在把握されているよりもかなり大規模被害状況がこれから続々と報告されてくるのではないかというふうに思いますので、これはぜひ激甚災害地の指定、激甚災害地の指定といってもやることはいろいろあるわけでありますが、それもひとつ広範に対策を講じていただきたいということを私の方からも特に強く要請を申し上げておきたいところでございます。  現実に、現在まで実感としてつかめていない。数字面だけで報告を受けてまいりますと実態がなかなか実感としてつかめてこないというところがかなりあるのではないかと思いますが、被害宮城県下全般に及んでおりまして、不自由をするという点では大都市である仙台市民ばかりでなく農村地帯、漁村地帯といったところでも国民一人一人、県民一人一人の生活に及んでいる不便というものは非常に強いものがあるというふうに私思うわけでございます。どうも今度の地震都市型というような表現が非常に行われやすいのでありますが、私は返す返すも言っておきたいのですが、これは決して都市ばかりの問題ではないということなのです。仙台市を中心被害が集中的にあらわれているというのは、仙台市には人口も多い、建物も多い、いろいろな設備も多い、集中的に集まっているからそこに非常に被害が多く見えるのであって、仙台市以外の農村地帯などに住んでいる県民一人一人にとってもその被害というものは非常に大きな影響を与えている。このことについては十分御認識いただけるでありましょうね。
  41. 四柳修

    四柳政府委員 私ども調査に参りまして、たとえば六月十四日に県から聞いた被害額が百六十二億でございましたが、翌日になりますと三百八十四億、四百十億というふうにどんどんふえてまいります。ふえてくるところが、一つは市町村側の公共施設被害額、もう一つは民間の住家の被害が非常にふえておりまして、肝心の中小企業関係はまだほとんど入っていないということで、日野委員御指摘の県下の全域につきまして住家の被害あるいは住家に伴います家財の被害、商店の被害、そういったものが出てまいりますと恐らく相当の額になるのではなかろうか。そのためにも、ぜひ県の方も県の各機能を挙げてできるだけそういったものをつかまえていただくように、特に関係の方にお願いしてきたところでございます。そういう意味で決して仙台ばかりでなくて、宮城県を中心としました東北一帯の災害と理解しております。
  42. 日野市朗

    日野委員 県民はいまいろいろ災害復旧に努力をしておりますし、これからもどんどん努力を続けていかなければならないのでありますが、何よりも一番問題になるのは、交通網が重大なところで切断をされているという点がこれからの復旧についても非常に大きな支障になっていくのではないかと思うのです。それでまず建設省に伺いたいのですが、国道四十五号線に小野橋というのがございまして、これは非常に重大な交通の要衝であります。桃生郡、石巻、気仙沼などという非常に重要な地域についての大動脈なのでありますが、この小野橋は橋のけたが大分ずれているようであります。ここが交通遮断になりますと大変な影響が及びまして、これからの復興の資材であるとか、人員であるとか、またいろいろな連絡、こういうことに重大な支障があるわけです。これの復旧状態、実は私も直ちに現地入りをしてこれを見てきたのでありますが、私が見た範囲ではどうもはかばかしく進んでいないような感じを受けます。私が見に行ったのは十四日の午後でありますか、そのときにはまだ調査段階であるかのように私には見受けられたのであります。これを今後どのように早急な復旧をやっていくおつもりなのか、御説明を賜りたいのです。
  43. 藤井達也

    ○藤井説明員 お答えいたします。  小野橋につきましては、かねてから老朽橋ということで、当該小野橋の下流に新橋をかけるということで準備をしておったわけです。通常ペースでありますと今年の秋ごろ供用開始するということで仕事を進めておったわけですが、今回の現小野橋の被災にかんがみまして、約九日間でとりあえず通れるようなかっこうで復旧しようということでございます。なお、現在の小野橋につきましては、けた等がずれまして非常に危険な状況でございますので、けたを正常の位置に戻しまして、二、三日うちには乗用車程度は通れるようにしたい。なお現在の小野橋の本復旧につきましてはさらに二、三カ月を要するということで、交通確保に努めてまいりたいと思っております。     〔委員長退席、湯山委員長代理着席〕
  44. 日野市朗

    日野委員 それから今度の地震で、これは恐らく宮城県下全町村に及んでいると思われるものに水道被害がございます。これは水道管が各所でずれるというのは枚挙にいとまがないわけであります。これについては各市町村とも本当に昼夜兼行で並み並みならぬ努力を払いながらこの復旧に当たっているところでありますが、管をつなげばまた給水できるというようなところはそれなりの努力をしていて、いま逐次回復に向かっているところなんでありますが、まだ全然手がつけられないというところもあるわけですね。たとえば桃生郡鳴瀬町の水道施設の中で給水塔が完全に壊滅をしてしまった。ということになりますと、これはまずその給水塔を直し、そこから給水を始めてみて、さらに送水管に故障がないかどうか、これをチェックしていかなければならないということで、これは送水の見通しもまだ立っていないという状況なんでございます。もう水道が普及してしまいますと、昔使われていた井戸というようなものも使われなくなってきてしまうということから、現在は使用不能というのが大部分でありまして、こういう水道施設についてどのようにしていかれるか、厚生省の見解を伺いたいと思います。
  45. 山内豊徳

    ○山内説明員 お答えいたします。  御指摘のとおり、宮城県以外も含めますと、実は被災を受けました水道が七十九に及んでおりますが、中でもやはり宮城県下五十四市町村六十二水道被害が一番大きなものになっておりまして、日野委員御指摘の鳴瀬町一町につきましては、率直に申し上げまして現在全面断水ということで、ほかの十四の市町村につきましては一両日中、遅くとも三、四日中には一応復旧の見通しを立てておるのでございますが、鳴瀬町につきましては、県当局からいまのところ具体的な復旧の日取りを聞くに至っておりません。技術的な点、私も直接の所管でございませんので、あるいは大ざっぱな把握になっておるかと思いますが、御指摘のように、損壊個所が非常にあちこち多いという問題、それから水道業としてなかなか体制がとりにくい町村であるところもございますので、いまのところ県下の他の水道事業、これはそれぞれに被害を受けていらっしゃるわけでございますけれども、何らかの形での緊急応援というものを導入して復旧をお願いしたいということで、所管課の方ではかなり強力にアドバイスしておるところでございます。しかし、この鳴瀬町につきましては、現在残念ながら復旧の見通しが立っていない現状であると把握しております。
  46. 日野市朗

    日野委員 これは質問も急であってお答えになりにくい点よくわかりますが、こういう場合技術的な援助もする、それから財政的な援助もするということで早急にやらなければどうしようもない問題だと思うのです。いまのところどうしようもない、打つ手がありませんということでは現実にそこから給水を受けていた町民の健康の問題、それから場合によっては生存の問題にまで至ることもあるケースが予想されるわけでありますが、どうしようもないでは、これは聞く方もどうしようもないのでして、どのようにするか、もう少し具体性を持ったお答えをいただけませんか。
  47. 山内豊徳

    ○山内説明員 ちょっと私の説明が不十分な点があったと思いますが、一つは、当面の各住民の方に対する水の提供、つまり給水につきましては、いろいろな手段、自衛隊における給水支援を含めまして、緊急的な仕事として市町村にお願いしておるわけでございます。技術的と申しますか、水道設備の復旧に対する応援につきましては、周辺の市町村復旧がある程度はかどってきますと技術的な応援も相互にしやすくなるということがございますし、鳴瀬町のことではございませんが、たとえば塩釜から送る水は大体保証されている、しかし、受け手の水道管の方の復旧がまだ手間取っているという場合は、たとえば一両日中あるいは三日中くらいに復旧できるという言い方ができるわけでございます。鳴瀬町につきましても全然見通しがないという状態ではございません。いま技術的に何日間でできるということは言えない状態ではございますが、半面、県下でもちろん技術的な応援も含めて復旧作業の実行はされておるというふうに私どもは理解しておりますので、時間が経るに従って、見通しにつきましてももう少しはっきりしたものが申し上げられるのではないかと思っております。
  48. 日野市朗

    日野委員 それから、これはまた主として国土庁と農林省に対する質問になりますが、これは私は例として申し上げるので、鳴瀬町だけがそうだというのじゃないのですけれども、鳴瀬町は養殖漁業、特にノリの養殖なんかをやっておるところなんです。そこで、ノリの養殖のための乾燥場をつくるわけです。その乾燥場が鳴瀬町の宮戸地区でほとんど壊滅状態であります。こういう状態になりますと、これからの漁民のたつきの道にも非常にゆゆしい問題なんであって、これなんかを見ておりまして、一体どうしたらいいのだということで私非常に頭を悩ましておるわけでありますが、こういった問題についてどういうふうに対策を講じていこうとなさっておられましょうか。
  49. 佐藤稔夫

    佐藤説明員 ただいまの御質問でございますが、私、水産庁の防災海岸課長でございます。  まことに申しわけないのですが、あいにく担当の者がちょっと参っておりませんので、御質問の趣旨を十分承りまして、後ほど先生のところへ担当の者をお伺いさせていただきたいと思いますので、あしからず御了承願いたいと思います。
  50. 日野市朗

    日野委員 これはまた後の問題として伺っておきたいと思います。  それから、先ほど四柳さんの方から中小企業の損害の実情をまだ把握できていないというお話でありますが、中小企業の損害というのはもう大変な額に上るであろうというふうに私には思われます。特に、ガラス類とか瀬戸物類なんかを扱っておられる方なんというのは、ほとんど商品類は壊滅したのじゃないでしょうか。恐らく、保管がよっぽど行き届いていない限りは破壊され尽くしたと言ってもいいのではないかというふうに思うのです。特にこのような不況下で、みんな資金繰りが非常に苦しいわけです。新しい資金繰りをして、新しい商品を仕入れてそれをさらに売るとか、新しい原料をさらに買い入れて、それを加工していくというような余裕がある中小企業というのは、そうざらにあるとは私には思えないわけであります。こういったものに対する手当てとしては災害復旧資金というようなお話もありますが、この手続とか担保をどうするのかというようなことを詳細に指導するという必要なんかも出てくるのじゃなかろうかと思うのです。その指導の面と、災害復旧資金を利用する、そのほかにももっと方法があったら教えていただきたいと思います。
  51. 山口務

    ○山口説明員 先ほどもお答えいたしましたように、災害が起こりました直後に、政府系中小三金融機関の方におきまして災害復旧貸付制度の適用を開始いたしております。いま御指摘ありましたような非常に苦しい中での災害ということでございますので、できる範囲内で極力弾力的かつ迅速に処理する、こういうことでございまして、各金融機関の窓口に指示が行っておりますので、第一段階といたしましては、各金融機関の窓口で御相談いただきたいと思っております。  それから、何かそれ以外の方法はないかという御質問でございますけれども、これは通産局、県を通じまして、一般的に中小企業者の金融、経営、取引等々の御相談にいろいろ応ずる窓口がございますので、中小企業相談所というふうに言っておりますが、こういったところでも御利用いただくということがよろしいかと思います。なお、一段落いたしますれば、別途そういう被害の多い場所等におきまして出向きましての出張相談といったことも一つの案かと考えております。  以上でございます。
  52. 日野市朗

    日野委員 私たちも昨日仙台市を調査いたしまして、ビルなどが非常に大きく破損する、ひょっとするとこれはもう住居の役には立たないのではないかと言われる、いわゆるサニーハイツと言われるマンションども見せていただきました。あれはどうも分譲マンションのようでありますが、あれを買得した個人とそれからそれを売ったマンション業者との関係、それからそれを建設した者、こういった者の権利関係は一体どうなるんだろうということを私も考えながらそれを見たわけでありますが、それについてどのような見解をお持ちになっておられるか、また行政指導などを有機的に活用して、その権利関係を調整していく——調整していくといいますか、損害賠償の関係やら、場合によっては瑕疵担保の問題やら何やら起きるだろうと思いますが、それについて住民が安心できるような一つの考え方なんかを示していただければ住民もさぞ安心するんじゃないかというふうにも思うのですが、いかがなものでしょうか。
  53. 川合宏之

    ○川合説明員 ただいま御質問のマンションの所有者とそれから販売業者、それと建設業者との関係でございますが、宅地建物取引業法によりまして二年間は瑕疵担保責任を宅地建物取引業者が販売者として負うことになっております。ただ、本件が瑕疵担保であるのかそれともいわゆる災害であるのかにつきましてはまだ実態が十分に把握されておりませんので、今後その点の調査を進めた上で措置いたしたいと考えます。
  54. 湯山勇

    ○湯山委員長代理 伊藤君。
  55. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 一つだけ関連してお伺いいたします。  私ども昨日仙台にお伺いいたしまして、都市地震災害の恐ろしさを改めて痛感をいたしました。これを貴重な教訓として対策をとらなければならないと思いますし、それから特に南関東、東京、横浜、川崎、これらについても住民の不安を解消するような措置をどうとっていくのかということが必要ではないかと思います。  私は当面二つあるんじゃないかと思うのですね。  一つはこれから、先般成立いたしました大地震立法に基づきまして強化地域の指定、それから強化計画という作業に入ってくるわけでありますが、そういう中で今回の経験を生かしながらトータルプランといいますか、国の段階、それから関係自治体、各種の専門家その他を含めたいままで以上の十分な計画をどうつくっていくのかという努力を、そういうことをやる新しいシステムづくりも含めてやっていくことが一つ必要なのではないか。そういうものを通じながら市民の不安を解消し、また参加を求めていくということが必要ではないかと思います。それが一つ。  それからもう一つ。当面対策の面で予想もされなかったような幾つかの問題が発生をいたしております。ブロックべいの問題もそうですし、関東大震災以上でも大丈夫だと言われていた東北石油タンク破損の問題もそうですし、いろいろな問題が起きております。たとえば石油タンクの問題にいたしましても、横浜、川崎、東京、約三千という数になっている。それから塩素とか有毒ガス、高圧タンク、これらも林立をしているというふうな状態です。そういうものを考えますと、何か緊急に特別の措置をとるということが必要ではないか。また、いまお話のあった高層住宅の問題もそうですし、ブロックべいの問題もそうです。ですから、当面いろいろの、宮城沖地震に関連をする十分な対策をとらなければなりません。それと並行しながら、あるいはその直後に、申し上げましたような、一つは強化計画に入っていく中でぜひりっぱなトータルプランをつくる、それを討議する、仕上げていくシステムをもう一つ検討していくという問題。もう一つは、予想もしないような問題が起こった今回の被害の中で、幾つかの問題について緊急に特段の対策をとって住民の不安を解消するという措置をぜひやるべきではないかというように思いますが、それだけお伺いしたい。
  56. 四柳修

    四柳政府委員 御視察後の御所見として承りますけれども、前段の、各種計画づくりに当たってのトータルプランあるいはそのシステムづくりという御意見でございますが、私も二通りあろうかと思います。確かに、国の地震防災基本計画以下各計画までの縦の整合性といいますか、縦のシステムというものをもっときちんと考えるべきじゃないかという点が一つの御指摘だろうと思います。もう一つは、やはり個々の地方公共団体等でつくります地域防災計画の中でのトータルプランというものがどう考えられるべきか。特に後段の点につきましては、第二の御指摘でございました緊急措置というものをもっと盛り込むべきではないだろうかという御意見だろうと思いますが、そこら辺の点につきましても、後段の点も含めましてやはりそれぞれの段階でのいわば教科書どおりのものではなくて、何か緊急な、一つの要件が欠けた場合どうするかというような想定を置いた緊急対策というものを、各省の防災計画あるいは各地域地域防災計画の中で検討すべきではないかという御高見と承りまして、関係省庁ともどもそういったことにつきましても十分注意してまいりたいと思います。
  57. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 後段の方は……。
  58. 四柳修

    四柳政府委員 失礼しました。後段の点につきましても、そういう意味で、いわばそれぞれの計画の中で通常のパターン以外にやはり緊急のものにつきまして、通常考えられている施設なり要件が欠けた場合にどうなるかということも、いわば応用問題として考えるようなものもやはり一つのマニュアルを中心に指導すべきではないか、そういうことにつきましても、各省庁ともども研究してまいりたいと思います。
  59. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 時間ですから重ねて御質問は申し上げませんが、今回の大都市型という感じでの問題、やはり関係地域は非常に深刻に受けとめているということだと思います。ですから、いまお答えがありましたが、そういうところの市民、日本の人口の非常に大きな部分が住んでいるわけですから、この市民に対して不安を解消する、さらにこういう方向にみんなで協力をして町を守っていこうという方向への努力といいますか、具体的なアクションをできるだけ近い機会にぜひ起こしていただきたいということを要望しまして、質問を終わります。
  60. 湯山勇

    ○湯山委員長代理 次に、武田一夫君。
  61. 武田一夫

    武田委員 私は地元仙台におりましてこの地震をまともに体験した一人といたしまして、しかも私は、仙台地震の中でも東南部が非常に被害を受けている、その東地域の団地の一角に住んでおりまして、夕方東京に帰ろうとするときにこの地震に遭ったわけでございます。縦揺れが参りまして、ちょうど足元が激しく棒でたたかれるような思いで、その後に大きな揺れが参りまして、一瞬にして電気がとまりまして、その団地二万三千世帯、一様に大変なる。パニック状態でございまして、その中には九階建ての市営住宅もございましたが、これなどは不等沈下、そして各戸のとびら等々はもうすべて動かないという状況でございました。不幸にして二十三名にわたるとうとい人命も失い、二万戸にわたる家屋の全半壊等々に遭ったわけでありますが、全国各地の多くの皆様方の温かい激励のもとに、仙台市も意を強くしましていま復興に着々と手を加えているわけであります。その間、政府並びに大臣等においでいただきまして、いろいろと現地を見ていただきました。そこでなお要望をお聞き願いまして、各市町村におきましても一層心を強くしているわけでありますが、この際、私は、かつてないと言われる大地震を大きな反省の材料にして、二度とこうした地震による災害のないよう万全を期すという意味におきまして二、三質問をしたいと思います。私は各地を四日ばかりずっと歩きましたが、天災は恐ろしいけれども、それ以上に人災は恐ろしいのだということをこの目で見、聞いてまいりました。  具体的な例を申し上げますと、この委員会等でも問題になりましたように、ブロックべい等の工事、あるいはまたマンション住宅、会社などの倒壊したものを見ましても、業者等に言わせれば不当に手抜きが明らかである。  それからもう一つは、地盤の沈下、地割れはいずれも旧市内にはございませんで、いわゆる新市内、農村地域に近い仙台市内、郊外、あるいは新興団地に圧倒的に多いというような状況でありまして、建築上の問題もございますけれども、もっとしっかりした点検、行政指導等があるならば何分の一、いや何十分の一に防げたかわからないという点を私は指摘したいわけでございまして、今後こうした問題を大臣としていかに指導監督しながらこうした不祥事が起こらないようにしていくか、現地に行かれた感想の上に立っての御答弁をまずお願い申したいわけでございます。
  62. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 被災を体験されて、率直に御意見を付しての御質問に私は敬意を表したいと思います。  私自身もただいまのような感想もある程度持っておるわけでございますが、これは災害対策本部長として軽々には言えないことである。したがって、ただいまのような御疑問については今後専門的に十分精査いたしまして、原因等を探求いたし、それに応じて対策を講ずる考えでございます。
  63. 武田一夫

    武田委員 ぜひこの機会に総点検を私はお願い申し上げたいと思います。といいますのは、住宅に関して申し上げますれば、いまだに地割れ等があります。梅雨期で雨が降ってまいりまして、私が来る前に第二次災害がございまして、地割れ、水漏れからアパートが倒壊しております。幸い負傷者はなかったわけでありますが、こうしたものが出ておるわけでありまして、特に仙台市の緑ケ丘団地などというところは現在七軒ないし十軒は自衛隊が出て危険区域として家を取り払っているという状況でありまして、その他その周辺のがけ縁に家を建てているところは、これまた相当な第二次災害があるというふうに考えられます。これは市や県だけでは応急に処置する、あるいはまた点検するだけの力はとてもないと思います。     〔湯山委員長代理退席、委員長着席〕  それからもう一つは、仙北地方はいまはまだ鉄道はほとんど走っていない。これは地盤が弱いところです。それから高速道路におきましても、泉市というところがございますが、そこから築館というところは全体の八割以上が事故の発生地帯でありまして、七、八十カ所が一部割れているとか、十センチぐらいの幅に沈下しているとかいうことで、これは全部整備はしたようでございますが、いずれにしましても、そういうのを見るときに、私は二次災害を防止するための措置をまず要望しておきたいわけでございまして、その点お含みをいただきたいと思います。  ところで、宮城沖地震というふうに名づけられましたが、地震観測体制は非常に弱いということを感じました。気象台に行きましていろいろと話を聞きましたら、お手上げだというのが正直なところでございまして、今回の震度五というのが予想できなかったのはまことに申しわけないけれども、それは不可能である、しようがないというような返事が大ぜいの担当官から返ってくるわけであります。体制は十分なのかと言うと、不十分だとは言いません。どうも国の方にずいぶん遠慮しているような物の言い方でございまして、足らないところがあったら言ってくれと言っても一向に言わないわけでありますから、これは十分だということでもないし、どうも観測所にいる方々の姿勢も非常にふまじめなような気がしてならなかったわけであります。  昭和二十一年以来、マグニチュード六以上のものがすでに十一回、ことしに入っても二月二十日に仙台では同じような六・八の地震がありました。その際大臣に申し入れをしたときに、宮城県沖というのはエネルギーがたくさんたまっていて危険な地域だと大臣にも御心配いただいておりましたが、その心配がまことに即座に事実としてあらわれてきたわけであります。しかしながら、この地震の巣とも言われる宮城県沖は全国に七カ所もある国の観測地域にも指定されていない、等々を考えますと、いわゆる三陸沖地震ではかつて苦い経験をしているわけでありますから、私はこの際三陸沖を含めて大地震法の地震防災対策強化地域に指定すべきであると主張し、これは当然認めてもらえるものと思うわけでございますが、大臣としてはこの地域にそうした指定をする考えがあるかどうか、お伺いしたいわけでございます。
  64. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 宮城県沖と申しましょうか、お話しの三陸沖を合わせて考えるべきでありましょうか、いずれにしても、過去において地震が相当起きておる事実は明らかでございまして、本年二月の地震以来、この地域が特定観測地域にもなっておらないということについて速やかに考慮すべきだ、こういう考えは私にもあったわけでございます。今度のこの震度五の地震に伴いまして、これはもう手順を踏んでまず特定地域にはしなければならないという感じを強く受けております。ただいま強化地域にすべきであるという御主張でございましたが、実は私なりにいろいろ観測体制強化について専門的に聞いておるのでございますが、何分にも海中である、あるいは距岸相当な距離にある、その観測体制強化ということについてはいろいろむずかしい点があるようでございます。現在でも東北大学あるいは仙台観測所などでいろいろ観測体制をとっておるわけではございますが、高性能の地震計などをどういうふうに配置すべきであるか、専門的に非常にむずかしい点があるように見受けております。しかし、いずれにいたしましても現在の観測体制強化する必要性はあると思いますので、中央防災会議がよろしいのか、あるいは地震予知連絡会に諮るのがよろしいのか、いずれにしても、手順を踏みまして観測体制強化に努めたい、こう思っております。
  65. 武田一夫

    武田委員 時間がございませんから深く質問いたしませんけれども、どうかそうした配慮を一日も早く行動に移していただきたい、こう思うわけであります。  ところで、今回地震によりまして、ガスはもう全面的にストップでございます。電気も消えました。水もとまりました。非常に問題だったのはガスだと私は思うわけでございます。何せ、仙台ガス局十三万六千七百三十四世帯がいまだにガスが通じておりません。これはもう、係官等に話をお聞きいたしますと、爆発という問題もございますから安易にガス供給できない、各家庭に至る配管の末端までの点検もしなくてはならないということでございまして、これはもう、都市災害の最たるものとして受けとめなければならない、こういうふうに思うわけであります。  そこで、仙台市におきましては、いまだに十三万六千七百三十四世帯というのはガス供給されていない。そのために、卓上コンロ等を利用しまして、あるいは電気等によって生活をしているわけでありますが、これは、いま各地からたくさんの応援者が来まして、東京あるいは大阪等からも来ておりまして、点検等をやっておるわけでありますが、今後の問題点として、こういうような場合の都市における一つのガスのあり方というものを考えなくてはいけないんじゃないかと、私はこう思うわけであります。幸いに、局部的でありまして、供給にしましても、そういうガスの余裕があったということがありますからいいようなものの、今後これが各地に広範囲に広がったときには、果たして東京、大阪から応援に来てくれるか。そんな余裕はない。東北でも山形や八戸などから技術者等が応援に来ておりますが、そういうことも考えられないということを考えて、最悪の事態を考えたときのガスに対する対策政府としても考えていかなければならないと思いますが、現地をごらんになりまして、どういうことを感じてこられたか、ひとつその点をまず率直にお話し願いたいと思うわけであります。
  66. 香田昭

    ○香田説明員 ただいまの地震によりますガス被害状況でございますが、仙台ガス初め、石巻、塩釜、古川、それから簡易ガス事業を含めまして、全体で約十六万戸の需要家が供給停止になったわけでございますが、この復旧につきましては、地元の周辺のガス事業者を初めといたしまして、東京瓦斯、大阪瓦斯等二十数事業者から約五百名応援を出しております。これに加えまして、現地復旧要員と合わせまして、約千名の作業員で現在復旧作業を鋭意進めておるわけでございますが、先生御指摘のように、ガスは一たん供給停止いたしますと、供給再開の際には二次災害を十分注意しなければいけないわけでございます。したがいまして、導管の漏洩あるいは各需要家の屋内の配管の漏洩の点検を各戸ごとに点検いたしまして、安全であるということを確認いたしましてガス供給を再開しなければならない、こういうことでございますので、大変復旧状況は遅れておるわけでございますが、ただ、現在石巻瓦斯につきましてはほぼ供給が再開いたしております。それから古川ガス、塩釜瓦斯につきましては、本日から供給の再開を逐次行うことになっております。それから仙台につきましても、本日から約五百ないし一千戸相当が復旧を始めまして、明日から本格的な復旧に入りまして、約一週間後にはほぼ全面的に復旧する、こういう計画を立てておるわけでございますが、ただし、先生から御指摘ございましたように、復旧につきましてはなお早急にやる手段をわれわれは考えなければならない、このように感じておるわけでございまして、低圧配管は御承知のように導管網になって張りめぐらされておるわけでございますが、これをブロック化いたしまして、導管の健全な個所から逐次復旧する、こういった手段につきまして今後慎重に検討していかなければならない、このように考えておる次第でございます。
  67. 武田一夫

    武田委員 私は、東京や大阪等の大都市がもしあの程度のことがあったらどうなるかということを深刻に受けとめて、今回の地震は、その反省の材料とともに、新しいガス供給体制というものの見直し要望して、次の質問に移りたいと思います。  ところで、先ほども二、三の委員から質問がありましたが、商工業や農林水産そして一般住宅被害というものはまことに大きいわけでありまして、委員あるいは大臣等もごらんになった卸団地を中心にしたあの商業地域、一般の商店街、特に酒屋さんなどは、酒蔵に入ったら全滅というところが、大手の卸屋は七割だったそうでございまして、酒は涙かため息かというのはこのことをいうのかと、ため息をついている。まことにこれはどうしたらいいかと、手がつかない。それから、農村部の被害というものはまた大きい。農業関係被害、これは、農地を除きまして、水路、用水池などが約十億以上は被害に遭っている。そのほかに、宮城県だけの例でありますけれども、家畜あるいは養蚕あるいはハウス野菜等々の、ブロイラー等も含みますが、約四億を上回る被害が農村部にもある。岩手県におきましてもやはり施設等の被害が出ている。こういうようなことで、農村の被害が大きい。また、沿岸漁業で大事な岸壁等が非常にやられて、ごらんになったと思うが、閖上などは、あのままではあの辺の人家も危いのじゃないか、海水に浸食されていったら一たまりもなくなるのじゃないかと考えますと、そうしたところに対する対策というのは早急にしなければならないと思うのでございます。また一般住宅の場合も、かなり金がかかるということです。これは、見積もりをしてもらうと、百万ぐらいかかりますよと言われる家庭がざらでございまして、そんな金をどこから出すんだ、何とか融資の面でひとつこの地震の場合の特別の配慮をしてもらえないものかというような、そういう訴えが非常に多く出てまいりました。政府としても、こうした商工業、農林水産、そして一般住宅に対するそういう融資等を含めた温かい配慮を私は期待するわけでありますが、その点に対してどうこれから取り組んでいこうとしていられるか、この点をまず、時間がございませんので、要点のみ答弁していただきたいと思うわけであります。
  68. 四柳修

    四柳政府委員 ご指摘の点につきまして、農村は農村でそれぞれ農業系統の融資対策もございます。あるいは中小企業も中小企業庁等の御指導によりまして商工関係の指導もございますが、できる限り既存の制度に乗せますよう、県あるいは国と一緒になりまして、被害状況を把握しながら、相談室を開くとか、親身になって相談してまいるよう、各省とも努力してまいりたいと思います。
  69. 武田一夫

    武田委員 その際、既存の融資対策などというと、利子なんかちょっと高いんじゃないか。やはりこの点はよく考えて、地元からいろいろと要望を受けてきましたのですが、ひとつ考えを改めた上で取り組んでいただかないと、あくまでも既存のものでやられると、しようがないということでそれの恩恵を受ける方というのは全くなくなってくるということを私は心配をしております。この点も御配慮いただきたいと思います。  ところで、さっき高砂マンションの話が出ましたけれども、ちょっときょうは業者等との話し合いをやるんだということでありますが、こういう高級マンションあるいはまた分譲マンションと言われる高層マンション各地に出てまいりますと、こういった場合の災害の際の問題が出てくるんじゃないか。ちょっと聞くところによると、どうも手をかけてもしようがないのじゃないか、ですから、ここにいてもしようがないと百五、六十世帯のうち出た方も何軒かおりました。そういうことでいまローンで払っている人がほとんどだそうでございまして、これは修繕してちゃんとしてもらわなければわれわれは金を払わないという人も出ている。払わないのはいい、われわれはしようがないから倒れるつもりで手を引こうじゃないかというような、何かそういうもめごとが起きそうな話を、私二、三日回って聞いてまいりました。今後各地でこういう高層マンションが出てまいりますと、こうした問題はやはり地震の場合の対策として考えておく一つのケースとして、高砂マンションは一つの問題提起をしておるのじゃないか、こう思いますけれども、これに対してはどういうふうになさろうとするか、その点……。
  70. 上田康二

    ○上田説明員 お答え申し上げます。  一般的に申しまして、こういう高層マンションと申しますか、高層の共同住宅というのは非常に壁量の多い建築物でございまして、むしろ地震等に対しては強いというのが定説になっております。そういう意味で、今回サニーハイツ、私も現地を見ましたけれども、ああいう壁等にかなり亀裂が入って相当ひどい破損をしているということは非常に重大な状態であるというふうに認識しております。これが改修によってもとに復することが可能かどうかというようなことを含めまして、先ほども申し上げましたけれども、建築研究所で構造の専門家を現地派遣しておりますが、特にこのマンションにつきまして構造の専門家の立場から、どういう原因でこれが起こったか、あるいは改修が可能であるかということを十分検討してきてほしいということを現地で伝えております。その結果を待って、どこに原因があるかによって今後の対処の仕方あるいは負担問題等、いろいろ波及してこようかと思います。そういう技術的な調査の結果を待って対応していきたいというふうに考えております。
  71. 武田一夫

    武田委員 時間でございますので、最後に一問、東北石油の問題と塩釜に石油基地がございますが、ここで油が流れたという事実、これは皆さん方はごらんになって大変な量、六万七千キロリットルの重油東北石油から漏れて、そのうちの約三千キロリットルが海に流れました。これはギロチンダンパーとかというものの操作がうまくいかなかったとかいいますが、これは要するにこういうことを想定した点検とかそういうものが非常に甘かったのじゃないかと私は思うのです。私は漏れたという十三日の朝八時ころ行きまして入ったんだけれども重油道路いっぱいで、もう全然入れません。皆さん方が行かれたときは本当にきれいになってどこへでも入れる状態でございましたが、このとき私が感じたことは、このギロチンダンパー等の操作の欠陥というのは間違いないんじゃないか。タンクそれ自体の問題としてもいろいろ亀裂があって流れたとかいうふうなことがありますが、点検の上において手抜かりがあったのではないかということが一つ。  それからもう一つは、この地域が三基、その後一基ふえて四基になった。これは後で点検しているうちにわかったということで、一基ふえたわけでありますが、担当官の説明、その現場の所長さんの説明によりますと、その辺一帯が何か地盤的に弱いところがあって亀裂が生じたのが要するに不等沈下のような形になったときにそのタンクがやられたのではないか、こういうことでございました。隣の塩釜は油は流れませんが、やはり二基ないし三基が不等沈下しまして、要するにちょっと沈むような形でございまして、私、現場に行きましたら地下水が下からちょこちょこと出ているわけです。聞きましたら、塩釜でございますから海が近い、これは地下水の関係でこういうふうになったんだということをあたりまえだというような顔でしゃべっているわけですね。あの地域がもし地盤の問題でそういうことになるとすれば、これは油などあそこに置くわけにはいかないのではないか。幸いに火災がなかった、これを考えれば非常に幸せなことでありましたけれども、あそこにはもうLPガス等もたくさんありますし、地盤の問題で片づけているようでございますので、担当官の皆さん方は、あの辺が果たして油を満タンにして、あるいは六万キロ等々入れたのを何基も置いてこういう地震の際にもつものかどうか、そういうものをやはりもう一度再点検した上で安全性を確認してもらいたいというのが私の要望でございます。これがまず一点。  それから二点目ですが、非常にこの油の回収がスローモーです。私、行ったときびっくりしました。バキュームカーが二台いるのですよ。バキュームカーですよ。肥やしをくむ車です。何をやっているのかと思ったら、その油を吸い上げているわけです。会社には消防自動車なんかもあって、そういう機械はあったようですが、これが一台と、それから回収船が一台あるわけですが、三千キロリットルの油をそんなものでくんでいて——回収船の一時間当たりの回収率というのはどのくらいかと言ったら、六十キロリットルだ。そしてそのときは海が静かでして、次の日も静かで、その次も穏やかで非常によかったのです。あれが万が一荒れていたらどうなるかということを考えますと——あれは一日なんかかからないですよ。朝のうちに回収すべきです。それがきのうに至っても、ようやくもう最後の仕上げですなんてのんきなことを言っている。自衛隊百七十名ないし二百名を駆り出して何をやっているかというと、ひしゃくでくんでいるじゃありませんか。バキュームカーとひしゃくで何か肥やしくみをやっているようなのどかな、何ぼ東北といってもあんなのどかな風景で肥やしをくむみたいにやられたのでは困ると思います。これを見まして、会社の方にどうしてもっと大きな回収船がないのかと言ったら、国から一台、東京から来ていただきました、これでやっているのです。こういうことです。国としましてはこういう場合の回収船や、あるいはまた陸上からの回収というのを早期に短時間でやるというような、そういうものはないのかどうか。ないとすれば、この際そうした体制を十分にとっていただかなければ、地域住民にとってはこれは危険きわまりない問題として、政府の今後の対策を私は大きく要望したいわけでありますが、その点に対する答弁をお願いして私は質問を終わりたいと思います。
  72. 小池次雄

    ○小池説明員 私も政府調査団の一員として現場へ参りまして、昨日は先生方の随行員として現場を見たわけでございますが、ただいまの御質問の前段、タンク三基の破損部分の問題点につきまして、これが基礎あるいはまた基礎地盤あるいはタンク本体の溶接あるいはタンク自身の鉄板の強度の問題、こういったような面につきまして一応担当官をさらに派遣いたしまして調査をしておりますが、さらに厳密な意味におきまして、当庁に設置されておりまする学者諸先生の危険物技術基準委員会におきましてさらにしさいの点検をいたしまして、地盤あるいは基礎、溶接等につきましてしさいな研究を行いまして今後の対策に資してまいりたい、このように思っております。同時にまたガードベースンのギロチンの問題を先生からも御指摘があったわけでございますが、私も現場へ行ったわけでございますが、土のうがすっかり積んであって、あれを排除しなければ、有効な操作をしたのか、あるいは有効でなかったか、あるいはまた機械的な不備があったかという点がわかりませんので、仙台市消防局長に対しまして、土のうの排除というものにつきましては、現場保存を十分にやっていただいてその辺の実態を究明したい。同時にまた、これに関しましては県も仙台市も確認する要があるであろうから、それらにつきましてやはり今後の詳細な調査の段階において支障のないようにお願いしたいというようなことを言ってまいりました。  さらにまた、防油堤内に流れた油の問題でございますが、夜八時過ぎに震度二程度の地震があって、四基目が多少油が漏れてきたという例がございました。これにつきまして、早速、私自身もたまたま現地におりまして仙台の消防局長とも会っておりまして、いわゆる土のう積みのかさ上げを十分にやって、もし四基目がやられた場合において対応するのに大変であるというような点に対しての対応策を現地で連絡をとってまいったわけです。  今後の問題といたしまして、それらの全体のいわゆるハード面、さらにまた先生おっしゃったソフト面ということにつきましても、一層現地調査をいたしまして十分期待されるようなものにしてまいりたい、このように思っております。  それから後段の油回収船等のことにつきましては、消防庁の地域防災課長が来ておりますので、地域防災課長の方からお答えさせていただきます。
  73. 川崎寛治

    川崎委員長 政府側の諸君に申し上げます。  大変答弁が長いので、少し要領よくやってください。
  74. 中川登

    ○中川説明員 それでは、いまの御質問のうちの油が海に漏れた問題と、それからその回収の問題について御説明いたしたいと思います。  まず、ダンパーの締め方が悪くて油が海に漏れたという点でございますけれども、これの実際の正しい原因は調査しないとわからないところでございますけれども、若干設備とか取り扱い方に盲点があるようにも考えられますので、これにつきましては防災診断等を通じて検討して対処していきたい、こういうように考えております。  それからもう一つ、油回収の点で御質問がございましたけれども、まずオイルフェンスで油をとめたということでございます。これは石油コンビナート災害防止法によりまして、オイルフェンスとそれから油回収船とをつくるということになっておりますけれどもオイルフェンスの方は新しいものができておりまして、それによって対処したために漏れなかった、こういうように考えておるわけでございます。  それから油回収船の方でございますけれども、これにつきましては、来年度じゅうに新しい規格のものができるはずでございます。これができましたならば、十分対処できるもの、こういうように考えております。
  75. 宗形健寿

    ○宗形説明員 海上保安庁としての大量流出油防除体制についてお答え申し上げます。海上保安庁におきましては、全国の海上保安部者百十六カ所に常時巡視船九十六隻、それから巡視艇二百十六隻、それから十三カ所の航空基地に二十六機の航空機の出動体制を整えておりまして、オイルフェンス約二万三千メートル、それから油処理剤約二百トン、それから七・七トンの吸着材等の油防除用資機材をこれらの全国主要基地に配備、備蓄しております。  それで、昭和五十二年度末現在におきます保有機材というものは油回収艇が三隻、今回の油回収にも一隻使っております。それからオイルフェンス六百メートルを保有しておりますオイルフェンス展張船が十九隻、それから油防除艇三隻、油回収装置十三式、このうち三式は油防除艇に組み込んでございますが、そのほか油移送装置二式を現在保有しております。五十三年度にはさらに油防除艇二隻、それから油回収装置二式、これらを整備するほか、高粘度油吸着材回収ネット、オイルフェンス等の防除資機材を整備することにいたしております。
  76. 川崎寛治

    川崎委員長 神田厚君。
  77. 神田厚

    神田委員 質問に先立ちまして、この災害によりましてお亡くなりになった方、被災をされた方に対しまして心からお見舞いを申し上げます。また、政府におかれましては、国土庁長官みずからの現地調査を初めといたしまして、早速にいろいろな対応策をとられていますことに心から敬意を表します。  以下、大変限られた時間でございますので、簡単に問題の核心につきまして御質問を申し上げたい、こういうふうに考えております。  まず、私はこの地震の特徴というものがあると思うのでありますけれども、この地震の特徴は一体どういうふうなものであったのか、一つには三陸沖地震との関係、こういうものを含めて、やはり今後の問題としてこれを解明しなければならぬ。というのは、現地においてはまだこれ以上の大きい地震があるのではないかという一つの不安があります。さらにはそれらをめぐる観測体制強化を望む声もあるわけでありますから、この地震の性格につきまして、さらに今後の見通しにつきまして、御見解をいただきたいと思うのであります。
  78. 渡辺偉夫

    渡辺説明員 お答えいたします。  気象庁の地震課長でございます。  今回の震源地宮城県沖のほぼ百キロの地点でございます。この地域は古くから金華山沖地震と称せられまして、何度も起こっているところでございます。それで、この地域地震につきましては、津波の発生というものが過去の事例に非常に多くありますが、また陸地の方にも災害は起こっております。昭和十一年、一九三六年でございますが、このときにはマグニチュードが七・七でございますが、若干の災害を受けておりますし、さらにその以前にも三十年ないし四十年というような間隔で、ある程度の災害を伴った地震が起きておりますが、大部分は、かなりのものは津波の発生があります。三メートル以上の津波を発生した事例もございますので、そういうことで今回も津波警報というものを発令しましたが、大体の災害といいますと津波の問題と沿岸の地震によるところの災害でございます。  なお、今後の余震、これから続きますところの余震の問題でございますが、現在まで二十四回の有感の地震観測してございます。これは徐々に少なくなっております。この地域地震の余震については、ほかの地域の余震よりもむしろ少ないような特徴を持っておりますので、現在順調に減衰をしていると申し上げたいと思います。  以上でございます。
  79. 神田厚

    神田委員 そうしますと、従来は大変大きな津波を伴った地震であったけれども、今回は津波が少ししかなかったというのは、やはり今後さらにより大きな津波を伴うような、そういう余震が、あるいは地震があるような可能性も非常に強いというふうに考えてよろしゅうございますか。
  80. 渡辺偉夫

    渡辺説明員 お答えいたします。  十二日に起こりました以上の地震は、今後は起こらないだろうと思います。  あの地域で起こりました地震は七・四から七・七の間でございますので、今回起こりました地震はほぼその範疇に入ってございますので、これが最大であろうと私は思っております。  以上でございます。
  81. 神田厚

    神田委員 それでは次に、先ほど武田委員の方からも御質問がありましたが、地震によりまして東北石油タンクの棄損及び油の流出の問題につきましてさらに御質問申し上げます。  私ども関係者と会っていろいろ話を聞いておりますときに、地震だからしようがない、石油タンクが壊れ油が漏れてしまったらもうしようがない、どうもこういうような一般的な雰囲気を現地調査の中で感じてきたわけであります。私はこれは非常に問題であると思うのです。地震にも耐えられるという前提のもとにつくったものがなぜ壊れてしまったのか。さらには防油堤がきちんとされていながらなぜ油が海上に流れてしまったのか。そして、流れた油の量そのものが会社あるいは消防庁、海上保安庁でまちまちであった、こういうことはやはり非常に問題であろうと思うのです。この東北石油タンクがなぜ壊れたかという原因を早急に究明する、それと同時に油がなぜ海上に漏れたか、その漏れるまでの間に有効な手段がどうしてとれなかったのか、こういうことにつきまして、きちんとした責任の所在というものが明らかにされなければならない、こういうふうに考えるわけですがいかがですか。
  82. 小池次雄

    ○小池説明員 ただいまの先生の御質問でございますが、私自身も実際申し上げまして、あのようなタンク地震でもって破壊し油が流出したということは残念に思っております。  もとより現在の技術上の基準におきまして、地震にも耐えるような基準によってつくられたものでございます。したがいまして、あの地震を通じまして感じましたことは、七十一本油関係のタンクがございます。そのうち三本があのような事故を起こし、一本が翌日の余震によって漏出をしたという点でございます。したがいまして、その対策につきましては、先ほどの先生の御質問にもお答え申し上げましたように、消防庁の危険物技術基準委員会を通じまして早急にしかるべく調査をして、早く結論を出しその対策に当たりたい、このように思っております。  さらにまた、地震だからしようがないということは、われわれは口が裂けても言えるような問題ではございません。したがいまして、これに対応する策としては即刻手を打ちまして、さらに内容を盛りまして万全を期してまいりたい、このように思っております。  また、回収の問題等につきましては、主に事業者を中心とし、また事業者の下請業者を中心として回収に当たっておるということを現場で聞いておりますが、現地消防の体制におきましては、同時多発火災があったためにこの現場に対応する体制がやはり十分ではなかったという面がうかがわれております。  以上でございます。
  83. 神田厚

    神田委員 委員長からの報告にもありましたように、石油コンビナート、これは石油基地の防災の全般的な問題として、しっかりとこの原因を究明してこれを見直していかなければならない大事な問題だというように私は考えております。先ほどから指摘がありましたように、東京近辺あるいは地震の可能性の非常に強いところにもそういう基地がありますけれども、そういうものに対しまして今後どういう対策をとろうとしているのか、いままでの防災のもので十分であるというふうに考えているのか、その辺のところはどういうふうにお見通しでありますか。
  84. 小池次雄

    ○小池説明員 宮城沖地震参考とし、そしてまた地域割りあるいはまた地質の問題、こういった点等に対しましても十分検討を加えてまいりたいと思います。同時にまた、建築物関係におきまするたとえば建設省関係の建築基準法等のいわゆる強度等の基礎のデータ等ともお互いに整合性を持ちながら十分に対応策を持ってまいりたい、このように思っております。
  85. 神田厚

    神田委員 それでは、いつごろまでに、どういうふうに十分な対応策をおつくりになりますのかお聞かせいただきたい。
  86. 小池次雄

    ○小池説明員 これはいつごろまでというスケジュールをここで私自身が断定して申し上げられませんが、ともかく可及的速やかに対処するような考え方でもって進めたい、このように思っております。
  87. 神田厚

    神田委員 災害というのは待っていないのです。いつ来るかわからない。そういう意味では言葉ではなくて、壊れないと思ったタンクが壊れているということは本当に大変なことなんです。関東大震災にも耐えられるというタンクが壊れたということは大変なことなんですよ。漏れないはずの油が海に漏れているという現実をよく直視して、すぐにでも、この一カ月か二カ月のうちにでもそういう問題をきちっと解決をしなければならないだろうというふうに私は考えておりますから、ひとつそういう面で早急に対応策をつくっていただきたい、こういう要望をしておきます。  さらに、時間が限られておりますので飛び飛びの質問になりますが、この地震におきまして火災が起こりました。この火災が、東北大学と東北薬科大学の薬物の落下等によって起こっているという状況であります。私は、薬物管理、保存の問題ということが今後、地震との関係で非常に大事になってくる、こう思うわけでありますけれども、現在の状況と、それから宮城沖地震におきまして起こった火災の問題につきまして、大学等のいわゆる発火性の薬物の保存の問題、これをどういうふうにお考えになりますかお聞かせいただきたい。
  88. 小池次雄

    ○小池説明員 一般的な危険物のことにつきましては消防法別表に危険物の指定がございまして、これにつきましては、一定数量以上ある場合においては十分な保管、管理、また未満であっても危険物には変わりはございませんので、大学に限らず一般の商社、工場等におきましてもたな等をつくり、建物の構造、壁体等も十分にするのが当然でございます。それらを考えますと、われわれ消防の関係から申し上げますと危険物管理、いわゆる発火性、引火性の薬品は、たとえ少量のものであっても十分なたな等に置き、転倒、転落して発火し引火しないように対応策をとるということがきわめて重要だと痛感しております。したがいまして、消防庁におきましても、さらにこれに対応して策をとってまいりたい、このように思っております。
  89. 神田厚

    神田委員 特にほかで火災が出なくても、多くの人たちが火を消すことに非常に注意を払って火災の発生を抑えた、こういう状況の中で、多分そうだろうということでございますが、薬物落下による火災が起きたということは非常に大事なことであります。ですから、地震観測強化地帯及び都市のそういう過密地帯におきまして、発火性の薬物管理の状況につきまして改めて規則をつくるあるいは消防庁の方から通達を出す、こういうお考えはお持ちになりませんか。
  90. 小池次雄

    ○小池説明員 今回のことにかんがみまして、内容をしさいに検討し、しかるべく危険物の安全管理に対する通達を出して徹底を期してまいりたい、このように思います。
  91. 神田厚

    神田委員 次に、たくさんの施設被害を受けておりますけれども、私はちょっと心配なのは、河川の堤防の決壊が非常に多い、こういう報告を受けております。これは出水期を迎えていつごろまでに復旧ができるのか、あるいは普通の出水の量ならば耐えられるような状況になっておるのかどうか、この河川の堤防決壊の問題についてひとつ御報告をいただきたいと思います。
  92. 森淳

    ○森説明員 お答えいたします。  確かに先生おっしゃるように、河川の堤防に亀裂等が生じておりますが、緊急を要する個所につきましては早急に応急工事に着手しておりまして、出水に対する安全対策というのは十分早急にやるということにしております。また、本復旧につきましても、現地の準備ができ次第、緊急の査定を実施いたしまして、早急に本復旧をやるということで対処していきたいと考えております。
  93. 神田厚

    神田委員 現地では、出水期を迎えて非常に心配だ、これは現地の担当官がわれわれ調査団に言っているわけですね。その辺は大丈夫なんですか。
  94. 森淳

    ○森説明員 お答えいたします。  出水期を控えて、緊急を要する個所につきましては、査定等を待たないですぐ応急工事に着手するということが可能でございますので、そういう個所につきましては早急に着手しておりますので、特に今回の災害につきまして、先生の御指摘のようなことにつきまして、具体的には私は聞いておりませんが、さらにまた詳細に現地の方を調査したいと思いますが、必要な個所につきましては、十分現在手当てをしているというふうに聞いております。
  95. 神田厚

    神田委員 現地の方では、十分な対応が早くとられなければいけないということを言っているわけでありますから、ひとつそういうことで対応していただきたい、こういうように考えております。  時間が来ましたので、最後に大臣にお伺いいたします。  長官は、この地震の問題につきまして早速現地調査されまして、さらにそのみずからの御視察になった感想から、この問題を非常に大事に考えまして、激甚地の指定を初めとし、融資の問題、さらには観測強化の問題等、大変前向きな御感想を持ったようでありますが、この一刻も早い復旧、さらに教訓としていろいろな問題をこの地震からわれわれは受け取ることができました。そういうものを、これから先の防災の問題としてより多く生かしていかなければならない、こういうふうに考えているわけでありますが、最後に大臣災害復旧対策に対する決意をお聞かせいただきまして、質問を終わらせていただきたいと思うのであります。
  96. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 神田委員のおっしゃっておるとおり、復旧は迅速にしなければなりませんし、また今回のこの地震によっていろいろな問題点が明らかになりました。これを教訓として、今後の対策の上にひとつ十分その対応をしてまいりたい、こう思っております。
  97. 川崎寛治

  98. 安田純治

    安田委員 私も昨日委員派遣の一員として現地に参りまして、この目で実情を拝見してまいりました。そこで視察地をずっと見た後、私は皆さんと別れまして、現地に残りまして、ゆうべの十一時三十分まで現地でいろいろ実情を調べて、けさ上野に着いたわけでございますけれども視察した場所以外のところで私の持った感想を申し上げますと、二次災害予想される地域、これも見るべきだったのではないかということをつくづく中ったわけです。確かにそういう地域はたくさんございますので、一カ所見れば、何でおれのところは見に来ないということで大変なことになる危険もあるので、むずかしい問題だとは思いますが、二次災害予想される地域も見るべきだったとつくづく思ったわけです。  ことに申し上げたいことは、仙台の西南部ですか、緑ケ丘団地、先ほども委員の方から発言がありましたけれども、ここへ行ったわけですが、大変な状況になっているわけです。傾斜地に造成されておって、地割れがあちこちにある。もちろん家が傾いたり、取り壊しの話も先ほど出ましたけれども、何軒かは取り壊さざるを得ない、こういう状態があって、まだ住民が夜になると避難しておるというような地域でございますが、そこへ行きましたらば、住民の方がわっと取り巻いて、なぜ政府も国会の視察団もこういうところに来てくれないのだと言って、つるし上げと言っては言葉が過ぎるかもしれませんが、糾弾をされたわけであります。なるほど、行ってみますと、住民の方々が怒るのも無理はないので、私そういうところを見ました体験上、若干御質問をしたいと思うのです。  一つは、あの緑ケ丘団地の傾斜地に造成された部分について、抜本対策はもちろん必要なんですけれども、同時に応急対策も必要だ。これは別々なものではなくて、きのう現地の人と話し合いましたところが、応急対策それ自体に住民がいかに協力をし、納得をして、また一生懸命自発的にやるかということは、将来とられるであろう抜本対策の大きな道筋が示されてこそ、みんなが自発的に、それこそ熱心にやれるのだ。抜本対策はそのうち調査して、データが集まったら十分研究してやりますということで、とりあえずおまえは親戚の家に行っていろというだけですと、大変な不安、焦燥がますます積もるわけであります。そういうところに私行きましたものですから、大変いろいろ言われたわけで、そういう点では、先ほど来の同僚委員の質問に対しては、いろいろ精密に検討してとか言われましたけれども、やはり大まかな将来の抜本対策についてはぜひ早急に明らかにしていただいておかないといけないのだろうというふうに思います。  緑ケ丘団地の場合、昭和三十六年、三十七年ごろのいわゆる宅造法ができるぎりぎりのころに宅造がされ、一部にはあの斜面に住宅地を造成するのは反対だという声もあったそうですが、つくられてしまったわけです。それで、結局人間一生に一遍しか家を持たないわけですから、大変大切にしておるわけですけれども、それが庭が崩れて、下の方の家へ土がのしかかっていく、家はもちろん傾いている、再びそれを宅地として使えるかどうかという危険が現実に存在するところが幾つかありますし、そこが崩れた場合には、下の方もずっと押していきますし、またその上の方も危なくなってくるということで、全体をよく見直さなければいけないと思うのです。  建設省の方に伺いたいのですが、宅造法制定前のぎりぎりのときにできたこうした団地について、何らか救済方法があるのかどうか、伺いたいと思います。
  99. 川合宏之

    ○川合説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の仙台市の緑ケ丘団地の住宅団地につきましては、政府といたしましても、副団長国土庁柳審議官現地に参りまして実情調査いたしております。その結果によりますと、先生御指摘のとおり、古い宅地造成地の擁壁が崩れまして住家に被害を生じております。これに対する対策といたしまして、住宅金融公庫の災害復興住宅の貸し付けを、すでに条件を満たしておりますので、過日建設省から住宅金融公庫に指示いたしまして、災害復興住宅として貸し付けを行うようにいたしております。  災害復興住宅といたしましては、上物の建設あるいは補修資金を貸すことはもちろんでありますが、そのほかに宅地の土砂の排除あるいは整地などに必要な費用も貸し付けを行うことになっておりまして、貸付額もこの前まで九十万円でありましたが、これを百七十万円に引き上げたところであります。このような制度を活用いたしまして、建設省といたしましてはできる限り、当面被害者の救済に努めてまいりたいと考えております。
  100. 安田純治

    安田委員 そこで、たまたま緑ケ丘団地には東北大学の地質学の先生が住んでいらして、私もお会いしました。その先生は自分でバイクで走り回って、地割れの状態を地図に詳細に入れて私に渡していただきましたけれども、これは将来の基本対策のために大変必要な調査だと思うのです。できるなら並行してそういうことを、学者の方もいらっしゃるわけですから、役所ばかりでなくて、そういう方に委嘱するなり何なりして将来の抜本対策も同時に研究しているんだという姿勢を住民に示す必要があるんじゃないかということをつくづく思ったわけです。たまたまそこに住んでいる地質学者の方が個人的にバイクで走り回ってこういう詳細な図面をつくられるというだけではなくて、やはり公の立場からそういうこともやって、抜本対策は同時にやろうとして取りかかっているという姿勢を少なくとも示していただきたいということがあるわけです。  もう一つは、いま災害住宅についての復旧の貸し付けというふうに言われましたけれども、それはもちろん必要だと思います。ただ、いま災害を受けられた方、みんなまだローンを払い切れていない人がほとんどなんですね。そこでまたもう一軒家を建てることになるわけなんですね。そういう意味では、貸し付けだけではとても耐えられないという人もいるだろうと思うし、利子の負担も問題だろうというふうに思うわけでして、その点もぜひ御考慮をいただきたいということをつくづく考えたわけであります。そういう点でぜひあの傾斜地における抜本対策、地質の調査なり、それからただ地割れ部分を埋めて、もとに返って使用できるところなのか、それともそこは本当に移転せざるを得ないところなのかというそこの研究、こういうことをすぐ進めていただけるかどうかという点が一つです。  時間がないから幾つかの質問を続けますけれども、いま言ったような貸し付けが二重といいますか、ローンが終わっていない人がまた一軒分借りるということは大変なことなんですけれども、この点について何かお考えがあるか聞かしていただきたい。
  101. 川合宏之

    ○川合説明員 お答えいたします。  現地状況によりまして、単なる宅地の補修、整地だけで足りるのか、それとももはやここに住むのは危険であるのかということは、県の方と十分な連絡をとりまして、今後早急に調査いたします。  先ほどお答えいたしませんでしたが、仮にそこの土地がもはや使えない土地だということになりますと、新しい土地の取得費を災害復興住宅として貸し付けを行うことになっておりまして、この額も先ごろまで百九十万円であったものが三百五十万円まで引き上げられております。また災害復興住宅の貸し付けにおきましては、当初三年間は元金を据え置きまして利息だけの支払いでよろしいことになっておりますので、かような制度を活用いたしまして被災者の救済に努めたいと考えております。
  102. 安田純治

    安田委員 ぜひ抜本対策についても、いま不便なものですから、割れたところに土を臨時に入れておるんですね。何日かたってしまうと、表から見たらちょっとわからなくなってしまうと思うのですが、実は深い地割れが入っているということがありますので、すぐに抜本対策のための地質の調査などをやっていただきたいと思います。  それからあと、これは多分エネ庁の公益事業部になるんだろうと思うのですが、緑ケ丘の三丁目に東北電力の高圧鉄塔が立っております。これは一年前から住民が危険だという話をしておったらしいのですが、今度の地震で鉄塔の立っている丘といいますか、高いところの下の部分が崩れまして、一軒の家に土砂が押してきて、その家がいわば土どめになってもっているような状態があるわけですね。ところが、全然それに対して対策が打たれないということで、非常に近所の方々が、自分の家はまだ何にも傾いてもいないのだけれども、もし鉄塔が倒れてきたら、どちらに倒れるかわかりませんけれども、四、五軒分やられるわけですね。したがって、夜もおちおち寝られないという状態があるので、この点緊急な措置、つまり鉄塔に対して何らかの支えをするなり、ちょうどこれは、私素人でわかりませんけれども、その鉄塔の下の方に県が砂防の堰堤のようなコンクリートをつくっているのですね。これもひび割れてしまいましたけれども、そこから何かの支えをつけるなり何かの緊急措置と、将来これを移転するなり何なり、そういうことについてひとつ考えていただけないかどうか、お答えいただきたいと思います。
  103. 松田泰

    ○松田説明員 お答えいたします。  東北電力の配電、送電設備の復旧につきましては、真っ先に停電の解消、要するに電気をつけるということを重点的にやりまして、一応地震直後二晩目には全面的に解消できたと思っております。  いまお話しになりました鉄塔の件につきましては、申しわけありませんが、私どもの方でその情報をまだつかんでおりませんでした。したがいまして、いま先生の御指摘を伺いまして、早速出先の通産局等を通じまして早急に措置をとるようにしたいと思います。
  104. 安田純治

    安田委員 ぜひその点よろしくお願いしたいと思います。  それから、地震保険といいますか、火災保険の中の地震特約つき保険ですね。この問題についても大分住民の方から不満を言われたわけであります。これは、ローンで借りておりますのは大抵火災保険をつけておる。それは地震特約つきだ。ところが保険会社が、いざ地震になってみると、全壊しなければ出さぬのだ、家財道具についての保険についても全損といいますか、形がなくならなければいかぬのだ、それは大蔵省の厳しい指導である、こういうふうに保険会社が言ったというのですね。私は住民の側からしか聞いていませんから、大蔵省が果たしてそういう指導をしたかどうかわかりませんけれども、私に訴える人は、あれだったら火事になってもらった方がよかった、たんすでも何でも、ちょっとでも形があればだめだというならば、むしろ燃えてもらった方がよかったというような不満が聞かれたわけであります。そういう意味では、全損といいましても、使用価値、交換価値、いろいろな見方があると思うのですが、形がなくならなければだめだという解釈になるのかどうか、非常に私は疑問に思うのですけれども、きょうはきのうのきょうですから、細かい御答弁はいただかなくてもいいのですが、そういう地震特約の保険ですね、この運用についてもぜひ考えていただきたいということをお願いしたいのですが、いかがですか。
  105. 四柳修

    四柳政府委員 直接担当は大蔵省の保険二課でございますが、かわって御答弁申し上げます。  ただいま安田委員御指摘のように、現在の仕組みでは、地震保険加入者につきましては、地震等によりまして住宅、家財等が全損した場合に、建物について二百四十万円、家財について百五十万円というふうに承っております。これは五十年の四月に金額が引き上げになりまして、それから昨年の九月からいわば地域的に任意加入ではなくて強制付保になった、そのことによって保険料が上がったという形になりましたけれども、確かに保険の仕組みとしまして、御指摘のような点が解釈上あろうかと思いますけれども、そういった御意見なり御要望があったことをよく担当の方に伝えておきたいと思います。
  106. 安田純治

    安田委員 ぜひお願いしたいと思うのです。全損といっても、形がなくならなければ全損と見ないかどうかというのは非常に疑問だと思うのですが、そういうふうに保険会社は言っておるというのですね。だから、その点では、もしそういうことを言っているとすれば、ぜひ御指導いただきたいと思うのです。たんすは、確かに形はあっても、裏がぶん抜けちゃえばたんすの役はしないと思うのです。引き出しが残っておっても。そういう意味では、そのものの使用価値、交換価値、いろいろな面から全損ということは考えられるわけでして、形の有無ということではなかろうと思うのですけれども、そういうふうに言っておるということですので、ぜひ御指導いただきたいと思います。  それから、前の委員の方もずいぶん出されましたけれども、確かに都市型の災害の面が強いのですが、同時に農村の被害も決して軽くはないと思います。先ほど愛知委員の方からも六郷、七郷地域の話が出ましたけれども、私、仙台市の七郷地区の荒井の字矢取というところの農家の写真を手に入れてきたのですけれども、ものすごい被害なんです。後でぜひ長官にも見ていただきたいと思うのですが、突っかい棒をかって、百年以上たっている家だそうですが、同時に農作業場もつぶれて、中にある農業機械が壊れるなどいろいろな状態がございますので、そういう点で農林省に伺いたいのですが、こういう被害についての救済を何らかお考えいただいているかどうかということです。
  107. 角道謙一

    角道政府委員 お答え申し上げます。  農林省で所管しておりますのは農業用の施設が主体なものでございますから、いま御指摘の農舎なり畜舎等農業生産に関係のある部分につきましては公庫資金等で対応いたしておりますけれども、もっぱら生活に供しております住居部分につきましては農林省では対応いたし切れませんので、これにつきましては別途住宅金融公庫等に十分対応するように、また私どもからも十分協力をお願いするようにしたいと思っております。
  108. 安田純治

    安田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  それから、中小企業の被害についても先ほど来同僚委員がいろいろ発言されておりますが、現地へ行きましたらどうも利子が高いという苦情があるのですね。七%から七・一%ですかというようなことである。これは福島も調べてみましたところが、やはり似たような七%だ、これでは利息が高いんじゃないかという話がございました。そういう点で先ほど日野委員も言われましたけれども、いま不況下において資金繰りが容易でないところに被害を受けたわけで、仙台ばかりじゃなくて福島市も、私の事務所のすぐ近所の食堂は余り大きな食堂じゃないし、いわゆる料亭みたいな高い食器類があるわけじゃないのですが、どんぶりばち類だけで三十万円の被害が軽くあった。そば屋さんですが、全部壊れてしまいました。こういうことになってきますと、資金力の弱い零細企業ではとてもじゃないけれども復興するのに容易じゃないということであります。この利子を何とかもう少し安くする何らかの方法がないものかどうかということが言われたわけですけれども、それが一つです。  それからもう一つは、答弁する方が違うかもしれませんけれども宮城沖地震ということで仙台被害が大分強調されておりますが、宮城県の隣の福島県もやはり震度五だったのですね。ことに宮城県の境の国見町、桑折町などは非常な被害を受けておるわけです。ただ福島県当局の被害報告を見ると、建物損壊の棟数が余り多くないようなんです。福島県の場合は死者はなくて重傷三人ですか、というふうになっていますが、実際たとえば桑折町という町一つ調べてみたら、そこで福島県がまとめて発表している家屋損壊件数に似たような件数が出てきているわけです。つまり、表向きは何でもないが、中に入るとはりがこうなったり、とても住める状態じゃないというところが出ておりまして、これは意外に被害が大きいと思うのであります。そういう意味で、先ほど農村地域被害のことを申し上げましたけれども宮城県だけではなくて隣接の県も相当な被害を受けておるので、ぜひそういう点でも対処をしていただきたいと思いますけれども、その点の御見解を承りたいと思います。
  109. 山口務

    ○山口説明員 第一番目の中小企業者に対する復旧資金の点についてお答えします。災害後直ちに発動しております災害復旧貸し付けにつきましては、金利は最近下がっておりますけれども、いまのところ七・一%ということでございます。当面これで必要な資金をしのいでいただくということになるかと思いますけれども、先般来問題になっております激甚災害の指定ということになりますと、これが金利六・二、あるいは特別の場合は三%ということでありますので、激甚災害の指定の有無にかかってくるのではないかと思っております。
  110. 四柳修

    四柳政府委員 二番目の点でございますけれども政府の本部も宮城全域のほかに隣接県の一部の区域を含めておりますが、念のために関係県の方にもよく連絡しまして、被害状況をよくつかんでみたいと思います。
  111. 安田純治

    安田委員 時間が来ましたので、いままでお願いしたことをぜひやっていただきたいということと、最後に長官にひとつ決意のほどを伺いたいわけです。先ほど申し上げましたように、抜本対策といいますか、このことを早く指し示すことが応急対策について住民が非常に信頼感をもって自発的にもあるいは創意性を発揮してもやれることにつながるわけでして、とりあえずのことはとりあえずのこと、将来のことは将来のことというふうに考えないでひとつ抜本的に、いま被災されている方々が安心して当面の措置に従って当局を信頼してどんどんやれるような温かい御決意をこの際はっきり承りたいというふうに思うわけでございます。よろしくお願いします。
  112. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 安田委員から緑ケ丘団地を中心として具体的にいろいろな御意見、御質疑があった次第でございます。特に抜本対策についての御要望でございましたが、宮城県におきましても災害対策本部が設置されておりますから、中央の本部といたしましては県の方と緊密に連絡をとりまして、御意見のような措置をも考慮してまいりたいと思います。
  113. 安田純治

    安田委員 終わります。
  114. 川崎寛治

  115. 菊池福治郎

    ○菊池委員 質問に先立ちまして、まず犠牲者の方々に対しまして心から御冥福をお祈り申し上げます。遺族の方々被災者方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。今度の地震が起こりまして政府の対応も非常に機敏でございまして、対策本部を早速設置されました。また大臣も率先視察団の団長となりまして現地に赴いたということは、非常に動揺しております被災地被災者に対しまして大きく勇気づけたというようなことで、その機敏な行動に対しまして心から敬意を表します。ただ、一つ考えてみたいことは、残念でありますことは、都市災害仙台被害というものが非常に大きくクローズアップされました関係もあります。また日程の御都合どもあったと思いますけれども仙台中心としたところだけの視察に終わった。実際は農村部といいますか、県北などの小さい町では相当の大被害を受けております。たとえば宮城県の県北の登米郡迫町佐沼というところがありますが、そこの駅前通り、まあ田舎の駅前通りですから何千軒もあるわけではありませんが、百軒前後の通りだと思います。恐らく六、七割全壊または半壊、全然そこに住めないというふうな状態。一つの大通りというか部落の町が半分以上も全壊または半壊に近いような被害をこうむっておるというふうな地域もいろいろあるわけでございますから、私はせめて、大臣その他の幹部の方々はお忙しい日程でありますけれども視察団をたとえば二つに分けて、あるいは一日ぐらいずらして、役所の方々とか専門官の方々とかいう方々がその辺をさらに詳細に視察をするというふうなことが必要であったのではないかと考えるわけでありますが、そういう点についての御感想。あるいは状況がわかり次第、続々として被害が広がっておるわけでございますが、さらに詳しく調査するために第二次のというか、そういう視察団を現地に出すというふうなお考えがありますかどうかというようなことをちょっとお答えいただきたいと思います。
  116. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 今回の政府調査団は、短時間に調査をしなければならない、こういう事情から仙台中心となりましたが、副団長が後に残りまして、要所要所を視察していただいております。また、ただいま菊池委員のおっしゃるように、さらに派遣をされたらばどうかということにつきましては、本日のこの委員会の御審議の模様から、相当専門的に調査しなければならない点があるということを承知いたしましたので、そういう面の調査団、あるいは地域的に非常に災害を受けておることをも御指摘でございますので、それらもあわせまして、政府としても引き続き調査団派遣することについて考慮いたしたいと思います。
  117. 菊池福治郎

    ○菊池委員 時間の関係上、いろいろ問題を進めてまいりたいと思いますが、今回の地震は予告のない地震というふうに言われております。先般の伊豆、東海地方地震というふうなものは、観測準備というかそういうものが相当進んでおりまして、予知がある程度できたわけでございます。ところが、今回の地震でございますが、聞くところによりますと、昨年の秋の日本の地震学会でございますか、この場所において、宮城県沖には将来七・七クラスの大地震が起こる可能性があるということを若手の研究者が発表されたというふうなことを聞いておるわけでございます。また、二月には御承知のとおり三陸沖の地震というものが、相当規模のものでございます。マグニチュード六・八、仙台でも震度四というふうなことで、ビルの窓ガラスが損壊を受けたというふうな、非常に大きなショッキングな地震であったわけでございますが、そういうことを踏まえて、予知の準備体制というか、そういったものを本格的に持つべきではなかったのかというふうな感じがするわけでございます。二月に相当大きな地震があり、また昨年の学会においてはそういう大規模のものが起こる可能性があるというふうなことも、一部の方々ではあるかもしれませんが、そういうこともあったわけでありますから、そういうことなどを踏まえて、もっと本格的な予知体制というものに取り組むべきではなかったかというふうに考えるわけでございます。その点はいかがでございましたでしょうか。
  118. 藤田尚美

    ○藤田説明員 前段の方で、去年の秋、地震学会で東大理学部の瀬野君が、新潟地震あるいは日本列島を、日本海溝を軸に直交するように刺身状に切りまして、その内陸部の地震と日本海溝沿いの沖合いの地震との関連性について発表されております。その海溝沿いの地震が起きる前五十年あるいは後の十年、その間に内陸地震が多発しているという結果でございます。いずれにせよその指摘は重要なんでありますが、五十年というような長期間の話になりますと、これをすぐに実用化に持っていくというのはなかなか問題があろうかと思います。それでその後、二月二十日のマグニチュード六・八の地震の後、地震予知連絡会の特定部会では全国の特定観測地域見直しをやっております。現在審議中でありまして、まだ結論は出ておりません。来る六月二十一日にその特定部会と合わせまして臨時地震予知連絡会を開催して、今回の地震についての統一見解をまとめたい。それによってその地域指定の方の基礎資料が出されるかと思います。
  119. 菊池福治郎

    ○菊池委員 時間がありませんので、そのことをもう少し御質問申し上げるということができませんので、別の問題に進みたいと思います。  長官は、現地にも参りまして、また本委員会におきましても、このたびの地震に対しての激甚災害地としての指定ということに非常に意欲的に前向きなお考えを出されておるわけでございますが、これは当然のことながら、被害地では一日も早くそういう御決定を待望しておるわけでございます。いまの被害状況の全容ということがきょう、あすということではなかなかわからないと思いますけれども、大体の見通しと申しますか、そういう点をお聞かせいただければ幸いだと思いますが、いかがでございましょうか。
  120. 四柳修

    四柳政府委員 具体的な数字につきましては、被害額と所得ですとか財政力ですとか、そういった数字が固まる時期がございます。被害額の方は、御案内のように県の方でおまとめいただきますと、あるいは今月いっぱいですとか来月の初めまでかかるとか、そういった形になろうかと思いますが、分子と分母の関係で申し上げまして、それが分子でございます。分母の方の五十三年度あるいは五十二年中の数字というのが、八月とか九月という段階である程度推計することになろうかと思います。つまり、ことしの出来秋をどう見るとか、ことしの年度後半をどう見るとかということのある程度の想定を入れませんと最終的な答えは出ないと思いますけれども、その想定を入れる前提で、県当局ともよく相談いたしましてある程度のめどはできるだけ早くつけたいと思っております。
  121. 菊池福治郎

    ○菊池委員 これは要望でございますが、いま申し上げましたような状態でございますから、こういう非常、緊急の場合でございますし、また続々と被害がふえておるというふうなことで不安が累増しておる、そういう状況でございますから、ひとつ一日も早い御指定を切望したいと思います。  なお、その場合の融資の条件であるとかあるいは利子の問題であるとか、必ずしも十分ではないんじゃないかというふうに考えられるわけでございますが、これは宮城県あるいは各市町村などの担当者もその点を非常に要望しておるわけでございますが、この災害地に指定になった場合に、利子とかあるいは融資の条件とかというものを現行のものよりもさらに改善してこの際の激甚の災害に適用する、そういうお考えなりそういう御検討というふうなものも、もしおありであればあわせてひとつお聞かせいただきたいと思います。
  122. 四柳修

    四柳政府委員 現在の段階では具体的なものは持ち合わせておりませんけれども、今回の災害を通じまして御指摘のような点が非常に強い要望であるということは関係省庁ともども受けとめておりますので、その点につきまして十分慎重に検討させていただきたいと思います。
  123. 菊池福治郎

    ○菊池委員 時間がありませんので、またもう一つ別の問題に進みます。  先ほどの地震予知の問題でございますが、大規模地震対策特別措置法に基づいた観測の特定地域というものに、巨大地震の巣というふうな言葉で占われておりますが、三陸沖、宮城県沖をお認めになるということは、きわめて現実的というか、必要なことであろうかと思いますけれども、この点についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  124. 四柳修

    四柳政府委員 恐縮でございますが、かわって御答弁させていただきます。  御案内のように、現在の仕組みとしましては、地震予知連絡会によりまして観測強化地域と特定観測地域の指定がございます。実はその特定観測地域にもなっていないという状況でございまして、やはり観測体制整備ということが条件になろうかと思います。そういった方向で関係省庁ともども検討させていただきたいと思います。
  125. 菊池福治郎

    ○菊池委員 それからこれは非常に大事な問題ではなかろうかと思って被災地を見まして考えてまいったのでございますけれども宮城県の北部の北上川に錦桜橋という橋がございます。これは二月二十日の地震の結果破損が非常に著しいというので、われわれしょっちゅうそこを通るわけですけれども、国道ですから、交通量が非常に多い橋でございますが、徐行をしろというふうなことを看板にかけてあります。それからこの地震の四、五日前に通りましたら、夕方から今夜いっぱいは通行どめだ——これは地震の前ですよ。それで少し本格的に補修するのだというふうなことで交通どめになっておりました。それから二日ばかりたって地震があったわけです。そうしたら三十メートルばかり橋が切れて落ちているわけです。これは五時何分ですから相当量の自動車が通るはずでございますが、幸いに自動車がそこに落ちなかったから大災害にならなかったわけですけれども、橋が落ちたのですから、自動車がふくそうしているところですから、大災害になる可能性があったわけでございます。これは危険な橋であるということはだれもがわかっておって、そこに徐行してくれとかそういうふうな看板がたくさん立っておるわけです。しかも二月の地震において壊れたわけでございますから、その間三、四、五、六とあったわけですから、大至急そういうものに対しては、明らかにだめだとわかっている橋で、古い老朽の橋ですから、根本的に何か取り組むか、あるいは補修にしても大々的なものをやるとか、そういうことをすべきであったのではないかと思うのですけれども、それをしていない。そういうふうなものが、民家の家屋でも、先ほど申しました迫町佐沼の駅前大通りというのもよく見ると古い家が比較的倒れているわけでございますが、学校にしても橋にしても、そういう老朽的なものでこれはもうそろそろ寿命だというふうなものがたくさんあろうと思うのですけれども、そういうものが放置されておる。今回は橋による死者というようなものは奇跡的だと思うのですけれども出なかった。だれが最初に見つけたのかわかりませんけれども出なかったわけでございますが、当然そういうことは起こり得るわけでございます。そういう危険な個所は、あるいは民家でもそうですけれども、公共物はいろいろ点検をして、それを適切につくりかえるとかいうふうなことは当然やっておるんだろうと思いますが、そういう問題が起こっておるわけでございます。こういうものは地震のあるなしにかかわらず点検をしてさまざまな指示を与えるべきものではないかと思うのでございますが、そういうことに対する現在の役所の対応はどういうふうになっておるのですか、ちょっと伺いたいと思います。
  126. 藤井達也

    ○藤井説明員 お答えいたします。  道路の震災対策の点検につきましては、ロサンゼルスの地震後、道路について四十六年度にトンネル、橋梁、これについての点検をやったわけです。それから五十一年度になりまして横断歩道橋も含めましてさらに点検を重ねたわけで、この点検に基づきまして現在仕事を進めておるわけです。
  127. 菊池福治郎

    ○菊池委員 時間がありませんので一つ、二つ御要望申し上げまして質問を終わりたいと思います。  先ほどからお話ありましたように、今回の地震は、都市に大きな災害をもたらしたと同じように農村地域、漁村地域にも大変大きな被害を与えております。特に農村、漁村は、いま農村では減反問題とか農外収入が減っておるとか、さまざま苦境に陥っておるわけでございますから、そういう被害に対しては特段の温かい御配慮を賜りたいと思います。  それから今回の地震は、非常な犠牲はあったものの、時間的には昼間の学校があるお昼ごろであるとか夕方もっと遅い時期であるとかいうことでなかったわけです。あるいは冬のたくさん火を使っておるという時期でもなかったわけでございますから、その点では時期的に見て不幸中の幸いというか、まあまあという時期だったと思いますが、あれがそうでない時期にあるいは時間に、あるいは夜中に起こった場合、あるいはああいう地震がもっと大きな東京のような都会に起こった場合というふうなことをいろいろ想定をされまして、単にあの時間のあの現状だけの状態視察されて、その状態に基づいてさまざまな対策を云々ということでなくて、学者、研究者、役所の方々も加えた大きな調査研究機関をつくって徹底的にあらゆる場合をあれをもとにして想定をされまして、今後の地震対策災害対策のために大きな教訓として生かして対策の万全を期していただきたいということを御要望申し上げまして、時間が参りましたので終わりたいと思います。
  128. 川崎寛治

    川崎委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後一時二十七分散会      ————◇—————