○渋沢
委員 社会党の立場で、提案されました
法案に関して若干の
質疑をいたしたいと思います。
申し上げるまでもないのですが、
地震対策の要件ということで考えますと、大
規模地震が
発生以前の対応、それに備える対応と
発生時及び
発生以後の対応ということがあろうと思いますけれども、以前の対応として欠かすことのできないのは、少なくとも三つの点があるだろうと思っているわけであります。
一つは
予知観測体制、あわせて恒常的な防災
対策執行の機構を
整備しておくということ、こういうことだと思います。二つは、とりわけ
被害が集中するであろうと思われる都市の対応ですが、いわゆる耐震構造都市といいますか、
地震に耐えられる強い都市づくりといいましょうか、各種建築物の防災機能を全体として高める、そういう政策が非常に重要な位置を占める、こう思う。そうして三つ目に、これらの
事業と対応を執行する上で必要な財政
措置を積極的かつ的確に講ずるということ。この三つが
地震発生までの、
政府その他
関係機関、
地震対策に
責任ある者がつくっておかなければならないいわば
地震対策の柱であり、眼目だと思います。そして
地震災害発生時及び
発生後における諸活動、消火から救護、
避難、民生安定、さまざまな活動の
計画とその取り組みの対応、
対策をきちんと立てておくということに尽きるだろうというふうに思うわけです。
そこで、そういう立場でこの
法案を見ながらお尋ねしたいと思うわけですけれども、まず第一に
予知体制の
整備強化という問題でございます。
これはもう私くどくどと申し上げるまでもないのでありまして、この
委員会におきましても長官もしばしば各
委員の
指摘を直接聞いておられるところであります。
時間が非常に少ないので、お尋ねしたいこと、
指摘したいことを端的に表現するために、先般この
委員会で
参考人として発言されました
予知連絡会の萩原会長の速記録からそのままその一言を引用させていただいて、この願いと
意見がこの
法律の中でどのようにあらわされておるのかということを尋ねたいと思うわけであります。
萩原さんは、二月の十六日の
委員会でこう言っておられます。
予知体制の問題について「いろいろな
機関がばらばらにやっておって、その間の
協力ということで成り立っておるこの
地震予知の一番の欠陥は、やはり十分な予算がとれないということで、したがって十分な
観測体制がとれないということでございます。」ある
機関が
予知だけやっているというところはどこもないわけでして「どうしても
一つの
機関にまとまらなければ、どうにもこれから先だめだと私は思っております。」たくさんおっしゃっておるのですけれども、萩原さんの気持ちを端的に表現されておる部分でございます。日本学術
会議から一定の
予知についての提起があり、それを受けて
政府が
測地学審議会において過去三次にわたって五カ年
計画を各省庁、大臣に
建議し、いまや第四次の策定に入ろうとしている大変長い期間、切実な、日本の高い
水準にある
地震学者の
指摘、そしてその報われることを欲しないまことに献身的なこれらの
方々の
努力、そういうものの頂点に立って
政府の活動に
協力をされておられる萩原会長の議会での
参考人としての
意見というのは、まことにこれは重大な
内容として受けとめなければならぬ、こう考えておるわけであります。
予知体制の一元化、どの省庁にどうなってどういう問題があるかということについては繰り返して申しませんが、このような世論と
意見に対して、この
法律では具体的にどういうこたえ方をしているのかを御
説明願いたい。