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1978-03-28 第84回国会 衆議院 公害対策並びに環境保全特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年三月二十八日(火曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 久保  等君    理事 相沢 英之君 理事 池田 行彦君    理事 登坂重次郎君 理事 林  義郎君    理事 島本 虎三君 理事 水田  稔君    理事 古寺  宏君 理事 中井  洽君       高村 坂彦君    西田  司君       大原  亨君    坂口  力君       東中 光雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (環境庁長官) 山田 久就君  出席政府委員         環境庁長官官房         長       金子 太郎君         環境庁長官官房         審議官     石渡 鷹雄君         環境庁企画調整         局長      信澤  清君         環境庁企画調整         局環境保健部長 山本 宜正君         環境庁自然保護         局長      出原 孝夫君         環境庁大気保全         局長      橋本 道夫君         環境庁水質保全         局長      二瓶  博君         通商産業省立地         公害局長    左近友三郎君         建設政務次官  塚田  徹君  委員外出席者         国土庁計画・調         整局計画課長  星野 進保君         厚生省環境衛生         局水道環境部環         境整備課長   森下 忠幸君         水産庁研究開発        部漁場保全課長 伊賀原弥一郎君         通商産業省基礎         産業局化学製品         課長      平河喜美男君         建設省都市局都         市計画課長   海谷 基治君         建設省都市局下         水道部長    井前 勝人君         建設省河川局水         政課長     安仁屋政彦君         建設省道路局道         路環境対策官  稲見 俊明君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 委員の異動 三月二十八日  辞任         補欠選任   馬場  昇君     大原  亨君 同日  辞任         補欠選任   大原  亨君     馬場  昇君 同日  理事中井洽君同月二十四日委員辞任につき、そ  の補欠として中井洽君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  公害対策並びに環境保全に関する件(水質汚濁  対策等)      ————◇—————
  2. 久保等

    久保委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  去る二十四日理事中井洽君の委員辞任に伴い、現在理事が一名欠員になっております。  これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久保等

    久保委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、中井洽君を理事に指名いたします。(拍手)      ————◇—————
  4. 久保等

    久保委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
  5. 島本虎三

    島本委員 長官にこういうことを何回も言うのはマンネリズムみたいになってしまったのですけれども委員会があるたびごとに、逮捕者を出したり、そんなことばかりやっているのですが、またきのう三人くらい逮捕者を出した。中には一メートル何ぼのやつを越えて入っただけで建築物侵入罪ということでやった。それは水俣の患者なんですね。患者がそういうふうにするというのは、基本的に何か足りないものがあるのじゃないかと思うのです。岩垂議員長官は、話し合うことにイニシアチブをとりますと、前回のときそういうふうにおっしゃったようですが、これはどういうことなんですか。長官は、約束はしたけれども全然やらないで、逮捕者を出したりこんなことばかり繰り返すのですか。一体どういうことなんですか、長官
  6. 山田久就

    山田国務大臣 逮捕者が出たという報告は、私は受けています。無論、このことについて、特にわれわれがどうしたということじゃないけれども、恐らく秩序維持ということについての従来の一般的なお願いに対して、今度現場判断で行われたのだと思いますけれども、これは私自身も残念だと思います。前にも申し上げましたように、この正常な話し合いということについては、われわれもその呼びかけはいろいろな形で考えてもおりますし、また内々の処置も講じております。ただ、あの日以来、いわば実力行使の居座りというかっこうそのままの形がずっと存続したような形で、何かしら政治的な圧力という形で存続している点、何とかこの点は相手方の方においても考え直していただきたい、私はこう思っております。いつまでも果てしのないようなかっこうになるのはやめたい。ただ、いまいろいろな情勢がほかとも絡んで動いておりますので、そういうことを見ながら善処していきたい、こういう考えの一端を私はこの前御披瀝したつもりでおります。
  7. 島本虎三

    島本委員 これだけに終始しようとは思いませんけれども長官は、会うことにイニシアチブをとるんだというように議員にはっきり言っているのですから、イニシアチブをとらないといけません。ところが何にもとっていない。依然として同じような空念仏のようなことを答弁なすっている。いろいろ調べたら、警察から要請があって警察でやったんだ。しかし警察では環境庁からの要請だ、こんなことばかりやっている。会う態度をまずきちっとしておいた方がいいんじゃありませんか。これは何人なら、どういう手続をしたならば会うのですか、長官。この際ですから、はっきりしておいたらいかがですか。
  8. 山田久就

    山田国務大臣 御指摘のようなことを考えております。ただ、やはりいま、この前の事件以後の引き続きの状況が続いておりますし、ほかの方面のいろいろな空気というようなものもある種の連鎖反応も生じているようなことで、その現実の動きを私は見きわめながら、可能な形でそれをやっていきたいということで、そのことについての検討も命じておりますし、私は機もうかがっております。しばらくその点は、われわれの判断や行動にもひとつ理解をいただきたいと思います。
  9. 島本虎三

    島本委員 しばらくというのは何日をもってしばらくと言うのですか。あなたの場合は、話し合うことにイニシアチブをとるんだと言っていて、何もしていないで、今度逮捕者を出して、警察がやったんだ、警察に聞くと、環境庁からの要請だ、こういうようなことでやっている。これが患者でしょう。それもたくさんじゃない。成田とは違うんですよ。相手が患者。そういう人を逮捕している。会う態度をまず示すべきだと思うのです。どういう場合でも、前の長官の場合でも会ったのです。根気強く会って話していたら、できなくてもその誠意を認めて、それでもってみんな了解して帰るじゃありませんか。すぐ警察力を使う。言った法律、出すべき法律を出さないで、あなた、決断したのは逮捕だけじゃありませんか。歴代長官にそういう人いないのですがね。会う態度をまず示して、あなたの熱意を示すべきじゃないかと思うのです。こうすればいいというのはまだ決まっていないんですか。何人となら会うんですか。会う場合の手続や何か、どうするんですか。これさえも言えないのですか、長官
  10. 山田久就

    山田国務大臣 いまそういう点、いろいろな点を加味しまして、鋭意その具体的な方法その他のことを検討しております。いまこの際まだそのことを申し上げられないのは残念ですけれども、ひとつその点は御理解いただきたいと思います。
  11. 島本虎三

    島本委員 私はもういままでの態度をして、長官初めいまの環境庁態度は理解することはできません。まことに遺憾です。この事態になってもまだ具体的なそういう方法を示せない、これから検討する。環境庁には一体何人いるんですか。その衝にあるような人、官房長なり総務課長なり、一体何をやっているんですか。むしろそんな人こそ不必要じゃないですか。また、これは何日かかるのですか。長官、よく考えてくださいよ。私は最も不満を表します。そんなことでは、いままでの歴代環境庁長官の中で、私はあなたにこんなことを言わなければならないのは残念です。しかし、やむを得ません。いままでの環境庁の威信は地をはらったようなものです。これからそのための努力だけはきちっと要請しなければならないのでありますが、いまのスタッフでできますか。そこも考えてください。  これは重大な問題として提起しておいて、次に進みます。  私は、この二十六日に習志野市の谷津の干がたを見てきたわけであります。五十ヘクタール、実際は三十三ヘクタールくらいしかないのでありますが、東京湾に残された唯一の干がたユリカモメが、見た目には五千羽から六千羽ほどいる。羽を休めていました。カモメ、サギ、シギ、チドリその他、年間野鳥が四百種ほどいるんだというのです。しかし、二本の水路で海につながっていても周囲は惨たんたる状態でありまして、ようこそここに干がたがあって鳥が集まるものだ、これしかないのか、人間が与えるのはこれくらいのものしかないのか、こういうように思って、じくじたるものがあったわけであります。しかし、渡り鳥条約批准し、調印しているのであります。もう環境庁としても、鳥獣保護区に指定する、こういうような意思表示もしているというようなことも聞いているのであります。鳥獣保護五カ年計画、こういうようなものがあるということも聞いているのでありますが、あの状態で一体どういうふうなことを指導していたのですか。これをまず伺います。
  12. 出原孝夫

    出原政府委員 御指摘のように、谷津の干がた東京湾に残されております貴重な渡り鳥飛来地でございます。そういう意味で、環境庁といたしましても、ぜひこの干がたを保存いたしたい、特に人間と鳥とがそこで共存できるような環境をぜひつくり上げていきたいというふうに考えております。そのためには、現場につきましては、まだ鳥獣保護地区指定もできておりませんので、私どもとしては、現地の千葉県等とも打ち合わせをいたしまして、できるだけ早い機会に鳥獣保護地区指定をして、その整備を図りたいということで、現在努力中でございます。
  13. 島本虎三

    島本委員 鳥獣保護五カ年計画はできているのですか。
  14. 出原孝夫

    出原政府委員 鳥獣保護の五カ年計画は、基本計画を国でつくりまして、その基準に従いまして各都道府県で具体的な計画をつくっていただくということで、いま第三次の計画実施をしておるところでございます。
  15. 島本虎三

    島本委員 これは、逆に三十三ヘクタールしか残らない。あれは五十ヘクタールあったはずでありますが、いまや三十三ヘクタールしかない。保存したいと言うけれども、逆に埋め立てられる可能性はないのですか。  同時に建設省に、あの湾岸道路、あそこにもう走っているのでありますが、あれに対しては、周囲環境アセスメント実施したのですか。まずこれを伺います。
  16. 稲見俊明

    稲見説明員 お答えいたします。  谷津の干がたにつきましては、五十一年度に事前調査をいたしまして、千葉県の環境部意見を聞きながら、海水の干満、疎通等状況調査を行い、自動車のヘッドライトの遮光板や、海水の流動に必要な個所について橋梁を設置いたしました。その後、五十三年にもその後の調査実施いたしております。
  17. 島本虎三

    島本委員 調査して、あれで環境庁はよろしいということを認めたのですか。
  18. 出原孝夫

    出原政府委員 基本的には、あの計画につきましては、谷津周辺埋め立てと、それから湾岸道路計画がございますが、これにつきましては、計画そのもの環境庁の発足以前にすでに埋め立て免許等が行われておったというように承知をいたしております。したがいまして、あの面積自体は、五十ヘクタールが現在の湾岸道路の北側の三十ヘクタール程度になるということは、すでに決まっておったわけでございますが、私どもは、その残っております三十ヘクタールを渡り鳥生息地としてぜひ残していきたい。ただ、その環境につきましては、私どもも、鳥が生息できるように特に環境整備していただきたいということにつきましては、関係の官庁にも申し入れをしておるところでございます。
  19. 島本虎三

    島本委員 環境庁には、設置法第四条、五条、六条、きちっと権限が決まっているのですから、環境公害に影響するやつは、あなたの方からその施設に対しての報告計画変更、こういうようなことを求められるはずです。あそこを三分の一ほど埋め立ててしまっている。もし、本当に残そうとするならば、瀬戸内海のあの本四架橋のように、どうして上の方から弓なりにして中を残さないのですか。そして、防音装置をきちっとしてやったならば、なおいいじゃありませんか。決定してあったとしても、変更はできるはずだ。それに対してさえもやらないで、埋め立ててしまった。そして、京葉高速道路湾岸道路と、その中にはさまって、もう下水の水さえも流入しているでしょう。そのところに四、五千羽のユリカモメが、その他の鳥もそうですが、辛うじてそこに休息をしている。こういうようなことに対して、環境庁は少しとろいんじゃありませんか。環境影響評価に対してきちっとしたことをやらなかったということは、これは責められるべきです。ことに、日米渡り鳥条約を一九七二年、昭和四十七年に調印しているでしょう。批准もしているでしょう。そして、日ソ渡り鳥条約も一九七三年に調印しているでしょう。こういうようにしてみると、その第三条に、両国は「渡り鳥保護及び管理のために保護区その他の施設を設けるように努める。」と、これは国際的に約束されているでしょう。あれではつぶすように努める、こういうようなことを実行していると同じじゃありませんか。私が言ってきたといって、あわ食ってあなたも見に行った。こういうようなことで一体どうなるんですか。環境庁このごろ少しとろいと思いませんか。上が上なら下も下、こういうような状態じゃだめです。これで環境影響評価をした、こういうようなことは、私はもう認められないのであります。これは、習志野に対してはどういうような公聴会説明をいたしましたか。——だれも答えないのか。これは習志野市の住民に対してどういうような説明をしましたか。——答えられる人に来てもらいたいと言っていたんです。課長でいいかというから、課長は事務的なものしか答えられないからはっきりこれに答えられる人が来てもらいたいと言っていて、この大綱を言ってあるはずです。何でもかんでもやればいい、この時代はもう終わったんじゃありませんか。環境影響評価をきちっとやらなければならない時代になってきたんじゃありませんか。いまなお、そういうようなことを千葉でやっている。やるなら代案はある。ちゃんと弓なりにやって、下の方を保存すればいいんです。国際条約に違反しているじゃありませんか。こんなことがあっていいんですか。国際人である長官に聞きます。渡り鳥条約に違反してますよ。
  20. 山田久就

    山田国務大臣 いま御指摘の、条約上そういう義務を持っているわけですけれども、たとえば必ずしもその場所そのもの指定しておるとは考えませんけれども、しかしながら、そういう点についてなお余分の配慮をいろいろやればよかったというような点については、御指摘の点、いろいろわれわれとしても考えねばならぬ点があったやに感ぜられます。いろいろな事情、さらに詳しいものを聴取しまして、またお答え申し上げたいと思います。
  21. 島本虎三

    島本委員 政務次官来ていますが、この道路をつける際に、習志野人たちは憤慨しているんです。これは少数の町会役員にだけ、形だけ工事報告を行っている。そして対象を、十四車線ではなく、当時の四車線のみを説明して了解を求めていた。いま、がらっと変わっているんです。それから、あの辺は、騒音だけじゃない、大気汚染に対する環境基準を全部合格してないです。不合格の地点です。そして、船橋の方面へ行って、住民に対しては、自然保護団体には説明は行わないと明言しているんです。なぜかといったら、全国的な前例になる、こういうことでいいんですかね、次官環境問題については判断する能力も権限もないから、環境庁か県の環境部へ行って聞きなさい、こういうように言っている。こういうようなことで工事だけやって国際条約にまで違反するような、この実態を醸し出してきた。それでいいんですか、次官
  22. 塚田徹

    塚田政府委員 ただいまの東京湾湾岸道路建設に際しましての問題点の御指摘でございますけれども、この幹線道路実施をするにつきましては、昭和四十七年の閣議了解の「各種公共事業に係る環境保全対策について」の趣旨にのっとって私ども実施をしておるわけでございます。特に、いま御指摘のございました地域の問題につきましても、十分に建設省としましても地元の皆様方の御了解をちょうだいできたということで仕事を実施したわけでございますが、いまのお話がそういうことでございますので、再度私どもの方も調査をいたしまして、御報告を申し上げたいと思います。
  23. 島本虎三

    島本委員 私はそれをやめてしまえというのじゃないのです。計画して決まっているならばやる、その計画について両立できるような計画があるのです。埋め立てしてしまって、そこをやって三分の一ほど削ったのだから、その上を架橋のようにしてやったら、あそこを通ったら景観もよくなるだろうし、完全な防音装置をやったならば、それだって埋め立てるよりベターじゃありませんか。そういうような方法を考えなさいということなんです。こういう工事計画をやるとしたならば、環境庁も必ずそれに対してどうなんだということで環境影響もきちっと追跡チェックしないとだめです。環境庁、姿勢がたるんでいる。  それから、これだけはすぐ調査して、建設省から私の方へ、文書並びに口頭でもいいですからきちっとした返答をもらいたい。その周辺はひどく荒らされています。下水がそこへ注入されるようになっています。あれは干がたとして保存すべくして、いま存在するんです。そこへ下水が流されている。これはどうしたことか。今度京葉道路とその間の谷津遊園地、あの周辺を干がたに向けてブルドーザーでまた埋めている。これはどういうことか。あそこは大蔵省の管理する土地のはずですが、これをよく調べてもらいたい。千がたが荒れほうだいに荒れている。びん、それからごみ、物のくず、それから木の切れ、大きい舟の切れのようなものも投げられてあるのです。こういうようなものが流れているのだけれども、そのままになっている。これはやはり市の方に言うが県の方に言って、それを取り除くために週に一回または二回、失対労務者でも派遣してそれを取り上げる、こういうようなことをしても、いま問題の雇用の創出になるじゃありませんか。こういうようなことさえもやろうと思えばできる。それもやらないで荒れっ放しにしている。  それから、後背地がありますが、後背地環境保全のために当然残しておくべきだと思います。計画は何か工業地帯だということも聞いて唖然としてきたのでありますが、果たしてこういうようなことでいいのかどうか、それも調べて、できるならばそれを残すようにしてやりたい。それから、これを実施するためには、今後住民の意向というものを尊重する態度、これだけは、調べる必要はないのですが、政務次官に心から要請しておきたい、こう思うのであります。  なお、これだけを要請して、後から調べた結果を報告してもらいたい。せっかくこういうような鳥が翼を休めている。そして、第四次鳥獣保護事業計画、その基準というものもできておりますけれども、その中にもきちんと干がたが入っている。国際条約批准または調印、こういうことをした中に、第三条目にはっきりこれが載っている。これは建設省も知らなかったでしょうけれども、これは知らぬというわけにいかぬ問題ではないかと思うのですが、その辺は十分今後を気をつけてもらいたい。いま言った点は十分調べてそして報告してもらいたい、こう思うのであります。こういうようなことは、私、余り二度、三度質問したくないのですが、最後に国際人である長官、これは国際条約それから国内の法律に基づいて、ああいうようなものに対しては設置法第四条によってきちっとあなたはチェックできますから、環境保全のために最大の努力を尽くす決意を伺いたい。
  24. 山田久就

    山田国務大臣 いま御指摘のような点、これは十分踏まえて、ひとつ対処したいと思います。
  25. 島本虎三

    島本委員 これで終わります。言葉だけでないようにお願いします。
  26. 久保等

    久保委員長 次に、大原亨君。
  27. 大原亨

    大原(亨)委員 本委員会におきまして、先般の瀬戸内海環境保全臨時措置法後継法に関する参考人からの意見聴取を受けまして、この問題にしぼりまして質問いたしたいと思います。  瀬戸内海環境保全臨時措置法の三年の期限を二年間延長いたしましたその期限が、本年の十一月初めに来るわけです。政府は全体として後継法を出すということを約束をしておるわけですが、いつまでにお出しになりますか。閣議了解事項等もあるわけです。  また、それに関連いたしまして、環境アセスメント法につきましても、前国会以来食言が続いているわけですが、これに対する提出見通しを最初にお答えいただきたい。
  28. 山田久就

    山田国務大臣 後継法の問題については、いま引き続き鋭意関係方面折衝を続けているわけでございます。まあ三月内と思っておりましたけれども、あと二日ぐらいでございまして、まだ調整のつかない部分がございます。したがって、もう少しおくれる見込みだと思います。  アセスメント法につきましては、これまた私、今回は時日を明言をしたわけではなかったのですけれども、しかしながら、事前評価というものがもたらす利益、またいろいろ住民意見というものについて一つのルールをつくるということのメリット、本来アセスメント法が持っているそういうメリットにもかんがみて、そしてまたこれができないでいる場合の、あそこここでの、いわば地方における処置というものが生ずる問題点などを考えて、何とかやりたいということで努力している現況でございます。いまのところいつまでということは、非常におしかりを受けるかもしれませんけれども現実の問題といたしまして、まだそれを申し上げる段階になっておりません。
  29. 大原亨

    大原(亨)委員 そこで、環境庁は最近非常に成績が悪い。何をやっているのだ。月末までには出したいと思っておったが出せない、少しおくれるというのは、具体的にはいつごろをめどに国会提出の準備をしておりますか。
  30. 山田久就

    山田国務大臣 これは目下事務当局で鋭意折衝をやらしておりまして、それらの判断から、できるだけ早くとは考えておりますけれども、まだいつということを申し上げ得る段階には、私としてはございません。現状では、しかしながら……(大原(亨)委員目標は」と呼ぶ)目標の点、どういうことになりますか、あるいは事務的な見通し等事務当局から答えさしてもあれでございますけれども、四月になってなるべく早いうちに決着をつけるようにということでやっている現在の状況でございます。
  31. 大原亨

    大原(亨)委員 この国会中絶対に出すのですね。
  32. 山田久就

    山田国務大臣 むろん出します。
  33. 大原亨

    大原(亨)委員 出しますと言いましても、この兄弟法アセスメント——兄弟法とは言わぬか、もう少し大きい範囲ですが。この法律には、附則の第一条において施行期日についての規定があるわけです。それから附則の第四条にはこの法律の失効の条項がある。「この法律は、施行の日から起算して五年を超えない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失う。」、後継法ができなかったならば十一月においてはこの法律はなくなるのですか。
  34. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 法文での関係でございますから、私から申し上げます。  ただいま先生からお話ございましたように、瀬戸内海環境保全臨時措置法附則第四条に失効の規定がございます。「五年を超えない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失う。」ということでございますので、後継法等が成立をいたしませんと臨時措置法はことしの十一月の初めに失効をするということになるわけでございます。したがいまして、先ほど来大臣が答弁を申し上げておりますように、法案につきましては現在、各省と調整を進めておるわけでございますけれども、まだ調整のつかない点が若干あるということで国会提案に至っていないということをはなはだ申しわけないと思いますけれども、こういう失効規定があるわけでございますので、後継法は必ず出すという考え方で事務当局としては積極的に取り組んでおるということでございます。  なお、若干おくれております点につきましては、実は、この現在の法律の第三条に基本計画の策定の規定がございます。これも法案の閣議決定の際にあわせて閣議決定をしたいということで、法案の検討とあわせてこの基本計画の策定の作業を取り進めておるということでございます。両方やっておりますので若干手間取っておりますが、必ず提案をしたいという考えでやっております。
  35. 大原亨

    大原(亨)委員 中身のりっぱな後継法を出すということが大切でありますが、もしこれが失効いたしますと、いままでCODを二分の一カットしたものなんかも全部パアになるのでしょう。いままでずっと努力をしましたことが全部だめ、法的な根拠がなくなってしまうのでしょう。どうなるのですか。もし万一のことを私は指摘をして言っておきます。いかがです。
  36. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 この法律が失効になりました際に、たとえばただいま先生からお話がございましたように、第四条の規定によりまして産業系排水にかかるCOD二分の一カットの措置の規定がございますが、この規定も失効になることは当然でございます。ただ、その際に、この規定に基づいて県が上乗せ条例を次々と強化してかけておるということでございまして、これが失効になったから上乗せ条例がすぐ廃止になるかということになれば、それは必ずしもイコールにはならないとは思いますが、カットせよというその規定そのものは失効になるということは当然でございます。その他、特定施設の設置の許可制の面とか、埋め立て関係の特別な配慮というような面等につきましても、この法律の失効ということでこの規定が適用にならぬということになろうかと思います。
  37. 大原亨

    大原(亨)委員 私の意見に対してお答えいただきたいのですが、後継法を作成する際に、本臨時措置法の「(瀬戸内海環境の保全に関する基本となるべき計画の策定)」、こういう括弧づきの第三条がある。   政府は、瀬戸内海が、わが国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとつて貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく亨受し、後代の国民に継承すべきものであることにかんがみ、瀬戸内海環境の保全上有効な施策の実施を推進するため、すみやかに、瀬戸内海の水質の保全、自然景観の保全等に関し、瀬戸内海環境の保全に関する基本となるべき計画を策定しなければならない。いま御答弁の基本計画の問題ですが、後継法においては、第三条は、やはり立法の趣旨から——当時三木環境庁長官が、たくさんいいことも悪いことも何もしなかったこともあるが、このことは議員イニシアチブによってやるべきである、議会のイニシアチブでまとめることではないか、全面的に協力したいということを言って積極的にやられたわけであります。これは私は、三木さんが残された一つの財産であると思いますね、田中の角さんのときでありますが。そういうことにいたしましても、第三条は立法の精神ですから、これは後継法の中にも生かしていく、第三条の基本計画の部分は変わるにいたしましても、生かしていくべきであると思うが、いかがです。
  38. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 現行法の第三条に基本計画の策定に関する規定があるわけでございます。後継法を現在検討いたしておりますが、その際におきましても、後継法でも、やはり基本計画の策定なり変更なり、またその辺の策定の手続等につきましても規定を織り込みたいということで、いわゆる引き継いでいきたい、こういう線で検討いたしております。
  39. 大原亨

    大原(亨)委員 御答弁がありましたように、後継法の中においては、基本計画をつくる、これが閣議決定になって出てくるので、法律との関係で、どういう関係か私わかりませんが、出てくる、こういうことであります。私どもは、基本計画と一緒に、かなり長期にわたる後継法ですから、臨時措置法ではありませんから、かなり長期にわたる事業計画を含む全体のスケールをやっぱりきちっとして出すべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょう。
  40. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 基本計画につきましては現在作業中でございますが、基本計画には、水質保全の目標なりあるいは自然環境の保全の目標なりというものを掲げまして、また、その目標を達成するためのいろんな施策がございますが、その辺の基本的な施策の方向というようなものを規定内容に盛り込んでいきたいということで考えております。  問題は、その基本計画という長期的な環境保全計画でございますが、このほかに別途具体的な事業計画というようなものを考えるべきではないかというお話でございますけれども、この環境保全のためのいろんな事業といいますものは種々雑多でございます。いろいろな事業がございます。しかも、物によりましては、たとえば下水道でございますれば下水整備五カ年計画という事業計画がございます。それから、廃棄物関係につきましては廃棄物処理施設整備五カ年計画というようなものがあるというようなことで、これらがそれぞれの法律によってそれぞれの所管省において策定をされておるというわけでございます。したがいまして、瀬戸内海法に基づきます基本計画というような面につきましては、この基本計画をただいま申し上げましたような事業計画に反映していくというようなことで十分目的は達せられるのではないか、かように考えておるわけでございます。  それからもう一つは、ただいまの下水整備計画にしろあるいは廃棄物処理施設整備計画にいたしましても、いわゆる全国ベースの計画として策定をいたされておるわけでございます。その際に、瀬戸内海というある特定の地域に限って長期にわたる事業計画というものを瀬戸内海地域分ということで明確に事業計画を組めるかどうか、この面も現実問題としてはなかなか困難な面もあるのではないかというようなことで、私たちといたしましてはむしろ、基本的計画というものは当然策定をいたしますが、事業計画というものは必ずしもその必要はないのではないか、かように思っております。  以上でございます。
  41. 大原亨

    大原(亨)委員 これは後で各論で質問いたしますが、これはついでに出ましたので、たとえば下水整備五カ年計画があるし、廃棄物の処理について五カ年計画があることは承知しております。しかし、瀬戸内海環境保全臨時措置法後継法本法におきましては、そういう計画に対して上乗せする、あるいは補助率を上げる、あるいは全体を見て傾斜配分をしていく、こういうふうなことで瀬戸内海全体の環境保全についての地域計画を策定するということが必要ではないか。あなたの御意見によりますと、基本計画を具体的に決めておくと、現在の一般的な整備計画に対して影響を与えるような、特別の措置をとり得るような中身を盛ることができるように聞こえる御意見でありますが、私が指摘をいたしました点についてはどういう見解を持っていますか。
  42. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 ただいま申し上げました下水整備五カ年計画あるいは廃棄物処理施設の五カ年計画といいますものが、いずれも第四次の五カ年計画ということで、五十一年度を初年度にしまして五十五年度までの計画に相なっておるわけでございます。他方、基本計画、いま策定作業をやっています基本計画といいますものは、非常に長期的な計画でございますが、いつまでという年限もないわけでございます。それで基本的な目標とそれに対する基本的な施策の方向というものを、瀬戸内海地域については環境保全上こうあるべきだという計画を立てたいということでございます。下水道の整備計画にしても、また第五次計画というのはいずれ策定の段階にもまいると思います。したがいまして、瀬戸内海のそういう面というものを全国ベースの計画の際も織り込みますとともに、ただいま先生からお話ございましたように、傾斜配分といいますか、そういう面等においても十分配慮されることを強く期待しておる、こういうことでございます。
  43. 大原亨

    大原(亨)委員 私どもの考えによりますと、基本計画においてそのようなことを決定できるかどうかという問題が一つあるわけですが、しかし、基本計画と事業計画を一体のものとして、事業計画でしたら、たとえば下水道の普及率が二五、六%程度ということになりますと、たとえば阪神地区が高いのを下げることはいけないわけですから、上げながら全国的な視野から見まして傾斜配分して、たとえば二十年なら二十年の間に事業計画の目的をこういうふうに達成するのだという目標をきちっと決めて瀬戸内海環境保全計画、開発計画を進めていくということをやるのが——きょうは各省皆来ておりますから、なかなか足を引っ張るんだろうと思いますが、しかし、そういうことをやるのが本後継法の具体的な中身ではないか、こういう点ですね。たとえば昭和三十年当時の瀬戸内海環境に復元をしていく、環境保全していく、そういう目標を決めて、二十年なら二十年のうちにはここまでいく、下水についてはどういうこと、あるいは廃棄物についてはどういうこと、そういう中身を具体的に決め得るような、そういう枠を決めることが後継法の仕事ではないかと私は思うのですが、いかがでしょう。
  44. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 ただいま先生から、昭和三十年、そういうような時代の原形に復するというようなことをめどにして二十年程度で下水道なら下水道をこうしていくというようなかっこう計画を考えるべきではないかというふうに伺ったわけでございますが、問題は、まずその三十年という話でございますけれども、この昭和三十年ころから現在までの間におきましては、いわゆる経済の高度成長時代というものを経て現在に至っておるわけでございます。したがいまして、瀬戸内海の沿岸並びに瀬戸内海の利用そのものにつきましても、社会経済的な背景というものは三十年当時と現在とでは大きく変わっておるわけでございます。したがいまして、そういう現状といいますか、状況を抜きにして現時点で三十年の環境状況というものに復元するということは、これは実際問題としてはきわめて困難な問題である、かように考えるわけでございます。  なお、これは水質保全の面だけに限って見るわけでございますが、三十年当時の水質の状況というのはどうかということにつきましては、これは資料が非常に乏しゅうございます。きわめて断片的な、部分的なものぐらいしかございません。したがいまして、三十年当時はこうであったというふうに瀬戸内海全体をとらえまして客観的、具体的につかまえるということはどうかということになりますと、これはつかまえておりません。他方、水質保全につきましては、これはもう先生御存じのように、公害対策基本法で環境基準の規定がございます。したがいまして、われわれといたしましては、この環境基準の達成維持というものが行政の努力目標、このように理解をいたしておりますので、これの維持達成のために各般の施策を講じていきたい、こう思っておるわけでございます。  それからもう一つは、二十年ぐらいでというお話がございますが、環境保全という角度で物を考えますと、先ほども申し上げましたように、下水道というのも環境保全面の大きな施策でございますけれども、各般の施策があるわけでございます。したがいまして、これを一律に二十年でというような計画というのは環境保全問題という角度からいたしますときわめてなじみにくいのではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、それぞれ、下水道は建設省の所管ということで下水道の計画を立てておられますが、そういう物の計画計画として、この瀬戸内海法に基づきます基本計画の基本的施策の方向というものを念頭に置いて今後第五次の計画を策定するなり、その際に瀬戸内海にどう傾斜配分していくかということも十分所管省において配慮をしていただくということではなかろうか、かように考えるわけでございます。
  45. 大原亨

    大原(亨)委員 これは後ですぐ議論いたしますが、私が指摘をしている点は、つまり第三条ですね。第三条の精神に基づいて、瀬戸内海環境保全というのは、当面は一番大きいのは水質ですけれども、それをきれいにしようと思えば周辺の産業立地その他、全部影響があるということですね。だから事業の中に、たとえば、そういう下水道とか廃棄物の処理だけではなしに、まあ二次汚染という問題はありますが、しかし起こさないようにして、清掃とかしゅんせつとか、あるいは人工海浜をつくるとか藻場をつくるとか、各省にまたがることで瀬戸内海全体をよみがえらせて、つまりヘドロの海にするのか、あるいはだんだんよくしていくのか、人間が住めるような、魚がすめるような、観光の資源として、水産の資源として、二百海里時代に対応するそういう資源として、自浄能力を高めていくような総合的な基本計画と事業計画が必要ではないか、こういうことを総合的にやっていくのが後継法ではないか。そういう際には、それは事業の計画については、一定の年度を目標として、第三条の趣旨が貫徹できるようにすることが後継法の大きな仕事ではないか、こういう点を概括的に指摘をしておるわけです。その点について所見があればひとつお答えいただきたい。
  46. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 基本計画につきましては、先ほど来お答え申し上げておりますように、基本計画そのものは、水質保全なりあるいは自然環境の保全なりの目標を明示しまして、これに対しまして各般の施策を講じていく際の基本的な施策の方向というものを盛り込みたい、こう思っておりまして、事業計画というようなものとはやや趣を異にする姿を想定をいたしておるわけでございます。  なお、ただいまのお話で、環境容量というものを高めていくといいますか、環境容量に即した形でいろいろな施策を展開すべきじゃないかということでございますが、環境容量というものの概念、あるいは抽象的にはこういうものだ、環境が許容し得る限度というか、そういうものだというようなことがありましても、具体的に、それならばそれは数量的にあるいは数字的にどういうものかというものは簡単には、これは権威を持ったものとして算定がむずかしいという問題もございます。  水質保全行政におきましては、先ほども申し上げましたように、公害対策基本法に基づきます環境基準というものがございますので、これの当てはめというものもやってまいっております。したがいまして、水質保全という角度からは、この環境基準の維持達成を図っていくというのが行政目標でございまして、そのための各般の施策を講じているということでございます。
  47. 大原亨

    大原(亨)委員 環境容量を数量的に測定できない、数字的に表現できない、目標とするのにはむずかしい、こういう議論ですが、ですから別の観点でアプローチする、こういうことだと思うのですね。  そこで、経済企画庁はきょうは来ていないわけですが、経済企画庁がつくりました「昭和五十年代前期経済計画」というのがここにありますね。それから一年おくれまして五十二年十一月につくりました「第三次全国総合開発計画」というのがここにあります。それで、これは国土庁が主管ですが、土地利用計画。この間、経団連からも参考人が見えまして、非常な大きなシェアを、鉄鋼でも石油でも五〇%あるいは三十数%というシェアを持っている。したがって高度成長後の産業立地の現実状況を踏まえて保全法をつくってもらいたいという率直な御意見があったわけですけれども、経済企画庁の五十年代の前期のやつには地域的な計画はありませんけれども、全体のフレームワークでありますが、しかし国土庁の方は、瀬戸内海等についても一定の国土、いわゆる定住圏構想に基づく全国総合開発計画についての方向を出しているわけであります。  この四十九ページに「内海及び閉鎖性内湾」といたしまして、   内海及び閉鎖性内湾域は、海水の交換が限られており、汚染に対して最もその影響を受けやすい海湾域である。このため、湾の大きさ、河川の流入状況海水交換量等海湾域の容量に対応した保全と利用を図るとともに、東京湾、大阪湾等自然性の喪失及び水質汚濁等の進んだ海湾域においては、渚の回復、汚泥の浚渫、下水の高次処理を含めた汚濁の防止等の環境回復を積極的に推進する必要がある。また、これらの海湾域は、遠浅の海岸が多く、鳥類の生息等自然環境保全上重要で、かつ、水産資源の保護・育成上重要な干潟、砂浜を有しているとともに、水産資源の面からも重要な海湾域が多く、これらの保全と利用が重要な課題である。更に、都市的土地利用が集中し、高密度の人口を抱え、かつ、高潮、地盤沈下及び地震の被害を受けやすい海湾域が多いので、沿岸防災対策を十分に図る必要がある。特に、利用の限界に近づいている東京湾瀬戸内海については、埋立地造成を含め新たな開発を必要最小限に抑制し、既利用空間の再開発、海湾域及び狭水道の安全確保、環境保全対策の推進等によって海湾域の機能の十分な発現と良好な都市的空間の創出を図る。こういうふうに書いておるわけですね。  国土庁にお答えいただきたいわけですが、経済企画庁は、これは非常に抽象的ですから、その地域開発計画はないですから、国土庁がそういう点を国土利用計画からやっているというふうに考えられておりますが、国土庁はそういう観点でこの仕事、作業を進めていく際に、瀬戸内海の、他の閉鎖的な広大な地域よりもまだユニークなあるいは臨時措置法を持っておる、そういうところに対して、三全総からどのように——十分の内容ではありませんけれども、この政策を進めていく、アプローチをするやり方について積極的な見解を持つべきであると私は思うけれども、この点についての見解をお聞きいたします。
  48. 星野進保

    ○星野説明員 御説明申し上げます。  いま先生がお読みいただきました個所がまさに私どもの考え方でございますが、基本的には、私どもの国土開発計画から言いますと、いわゆる過密過疎の問題をどうやって解消していくかというのが基本命題でございまして、そういう意味で、ここにございましたように、いわゆる瀬戸内海であるとか東京湾であるとかあるいはその他の過密地域につきましては、極力、いろいろな産業活動それから人口の集中、そういうものを抑制しながら、片一方では、地方のまだ余地があるところでいろいろと振興いたしまして、全体として国土が均衡あるような発展をするようにすべきであるというのが基本精神でございまして、私ども、全体としまして、この第三次全国総合開発計画ではそのようなトーンで貫いておるわけであります。
  49. 大原亨

    大原(亨)委員 そういう瀬戸内海環境保全臨時措置法後継法を、瀬戸内海のそういう特殊な地域における環境保全を念頭に置きながらやるのだということについて足を引っ張る官庁があるのですか。ブレーキをかけている官庁がありますか。  ちょっと通産省、通産省はどういうふうに考えていますか。
  50. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いま国土庁からお話がありました三全総の考え方については、通産省は大賛成でございます。あの三全総の中には、その後の部分に工業再配置の構想というのが載っております。これにつきましては、ちょうど昨年の八月に通産省自体も工業再配置計画というのをつくりまして、その計画を実は三全総に織り込んでいただいたわけでございますが、その基本的な考え方は、東京湾とか伊勢湾とかそれから瀬戸内海というふうな、現在工業が相当過密しております地域については、ことに基幹資源的な産業、鉄鋼とか石油精製、石油化学というようなものについては、今後原則として瀬戸内にはもう新規の立地はさせないような誘導をしていくという考えを持っております。したがいまして、今後の必要なそういう基幹資源は別途の地域に立地をさせて誘導していくということで考えておりますので、この瀬戸内海沿岸における産業立地の考え方については、国土庁の三全総と全く同じ考えでございます。
  51. 大原亨

    大原(亨)委員 だから、経団連の参考人の方は率直な意見を言ったわけですが、しかし、実際上は、低成長下における新しい産業構造のビジョン、これを立てなければいかぬわけです。いま、特定不況産業の法律案を審議するときに当たって、それがないことが問題になっておる。つまり、省資源とか省エネルギーとか環境保全ということを目標にするんだということを産業立地で繰り返し書いてある。特に瀬戸内海等のようなところでは強調しておるわけです。  しからば、そういう前提で、どういう産業をここで立地させていくのか。たとえば日本鋼管その他でも六割から七割ぐらいしか動いていないわけでしょう。つまり、浅瀬をずっと安いコストで埋め立ててコンビナートをつくってやったのが日本の高度成長ではものすごいウエートを占めておるけれども、新しい産業構造はどうあるべきかということは、こういう環境問題から議論をして全体の意識統一をしなければ、政府全体の歩調がそろって後継法ができるということにならぬ。あらゆる観点で、直接の目先の業者の利益だけを主張して足を引っ張るということになっては相ならぬ。私は、そういうことが環境保全法を積極的に熱意のない山田長官が出せない理由ではないかと思うわけですね。ですから、きょうは各省に議論していただこうということで来ていただいたわけですが、経済企画庁の五十年代の前期の計画、それから国土庁の定住圏構想、三全総、そういうものを受けて、各省庁が、建設省建設省、通産省は通産省でこのことを実行するわけでしょう。それに皆反対していったら何も目標は達成できませんから。そういう観点で新しい瀬戸内海の産業のビジョン、どういう産業をここで定着させていくか、こういう問題について通産省は意見がありますか。
  52. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いまおっしゃいましたように、現在の瀬戸内海沿岸における基幹産業のウエートというのは比較的高い現状にございます。たとえば鉄鋼でございますと、能力のベースでございますが、日本全国のうちの六割強が瀬戸内海沿岸にあるというふうになっておりますし、石油精製でも大体三六、七%ということになっております。したがいまして、現在ではウエートが高いわけでございますが、先ほど申しましたように、今後の日本の経済の発展を図っていく場合においては、基幹資源型の立地は他に求めるということにいたしまして、むしろ日本全体の均衡のとれた発展というものを考えるということでございます。したがいまして、瀬戸内に今後の産業の発展を図るにしても、基幹資源型というようなものではなくて、もっと高度化した産業、また、おっしゃるように、環境に負荷を与えないような産業というものを考えていくということを考えまして、いま各通産局地域ごとにそういう新しい観点での産業構造ビジョンというものを策定しております。  したがいまして、そういうものをいまのような観点でまとめていきたいと思いますが、将来を予測いたしますと、瀬戸内海沿岸地域の主要産業の全国シェアにつきましては、むしろ基幹資源型の産業を中心にシェアが減少していくというふうにわれわれは考えておりますので、この地域での鉄鋼とか化学というのは比重は減少し、機械等のようなものが比重がある程度高まるというふうな形で持っていきたいというふうに現在考えておりますが、いずれ詳細は、先ほど申しました通産局別の産業構造ビジョンをだんだん固めていきたいということで考えております。
  53. 大原亨

    大原(亨)委員 そういう総論、そういう基本方針を統一をして具体的に後継法を考えていく際には、私はそれほど大きな障害はないのではないか。問題は建設省。つまり縦割り行政ですから、全体の計画が立たないわけです。環境保全という横割りの全体の計画がなかなか、環境庁長官以下全部が熱意と力がなければいかぬわけだ、それでなければまとまりはしないわけだ。それでやる能力がなければ、議会がイニシアをとって実際やらなければいかぬ、林さんがそこにいるけれども。こういうものはやらなければできないわけだ、みんなで足を引っ張り合ってできやしない、こんなことは。  基本計画や事業計画の中で、後継法の長期計画の中で、たとえば埋め立てが問題になるわけです。埋め立ては、アセスメント法がなくとも、公有水面の埋め立て法のアセスメントを適用することに臨時措置法でなったわけです。しかし、アセスメント法をつくらなければいかぬわけですが、たとえば建設省関係の深いことで挙げてみますと、下水道の整備に関する事業もあるし、いままで議論いたしました廃棄物の処理についての五カ年計画もあるわけですね。清掃とかしゅんせつをやることになれば、建設省の事業か、あるいは運輸省の事業であるということになりますね。それから産業の汚水や廃棄物の処理施設についても、建設省と厚生省の共管になりますね。たとえば人工海浜をつくるということになると、直接水産には関係ない。しかし、藻場をつくるということになると、これは水産、農林省に関係があるということになりますね。しかし、人工海浜というものは自浄能力を増大をするし、あるいは観光資源や海水浴場にもなるし、あるいは魚介類等もあるわけですから、魚の産卵場にもなるわけです。それを全部つぶしてしまったわけですから、そういう総合計画を立てなければ瀬戸内海は全体として復元されないのではないか。建設省関係することだけをちょっと挙げてみましても、海ですから運輸省にも関係ありますが、いろいろな事業は全部建設省関係あるわけですね。そういう事業について、環境保全について積極的に協力し、瀬戸内海全体をよみがえらしていくという、そういう公共事業の分野において、先ほど申し上げましたけれども、補助率の引き上げとか、あるいは予算の傾斜配分とか、そういうことを含めて、特別に総合計画を立てる際に反対とか賛成とかという意見については、建設省はどういう見解を持っておるかお答えいただきたい。
  54. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 具体的な事業計画あるいはその事業執行に当たっての補助率等についての御質問でございますが、実は、それについてはまだ具体的な話として出ておりませんので、検討しておりません。しかしながら、建設省といたしましても、瀬戸内海の水質保全等を図るための法制といったものが必要である、環境をよくしていくということについて協力していくという気持ちは十分ございます。そういった基本的な立場に立ちまして、環境庁の現在の案につきまして、鋭意調整を図っているところでございます。
  55. 大原亨

    大原(亨)委員 時間も限られておりますから、具体的な問題で大きな問題を申し上げるのですが、瀬戸内海では、赤潮の発生原因についてきちっとわかったわけではないが、しかし大まかにはわかっておるはずである。環境庁も農林省もわかっているはずであるが、赤潮の対策で、赤潮の原因の究明がまだできていないということを含めて総合対策をやっていくわけですが、この問題についてはなかなか責任官庁がはっきりしない。どこが中心となって、これからどのような赤潮対策を進める具体的な政策を後継法の中で具体化していくのであるかという点につきまして、これは赤潮は瀬戸内海の漁業、水産業と関係ありますから、農林省と環境庁からお答えいただきたいと思います。
  56. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 赤潮につきましては、ただいま先生からお話しございましたように、窒素、燐等の栄養塩類の集積というものが一つの要因になりまして、さらにこれに気象、海象等の自然現象等が加味されまして赤潮生物の異常発生ということが起きるわけでございます。この赤潮の発生のメカニズムの解明という問題につきましてはまだ解明をされておらないというのが現状でございまして、はなはだその点は遺憾なわけでございます。  ただ、この赤潮のメカニズムの解明という問題につきましてどこが中心になって取り進めていくかという面につきましては、これは赤潮そのものの発生がハマチの養殖に対する被害というようなものが典型的に出るわけでございますが、単にそういう養殖漁業に対する被害のみならず、海水浴場等におきましても赤潮の発生によりまして遊泳禁止の日が続くというような事態もございますし、あるいは大阪湾等におきましては赤潮が死滅をいたします際の悪臭、これに住民が悩まされるというような現象もございまして、生活環境に対する被害といいますものが非常に広範にございます。したがいまして、そういう面からいたしまして、環境庁が相当中心になってこの問題に取り組んでいくべきだと思っております。  ただ問題は、この被害が非常に多面的に出ておりますけれども、やはり金額的あるいは生業に与える影響という面からいたしますと、養殖漁業に対する被害といいますものが非常に大きいというようなことで、水産庁といたしましてもこれは漁業被害の防止という角度で前向きに取り組んでいくという姿勢にあるわけでございますので、環境庁と水産庁と共同いたしまして、たとえば昨年の八月末に播磨灘で発生しました大規模赤潮、ホルネリア属の赤潮が出ましたが、こういう問題につきましても、水産庁ともども赤潮研究会というものを開催することにしまして、南西海区水研の村上先生等々をメンバーにいたしましてプロジェクトチームを組んで、この面の解明等に当たってもらっておるということでございまして、今後とも、こういう面は水産庁とタイアップしながら、環境庁が前向きにこの解明に取り組んでいきたい、かように考えております。
  57. 大原亨

    大原(亨)委員 農林省、水産庁の答弁はちょっと後でいいから。  赤潮は瀬戸内海の水産被害になるわけですから、水産庁も取り組んでおるし、たとえば参考人として見えました水産庁の村上参考人の御意見ですが、問題は、われわれは制度として環境保全についての研究開発をどうするかということを後継法でどう位置づけるかということがあると思うのです。それで各省ばらばらではしょうがないわけですから、そこで、前の臨時措置法をつくるときにも議論があったわけですけれども、村上参考人の一つの提案としては、後で議事録を調べてみますと、やはり強力なプロジェクトをつくる、たとえば赤潮でしたら赤潮という一つのテーマについてプロジェクトをつくっていく、そしてその年でなしに、組織的であるだけでなしに継続的なそういう原因と対策についてのチームをつくっていって、やはりきちっと環境庁なら環境庁が中心となって、この原因の究明と対策について完結するという構えがなければいけない、こういう提案であると私は思っておりますが、後継法においてはそういう点について考えるのかどうか。
  58. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 後継法の法文の問題といたしましては、この赤潮のメカニズムの解明というような問題を織り込みたいと思っております。ただ問題は、これは法律の文章でございますから、簡単な表現になろうかと思います。しかし織り込みたいと思っております。  なお具体的に、それでは村上参考人が申し上げましたようなプロジェクトチームを組んで継続的に原因と対策等に取り組んでいくという具体的な問題につきましては、ただいまも申し上げましたように赤潮研究会というものを組織しまして、これには村上参考人もメンバーとして入っていただいておりますし、香川大学の岡市先生なり、その他瀬戸内海沿岸各県に水産試験場がございますから、その面の赤潮研究者なり、とにかく赤潮研究の第一線におられて非常に詳しい方は相当このメンバーにお入りいただいて取り組んでいただいておるわけでございます。今後、これが研究会でいろいろまた詰めていきまして、いろいろなテーマが出てまいりますれば、これもさらに取り組むという形で、このプロジェクトチームというものを伸ばしていきたい、こういうことで、現在環境庁が中心になって考えておるということでございます。
  59. 大原亨

    大原(亨)委員 伸ばしていく気持ちはわかるのだけれども、それはつまり、いままでは赤潮が来て、赤潮が出たというふうなときにばっとやるだけであった。そうでなしに、継続的に強力に制度としてやるべきじゃないか。つまり環境容量についての研究ということも、やはり瀬戸内海東京湾や伊勢湾と違うわけだ。環境問題はそういう特殊性を持った、具体性を持ったものだから、瀬戸内海環境容量という観点で政策をどうするかということを研究する。その一つとして赤潮についてもう少し、問題が起きたときにすぐプロジェクトを組んで、そこでぱっと調査報告があったら終わりというのではだめじゃないか、こういう提案だと私は思うのですよ。後継法ではそういう研究体制を、長官、きちっと考えなければだめじゃないかと言っているわけです。いかがです。
  60. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 村上参考人意見開陳、私も伺いましたが、結局、何といいますか、大規模赤潮が発生した、さあそれではということで場当たり的な角度で取り組むというようなことでなしに、むしろしっかりしたプロジェクトチームをつくって、継続的にこの解明に当たるべきではないかという趣旨の御発言かと思います。  私たちといたしましても、昨年の八月末にできた赤潮を契機にして赤潮研究会をつくったことは事実でございますけれども、しかしこれが、この赤潮研究会がいまやっておりますテーマが終わればそれですぐちょんである、もう終了である、解散するというようなことでなしに、研究会でやっていきます過程においていろいろ問題が出てまいります、テーマも出てまいります、したがいまして、そういう問題なりテーマというものをさらに追求し得るような、そういうことでこのプロジェクトチームというものを生かしていきたい、継続していきたい、こういうことを申し上げているわけでございます。
  61. 大原亨

    大原(亨)委員 時間が大分過ぎました。それで、水質汚濁防止法で総量規制をやるというのですが、ただし赤潮対策のときにも議論になるわけだけれども、CODをいままでどおりにカットしただけではだめだ、そのカットをもう少し強めていくのかどうかということが一つある。  もう一つは窒素と燐の問題で、燐を排除していくためには、燐の被害を防除していくためには、たとえば洗剤の議論が参考人からも出ておる。洗剤、これは通産省。一二%を、燐をさらにカットすることはできないのか。つまり洗剤は工業用も個人用も物すごく使っているわけですから、これがやはり大きな高度成長の中における赤潮の原因であるということは、紛れもない一つの原因ですから、だから、発生源で物質で規制をする方法と、出たものをどう処理するかという二つの方法があるわけでしょう。この二つの方法についてきちっとした方針を立てなければだめじゃないか。通産省は、洗剤の燐の一二%カット、それをさらに強化をするということについて、技術上の指導をどういうふうにするのかどうかということを簡潔に答弁してもらいたいということと、それから終末処理の場合における燐の排除について、後継法ではどういう構想を持って、環境容量と全体の浄化を考えておるのかという点を、建設省か厚生省か、どっちかその分担の方でひとつ簡潔に答えてもらいたい。
  62. 平河喜美男

    ○平河説明員 洗剤中の燐の削減につきましては、従来から行政指導をしてきておりまして、昭和四十九年度の十二・八万トンから、五十二年度には六・五万トンまで減少してきております。  ただいま先生の御指摘の、今後とも減少できるかというお話でございますけれども、なお引き続きこの減少を指導してまいる所存でございます。その中身としましては、従来使っておりますトリポリ燐酸ソーダの使用減とともに、代替品の開発といったようなものも並行して指導してまいる所存でございます。
  63. 森下忠幸

    ○森下説明員 下水道終末処理場の維持管理につきましては、厚生省も建設省と一緒にやっておりますので、私の知っている限りのことをお答え申し上げますけれども、三次処理的な高度凝集沈でんとか、砂ろ過とか、あるいは活性炭吸着というようなものをつければ、いまの下水道の終末処理場でも除去できますけれども、それに伴いまして建設費が当然かかります。それと同時に、維持管理のための薬品費とか人件費がたくさんかかりますものですから、そういったものを含めて全体的にどうするかということについて考えなければならぬ。直ちに下水道終末処理場にそういうものをつけるというふうなことについては、私ども建設省から伺っている範囲では、直ちには困難であろうというふうなことを聞いております。これは、私どもの所管をちょっと離れますけれども、事実関係ということでお答えいたしました。
  64. 大原亨

    大原(亨)委員 時間が来ましたから、委員長に協力いたしまして終わりますが、最後に、長官、あなたは各省庁が足を引っ張るんだ、それをやはり推進するのは長官ですよ。長官がやる気を起こさなきゃだめですよ。働く内閣、やる気の内閣というようなことを言うが、全然だめじゃないですか、あなた。これはしっかりしてくださいよ。三木長官のときは、あの人は要領のいい人だったけれども、このことについては推進力でやったですよ。だから議員立法でまとまったんですよ。議員立法でまとまったということは、各省庁事務レベルの話をしておったら、いまここで議論させてみると、余り変わっておらぬことを言っておる。言っておるけれども、個々にやると、あれはどうの、これはどうのと言って足を引っ張るわけだ。だからあなたは、やはり議会人でもあるわけですから、各省をまとめる、そういう力があるかないか、熱意があるかないか。できなかったら議会の協力を求めるとか、そういうことをきちっとして、けじめをつけてもらいたい。そうしないと、漫然とやると後へ問題が残るのではないか、取り返しのつかない問題が起こるのではないか。  それから屎尿の海洋投棄とかその他いっぱいあるわけですが、これはさらに、計画ができないことと、保全法が早くできないことについて、私ももう少し分析をし、究明をして勉強をして、また別の機会にこの点をさらに質問を継続をしていくということを宣言をしておきます。いいですか。長官、ひとつ最後に決意を述べてください。
  65. 山田久就

    山田国務大臣 議員立法でできております瀬戸内海法、私は、これはそれなりの非常な歴史と意義を持っておると思います。したがって、その趣旨にのっとって、これをぜひひとつ実現するようにということで、非常な熱意を持ってやっておるのです。いま時間を要しておりますけれども、同じような答えをおっしゃるといいますけれども、まだそれは時間がたっていなくて、それぞれ非常な熱意を持ってやっているので、細かいことを一々ここでは申し上げませんけれども、必ずそれを実行に移して、精神を生かしてやっていこうと思えばこそ、私は非常に説得もし、時間もかかっておるけれども、やっておるのです。どうかこの点をひとつ御理解をいただきたいと思います。
  66. 大原亨

    大原(亨)委員 終わります。
  67. 久保等

    久保委員長 次に、古寺宏君。
  68. 古寺宏

    ○古寺委員 京都府の舞鶴湾に毎年のように赤潮が発生いたしまして、最近は悪性化の傾向にあるわけでございますが、環境庁は、この舞鶴湾の赤潮について調査をいたしておりますか。
  69. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 舞鶴湾の赤潮につきまして、環境庁が直接調査をしておるかというお尋ねでございますが、環境庁は水濁法等に基づきまして、県の方にいろいろな測定等のことをお願いをいたしております。したがいまして、この舞鶴湾につきましては、京都府が中心になりまして調査はやっております。舞鶴湾の赤潮の発生状況につきましては、主として舞鶴湾の東湾におきまして断続的に発生をしております。しかも、漁業被害というものが出ておりますのが、昭和五十年の五月と、それから五十一年の九月に漁業被害が発生しておる、かような報告を県の方から受けております。
  70. 古寺宏

    ○古寺委員 環境庁としては、この赤潮対策についてはどういうことを考えておりますか。
  71. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 舞鶴湾で赤潮が発生しておるということでございますが、その要因としては、やはり栄養塩類であります燐なり窒素なり、これの濃度が高くなって、いわゆる富栄養化が進行をしておるということに帰するわけでございますが、それであれば、なぜそのような富栄養化が進行をしたのか、その汚染要因は何かということに相なるわけでございますけれども、府等の方からわれわれが聞いております面におきましては、何といいましても生活排水、これが主な発生源、かように理解をいたしております。したがいまして、今後、この燐、窒素等の栄養塩類の削減ということをいたします際には、相手が生活排水でございますので、やはり下水道の整備というのが中心になりましょうし、さらに、先ほどもお話が出ましたような家庭雑排水に入っておりますいわゆる合成洗剤の燐分というのもございますから、こういうものは国ベースにおきまして、さらに通産省等の協力を得て、この面の削減というようなことが必要であろうかと思います。そういう面で関係の向きとも十分連絡をとりながら、ただいまのような措置が進むように環境庁としては心がけたい、かように考えております。
  72. 古寺宏

    ○古寺委員 水質の汚濁の進行状況はどうでございましょう。
  73. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 水質汚濁と言います際に、有機汚濁の代表的なものとしては、海域につきましてはCODというのがメルクマールに使われておるわけでございます。それでこのCODを見ますと、湾口部の地域ではこれは環境基準を達成をいたしております。湾奥部の方におきましては、西湾、東湾とございますけれども、東湾の水質の汚濁が著しくなっておりまして、湾奥部の東湾につきましては環境基準は達成しておらない、遺憾ながらそういう状況に相なっております。
  74. 古寺宏

    ○古寺委員 海底の底質の調査は行っておりますか。
  75. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 特に底質の調査はやっておりません。
  76. 古寺宏

    ○古寺委員 底質の調査は必要だと思いますが、今後やるお考えをお持ちでしょうか。
  77. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 この面につきましては、京都府なり舞鶴市等ともその必要の有無等十分詰めてみたいと思っております。
  78. 古寺宏

    ○古寺委員 次は水産庁にお尋ねをいたしますが、漁業被害はどのくらいの内容になっておりますか。
  79. 伊賀原弥一郎

    ○伊賀原説明員 お答え申し上げます。  最近では五十年の五月と五十一年の九月に赤潮が発生いたしまして、ハマチが死んでおります。額としては出ておりませんが、五十年の五月に起こりました赤潮ではハマチが千八百尾死亡したということが出ております。それから、五十一年の九月につきましてはハマチが約二万尾斃死をしたというぐあいに報告が出ております。
  80. 古寺宏

    ○古寺委員 カキとかトリガイとかマルゴとか、いろんな他の被害もあるようですが、その点はどうですか。
  81. 伊賀原弥一郎

    ○伊賀原説明員 舞鶴湾につきましては、御承知のように非常に閉鎖的な海域でございまして、さらに港湾として非常に使われているという実態がございまして、昔は相当の漁業が行われていたわけでございますが、最近につきましては量的にも大分減っております。  それでお話がありましたトリガイとかそういうものについての被害につきましては、一応そういうのがあるんじゃないかという話はあるのでございますが、数字的には把握されておりません。
  82. 古寺宏

    ○古寺委員 数字的に把握してないというのはおかしいですね。私が持っているこの資料には、五十一年の資料だけでございますけれども、ハマチは三万四百八十一尾、マルゴが五百十三尾、ブリが二百二十八尾、カキが三百六十キログラム、こういうふうに載っておるのですが、水産庁ではこれ把握してないのですか。
  83. 伊賀原弥一郎

    ○伊賀原説明員 府等に照会いたしました結果、私が先ほど申し上げたようなことでございまして、数字の報告がなかったということでございます。
  84. 古寺宏

    ○古寺委員 二百海里の問題もありまして、沿岸漁業の振興ということがこれからの非常に大事な問題になっているわけですが、水産庁が正確な数字を把握していないというのはおかしいと私は思うのです。ひとつ数値を正確に把握をして、今後の沿岸漁業の振興対策というものを考えていただきたいと思うのです。こういうふうに赤潮が年々悪性化して発生しております舞鶴湾の沿岸漁業の振興策として、水産庁はどういう方策をお考えですか。
  85. 伊賀原弥一郎

    ○伊賀原説明員 増養殖を含めました沿岸漁業の振興につきましては、水産庁といたしましては、沿岸漁業構造改善事業というものと沿岸漁場整備開発事業、こうした大きな事業を中心にいたしまして振興を図っていくというのが基本になっております。舞鶴湾を含む地域、これは京都の地域ということでございますけれども、これにつきましては、第二次沿岸漁業構造改善事業を昭和五十一年から五十三年まで実施することにいたしております。その後は補足整備事業というものに取り組むというスケジュールになっておるわけでございますが、現在のところ、舞鶴湾につきましては事業を実施しておりません。今後、地元から要望等がございましたら、補足整備事業の中で実現するように検討していきたいというぐあいに考えております。なお、舞鶴湾の外につきましては、沿岸漁場整備開発事業だとかで漁礁等を設置するとか、漁船漁業の振興とか、そういうような事業を図っているところでございます。
  86. 古寺宏

    ○古寺委員 水産庁として赤潮対策というのはどういうことをお考えになっておりますか。
  87. 伊賀原弥一郎

    ○伊賀原説明員 全国の小湾等におきまして、ところどころで赤潮等の発生するようなことが出ております。舞鶴湾も一つの例でございますけれども、これはやはり話がありましたように、生活排水とか工場排水とかいろんな関係で富栄養化されてきたというのが基本になっておると思うのでございますが、水産庁といたしましては、赤潮というものを富栄養の一つの現象としてとらまえまして、もちろん赤潮を中心でございますけれども、富栄養自体を研究もし、いろんな形で事業で解決をしていくというようなことを考えております。この赤潮関係全体につきましては、一番発生が起こり、かついろんな形の被害が出てまいりますのは瀬戸内海とかそういう地域でございますので、まず瀬戸内海だとか九州の西部の地域というのを中心にいたしまして情報の交換事業だとか、予察事業だとか、発生機構の解明とか、そういうのをいろんな事業なり研究を進めております。こうした研究を進めることによりましていろんな知見とかそれからいわゆる技術というのが出てまいりますけれども、こうした知見とか技術というものを小湾の方にも応用していろんな問題の解決に当たっていくという考え方を基本的に持っております。京都の舞鶴湾につきましては、今後、地元府と緊密に連携をとりまして、その事態に対応した考え方をとっていきたいというぐあいに考えております。
  88. 古寺宏

    ○古寺委員 いままでの答弁を総合いたしますと、生活排水が富栄養化の元凶であるように思うわけでございますが、この点について、建設省下水計画をお伺いしたいと思います。
  89. 井前勝人

    ○井前説明員 舞鶴市におきます下水道の計画につきましては、現在舞鶴市の行政人口が約九万八千人おりますけれども昭和五十一年度末の下水道の普及率はわずかに七万でございます。現在実施されておりますのは東舞鶴地区でございまして、西舞鶴地区についてはまだ計画が立てられておりません。東舞鶴地区につきましては、昭和三十三年から下水道の整備にかかっておりますけれども、ただいま申し上げましたように、まだ行政人口に対する普及率は七%と非常に低い状況でございますので、ただいま御指摘のように生活排水が富栄養化の一つの要因というふうにも考えられますので、私どもとしては、さらにこの舞鶴市の公共下水道の整備を促進していかなければ根本的な対応にはならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  90. 古寺宏

    ○古寺委員 東舞鶴湾の下水道の終末処理場の放水が非常に汚れておるということで、再三市議会でも問題になっているようでございますが、その原因は一体何でございますか。
  91. 井前勝人

    ○井前説明員 現在できております東舞鶴地区の下水の処理の方法は、いわゆる沈でん放流処理、中級処理、それから通常の活性汚泥法で言う高級処理と三つございますけれども、ここの場合はその真ん中の中級処理でございまして、放流水質も六〇ppmというふうになっておるわけでございます。しかしながら、いまのような水質汚染の状況を考えますと、この中級程度の処理ではやはりむずかしいということで、これを通常の活性汚泥法処理に変えるべく、計画変更につきまして現在、市とともに指導中でございます。
  92. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと、現在はこの第四次の下水整備五カ年計画でやっているのですが、この五カ年計画が終わった時点では大体何%ぐらいの普及率になるのですか。
  93. 井前勝人

    ○井前説明員 この計画の中身の詰まり方にもよりますけれども、あと五十三年、四年、五年と三年しかありませんので、大幅な普及率のアップはいまのところ望めないかと思いますけれども、一〇%前後の普及率ではなかろうかというふうに推定いたしております。
  94. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと、赤潮はだんだん悪性化してきますね。もう死の海になるということは観念しなければならぬわけですか、どうなんでしょう。  下水道の整備以外には方法がないわけですから、これから整備を進めても第四次五カ年整備計画が終わっても一〇%程度である。しかも現在の終末処理場は欠陥処理場であって、だんだん汚染が進行していきますとこれは死の海になるということですが、そういうふうにしか考えられないわけですか。
  95. 井前勝人

    ○井前説明員 私どもとしては、このままということでは富栄養化の問題に対応できませんので、通常のペースでございますとその程度の普及率しか望めないかと思いますけれども、東舞鶴地区の処理の方法を早く変更いたしまして実施する、同時に無計画の西舞鶴地区につきましても計画を早く立てまして、五カ年計画の中でも、一〇%と申しましたけれども、なおそれで満足しているわけでは決してございませんで、そういう体制の整い次第、大いに促進していかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。
  96. 古寺宏

    ○古寺委員 それじゃ、五十二年度の舞鶴市の下水道の予算と五十三年度の予算の金額と伸び率は幾らになっておりますか。
  97. 井前勝人

    ○井前説明員 一つは、舞鶴市の下水道事業に対する執行の体制が必ずしも十分でないわけでございます。現在下水道をやる場合は、大きな事業でございますので下水道を専管する組織をきちんとしてやる予定でございますが、舞鶴市の場合はまだそういう下水道課というものもございませんし、どうも執行体制の面でも必ずしも十分でございませんので、この辺をわれわれも指導していくと同時に、執行体制、維持管理等の強化を図らなくちゃいけませんが、御指摘の五十二年度の予算は、補正を含めまして総事業費で約十億一千万でございます。五十三年度につきましては、いま申し上げました計画の内容の固まりぐあいを見るという前提でございますので、それほどの大きな伸びは期待できませんけれども、早く計画を促進すれば、五十四年、五年にはもう少しピッチを上げてやれるのではなかろうかというふうに考えております。
  98. 古寺宏

    ○古寺委員 いや、五十三年度の伸び率は幾らなんですか。
  99. 井前勝人

    ○井前説明員 いまの市からの要望そのものがほぼ前年度と同額程度でございます。
  100. 古寺宏

    ○古寺委員 そこで私が申し上げたいのは、下水道五カ年整備計画というものを見直す必要があるのじゃないか。こういう赤潮が多発するような地域については、下水道事業を促進しなければなりませんので、見直しの必要があるのではないか。  それからもう一つは、終末処理場につきましては、こういう欠陥終末処理場というのは非常に多いんじゃないかと思うのですね。今後、三次処理までもっていく必要は当然でございますが、この終末処理場に対する総点検と申しますか、やはり見直しも必要ではないかと思うのですが、どうでございましょう。
  101. 井前勝人

    ○井前説明員 まず五カ年計画の見直しの問題でございますが、昭和五十三年度の予算を含めまして五十一年、五十二年、五十三年度の七兆五千億に関する進捗率は四五・三%と記憶しております。したがいまして、まだ残事業の方が半分以上ございますので、いま直ちに七兆五千億の五カ年を見直す必要はまだないのではないか。ただ、その事業の進め方につきましては、御指摘のような終末処理場で必ずしも十分な機能を発揮していない、たとえばオーバーロードで水質が必ずしも適正でないようなものにつきましては、終末処理場の重点施行なりということを、年度の予算の中できちんとやっていかなくてはいけないというふうに考えておるわけでございます。
  102. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと、一番汚濁の原因になっているのが東舞鶴湾の終末処理場であると言われているわけですが、このまま続けてまいりますと、養殖ハマチはもちろんのこと、舞鶴湾の漁業はもう全滅を待つしかないということになるのですが、どうなんでしょうか。
  103. 井前勝人

    ○井前説明員 御指摘のとおりでございますので、早く高級処理に切りかえる、そういう計画を直ちにつくる、そしていい水質の水を出すように、予算もわれわれも準備し、それから執行体制の方の充実もお願いして、富栄養化対策には下水道としても大きな役目を持っておるということで、今後さらに充実していきたいと考えております。
  104. 古寺宏

    ○古寺委員 環境庁長官、いままでお聞きになって、舞鶴湾の水質汚濁というものは年々悪化しているわけです。ところが下水道の方の事業は五カ年計画が終わっても一〇%程度である。しかも現在の終末処理場は欠陥処理場である、こういうことで毎年被害がふえていくわけですね。環境庁長官として、こういう点についてはどうお考えですか。
  105. 山田久就

    山田国務大臣 御承知のように、水質の汚染防止のためにはどうしても家庭用排水、ことに下水道の整備ということは急務でございまして、日本はその点では文明先進国では非常におくれておる。いま御指摘のような、閉鎖性水域に対するそういう水質汚濁の防止という観点からの下水道処理は非常に重要な点でございまして、総量規制というような面と閉鎖性水域というようなことで、われわれもどういうふうにこれをかみ合わせていくかということをいろいろ検討しております。御指摘のような点、確かに問題の点であろうと思われます。われわれとしても、全般的見地から各省とも連絡をとって、そういう点どうするか、ひとつ検討さしていただきたい、こう存じます。
  106. 古寺宏

    ○古寺委員 今回、環境庁から瀬戸内法の後継法が出る予定になっておりますし、また、水質汚濁防止法の改正によりまして総量規制も今度行われるようになるのですが、当然下水道の整備というのが一番大事な問題になってくると思うのです。そういう点から考えまして、建設省として第四次下水整備計画の見直しは考えておられないのですか。
  107. 井前勝人

    ○井前説明員 ただいま申し上げましたように、七兆五千億の進捗率は、まだ半分ほど事業費が残っておりますので、いま直ちに五カ年の改定は考えておりませんけれども、いま御指摘のような総量規制等の関連、あるいはまた三全総等の関連等々のいろいろな背景もございますので、それらを見た上で、また五十三、五十四年度等の予算の状況等も見た上で、その段階で五カ年改定の必要があるかどうかは検討していきたいと思っておりますが、現在は改定という作業はいたしておらないわけでございます。
  108. 古寺宏

    ○古寺委員 環境庁はその点についてどういうふうにお考えになっておるのですか。
  109. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 ただいま井前部長からお答えがございましたように、現在の第四次下水整備計画、総事業費、予備費を含めて七兆五千億ということでございますが、五十一年度から五十五年度までの計画期間ということになっておるわけでございます。したがいまして、五十一、五十二、五十三とこの三カ年間、一応予算措置等が講じられたわけでございますが、先ほど部長からお話がございましたように、その進捗率がまだ半分までいっていないということで、残事業といいますか、まだ相当あるわけでございます。したがいまして、所管省の建設省においては、先ほどの答弁のような次第で、まだ検討作業に具体的には入っておらないということでございますが、いずれにいたしましても、下水道の整備といいますものが、先ほど長官からのお答えもございましたように、わが国は先進国といいながら下水道の普及率は低開発国並みという段階でございますので、今後できるだけ早く第五次の方にも取りかかっていただきたい、そういう考え方は持っております。
  110. 古寺宏

    ○古寺委員 いま環境庁の方から、繰り上げて早く第五次整備計画に入ってもらいたい、こういうお話があったのですが、下水道部としては見通しはどうでございますか。
  111. 井前勝人

    ○井前説明員 やはり今後、環境庁の方でお考えになっております総量規制の対象区域の問題、あるいは先ほど申しました三全総の定住構想に対する環境整備の問題、そういういろいろの背景を考えて、五カ年改定するかどうか判断すべきものでございまして、現在はまだその辺の輪郭がはっきりしておりませんので、その輪郭のはっきりし次第、改定をするかどうか検討をしていく必要があろうかというふうに考えておるわけでございます。
  112. 古寺宏

    ○古寺委員 環境庁長官は、下水整備計画を繰り上げて実施するという問題についてどういうふうにお考えですか、承りたいと思います。
  113. 山田久就

    山田国務大臣 いま局長の方からも答弁いたしましたけれども下水道問題の重要性、そしてことに水質汚濁防止法の一部を改正して総量規制などを考えていかなければならぬ、そういうような当面の必要性等から見まして、できるだけそういうことも考慮に入れて、関係省、建設省等でこれの促進方についての検討ということについても尽力してほしい、こういうわれわれの立場でございます。なお、その他の家庭用排水、これは非常にむずかしい問題ですけれども、行政指導等も用いて、水質汚濁というもので足らないところに少しでも寄与する、そういうようなことについても関係各省の方と努力してやってまいりたい、こういうふうに考えております。
  114. 古寺宏

    ○古寺委員 舞鶴湾で、漁民の方からお聞きしたのでございますが、外材がたくさん輸入されているわけなんです。その木皮が水質汚濁の非常な原因になっておるというお話でございますが、こういう問題について環境庁は内容を検討したことがございますか。
  115. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 舞鶴港の輸入いたしております例のソ連材、これの外皮による汚濁対策といいますか汚濁問題につきましては、府の方からも聞いております。府の方におきましては、従来から取扱業者を指導いたしておりまして、舞鶴港木材公害防止協議会という協議会も指導によりまして設立をさせておりまして、この協議会が清掃船も所有いたしております。そして浮遊しております木皮、こういうものの回収等もこの清掃船を用いまして行わせておるというようなことで汚濁防止を図っておる、このように聞いておるわけでございます。環境庁としましては、今後ともこういう面の徹底が図られますように府の方に対して十分指導していきたい、かように考えております。
  116. 古寺宏

    ○古寺委員 先ほども大原委員の方から、赤潮に関するプロジェクトチームの質問があったのですが、先日、参考人としておいでになった村上彰男先生から、ぜひ大型のプロジェクトチームをつくって赤潮の恒久的な研究でございますか、これを行うべきであるという御意見があったのでございます。先ほどの質疑の内容をお聞きしていますと、村上先生の御意見というものがよく理解されていないように感じたのでございますが、そういう大型プロジェクトチームをつくるお考えはございますか。
  117. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 現在、水産庁と共同で赤潮研究会というものをつくっておりますが、この研究会というのも一つのプロジェクトチームというふうに考えております。村上先生もお入りいただいておりますし、香川大学の岡市先生も入っていただくということで、赤潮研究者ということでこれはという方は大体入っていただいていろいろ検討してもらっております。ここで検討しましていろいろやりましたときに、こういう面のテーマをさらに詰めるべきだ、またそういうことをどこの研究機関で、たとえばある大学でとか、ある水産研究所でとか、水産試験場でとかそういうことも、こういう研究会の最高の権威の方々が集まってもらっておりますから、その辺でテーマ等も決めていただく。そういうようなものに即してさらに予算措置その他所要経費の面もこちらが考えるというようなことでございまして、そういうチームができますれば、またそれに即した赤潮研究者の方をさらに動員をするということもございますので、いまの赤潮研究会というものを核にしながら、このプロジェクトチームを核にしながらさらにこのチームを末広がり的にむしろ広げていきたい、こういうような考え方で水産庁ともども前向きに取り組んでおる、こういうことでございます。
  118. 古寺宏

    ○古寺委員 いや、いままでの研究会でございますと、いままでのプロジェクトチームでございますと十分に赤潮の解明ができない。ですから、もっと恒久的に、幅を広げてプロジェクトチームをつくらぬといかぬ、こういうことを村上先生自身がここでお述べになっているわけです。局長さんのお話をお聞きしていますと、もうすでに研究会でやっているんですから心配ないんだというような、それに近い御答弁でございますね。そうじゃなくて、実際にこの研究に携わっている方がそういう問題を深刻に考えていらっしゃるのですから、環境庁としてもやはり前向きに、そういう研究されている方々の御意見を入れて、村上先生がおっしゃっているような、考えておられるようなプロジェクトチームを早急につくる必要があるんじゃないか、こうわれわれは考えるのですが、この点、大臣どうですか。
  119. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 ちょっとその辺、私の言い方が悪かったのかもしれませんが、結局、環境庁の方で、たとえばどういうテーマでどういう学者の方と言いましても、なかなかそういう専門的な分野でございますので、私の方でこれぞという方をすぐどうするというわけにまいりません。むしろ赤潮研究会ということで、先ほどの参考人でも来られました村上先生も入っておられる、あるいは香川大学の岡市先生、ホルネリアの問題については非常に権威でございますが、そういう方も入っておられる。そういうところの先生方がいろいろこのテーマを詰めていく際に、さらにこれを詰めていくためにはこういうテーマをさらにやっていかないとだめである、それにはどういう研究者がどこにいるというのはこの先生方が一番よくわかっておるわけであります。したがいまして、素人の私たちがあの先生この先生、こう言ってみてもあれでございますから、むしろこの赤潮研究会というものを軸にしながらこの最高権威の先生方がいろいろ集まってやっておられるわけですから、村上先生はその場においてもここで述べられたような御趣旨の発言はされると思います。したがいまして、そういうところで、それではこの問題についてはだれ先生に頼んで、同定はどうやってもらうとかいうようなことをむしろやって、われわれの方は、それには金がかかると言えば金を供給すればよろしい。こういうことで、素人が名指しでやるというよりはその方がよろしいのではないかというような趣旨での話でございまして、その辺はひとつよろしくお願いしたいと思います。
  120. 古寺宏

    ○古寺委員 そのメンバーについては専門家の御意見をいろいろお聞きしてそういう編成をすればいいのであって、そういうものをつくろう、そういうものを組織しようという前向きの姿勢が環境庁になければ、これはできないわけですので、そういう問題を、お金でも何でも必要なものは援助するというお話でございますので、早急に赤潮のプロジェクトチームをつくっていただいて、この問題の解明を一日も早く解決できるように、今後もひとつ積極的に進めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  121. 久保等

    久保委員長 次に、東中光雄君。
  122. 東中光雄

    ○東中委員 環境庁にお伺いしますが、著しい大気汚染が生じ、その影響による疾病が多発しているということで指定される公害健康被害補償法の指定地域、もちろんこの地域では、なお多くの公害患者が発生し、日夜発作に苦しんでおるわけでありますが、こうした公害病認定患者の住んでいる地域がもし環境基準に守られなくてもいい、環境基準は適用しないということになると、これは公害対策の基本にかかわってくるような重大な問題だと思うのでありますが、一般的にいってどうでしょうか。
  123. 橋本道夫

    ○橋本(道)政府委員 具体的ないろいろな条件を全然別にしまして、いま先生のおっしゃったようなことではどう思うかというと、これは全く問題がある、こういうことであります。
  124. 東中光雄

    ○東中委員 もしそういうことになれば、極端な場合を言えば、補償はする、しかし汚染のしほうだいだ、汚染はしほうだいだけれども補償だけはする、それでいいんだということになるわけで、公害被害に対して原状回復と完全補償という公害対策の基本問題にかかわってくると私は思うのです。環境基準は全国、全国民にひとしく適用さるべき基準だ。ところが、公害病の指定地域、現に患者が住んでいる地域がその環境基準の適用除外地域となるというようなことになると、これは大変な原則的な問題になってくると思うのですが、いま大阪市が計画している都市計画変更は、そういう、いま申し上げたような点からいって非常に重要な問題を含んでおると思うのであります。  大阪市は、市内二十三行政区全部指定地域になっておるわけでありますが、いま大阪市の計画によりますと、市内の工業専用地域を現在の約三倍の二千四百ヘクタールまでふやそうとしています。今回拡大予定をしておる工業専用地域には約二千世帯、六千人の人が住んでいます。当然この中には相当数の認定患者もいるわけでありますが、これだけのところが、実態は別にしても、環境基準というあの告示からいって、工業専用地域に指定されますと、「環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については、適用しない。」という四十八年五月の環境庁告示で外されてしまうわけであります。これは環境行政上も非常に重要な問題を含んでおると思うのでありますが、どういうふうにお考えになっておるか。
  125. 橋本道夫

    ○橋本(道)政府委員 いま先生のおっしゃったケースは非常に具体的な事例でございまして、都市計画法では、用途地域にかかわる都市計画は原則として市町村が原案をつくりまして、そして都道府県知事がこれを決定する、そういうことで、本来は地元できっちり処理すべきものでございます。いまおっしゃった大阪市の都市計画変更案については、私ども、まだ具体的に説明も聞いておりませんし、事情はよく存じません。ただ、お話のございましたように、もともとは工業地域になっておって、そこに人が住んでおった、そのときに環境基準がちゃんと決まっておる、ですから環境基準を告示したときに工業専用地域はそれは適用しないと言っているのと、後で用途地域が変わった場合どうするかという議論のところをいま先生御指摘になっておると思うのです。そこの問題は、その地域の住民の居住実態が全くそのままであって用途地域だけが変わった、だからその告示はそれ以降は適用されないんだというのでは、これは非常に問題があるんじゃないかというぐあいに私は考えますので、この点につきましては、一回大阪市当局によく事情を聞いてみたい、そういうふうに思っております。
  126. 東中光雄

    ○東中委員 大阪全区が指定地域になっておるわけですが、特に、今度工業専用地域に指定する行政区は、西淀川区、大正区、住之江区、淀川区、鶴見区など十行政区にわたるわけですが、拡大面積の三分の一までが西淀川区になっておるわけです。  西淀川区の場合は、特に工業専用地域の拡大予定地域内に住民がたくさん住んでいます。約千四百世帯、四千七百名が住んでいるわけです。認定患者も現在二百人以上がここにいるわけです。その地域をかぶせてくるということになるわけであります。しかも、西淀川の区域全体からいえば四〇%が工業専用地域に指定される。その内容的にいえば、臨海部だけじゃなくて、内陸部も含めて、ちょうど行政区をぐるっと取り巻くようになっているのです。これじゃ、指定されないところも、それから工業専用地域に指定されたところに住んでおる人たちも、大変な事態になるわけであります。御承知のように西淀川の大気汚染というのは、全国的にも有名なほど、大阪市内でも最も古くから、現行法ができる前から公害病地域に指定されておった。九万四千人の人口のうち、五千人以上が認定患者になっています。そういう地域で四〇%もの地区が工業専用地域となる。そして環境基準の枠から外されるということになれば、これは本当に、公害患者はもちろん、その地域の住民人たちが猛反対をしているわけですが、当然のことだと思うのです。環境行政という点からいえば、これでは全く逆行することになる、そう思うのですが、そういう点について、具体的に環境庁として何かの処置をぜひとっていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
  127. 橋本道夫

    ○橋本(道)政府委員 これは念のためにひとつ申し上げておきたいと思うのですが、都市計画というのはやはり百年の大計で、どういうぐあいに街を新しくきっちりするかという問題が基本になってやられることであって、いま患者さんがそこにおられるとかいう問題とは別に、その問題は、まず、いまないといたしますと、やはり純化を図って、工業専用地域にして整理をしていくという考え方自身は、これは何らまずいものではないと思います。ただしかし、実態的にそこに住んでおられる、しかも、もともとはそういう専用地域ではなかった、しかも環境基準をこうむっておった、しかも、そこが公害健康被害補償地域であるというときに、新しく入ってくる人を防ぐということでは意味があるのでしょうが、そこに住んでいる人が一体どうなるのかという点が一番問題があるだろうと思います。そういう観点から、この問題は、将来の長い改造の方向と、それから現状と、移行がどうなるかという点は、これは当然大阪市長さんあるいは大阪府知事さんは最もそういうことを考えて判断するべき立場にあるわけでございます。これに対して環境庁では法的に介入できるかということになりますと、その用途地域を変えるということだけでは環境庁まではこの問題は上がってまいりません。上がってまいりませんが、実態的に一回、どういうことかということをよく大阪市の人に事情を聞いてみて、そこらの問題点をどういうぐあいにちゃんと処理をしながらできるのであろうかということを十分考えながら対応をするような話を、側面的にしてみたい、こういうように思います。
  128. 東中光雄

    ○東中委員 市長の方で計画をして知事の方で決定をする、建設大臣が認可をするという関係になっておるわけですが、建設省来ていただいておると思うのですが、都市計画法の第十三条、「(都市計画基準)「によれば、用途地域指定に当たっては、「公害を防止する等適正な都市環境を保持するように定める」というふうに規定の中にもあります。この西淀川は、現在は工業専用地域は全くないわけです。そのうちの突出した海浜部だけやるというのだったらこれはわかるんですけれども、ぐるっと取り巻くように、しかも四割もの地域をやるというのは、公害を防止するように適切な都市環境をつくるという観点からいって、いまおる人をどうするのかということも含めて、非常に妥当なものではないと私は思うのですけれども建設省はどうでしょうか。
  129. 海谷基治

    ○海谷説明員 お答えいたします。  先生いま御指摘の大阪の用途地域の見直しの問題でございますけれども、これは、先生もおっしゃいましたように、いま大阪の方におきましてそういう準備を進めておるということでございまして、その中の一環として一部の工業地域を工業専用地域に変えるというようなことも検討されておるということは、われわれ担当者の方に、全般の中でそういうことも考えているという意味での話は来ているわけでございます。しかし、なお詳しい、先生もおっしゃいましたいろいろな数字的な問題とか、そういう問題につきましては、私どもはまだ承知をいたしておりません。  一般的に申し上げますと、こういう工業地域におきましてそういう公害が発生しているということでございますと、さらにそこに住宅が来るということは望ましいことではないわけでございますから、そこを住宅が来ないようにという意味で、住宅が来て住宅と工場との摩擦が生じるというようなことがあっては将来困るわけでございますので、一般的には、そういう地域であればそこを工業専用地域にして住宅が来ないようにするというようなことは、全体の土地利用の問題としては、これは一つの方法といいますか、そういうこともとられる方法の一つであろうというふうに考えておるわけでございます。  なおまた、都市計画につきましては、先生もおっしゃいましたように、その都市に公害防止計画がある場合には、そういう公害防止計画に適合して都市計画を決めろというようなことも書いてございますし、また、先生御指摘の十三条におきましては、いま申されましたような趣旨の、都市の環境に十分配慮しなければいかぬということが当然書いてございまして、われわれそういうことでやっておるわけでございます。  具体的なこの問題につきましては、先ほど環境庁の方からもお話がございましたように、決定するということは大阪府知事が都市計画として決める、用途地域の見直しを決めるわけでございますけれども、当然その前に、手続としまして、市町村、この場合大阪市でございますけれども、大阪市がいろいろ説明会をしたりして地元の住民の意向を十分吸い上げて、それで大阪府知事が案をつくり、その案に基づきまして御承知のような都市計画審議会における審議あるいはその間におきます住民意見を聞く、いろいろな民主的な手続によりまして決めていくわけでございますので、私どもとしましては、今後、そういうことの取り扱い等につきまして十分関心を持って見守っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  130. 東中光雄

    ○東中委員 たとえば西淀川という行政区の中に点在している工場を専用地域に移す、そして住宅地域と工業地域を分離するというのだったら、それはそれなりにわからぬでもないのですけれども、実際そういう整理はできたらいいかもしれませんけれども、四〇%、しかもこの行政区の周辺をずっと取り巻くようになっているということになると、中にいる人だってたまったものではないわけですね。ちょっといま図面が見つかりませんが、とにかく完全に取り巻くようになっているのです。これはかわりにそこに工場を持っていくというのではなくて、公害企業なんかが転出したその跡へ、ミニ開発があったら困るからという、いま建設省が言われたようなそういう発想でそこへ工場を持ってくるということなんですね。本当に環境を考えるのだったら、その公害工場が移転した跡を、たとえば緑地にするとかなんとかという公害防止の処置をむしろとっていくべきなんであって、逆になっている。四〇%も指定するということになったら、引っ張ってこいということ、現にそこにいる人たちには、おまえら出ていけということになるわけですね。環境基準の適用を受けないで、何の補償もなしに、おれないようになってくるというのを、用途指定の見直しというだけでぽっと線引きされたらやられてしまうということでは、これは、公害防止あるいは公害被害者の補償という観点からいって根本的な問題があると思うのです。それで補償はないわけでしょう。そこに住んでおる人は、環境基準の適用がなくなって、住んでおれなくなって出ていく、追い出されるということになってしまうわけですから。そうなりますね。何かの補償ができるわけですか。
  131. 海谷基治

    ○海谷説明員 先生いまおっしゃいましたような環境基準といいますか、そういう環境が悪くなるということのために出ていかざるを得ないといいますか、そういう場合に都市計画面からの補償という制度はないわけでございます。ただ、先生がおっしゃいました中で、ここが仮に、仮の話でございますけれども、工業専用地区になったとしても、その跡にどういう工場が来るのかとか、あるいはまた先生もおっしゃいましたように、工場跡地等を利用して緩衝緑地を大いにつくっていくというようなことにすれば、それなりに環境はよくなるということももちろんあるわけでございます。さらに、専用地区になった後、どういう工業が来るかというようなことは、これは市なり府なりの産業行政の問題もあるわけでございますし、また都市計画サイドから言いますと、特別工業地区という制度もございますので、仮にそういうものをかけて、これも仮の話でございますけれども、かけて、公害の少ないような工場だけは建てさせる、公害の多いようなものはだめだというような、そういう二重の地区を指定するということも、都市計画の手法としてはあるわけでございますから、そういういろいろな手法を、環境行政あるいは産業行政、それから都市計画サイドもありますけれども、そういうものを全部総合的に考えながら、やはり都市の環境というものを守っていくということも考えるべきではなかろうかなというふうに考えるわけでございます。
  132. 東中光雄

    ○東中委員 工業専用地域に指定したままで、別にそういう緩衝地帯をつくるとかそういうことはしない、要するにミニ開発をとめるのだということだけなんですからね。工場は何が入ってくるかということはこれまた別の問題になりますし、それから、そこは専用地域になったら環境基準から外れてもいいのだから、これも公害のその地域の中では誘致になることは明白です。だから、専用地域に指定される予定地域の町会というのは、ほとんど全部反対決議なり陳情をやっています。そしていま二万三千名の反対署名が集められています。ここの全有権者の三分の一にもなっている。そういう状態ですから、いま都市計画課長が民主的に手続を踏んでと言われましたけれども、これだけ反対をしている、これだけ不合理な——だっていままで全然指定がなかったのに四〇%指定してしまうというふうな強引なことはやるべきじゃないと思うのですが、そういう民主的に住民意見を聞き、そして一方的に公害健康被害をふやしていくようなことはやるべきでないという指導は、ひとつ建設省からもぜひやってもらいたいと思うのですが、これは環境庁からもやはり環境行政の基本にかかわる問題だと思いますので、そういう点からの意見なり指導なりというものをやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  133. 橋本道夫

    ○橋本(道)政府委員 いま先生のおっしゃいましたように、これは環境基準適用及び公害防止計画のかなり基本に関する問題だと思います。そういうことで町が将来よくなるという計画、これはやはり基本で必要でございますが、どういうぐあいにそこに問題のないようなやり方があるのか、あるいはそれに対して十分——たとえそれが専用地区になった場合でも、なったから外れてしまうというようなことになるために、環境庁の告示がむしろ悪用されるという感じがいたしますね。やはりそういうことはないようにするのに全力を尽くしてみたいと思います。
  134. 海谷基治

    ○海谷説明員 先ほど申し上げましたように、都市計画の決定全般につきましては、先生御承知のようないろいろな手続があるわけでございますけれども、さらに、この問題につきましては、私どもとしましても十分関心を持って公共団体の方を指導していくというふうにいたしたいと思います。
  135. 東中光雄

    ○東中委員 時間がございませんから終わります。
  136. 久保等

    久保委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十七分散会