○牧村
政府委員 まず五月二十六日のトラブルについて御
説明いたします。
このトラブルを起こしました場所でございますが、これは主工場の三階にございますいろいろな工程中からとりました分析試料を操作するサンプリングの操作室で起こったわけでございます。このサンプリングの操作を行う部屋と申しますのは、グローブボックスの中で操作されるわけでございますが、試料を注入したり、一定の容器に入れたりというものをグローブボックスの外から、一つのトングと呼んでおりますがそういうものを使って操作をするという作業をいたすわけでございます。当然外側で作業員がトングをつかみましていじるわけでございますが、そこでボックスと外面との間の仕切りがあるわけでございます。その仕切りがビニール製のじゃ腹で外界と内部とを仕切っておるわけで、このじゃ腹に微小の穴があいたと
考えられております。そこから操作しております試料の水溶液がしみ出てまいったということでございます。サンプリングを操作しました液体は放射性のセシウム等が比較的多量に入った液でございましたので、したがいまして被放射能が非常に高い液でございます。そのきわめて微量な液が漏れたわけでございますけれ
ども、外側に与えました汚染としては、
基準値は下回っておりますけれ
ども相当高い放射能がごく微量漏れた、その漏れたものが着衣に付着したことと、それから一部床に飛散したものがくつを通じましてその操作室の床を汚したということでございます。この発見は、作業が終わりまして退出時に行うハンド・フット・モニターによって発見したわけでございます。発見後直ちに除染を行いまして、
管理レベル以下に除染をしたということでございます。それから、その漏れた、サンプリング等をいたしますベンチにつきましては、ビニールカバーをもう一枚余分に付加しまして漏洩がないことを確かめて、現在作業に当たりましては念のためにゴム手袋、くつカバーを着用するということで常時
観測しながら作業を進めております。近く予定されております定期修理の期間に、これを徹底的に直すということで対処をすることにいたしております。
ここで一つ問題でございましたのは、このようなトラブルが起きたときに、役所と動燃
事業団との間の約束事でございます。こういうトラブルは多少にかかわらず報告する、しかもそれを外部に発表しようという約束があるわけでございますが、それが工場の長までは行ったわけでございますが、これが動燃の本部並びに
科学技術庁にも報告がなかった、新聞報道によりまして、国会の
先生の御
指摘によりまして私
ども調べて初めてわかったという、きわめて遺憾なことがあった次第でございます。
それからもう一点、六月九日の汚染のことにつきまして御報告いたしますが、これは六月九日でございます。それで、これは同じく分析所で発生いたしました固体廃棄物、これは試料びん等でございます。こういうような廃棄物をキャスクに入れて放射性の廃棄物貯蔵所に持ってまいりまして、そこで貯蔵しておく、廃棄するという作業でございます。これはフォークリフトに積みまして、作業員がついて
現地貯蔵所に行き、ここで取り出してキャスクを除染してそれで作業が終了するわけでございますが、この取り出した後、除染作業が不十分であったということで、作業をいたしました作業者の一名の作業衣に汚染を生じたということと、それからフォークリフト自身にも一部の部分に汚染を生じた。これを発見して直ちに除染はいたしました。
〔
委員長退席、大石
委員長代理着席〕
ここでこの
対策でございますけれ
ども、この廃棄物を積み込むときに、積み込んで搬出する前にキャスクの除染が徹底的に行われたかどうか疑問がございます。それから取り出した後、除染を完全に行わなかった、この二つの点についてやや従業員の作業に欠けるところがあったということが
考えられますので、その除染の徹底を図るということを直ちに指示しております。
それぞれの
事故につきましては、当方といたしましても作業マニュアルの徹底等をさらに十分に厳守するようにということで担当
理事等に対して注意を促しておるところでございます。