運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1978-05-31 第84回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年五月三十一日(水曜日)     午後一時三十一分開議  出席委員    委員長 沖本 泰幸君    理事 左藤  恵君 理事 佐藤 守良君    理事 中村 弘海君 理事 太田 一夫君    理事 野坂 浩賢君 理事 新井 彬之君       井上  裕君    石橋 一弥君       北川 石松君    水平 豊彦君       井上  泉君    吉原 米治君       伊藤 公介君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      三島  孟君         警察庁交通局長 杉原  正君         厚生省医務局長 佐分利輝彦君         厚生省保険局長 八木 哲夫君         運輸省自動車局         業務部長    梶原  清君         建設省道路局長 浅井新一郎君  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部外勤課長  木村  武君         沖繩開発庁振興         局振興第一課長 河津 四郎君         大蔵省銀行局保         険部長     貝塚敬次郎君         運輸省船舶局検         査測度課長   辻  栄一君         運輸省船員局船         舶職員課長   新谷 智人君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部保         安課長     神戸  勉君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部監         理課長     中村  徹君         運輸省自動車局         参事官     松井 和治君         郵政省電波監理         局無線通信部陸         上課長     徳田 修造君         建設省都市局街         路課長     渡部與四郎君         建設省都市局都         市交通調査室長 玉置  清君         日本国有鉄道施         設局用地課長  佐藤 一成君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 沖本泰幸

    ○沖本委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。
  3. 左藤恵

    左藤委員 五月十二日に道路交通法の一部改正案が両院を通過して成立いたしました。この内容につきましては、もうすでに当委員会においても御審議をいただいておるわけでございます。そしてまたこの内容につきまして、私、前にこの委員会におきまして御要望申し上げておきました、たとえば高速道路におけるガス欠とか、そういったものに対する対策というふうな問題につきましてもこの改正に取り入れていただきまして、そういう点で大きく前進することができた、このように私は非常に喜んでおります。一、二の点について、なおこの点、道路交通法の今後の改正の御参考とか、あるいはまた現在成立した法律についての取り締まりの点につきましての考え方というものをお伺いいたしたいと思います。  まず第一に、積載物転落、飛散させたというふうな結果が生じた場合、この七十五条の十の関係ですが、全部こういったものは本項の違反の行為になるのかどうかということでございます。たとえばトラックがたくさんの鋼材を積んでおった、そして後続の車が前方不注意、そしてトラック高速道路上に鋼材を落とした、鋼材の上に後続車が乗り上げて炎上した、こういった場合の実例、あるいは普通のトラックから段ボールが高速道路上に落ちた、これを見た後続の乗用車が急停車したところに追突したというふうな事故が幾つか起こっております。そういった積載貨物落下に起因する交通事故というのは非常に多いわけでありますけれども、こういった場合、点検義務を怠って、そして高速自動車国道運転中に積載物転落、飛散させた場合に、運転者故意とか過失というものがあった場合はこの項の違反が成立すると思いますが、運転者が無過失のような場合は、結果は責任が及ばないと思いますが、この点についてはどういうふうに解釈をとっておられるか。
  4. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  今回の改正は、貨物積載状態の問題について申し上げますと、あらかじめ貨物積載状態点検する義務を怠って高速自動車国道等運転中に積載物転落、飛散させた場合に、運転者故意または過失が認められれば違反が成立をいたしますが、運転者が無過失による結果まで責任は及ばないものでございます。したがいまして、落下防止措置を確実に事前に行って運転しておったのに、たとえば他の車に追突された、あるいは予見もされない突風などがございます。そういうような場合に、物が落ちた場合には運転者には故意過失は認められませんので違反にはなりません。
  5. 左藤恵

    左藤委員 このときのそうした責任をどういうふうに見るかという判定の問題につきまして、公正な全国的な一つ指導というようなことについて不公平のないようにお願いをいたしたいと思います。  それから七十一条の三の関係でございますが、原動機つき自転車が非常に最近ふえております。こうしたものにつきましても、最近は一般道路を走るというケースも非常に多いので、自動車とかそういったものにひっかけられるというふうなときに転倒するようなケースも非常にあって、頭を打ってけがをするとかひどい重傷を負うというようなケースも多いと思います。こういったのでヘルメット着用義務づける必要があると思いますが、この辺はどういうふうにお考えでしょうか。
  6. 杉原正

    杉原政府委員 御質問のような実態がございますので、今度の道路交通法改正につきましては原動機つき自転車運転者につきましてもヘルメット着用義務を課したわけでございます。ただ、これはいま努力義務にいたしております。これをかぶらない者についてこれを強制する——強制するといいますか、罰則を適用するとかどうとかというふうな問題もあろうと思いますが、まず努力義務を課して、その実施の状況を見た上でさらに検討していきたいというふうに考えております。
  7. 左藤恵

    左藤委員 今後の検討課題としても、できるだけ早くこの結論を出していただきたいと思います。  それから最近自転車交通利用というものが非常に多いわけでありますが、特に変速ギアのついたいわゆる多段式自転車、これで歩道を通行するというようなケースが非常に多いわけであります。こういった、ものによりましては四十キロ、五十キロといったスピードが出るような変速ギアつき自転車歩道を通行するということを禁止してはどうかと思います。特に最近の利用実態から見ますと小学生なり中学生といったものがこういったものに乗って走るということがあります。その場合、友だちと横を走るとかいうようなことがあって、夢中になってやっているという場合に、今度はもっと小さな子供がこれによってけがをするとかいうふうな事故が起こる可能性があると思いますが、この辺の取り扱いについて警察庁ではどう考えておられるかお伺いいたしたいと思います。
  8. 杉原正

    杉原政府委員 御質問のとおり、最近多段式自転車というものが非常にふえております。これも利用実態を見ますと、最近かなり住宅地等が広がって坂道がかなりございます。これは多段式ですと坂道が上りやすいというふうなことでの利用実態があるわけでございます。また利用しているのも小中学生が非常に多いというふうな実態があるわけでございますが、この多段式は車道しか走れないということにいたしますと、相手が子供利用実態というものがあるものですから、逆に歩道に上げるべきではないかという議論もあるわけでございます。  そこで、いま考えておりますのは、自転車の大きさは決めますが、多段式についても一応は歩道に上げざるを得ないのかなというふうに思っております。ただ、今度の道交法改正では、この多段式スピードを出してもらっては困りますので、歩道を通行する場合には今度は法律上、まずいつでも停止ができる速度で、いわゆる徐行という、歩道を走るときには徐行をしなさい、今度は新たにそれを義務づけました。それから歩行者の通行の妨害になるときにはとまりなさい、鈴を鳴らしてかき分けていくような走り方はだめだということで歩行者妨害するときにはおりなさいというところまで規定をいたしました。そういう意味でむちゃな走り方をする車につきましてはきつく指導していきたいというふうに考えております。
  9. 左藤恵

    左藤委員 警察による指導ということだけでなくて、たとえば学校だとか、あるいはまたそういう自転車メーカーというものが販売する際に、いろいろな指導をするとかいうような広い範囲の指導をやっていただくことを特にお願いをいたしたいと思います。  やはり自転車の問題につきまして、今度の道交法では自転車横断道というものが設けられることになりました。これは、最近、自転車専用道路というものが都心におきましてもかなり広範囲に認められましても、広い通りに出ますと、そこは横断することができなくて、歩道橋というふうなものが設けられても自転車が通ることはできませんし、そういった面で自転車横断道というものができたわけでありますが、私は、これをたとえば赤いれんが色をしたようなペンキでそういった標示を明確にして、そういう場合は乗ったまま横断を認めるけれども一般横断歩道はやはり自転車からおりて横断するというようなことにすべきであろうと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
  10. 杉原正

    杉原政府委員 いま自転車横断帯をどういうような様式のものにするかという検討をいたしておりますが、おおよその考え方としまして、標識ペイント標示と、両方があるわけでございますが、両方様式を決めたいと思っております。  道路標識の方につきましては、いまの横断歩道に、正確に言いますと五角形の人形の横断歩道がありますが、あれと同じ様式で、中に自転車のマークを入れたものを自転車横断帯のところには立てたい。  それから、自転車横断帯そのものは、いま考えておりますのは、法律上の必要最小限度標示としましては、両側横断歩道と同じような白線を引きまして、その真ん中に自転車の絵をかこうという、これは字が読めない子供もわからなければいけませんので自転車の絵を入れようということを必要最小限度要件にしまして、それがよくわかるように、いま都内などでれんが色にしておるものがありますが、これは要件ということでなくて、そういう自転車道があっても——いまれんが色にしているところも白線両側を囲っておりますから、必要最小限度要件にしていこうというふうに考えております。  それから、これは自転車横断帯ではなくて横断歩道自転車で渡るときは、これはいま教則にも書いておりますけれども、必ず、乗らないで、押して歩いてもらうような指導徹底をしていきたいと思いますし、学校当局その他にもその点をこれからよく指導していただくように協力お願いしたいというふうに考えております。
  11. 左藤恵

    左藤委員 これは法的な強制罰則規定までつけるというふうな問題につきましては、いろいろ問題があろうかと思いますが、学校の問題、子供の問題もそうですが、主婦といった人たちが買い物とかいう場合にも非常にこういったことが多いものですから、十分配慮していただきたいと思います。  いま局長さんの答弁の中にもありましたが、そうした標示という問題、これは私は非常に大切なことではないかと思います。たとえば道路両側にあります駐車禁止とか、そういった標識ですが、スピード制限、いろいろな標識が横にありましても非常に見えにくいケースがある。特に最近は、大型のトラックが通るということになると、そういったものが見えないというふうな問題があります。いま一つは、どこからどこまでが駐車禁止であるかとかいうことが標識では非常にわかりにくいのではないか。たとえば道路交通法でいいますと、法の四十四条に交差点の端から五メートル以内は駐停車禁止というふうになっております。そして交通量の多い交差点につきましては、都道府県公安委員会において、実情に対処して、そして実情に応じて、その指定を五メートル以上のところへ延長することができるというようなことで、実態に合った対策をいまやっていただいておると思いますが、そうしますと、どこからどこまでということを明示するために標識でははっきりしないわけであります。  そこで標示と、たとえば歩道の端の石に黄色のペンキで塗るとか、あるいはガードレールにそれを明示するとかいうようなことが必要だと思いますが、こういうことで、ある意味では標識も必要なんではありましょうけれども標識中心主義から標示中心主義へ移行をすべきであると思いますが、この辺に対する見解はいかがでしょうか。
  12. 杉原正

    杉原政府委員 全く御指摘のとおりでございます。道路の上のペイントの問題、これは非常にわかりやすいという面がございますので、これをやはりこれから手がけていかなければならない、もっと工夫をしていかなければならないというふうに私ども思っております。ただ、非常に渋滞をいたしました場合とか、それから雪の場合などはもうペイントが全然わからなくなるというふうな状態もありますので、両方工夫をしていかなければいかぬと思いますが、大都市等につきましては、もっとペイントによる工夫でもって周知徹底を図るということは先生おっしゃいますように非常に大事なことであるというふうに認識をしております。
  13. 左藤恵

    左藤委員 これは都道府県単独事業だというふうな、いろいろな財政上の理由というのもあろうと思いますけれども、自治省、たとえば交付税の問題の算出根拠というふうなものにもこういうものが十分含まれるというような努力を今後ともしていただきたいと思います。  最近、自転車が放置してあったりして、駅の前とかそういうところが非常に乱雑なことがありまして、自転車置き場を設置する必要性というものは皆さんから御指摘があった問題だろうと思います。まずその一つ計画といたしまして、建設省で、本年度の予算全体で十一億円かと思いますが、ことしはこれを使ってどういったことを計画しておられるか、御説明をいただきたいと思います。
  14. 渡部與四郎

    渡部説明員 五十三年度は、いま先生御指摘のとおり、全国で三十六ヵ所やらしていただきますが、各種バラエティーがございまして、地上式と称するいわゆる青空的な駐車とか、それから二階建てのような施設とか、また、どうしても土地の入手困難なところで立体的に使った方がいいという判断のところについては機械式と称する立体駐車場をつくるというようなことで考えております。これは今後五ヵ年計画としては四百ヵ所、約三百億というものの布石でございますので、今後とも前向きに努力してまいりたい、こう考えております。
  15. 左藤恵

    左藤委員 市町村とも十分連絡をとり、そしてまず用地の確保ということが非常に大きな問題でありますので、有効に計画をしていただきたいと思います。  そういった公共団体が設置する、あるいは鉄道とかスーパーとか、そういったところに協力を求めるということも一つのあれだと思いますが、たとえば民間自転車置き場を営業なさっている方がいらっしゃる。しかし、自分の土地では非常に狭いということで狭い土地をもっと拡張するということに対して、政府としてもそういった地域自転車置き場確保という意味においてもう少し協力するような体制というものが考えられないだろうか。以前に、総理府の交通安全対策室でもって何か第三セクターのようなものを計画されてこういったものを推進しようという御計画があったが、それはその後どういうふうになっているか、この辺についてお伺いしたいと思います。
  16. 三島孟

    三島政府委員 駅周辺自転車の放置問題を解決するためには、御指摘のとおり自転車駐車場庫をいろいろな形で整備することが必要であるわけでございます。公的に整備することはもちろんのこと、民間事業による整備も大いに期待されるところでございますが、そのためには、ただいま御指摘のように第三セクターのような、資金面管理面等経営効率化を図ることができる広域的な経営主体が必要であろうというふうに考えられますので、いまお話がございましたとおり、自転車問題に関する提言の中にもその点御指摘がございますけれども、今後とも関係省庁と密接に連絡をとりながら、そうした方向で検討を進めてまいりたいというふうには考えております。
  17. 左藤恵

    左藤委員 最近の自転車の放置された状況というのは何百台という非常に大きな数量にも及びますので、建設省計画されてもこれはその一部分しか収容できないということにもなります。これは市町村がやるときは無料であろうと思いますけれども、現在有料自転車を預かっておる業者もあるわけでありますから、有料でも預かるということにして、そしてそれをきちっと整理させていく、そしてその他の交通妨害にならないような対策を講じていかなければ、駅周辺というものも、ある意味で非常に危険な状態も招来しかねないと思いますので、そういう点について積極的に政府も応援していくという体制にしていただきたいと思います。  そしてもう一つ、そういった預かり料金を仮に取ったような場合でも、無断で放置した場合、その取り締まりをどうするかというふうな問題があろうと思います。月に二千円なり三千円の預かり料を払うのがいやで、そしてなるべく近くへ置こう、こういうようなことをする人があった場合は、やはり交通妨害の要素になると思いますので、そういった体制ができたところから取り締まりをやって、そして正直者がばかを見ないような自転車置き場の秩序ある運営というものをやっていただきたいということを御要望申し上げておきたいと思います。  次に横断交通の問題でございますが、最近横断中にはねられたり何かする事故が非常に多いわけでありまして、いわゆる弱者の事故の七割以上が横断中だというふうなことも言われております。それは私は一つ信号機にいろいろと問題があるのではないかと思います。確かに現在いわゆる定周期信号機ということで、ほとんどの信号機がそういうふうな状態でありますと、横断者がなくても一定の時間はそこが赤信号になるために大変車渋滞するわけであります。渋滞を防ぎながら、そして横断交通事故をなくしていこうという方法をこれから考えていただかなければならないのじゃないか。特に市内というよりもむしろ郊外に入ったようなところでは、私はこれからの交通施設の重点というものは地点感応信号機中心にすべきではないかというふうに思うわけであります。指定道路につきましては国が信号機のために半額の補助をなさっておられます。国の全体の予算の枠の中の、たくさんの信号の要望というものにこたえていただくためには、いろいろな苦心もあるわけでありますけれども、とにかく信号機をやたらとつけるということだけで交通安全対策が全部済むのではないと思います。責任が果たされるものではないと思います。やはり車を渋滞させることなく、車の流れをよくしながら交通安全を図らなければならないと思います。交差点といいますか、信号機一つつくってやると車の流れが四割悪くなるというふうな数字もあると聞いております。  そこで私、この間五十三年度の大阪府の当初予算における計画でどういうことになっているかということを伺ってさましたら、信号機を四百三十九地点つくりたいという予算を上程しておられます。その中で、定周期のものが三百三十四地点、それから半感応というのが二十七地点、それから全感応というのが五地点、そして押しボタン式が七十二地点、そして列車感知式が一地点というような内訳であると聞いております。  信号機の設置の問題につきましては、私は三百メートルぐらいの間隔というのが理想的であろうと思いますけれども、現実には都市によっては百メートルを割っておるのじゃないか。ということになりますと、たとえば制限速力四十キロまで加速するためには普通の車であれば距離的に七十メートルを必要とする、そうするともう加速して四十キロまでいったらすぐブレーキをかけていかなければいかぬというようなことになりますと、公害の問題とかいろいろなことも影響してくると私は思います。そういう点も考えて、今後は私は半感応をもっとふやしていただくという御計画があるのか、運転手をいらいらさせないような心理的なことも検討していただかなければならないと思います。日曜日によくスピード違反とかそういうふうな取り締まりをなさっておりますけれども取り締まりが十分できない、それで安全交通にするために百メートルごとにある信号機一つずつ食い違いにしておくというようなことをなさっていたと思いますが、私はかえって信号無視というふうなものを招来して歩行者に対して危害を与えるような状況に追い込むこともあろうと思いますので、こういう点についての警察庁考え方をお伺いしたいと思います。
  18. 杉原正

    杉原政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どももいま約八万近い信号機といいますか、八万交差点信号機がついておるわけでございますが、そのうちで地点感応あるいは系統化されている信号機というのは四〇%にすぎない。他はいわゆる定周期単独周期という形でございます。いまの第二次の安全施設整備計画でもこれをだんだん高めていくということでの改良に手がけておりますが、さらにこれはおっしゃるような形で高度化していかなければならないというふうに思います。  それから同時に、やはり車の流れをよくしながら、しかも安全を確保しながら、こういう両方のものを調和させなければいけません。そういう意味でいまの信号運用を見ておりますと、必ずしも場所的、時間的に実態に合っていないという信号運用の問題が見受けられますので、これは私どもこの道交法改正を機会に、近く全国一斉に信号機の総点検をやろう、それでたとえば夜間など余り歩行者がないのに長いこと赤で待っているというふうなところについては、仮にそれが定周期であっても多段式になっておりますので、もっとそのサイクルを短くするというふうなこととか、あるいは場所によっては点滅というふうな問題もあるかと思いますけれども、そういう形でこれは近く全国一斉に総点検をしていきたいというふうに考えております。
  19. 左藤恵

    左藤委員 ぜひそうした見直しをしていただいて、現在つけてあるものもほかの地域へ移すとか、実態に合った信号機活用ということをお願い申し上げたいと思います。  今度はスピード違反取り締まりのことに関連いたしまして、現在、俗にネズミとりとかなんとかと言っておられるスピード違反取り締まりをするときに、これは無線を使って実際そういうことをやっておられるわけであります。私は、ただそういうことを聞くわけですけれども電波活用によりましてスピードをはかって、そしてそれによって何キロでそこを走ったというスピード違反を立証して取り締まりをするという方法をとっておられるのだと思いますが、その出しておられる電波をまた感知して、スピード違反取り締まりをしておるということがわかって未然にスピードを落として引っかからないようにするというような感応する器具を発売しておる。市販で大体一万五千円程度のものを売っておる。私は、そこから先は調べたわけではありませんけれども、しかもメーカー取り締まりをしておる機械の発売のメーカーと同じであるということは、何か私は警察に対しても挑戦しているような、また二重にもうけているようなことで非常におかしいのではないかというふうに思います。こういったものを取り締まることができるのかできないのか、そしてまた、そういう周波数の問題について何か対策が郵政省なら郵政省としてあるのか、この辺についてお伺いいたしたい。警察庁から先にお伺いしたいと思います。
  20. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  いま、このわれわれのレーダースピードメーターを逆に探知する探知器といいますか、こういうものにつきましては、私ども警察の方に入れている業者と同じ業者というふうには聞いておりませんで、別の業者が七、八社あるようでございます。  それで、これは何かいろいろあれをつけて売っておるようでございますが、細かい話はちょっと省略をいたしますが、私らの方でレーダーの出しておりますのは、投射角度というものを大きくしましたり、スイッチの入れ方等で全然これは効果がないようにすることが可能でございますので、宣伝して売っているほどには効果はないと思います。  ただ、いずれにしてもこういうものを売っているということについては非常に遺憾だと思いますが、何かこれを適用してやれる法条はないかということで、いま関係向きといろいろ検討しておるわけでございます。
  21. 徳田修造

    ○徳田説明員 お答え申し上げます。  電波法では第五十九条におきまして、他人の無線通信を傍受してその存在もしくは内容を漏らしたり、これを窃用したりするということを禁止いたしております。この規定違反いたしますと処罰されるということになっておるわけでございます。  しかしながら、スピード違反を避けるための機器を販売したり、あるいは他人の無線通信を傍受するということだけでは、この規定違反すると言うわけにはまいらないと考えております。したがいまして、他人の通信の存在もしくは内容を漏らしたとか、あるいはそれを窃用したというような事実が立証できなければ電波違反とするわけにはいかないというふうに考えております。しかしながら、この警察無線通信を傍受いたしまして悪用されるということは好ましいことではございませんので、郵政省といたしましては、このような通信が傍受できるような受信機を製造したり、あるいは販売したりということがないように、関係官庁にお願いしたり、あるいは製造業者、販売店等の団体に対しましても、従来からこういうものを製造して販売しないようにお願いしております。今後も必要に応じましてさらに重ねて協力を要請するようにいたしたいというふうに考えております。また、取り締まりにはある程度限界はございますけれども、このような他人の無線通信を傍受しまして、その存在もしくは内容を漏らすというようなことがはっきりいたした場合、あるいは窃用したという事実が立証できる場合には、告発をいたしまして、現行法の範囲内で可能な措置をとるというふうに考えております。
  22. 左藤恵

    左藤委員 業者に対する指導というようなことであっても、とにかく現実問題としましてはそういうことがあって、そしてそれで取り締まりを逃れておるというような事実があるわけでありますので、こういったことについて何か強力な手段というものを積極的に警察庁、郵政省、そしてまた業界の指導に当たる通産省というところは十分連絡をとって、一万五千円出せば助かるといったようなことにならないようにひとつ考えていただきたいと思います。  いま一点、これは私も前からここの委員会で御質問申し上げた問題でございまして、東京、大阪、いろいろなところにある問題でございますけれども、特に最近いろいろ見ておりますと——大阪の松屋町筋というところがございますが、そこの商店街に終日駐車しておる車がございます。現在そういった車の取り締まりもいろいろやっていただいておる。商店街の方におきましても、長時間の駐車は商売の上から見ても困るのだということから、自主的に巡回してそういったものを排除しておられるということを伺っておりますが、中にはそれに対して反対をして商店街から脱会するというふうな非協力者があるわけなんです。こういった不心得者に対しましては、やはり一つの公共的な安全、利益という立場から見ましても、厳しい態度で重点的に取り締まっていただきたいと思いますし、また現実的にも、いま取り締まっていただいておるようであります。しかし、こういった商店街、しかも幹線道路におきます駐車違反に対する取り締まりというものは、いろいろの問題があろうと思います。それによって商売におきます荷物の積みおろしができないということから見ますと困った問題であるということで、たとえば時間的に解除したらどうかということを申し上げましたら、時間的に解除しますと、商店街というよりもよその車がその時間帯だけ置きに来るという実態があってはまたこれも困るということで、いまいろいろ検討していただいておる段階では、パーキングメーター以外にないのではないかという結論になった。そういったことでパーキングメーターを設置したいという話であるわけであります。  ところが、いまの警察庁の方の御指導では、幹線道路におきますパーキングメーターは原則的に困るのだ、こういう御指導であるという話でありますけれども、私はやはりケース・バイ・ケースで考えていただかなければならないのじゃないかと思います。もちろんパーキングメーターを設置いたしましても、朝夕のラッシュは、バスの通行を含めまして、そこへ駐車することは禁止すべきであると思いますが、そういった点を含めまして駐車違反取り締まりに対します警察庁のお考え、たとえばそういうことは指導の面で考えるというふうなことがあるのか、この辺についてお伺いいたしたいと思います。
  23. 杉原正

    杉原政府委員 いまの駐車問題は、すぐに営業活動に大きな影響をもたらしますので、特にその場所場所によりましてかなり工夫をしていかなければならないと思います。それから、商店街等が幹線道路に面しておって非常に荷物の積みおろしその他があるところについては、幹線道路であるからという一般論で議論できるものではなくて、やはり個々具体的に、パーキングメーターをつくっても時間規制をするとか、いろいろなやり方がありますので、第一線と具体的に詰めていきたいというふうに考えます。
  24. 左藤恵

    左藤委員 関連質問の御希望がありますので、私は以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
  25. 沖本泰幸

    ○沖本委員長 次に、北川石松君。
  26. 北川石松

    ○北川委員 左藤委員質問の時間をちょうだいいたしまして、交通安全に関することで関連して質問申し上げたいと思います。  それは、今月の二十八日午前十一時三十分ごろと推定されておるのですが、東京荒川水路において、東京工大のエイトが暴走するモーターボートによって三人の死傷者を出したという事件を当局はどのように考えておられるか、まず御答弁をお願いしたいと思います。
  27. 辻栄一

    ○辻説明員 御説明申し上げます。  荒川におけるモーターボートとボートとの衝突事故につきましては、運輸省といたしましてもきわめて重大なことであるというふうに受け取っております。このためのしかるべき対策を出すということで、これまでにわかっております点は、当該モーターボートの運転者が免許を持っていなかった、それから船自身について検査も受けていなかったという事実がわかっておりますので、実は昨日、船舶局長名及び船員局長名によりまして、地方海運局に対し、これらの免許の普及あるいは船舶検査の普及について一層努力することを要請する旨の通達を出しますとともに、警察当局に対しましても運輸省から、これらの取り締まりにつきまして強化をお願いする文書を出しております。  実はこれらの点につきましては、昭和四十八年及び九年に船舶安全法並びに船舶職員法の改正を行いまして、当該ボートのような小型の船舶の運転者に対して、小型操縦士の免状をとらせること及び船舶につきましては検査を受けることという法律改正お願いして、この委員会におきまして御審議して法律改正をやっていただいたわけでございますが、これらの運転者の免許及び船舶の検査につきましては、その後順調に仕事が拡大してきておるわけでございますけれども、今回のようにそれらから漏れた問題が出ているということで、先ほどのような措置をとろうとしたわけでございます。  なおこのほかに、さらにもう一つの問題としましては、狭い水面におきましてこういった高速艇が自由に航行できることの取り締まりに関する法令が整備されていないという点がございました。これにつきましては、すでにこれらの船舶の航行の安全に関しますところの県条例等を設けているところが一部あるわけでございますけれども、必ずしもこれがまだ十分に普及していないということで、都道府県条例を早急に普及させるというようなことでどのような措置をとるか、ただいま運輸省と警察庁との間で協議を進めているという状況でございます。
  28. 木村武

    ○木村説明員 お答えいたします。私ども警察庁といたしましても、この事故につきまして大変重要な事故というふうに受けとめているところでございます。  事件の概要につきましてはすでに御承知のとおりでございますが、五月二十八日午前十一時三十五分ごろ、埼玉県戸田市の荒川本流で練習をしておりました東京工大のボートに、同県和光市のタクシーの運転手が操縦しますモーターボートが衝突をいたしまして、東京工大のボートに乗っておりました学生藤田幸三さんが水中に投げ出されて死亡、そのほか、二人の学生がそれぞれ傷を負ったという事故でございます。埼玉県警といたしましては、すぐ四十三名の警察官を現場に派遣をいたしまして事故者の救助、捜査活動を行ったわけでございます。なお、モーターボートの操縦士鳥飼章永につきましては、業務上過失致死傷罪、船舶職員法違反、船舶安全法違反の容疑で現行犯逮捕をいたしまして取り調べ中でございます。  今後のこの種事故を防止するための方法といたしましては、一つは、ただいま運輸省の方から御説明がございました無検査船及び無免許操縦に対します指導取り締まりを強化してまいりたい。次に、無謀操縦につきましては警職法等を活用いたしまして積極的に指導してまいりたい。なお、一部すでに制定されておる県もございますが、水上安全に関します条例制定につきまして促進をしてまいりたいと思います。  以上、こういうことで大変重大な事故と受けとめておりますので、努力をしてまいりたいと考えております。
  29. 北川石松

    ○北川委員 いま運輸省と警察当局から御答弁を願いましたが、私は十分満足でき得ないものを感じております。ということは、モーターボートが、今日全国津々浦々の水のあるところで本当に無謀という形で走り回っておることは事実であります。私どもの大阪における淀川天満橋の下におきましても、川幅約百五十メートルぐらいのところで、あたかも全国二十二ヵ所にあるモーターボートの競走のような形でもってターンをしておる。これを一週間前に大阪へ帰ったとき危ないなと思って見てきたら、突然このような事故が起きた。私は亡くなられた藤田君に対してまことに哀悼の意を表すると同時に、その霊の浮かぶためにも、いままでの手ぬるい県条例に依存しておるというようなことでなしに、国家の立法をもって規制しなければいかぬときに来ておる、このように感ずるのです。それは、このシーズンになってきて、海には、また湖にはたくさんの泳ぐ者が出てきておるときに、水泳に興じておる人たちが一瞬にして生命を失うような事故が過去にたびたび起きておるのを今日まで放置しておったということはまことに遺憾であると思います。これに対してどのような立法措置をしようとしておられるか、私は当局のお考えを聞きたい。時間が余り与えられてないんだから、簡潔明瞭にやってください。
  30. 辻栄一

    ○辻説明員 ただいま警察庁からも御説明がありましたように、すでに一部の都道府県におきましては県条例等をもちましてこれらの規制を行っているところでございます。当面の施策といたしましては、これらの県条例の普及等に力を注いでいくというような考えでおります。
  31. 北川石松

    ○北川委員 無免許、無検査の状態でボートが一般に使用されておる。言うなれば、善意の第三者が凶器によって殺されたと見て差し支えない。この凶器はいかにして貸し与えていったかというところに問題があると私は思う。そういう点についてどう考えておられるか。たとえば刀がなければ人を殺すことができない。それを偶然刀を持っておったというのはモーターボートに匹敵するんじゃないですか。その人間が無免許であるからといって野放しに、また県条例に依存しておるからといって自由に川で遊べる、その上にこのような大惨事が起きておる。この惨事をこのままでほっておくことは、断じてこの交通安全特別委員会において許せないと私は思う。いやしくもきょうは運輸大臣、国家公安委員長も来て、あるいは法務大臣も来て、国民のためにどういう立法をしたいというぐらいの答弁を願いたいと思っているけれども、これはまだ通告しておらぬのでやむを得ないと思います。時間がないので、改めてまた運輸委員会なり本委員会において私は質問いたしたいと思いますけれども、辻課長が言われただけでは私は満足でき得ない。ということは、過去の歴史がありながらこれを今日まで野放図にほっておったということに国の責任があると私は思う。こういう点について御答弁願いたいと思います。
  32. 辻栄一

    ○辻説明員 先生御指摘のように、当該モーターボートの払い下げ等につきましてはかなり慎重に対処する必要があると私どもも思っております。  昭和四十八年に先ほど申し上げましたような船舶検査及び免許の問題等で法制化をいたしました際にも、日本モーターボート協会を指導いたしまして、当時協会長名によりまして、これらの競走用に使われておりますボートの所有者であるところの施行者に対しまして、払い下げに際しましては、払い下げの相手がそのような無謀操縦をするおそれのない人物であるかどうか、免状を持っているかどうか、そういったようなことを十分注意した上で払い下げを行うようにという指導通達も出しているところでございますが、これらにつきましても一層今後強化してまいる必要があるのではないかと考えております。
  33. 北川石松

    ○北川委員 全国でモーターボートの免許証を持っておるのは何人おりますか。
  34. 新谷智人

    ○新谷説明員 モーターボートを使用しますのは大体河川とか湖水とかそういったところでございます。免許の資格としましては、四級小型船舶操縦士の資格がそれに該当いたします。これの所有者が、新しく法律が施行になりましてから、四十九年に法律ができ上がりましてから新規で取得した方たちが大体十四万八千九百名でございます。五十二年度末現在でございます。   これらの方々がすべてモーターボートというわけではございませんで、中には漁船に使っておいでになる方もいらっしゃいます。この内訳がどういったボートで使われておるかといったことは私どもちょっとただいま掌握いたしておりませんけれども、そういった形で、大体対象の免状としては十四万八千、大体十五万ぐらいが五十二年度末までに出ておる。あと、法律が施行になる前から漁船とかそれから遊漁船なんかであった免状もございます。そういったものは切りかえられたものもございますが、そういったものを含めますと全体で五十万近くの数字になるわけですけれども、新しい法律のもとで免許取得というのは大体そのぐらいの数字で、年間では、五十二年度実績で六万ぐらいの四級の免状が出ております。
  35. 北川石松

    ○北川委員 全国で十四万余りの免許者、こう言っておられる。  そうすると、この被害を与えた無免許であった男に対してモーターボートはどういう経路で、無免許である者にモーターボートをどうして売ったのであるか、どうして入手したのであるか、これは重大な問題であると私は思う。こういう点について、あの事故が起きて警察当局はどういう措置をされたか、これをまず聞きたい。
  36. 木村武

    ○木村説明員 具体的事件につきましては現在捜査中でございますので、事件の内容につきましての御答弁は差し控えさせていただきたいと思っております。
  37. 北川石松

    ○北川委員 当局が捜査中であると言われるので、これは次に譲りたいと思います。  そこで、先ほども申し上げましたように、琵琶湖にしても大阪の淀川にしても、あるいは日本の全都道府県にわたってシーズンになってモーターボートというものは非常に危険な、本当に危険な状態を呈しておると思う。幸いきょうは交通小六法まで配られておるが、これに対して本当に規制するところのものがなくてはいかぬと私は思う。本当になくてはいかぬ。  そういう点で、日本の行政が縦割りになっておるけれども、私は、横の連絡を密にしてもらって、この際建設省もまた運輸省も自治省も法務省も、その英知を傾けてこういう事故がないところの法律をつくってもらう考えが当局、各省にあるかどうかということをお聞き申し上げる。
  38. 新谷智人

    ○新谷説明員 実は、本日たまたま所管のあれで参っておりませんものですから、ただいまの先生のお言葉、帰りましてお伝えいたします。また、上司の方にもお伝えしたいというぐあいに考えております。
  39. 北川石松

    ○北川委員 貴重な時間をちょうだいして、上司と相談するという答弁がありましたので、私は、これは大いに研究をし、早急に立法措置を講じていただきたい、このようにお願い申し上げます。  と同時に、委員長お願い申し上げておきたいのは、特にこの交通安全委員会においてこの問題は理事会においても取り上げていただいて御検討願い、立法措置を速やかにしていただきたいということをお願い申し上げるとともに、学生のスポーツというものが、特にオリンピックを目指して、あるいはいろいろの学生が純真な気持ちで鍛えるところの、モーターボートのみに関せずにいろいろなスポーツの場の安全の確保をできるような措置を講じていただきたいということを重ねてお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  40. 沖本泰幸

    ○沖本委員長 次に、太田一夫君。
  41. 太田一夫

    ○太田委員 私はきょうは主として七・三〇、沖繩の交通方法の変更に関連する問題、沖繩の交通体系に関する問題、それから長い懸案である国道一号線の安全通行の問題等についてお尋ねをいたしますが、最初に、都合によりましてその中において沖繩の交通政策についてお尋ねをいたします。  このたび沖繩の市並びに沖繩県におきまして、四十八年度を初年度といたしまして、以来四十九年、五十一年、五十二年、五十二年度と、連続六年間、モノレールを実用化することについての基本的な調査が進んでまいっておりました。それでその調査費が四十八年度に四千七百万円、四十九年度四千九百九十九万円、五十年度四千四百八十七万円、五十一年度三千九百七十六万円、五十二年度三千百万円、五十三年度も二千百万円ついております。それは国と県と市がそれぞれ分担をいたしておりますが、この六年間の調査によりまして、沖繩の那覇空港から小禄を経過いたしまして那覇市内を通り首里へ抜けまして西原入口まで通ずる十三キロ、事業費八百億円のモノレール案が浮上してまいりました。いよいよ五十四年度からそれは実施計画に入ろうというような段取りと聞いておりますが、この沖繩にモノレールをつくるということは、一体いかなる交通政策をもととしたものであるか。非常に道路渋滞しておりますし、交通事故も多発しておることは事実でありますが、わずか十三キロのモノレールというものによってそういう交通事故やら交通渋滞が解決されるのかどうか。しかもそのモノレールの将来の基本計画の中には、経営の主体は自治体でもない、民間でもない、いわゆる第三セクターと言われております。  それで、交通政策的な観点から、開発庁、建設省、それから運輸省、それぞれどういうお考えのもとにこの計画を見詰めていらっしゃったのか、それについてお答えをいただきたいと思います。
  42. 河津四郎

    ○河津説明員 お答えいたします。  沖繩におきますモノレールの導入につきまして、先生御指摘のように、以前から開発庁、沖繩県、それから那覇市、これらが共同いたしまして調査を実施してまいってございます。この点につきましてはまだ若干調査をすべきことがございます。ルートの問題あるいは経営収支の問題、こういったものについてさらに詳細な調査を実施しまして、モノレールの営造物というものが本当にできる可能性があるかどうか、それからさらに企業として採算がとれるかどうかというような点についてこれから見きわめてまいりたい、こういう考え方で五十三年度も調査を続行することに考えております。  なお、本件につきましては、経営採算ということが非常に問題になってございまして、特に経営主体をどうするかというような問題につきましては、この導入の前提となろうかと存じますので、この点については、これから地元の県その他ともども慎重に検討してまいりたい。現在そういうような段階でございます。
  43. 玉置清

    ○玉置説明員 那覇の都市圏におきましては、バス、自家用自動車等が主体である交通実態でございまして、混雑の増大でありますとか、都市の機能低下等が指摘されるようになってまいっておるわけでございまして、そういった観点で総合的な都市交通体系の調査を実施してまいりまして、お話がございましたように、新しい交通システムにつきまして、導入の必要性可能性検討してまいりました結果、中量輸送システムでございますモノレールの導入が適切であろうというような調査検討の経緯でございます。現在対象にいたしております調査路線も、ただいまお話のございましたとおりの区間でございまして、モノレールと関連して整備をする道路も含めまして、調査を継続しておるところでございます。
  44. 中村徹

    中村説明員 運輸省の鉄道監督局が、モノレールにつきまして免許、特許等の申請がございますと、これを処分する立場にあるわけでございますが、ただいまのところ、沖繩のモノレールの導入計画につきまして具体的なお話を承っていないという段階でございます。今後計画が進みまして、そのようなお話が出てまいりましたらば、関係交通機関等の調整につきましても十分考えながら検討をいたしたい、このように考えております。
  45. 太田一夫

    ○太田委員 建設省室長にお尋ねをいたしますが、この場合のモノレールの主務大臣というのは建設大臣でしょう。そう思いますと、あなたの方はモノレール法に基づいてこれを見ていらっしゃると思いますが、都市交通というものの緩和策であり、合理化策でございますが、この沖繩の、言っておりますモノレールというものは、十三キロではあるけれども、空港から町を通って山手の方に住宅を誘致しながら国際通りのような近くには通さないで、そして西原入口という次の自治体の境まで持っていこう、こういうわけですね。そうすると、その先はどうするかというと、その先のことはなおあるでしょう。貝志川市ぐらいまで延ばして大体三十キロぐらいの計画だと聞くと、十三キロと言えば半分以下。その具志川市まで延ばすということは何かと言えば、その先は沖繩の県が国鉄誘致案というものを決議しておりますね。国鉄誘致案を決議しておるから、それから具志川から先は国鉄に依存しようという計画がある。そうなると、私はいまの交通政策的な立場から特に聞いておるわけでありまして、運輸省も知らぬということは、承っていらっしゃらないということは本当だろうと思いますが、それじゃおかしな話で、沖繩の県が国鉄を敷いてほしいという決議をし、それを中央官庁に持ってきておることも事実でしょう。だったらば沖繩県の北部から中部にかけて国鉄案、それから中部から南部にかけてモノレール、こういう総合計画一つの夢の計画としてかかれた中における十三キロのモノレール案だ、こうなるわけです。六年間もとにかく国は補助金をつけてきたでしょう。そういう点から言ったら、建設省はもうちょっと突っ込んだ話があってもいいと思いますが、それはどうなんですか。
  46. 玉置清

    ○玉置説明員 お答えいたします。  モノレールの計画の対象にいたしておりますのは、現在先生のおっしゃいました空港から西原村入口までの十三・八キロでございまして、このモノレール計画のほか既存のバス等を十分に活用して那覇市の都市交通に対する対案を得たいということで調査を継続しておるわけでございまして、延伸については現在のところ私どもでは調査の対象といたしておりません。
  47. 太田一夫

    ○太田委員 その部分的十三キロのみについて建設省調査費を出すことを認め、この六年間やってきた結果、一億ぐらい国は出したわけだ。その調査費をつけたわけですね。そうしていまいよいよ来年は工事の具体的計画に入ろうというときにまだ基本的な調査云々というのは、少し迂遠な話、うかつな話だと思う。建設省交通政策の基本の官庁ではありませんから、では運輸省に聞きます。  中村さん、あなたのところはまだ承っておらないとおっしゃったけれども、承っていらっしゃらないと言ったって、沖繩の方は国鉄誘致計画を持ち、そうして北部から中部にかけて国鉄の電車か何かを敷いて、それからこちらの方へモノレールを敷いてそれへつなげようという計画がある。それを沖繩本島の基本的な交通政策の中心に据え置こうという県、市の大きな開発計画があるというのに、そのことを何もまだ御存じないということは腑に落ちませんが、いかがですか。
  48. 中村徹

    中村説明員 私ども鉄道監督局は、開発計画というよりも、個々の鉄道につきましてこれを免許するかしないかということを審査して決定する立場にございまして、そういう意味においてまだ具体的な計画を伺ってない、こういうことでございます。
  49. 太田一夫

    ○太田委員 どこかのお店屋さんの窓口の売り子じゃあるまいし、その場合、モノレール買ってちょうだい、はいようございますと言って金を出し、国鉄買ってください、はいよろしいとかなんとか言って判を押すとかいうものではない。建設省の方は、都市交通ですから、那覇市というものを中心としたモノレール案というものをひとつおつくりになろうということについて深くタッチしていらっしゃらぬことについては、モノレール法から言ってわからぬわけではない。運輸省は、総合交通政策を樹立する立場にあって、地方交通政策というのは、いまやまさに大きな問題になり、国鉄のローカル線はどうするのだ、赤字線はどうするのだ、地域の国民の足はどうするのだ、それはバスによるのか、鉄道によるのか、モノレールによるのか、電車によるのか、いろいろあるでしょう。沖繩というところの県民に対して、あなたの方は総合交通政策の立場において、モノレール案も知らなければ国鉄誘致計画も知らない。誘致と言うとおかしいですが、国鉄線を敷こうという県会の決議というものを御存じないということになると、何か沖繩は日本の行政の中に入っておらぬような感じがしますが、大丈夫なんですか。
  50. 中村徹

    中村説明員 運輸省でそのようなところのいろいろ計画を扱う面は私どもの官房でやっておりまして、ちょっと私どもが担当している許認可の事柄と事柄が違うということを先ほど御説明申し上げたわけでございます。
  51. 太田一夫

    ○太田委員 あなたにそれ以上お答えできなければいいけれども、私はきょうは別に運輸大臣に出ていらっしゃい、鉄監局長でなければいかぬと言わなかったのですよ。返事のできる人に出ていただきたい。中村理課長はそういう話は責任を持ってお答えしてくださると私は思って楽しみにしてきましたが、進みませんね。後日に譲ると言ったってなかなかせわしくて時間がないが、困りましたね。きょうの話を聞いて、中村さん、官房だろうが何だろうが、運輸省の中のあなた一人ですから、それは鉄監局長に言って、沖繩は一体どうするつもりだ、基本的な交通政策は、これをひとつ割り切るようにおっしゃってください。沖繩をほうり出しておいてはいけませんよ。  それから、いまの調査室長の玉置さんのモノレールの話でありますが、これは経営の主体だとか収支だとかいうことですが、経営の主体も収支も現地では決まっておるじゃないですか。収支は、十年たったら単年度で黒字になり、十五年たてば赤字を解消する。一日の利用客は七万五千人。ばんと決まっておるじゃありませんか。第三セクター論まではっきりしてその株の比率まで決まっておるというときに、まだあなたはそんなことを言っているのですか。本当にあなた知らないのですか。それともないしょにしているのですか。何ですか、それは。もしわかっていたら開発庁の河津さんでもいいですが、どちらかから答えてくださいよ。まだ進んでおらないが、そんな実施に入るような段階でないのかどうか。
  52. 河津四郎

    ○河津説明員 開発庁の方からお答え申し上げます。  第一点の経営収支の問題でございますけれども、先生御指摘の七万五千、一日の交通量でございますが、これにつきましては大分古いデータでこれを計算したものでございます。五十三年度の調査といたしましては、五十二年度に、パーソントリップ、いわゆる人の動きの調査でございますが、これを実施してございますので、この調査結果を集約いたしまして、これをいまの十三キロ何がしかの路線に乗せた場合にどういうふうな人間がどれだけ乗るかということを詳細に調査いたしませんと、この経営収支の問題ははっきり解明いたしません。現在のところそれを見きわめたい、かように考えております。  それから経営主体の問題でございますけれども経営主体の問題につきましては、新聞紙上なるほど第三セクター等々ということが地元紙に出てございますけれども、実際上の問題としまして、まだ県等から正式な意思表示といたしましてこういうような形にするというプロジェクトを聞いておりませんので、まだこれで決まったというふうに考えるのは時期尚早かと存じております。
  53. 太田一夫

    ○太田委員 沖繩のことは沖繩に任せておこうということかもしれませんが、沖繩開発の担当者であるあなたはもう少し具体的な資料をお持ちであってもしかるべきだと思いますが、よく連絡してください。モノレールのお尋ねはそれで終わります。  沖繩の話になりましたから沖繩の七・三〇左側通行切りかえの問題についてお尋ねをしますが、これは那覇市内の市道の関係で五十四ヵ所をすみ切りをやらなければならないのですね。このすみ切りをやらなければならないその中に、三十五ヵ所というのがつぶれ地に関係をして非常に工事が行き悩んでおります。五十四カ所のすみ切りに類した市道改良の内容は、バス停が二ヵ所に交差点改良二十ヵ所に視距改良九ヵ所、こうなっておりますが、そういうすみ切り工事が進まなく、五十二年度のそういう交通ルールの改正に伴う予算というのは、五十二年実際にやったのがその部面で一〇%しか実行できなかったわけですね。そういうように沖繩市の中は七・三〇に備えては工事がちっとも進んでおらぬということでございまして、心配なんです。それで本当に七月三十日までに間に合うかどうか、この点についてお答えをいただきたい。
  54. 河津四郎

    ○河津説明員 開発庁の方からお答え申し上げます。  いま先生の御指摘の那覇市道のすみ切り等の工事の進捗状況でございますが、五十三年の三月末で御指摘のように大体一〇%ぐらいの進捗率、予算ベースでございます。けれども、五十三年の四月末、先月末で締めてみますと大体一%ということでございまして、御指摘のように沖繩県下の他の市町村に比べまして立ちおくれを示していることは事実でございます。  この原因といたしましては、まず一つの前提として事業の立ち上がりが多少おくれていたということが考えられるわけですけれども、このほかに用地の取得が渋滞している。特にこれが関連つぶれ地の問題によって難航しているということも大きな原因の一つになっているわけであります。この関連つぶれ地の処理につきましては、先月の十日に沖繩開発庁長官が訪沖いたしまして、そのときの発言を踏まえまして、いわゆる交通方法変更に伴う部分、すなわちすみ切り等の用地と同一所有者に属するつぶれ地で、かつ用地に直接接している部分は必要に応じて交通方法変更事業として用地とともに一括取得するというような基本方針を建設省と相談いたしましてこしらえまして、現地にこれを示してきたわけでございますが、これによりまして、これはいろいろケースがございますので各ケースに応じてケース・バイ・ケースで那覇市の担当者と協議しながらこれを整備するようにやってまいってきてございます。こういうようなやり方でございまして、最近におきましては用地の取得もやや好転してまいりまして、工事も発注できるような状態になってきているやに聞いておりますので、今後ともこれを督励いたしまして七・三〇に向けて所要の工程を進めるというふうにしてまいりたい、かように思っております。
  55. 太田一夫

    ○太田委員 開発庁に伺いますが、すみ切りの場合の補償というのは、直接接触しておるとか云々というような幾何学的な話でなくて、ケース・バイ・ケースとか、すみ切り工事に関係する部分とかというような表現をお示しになったように聞いておりますが、これはそういうことでないと進みません。もしそういうケース・バイ・ケースとか工事に関係するところを買うという言葉が不適切であるとするならばこの際指摘をしておいていただきたい。そうしませんとすみ切り工事が非常におくれてしまって七月三十日に間に合いません。そう思います。よろしいでしょうね。
  56. 河津四郎

    ○河津説明員 お答えします。  本来すみ切りをやるのにはすみ切りに直接必要な用地を購入して個々に工事を行うということでございます。これが円滑に取得できるようにするのが先般示しましたこの基本方針でございます。したがいまして、この基本方針にのっとって事業を進めていくように指導している次第でございますが、ただ、設計の状況あるいは土地状況等はその個所個所によって千差万別になっておりますから、したがって、これを具体に適用する場合には、これは個々のケースについて十分なヒヤリングを行いまして支障のないようにこれを運用し、適用していきたい、これによって円滑に取得がいくというふうにわれわれ期待しておるわけでございます。
  57. 太田一夫

    ○太田委員 課長、河津さん、それは県道と国道の場合は完全に済んでしまったでしょう。県道、国道が済んだというのは予算関係だ。市道の関係けがあなたの方のいろいろな基準だとかなんとかむずかしくて、この間大臣がいらっしゃって非常に物わかりのいいことをおっしゃったけれども、後でだんだん話が狭まっていったという。大体話というのは、そんなえらい人が言ったことを後の人がまた狭く解釈するということはいかぬですよ。もっと親切に解釈しなければいけない。だから工事が円滑にできるようにやってください。そうしませんと七月三十日、間に合いませんね。間に合わなければ市内交通はストップしますよ。現地は一つ一つの問題についていま安全であるかどうかを関係者が調べております。このことを申し上げておきます。  そこで警察庁にお尋ねをいたしますが、警察庁の方としては七・三〇対策は大丈夫ですか。
  58. 杉原正

    杉原政府委員 警察自身としましては、警察がやることとしましては大丈夫であるという体制でいま臨んでおります。ただ、一番われわれが関心を持っておりますのは、先ほど問題提起がなされましたすみ切りの問題でございます。これはぜひ完成をしてもらいたいというふうに希望をしておるわけでございます。
  59. 太田一夫

    ○太田委員 そこで警察庁、聞いたもののついでにお尋ねをいたしますが、あなたのいまおっしゃった自信を持ち、すみ切りについては当該主管庁に七・三〇円満に実施ができるように配慮できるところは極力配慮してほしいということは適切な御表現だと思いまして、私も了解します。  ただ、七・三〇がいよいよ来ましたときには一斉に標識は逆に向きかえられる、印は反対に書かれる、いままで通っていたところは通れなくなって反対側を通らなければならぬという常識の大転換が行われます。ドライバー諸君の心配は想像できますね。  そこで、ふなれなゆえに起きるいわゆる交通違反事犯に対しましては、これは現地の人たちが非常に心配することは、応援に本土の警察官がたくさん向こうへ行って泊まり込みでやるというのですから、また厳しいことを言って、沖繩のうちならまだ話がつくが、どうも本土から来た、言葉が——言葉が違うかどうかは知らないが、厳しいのがびしびしやられてはかなわぬ、一定の期間は免責にしてほしいという世論が非常に強いのですが、御配慮はまあされておると思いますが、念のために。
  60. 杉原正

    杉原政府委員 沖繩の今度の交通方法の変更というのは、本当に沖繩にとっては大変な難事業を一日で切りかえるということでございます。これは本土から警察官、かなりの数が泊まり込みでやるわけでございますが、本日も各県から出かける全国の幹部を集めまして指示をいたしておりますが、基本はあくまでもこの交通方法の変更で街頭で指導をすることで、事故を起こさぬようにしよう、これがねらいでございます。したがいまして、ふなれに起因します交通のルールの違反は、これは取り締まりではなくて当分の間指導でやる、指導警告でいきたい、この基本を腹に据えて対処してほしいということできょうも私は言ってこちらへ来たばかりでございますが、でき得べくんば九月新学期が始まりますので、これまでの期間を集中して皆がなれていただくような形で街頭指導徹底していきたいというふうに考えております。
  61. 太田一夫

    ○太田委員 九月始まるまでというと一ヵ月しかありませんね。それはもうちょっと長くしてもらわないと向こうの人の気持ちに合いませんよ。注文しておきます。せいぜい三ヵ月ぐらいやってください。  これは開発庁にお尋ねした方がよろしいですね。民間人の受ける損害というものが実に大きい。民間人の損害というものに対してはしばしば会合で前向きで善処する、前向きに考えると関係者にいわれておる。  若干の例を申し上げます。県道四十号線に沿っておる、そして交差点の角である町の中の母子家庭が営んでおります菓子、果物、週刊誌等のお店は、その他十二軒ありますが、バス停が移転する関係でそのバス停のお客さん相手にしたものはばったり売れなくなるから戸を閉めるより仕方がないと言っておる。これをまさか嘆かせて泣かせて、右側通行を左側にするということはないでしょうね。  もう一つ。浦添の町にあります釣り具屋さんは、いままで、釣りの自動車は朝行きますから、朝行くときに通る側に釣り具屋の店を開いていた。今度は向こう側を通ります。それは前が国道でございます。向こう側を通るということになると、向こう側でございまして、それは手が及ばない、寄ってくれない。だから、ばったり店は商売ができなくなりますから、反対側に移転するよりやむを得ないと考えて、土地の取得あるいは開店について昨年来努力をされております。  こういう関係の方が九名ぐらいあります。補償と融資の要求を総合事務局を経由して出しておるようでございます。それは、いままでのところで店を開いておれば、朝釣りに行く人は前を通らないで、釣りを終わって家へ帰る人が前を通るのですから、もうえさも何も買ってくれません。反対になります。  国道五十八号線に沿っております嘉手納の水釜というところにありますガソリンスタンドの例でありますが、ここも国道に沿っておりますから、国道は、いままではそこの分離帯がなくて、右から左、左から右へと自由に店にも寄ることができたのですが、どういうかげんか、またここが七・三〇に備えて分離帯をつくってしまおうという。これもわからぬわけではないのですが……。そうするとここも、帰り車が給油したのに、朝出勤の車が通る側にあるスタンドでは、急いでおりますから寄ってくれない。流れが変わっては困る、中央分離帯をいまにわかにつくるということも理解できない、こういう陳情が出ております。  こういう給油所は他にたくさんあるそうでありますが、国道三百三十号線に沿っております屋宜原の給油所も同じでありまして、同じく流れが変わって非常に困る。夕方入れていく、朝入れるのではない。ガソリンスタンドというのは帰り車が入れていく。これが朝の車が通るようになって、夕方の車、帰り車は通りません。しかも、その帰り車が通る方から反対側になりますから、いままでならば分離帯がなかったのでこれが何とかなったが、今度これを機会に分離帯をつくるという、血も涙もないというようなことをやられてはと言って非常に憤っております。  同じく国道三百三十号線に沿っておりますA&Wというドライブインがありますが、これもまた、流れがどう変わっても食べるものだからいいだろうと思っていささか安気にしておりましたところが、中央分離帯をつくるというのでこの間工事を始めました。始めたので、そこにおる売り子さんたちの女の子が全員座り込みをやりましたために、この五十二年度工事は五十三年度工事に繰り延べられましたが、仮締め切りがしてありますので、一日の売り上げは三十何%落ちました。しかし、近くに大型ショップのプラザハウスというのがありますが、その前はどういうことか分離帯の工事の動きがない。言うならば、七・三〇に籍口して小さな企業には非常に冷たい仕打ち、政策が行われている。  だから、これは沖繩開発庁としては、こういうような問題、民間の中小零細企業者の受ける損害に対しては、補償すべきは補償する。融資で済むなら融資する、十分温かい気持ちを持って対処してほしいと思うのでありますが、そういうことについてはいかがでありますか。
  62. 三島孟

    三島政府委員 ただいま御指摘の点、沖繩の今回の交通方法変更によりまして、お店をやっておられる方その他、営業上のいろいろな影響をこうむるというお話は、私どもも十分承知しております。これまでもいろいろ御要望なり陳情が出されておるわけでございます。私どもとしましても十分お話をお聞きしたいということで、現地の窓口等を通じまして事情をお聞きするなり、現状の把握に努めておるところでございます。その上で、私ども、ひとつ総合的な事情を勘案いたしまして、個々具体的にケース・バイ・ケースで対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  63. 太田一夫

    ○太田委員 まあまじめな三島さんのお話ですから、掛け値なしに聞いておきますから、ケース・バイ・ケース、よく事情を聞いて、現地との相談の上、現地に指示なさるなりいろいろと対策を考えるなりしてください、これは交通方法を変更する国の責任なきにあらずですし、非常に大きな原因でございますから。民間企業者というのはとかく後回しになってしまって、いままですべて公共事業だけは優先されておりますが、民間の受ける嘆きというものは本当にせっぱ詰まったものがありますから、御了解をいただきたい。  少し先を急ぎまして、運輸省にお尋ねいたしますが、バスターミナルが一つ沖繩の町の中間にありまして、そこに、大きなターミナルでございますから、今度のことにも関連をいたしまして、出入り口の改良並びにターミナル等の建物の改築等を行うことになりました。これに対して関係者が、ターミナルの営業をしながらその同じ場所で建物をつくって、そうして工事を行っていくということは非常に安全を脅かすし、また正確なダイヤも守られぬと心配しておりますが、この件については、どうお考えでございますか。
  64. 梶原清

    ○梶原政府委員 お答えをいたします。  沖繩バスターミナルは、約一万三千五百平米の用地に十五バースございまして、旅客の乗降、バスの停留、運行のほかに、バスの駐車、給油、修理、洗車等のいろいろの機能を果たしておるわけでございます。  先生御案内のとおり、今度の交通方法の変更に伴いまして、バスターミナルの大幅な改造を予定いたしておりまして、六月末ごろから来年の三月末までの工期でもちまして改造を実施するわけでございます。国からも補助金といたしまして四億五千万円程度を支出いたしたい、かように考えておるわけでございます。この改造に伴いまして、改造工事期間中のバスの安全な運行を確保しなければいけませんし、お客さんの安全も確保しなければいけないということが大切でございますことは御指摘のとおりでございます。     〔委員長退席、新井委員長代理着席〕  そこで、私どもといたしましては、約五千平米の第二バス駐待機場というものを用意いたしまして、給油、修理、洗車の機能をそこで確保するという計画にいたしておるわけでございまして、同時に、バスターミナル内の関係施設を撤去いたす計画でございますので、一応工事期間中のお客さんの安全とかバスの運行確保というのにはそれをもちまして十分対処できるのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。また、お客さんの安全につきましては、県警等と十分協議をいたしまして、必要な安全施設標識等を整備いたしまして、安全確保のために最大の努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  65. 太田一夫

    ○太田委員 乗客各位の安全とそれから当該定期バスの定時運行、ダイヤの確保について特段の御配慮があれば、それは現地でやろうが何であろうが私はいいと思うのです。それには、いまおっしゃったように、現地の警察当局との間の一つ交通方法の特例か何かをつくる別の御相談があるような気がしますね。その御相談の結果、それぞれ労使にもお示しくださって、納得のいく安全運行を図ってください。結構です。  それから、開発庁にお尋ねしますが、特別事業の声が一向に上がってこなくて小さくなってしまいましたが、あの特別事業というのは考えてみましてどうもおかしなものでありまして、県が出しました特別事業の中の三つの中の一つ道路整備の促進というようなものは大体沖繩振興開発計画の事業の中に取り入れられておるものであって、特別事業だなんというものに値しない。交通安全教育センターとか交通災害医療センターというのはよろしいですね。だったら一つ抜けるのでありますが、もう一つ、革新団体が言っております中に、県民の森とか国立沖繩文化会館というのがありますが、こういうものも取り上げていいのではないかと思う。特別事業について、ひとついまどういう段階になっているか、どう考えているのか、本当に軽く考えているのか、重く考えているのか、お答えいただきたいと思います。
  66. 三島孟

    三島政府委員 特別事業の問題につきましては、要綱にも明らかにしておりますとおり、道路整備につきましては実現可能なところから緊急度に応じて実施するという方針でいま検討を進めておるわけでございますが、そのほか沖繩県からただいまお話がございましたとおりいろいろ御要請があるわけでございますけれども、それらの事業につきましては、現在関係各省庁、それから沖繩県と連絡をとりつつ、事業の具体的な内容について検討を進めておるところでございます。つい数日前も沖繩県からおいでいただきまして、事業の具体的内容、たとえば事業の内容とか規模とか場所といった具体的な内容について現在検討を進めておるという段階でございます。
  67. 太田一夫

    ○太田委員 その件については、室長、あなたは途中からおかわりになったのだからよけい責任が重いわけなんで、三島さんの存在を示すためにも今度特別事業をりっぱにひとつ目鼻をつけていただきたい。振興事業の中にあるものを持ってきて特別事業だなんて、そういうけちなことをやらないようお願いします。  次に、国道一号線の渋滞、公害対策について建設省にお尋ねをいたしますが、前々から問題になっております国道一号線岡崎インターから西の市内の国一対策協が、夜間、深夜、早朝の渋滞、混雑、騒音、公害、振動、何ともたまらぬと言って申し出ていらっしゃいます。これに対して、地方の出先の人たちは、交通量を減らすためには自主規制をやってもらおうじゃないか、あるいは警察の方に出てもらって取り締まりも少しやってもらおうじゃないか、あるいは愛知県なら愛知県というところの県に言うて、県道の完成を促進することによって一応のバイバスをつくり、そちらに流れを分散しようじゃないかとやっておりますが、結局、これはどれも決め手がない。ことしの四月から五月にかけまして特に顕著に夜間の交通量がふえてまいりまして、四月の実績は深夜、早朝においては前月に対しまして六・五%の増、そして騒音は七十三ホン。五月に入りますると、四月に比べて二三%の交通量の増となりまして、騒音は七十五ホンと悪化しております。バイパスの建設をもっと急がなければならぬということもありますが、一体建設省としてはこの問題について本当に解決に当たる御決意があるのかないのか、当該国道一号線を担当していらっしゃる建設省の方からお答えをいただきたいと思います。
  68. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 お特えいたします。  国道一号線の岡崎市内の状況は、先生御指摘のように大変ひどい状況でございまして、前々から問題になってきておりまして、当面は、まず最初に考えなければいけないのは交通規制で、それでとりあえず何とか対処していかなければならないというようなことで、いろいろ現地で相談した結果、削減方策等も出ております。しかし、現実に御指摘のように最近三ヵ月ばかりの観測では、二月が大体六千八百三十台、その後三月に若干減少したものの、五月にはまた七千台になっているというようなことで、減ってない状況でございます。  これに対する対策は、恒久策あるいは当面の対策いろいろ考えるわけでございますが、道路側からの対策としては、何といいましても、とにかくこの市内を通っている車をどこかに分散して流すということのための道路整備を進めなければいけない。そういうことから、御承知の国道一号と並行する県道等の整備を促進することをいま鋭意やっているわけでございますが、そのほかに岡崎市内の問題、国道一号の沿道の問題としては、沿道環境整備の措置につきまして、五十年度より直轄で沿道環境対策調査も実施しておるわけでございまして、これは沿道をつくりかえることにもなるわけでございまして、なかなか一朝一夕にはいきませんが、しかし、将来的にはそういう形が望ましいのではないかということで、そういうことがやれるような施策も打ち出し、また、現実に現地と御相談申し上げまして、岡崎市あるいは地元との間で環境対策計画がまとまれば順次事業を実施していきたいというふうに考えております。しかし、いずれにしてもこれは相当な日にちがかかる問題でございまして、当面は私ども対策としては鋭意並行するバイパスの整備を急ぎたいということと、これにあわせてさらに交通規制等によって何とか急場がしのげないかというようなことを考えておるわけでございます。
  69. 太田一夫

    ○太田委員 浅井さん、いまおっしゃった沿道の改良ですね、環境調査からその道路の構造を変えていこうというのはいいことだと思うのですよね。その前にいっそのこと、防音装置といってはなんですが、本当にお困りのところだけくらいは防音壁ではなくて防音窓ガラスというようなことで、音だけでもひとつ聞こえないように、軽くなるように暫定措置でもしたらどうかと思いますがね。街道の、国道のつくりかえというところまでいくのには大変だ。それは三年や五年の話ではなくて、十年から十何年かかる話ですからね。私は防音装置を個人住宅等にすることによって夜間の安眠を一応保障するようにしたらどうかと思いますが、そんなことは簡単にできませんか。
  70. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 幹線道路の周辺で非常に人家が密集しておって騒音、公害に困っているところに対して防音助成をするという考え方はいろいろ前から出ておりまして、これに対して私どもいろいろ検討をしました結果、現在まででは、いわゆる有料道路等につきましては、そういう場合に沿道の建物の窓枠を直す金についての補償を一部助成をするというような形のことをやっておりまして、現在一番大々的にやっておりますのは、阪神高速、国道四十三号の沿線でございます。これは一般道路でなくて有料道路地域から出入りができないというようなことで、騒音にしても通過交通から一方的に被害を受けるというような事情もございます。そういうようなことから有料道路については実施すべきじゃないかということで踏み切ったわけでございますが、この措置を一般道路について広げるということになりますと、これは全国で国道だけについても四万キロぐらいの道路があるわけでございます。その中で都市部を通過するのを三割と見ましても一万キロぐらいのところでは何かかにかいろいろ影響を与えているわけでございまして、そういう措置を打ち出してそれに対応できるかということになりますと非常にむずかしい問題でございまして、今後研究してまいりたいと思っておりますが、とりあえずは有料道路についての助成措置、その実施の効果等を十分見守ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  71. 太田一夫

    ○太田委員 その窓枠に防音ガラス、いわゆる二重ガラスにして音を防ぐというようなことは簡単な臨床対策だと思いますから、これはひとつ考えてください。  それから運輸省と建設省とにともにお尋ねをいたしますが、だんだんもとどおりになったりあるいはトラックがふえることは、やはり東名高速に乗せかえますと東名高速道路利用料金がそれにかさむわけです。そういうそろばん勘定があるからそうなるのですから、道路公団の方のそろばん勘定や技術上のことなどは後の問題にして、通り抜けて大阪の方面へ行くのを何とか東名でそのまま行くようにするということは大事なことだと思うが、その料金問題について成算はあるかどうか。そのことを建設省と運輸省の両方からお答えいただきたいし、運輸省の方はあわせて、全日本トラック協会というのはどうして自主規制に失敗したのか、これをお答えいただきたいと思います。
  72. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 通行料金の割引の問題でございますが、実は御承知のように、高速道路の料金は利用者の負担の公平を図るという見地から全国画一料金制というものがしかれておるわけでございまして、割引措置といたしましてはいろいろやり方はありますが、現在やっておりますのは遠距離逓減制、距離が長くなると安くするという遠距離で逓減する方法と、後納割引制と申しまして、大口の利用者等で料金を後から払うという場合にはまとめて一定の割引率で割り引くというような方法を採用しておるわけでございます。     〔新井委員長代理退席、委員長着席〕 こういったような割引制によりまして、平均利用距離が長く利用頻度の高い大型貨物車は相当な優遇措置を受けておるわけでございます。  そういうことでかなり実質的には割り引かれているという形になっているかと思いますが、夜間割引措置ということも考えられるわけでございますが、そうしますと一方ではまたデメリットが出てまいります。結果的に昼間利用者を夜間利用に誘導するというようなことも考えられます。昼間普通に使っている車が料金が安くなったためにそれじゃ夜間に通そうというようなことになりますと、夜間がかえって高速道路の側から言うと交通量がふえてくる、現在苦情の出ている高速道路沿道の騒音問題をさらに大きくするようなおそれも考えられないわけではございません。また岡崎インターチェンジの利用者を周辺の他のインターチェンジの利用に転嫁させることにもなりまして、他のインターチェンジの周辺の騒音問題を大きくするというようなおそれもなきにしもあらずということで、いろいろ影響するところも大きいわけでございます。それから料金制度、有料道路のたてまえからいって、部分的にそういう料金を安くするという政策を入れているような考え方をとりますと、非常に全国各地に似たような問題がございまして、料金体系を維持していけないというようなこともございますし、非常にむずかしい問題でございますが、先生の御指摘の点もございます。十分研究させていただきたいと思います。
  73. 梶原清

    ○梶原政府委員 お答えをいたします。  高速道路の通行料金の減免問題でございますが、運輸省はトラック事業の監督官庁であると同時に高速道路の料金につきましても担務をいたしておるわけでございまして、先ほど建設省から御答弁がありましたとおりでございます。御指摘のとおりに、東名高速道路への乗せかえを促進しますためには、通行料の減免を行うということが一つの有効な誘導策であるとは考えられるわけでございますが、反面いま建設省からお答えになりましたような種々の問題がございまして、建設省その他の関係官と協議してまいっておるところでございます。いずれにしましても、非常にむずかしい問題があるという実情にあるわけでございます。  それから第二点といたしまして、国道一号線岡崎地区の夜間交通量を減少させるように私どもトラック業界の全国団体でございます全日本トラック協会に対して指導を行っておるわけでございますが、その実情につきまして御報告をさせていただきたいと存ずるわけでございます。  私どもとしましては、道路利用者の立場で大型トラックを走行させておりますトラック協会に対しまして、昨年七月通達を出しまして、一つは法定速度、法定積載量の完全遵守、急加速、急停止の自粛等の運転マナーを向上させるということ。それから、夜間、早朝の交通量を減少させるために関係荷主の理解を得て通行時間帯を調整するということ、また運行系統の乗せかえをする、こういうような措置を講じてまいっておるわけでございまして、前者の時間調整につきましては百七十三便すでに実施をいたしました。ちょっと申しおくれましたが、現在この岡崎地区を走行しております便数、そのうち深夜、早朝、二十二時から翌朝の六時まででございますが、この間走行いたしておりますのは約千七百便ございます。そのうち時間調整をすでに実施をいたしましたのが約一割の百七十三便であります。乗せかえにつきましては六百八十便申請がございまして、そのうち約四百四十便につきまして処理をいたしております。あとの二百四十件につきましては近く処理できるものも若干ございますが、大半が先生御案内の豊田−知立間の道路が非常に狭うございまして、道路管理者につきまして意見照会をしておりますところが、なかなか、まだいまのところ回答が来ていないということでつかえておるわけでございます。  それで、いま申しましたのは路線トラック関係でございますが、地場トラックといいましょうか、区域事業につきましては事業計画上の措置というのがなかなかむずかしゅうございますので、私どもとしましては関係業界を指導いたしまして、関係都道府県、大体十三府県でございますが、そのトラック協会から成ります岡崎騒音対策連絡協議会というものを近く発足させまして、具体策を検討、推進させるようにいたしておるところでございます。
  74. 太田一夫

    ○太田委員 時間が大変過ぎてしまっておりますから、余り細かい話になりませんけれども、この対策の推進もなかなか時間がかかって、一向に進まぬわけだ。運輸省としては、ひとつトラック業界をもうちょっときつく指導してほしい。そうでないと、住民は深夜に実力行使をもって通行禁止の処置に出るという動きがあります。警察の方の方には、非常に御苦労をかけて、いろいろとやってもらっておりますが、取り締まりでこれはききません。高速道利用料金の割引制度、自主規制の徹底以外に当面いい即効薬はありませんから、その点は考えていただきたい。  最後に一問だけさせていただきます。  これは、先回、地震対策法の審議の際にお尋ねしたことではありますけれども、ちょっと気になるので、念のために追加質問させていただきます。  これは駿河湾の海底断層ですね。駿河湾の海底断層というのは、駿河湾内にあると言われておりましたが、このごろでは、新幹線の下を通って、富士山の向こうの方まで延びておるのではないかと言われておる。そうなると、直下型地震、大型地震というのは、新幹線の真下で起こるわけだ。そのときに新幹線の安全はどうかといったならば、委員会をつくって安全の検討をしておるということであったが、こういうことが言われたときに、その対策や研究というものは進んでおるのかどうか、運輸省からお答えいただきたい。
  75. 神戸勉

    ○神戸説明員 お答えいたします。  新幹線の高架、橋梁等の構造物につきましては、十分な耐震強度を考慮して設計がなされておりまして、一応関東大地震程度の地震には耐え得るものでございます。また、地震が発生したときには、列車を自動的に停止するような耐震列車防護装置を設けております。運輸省といたしましては、地震対策として人命尊重の精神にのっとり、安全確保を最優先として対処するように国鉄を指導しているところでございます。  今回の東海地区の大規模地震に関する新幹線の安全対策につきましては、国鉄に専門の委員会を設けて、設備あるいは運転規制等の事柄につきまして検討中でございます。この委員会の結論に基づく対策の実施につきましては、十分に指導してまいる所存でございます。
  76. 太田一夫

    ○太田委員 ついでに、その対策委員会責任者はだれで、何名ぐらいでやっているかということをお答えいただきたい。
  77. 神戸勉

    ○神戸説明員 委員会につきましては、国鉄部内の幹部が、各局、もちろん施設運転、営業、そういうような各部門から代表者を出してやっております。
  78. 太田一夫

    ○太田委員 質問をこれで終わりますが、保安課長、そういうことでなくて、列車はすぐとまると言ったって、本当にとまりますか。この間のときにとまらなかったじゃないですか、伊豆の地震のときに。地震が来てもゆらゆらして目の前を走っていったというような実例が報告されているのに、そんな、列車はすぐとまるなんて、二百キロで走っているものがとまるはずがない。直下型の地震が来て、その場合に、その指令があって、地震があったらすぐとまると言っても、そのスピードの惰力走行が恐ろしい。まあ、いい。委員会を十分督励をしていただくことを望んでやみません。
  79. 沖本泰幸

    ○沖本委員長 次に、井上泉君。
  80. 井上泉

    井上(泉)委員 聞くところによると、あした「交通事故状況及び交通安全施策の現況」については総理府長官から説明がなされるということでありますが、きょう、私はこの内容を詳細には検討していないのですけれども、一番私の質問に関心のある中身を調べてみましても、その辺の資料というものが非常に不十分であるというのじゃなしに、全然ないわけです。これは自賠責保険金の支払い額とか戻し額とかいうようなもの、あるいはまた傷害保険の構成の比率の中で、これは後遺障害までも含めた統計ということになっておりますけれども、これはやはり後遺症まで含めるということでなしに、一般傷害の場合の支払い額がどうであるか、こういうふうなことは、この状況及び施策の現況の中に書いてしかるべきではないかと思うわけですが、この点、これをつくられた総理府の方としてはどうでしょう。
  81. 三島孟

    三島政府委員 実は、勉強不足で、はなはだ申しわけないのですけれども、この資料につきましては、関係省庁からいただいたものをそのまま掲載したようなわけでございますので、関係省庁の方にいま御指摘の点をお伝えいたしまして、研究してもらうようにいたしたいと思います。
  82. 井上泉

    井上(泉)委員 これはいわば交通事故白書、安全対策の白書、交通安全白書というべき内容のものが網羅されておるものであろうと思いますので、この内容等につきましては、総理府の長官から報告を受けられた後において、適当な機会に中身について質疑の時間をとっていただくように要望しておきたいと思います。  そこで私は、きょうはやはり自賠責保険の関係で若干質問したいと思います。  まず運輸省に、この十日の当委員会及び理事会で、自賠責保険の限度額の引き上げについて、政府からその引き上げ内容等といいますか、その方向が説明があったのですが、私は、この際、具体的になお聞いておきたい点がありますので、それについての御答弁を願いたいと思うのであります。  というのは、支払い基準あるいは後遺症、植物人間と言われる最重症者等については、具体的にどのような措置をする考えであるのか、この点、まず運輸省に承りたい。
  83. 松井和治

    ○松井説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の自賠責の支払い基準、これは自賠責の具体的な保険金額の支払いの額を決定する重要な基準でございます。したがいまして、この基準が現実と遊離することのないように配慮してまいることは当然のことと考えております。一番最近では、昨年の四月に改定をいたしたわけでございます。本年度におきましても、賃金センサス等の資料も踏まえまして、見直しを行いたい、かように考えております。  それから第二に御指摘のございました後遺障害の問題でございます。後遺障害者の救済につきましては、このたび限度額の引き上げがもし実現になりました場合には、当然のことながら死亡と同様に千五百万円から二千万円に上がり、その他の等級も同様の比率でそれぞれ保険金額が引き上げられるわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘の重度の後遺障害者と申しますか、植物状態患者と言われるような方々に対しましては、なお、私どもとしましても救済措置をさらに充実すべきではないかというふうに考えておるわけでございますが、私どもの監督いたしております自動車事故対策センターがただいま実態調査を行っておりまして、その結果が間もなくまとまることになっておりますので、その結果も踏まえまして具体策を検討してまいりたい、かように考えております。
  84. 井上泉

    井上(泉)委員 そこで、自賠責の限度が引き上げられるということによって、任意保険に対してどういうふうな措置をとるのか。限度額の引き上げが七月一日ということになれば、やはり任意保険も同時にしかるべき改定をなすべきではないか。これはこの交通白書の中でも、強制保険と任意保険との関係を見ましても、いかに任意保険に頼っておる状態が多いかということが出ておるわけですから、そういう点からもやはり任意の保険というものについての対策も当然とられなければならないと思うので、この点、大蔵省の保険部の方ではどういうふうにお考えになっておるのか。
  85. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答えいたします。  自賠責保険と任意の関係でございますが、御承知のように任意保険というのは自賠責の上に乗っかっておるわけでございます。上乗せ保険と言われておりますから、自賠責の限度が上がれば理論的には収支が改善されるということになります。しかし、現在の任意の収支がもし悪いとしますと、その引き上げによる収支の改善ほど改善されなかったり、あるいは逆に引き上げなければいかぬ、いろいろな引き上げ要素あるいは引き下げ要素が絡みますので、これは改めて検証しなければいかぬということになります。従来の例を見ましても、あるいは実際の仕事といたしましても、自賠責の限度が確定いたしましてから作業をスタートしておるわけでございまして、たとえば任意の料率の検証期間は、いま七月一日ということが出ましたが、一応それをめどにいたしまして、五十三年七月一日から一年間の検証を行うということになっております。  それからもう一つは、任意は自賠と違いまして、大変保険種目も多うございます。それから保険金額などもいろいろありましたり、年齢別の保険もありまして、かなり内容が複雑になっておりますので、あるいは先生の御質問が七月の自賠に間に合わせろというお話ですと、いま申しましたいろいろな理由から、間に合わすことは不可能に近いと申さざるを得ないと思います。  しからばどういう措置をとるかというお話でございます。実は、従来の例を申しますと、四十八年と五十年に自賠の限度額を引き上げましたときに、任意がしばらくおくれますね、数カ月おくれましたときにはいわば経過措置といたしまして、旧料率で新保険金額をカバーするような措置を講じております。この措置につきましても、はなはだ申しわけないのですが、料率の検証が終わりまして、その余裕があればということになりますが、御指摘のような方向で検討していくつもりでございます。
  86. 井上泉

    井上(泉)委員 二千万円に上がったから当然もう任意の方はよろしいということではなしに、やはり今日は任意というものがなければ交通事故の被害者が強制だけでは十分償われていないという証拠も白書の中にもあるのですから、任意については従前同様積極的に指導し、任意保険の普及というものをなおざりにしないように、私は改めて要望しておきたいと思います。  そこで、私は自動車事故に伴う過剰診療について厚生省にいままで再度質問をしたわけですが、きょうは厚生省の関係局長もおいでになっておるわけですが、いままでの交通安全の委員会において、過剰診療についての私の質問に対してそれぞれ説明員の課長が答弁をされておるわけです。あなたもそれと同じような考えにあるのかどうか、御見解を承りたいと思います。
  87. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 結論から申しますと、基本的な考え方は従来各課長が答弁したものと全く同じでございます。ただ、これはいろいろ複雑な問題もございますので、関係各省から御相談があれば、私どもとしてできるだけのアドバイスなり何なりはいたしたいと考えております。
  88. 井上泉

    井上(泉)委員 関係各省から相談があればと、こういうことですが、医師の過剰診療ということについて厚生省は考えたことがあるかどうか、さらにこの自賠責の関係における過剰診療によって摘発を受けた医師というものも相当数あるように承知をしておるわけですが、その医師に対してどういう措置をなさったのか、その点御説明を承りたいと思います。
  89. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 先生もよく御存じのように、このような制度は、厚生省といたしましては、健康保険制度といったもの、国民健康保険制度といったもの、さらに生活保護法の医療扶助、その他いろいろな公費負担制度がございます。また関係各省といたしまして、労働省の労災保険もございますし、環境庁の公害健康被害補償制度といったものもあるわけでございます。そこで、厚生省が所管しております健康保険なりあるいは医療扶助なりその他の公費負担なりにいたしましても、先生御指摘のように過剰診療の問題などが起こり得るわけでございます。したがって、たとえば健康保険、国民健康保険関係については保険局が、また医療扶助については社会局が、そういうふうにいろいろとその辺の指導なり監督を担当しているわけでございますが、各関係省庁におかれましては、労災は労働省が、また健康被害補償法は環境庁がいろいろと指導監督をなさっているわけでございます。したがって、御指摘の自賠法の関係の医療給付につきましては、運輸省等におかれまして必要な通知を出すなりあるいは法令を改正するなりして制度を固め、指導監督をなさるのが原則であると私どもは思うのでございますけれども、厚生省は一般的な意味で国民医療というものに関与いたしておりますから、いろいろ御相談があればできるだけのアドバイスはいたしたいと考えております。
  90. 井上泉

    井上(泉)委員 相談があればということは、これこれの医師が過剰診療してこういうことをやっておる、これについて厚生省はどう思うかというような相談があればやるということであって、別段厚生省としては——厚生省はそういうように労災の関係は労働省、そうして交通事故関係は運輸省というように言われておるけれども、そのどの省を見ましても、医師の業務について指導監督をするということができる省は厚生省以外にないと思います。そうなると、やはり医師の身分あるいは業務についての指導監督することができるのは厚生省だけだから、運輸省なんかが幾ら言ってもあるいは労働省が幾ら言っても、医師を指導監督する厚生省がきちんとしなければそういう過剰診療の弊害というものは是正されないのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、私の考え間違っておるでしょうか。
  91. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 医師の指導監督も大きく分けますと二種類ございまして、たとえば厚生省の健康保険とか国民健康保険あるいは生活保護法の医療扶助といったような場合にはそれぞれの法律に基づいて当該給付についての指導監督の規定があるわけでございます。もう一つは医師法に基づく指導監督でございますけれども、これは各県知事の申請に基づきまして、医師にいろいろな問題がございましたときに免許剥奪、業務停止等の行政処分をするわけでございまして、その後者の方を私ども医務局が担当しているわけでございます。
  92. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは、医師がそういうたとえば損害保険の場合における過剰診療をやっても、その医師に対しては、それに指導監督をするという厚生省設置法第十条の一号の規定というものが適用されることはないわけですか。
  93. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 ただいま答弁いたしましたように、後段の方でございますが、自賠法の関係で医師が何か重大な事件を起こし刑事事件に問われるようなことがあり、有罪の判決を受けたといったような場合に、各都道府県知事が医師法に基づく医師の行政処分の申請をいたしますれば、私どもは医道審議会の意見を聞いて行政処分をすることにいたしております。
  94. 井上泉

    井上(泉)委員 そういうことは事件にならなければ——仮に不徳な医者があってもそれについて、おまえはそういうような診療の方法はいかぬじゃないか、もっと適正な診療をやらなければいかぬじゃないか、こういう助言的な指導は厚生省の医師の業務についての指導監督という中に入っていないのですか。
  95. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 先生御指摘のような解釈もできるのかもしれませんが、これまでの法の運用とかあるいは過去の経緯を見ますと、たとえば健康保険のいろんな問題はまず健康保険の方でおやりになって、生活保護法のいろんな問題はまず生活保護法の方でおやりになるというような慣習、慣例があるわけでございまして、実態的には先生がおっしゃったような結論には直ちにならないのじゃないかと考えております。
  96. 井上泉

    井上(泉)委員 ということは、このことは空文であって、実際は医師の指導監督については何にもしない、こういうふうに考えざるを得ないわけですが、自由診療という場合においてもあるいは健康保険の場合においても、過剰診療ということはかなり問題になっておるわけです。過剰診療がないと認めておるとか、厚生省のあなたの方へ問題として持ち上がってないから、あってもそれは知らぬ、そういう考えならば何をか言わんやですけれども、少なくとも今日この過剰診療というものが各方面にわたって言われておる中で、過剰診療するものは医師ですから、その医師の業務について指導監督する厚生省としては過剰診療防止の対策があってしかるべきだと思うわけですが、それはないのですか。
  97. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 ただいまも答弁いたしましたように、現時点におきましては、健康保険は健康保険の方で、医療扶助はその方で、ということになるわけでございまして、それぞれの制度がそれぞれの仕組みというものをつくってやるというのが、これは日本だけではない、外国においてもそうだと思うのでございます。特に過剰診療というのは医学的な判断がなかなかむずかしいのでございます。たとえば架空請求とか水増し請求とかいうのは簡単なんでございますが、医療そのものを行った、それが過剰であるかどうかというのは非常にむずかしい問題でございまして、先進各国とも委員会等をつくってやっておりますけれども、非常に苦労をしているところでございます。
  98. 井上泉

    井上(泉)委員 結局やる意思がない、またそういうことはそれぞれの所管でやることであって、医務局としてはあずかり知らぬということになるわけですが、私はあなたのような専門家でもないし、そしてその官庁機構についても知識が不十分だから、あなたの心中では、わからぬ者が何やというふうな見解で答弁されておるのじゃないかというふうに思わざるを得ないわけですが、厚生省の大事な担当局の局長としても、——過剰診療というものは水増し請求とかいうようなものとは明らかに違うのだが、過剰診療というものが今日存在しておると理解しておるのか、ないと判断しておるのか、まずその点から承ります。
  99. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 私はあると考えております。
  100. 井上泉

    井上(泉)委員 あると考えておるならば、どのような過剰診療があるのか説明してください、その知識を得たいのです。
  101. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 現在いろいろ問題になりますのは、やはり検査をいろいろたくさんやり過ぎるのじゃないかとか、あるいは投薬を少し多くやり過ぎるのじゃないか、そういったところが日本で問題になっているところだと思います。
  102. 井上泉

    井上(泉)委員 あるかとかいう仮定じゃないでしょう。あなたは過剰診療があると言っておるでしょう。それならそれがあると——いろいろな検査をよけいやり過ぎるとかという、とかではないでしょう。やり過ぎるような例もある、こういうことでしょう。そんなあいまいな言葉でごまかしなさんな。
  103. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 こういった問題につきましては、たとえば保険の関係は保険局が、医療扶助の関係は社会局がつかんでおりまして、医務局といたしましては本当の実態というものをつかんでおりません。ただ一、二紛争が起こったり訴訟が起こったりしているものがございますので、それに基づいて私は答弁をさせていただいております。
  104. 井上泉

    井上(泉)委員 それに基づいて答弁をした、こう逃げられるのですが、結局、それがなかったら過剰診療というものはないと認めておると同じことで、その点は国民の側から見て、国民の健康を守る医師の業務についての指導監督というものについて非常に不満に思うわけです。そこで、そういうことを論議しておっても時間がたちますので、いずれまた医務局のこうした医事行政については別の機会があろうと思いますので、この点は次の機会にします。  そこで、健康保険と自賠保険とが診療単価が非常に違うので、もう少し健康保険を活用することを考えるべきであるということで言われておるわけですけれども交通事故の場合、健康保険で治療してもらえるということを知らない人が非常に多いし、それで、保険でやってもらえぬものというふうによく世間では思い込んでおるわけですが、これに対して運輸大臣はどのように指導しておるのか。運輸省としての、健康保険で治療も受けられますよということについての指導をしておるかどうか、その点について承りたい。
  105. 松井和治

    ○松井説明員 お答え申し上げます。  交通事故によります傷害の治療が健康保険の給付対象であることにつきまして、国民並びに医療機関等に周知徹底を図るということを厚生省にお願いを申し上げまして、都道府県に対して指導をしていただいております。それからまた、私ども独自の指導といたしまして、御存じの日弁連の交通事故相談センターあるいは都道府県交通事故相談所、こういうものを通じまして、被害者からの相談があった場合には同様の趣旨を周知徹底するようにということを、私どもあらゆる機会を通じて図っておるところでございまして、今後もそのような周知徹底方策を継続してまいりたい、かように考えております。
  106. 井上泉

    井上(泉)委員 そういうことによって、昭和四十二年に厚生省がそういう通達を出しておるわけですが、現実に健康保険によって交通事故の被害者が治療を受けたのがどれだけあるのかということの資料が私どもの手元にないわけですけれども、およそどれくらいあるとつかんでおられるのか。これは所管の厚生省の方で調査をされておるのではないかと思うので、厚生省の方から御答弁願いたいと思います。
  107. 八木哲夫

    ○八木政府委員 私どもの手元に、具体的にどれだけ保険でやったかという資料は現在のところございません。
  108. 井上泉

    井上(泉)委員 事実そのとおり、健康保険で交通事故の治療を受けるというようなことは医師もきらうわけです。ところが、傷害の限度額が今日百万円ということの中では、もう百万円いっぱいは使ってしまうし、それではまだ不足をして、いわば事故を起こした加害者の側にとっても経済的な負担に非常に苦しんでおるという実情というものがよくあるわけなので、そういう点からも、健康保険の医療単価と損害保険の医療単価との違いというものが余りにもあり過ぎるということを考えざるを得ないわけです。この点について、こっちは健康保険であるからこうだ、こっちは自賠責、厚生省の方は健康保険のそれぞれの医療単価は決められるけれども、自賠責の場合にはそれが運輸省の関係だからあずかり知らぬことであるし、なかなか決められない、こういうことになっておるような現状です。ここら辺、健康保険で受けようがあるいは自賠責で受けようが、被害者である国民が安心をして治療の受けられるような条件をつくるということが厚生行政としてもきわめて大切なことではないかと私は思うわけですが、その点厚生省の見解を承りたいと存じます。
  109. 八木哲夫

    ○八木政府委員 確かに、御指摘のとおり国民皆保険でございます。したがいまして、必要な医療というものは医療保険のサイドで十分考えていくという意味におきまして、現在健康保険につきましては、強制保険ということで、保険の対象者につきまして必要な診療報酬の内容につきましても、関係審議会等もございますし、そこでお諮りいたしまして、保険におきます診療報酬の点数単価というものを策定しているわけでございます。ただ、私どもそういう意味で、あくまでも通常の医療というものを保険の中でカバーしているわけでございまして、先ほど医務局長も申し上げましたように、あくまでも法律に決められております皆保険という立場におきます診療報酬なり保険の内容でございますので、自賠責の問題につきまして、あるいは労災の問題等につきまして、それぞれの省庁がございますと、そこまで厚生省が決めるというのはいかがか。健康保険の単価等をある程度参考にされまして、それぞれのお立場でお決めになるべき問題であるというふうに考えております。
  110. 井上泉

    井上(泉)委員 過剰診療のないように、本当に被害者が安心をして診療を受けられるような、そうしてまた加害者の側にとってもその保険の中で処理をされるというがための保険ですから、それがためには過剰診療というものをなくさなければならないわけですが、そういう場合における診療単価、交通事故の場合における診療単価の目安になるようなものを厚生省の方で検討してもらいたい、こういうような要請が運輸省の方からあった場合には、医師の業務の指導監督をする、そしてまたその点の専門家を擁しておる厚生省としては、そうした診療単価をつくる業務に協力をする用意があるのかどうか、これは医務局長にお伺いします。
  111. 沖本泰幸

    ○沖本委員長 医務局長はいま緊急電話で退席をしたので……。
  112. 井上泉

    井上(泉)委員 それでは、その前に運輸省にお尋ねするわけですが、過剰診療を防止をして被害者、加害者とも保険の中で救済されるようにするためには、一定の基準というもの、診療単価というものが必要ではないかと思うわけですが、運輸省の方でも厚生省と相談をしてそうしたものをつくられるという用意があるのかどうか、運輸省にお尋ねいたします。
  113. 松井和治

    ○松井説明員 ただいま御指摘のございました自動車事故に独自の診療基準を設けるということにつきまして、実際の損害の査定に当たっております自動車保険料率算定会等におきましてもいろいろと研究をいたしておるところでございまして、私どもも、今後厚生省御当局とも十分御相談をして、できるならばそういう独自の診療基準というものが設けられることが望ましいというふうに考えておりますので、検討させていただきたいと存じております。
  114. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 先ほども申し上げましたが、たとえば労災保険の場合でございますと、通知によりまして、点数は健康保険の例に大体よるのだけれども、一点単価は各都道府県でお決めなさいというようになっております。また、公害健康被害補償法の関係では、特別なものについて特別な料金を定めておりますけれども、大部分は健康保険の診療報酬の例によっているわけでございます。したがって、これは私の個人的な見解になりますけれども、やはり健康保険の例によるというのが普通ではなかろうか。あとは一点単価が労災のように各都道府県でそれぞれ決まっていくのであろうというような感じがいたしております。
  115. 井上泉

    井上(泉)委員 私の質問とあなたの趣意が合致しないわけですが、あなたは聞いていないから合致しないのは当然ですけれども、私の言うのは、運輸省の自賠責における診療単価というものを、専門家がおいでの厚生省に対して、こういう場合における診療単価を作成して保険給付の目安にしていく、診療の目安にするということについて相談があった場合に、厚生省としてはその運輸省の申し入れに対して協力をして、診療報酬単価をいま言われるような健康保険が目安なら健康保険が目安でも結構ですから、労災であろうが自動車事故であろうが、あるいは一般傷害事故であろうが、保険で受ける治療の内容としては国民ひとしく同じようなものであってしかるべきだと私は思うから、その一番の元締めの厚生省がそういう——初めあなたは申し入れがなかったら、それぞれの所管でやっておることだ、こう言っておるわけですけれども、今度そういうことで運輸省から相談に出た場合には協力してつくる用意があるのかどうか、そのことを私はお尋ねをしておるわけです。
  116. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 そのような専門的な問題につきましては専門家、学識経験者の意見も聞いたり、関係団体との協議もしたりする必要があろうかと思います。方式としては運輸省が御自分でそういうことをなさるという場合も当然あり得るわけでございます。労災保険はそうしていらっしゃるわけでございますから。ただどうしてもわからないから厚生省ということであるならば、まずその下相談からいろいろ始めてみたらどうであろうかというように考えております。
  117. 井上泉

    井上(泉)委員 あなたの答弁を聞くと余りにも役人としての権威主義的な答弁の仕方であって、国民の医療行政を預かっている医務局長として本当に国民のことを考えて医療行政をやっておるであろうかどうか、こういうことを疑問に思うわけです。こんなことを幾ら問うたところで、私はやっております。こう言うから、どうだと言ってもしようがないわけですが、医療行政の官庁は厚生省であるのかないのか。これは運輸省でもそういういろいろななにはあるけれども、少なくとも医療行政の監督指導の官庁は厚生省でないかと私は思うわけですが、そうじゃないですか。
  118. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 一般的な監督指導の範囲なり解釈がなかなかむずかしいのだと思います。したがって、たとえば具体的な例を申し上げますが、林野で起こってまいりますチェーンソーの障害、いわゆる白ろう病の場合は、やはり一義的には、国有林については林野庁が、民有林については労働省が、しかしそれだけでは完全でございませんので、厚生省も入って一緒になってやっているわけでございます。そういう例は少なくございません。  そこで、一般的な意味におきましては、やはり最終的な責任は厚生省にあると思うのでございますが、各事項とか行政その他のサービスの種類によりまして、それぞれの所管省があるわけでございますから、まずそれぞれの所管省が努力をなさって、それでどうにもならないところは厚生省が一般的な指導監督権というか、そういったものに基づいて御協力をするということになっているのがこれまでの実態であるし、また今後もそうであろうと考えております。
  119. 井上泉

    井上(泉)委員 そういうあなたの見解の中からは国民の医療に対する積極的な行政は生まれない、こういうふうに私は思うわけです。たとえば、過剰診療であると言って指摘をされて、二十億も支払いの返還を要求された事実も出ておるが、そういう医師に対しては何も言うてこなければ言わないという姿勢にあるから、これはいつまでも過剰診療の弊害はなくならないというふうに思うわけです。要は、医師の任務に対する指導というか、業務の監督というか、あなたのような見解で医療行政というものを見られる限りにおいては過剰診療の弊害はなくならないというふうに私は思うのです。あなたも先ほど過剰診療があるというふうに言われたのですが、あればそれを直すだけの方法があろうと思うのですが、その方法について承りたいと思います。
  120. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 先ほど来申しておりますように、そういった個々の医療保障制度の問題につきましては、健康保険、国民健康保険では保険局が、医療扶助では社会局が、労災保険では労働省が、公室健康被害では環境庁がやっていらっしゃるわけでございますけれども、医務局としては、やはりこういった問題は医師の教育の問題から始まるわけでございまして、入学、医学部の教育、卒後の教育、生涯教育といったところを中心にして医師の倫理の高揚とかあり方の改善とか、そういったものに努めていくというのが基本であろうと考えております。
  121. 井上泉

    井上(泉)委員 私がさきにこの問題について運輸大臣に質問をしたときに、過剰診療が行われておるということ自体についてはやはり残念なことであるから、そういうことのないように鋭意指導してやりたい、そしてまた運輸大臣は、やはり医師たる者がどうすべきかということについても考えるべきである、こういう見解を述べられておるわけです。医師たる者がどうあるべきかということに対して指導をする厚生省が、しかも直接の責任者の医務局長が私の質問に対してそういう答弁をする、そのいろいろな意見というものを聞くと、医師たる者に対して指導する資格はない、つまり、医師の言いなりに厚生省が動いておる、こう世間で言われておりますが、私自身もそういう感じを強くするわけです。しかし、そういうことをしておると言ったところで、あなたがしていないと言えばもうそれまでのことだし、具体的な事例がない限りは究明ができないわけですけれども、少なくとも過剰診療に対して医務局の方は何らの対策も持っていないということだけははっきり言えると私は思うわけです。  そこで、保険金の支払い等については大蔵省も監督官庁として関係があると思うので、大蔵省にお尋ねをしておきたいのですが、こうした医師の過剰診療による保険金の支払い、いわば過剰診療だから過剰支払いになるわけですが、こういうものに対してどういう対策をお考えになっておるのか、またお考えになろうとしておるのか、その辺の見解を承りたいと思います。
  122. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答えします。  この問題は、四十四年に自賠審から適正化問題で答申を受けまして、以後、自賠責の医療費調査室ができましたり、顧問医制度ができましたり、あるいは指定病院、委託病院、いろいろやりまして、特に乖離の大きいものについては御相談して、減額請求をいろいろやっておりました。  私、この交通安全対策特別委員会にずっと出ておりまして厚生省の御答弁を聞いておりましたが、もう十年近くやってもこういう問題は解決しないではないか。そこで、私がこういうところで言うのはおかしいかもしれませんが、大蔵、運輸、厚生三省が集まって協議会を開いて、どこに問題点があるか、どうすべきかということで、われわれ三省で至急問題の打開をしなければ進まないのじゃないかと思っております。私が厚生省や運輸省を拘束するような答弁はできませんが、私の提案といたしましてできれば両省の協力を得たいというように考えておる次第でございます。
  123. 井上泉

    井上(泉)委員 私は、いまの大蔵省の保険部長の私案というものに賛成をするものです。やはり前向きでなければいつまでたってもこの問題は解決されないし、被害を受けるのは国民であるわけです。せっかく自賠責の限度額の引き上げをやっても、そこに過剰診療というものがついていけば被害者の救済はされないし、また加害者の側にとってもこれによって大きな経済的負担が加わってくるということになるわけですから、そういう大蔵省の保険部長の私案といいますか見解に対して、私は再度医務局長の見解と運輸省の見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
  124. 佐分利輝彦

    ○佐分利政府委員 保険部長の御提案には賛成でございます。三者寄り合っていろいろ相談をするというのは非常に結構なことだと考えております。
  125. 松井和治

    ○松井説明員 運輸省といたしましてもただいまの保険部長の御提案に賛成でございますので、厚生、大蔵両省と協議をいたしたいと思っております。
  126. 井上泉

    井上(泉)委員 私は政府を代表しての政務次官の出席を要求しておりましたので、ここで政務次官からそのことについての見解を聞いておけば非常によかったわけですけれども、それが聞けないので、いまの大蔵省の保険部長の提言に対しては、それぞれの関係の省が賛成と言うのでありますから、委員長においても、この辺については、早急にそういう機会が持たれるように、これは勧告とは言わなくとも助言なり何なりの方法をとっていただきたいということを申し入れて、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  127. 沖本泰幸

    ○沖本委員長 次に新井彬之君。
  128. 新井彬之

    ○新井委員 ことしの二月十八日の予算委員会におきまして、わが党の草野委員が自転車駐車対策の推進問題について質問した際に、高木国鉄総裁は、国鉄が持っている土地を地方公共団体自転車駐車場建設のために提供してほしいという要請に対し従来より積極的な姿勢で臨みたい、こういう答弁をされておりますが、従来より積極的な姿勢とはどういうことなのか、土地の無償提供という意味か、その件をお伺いしておきたいと思います。
  129. 佐藤一成

    佐藤説明員 お答えいたします。  二月十八日に衆議院予算委員会で総裁からそのようなお話があったその中身でございますが、ああいうふうな全体を見ていただきますとおわかりになるわけでございますが、一月二十三日交通対策本部決定というかっこうで決定が出るまでは、やはり自転車駐車場の整備の設置主体とかあるいは運営主体というものが一体だれなのかということがどうもはっきりしていなかったということで、国鉄としても従来からいろいろなことをやっておったわけでございますけれども、率直に申し上げまして、俗な言葉で申し上げれば、やや腰が引けておったということで世間からとかくの批判を受けておったわけでございます。そういうことで、一月二十三日交通対策本部決定ということで、その辺が明らかになってまいったわけでございますので、国鉄としては従来とやや趣を異にしまして、前向きな姿勢で対処するということはそこに出てきたわけでございます。  その積極的な姿勢で対処するという内容についてどういうことかという先生の御質問でございますけれども内容についてあれこれということを申し上げるより、まだ時日もわずかしかたっておりませんので、今後の実績を見ていただきまして御批判をちょうだいいたしたいと思うわけです。ただし、あえて言うならばということでお話し申し上げれば、無償ということは考えておりませんが、他の用途に現在使っておるものとかあるいは第三者に貸し付けを行っておるものとか、そういうものについて用途変更なりあるいは貸付面積の縮小なりというような手を打ちまして、自転車駐車整備協力してまいりたい、こういうふうな気持ちであるということでございます。  以上でございます。
  130. 新井彬之

    ○新井委員 現在土地を国または地方公共団体に貸し付ける場合に、何を根拠にして、どういう方法で貸し付けておるのか、その辺をお伺いしておきたいと思います。
  131. 佐藤一成

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  国鉄が所有する資産を国または地方公共団体云々ということよりは、国鉄が保有しておりますところの資産を第三者に貸し付けるのはどういう根拠か、こういうふうに御質問を受けましたということでお答えを申し上げれば、国鉄の資産を部外に貸し付けする場合には、昭和三十二年三月に日本国有鉄道公示ということでされておりますところの土地建物等貸付規則というものがございます。これによっております。また、それを受けまして、部内の取り扱いにつきましては土地建物等貸付基準規程というものを制定いたしまして、これは総裁達でございますが、それを制定いたしまして、事務の能率化とか、事務の統一化、それから取り扱いの公正というものを図っておるわけでございます。
  132. 新井彬之

    ○新井委員 現状は、使用料を取って貸し付けている場合というのは非常に少ない、こういうぐあいに聞いているわけですが、土地の提供について有償、無償の実態というのは現在どうなっているか、また、民間ベースで貸した場合と地方公共団体に貸した場合の使用料について違いがあるのかどうか、お伺いしておきたいと思います。
  133. 佐藤一成

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  実は先生の方で、現在使用料を取って貸し付けている場合が少ないと聞いておるがというふうな御指摘でございますが、一般的な話もさることながら、自転車駐車場の問題に限って申し上げますと、そういうことでございません。むしろ逆でございまして、きょう現在といいますか、三月末現在のデータによりますと、全国で七百七十五件の駐車場用として貸し付けを行っておりまして、そのうち無償というのは三十八件でございます。残りの七百三十七件は有償となっております。  そこで、無償の主な理由は何があるのかというふうな点が出ようかと思いますが、これは従来、四十四、五年から国鉄の営業体制の近代化を進めてまいりまして、地域社会の御協力を得るというためにどうしてもお願いするということで無償にするという場合もございましたし、あるいはまた、都市計画事業に基づきますところの連続立体交差事業による場合の公共利用分、この種のものが無償の中にあるわけでございます。それ以外は有償でございます。
  134. 新井彬之

    ○新井委員 現在、自転車の放置というのが非常に問題になっているわけでございますが、この前も、一月二十三日に基本方針は出ておるわけでございます。国鉄としてもこれには積極的に参加をするということでございますが、それ以後何か変わったようなことはございますか。
  135. 佐藤一成

    佐藤説明員 その後の変わったことはどうかということでございますが、二月の十八日に総裁から御答弁申し上げた際にも、去年の暮れごろまでに、要するに交通対策本部決定が出るまでに、国鉄で受理いたしました自転車駐車場を設置したいという地方自治体の申請件数は五十五件ございましたということを申し上げました。そこで三月末までに十三件処理しましたということですが、残りはどうなっているかということで、その後も鋭意処理するよう督励いたしました結果、六件を処理し、どうしてもむずかしいということで三件を一応承認するわけにまいりませんという御回答を申し上げ、現在三十三件が懸案になっておるということが実態でございます。  あと、それ以外に変わったことがあるか、新しい何か積極的な施策を云々ということも先生の方でいまございましたが、やはり本部決定の範囲において協力するという域を現在のところ出ておりません。その協力内容について無償提供だあるいは国鉄みずからが自転車駐車経営をやったらどうかという話もよく耳にするわけでございますけれども、現在までの検討の段階では、いずれも消極というかっこうで考えております。
  136. 新井彬之

    ○新井委員 先日の予算分科会におきまして英賀保駅、姫路駅、御着駅、こういうところの自転車置き場について質問しているわけでございますが、その後の経過はどうなっておりますか。
  137. 佐藤一成

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  まず姫路の件でございますが、けさほど現地局から報告をとったわけでありますが、五月の二十九日、国鉄それから市、国鉄と申しますのは大阪局でございますが、それから警察、三者で打ち合わせをやったということでございます。内容は、最終的な話がつきましたということでございます。  ただ、いつの時点で新しくでき上がった駐車場に収容するかという切りかえについては、やはり駐車需要の少ない時期がいいだろうという方と、いやでき上がったらすぐに切りかえたらいいじゃないかという意見がまだ若干残っておりますけれども、そういう問題は乗り越えて、あすからでも工事に着工しようじゃないかということに現在なっております。  英賀保につきましては、実は非常に長く折衝が持たれておった案件でございますが、国鉄といたしましても、現在保線関係の材料置き場として使っておるところを他に移転しようじゃないかということの内部の調整がつきました。これはすぐに着工というわけにはまいりませんので、線路を撤去しなければなりませんので、これに要する時間だけややおくれるというかっこうで、これも余り長い時日を要せずして実現することになっておるということでございます。  それから御着につきましては、御要請があったわけでございますが、当該地は現在駅長が義務宿舎として住んでおります。そこをのけて自転車駐車場にするというわけにはまいらぬということで、市に話した結果、市の方も快く了承していただいておるということを報告として受けております。
  138. 新井彬之

    ○新井委員 警察庁にお伺いしますが、交通事故による死者数を四十五年のピーク時の半分に減らす対策を進めている中で、交通三悪のうちの酔っぱらい運転スピード違反に対し、警察庁は厳罰主義で臨む方針ということであるが、この前も一つの法案を出したわけでございますが、どういうような方針なのか、お伺いしておきたいと思います。
  139. 杉原正

    杉原政府委員 この酔っぱらい、スピード違反によります事故がかなり高い比率を占めておりますのと、それからこの酔っぱらい運転スピード違反の死亡事故に結びつく率、致死率というのが非常に高いということでございまして、やはりこういった無謀運転につきましては、これからもさらに取り締まり徹底すると同時に、背後関係等の問題も含めて、根源を断つような対策に力を入れていきたいというふうに思っております。
  140. 新井彬之

    ○新井委員 酒酔い運転等については、ほとんどが他の違反を一緒にやるというようなことが多いわけでございますが、酒酔いと酒気帯びについても交通違反の点数に差があるし、これらの処理についても現場の交通警察官の裁量に任されていることが多いし、厳罰主義が採用された場合、ドライバーたちが免許取り消しの行政処分を免れようと、警察官と争う場面がふえることにもなりかねないと思うわけです。取り消し処分に対し、ドライバー側が不服の申し立てや行政訴訟で対抗することも考えられますが、これらのことも考えて、酒酔いと酒気帯びの差を科学的にはっきりさせておく必要がある、こういうように考えるわけでありますが、この点いかがでございますか。
  141. 杉原正

    杉原政府委員 いまの道路交通法の中でのたてまえというのは、酒気帯びというのは、御案内のように通常呼気ではかっておりますが、具体的な測定器がございまして、〇・二五ミリ以上ということで、試験管で測定をいたすわけでございます。  それから、いわゆる酔っぱらい運転、これは正常な運転ができないおそれのある状態運転をしている者ということで、これは酒気帯びとは違いまして、〇・二五あるとかないとかという問題ではなくて、要するに具体的にその人が正常な運転ができないということの認定をしないといかぬわけでございます。当然酒気帯びの量というのも基礎に置きますけれども、人によって個人差がございます。これは、いまも具体的な鑑識カードというものを全国統一したものでつくっておりまして、真っすぐ歩いてもらうことが可能かどうか、ある時間直立しておれるかどうかというふうなこと、その他を鑑識カードで全部とりまして、その上、回りの問題として、どこでどの程度飲んだというふうなことの裏づけをとってやっておるわけでございますが、御指摘のように、酔っぱらいあるいは酒気帯びというふうなものをどういうふうに、さらに強化する必要があるかどうかというふうなことを含めていま検討いたしておりますが、いずれにいたしましても、非常に個人的なドライバーの権利にかかわる問題でございますので、今後とも慎重な配意のもとで指導をしてまいるようにしたいというふうに考えております。
  142. 新井彬之

    ○新井委員 そこで、ちょっと具体的にお伺いをしておきたいと思うのですが、悪意があってそういう状態になっている場合には弁解の余地はないと思います。しかしながら、たとえて言いますと、朝の四時まで一緒に飲んでおった、その次の日は仕事があるからということで三時間ほど寝て、朝出かけていった、ところが酒気帯び等になるというようなことで、自分とすれば一晩過ごしておるんだ、確かに夜中四時までは飲んだけれどもと、そういうようなこともあるわけですね。あるいはまた、結婚式へ行きまして、どうしても乾杯のときだけは、それはジュースでやればよさそうなものでございますけれども、これだけはと言われてコップにビールを一杯飲んだ、あるいはまた、食事をするときに、当然肉料理なんかは赤ワインが出ますし、魚料理の場合は白ワインが出る。そうすると、飲むとか飲まないとかというよりも、料理の付属品みたいな形で飲んだために、たとえ三十分でもゆっくりして、こんな少量の一杯のことだから問題ないだろうと、こういうようなことがあるわけですね。そうすると、その方は、当然交通事故を起こしちゃいけないんだという気持ちもありながら、ある意味では世間の常識みたいなものを守りましてちょっとやったところが、厳罰主義といいますか、これはどうなんだというようなことになる。そういうようなことは、やはり良識あるドライバーにはよく教えておいてあげなければいけない。  そこでちょっとお伺いをしておきたいのでございますが、〇・二五ミリ以上出た場合は酒気帯びということですね。これはどういう状況のときに一般的に出るのか、それをちょっとお伺いしておきたいと思うのです。
  143. 杉原正

    杉原政府委員 これはなかなか個人差がありまして、一概に言えない面がございますが、たとえば、先ほどおっしゃいましたように、ブドウ酒を一杯ひっかけて、これで酒気帯びというふうになるのは、通常の場合はございません。やはりビール一本ぐらい飲むというふうな感じの場合でございます。  それから、酒気帯びという、具体的な呼気とか血液のあれになるわけでございますが、やはり飲んで三十分から一時間ぐらいたったときが一番そういう状態になるものですから、これは私どももそういう事柄についてもっと、もう飲んだら運転しないというのが一番良識あるドライバーだと思いますが、やはりそういう点の危険性等も含めて、もっとやはりドライバーに対する広報というものも徹底していかなければいかぬというふうに考えております。
  144. 新井彬之

    ○新井委員 飲んで運転しちゃいけないということは非常に徹底されているわけですから、かえって良識ある人が、ある程度といいますか、そういう形で飲んで、パトカーに追いかけられて、本来ならばそれでとどまって何ですかということで済むのを、自分は飲んでいるから危いんじゃないかと、さっき結婚式のときに一杯乾杯をしちゃったということで逃げ歩いて事故を起こした、こういうようなこともあるわけですね。だから、やはり正直にきちんと、だれもがわかるような形で、それは飲まなければ飲まないのが一番いいんですけれども、そういうところの状況というのをひとつ科学的に検討もし、広報もやっていただきたい、こういうぐあいに思うわけです。  それから、それに関連をしましてお伺いしておきたいのですけれども、これは後でも出てくるのですけれども一つの例を挙げますと、あるトラックが田舎道を走っておったわけですね。たまたま、走っていることは走っておったのですが、ちょっとした接触事故を起こした。それですぐにとまりまして、電話も何もないところですから、おろおろしながら何とか早く連絡をしなければいけない、こういうことがあったわけですね。そこへ田舎のことですからたまたま親切な方がおりまして、すぐ私が病院へ連れていってあげましょうということで連れていってくれた。それから電話がないかと探したところが、たんぼにいる人が、じゃ私の家からこういう事故が起こっているということで連絡してあげましょうということで連絡してくれたわけですね。それでパトカーも飛んできたというようなことなんですが、おまえは何をしていたんだ、とにかく連絡はしないわ、けが人は運ばないわということで一方的にすごく怒られて、こいつは悪人中の悪人だということになっちゃったということですね。  だから、確かに全然知らない道をトラックで走って、そこに公衆電話があったではないかとか、あるいはまたそこにこういうこともできたではないかというようなことについて、やはり客観的に見てあげて、本人が——事故というのは悪い人だから事故を起こし、いい人だから事故を起こさないということはないわけですね。事故内容を見て、スピードもそんなに出してなかった、本当に両方ともお気の毒だというような場合が比較的多いんじゃないか。その場合に、一方的に犯罪者扱いをしてやるということも問題じゃないか、こういうぐあいに思うわけですね。  そういうわけで、厳しくすることは結構でございますけれども、そういう中にあっての客観情勢なんかの聞き方、そういうことについてはどのようになっていますか。
  145. 杉原正

    杉原政府委員 これは御指摘のとおりでございまして、だれも事故を起こそうと思って事故を起こすようなドライバーは、よほどのレアケース以外はないわけでございます。現場でその辺が非常に大事なことでございますので、私どももよく関係者の意向も聞きながら、その責任の度合いというものもよく考えながらやっていかなければいかぬと思います。いまの点数制度等の中でも、同じ事故を起こしましても責任が重いケースと軽いケースとに分けまして点数に差をつけておるわけでございますが、そういう現場での処理の仕方、それから本人からの意見の聴取の仕方、こういう点については十分われわれも反省すべきところは反省しながら処理をしていかなければいかぬと考えます。
  146. 新井彬之

    ○新井委員 いままで——いままでというとあれですけれども、五十二年でも五十一年でも結構ですが、免許の取り消しになっている人というのは年間大体どのくらいありますか。
  147. 杉原正

    杉原政府委員 昨年の統計で申し上げますと、取り消しは約六万八千件でございます。
  148. 新井彬之

    ○新井委員 確かに十五点という点数をもらいまして、一回では取り消しになるわけはないわけでございますし、二回か三回やらなければいけないわけですね。そういうことでいろいろな条件もついておりますし、それの救済方法もある程度あることはあるのですけれども、そういう欠格者に対して、免許を取り消すまでにもう少し厳しい何か教育みたいなことをしてあげた方がいいんじゃないか。といいますのは三日間あるいは二日間なりかけて徹底的に直してあげる。そうでないと、ある意味では免許を取り消されたために生活ができなくて路頭に迷っているという方もまじめな方でおられるわけですね。確かに事故事故だけれども、居眠りしちゃっていたんだ、それは全く過失ですよね。過失であるし悪いことなんですけれども、今度免許を与えたときに、そんなに悪い人じゃないし一生懸命やる人なんだというような人もいるわけですね。したがいまして、十五点なくなっちゃって取り消しになるよりも、それまでに、たとえば十二点になったとか、あるいは十三点になったときに、希望者があれば三日間特訓をやります。そこで徹底的にやった人はもう少し考えましょう、またそうやればある程度とまるんじゃないかと思いますけれども、そこら辺の考えはいかがですか。
  149. 杉原正

    杉原政府委員 これは私も全く同感でございます。  それで、現在のこの制度と運用のあらましをちょっと申し上げますと、まず六点から停止になるわけでございます。そうしますと、その六点の停止になると非常に皆さん困られますから、四点、五点になりますと、四点、五点になった人について、交通安全運転センターというのが例の特殊法人でできておりますが、これでみんな各人に通知をするわけです。もう四点、五点だから、あとやると六点になりますから注意をしてください、これは年間約百二十万のドライバーにこの通知を出すわけです。それが一つ、予防、事前に教えてあげる。  それからもう一つは、六点から三十日の停止、それから九点になりますと六十日の停止、こういうことになりますが、講習を受けられますと、これが三十日の場合には一日講習を受けると一日だけの停止でいい、それから六十日の場合は講習を受ければ半分ぐらいはその停止期間を短くするということで、できるだけ取り消しにならぬように処置はしておるつもりでございますが、私どものあれでは、それでもなおかつまだ不十分だという感じがいたしておりますので、いまたまたま政令の作業をやっておりますので、そういうドライバーができるだけ取り消しにならないでいけるような措置をもっと考えられないかということで、いま検討しておるわけでございます。いまでも過去いろいろな違反があったり停止処分を受けましても、一年間無事故違反で過ごしていただきますと過去のものを全部消してしまうという制度がございますので、これあたりのものをもっといろいろ活用して、何とかそういう不幸な方にならぬように努力してみたいというふうに思います。
  150. 新井彬之

    ○新井委員 次に、事故が起こった場合の任意保険の支払い方法でございますが、この任意保険というのは沖繩を除いて六〇%ですか、大分加入者がふえてまいりまして非常にいいことだというぐあいに思うわけですけれども、こっち側が非常に正しくて全然過失がなかったんだ、そうしますと過失相殺ということで、相手がけがをしていても保険金額が一〇〇%払えない、こっち側が悪ければ払える、こういうような形になっておりますね。したがいまして、この前もある人が事故を起こしたのですけれども、その場合に本当は運転者は悪くなかったのだけれども、どう考えてもお気の毒だ、任意保険は出ないから、私も少しお金を出しましょう、それで少し悪くしないとこれは保険の金額は上がらないから、自分も協力して、こっちも過失があったことにしようじゃないかという、考えてみれば善意と善意の人たちが、事故を起こした中で過失相殺ということがあるばかりに罪をつくっているような現状もあるわけですね。したがいまして、やはり事故の場合というのは、意識的に起こせばこれは当然殺人罪でございますから、意識して起こすことはない。それから、当然だれが考えたってこれはあなたの方が悪いに決まっているじゃないかというような場合というのはあれですけれども、たとえて言うと、お母さんが子供の手を引っ張っていたのが、急にぱっと飛び出して、そして事故を起こした。そうすると、運転者の方はちゃんと法定距離みたいなものでとまって、スピードも出していない、何にも悪くないんだとこれは言いたいところですね。これはまさにだれが悪いとかいいとかというよりも、そういう現実が起こったというだけですね。そういうようなことを考えまして、過失相殺というよりも、被害者側もいい悪いにかかわらずある程度救ってあげるという方向に向くのが本来の保険制度ではないか、私はこういうぐあいに思うわけでございますが、大蔵省のお考えはいかがでございますか。
  151. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 先生の御質問を聞いておりまして考えておったのですが、自賠責保険にしましても任意保険にしましても、賠償責任保険なんでございますね。すると、賠償責任保険というと、いい点は、いまおっしゃった両当事者が、どっちがどれくらい悪いかとか、いろいろな事情を勘案して損害の公平を図られるという利点もございます。それから車を運行する者はそれだけ責任を持てということで、慎重になりますから責任感を持たせられる。それで問題点はどこにあるかというと、悪い点というとちょっと言い過ぎですが、問題点は自損事故ですね。自分がやったのは持たない。それから加害者、被害者の交渉に大変時間がかかるという、悪いというか問題点がございます。  それからいま先生がおっしゃった第三点の過失相殺というと、どうしてもこれは法律理論から考えざるを得ない。そういう現実問題として強いて挙げれば、利点に比較すればマイナス点がある。それはどうしたらいいのかというのは、私考えたのでございますけれども、災害補償にしてしまうと、この問題点は、いま私三つほど挙げましたが、一挙に解決してしまうわけですが、これはこれでまた責任理論を放棄するという問題点があります。先生の御質問、まさしくこの点をつかれたのだと思って、私は本当にいいところをつかれたと思いますが、ただ、どうしても責任保険理論でいまの自賠法も、それから任意の保険もできておりますから、やはり災害補償というのは持ち込めなくて、責任保険理論を持ち込みますと、過失相殺というのはどうしても原則になってしまう。裁判事例を見ましても、自賠でも過失相殺を認めております。ただ自賠というのは、法律をいじくるまでもなく、政策的な観点で任意よりも少しこの点は変わったといいますか、緩やかな解決をしておりまして、いずれにいたしましても任意のいまの過失相殺を緩めますと、いわば自動車事故以外の賠償はどうなるかとか、それからいままでいろいろな判例がございましたね。その判例とどう関連づけ、どう調整するかといういろいろな、大げさにしますと、責任保険理論の根本にかかわる問題でございますので、非常に鋭い御指摘でございますが、いまの体系をとる限り、これを緩めるということはちょっと無理ではないか、こういうふうに思っております。
  152. 新井彬之

    ○新井委員 確かにいままでの法律体系はそういうぐあいになっておりますし、それはほかとの関連ということについても私もいろいろ考えたわけでございますけれども、現実のさっき言いました例を見ますと、そんなことで非常に困っているというか、悩みというか、何とかしてあげたいというか、そのために本来悪くないものを自分も悪くしているのだ、こういう現実があるということをひとつお考えいただきたいということです。  それともう一つは、やはりだれも悪いことをしようと思ってしたわけじゃない。そういう場合は善意者同士でございますね。そういうわけでございますので、そういう面もひっくるめて今後根本的な法律的な議論もしていかなければいけないと思いますけれども、何とかそういうこともしなければ、現実はもたないのじゃないか、こういうぐあいに感じているわけです。  それで次に建設省に若干お伺いしておきたいと思うのですけれども、播磨地域では東西交通は国道二号線に依存しているわけでございますが、各沿線市町では交通環境が日増しに悪化して、県下有数の交通難所で事故多発地帯となっている。こういうことで各市町村から非常に指摘があるわけです。  そこで、国道二号線の姫路以西、赤穂市間における歩道歩道橋の設置、増設、改良、国道をまたぐ通学路には横断歩道橋の設置、交通事故防止のための交差点改良の実施、こういうことについて過去にいろいろな要望というものが出ているわけですね。そういう中でどのような認識でやっておられるか、お伺いしておきたいと思います。
  153. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 お答えいたします。  国道二号線の御指摘の姫路−赤穂間の改良事業の関連でございますが、お話のありましたような各種の改良事業についていろいろ現地から要望が出ております。これについてすでにやっておるものもありますし、近く完成するものもあるわけでございますが、要望件数といたしましては、一般国道、姫路−赤穂市間、国道二号、大体四十四キロございますが、歩道整備状況は五十二年度末で約五〇%となっておるわけでございまして、この区間について過去三年間で見ますと、播磨交通対策協議会等から歩道の設置を要望されている件数は十七ケ所、約九・八キロ、側道橋について三ヵ所、横断歩道橋について六ヵ所、交差点改良について八ヵ所、というふうな要望が出てきているわけでございます。このうち五十二年度までに歩道設置につきましては三ヵ所、約下五キロ、横断歩道橋については一ヵ所、交差点改良については三カ所の整備を完了しているわけでございまして、また本年度におきましては歩道設置については三ヵ所で延長二・四キロ、側道橋につきましては一ヵ所、交差点改良については二ヵ所の整備を予定いたしておるわけでございます。  そういうことで要望個所については逐次手をつけていっているわけでございますが、ことしからスタートいたします第八次の道路整備五ヵ年計画におきましては、歩行者の安全を確保するために歩道設置等の事業を最重点に置いておるわけでございまして、この中で姫路——赤穂市間につきましてもバイパス等の整備と整合を図りつつ、緊急度に応じまして歩道等の設置を促進してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  154. 新井彬之

    ○新井委員 今回の国会におきまして道路整備緊急措置法が提出されて、初めて目的のところが「道路交通の安全の確保とその円滑化を図るとともに、生活環境の改善に資し、」こういうぐあいに変わったわけですね。第八次の道路五ヵ年計画が発足しているわけでございますが、具体的に交通安全という問題を取り上げますと、やはり各市町村がいままでここに何とかしてくれという非常な事故多発地帯であるとか、あるいは危険地帯というのが出ているわけですね。道路局長はそういうことについても鋭意いままで努力をされてまいったわけでございますけれども、こういう具体的な問題について、ここに一覧表もいただいておりますけれども、どうかひとつ今後とも交通安全のために全力を尽くしていただきたい、このように思うわけでございます。  最後に、一般国道、補助事業の分ですね。それにおきます道路改良等の採択についていろいろ努力をしていただいているところでございますが、相生市の二百五十号線の陳情について、これの見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
  155. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 二百五十号の相生市内の改良計画でございますが、相生市を二百五十号が貫いている区間につきましては人家連檐部でございまして、幅員が非常に狭い、かつ屈曲があり、歩道のない部分も一部あるわけでございます。交通安全上の対策、先ほど言いましたようないろいろな種類の事業をやらなければならない個所というふうにわれわれも考えておるわけでございまして、これに対しては御承知のように五十二年度から湾口部を短絡するバイバスの建設に着手しておるわけでございます。これは全体で総事業費が大体十七億ぐらい、一・二キロぐらいのバイパス計画でございますが、五十二年度から手をつけておりますので、事業化当初は比較的事業費も少ないわけでございますが、五十二年度二千万、五十三年度六千万というような事業費がついております。今後、鋭意事業の進捗を図ってまいりまして、一日も早くこのバイパスを完成するように努めてまいりたいというように考えております。
  156. 新井彬之

    ○新井委員 この改良路線は、昭和五十一年の一月二十三日に都市計画事業として計画決定されておりまして、昭和五十二年度になって二千万円の事業費が決定した。それから、いまお話があったとおりでありますが、ここは私もよく行くのですが、非常に危険なところでございまして、   相生市内中心部の那波地区においては、人家が密集しているうえ、道路幅員が狭く、かつ屈曲部分が数ケ所あって見通しが悪いという地理的悪条件下にあります。   そのうえ姫路バイパス全線開通後、特に相生市内の国道二号線の渋滞は著しく、これが市内の国道二百五十号線に迂回する車輌も多く危険極まりない状況になっており、那波地区の住民から本道路改良について厳しく申し入れもあって、住民運動が展開しかねない状況に相なっております。   また、ご存じのとおり相生火力発電所建設が、近く決定されますので、これが建設に伴う資材等運搬についても、大型車が本国道を通過することは必至であり今後ますます交通量が増加し、通勤、通学等生活道路としての環境悪化は想像を絶するものがあります。 こういうことでありまして、事実非常に大変なところであります。御努力をいただいておることはよく承知いたしておりますが、ひとつこの件もよく実情を御賢察願いたいと思います。  質問を終わります。
  157. 沖本泰幸

    ○沖本委員長 次回は、明六月一日木曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二分散会