○
宮之原貞光君 わかりました。
まあ当然そういう御答弁は返ってくるでしょうね。けれ
ども、率直に申し上げて、非常に白々しいかっこうに私は受けざるを得ないんですよ。問題は理事とかあるいは監事とかという、その四十八名中二十七名なんだから大したことはないんだということなんですがね。しかし、こう、見てごらんなさいよ。十一の特殊
法人のうち、理事長または館長をやっておる
ところの人
——最高の人ですよ、これ
責任者ですよ、これは
私学関係の二
法人を除いて九人が、これは
文部省の事務次官あるいは
局長さん
——ほとんど大部分ですよ
——のOBですよ、これね。あるいは青年の家、少年自然の家の所長さんが、十六人中十三人がこれまた
文部省のいわゆる
職員だった
ところの人なんですよね。そうして、たとえば社会教育局あるいは初中局、体育局、
大臣官房の
課長、視学官、社会教育官という前歴のあられる
ところの方ばかりだ。あるいはこれはと思う、いわゆる科学博物館と名のる
ところの問題で、非常にこれはアカデミックなことをやる
ところで、これは専門家の館長さんでもおるのかと思うとそうでもなくして、次官のOBの
皆さんが長年の間座っておられる。
これは数の問題じゃなくて、最高の地位を占めておる
ところの人々皆そうなんです、これ。これが、だれが見てもそれは適材適所だと、各階各層からみんな網羅したんだと、こう言いたいでしょうけれ
ども、客観的にはどうもそう思えぬのですよ、これ。これは
文部省のお役人の
皆さん方の、こういう機関が身分保障、生活保障、卒業生の共済機関みたいな感じさえ受けるんですがね。これ
大臣、その点それは新任早々ですから、余り私は見られてないと思いますがね、第三者から見ればこれは否定できないことなんです。私は、これはいままでよくこの
国会等で、政府機関の公庫や
法人関係の役員がほとんどやはり
関係官庁の卒業生だ。言うならおば捨て山だ、言葉は悪いですけれ
ども。しかもそれを渡り歩いているということが過去の
国会で何回か
指摘されてきた。私は
文部省は良識の府なんだから別だろうと思ってずっとこう見てみますと、どうもやはりそのらち外でなさそうなんですね。一体これでいいだろうかということを私は非常に疑問を持つんです。
もっと具体的に申し上げましょうか。たとえば、あえて名前を伏せましてA氏と言いましょう。A氏は文部次官を四十二年十月に引いています。そして
私学共済の何か役員をやって、翌年六月の全国区の参議院選挙に出た。落ちた。そしたら、しばらく冷却期間を置いて、これ、やはりいわゆるその国立科学博物館の館長さんとして実に四十五年七月から七年半にわたってついておられる。
あるいはB氏。この人は四十四年一月文部次官を退官をされております。この人は、公立共済の理事長、国立劇場理事長、そして現職の東京国立博物館長として次々渡り歩いて、現在その国立博物館に実に八年を経て、退官されてから八年有余にわたって次々と、言葉は悪いですけれ
ども、渡り歩いておられますよ、これ。
あるいはC氏。この人は四十年七月文部事務次官を退官された。それで、
私学振興
財団の前身の
私学振興会の監事、それから国立美術館の館長、東京国立近代美術館の館長、そして現在は国立教育会館の館長と、実に十二年有余にわたってずうっと渡り歩いておられる。
さらにD氏は、四十一年六月
大学学術
局長を退官された後、国立科学博物館の館長を二期四年勤められた後に、公立共済の理事長を実に四期七年半にわたってやっておられる。
いわゆる
文部省の官僚の最高の地位を占められた
ところの人々は、退官後もずうっと、いわゆるいま官房長が各界各層からの適任者を網羅されたと言う、そういう団体の、機関の長として座られておる。一体この問題、いかにその人が優秀であろうとどうあろうと、
国民の目から見ますと、残念ながら、適材適所ですからがんばっておりますと、こうは私は幾ら弁明をされたって、強弁をされても、私はこれは理解できないことだと思いますよ。
しかも、一般的に言われておるのは、理事長とかあるいは館長をやったならば、一年で五百七万円の退職金がつく、八年もいたしますと実に四千六十万円の退職金がつくと言われておる。これは、よくしばしば
国会で問題になります
ところの、他の省の公団とかいろんなものと大体似たり寄ったりのかっこうにならざるを得ないんですよ。一体こういうことがこのまま許されていいんだろうかどうだろうか。これが果たして適材適所でございますと胸を張って答えることができるんだろうかどうだろうか。言葉は悪いですけれ
どもね、これは
皆さんの退官後のOBの身分保障の場にしかなっておりませんよ。こういうようなやはり人事構成の中からは、本当にその
法人としてあるいはその団体として、機関としての目的に沿う
ところの清新はつらつなやはり機能を十分に発揮しておるとはどうしてもこれは思えないんですがね。
私はあえてその人が個人的にどうだと言っておるんではない。しかしながら、こういうたらい回しと申しますか、渡り鳥と申しますか、こういうことが依然として
文部省の、先ほど数多く挙げられた
ところの、特殊
法人なり所轄機関の中にまだあるということが、一体許されていいんだろうかどうだろうか。私はここがまた、この行政管理庁からの、特殊
法人を廃止しようとか、あるいはまたいまのような七十歳まで置くようなシステムを変えようじゃないかという問題が出ている
ところのゆえんであるし、それを廃止しようと言われている、ねらわれる
ところのやはり要素もあるんじゃないかと思いますがね。新しく新任をされた
ところの
砂田大臣として、こういうものがこのまま放置されていいのかどうか、もっともっとやはり考える必要があるのではないかと思いますがね。その点のやはり御所感をお聞かせ願いたいと思いますね。