○瀬崎委員
科学技術庁長官、居眠りされているので聞いておられたのかどうか知らないけれ
ども、お聞きになっておりましたか。いまのでわかったと思うのですね。
まず、
基本設計の第一次の
安全審査を現在科技庁と
原子力委員会がいわば車の両輪のような形でやっている。この
体制を通産へ引き継ぐわけなんだけれ
ども、決して
人数だけで比較できるものではないと言われるけれ
ども、現在、まず直接の政府職員の
人数からいっても、通産へ移ることによって減ってくるわけですね。これは明らかになりました。
それから、
原子力委員会は
相当数の
学識経験者の応援を得ているわけでありますが、これは比較にならないくらい大幅に通産へ移行されることによって減ってくる。このことも明らかになりました。そういう点では、どんな抗弁をしてみたところで、この
基本設計の第一次
安全審査は今度の
法改正によって弱体化される、あるいは言葉が悪ければ合理化されて手間が省かれる、こういうことだけは明確だと思うのです。
それだけではない。今度の通産の方の組織がえ、つまり
原子力安全課を第一課、第二課に分けられるわけなんです。この結果、従来通産が安全課一本でやっていた
詳細設計以降の諸
検査、そのうち
詳細設計は第一課に移されるのですが、したがって、残る
検査の方になりますね。こういう点についても、現在の
原子力発電所がこの三年間で倍にもふえているという事態に照らして、専任の
検査官はわずかに一名しかふえない。当時でも火の車で必死でやって年間二百日以上の出張だ。こういう事態であったのが一体どういうふうにしてやれるのだろうか、不思議だと思うのです。それに対するいまの説明は、
一つはよそからの応援が多くなる。よそから応援を多くとれば、そちらの方、つまり火力になるのか水力になるか知りませんが、そちらの方の
体制が弱まるのは決まり切っている。それから、いままで本省でやった仕事を一部地方の通産局に移管していく。これは結局
検査の格を落としているということになります。決して
検査されている内容が私は悪いとは思いません。しかし、事実重荷が地方通産局へ行くわけでしょう。これは移しかえに過ぎないと思うのですね。
それからもう
一つ。
検査技術の進歩なるものが挙げられました。しかし、ではこの三年間で目立って
検査技術の進歩にどういうものがあったのか。これはいずれ今度参考人がおいでになるから、知はそこで一遍聞いてみる重要な宿題になったと思うのです。むしろ最近の
事故の発生率等々から目れば、もっと綿密にやる必要があるのではないかというのが国民の期待だろうと思うのです。
そういう点では、結果的に、
詳細設計以降の
段階についても、今度のこの
法改正によって生まれる新
体制は、弱体化あるいは合理化といいましょうか、よい
意味での合理化じゃなしに、できるだけ手間を省いていくという方の合理化、こういう方向へ行くのじゃないかと思うのです。科技庁長官、こういうふうなことで、そもそもこれの出発点になった
安全審査体制をもっと
強化しようじゃないか、こういうことにこたえているとお思いになりますか。
〔
委員長退席、
貝沼委員長代理着席〕