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1977-12-08 第83回国会 衆議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和五十二年十二月七日)(水曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次のと おりである。    委員長 芳賀  貢君    理事 天野 光晴君 理事 葉梨 信行君    理事 森下 元晴君 理事 北山 愛郎君    理事 原   茂君 理事 林  孝矩君    理事 塚本 三郎君       宇野  亨君    津島 雄二君       西田  司君    西村 英一君       野田 卯一君    早川  崇君       福田  一君    村上  勇君       高田 富之君    馬場猪太郎君       春田 重昭君    安藤  巖君       山口 敏夫君    麻生 良方君 ————————————————————— 昭和五十二年十二月八日(木曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 芳賀  貢君    理事 葉梨 信行君 理事 森下 元晴君    理事 北山 愛郎君 理事 原   茂君    理事 林  孝矩君       中村 弘海君    西田  司君       野田 卯一君    渡部 恒三君       高田 富之君    春田 重昭君       安藤  巖君    甘利  正君  出席国務大臣         建 設 大 臣         国土庁長官   櫻内 義雄君  出席政府委員         国土庁土地局長 山岡 一男君         大蔵省主計局次         長       松下 康雄君         建設大臣官房長 粟屋 敏信君         建設省計画局長 大富  宏君         建設省都市局長 小林 幸雄君         建設省河川局長 栂野 康行君         建設省道路局長 浅井新一郎君         建設省住宅局長 救仁郷 斉君  委員外出席者         大蔵省主計局司         計課長     石井 直一君         文化庁文化財保         護部記念物課長 横瀬 庄次君         厚生省環境衛生         局水道環境部環         境整備課長   森下 忠幸君         建設省都市局下         水道部長    井前 勝人君         会計検査院長  佐藤 三郎君         会計検査院事務         総長      鎌田 英夫君         会計検査院事務         総局第三局長  松尾恭一郎君         住宅金融公庫総         裁       大津留 温君         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     澤田  悌君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     沢田 光英君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     有賀虎之進君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     櫟原 利嗣君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     伊藤 直行君         決算委員会調査         室長      黒田 能行君     ————————————— 委員の異動 十二月八日  辞任         補欠選任   福田  一君     中村 弘海君   村上  勇君     渡部 恒三君   山口 敏夫君     甘利  正君 同日  辞任         補欠選任   中村 弘海君     福田  一君   渡部 恒三君     村上  勇君   甘利  正君     山口 敏夫君     ————————————— 十二月七日  昭和五十年度一般会計歳入歳出決算  昭和五十年度特別会計歳入歳出決算  昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和五十年度政府関係機関決算書  昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書  昭和五十年度国有財産無償貸付状況計算書 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和五十年度一般会計歳入歳出決算  昭和五十年度特別会計歳入歳出決算  昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和五十年度政府関係機関決算書  昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書  昭和五十年度国有財産無償貸付状況計算書  (建設省所管住宅金融公庫)      ————◇—————
  2. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより会議を開きます。  昭和五十年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として日本住宅公団総裁澤田悌君理事沢田光英君、理事有賀虎之進君、理事櫟原利嗣君及び日本道路公団理事伊藤直行君の出席を求め、その意見聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 芳賀貢

    芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの意見聴取委員質疑により行いたいと存じますので、さよう御了承願います。     —————————————
  4. 芳賀貢

    芳賀委員長 それでは、まず建設大臣から概要説明を求めます。櫻内建設大臣
  5. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 概要説明に先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げたいと思います。  このたびの内閣改造に際しまして建設大臣並びに国土庁長官を拝命いたしました櫻内義雄でございます。皆様の今後の御指導、御協力のほどを心からお願いをいたしまして、一言ごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。  建設省所管昭和五十年度歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、歳入につきましては、各会計別収納済み歳入額は、一般会計百五十一億四千四百四十万円余、道路整備特別会計一兆二千六百六十七億三千三百七十五万円余、治水特別会計治水勘定四千七百六十四億八千百四十二万円余、同特別会計特定多目的ダム建設工事勘定六百四十五億四千九百七十六万円余、都市開発資金融通特別会計二百八十一億八千五百三十八万円余となっております。  次に、歳出につきましては、各会計別支出済み歳出額は、一般会計二兆二千四百三億三千五百五万円余、道路整備特別会計一兆二千五百七十二億二千百九十二万円余、治水特別会計治水勘定四千七百三十五億六千八百五十六万円余、同特別会計特定多目的ダム建設工事勘定五百九十億二千六百三十四万円余、都市開発資金融通特別会計二百八十億九千七百十四万円余、特定国有財産整備特別会計所管分)五百二十八億三千九百十三万円余となっており、いずれも治水関係事業災害復旧関係事業道路整備事業都市計画事業住宅対策事業官庁営繕都市開発資金貸付事業等を実施するために支出したものであります。  まず、治水事業につきましては、第四次治水事業五カ年計画の第四年度として、河川ダム砂防の各事業を施行いたしました。  すなわち、河川事業では、直轄河川改修事業として百二十四河川中小河川改修補助事業等として千四百八十河川改修工事のほか、高潮対策事業河川環境整備事業等を実施し、ダム事業では、直轄事業として六十二ダム補助事業として百九十三ダム建設工事等を実施し、このうち十三ダムを完成したほか、水資源開発公団に対して交付金を交付いたしました。  砂防事業では、直轄事業として二百七十一カ所、補助事業として三千四百二カ所の工事を実施いたしましたほか、地すべり対策事業を行いました。  海岸事業では、直轄海岸補助三百二十六カ所の海岸工事を実施いたしました。  また、急傾斜地崩壊対策事業は七百四十一地区について補助事業を実施いたしました。  次に、災害復旧事業につきましては、直轄事業では、四十九年発生災害復旧を完了し、五十年発生災害は五三%の復旧を完了いたしました。補助事業では、四十八年発生災害復旧を完了し、四十九年発生災害は八六%、五十年発生災害は三〇%の復旧を完了いたしました。  次に、道路整備事業につきましては、第七次道路整備五カ年計画の第三年度として、一般国道等改良及び舗装等を実施いたしました。  このうち、改良においては三千百二十八キロメートル、舗装においては四千二十八キロメートルを完成し、五カ年計画における進捗率は、改良で約三七%、舗装で約四三%となっております。  このほか一般国道においては、指定区間一万八千五百キロメートルの維持修繕工事直轄で実施いたしました。  有料道路事業関係では、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団に対して出資等を行い、また、有料道路事業を実施した地方公共団体等に対して、資金貸し付けを行いました。  次に、都市計画事業につきまして御説明申し上げます。  公園事業につきましては、国営公園として、武蔵丘陵森林公園施設整備飛鳥歴史公園及び淀川河川公園等用地買収施設整備等を実施したほか、補助事業として都市公園二千百十二カ所の施設整備等を実施いたしました。  下水道事業につきましては、第三次下水道整備五カ年計画最終年度として事業を推進し、管渠において九百六十八キロメートル、下水処理施設において三百二十二万人分の施設を完成いたしました。この結果、五カ年計画における進捗率は、管渠で約五一%、下水処理施設で約四三%となっております。  次に住宅対策事業につきましては、第二期住宅建設五カ年計画最終年度として、公営住宅六万九千七百二十戸、改良住宅五千百三十九戸、住宅金融公庫及び日本住宅公団関係四十五万八千四百四十五戸、農地所有者等賃貸住宅一千九百八戸、特定賃貸住宅一万八百六十二戸、がけ地近接危険住宅移転費補助に係る建設助成九百二十二戸の事業を推進いたしました。  次に、官庁営繕につきましては、門司港湾合同庁舎等三百五十九件の工事を施行し、苫小牧港湾合同庁舎等二百八十三件を完成いたしました。  最後に、都市開発資金貸付事業につきましては、五地区工場移転跡地及び四十カ所の都市施設用地の買い取りに対し資金貸し付けを行いました。  以上が昭和五十年度における建設省所管決算概要であります。  次に、昭和五十年度決算検査報告に関する建設省所管事項概要につきまして御説明申し上げます。  所管事業に係る予算執行に当たりましては、常にその厳正な執行を図ることはもちろんのこと、内部監査等を含め万全を期してまいったのでありますが、決算検査におきまして指摘を受ける事項がありましたことはまことに遺憾であります。  これら指摘を受けました事項に対する措置として、地方公共団体が施行する補助事業で、工事設計または積算が過大となっていたものにつきましては、補助金を返還させ、工事施工が不良のため事業目的を達成していないもの、または設計に対して工事の出来高が不足しているものにつきましては、手直し工事または補強工事施工させ、事業の所期の目的を達成するよう措置いたしましたが、今後は、さらに事業執行改善に努力し、このような事態発生を未然に防止するよう指導を強化する所存であります。  以上が昭和五十年度建設省所管決算概要及び決算検査報告に関する建設省所管事項概要でありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  6. 芳賀貢

  7. 松尾恭一郎

    松尾会計検査院説明員 昭和五十年度建設省決算につきまして検査いたしました結果の概要説明申し上げます。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十件、意見を表示しまたは処置要求した事項一件、及び本院の注意により当局において改善処置を講じた事項二件でございます。  まず、不当事項について説明いたします。  検査報告番号六四号から七三号までの十件は、公共事業関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるもので、工事設計または工事費積算が過大となっていたり、工事施工設計と相違しているなどの事態のものでございます。  次に、意見を表示しまたは処置要求した事項について説明いたします。  これは、遮音壁設置工事における支柱工場製作費積算について処置要求したものでございます。  近畿地方建設局では、国道の騒音を低減させるために、遮音壁設置工事を実施しておりますが、この遮音壁支柱製作費積算するに当たって、橋梁の高欄製作工数をもとにして遮音壁支柱製作工数を設定しておりました。しかし、高欄製作工数の内容を調べてみますと、鋼板をH形に加工する工程を含んでいたり、縦横の部材を組み合わせて加工することとなっておりますが、これに対し、本件遮音壁支柱は、既製のH形鋼を使っていて高欄製作に比べて少ない工数で製作できるものでありますから、同地方建設局が設定した遮音壁支柱製作工数は実情に沿わないものと認めまして積算基準を改定するよう処置要求したものでございます。  次に、本院の注意により、当局において改善処置を講じた事項について説明いたします。  その一は、電気設備工事における屋内低圧配線設計に関するものでございます。  東北地方建設局ほか七カ所で施行している屋内低圧配線工事について見ますと、天井裏壁内等に配線する場合の設計は、建設大臣官房官庁営繕部が定めた建築設備工事設計要領により、すべて金属管を配管してこれに電線を引き通すこととして配線工事費積算しておりました。  しかし、近年、金属管に比べて配線手間が少なく、材料費が低廉な合成樹脂管またはビニールケーブルが市販されていて、特殊な場合を除いてこれを使用して施行するのが通例となっておりますところから、これにより設計するのが適切と認められましたので、当局注意いたしましたところ、建設省では、昭和五十一年四月に建築設備工事設計要領を改めたものでございます。  その二は、下水道工事における管推進工費積算に関するものでございます。  建設省補助を受けて地方公共団体が施行しております下水道築造工事のうちには、推進工法により下水管渠を布設する工事が多く見受けられます。そして、この管推進工費積算に当たっては、建設省昭和四十五年、四十六年当時の作業実態を調査するなどして定めた下水管の各管径ごとの一日当たりの推進延長基礎とした各工種の歩掛かりを適用しておりましたが、本院で施工実態を調査したところ、近年、薬液注入工法等による地盤改良が急速に進歩したこと、施工設備改善されてきたことなどに伴い、推進工作業能率が著しく向上したため推進延長実績は歩掛かりの基礎となっている推進延長を五割程度上回る状況となっておりました。  したがいまして、歩掛かりを施工実態に合ったものとする必要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、建設省では、五十一年十月に積算基準を改め、十一月以降各地方公共団体が施行するこの種の工事についてこれを適用することとしたものでございます。  なお、以上のほか、昭和四十九年度決算検査報告に掲記しましたように、下水道工事における薬液注入費積算及び多目的ダム建設事業負担金の割合についてそれぞれ処置要求しましたが、これに対する建設省処置状況についても掲記いたしました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  8. 芳賀貢

  9. 大津留温

    大津留説明員 住宅金融公庫昭和年五十年度業務計画実績につきまして、御説明申し上げます。  貸付計画は当初、住宅等資金貸し付け一兆一千百九十二億五千五百万円、関連公共施設等資金貸し付け百八億円、宅地造成等資金貸し付け一千五百七十一億四千五百万円、合計一兆二千八百七十二億円でありましたが、その後、資金需要の変動に伴い、計画を、住宅等資金貸し付け一兆三千七百九十八億四千九百万円、関連公共施設等資金貸し付け百八億円、宅地造成等資金貸し付け一千二百八十七億五千百万円に改訂して、合計一兆五千百九十四億円といたしたのでございます。  貸付実行予定額は当初、昭和五十年度貸付契約に係る分七千七十九億六千万円、前年度までの貸付契約に係る分二千八百五十一億七千六百万円を合わせた計九千九百三十一億三千六百万円でありましたが、その後、財投追加及び前年度決算による改定等により、合計一兆三千二百五十二億八千七百二十六万円余に改められたのでございます。  この原資は、資金運用部資金借入金一兆一千四百九十億円、簡易生命保険及び郵便年金積立金借入金五百億円、宅地債券発行による収入二十億円のほか、貸付回収金等から一千二百四十二億八千七百二十六万円余をもってこれに充てることといたしたのでございます。  前述の貸付計画によりまして貸付契約を締結した額は、住宅等資金貸し付け一兆三千七百三十九億七千五十六万円、関連公共施設等資金貸し付け百四億一千四百四十万円、宅地造成等資金貸し付け一千二百八十七億五千百万円、合計一兆五千百三十一億三千五百九十六万円、戸数等にいたしまして、住宅四十万一千四百十六戸、関連公共施設等五十二件、宅地の取得一千百九十万平方メートル余、造成一千八十八万平方メートル余となったのでございます。また、貸付実行額は、前年度までの貸付契約に係る分を含めまして、住宅等資金貸し付け一兆一千四百六十億七千七十四万円余、関連公共施設等資金貸し付け百四億五千百十万円、宅地造成等資金貸し付け一千二百八十四億九千八百五十万円、合計一兆二千八百五十億二千三十四万円余となったのでございます。この貸付実行額は、前年度に比べますと、二千二百六十八億八千百九万円余、率にいたしまして二一・四%増となっております。また、年度間に回収いたしました額は二千百八十億一千八百五十四万円余でありまして、前年度に比べますと、三百九十二億三百四十三万円余、率にいたしまして、二一・九%増となったのでございます。この結果、年度貸付残高は四兆一千二百四十億六百五十七万円余となりまして、前年度末に比較いたしますと一兆六百七十億百十三万円余の増加となったのでございます。  貸付金延滞状況につきましては、昭和五十年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は五億二百七十四万円余でありまして、このうち一年以上延滞のものは三億二千七百五十四万円余でございました。  次に住宅融資保険業務につきましては、昭和五十年度におきまして金融機関との間に保険関係が成立する保険価額の総額を一千八百億円と予定し、この額の百分の九十に相当する一千六百二十億円を保険金額といたしましたが、保険関係が成立いたしたものは六百八十六億百三十四万円余でございました。  収入支出について申し上げますと、収入済額は、収入予算額二千五百五十九億八千八百六万円余に対し、二千五百三十四億八千三百三十九万円余となりました。支出済額は、支出予算額二千六百十五億二千七百五十八万円余に対し、二千四百二十八億七千百六十四万日余となり、支出より収入が百六億一千百七十四万円余多かったのでございます。  損益計算の結果につきましては、貸付業務では、利益二千八百九十四億七千九百五十七万円余、損失二千八百九十四億七千九百五十七万円余で、利益損失同額となり、利益金は生じませんでしたので、国庫納付金も生じませんでした。  また、住宅融資保険業務では、利益七億九千八百七十五万円余、損失七億九千七百五十六万円余で、差し引き利益金百十八万円余を生じましたので、これを積立金として積み立てたのでございます。  以上をもちまして昭和五十年度業務概況の御説明を終わらせていただきます。
  10. 芳賀貢

    芳賀委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  11. 芳賀貢

    芳賀委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
  12. 原茂

    ○原(茂)委員 きょうは四件ばかり分けてお伺いをしたり、審議したいと思いますが、最初に、地元諏訪湖の浄化問題についてお伺いいたします。次いで、原村の縄文前期とおぼしい阿久遺跡が発掘されておりますが、これに関しましてお伺いをしたいと思います。  そこで、諏訪湖のいまの浄化の方針というのは第二次処理方式でやっておりまして、地元あるいはその他関連する市町村からの強い要求で、これを第三次処理をどうしてもやってもらいたいというような要望が出ておりますが、この点は御存じでございますか。
  13. 小林幸雄

    小林(幸)政府委員 お答えいたします。  諏訪湖流域下水道整備計画は、御承知のように、諏訪湖流域の三市一町、すなわち岡谷、諏訪、茅野三市と下諏訪町を対象としまして、計画人口約二十一万人の規模で昭和四十六年から事業に着手しておる次第でございます。  事業進捗状況は、管渠につきましては、湖周幹線約十二キロメートルのうち五十二年度末までに約八・三キロメートルを完成する予定でございます。また、処理場につきましては、昭和四十九年度までに用地買収が完了いたしまして、同年より工事に着手しまして、昭和五十四年度一部供用開始をすることを目途としまして事業の促進を図っておるところでございます。  そこで、御質問の三次処理問題でございますが、この諏訪湖等閉鎖性水域富栄養化を防止するためには、窒素燐等富栄養塩を除去しなければならぬわけでございます。当諏訪湖に流入する富栄養塩発生源は、生活排水工場排水農業排水あるいはこの諏訪湖の湖底の堆積物等多数考えられるわけでございまして、まずこれらの発生源別負荷量を把握することが先決問題であるわけでございます。そこで、長野県におきましては、諏訪湖流域下水道三次処理委員会という委員会を設けまして、これらの富栄養塩発生源別負荷量諏訪湖富栄養化との関係について検討を進めることとしておるわけでございます。  そこで、この中での、処理区域内の生活排水等につきましては、流域下水道処理して放流することになるわけでございますが、終末処理場放流先につきましては、諏訪湖に及ぼす影響をできるだけ軽減するという趣旨から、釜口水門直上流というふうにしておるわけでございます。  そこで、この窒素燐等は、ある程度二次処理でも除去されるわけでございますので、当面二次処理施設整備を促進するということを第一の目標としておりまして、窒素、燐の環境基準が定められた段階におきまして、これに対応する三次処理について検討を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  14. 芳賀貢

    芳賀委員長 この際、原委員に申しますが、本日は、会計検査院から佐藤会計検査院長並び鎌田事務総長出席しておりますので、これに関して御質問等があれば、よろしくお願いします。
  15. 原茂

    ○原(茂)委員 この問題が終わりましたら、すぐ検査院専門にまたお願いします。  いま説明のありましたその環境基準ができ上がりましたらというお話がありましたが、この基準のできるのはいつごろなんでしょうか。これができなければ、二次処理による燐と窒素完全排除というものが三次処理に移らない限り不可能だというふうに言われておりますが、二次処理で完全に流域下水の中でこれができればいいのですが、これはもう完全にできないということから、たとえば多摩川その他三カ所で三次処理をすでにやっているわけでありますが、同じように諏訪湖富栄養塩というものを除去するというのは絶対的な使命でございますから、それを考えますと三次処理をやはりやらざるを得ないだろう、ぜひやってほしいと思いますが、それをやるのにも基準の設定ができない限り進まないわけですから、では基準がいつできるのか。大体見通しとしては、判断を下して三次処理に移行するという時期をいつごろに見ているのか。三つ目に、それをやるとしたときの国家の補助はどの程度を考えられるのか。現在三カ所ですでにやっている三次処理と同じような補助率なのか。これは流域下水道でございますから、したがって、その率はもう決まっているわけですが、従来の率と同じに考えてよろしいのかどうか。それから最後に四つ目に、三次処理基準がいつできるかはいま聞きましたが、それから、やがて基準ができた上で三次処理が必要だと考えたときに、三次処理に移行してこれが完成するという期間をどのくらいに見ているのか、一体その総工費はどのくらいかかるとお思いになるのか。四つに分けて……。
  16. 小林幸雄

    小林(幸)政府委員 お答え申し上げます。  窒素、燐の環境基準の策定決定の見込みでございますが、これは環境庁の方で目下検討を進めておられるわけでございまして、私どもの方では、この環境庁の方の基準の決定があり次第、先ほど申し上げましたようなことで検討を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  それから補助率でございますが、これは従前の二次処理の場合と同じでございます。  また期間でございますけれども、仮に基準が決まりまして着工しました場合の期間でございますが、まあ大体三、四年ぐらいのものと予想しております。  それから工費につきましては、おおむね二次処理処理場の場合の約五割増し程度というふうに予想しておる次第でございます。
  17. 原茂

    ○原(茂)委員 諏訪湖の浄化はそれで結構です。  次に、文化庁からも来ていただいて、それから道路公団からも来ていただきましたが、原村の縄文前期阿久遺跡と推定されるもの、非常に大がかりな遺跡だというので、国家的に非常に貴重な価値があると学者の皆さんが言っておられますが、私も現地に行ってまいりましたが、相当広範囲にわたっておりますし、これがいまつくっております中央高速道路に真正面にぶつかるわけであります。そうではなくて、やはり道路の工事のためにこれがわかった、非常にうっそうとした林の中を開発して道路をつくろうとしたら、これが出てきたというのが事実だと思います。幸いに大して壊さないうちにこれの発掘を愛好者あるいは専門家の手によってされることになりまして、一時道路の工事をとめてもらっているようであります。  その道路工事をとめて、さてこれをどうするかということになり、まあ文化庁へもお願いをしたり公団の方にもこれに対する対策をお考え願ったり、県段階においていま県と地元で、これはもう国家的な問題としてどうするかの協議をやっているわけでありますが、一番当面する大きな問題というのは、やはり道路公団が工事をしているあの道路をいままでの所定の計画どおりに施工してしまうと、この遺跡はもうめちゃめちゃになってしまう、したがって、大きく左か右に迂回をするか地下を掘って出ていくか、どっちか以外にないと思うのですが、この問題に突き当たるわけです。  公団にもすでにこの意向というのは伝わっていると思いますが、公団の側でそのことが技術的にあるいは実際問題として、いま予算の問題もあるでしょうが可能なのかどうか、検討しておられるかどうか、建設省として一体これにどう対処されるのかを、建設省指導的な立場で道路公団との協議もしていると思うのですが、この見込みをお伺いしたい。  文化庁には、ぜひ現地を見ていただきたいというので現地をごらんいただきましたけれども、やはりもう少し大がかりな現地視察をやっていただいて、文化庁そのものが国家的な史跡としてこの保全を国でやるということを早急に決めていただかないといけないと思いますが、現在どうなっていますか。  ひとつ両方の立場でお答えをいただきたい。
  18. 横瀬庄次

    ○横瀬説明員 お答えいたします。  阿久遺跡は、おっしゃいましたように諏訪郡の原村に所在する遺跡でございまして、道路公団が建設中の中央高速道の路線敷にちょうどぶつかったために、昭和五十年度から長野県教育委員会が道路公団の委託を受けまして発掘調査をしているものでございまして、五十年度から四年間の予定になっております。したがいまして、来年度これが終了するという予定になっております。  そこで、昭和五十年度、第一年度は大体試掘程度のものでございまして、五十一年度から本格的な調査に入りまして、約二百三十メートルの部分がございますが、その両端、南北の部分になりますが、南の部分と北の部分を五十一年度に調査いたしました。五十二年度、本年度にその中央の部分を調査いたしまして、この阿久遺跡が非常に特徴のある遺跡であるということがわかったわけでございます。  現在そういうわけで、まだ全体の発掘調査が進んでおりませんので正式な報告をいただいているわけではございませんが、現在までにわかっている限りにおきましては、阿久遺跡というのは、縄文時代前期から平安時代に及びます非常に長い間存続した集落地でございます。特に重要なのは縄文時代前期の集落地でございまして、二百メートル四方に達すると推定されます大規模なものでございます。すでに現在までの調査で、四十棟を超える縦穴式の住居跡と、それから四角にめぐらしました柱の跡、掘方群と呼んでおりますが、そういうたくさんの掘方群というもの、それから多数の環状集石群が見つかっております。こういった点で、この地方の縄文時代におきます集落の変遷の歴史を解明する上に非常に重要な遺跡であるというふうに言われております。  そこで、この手続的な面におきましては、文化庁長官から、道路公団の方に事前に協議を受けておりまして、事前調査をやって、そして重要な遺構が発見された場合には保存に配意していただきたいというような通知を昭和四十八年二月二十日付で出しております。したがいまして、今回こういった重要な遺跡が見つかったということで長野県教育委員会を通じて協議を開始していただいているわけでございますが、現在のところ道路の建設に当たりまして二百三十メートルという遺跡の部分だけが残っておりまして、その両端はもうすでに道路工事が進められてしまっておりますので、この遺跡の保存についてはいろいろ困難な点が多いと思いますけれども、そういう遺構の保存が可能な工法が技術的にあるのかどうか、そういった点を現在道路公団の方に検討をお願いしているところでございます。
  19. 伊藤直行

    伊藤参考人 阿久遺跡につきましては、ただいまの文化庁の御説明にもありましたように、昭和四十六年度に事前調査をしていただきまして、その結果記録保存でいいということで、発掘調査を、五十年十月に約四十平方メートルの試掘をいたしまして、五十一年五月から本格的に調査に入ったものでございます。  その発掘の面積は、路線内、公団の道路にかかる面積が一万四千五百平方メートル、そのうち五十一年度には二千平方メートル、五十二年度で九千平方メートルで、残りの三千五百平方メートルを来年度発掘調査をしていただこうという計画になっておるわけでございます。  その間に非常に重要な遺跡であるということが判明いたしまして、当初記録保存でいいということでございましたので、この地区工事発注をいたしまして、前後の工事を進めてまいってきておりまして、横断するボックス、カルバート類はすでに完成しております。この部分が完全に未着手でございまして、全体の進行が七〇%でございます。  この結果、長野県の教育委員会から十一月の末に、この調査結果の重要性に基づきまして、路線変更かまたは設計変更等による遺跡の保存方法について正式に意見の照会が参っております。これに基づきまして現在検討中でございますが、御承知のように両側から攻めてまいっておりまして非常に困難な事情もあるわけでございますけれども、なお教育委員会及び文化庁のいろいろな指導によりまして、最も適当な方法で持っていきたいということで現在考えておる次第でございます。
  20. 原茂

    ○原(茂)委員 ありがとうございました。文化庁もそれから道路公団もお引き取り願って結構です。  次に、会計検査院を中心にお伺いをしたいと思うのです。  まず、前に私がこの委員会でお伺いした北富士の神田堀の調査の結果について、いろいろと指摘は申し上げておきましたが、その後どういう答えが出ておりますか、それを一つお伺いしたい。  二つ目に、例の潜函用掘削機の装置といいますか、大型機械でございますが、この払い下げ価格に対しての適正な計算の根拠と、その価格が妥当であったかどうかということも、調査することになっておりますが、その調査の結果はどうなっているのか。  三つ目に、当時林雑補償の問題に関してもお伺いを申し上げておきましたが、林雑補償に対してどのように調査結果が出ておりますか。  この三つを先にお伺いしたいと思います。
  21. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 お答え申し上げます。  ただいまの北富士の神田堀並びに林雑補償、鋭意先生御指摘以来調査を進めているわけでございますけれども、たまたま今回御承知の問題がございまして、昨日から現地に職員を派遣いたしまして、その方面につきましてもただいま検査をさしております。したがいまして、その点につきまして状況をただしまして、なお不明の点があればまた繰り返し行くというようなところで、納得のいくところまで調査を続けたい、現在の状況はそういう状況でございます。  それから中部地建の無人潜函掘削機、この問題も御指摘があったわけでございますが、この件につきましても、同じく関連の見直し検査という関係で、昨日から現地に職員を派遣して見直し検査を実施中でございますので、その結果に基づきましてまた御報告申し上げる機会もあろうかと存じます。
  22. 原茂

    ○原(茂)委員 検査院長に御答弁をお願いしますが、前回非常な決意で改革をお誓いになり、検査という仕事に対して聖職と考えてえりを正しておやりになるという非常な決意と具体的な内容等の御発表がございまして、われわれもそれを多としておりますし、わが国の行政を考えたときに、会計検査院がしっかりしないと大変なことになるという状態をいろいろな部署でいろいろな行政の端端で常に感じているわけでありまして、その面から言いますと、やはり会計検査そのものを担当なさる方々に思い切った権限の付与を行う、もちろんそれに見合った待遇の改善を行うというようなことがどうしても必要だと思いますが、えりを正しておやりになる気持ちはわかりますけれども、そういった面で、待遇はもちろんでございますが、大蔵省との折衝がもう始まっていると思いますし、同時にやはりある程度の喚問権なりあるいは立入検査権なり、司法権に準ずるものが検査院の必要個所に与えられるということがどうしてもないといけないと思いますが、この点、その後の処理に当たって異常な決意はお伺いいたしましたが、いま申し上げましたような二つの面で何らかの努力をなさっておられるか、その見通しは一体どうかというのをまずお伺いをしたい。
  23. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院長 先般の問題以来、本当に職員の末端に至るまで再びこういう疑惑を抱かれないようにふんどしを締めて検査に当たるという覚悟を決めていま乗り出しておるわけでございますが、その面につきまして、待遇改善の問題はいま関係当局と盛んに折衝しております。  それから、いま御質問になりました立入権の問題でございますが、司法権的な立入権の問題、これは非常に強硬な権限でございますので、この運用については相当慎重を期さねばならぬかと思います。今回接待を一切受けないとかいうような強硬手段に出まして、実際問題としていままでは、相手がおれを被告人扱いするのか、そば一杯食えないのかというような挑発的行為も相当あったことは事実でございます。そういうことで検査の協力が得られないということでございますれば、そういう段階まで進まなければならないかとも存じます。しかし、ともかく今回はこちらが身を正してやってみて、その上で相手の協力を得られないのなら、その上で強権を考えた方がいいじゃないか、こう考えております。
  24. 原茂

    ○原(茂)委員 そういうことがいいかどうか知りませんが、強権を与えるというそのうらはらの関係で、おのずから責任は非常に重くなってまいりますし、いまの綱紀の問題に関しても、いままでと違った覚悟がなければいけないと思いますが、ぜひ前向きでひとつ検討なさるように、これはペンディングにしておいて、強く要望だけしておきます。  きょう私は前段申し上げたように、会計検査院というものがしっかりしないとえらいことになるという立場から、建設大臣がお見えになる、検査院長もおいでいただくというようなこの機会でございますから、あえて少し古い問題を引っ張り出しまして、今度の建設省あるいは会計検査院間の問題が単なる接待の問題だけで終わってしまいますと、接待に対してはいいことではない、悪うございました、それに対してこういう手当てをいたしますというようなことだけで終わってまた何年かたつということは非常に危険だと考えまして、あえて会計検査院がえりを正すついでに、まだほかに問題が二、三あるという指摘を申し上げたいと思います。個人的にどうのこうの言うのではありませんが、問題の現実的な処理というものに対して今後どうなさるのか、過去に起きたそういう事例に対してどのようにお考えになるのかということも、やはり接待問題以外にこの問題がまだありますよという意味では強くきょう指摘を申し上げたいと思ってこれから申し上げていきます。  その第一は、昭和四十九年十一月に、長野県の飯田市の超一流の料亭でございますが、ここでその土地においては絶対権を持っていると言われるような非常に強力な業者の長男の結婚式場に、建設省のおえら方がずらりと並ぶ。こともあろうに会計検査院の元第三局長、あるいは現職の総括副長、その地方における工事検査する担当の総括副長が現職で上席に据えられて結婚式が行われている。ほかに参集した者は全部業者であります。そういうようなことが現に行われました。  もうすでに会計検査院においでになりませんから、あえて名前も申し上げていいと思いますが、このようなことが、実は単に接待を受けるなどという問題よりは、もう骨身にしみて、全然綱紀などという考えのないような状態があった一つの例示だと思うので、こういう問題に関して相当程度、ただ接待を受けるなだけではなくて、考えていただく必要があるだろうと私は思う。  これは当時の結婚式の着席表でございますが、この結婚式はあの地方では見られない豪華な結婚式、しかも料亭三つを借り切って、時間をちょっと違えてやった結婚式であります。お仲人はいまの金丸信防衛庁長官が当時やっている。これは結婚式でございますから、若者の前途を祝う意味で非常にいいことだと思います。新郎、新婦もその後幸せに暮らしている様子も知っておりますが、非常に結構なことで、この結婚式そのものを問題にするわけではありません。ここに並んでいる、メーンテーブルに据えられておりますのが会計検査院の元局長の斉藤信雄さん、いま中央競馬会の顧問をやっている。四十二年に退職して、現職でないままここによばれているわけであります。それから隣に建設省計画局技術調査官永井淑郎さんが並んでいる。その隣に中部地方建設局河川部長の笠原繁雄さんが並ぶ。その他各隣接の市長さんが並んだり、県会議員が並んだり、町長が並んだり、客がずっとたくさん並んでいる一番上席に、主賓に、当時会計検査院の第三局建設第二課の総括副長河野百合雄さんが並んでおいでになる。  きょう私新聞を見ますと、斉藤さんという元第三局長は、招待状は受けたけれども、都合が悪くて欠席をした、こういうことを本人が談話を出しています。それからすぐにまた調べました。私がここに列席したのではありませんから、列席しました県会議員並びに業者六名から直ちに長距離電話で確認をしてもらいました。欠席したというのはうそだと断言しておりますので、したがってこれはまた後の問題ですから、後で必要があれば黒白をつけます。  河野百合雄、この総括副長が列席したことは間違いありません。隣に座っておりますのが建設省のおえら方で、高秀秀信さん、川合恒素、近森藤夫、高橋杰、大枝市朗、星道宣、小島忠幸、高畠志朗、立石俊一、塩沢勝、降籏茂、この建設省の偉い人がいま何をやっているか、目下調査中ですからあえて申し上げませんが、河野さん、これは上席ですが、その下にずっと並んでいる。あとは全部業者がずっと並んでいる。というようなことが現に行われたわけです。  検査院長にまずお伺いいたしますが、これらの業者がやっている国道工事あるいは天竜川一級河川工事というものを検査する立場にある現職の総括副長なるものがこういった席に呼ばれたら、行ってもしようがないとお思いになるのか。私は、このようなことがあるということ自体、検査院がえりを正さなければいけないもう一つの問題がここにあるというふうに考えますが、この点に関してどのようにお考えでしょうか。端的に、ひとつ思ったとおり院長からお答えをいただきたいと思います。
  25. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院長 細かい事情については、わかっている範囲においてまた事務総長から説明いたさせますけれども、結婚式自体に出席するということ、これが、相手が建設業者の場合もありましょうし、私自身も、兵器産業の重役とか、あるいは土建業者とか、あるいは国鉄納入の車両メーカーの重役とか、いろいろおりますそういうもののお嬢さんの結婚式、息子の結婚式というようなことはございますが、そういう場合に検査院長であるからそういうのに出ないというのも、世の常識から申しまして——これは許されてしかるべきことじゃないかと思うのです。したがって、そういう場合に、出る、出ないはケース・バイ・ケースで判断すべき事態で、どういう関係にあったか、そこにかかってくるのじゃないかと思うのです。そういう友人関係あるいはごく小さいときからの隣組だとかそういう特別な事情なくして、単に検査をする側だからそういうところに出るということであればこれはまた問題か、こういうふうに考えます。
  26. 原茂

    ○原(茂)委員 院長、重大なことをおっしゃっているのですが、院長が建設業者その他でも呼ばれれば行くとおっしゃった。当時もし院長の立場で、重要な国費を使って工事が行われている、それの検査をしつつある立場であっても、呼ばれれば行くんだという考え方がもし本当におありだったら、重大問題だと私は思うのです。やはりえりを正す、あるいは聖職と考えるということは、少なくとも現に受検を必要としている業者、検査を行って国費の厳正な使途を守っていこうとする立場にあるその案件が進行中のときに、単にそういう関係があるからというので呼ばれたら行くんだというようなことは、さきの接待問題に関して、えりを正して昼飯もいかぬ何もいけないと言ったこととはおよそ違って、ビールの一杯くらいは差し支えない、まあまあ金額が千円や八百円程度の酒の一本くらいついてもそれは差し支えないんだというのと同じような緩みというか、そこに綱紀に対する考え方の弛緩があると私は思うのであります。  今度の場合、いまちょっと友人ならという言葉も出ました。新郎の友人が河野百合雄であるような、それから新郎のおやじの吉田貞男、早野組の中部支店長が、ずっと山口県以来、斉藤さんが会計検査院として検査をしに行ったときからの古いつき合いで、そのつき合いから友人関係にあるのでやむを得なかった。友人という言葉で何か糊塗したいような雰囲気を感じたのですが、河野百合雄氏と新郎との友人関係はございません。しかも新郎は早野組に勤めてはおりません。独立した小さな土建会社をやっております。これが年齢から言っても友人の関係にないことは明瞭でございます。その点もいま調査をしていますが、一言のもとにそんな関係にはない。おやじのやっている仕事、ここに集まった業者全体の、国道あるいは河川工事をやっている、その検査をしてもらう一番偉い人、大事な人として呼ばれたに違いないということを業者の相当数の人が証言をしています。必要があれば文書で出させます。友人関係に新郎とこの河野百合雄があるなどということは全然ございませんからということを前提に考ましたときに、いま院長の言われたように、少なくとも国道工事を行い、天竜川の工事を行っている業者が常に検査を受ける。その検査を受けている間に人間的なつき合いができる。したがって、現に検査を続行中の、しかも総括副長の立場で呼ばれたら行って差し支えないのだというように、これから会計検査院内における服務規程をおつくりになりますか。
  27. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院長 先ほどから申し上げましたように、本件の問題のキーポイントは、本人と、それから呼ぶ方の人間関係だと思うのです。それでいまおっしゃいましたように、学校時代の友達であるとかあるいは隣組だとかそういうような問題でなくて、検査上のあれだけだというようなことでありますれば、おっしゃるようにこれはちょっと問題だと私は思います。だから、そういう面は気をつけなければいかぬ。だから要するに、人間関係がどうあったかということによって決まることじゃないかと私はそう考えるのです。
  28. 原茂

    ○原(茂)委員 二つに分けて問題を出されたのですが、人間関係がどうこうであればよろしいという場合、もう一つは、私が言ったような場合だったら気をつけなければいけない、こういう答弁があったのですが、私が言ったようなケースの場合に、気をつけなければいけないという程度で済ませる問題だとは私は思わない。接待問題に対して厳しい態度をお示しになったと同じように、最も厳格なる態度で答弁がないと、私の言ったケースが正しい、そのとおりだったとしたときには、気をつけなければいけないという程度で、一体今後、綱紀粛正を行っていきたい決意を示しておる会計検査院としてやっていけるか、私はいけないと思う。もう一遍答えてください。
  29. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院長 御答弁申し上げますが、気をつけるという表現があるいは緩かったかもしれません。いわゆる調査官であるがゆえにそういうところに呼ばれるということは絶対に慎むべきことだ、こう考えます。
  30. 原茂

    ○原(茂)委員 鎌田事務総長さっきから何か、どうぞ……。
  31. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 けさ新聞を読みましてこういうことがあるということを聞きまして、直ちに本人にも電話をいたしまして調査したわけでございますが、ちょっと事実関係で補足させていただきたいことがございます。と申ましすのは、この早野組の中部支店、ここに先ほど御指摘の河野百合雄の弟さんが勤務しております。これは昭和四十年ぐらいから勤務しているそうでありますが、その弟さんにぜひぜひ私の顔を立ててくれと言われて出た、こういうような状況である。そして本人は吉田氏とは家族ぐるみのつき合いがあった、こういうふうに言っているわけでございます。これは本人でございますから、なお調査いたしますけれども、弟が現在早野組におりまして、中部支店に勤務しておる、現在静岡の営業所の所長をやっているそうであります。そういう事実関係があります。  それからなおここには、斉藤信雄氏が昭和四十二年に退職して、そしてこの結婚の日取りは四十九年の十一月十七日、日曜日ということでございますが、斉藤信雄氏はそのとき出なかった、欠席した、河野百合雄はそう申しております。  事実関係だけちょっと申し上げておきます。
  32. 原茂

    ○原(茂)委員 いまの河野さんの弟が静岡の支店長をやっているという事実と、もう一つ、吉田さんと家族ぐるみのおつき合いをしているというのはだれですか。
  33. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 電話の話によりますと、どうも本人が、おばあちゃんも含めて家族ぐるみで昔からつき合っている、こういう関係だ、こういうふうに本人は申しております。
  34. 原茂

    ○原(茂)委員 河野百合雄氏がですね。
  35. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 さようでございます。
  36. 原茂

    ○原(茂)委員 河野百合雄氏がここの中部地建関係の仕事をするようになったのはいつごろからですか。
  37. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 第三局建設検査第二課に配属、配置がえを受けましたのが四十六年の五月七日付でございます。
  38. 原茂

    ○原(茂)委員 その時分からこの業者とは仕事の関係ができたんだ、四十六年から。四十六年前はないんだ。三年の間に家族ぐるみでつき合うようになったということは、もうゆゆしい問題だと思うのですよ。  この吉田支店長一家と家族ぐるみでつき合うようになった。私は、院長の言うように、会計検査院だからあれもいけない、これもいけないなんというばかなことを言うつもりはないのですが、調査官であればあるほど、逆にやはりおのれを正していかないと、世間の疑惑は招くし、問題があったときに検査院そのものの威信を失墜する、国の政治にとって重要な問題だというくらいの自覚がなければ調査官としては不向きだと私は思うのです。あの仕事を担当するようになって三年で家族ぐるみのつき合いをするようになっていいかどうか。  私は、業者、しかも実力者であの地方ではもう吉田法王とまで言われる人の鼻息をうかがわないと、建設省の、国の仕事はできないとまで言われている実力者、こういった者とわずかな年数の間に会計検査をする立場の人が家族ぐるみのおつき合いをするようになるということばゆゆしき問題だ。この問題に対しても、事務総長はこの程度はいいとお思いになるのかどうか、まず総長にお伺いしたいのと、もう一つ、いま総長がおっしゃったように、弟がもうどうしてもと何回も言うから仕方なしに出たんだ。家族ぐるみで親戚づき合いをするほどの間柄なのに、それを是認したとして、そういう間柄なのになぜ一体弟がやいのやいの言わなければ出ていかない、遅疑逡巡して、とにかく出たくない、出ない方がいいと考えた理由はどこにあったと憶測いたしますか。  やはり調査官という自分の立場、現に検査を行いつつある自分の立場を考えたときに、河野氏は、やはり良心がありますからそれに対して逡巡をしてなかなかにオーケーを出さなかった。ようやく弟に言われて仕方なしに出ていったんだというその後段の部分の方が本当だと私は思う。ということから類推して、前段のことに対して総長からお答えいただきたい。
  39. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 三年の間に家族ぐるみのつき合いになった、こう申し上げたわけではございません。以前からそういう関係にあったと本人は申しております。ちなみに、本人の弟がこの会社に入社いたしましたのは昭和四十年だそうでございますので、その間かなり時間的な経過があった、こういうふうに考えます。  それから、本人がそのときに弟からやいのやいのと言われて出た、こういういきさつでございますが、この点につきましては、家族ぐるみという関係で、恐らくお婿さんの親御さんからも言われたことはあると思います。また弟さんからもおれの顔を立ててくれ、こういうこともあったと思いますが、そのときに本人が、やはりこれは飯田でございますし、会計検査院、東京から遠いところでありますので、多少とも勤務時間に食い込むようなことがあってはならないという自覚もあったかと思いますし、またそういう検査上に間接的ではありますけれども、私どもは直接業者と折衝をするということは原則としてないわけでございますが、そういう立場に立って考えますときに、そういう点を自分で考えたかどうか、ここら辺はもう一度本人に会って確かめたいと思いますが、本人はいま札幌に勤務しておりますので、少しお時間を拝借いたしたい、こういうふうに考えます。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 かばうというのか何か知りませんが、そのことに余り力を入れないように私から注意をしておきます。こういう事態がいいのか悪いのかが問題なんです。接待だけがいけないんじゃない。この種のことを自粛自戒しなければいけない、大変な問題なんだということに重点があるのですから、本人が悪かったか悪くなかったかということが重点ではないということだけは十分頭に置いてお答えをいただきたいと思うのです。  いま検査院が五十一年度検査を終わりまして、すぐに何百人程度に及ぶ広範な異動を行うと聞いております。私は職員の配置をやるときに、少なくとも責任者の立場にあって調査をする調査官が、たとえば中部なら中部へ行って国道なり河川検査するというときに、全体の立場で検査をしなければいけない立場の人が、検査を受ける側の一番の親玉の業者と家族ぐるみの関係にあってみたり、弟がその会社にいるからというので、人間ですからつい便宜を与えたくなるような、そういう点の配慮も行って、会計検査院の場合には人間の配置に対してはそこまで注意をしなければいけないと思います。  いままではもうその配慮がなかったから、とんでもない家族ぐるみのつき合いをしているような、弟が四十年からその会社の使用人として勤めているような、その兄貴を平気で検査に派遣をする、これは過ちだと思います。いまから考えてもよくなかったと私は思う。  そういう事例がある限り、こういうことの再び起きないように、やはり人員の配置あるいは派遣をするというときには、その点ぐらいは十分に考えなければ、おまえの行こうとするところの国費を使っている工事の業者と特別な関係があるかないか、聞いたっていいしあるいは調査してもいいし、そのくらいの配慮がないと——とにかくあの地方における実力者吉田一家と家族ぐるみのつき合いがあるにもかかわらず、しかもその弟がその会社に勤めているにもかかわらず、まあ知らなかったからとは言え、こういうような仕事の分担をさせるということは監督者として配慮に欠けていた。したがって、今後はこの点を十分に配慮しなければいけないと思いますが、いかがですか。
  41. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 お答えを申し上げます。  会計検査院も小なりといえども千二百名の職員がおります。その中で調査官六百八十余名、なお検査に行く資格のある者が百数十名ございます。これで年間検査をいたしておりますわけでございますが、いま先生のおっしゃることはごもっともなことだとは考えますけれども、しかし実際の人事配置の配分の点になりますと、やはり本人の能力、技術的な物の見方、あるいは判断の能力、そういったものをいろいろ勘案しながら配置していかなければならない、こういうむずかしい面がございます。  現在でも、たとえば例を通産省にとって申し上げますと、通産省から来られたというような職員がおった場合には通産省の検査はさせない、この程度のことはもちろんやっておるわけでございますけれども、しかし、いま先生がおっしゃったようにどこまでがそれじゃ癒着という目で見られるのかということになりますと、私、非常に心もとないと思います。  これはプライバシーに関することもございますし、一人一人に、おまえのお兄さんはどこに勤めている、おまえの子供はどこに嫁に行っている、こういうことを全部調べていかなければいけないことになるのじゃないかと考えるわけでございます。結婚式の問題でも、この結婚式に出席する人はどういう人であろうか、そこまで調べて結婚式に出席しなければならない、こういうような状態になるということは——私は結婚式はきらいでございますのでなるべく出席しないようにはいたしておりますけれども、しかしそうもいかない、こういう場合に、どこまでその線を引っ張っていけばいいのか。やはり人間でございますので、友人もいれば先輩もいる、姻戚関係もあれば親子の関係、兄弟の関係もある。そういったときに、やはり出席しなければいけないということもございますし、また話を戻しまして、配置転換の件になりますと、おまえのおやじさんはどこどこ建設会社だということになれば、その人は一生建設関係工事の担当の課には行けない、こういうことになりますので、先生おっしゃることはごもっともだとは思いますけれども、それに対して十分に配慮する——全然しないと申し上げるわけではございませんけれども、完全にこれを実施しろと仰せられても、それに沿った線で実行するということははなはだ困難である、こういうふうに考える次第でございます。
  42. 原茂

    ○原(茂)委員 余りぼくを子供扱いにしないでください。完全に実施しろなんて言った覚えはないですよ。またこの種のことが完全に実施できますか、人の関係を。子供に物を言うようなことを言わないでほしい。できるだけやるのがあたりまえなんだ。全然配慮しないのか、配慮するのかをそれじゃ答えてください。
  43. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 少し私の申し上げ方が悪かった点はおわび申し上げます。  したがいまして、つまり現時点に立ちまして考えますのは、これからはそういう点もかなり配慮していかなければならない、こういうことをお答えしたかったわけでございますが、ちょっと言葉が足りなくて大変失礼を申し上げました。
  44. 原茂

    ○原(茂)委員 繰り返すのはもったいないのですが、少なくともそこの検査を担当する調査官が、そこの業者の隠れもない実力者の検査を受ける側と家族ぐるみの関係にあるとか、検査に派遣しようというときに、その程度のことは配慮して派遣をするという考え方、それを類推した配置転換も行うということは当然ですから、いま答弁があったように、配慮をしていただかなければよくならないと思うのです。  同時に、先ほどちょっと、友人だの親戚、親子関係にある者まで、どうも結婚式に出ないとは言えない——あたりまえのことです。本当の友人であったり親子関係であるのに、それが土建業者だった、建設関係検査を担当する調査官だから結婚式に出ない、これもふざけた答弁だ。冗談じゃありません、そんなことは常識じゃありませんか。そんなことを言っているんじゃないことを前提にして答えていただかないとせっかくの時間がむだになると思うのです。  そんなことを私は言っているのではないのでありまして、今回の場合は後でお調べになるそうですから十分に調べてもらうのですが、決して本人と新郎とが友人関係ではない、親戚ではない。業者全部が集まっている三つの料亭の中の一つで、しかも建設省の役人がずらりと並んでいる。そこへ業者が全部、百何十人並ぶ、会計検査院の現職の調査官が上席に座るということは、常識上考えて、接待問題があれほどうるさいのに、それがどんな理由だったらいいとか悪いとかと言う前に、できればどんなに濃い関係があろうとも、やはり本人が現に検査を続行中の場合には、遠慮するよと言うぐらいな調査官であってほしいと私は思うのです。それを、そうは言えないほど親子の関係、兄弟の関係——これはどんなことがあっても当然出ていってあたりまえでしょう。そうでない理由の場合には、この種の結婚式場に上席に座って招待を受けるというようなことは、とにかく本人の良心から言っても今後はやはり十分考えて、子供じゃないのですから世間の疑惑を招く——ここへ行った業者は何と言っていますか。これに対して業者の代表が憤慨して私に投書をよこしました。  私のよく知っている男ですが、これも一々言わなくてもと思いましたけれども、ちょっと読んでみますからお聞きを願う。   さて、先日事務所へも電話をしておきましたが、建設省飯田国道事務所の件ですが、会計検査院に対する接待のほか、工事請負、入札等、大変な乱脈ぶりで、いまや飯伊地方の建設業界では、この際、同所の黒幕といわれる早野組中部支店長(飯田市錦町二丁目の吉田貞男)と同所幹部の癒着ぶりを厳しく糾弾し、しかるべき手段によって徹底的に事実を明るみに出すべきだと存じます。われわれは必要とあれば幾らでもその証拠なり証人にも立ちます。業界の仲間たちも、もし必要とあれば資料なども出してよいと言っております。  以下は、業界の人たちが明らかにしている二、三のほんの例を、乱脈ぶりを披露いたします。   一、会計検査院と吉田支店長は特別な関係(吉田家結婚式の着席表を見ればわかるとおり)にあって、東京などではしばしば会食、金を、あるいはそういった酒を利用して国道事務所や天竜川上流工事事務所等を初め、建設業界に顔をきかしている。  二、建設省の役人との間も特別らしく、飯田工事事務所や天竜川上流工事事務所の所長を初め幹部は、吉田支店長の思うままに動かされておって、工事請負入札も同支店長があらかじめ入札参加業者を選定、落札予定業者をも事前に決めて、さらにその下請業者まで決めてから、国道事務所や天竜上流工事事務所が入札を初めて行うのです。  三、入札参加業者は指名を受けたお礼、落札業者は便宜を図ってもらったお礼を吉田支店長に上納金を納入、敬意を表する。同時に、工事に必要な資材のあっせんを受けており、吉田支店長の異名を吉田商事とまで言っております。  四、さらに入札参加者やこのほか資材業者など建設省工事に関する業者の多くは、飯田国道事務所や天竜上流工事事務所の役人を招待するためのゴルフクラブを結成して、毎月定例コンペを開催しております。このゴルフクラブというのは下伊那郡浪合村あららぎカントリーというゴルフ場であります。それから伊那市にあります新伊那カントリーというゴルフ場でございます。現にあります。そうして毎月一遍定例のコンペを開催して、その都度はでな宴会をやっています。やっている料理屋はどこかもわかっております。これは後に報告をしてくれるそうであります。   早野組は本社が甲府で某代議士とは特別の関係にあることは御存じのとおりですが、吉田支店長はいまや、また地元の代議士の後見役として飯伊業界の土建業界では法王的な存在で、飯田市の吉川建設を初め大手地元建設業者も吉田支店長のごきげんを損じれば建設省の入札にも参加できないというありさま。しかも結婚した長男の、次男坊は云々という個人的なこともあります。ちなみに長男の結婚披露宴は四十九年十一月に行われましたが、飯田市の一流料亭三軒で新郎新婦側の客を合わせて三百余名、土地きっての初めての招宴を行い、その大規模なことは私たちが目を丸くしたほどでございました。招かれた客の多くが土建業者や建設資材業者、役員も多く、前記のほか高秀、川合、近森、高橋、大枝、星、先ほども申し上げた建設省のお歴々であります。建設本省や中部地建のお歴々並びに立石、降籏、小島、これも現地のお歴々でございます。特に河野百合雄氏は会計検査院調査官です。以上、概要的に申し述べましたが、参考になればと思います。何とか国会を通じてこの種の業界の乱脈がなくなりますように……。というのがこの人の投書でございます。  いま会計検査院の立場での釈明は聞きました。ここで建設大臣にお伺いをいたします。  先ほどからるる申し上げておりますように、列席をしていてすでにやめた人もあります。あるいは現に関東地建の企画部長をやっている当時の河川部長さんもおいでになる、あるいは国道工事事務所あるいは天竜川上流工事事務所等の所長であってそのままいる人、それが転勤して本省に帰った人等もおります。合わせて十何名かの人が上席に、検査員の下からずっと並んでおりますが、いまお聞き願ったように、少なくとも国民の政治なり行政に対する信頼を得るためには、さきの建設省が起こした接待事件、断じて二度と起こしてはいけませんし、そのことのないように、それに類することの起きないようにという意味から言うなら、ここにずっときら星のように並んだこの種の結婚式のいわゆる出席状況は、関係する国費を使って工事を行うという建設当局としては好ましくないと私は思いますが、いかがでしょうか。
  45. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 原委員の御質問の趣旨につきましては私もよくわかりました。そして就任早々綱紀粛正の徹底を期しておる私といたしましては、御質問のような問題があるとするならばこれははなはだ遺憾でございまするし、建設省内でそういうことのないように徹底したいと思います。  事実関係につきましては、ただいま投書をお読み上げいただいたりしておるわけで、それなりにそういう事実があったらこれは問題であるというように受けとめましたが、その点につきましては、われわれとしてのでき得る限りの調査をいたしまして、そして原委員の御心配は、いろいろこういうような癒着があるのではないか、そういうことがあってはならないのじゃないかということだと思うのでございまして、そういうお考えにつきましては私も異論がございません。綱紀の粛正は徹底してまいりたい、こう思います。
  46. 原茂

    ○原(茂)委員 ここで会計検査院にお伺いしますが、いま投書を読み上げました中にもありましたように、入札のときに、どこでも行われているのですが、談合と一口に言っていますが、これがあたりまえのように、大規模な談合というものが行われるどころか、当町においては業者がかたまって、私に物を言っているのですが、入札が行われるというその前に、事前に落札される業者をある程度暗黙のうちに決めて、その業者の下請の業者まであれにする、いや、今度はおれのこれを使ってくれ、いや、あれにすると、下請までも決めた、さて段取りがつきました、初めて建設省は入札を公示しますというようなことがあった場合に、会計検査の立場ではこれに検査を加える方法はないのでしょうか。入札制度に関する規定はありますが、この規定に準拠して、いま言ったようなことを何とかして会計検査の段階で十分に発掘をして、二度とそれが行われないようにということが私の希望ですが、そういう方法はございませんか。
  47. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 原先生御指摘のようなことは間々あるように、私もそういう話をよく聞きます。したがいまして、何らかこれに対して対応の措置、いわゆる入札の公正、それが保たれるべきではないか、事務当局もいろいろ考えているわけでございますけれども、ただ、会計検査院といたしましていまの権限でできますことは、その入札の結果できました工事ならば工事、そういったものの積算とか出来高とか、そういった面に瑕疵があった場合に、その原因を逆にたどってまいりまして、それがどういうところにつながるかというような探求の仕方をするよりほかないと思うのでございますが、当初からそういう状態があるということを前提にして、その面の検査というわけにもまいりませんし、やはり対価物を見た上でさかのぼって考えていくというようなことしかいまの方法ではないかと考えるわけでございます。  ただ、これまでも検査でいろいろ考えておりますことは、同種の工事に一連の入札がございますが、そういった場合に、入札の月日が大体同じような時期である、金額も大体同じようなこと、大体同じような規模、同じような仕様であれば同じような予定価格ができるはずであるのに、そうでないものがある。また落札の状況も、一回で落ちるのがあるかと思うと一方では三回もやらなくてはいけないというような、入札状況を見て非常におかしい面が間々見られるわけでございますので、これからそういった面の検査を徹底的にやりまして、何らかのそういった面の是正の端緒をつかめるのではないか、そういう研究をしていきたい、いまそう考えておる段階でございます。
  48. 原茂

    ○原(茂)委員 検査院として、入札の前のいろいろな悪さを何とかして徹底的に検査をする、あばく方法を考えないと、この悪循環を断ち切ることはできないと私は思うのですね。国費が正当に使われる一番の入口は、この入札時における関門を正していくということにあると思うので、いまのお話だと非常に心細い。契約ができて工事が進む、さかのぼって積算をやっていく、あるいは同じような種類の入札があったときに価格の相違がたくさんあったということをたどっていくと、何か問題が起きてくるのではないか。それもあると思うのですが、現に行われていることは間々聞きますと総長もお答えにあったように、間々行われているんじゃなくて全国的に常套として行われているのですから、したがって、もっと抜本的に一ヵ所どこかでこれを断ち切るためには、大きな入札時に事前に検査官の派遣等を行うことができるのかどうか。  調査団の派遣は不可能だ、入札が公示をされて落札に至るまでの間に、聞き込みじゃありませんが、関係する業者等からやはり実態聴取するというような、足で事実をつかんでくる調査等が検査院としては制度上不可能なのかどうか知りませんが、ぜひそこらまで一度やって、どこか一カ所で思い切って不当な入札に対する摘発あるいは勧告を行わない限り、私はどうしてもこの種の問題が断ち切れないと思うのですが、どうでしょう。  もう一度何かもうちょっと突っ込んだ新しい工夫を実施していただいて、この入札の不当性というものを正していただく必要があると思うのですが、いかがでしょう。
  49. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 先生おっしゃるとおりでございまして、間々あると申し上げましたより、間々聞くということでございまして、こういうことが非常によく行われているというふうに私も承知いたしております。そして、これに対応する先ほどの私の発言は心細い、こういうお話でございますが、まあこういう考え方もあるのではないかと思うのでございますが、ただ一つには、会計検査院検査というのは事後検査である。ですから、契約前の入札の状態のときにそれだけを行って見る、こういうことは検査の手順、日程、その他の関係でなかなかまたむずかしいこともあろうかと思いますけれども、しかし、これから私どもが考えていかなくてはならないのは、やはり新しい検査の方法ということでございますので、ここで申し上げてしまっていいのかどうかわかりませんが、あえて申し述べてみますと、抜き打ち的な検査をやる。それは入札が行われるというその日を含むような検査をやってその入札状況を見せていただく、こういうような方法があるのじゃないか、こういうふうに考えます。
  50. 原茂

    ○原(茂)委員 ここで建設省に実情をお伺いしたいのですが、いまの入札の問題で、建設省はそういうことが行われている、総長も間々聞いたことがあるとおっしゃっています。私は間々じゃない、これが常套手段として行われているという指摘をしていますが、建設省はどういうふうにお考えになっていますか。大臣はまだわからないと思いますから、局長どなたか。
  51. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 お答え申し上げます。  いま先生御指摘のような話は、私どもも間々聞くわけでございますが、こういう談合等の行為がありました場合におきましては、独占禁止法なり刑法なりの問題として取り上げられることはあると考えております。ただ建設省といたしましては、業者の選定、指名、予定価格の決定、入札につきましては公正を期してやっておるつもりでございます。
  52. 原茂

    ○原(茂)委員 どうもおざなりな答弁で、間々聞いてはいるんだけれども、独占禁止法だあるいは何だという答弁があったのですが、私は本当に建設省にこの種のことをあるべき姿に戻してやる、正しい入札を行うという気があると、建設省のいわゆる現場における実施予算というものはずいぶん変わってくるだろうと思うのです。  いまは、とにかくそうでなくとも歳入はなかなか思うように見込まれない。国債の三割の頭打ちなんというのはもう撤廃だ、恐らく新改造内閣もその決意で予算の編成を行っているだろうと思う。ことほどさように国家財政も逼迫した状況の中で、財源を新たに求めるために一般消費税を制定するとかあるいは増税を行うとか、社会保障の国民負担を増大するとか国鉄運賃を上げる、それ何だという手もあるでしょうが、行政官庁が本当に一番よく知っているわけですから、その中におけるたとえばいまの建設省の入札制度なんかでも、思い切ったメスを入れることの方が相当大きな財源補てんの役目を果たすだろうと私は思うのです。  その意味では、いまのような平ったい官房長のまあまあやむを得ない——そう言わざるを得ないから言ったんでしょうが、知っていながら、検査院よりもっと早く建設省自体が具体的な手を施す何らかの研究なり思い切った処置を講ずるということは、やろうと思えば一番できるのが建設省なんだ。したがって、建設省自体がこの入札に関しては思い切った手を打っていただく以外にないと思いますが、もう一度官房長、答えていただきたい。
  53. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 国家予算執行上、適正な経費でこれを請負に出すということは当然であろうと考えております。その際に、指名入札の公正が確保されるような措置を研究するということは、またわれわれの責務であると考えております。建設省といたしましても、事務次官を長といたしまして契約業務改善委員会というものを設けまして、その点についての検討は従来からやっているところでございます。  まず第一番に基本になりますのは、やはり予定価格の積算の問題でございまして、これが国家財政の執行上最も安く、最も効率的に策定をされることが肝要であろうと思います。そういう点で積算等につきましては、会計検査院の実地検査等の御指摘を通じまして、いろいろ御意見伺いながら改善に努めておるところでございます。  次に、やはり予定価格は漏洩をしてはならぬわけでございまして、この秘密の厳守ということにつきましては特段の注意を払っておるところでございます。工事事務所で設計等を組みます場合には、往々にして外来の方々の出入りもあるわけでございますので、積算等をやる部屋につきましては、原則として外来者の立ち入りを禁止するとか、あるいは、そういうふうにして積算をされました書類につきましては、秘密の保持、文書の管理を厳重にするとか、そういう配慮をいたしております。  なお、指名につきまして、工事の場合、大体十社を指名するのが通例でございますけれども、地建、出先機関におきましても、単なる個人の感覚でこれを処理するということを避けるために、関係者をなるべく多くいたしまして、指名運営委員会というものをつくりまして、指名の公正を期するようにいたしておるわけでございます。  以上申し上げましたように、いろいろわれわれも努力を重ねておるところでございますが、なお、先生の御指摘もございますし、さらに勉強させていただきたいと考えておる次第でございます。
  54. 原茂

    ○原(茂)委員 入札に関しては、北海道を視察したときにも聞きました。実際にわれわれの周りにもあることなんですが、たとえば、予定価格の七割以内だと落札しない、幾ら安くても安過ぎると危ない、信用できないと。ところが実際にその価格というものは、下請をしたり設計担当をする一流の設計士などを加えた費用を見ても、七割なり六割八分でやればできるという確信を業者の方は実は持っているのですね。にもかかわらず建設省の方は、予定価格よりも下回っているから危険だと思うのか、とにかく出さない。こういうことも、だれがどこでその規定をつくったのか知らないけれども、私は思い切った改正をしていくべきだと思うのです。  予定価格が余ったら結構じゃないですか。建設省予定価格の積算が絶対だ、だれがどういうふうに考えたって、建設省が一番頭がよくて、建設省積算が絶対なんだ、したがって、この一千万なら一千万という予定価格を下回ったときには落札させない。ばかなことを、その限度をだれが設けたのかは知りませんけれども、ここらのことも、本来なら会計検査院というものがやはり思い切って検討を加える必要があると私は思うのですが、とにかく頭にきて、建設省積算が絶対なんだ、こううぬぼれ切ったような考え方、その思想が一部あって、予定価格よりも二割安い、三割安いとどうも落札ができないということは事実なんですね。  だから、このこと、予定価格がもう絶対だという考え方に立っているから、いま官房長の答弁が出るので、予定価格だって、日に新たに検討を加えるべきだと思うのですね、その積算がいかに困難であろうと、コンピューターがあるのですから。したがって、予定価格というものをもう少し検討する、そのときに、いろいろな頭脳を突っ込んで検討していくような制度を考えながら、あわせて入札制度の是正を行っていくときに、初めて国家予算のいわゆる縮減というものが可能になってくるだろう、私はこういうふうに考えるわけですね。  だから、そのことをきょうは申し上げようと思っているわけじゃないですから、予定価格を余り下回ったから落札させないんだということの範囲を、だれが出したか知りませんが、再検討するようにぜひひとつ考えてほしい、こういうふうに思うのです。  そこで、指名という話がありましたので、ついでに指名のことを会計検査院にお伺いしますが、業者は指名業者になりませんと入札ができない。ある特定の業者を指名してやれないか、ぜひ指名業者にしてくれという紹介なり依頼を、会計検査院の調査官が建設省なり出先機関に口添えをする、添書を行う。それを受けた方から言うと、これはおれたちの担当調査官だ、これからこの業者を指定してくれと言われた以上、どうもノーとは言えないというので指名になった業者があります。ずっと古い昔、このことが検査院でも問題になったことがあると聞き及びましたが、真偽のほどは知りません。しかし、その後といえども、それが全然ないとは言い切れない状況にあります。  私は、やはり会計検査院に勤務する調査官は、少なくとも出張検査をする百何十名というものは、特に絶対に特定業者の指名を建設省なり出先機関に依頼することがあってはいけないと思いますが、いかがでしょうか。
  55. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 そういう先生がいま御指摘になりましたような事実、これは直接指名を頼むという形で出されたかどうか、ちょっと私つまびらかでございませんけれども、大体指名業者を決める場合は、各省庁あるいは出先におきまして、指名の委員会などがありまして、個人的にどうしようということはできないようになっているというように私は存じております。  ただ、そうかといって、やはりたとえば業者の中に友達がおって、あるいは先輩がいて、関門があってなかなか、たとえば建設省工事事務所の方にお目にかかれないというようなことで、あるいは名刺に、なんかひとつ会ってやってくれというようなことを書いたと私に述べる者がございます。そういうことは確かにあったと思いますが、現在の時点で考えますと、そういうこともまことにけしからぬことにつながりますので、これからは職員一同にそういうことの絶対ないようにという気構えを——気構えと申しますか、そういうことを指導いたしますと同時に、もうすでに職員はそういう気構えを見せておりまして、そういうのをけ飛ばしたというような話も聞いております。  以上でございます。
  56. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、この間問題になりました接待費の出どころについて一応資料もいただきました。  たとえば、地方で言うと、地方建設局の庁費、この予算を調べてみますと、会議費とか接待費なんて絶対ないようになっている。事業調査費の事項別の内訳を見ましても、それが出てこない。それから道路事業調査費の調査事項概要を見ましても、会議費とか、もちろん特別会議費はありませんし、接待費などは何一つ出てこないというようにわかりましたが、一体この中からさきに問題になりましたようないわゆる接待費が流用されているというのか、使って当然の接待費なのか知りませんが、額によってはこれは不当だ——額によっては当然だという見きわめをつけるのだろうと思うのですが、全然庁費そのものの予算の中にはありませんけれども、一体今後どうやってこの内容を調べて、いわゆる接待といいますか、昼飯ぐらいは一緒に食って会議を持つというような金も必要になると思うのですが、そういうものは一体この目である庁費以外のどこからか、あるいはこの庁費の中から今後当然出るという前提なのか、この点いかがでしょうか。  建設省からお伺いして、会計検査院という立場で、一体それが今後はぴしっと調査できるようにしたのか、なったのか、あるいは特定の何かを焦点を決めてやろうとしているのか、検査院の立場は後からお伺いする。建設省の方から、一体庁費の中のどこから、この概要には説明が何にも書いてないのですが、何から今後出しますか。
  57. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 今回問題になりました十一工事事務所について会計検査の接遇に使いました支出費目は、いまお話しのように建設事業指導監督費の庁費、事務費の中の庁費、そのほかに道路、河川事業の調査費等から支弁をしておるわけでございます。  いま先生お話しの庁費でございますが、庁費の予算積算に当たりましては、会議費等あるいは事務用品等細かく積算をしてやっておるわけでございますが、予算といたしましては、庁費として一本にまとめられているわけでございます。会議費等の支弁は庁費から行って差し支えないものと考えております。ただ調査費につきましては、調査費の中に、調査を実施するために学識経験者等を集めて会議をする場合に支出が認められておるわけでございます。  また会計検査につきましても、会計検査がその当該調査について行われます場合におきましては、会議費としての支弁はできると思いますが、私どもが実態調査をいたしましたところ、この調査費の使用につきましてはいろいろ問題がありますので、今後改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
  58. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 私どもできのうから調査をいたしておりまして、該当する個所が十幾つございますが、それに現在行っておりまして、その集計が大体二十五日ぐらいまでに全部終わる予定でございます。その上でいろいろ検討いたしたいと考えるわけでございます。  いま建設省の方から御説明がありましたように庁費——庁費の中には会計検査院予算でも会議費というものがございます。この何々調査費というものから出たものがいいか悪いか。その中には庁費的なものも確かに含まれることもございます。しかし、われわれの接待にそういうものが多額に使われたということになりますと、問題はおのずから別でございます。この点の判断は、建設省建設省実態をもうすでに調べておられると思いますが、検査院といたしましても実態を調べた上で申し上げたいと思います。  なおこの調査は、私ども会計検査院といたしまして、大体工事事務所とかそういうような、何も建設省に限りませんが、事業官庁の現場につきましては、工事というものを主体にして見てきたというために、そういうものの見落としもあったという点も考慮いたしまして、これからはそういう点を、建設省のみならずほかの省庁についても少し重点的に見てまいりたい、こういう所存でおります。
  59. 原茂

    ○原(茂)委員 これでこの問題を終わりたいと思いますが、ここで検査院長と建設大臣に最後にまとめて決意のほどをお伺いしておきたいのです。  きょう申し上げましたような、たとえば私ども国民の側から言うと、非常に汚い癒着が至るところにあるという疑惑を深めるような、この種の結婚その他の招待に対して、先ほどお話のあったように、やはり改めるべきは改めるという御意思のほどはわかりましたが、建設省そのものも、先ほど申し上げたように、綱紀粛正に関しては現場を持つ以上なおさらに必要だと思いますので、総括的に、この入札制度の問題あるいは会計検査院の調査官が指名業者を依頼する問題だとか、この種の宴会に招待をされて出席する問題等全体を、私が何を言ったかをおくみ取りいただいたと思うのですが、最後に、この問題の今後に対するお考えをもう一度お聞かせいただいて、この問題に関しては会計検査院もお引き取りいただいて結構だ、こう思います。
  60. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 会計検査院の担当官の接遇問題、あるいはきょう御指摘になりました業者との癒着の疑いを持たれるような事例、これらのことにつきましては、再びこういうような事態が、あるいは疑惑を招くようなことのないように私としては徹底をしてまいりたい。接遇問題につきましては、あるいは御報告申し上げておるかとも思いますが、省内におきましては十一月二十二日に事務次官通達をもちまして地方建設局長にあてまして、第一には、会計検査院接遇の事実についてはきわめて遺憾である、今後かかる接遇は一切行わないようにするとともに、予算の適正な執行に配慮して、いやしくも国民の疑惑を受けることのないよう必要な措置を講ずるようにというように、第一段は反省をし、第二段については、再びこのようなことの起こらないようにしよう、こういうことを通達で徹底したところでございます。  業者の癒着問題については、恐らくお御指摘のような事例がほかにもあるのではないかと私自身非常に心配をするわけでありまするが、少なくともきょうのこういうお答えをしている時点以降にそういう疑惑を招くような事態がないように、速やかに綱紀の粛正を徹底してまいりたい、このように決意をしております。
  61. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院長 先ほど来の御好意ある御忠告を謙虚に受け入れまして、こういうことが二度起こらないように具体的な措置を講じてまいりたいと存じます。
  62. 原茂

    ○原(茂)委員 それでは、会計検査院長、事務総長、どうぞお引き取りいただきます。  続いて建設省に、河川局長に来ていただいていますからちょっとだけお伺いします。  富士山の周り、すなわち静岡県、山梨県ですが、ここに相当大きな大沢崩れあるいは山梨県側の宮川なりあるわけですけれども、この河川なり大沢崩れ等に関する直轄砂防としての工事なり補助砂防としての仕事なりをやっているわけですが、このおやりになるもとは、なぜやるようになったのか、その原因と、現状はどうなっているか、ひとつこれだけ……。
  63. 栂野康行

    ○栂野政府委員 お答えいたします。  富士山一帯につきましては火山地帯でございまして、山が非常に荒廃しておる。したがいましていわゆる土石流によりまして下流地区が非常に被害を受ける。人家が被害を受けたり、あるいは美田がつぶれていく。したがいまして、そういう下流の災害を防ぐという目的を持って直轄砂防あるいは補助砂防というものを行っておる次第でございます。  現状におきましては、大沢川につきましては、これは直轄は四十四年から着手しておるわけでございます。それで、あそこにおきましては、水源にいわゆる大沢崩れというのがございまして、その土石流が一気に下流に出ないように、あそこに貯砂地、いわゆるポケットと言っておりますけれども、貯砂地を設けまして、上流からの土石流のエネルギーを防ぐ、そしてその後にゆっくり下流に流していく、そして下流地帯の安全度を図るということをやっておる次第でございます。  それから宮川でございますけれども、これは昭和三十七年から工事を始めております。これは山梨県の河川でございます。  それから、潤井川あるいは弓沢川でございますけれども、これは静岡県を流れております河川でございます。潤井川につきましては、現在、昭和四十七年から工事を着工しております。その前には昭和十四年から二十三年の間にかけまして砂防工事をやっておったわけでございますけれども、四十七年からまた再開いたした。弓沢川につきましても昭和四十六年から砂防工事、いわゆる流路工あるいはそういうものを現在鋭意工事を進めておる次第でございます。
  64. 原茂

    ○原(茂)委員 その土砂流の起こる原因の中に雪しろの問題もあるのですか。
  65. 栂野康行

    ○栂野政府委員 先生おっしゃいますように、土石流の原因としましては春の雪解け水による原因が一つと、それから集中豪雨によるという二つが主体ではなかろうかと思います。
  66. 原茂

    ○原(茂)委員 河川局長、結構です。ありがとうございました。  そこで、今度は建設省が昨年調査した危険道路、震災対策道路について少しお伺いしたいのですが、調査した当時から見ていまの方がもっとふえているんですが、その原因は何でしょうか。
  67. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、昨年度八月に落石事故等による危険個所を全国的に総点検いたしまして、全国で約七万六千カ所の要対策個所を把握しておるわけでございますが、これは実はその前四十八年に総点検をいたしておりまして、その時点では御指摘のように全国で六万五千カ所の個所数を把握いたしまして、その後四十八年以降五十年までそのうちの約二万一千カ所について対策を講じ終わったことでございますが、実は御承知のように、昨年春ごろ落石によるバスの事故等が頻発いたしまして、そういうようなこともありまして、もう一度見直してみようということで、昨年七万五千カ所の個所を把握したわけでございますが、六万五千カ所から二万カ所対策を講じまして、あと四万五千カ所残っておるわけですが、昨年度の見直しでこれが七万五千カ所にふえておるわけでございます。これは危険個所につきましては、やはり毎年の雪解けとかあるいは寒冷の繰り返しというようなことで、山が緩んだりするような状況は年々進行しておるわけでございまして、そういうような状況も加味しながら、やはりときどき定期的にこういった危険個所については見直しをしていかなければならぬというふうに考えております。  そういうようなことと、昨年の危険個所につきましては、従来落石個所等については十メートルとか二十メートルの範囲を一応よく見ていたわけでございますが、この前の落石事故の状況等を勘案しますと、やはり相当広範囲に見ていかないとなかなかこういう事故を根絶できないというようなこともありまして、危険個所の見方を少しシビアにいたしたようなこともございまして、そういうようなことから今回把握しております。万五千カ所というようなものは、現時点ではぜひ必要なものというふうに考えております。
  68. 原茂

    ○原(茂)委員 五十年度に実際に実施した個所を言うと約三%しか実施していないのですよね。多分間違いないと思うのですが、自然災害もどんどん起きてきますし、四十八年から五十年、五十一年を調べてみたときに、いま言ったように六万五千から見たって一万もふえているという状態で、まだどんどんふえていくのじゃないかと思うくらいですね。ところが手当てしたところはわずか何%しかないということになると、いまもどんどん老朽化しているのかもしれませんが、危険個所というものはどんどん多くなっていくのだと思うのです。  その危険個所に対して国民に迷惑のかからないように応急的に、とにかく危険個所がわかった以上は、それによって負傷とか事故の起きないようにというような対策は、この要対策個所だけでも何らかの手を打っているのでしょうか。皆さんが帳面の上でしているだけなんですね。現地に対しては警告をしたり何かするということをとりあえずやっているのでしょうか、やらないでほうってあるのでしょうか。
  69. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 危険個所に対する手当ての手順といたしましては、先ほど申し上げました七万五千カ所のうちでも危険度によっていろいろランクが違いますので、私どもはこれを三つのランクに分けまして、一番危険度の高いものを第一ランクということで、こういうものから逐次やっていくというような考え方をとっておるわけでございます。そういうことで、危険個所がかなりふえたということは、危険個所に対する見方をシビアにしたということでふえたわけでございまして、われわれとしてはこの個所をぜひ早急にやりたいということで、昭和七十五年ぐらいまでにその解消をしたいということを考えておりますが、これはわれわれとして技術的に見て必要な個所を緊急度の高い順に対応していこうということでございます。  一方、現地に対する標示等につきましては、標識あるいはパトロール等の見回りというようなことを強化いたしまして、やはり道路管理の面で十分危険のないように対処してまいりたいというふうに考えております。
  70. 原茂

    ○原(茂)委員 その七万五千カ所は、通行人なり住民に対して、これは危険があるよということを標識なり何なりでとにかくきちっと警告をして、通行する人もここは危険な場所だというように七万五千カ所全部わかるようになっておりますか。対策を実施するのは後になってもいいのですよね。少なくとも危険だという警告だけはぴちっとしておかないといけない。その標識すらないところがずいぶんあるように思うのですが、全部標識があるのでしょうか。
  71. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 危険個所の標示の問題でございますが、危険個所につきましては、落石等の実情を考えて、落石の頻発するようなところでは道路標識によりましてこれを標示しているというようなところもございます。それから、ルートとして非常に危険個所が多いというような場所につきましては、非常に大雨のときには、一定基準の雨量以上になった場合には交通遮断をするとか、そういうような方法を講じておるわけでございます。七万五千カ所全部について標示するということは、現実の問題としては、七万五千カ所ですぐにも落っこってくるというようなところでなくても、対策としては講じておきたいというようなところもございますので、そのうち危険度の程度に応じまして、標示ということも十分積極的に考えていきたいというふうに考えています。  もう一つ、先ほどの答弁の中で、七十五年までに解消したいというふうに申し上げましたが、ちょっと言い間違いでございまして、五十七年度までに解消したいという考え方でございます。
  72. 原茂

    ○原(茂)委員 その昨年調査の七万五千カ所の大体五八・一%程度がバス路線ですね。半分以上がバス路線ですね。四万四千カ所以上になるのですが、これは特に集団で危険を冒すわけですから、せめて、いま七万五千カ所全部に標識はないにしても、バス路線は先にとか、何か優先順位をつけて完全に通行人にわかるように、もしどうしてもできないんだったら、まあバス路線を先に完全に、ここは危険だから十分注意しろというような標識をつける。そうして後、普通の防災対策を必要とする個所に対しては全部つけていくというようなことを早くやらなければいけないと思うのですが、このバス路線に対する対策はどうなんですか。危険個所の半分以上がバス路線ですからね。
  73. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 お答えいたします。  バス路線につきましては、こういった総点検のきっかけになりましたものが、ああいったバス事故でもありますし、この総点検の際に、バス路線というものを非常に重視した結果、バス路線についての危険個所の数も相当あるというふうに把握しておるわけでございます。  先生御指摘のように、バス路線は生活の足として非常に重要なものでもありますし、また、一たん事故が起きますと非常に大ぜいの人が被害を受けるというような危険もあるわけでございまして、そういうことから考えまして、バス路線に対する要対策個所の解消というものは最重点に考えていかなければならぬというふうに考えておりまして、来年度から予定いたしております第八次の五カ年計画の中でも、この危険個所の解消には、先ほどのランク一の個所とバス路線に最重点を置いて、逐次五十七年、五カ年計画の終了時点までにほぼ全体を解消したいという手順で、その中でもバス路線を先に手をつけるというような方向でやってまいりたいというふうに考えております。
  74. 原茂

    ○原(茂)委員 震災に対する対策を必要とする道路に対してはどんな手を打っているのですか。
  75. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 震災対策につきましても、危険個所、要対策個所の把握につきまして、昭和四十六年、実はロサンゼルスの地震等を契機にいたしまして全国的に総点検をした結果で、その後重点的に整備を図ってまいったわけでございますが、中身といたしましては、橋の落橋防止策あるいは老朽橋のかけかえというようなこと、あるいはトンネルの坑口付近の落石崩壊の防止事業あるいは横断歩道橋の落橋防止というようなことが内容になるわけでございますが、これにつきましては、その後、やはり昨年の総点検の際にあわせて点検を実施いたしておりまして、約七千六百カ所の要対策個所を把握しているわけでございまして、これに関する事業費が四千六百億に上る見込みでございます。これもこの次の五カ年計画では重点事項の一つとして一層推進することにいたしておりまして、昭和六十年度までに大体対策を完了したいというふうに考えております。
  76. 原茂

    ○原(茂)委員 たとえば長野県は震災対策の場所は少ないのですが、代表的な急いでやらなければいけないところはどこですか。対象施設が、橋梁に関して要対策個所四十六カ所、それからトンネルはないようですね。横断歩道橋が二カ所ありますね。たとえば長野県で言うと、緊急を要する順序からいうとどういうところがあるのですか。
  77. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 長野県下でやはり同じように震災対策の必要な個所といたしましては、約百カ所一応考えておりますが、この内訳は、橋梁関係が九十五カ所、トンネル関係が三カ所、それから横断歩道橋で二カ所ということでございまして、このうち、当面急がなければならない事業としては、まあ大体国道直轄関係は特に交通量も多いわけでございまして、それらのところ、たとえば丹波島橋というようなところの震災対策というものはぜひ早くやっていかなければならないのではないかと考えております。
  78. 原茂

    ○原(茂)委員 防災対策の方はどうなんですか、長野県の場合。
  79. 浅井新一郎

    ○浅井政府委員 防災対策につきましては、点検結果の数といたしまして、有料道路も含めまして全県下で四千七百二十カ所ございます。  内訳を申し上げますと、ランク一に属するものが千四百三十六カ所、ランク二が二千四百九十八カ所、ランク三が七百八十六カ所ということで、ランクの高いものから逐次対策を完了していきたいというふうに考えておるわけでございますが、現時点で、五十二年までにやりましたものはこのうち五百九十八カ所ということになっております。
  80. 原茂

    ○原(茂)委員 危険個所の問題、これで終わります。  次いで、住宅公団にお尋ねをいたします。住宅公団総裁がおいでになっておりますね。  「財界展望」という雑誌が毎月出ています。五十三年一月号というのが十日ぐらい前に出ました。これはごらんになりましたか。
  81. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 ざっと読みましてございます。
  82. 原茂

    ○原(茂)委員 これに対してどうお感じになりましたか。やはり読んだ以上、ざっとであろうと、相当公団に対する、これは伏魔殿だという決めつけを前提にして物を書いていますが、この内容の主なもの、まあずいぶんたくさんありますけれども、これを総評的に、お感じになったその概評をひとつ、なるほどと思うのか、全部これは違っているのか、やはり一部こういう点は合っているというふうにお考えなのか、読後感をちょっと聞かせてください。
  83. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 余り楽しくなく読んだのでありますが、内容の一々につきましては、私がその当否を判断できないようなもの、いろいろございます。しかしながら、ここ数年来の日本の急激な情勢変化に適応し切れなくて、公団がいろいろと御指摘を受けておりますような問題を生じておる、未入居住宅でございますとか、長期未利用土地をたくさん抱えておるとか、そういう指摘があの雑誌においてなされております点につきましては、十分反省をして読んだ次第でございます。
  84. 原茂

    ○原(茂)委員 澤田さんは最近新任をされて非常な期待を持たれているわけですから、私も期待をする一人なんですが、現在特に目につきますのは保有地の問題ですね。膨大な土地を持っておいでになる。いま全国で実際に建物を建てていないで保有地があって、その保有地が、二つ目の大きな問題ですが、市街化調整区域になっているところというのが非常に目につきますし、「腐食の構造」とこの一月号でも特にその点力を入れています。  そこで数字をちょっとお伺いしたいのですが、現在の保有地全体が長期保有という前提に立つとどのくらいありますか。そうして、それを購入する価格は幾らか。それを買ってからその後維持するため管理費並びにその利息が幾らになりますか。これをひとつ答えてください。
  85. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 いわゆる長期未利用保有土地として指摘されておりますものは、五十一年度末で申しますと、地区に分けますと二十二ございますが、千五百八十九ヘクタールございます。その取得金額は約九百七十二億円でございまして、これら二十二地区の用地取得時から——この取得時は昭和四十八、九年を中心にまちまちでございますが、その取得時からことしの三月末までの金利は概算約二百七十五億円となっておる次第でございます。
  86. 原茂

    ○原(茂)委員 購入の原資とそれから利息を払うための原資、どういう手当てをしたのですか。
  87. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 購入費は当然借入金で賄っておるわけでございます。それで、これが果実を生まないで保有しておるというのは、こういう長期保有地のみではございません。短期に活用できる土地もございますわけでありますが、それを保有しているために必要とする支払い金利は、全体の資金繰りによって賄っておると考えております。
  88. 原茂

    ○原(茂)委員 内訳を言うと、住宅部門の資金というのは、財投から百四十八億円の金利負担ですね、宅地部門、これは民間から百二十六億円、合計二百七十四億円ということになっているのですね。そうですね。
  89. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 いまの御質問の御趣旨がちょっと……。
  90. 原茂

    ○原(茂)委員 長期保有地にかかる金利負担の内訳ですね、財投から百四十八億円が金利、それから宅地部門で百二十六億円。そうですか。合計二百七十四億円。さっき二百七十五億円と言いましたが。
  91. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 おおよそそれでよろしいかと思っております。
  92. 原茂

    ○原(茂)委員 一億円違うものだからちょっと聞いたのです。  それから未入居住宅昭和五十一年度一年間に発生したことによる収入減、家賃とか割賦金の減ですね、これは幾らになるのですか。
  93. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 未入居住宅がかなりございますわけでありまして、五十二年三月末現在で申しますと一万四千五百戸ほどありますが、これにつきまして、当然これが入居されまして家賃収入があればという比較で申しますと、三十八億円ほどの減収になっておるわけでございます。
  94. 原茂

    ○原(茂)委員 それから、保守管理のために——何といっても保守していかなければなりませんね。管理するその費用は五十一年度末でどのくらいになるのですか。
  95. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 未入居のほかにいわゆる保守管理住宅というのがございますわけでございまして、これが現在この九月末で大体一万九千戸に上っておりますが、その管理費用としては、五十一年度中で申しますと三億二千万円ほどに上っておるわけでございます。
  96. 原茂

    ○原(茂)委員 いまお伺いしたような、いやでもこれだけの資金が必要になってまいりますが、今後これをどうしようとお考えになっていますか。どういう対策を立てておいでになりますか。また、借入金をどんどんしていって金利負担にたえていく、それから管理費の必要なものはどんどん多くなっていくが、これも借入金で賄うというのか。あるいは別途の方策をお考えになっているのかどうか。どうですか、今後に対して。
  97. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 公団の経理は、御承知のように借入金によって事業を行う、したがいまして、その投資が健全な果実を生む資産になって残れば借入金がふえていっても問題ないわけでございますが、ただいま申しましたような果実を生まない資産は、現在のところは全体の中でまだ問題は経理上起こしておりませんけれども、将来を考えますと実に私は大問題だと思います。したがいまして、空き家問題、それから未利用土地の問題、両方を含めまして応急対策と基本対策を定めまして、この春以来公団は機能を挙げて努力をいたしておるところでございます。  未入居住宅について申しますと、いま全面的な見直しを行っておるわけでございます。応急対策としましては、とにかく需要のつくようにすることが第一の前提でございますので、国民の需要がどこにあるかを見まして、現在空き家になっておるものにつきましては、たとえば一例を申しますと、二戸を一戸にまとめて賃貸を分譲に直すとか、いろんな工夫をいたしてそれなりの成果を上げつつありますが、しかし何せ数の多いことでございます。それにただいま仕掛かり中のものがまた相当ございます。これも新たに出てきて未入居住宅の数をふやさないように、この見直しもいたさなければなりませんので、そういった応急対策に全力を挙げて、需要がつくような家を供給するという努力をいたしておるわけでございます。  それから未利用土地の方は、ただいま御指摘のように調整区域に入っているものがかなり多いのであります。その他いろんな理由で地区ごとに事情が違いますが、特に地方公共団体との関連が非常に多いのでありまして、これは一つ一つ障害となっている事実をつぶして土地を流動化していくしか方法はないわけでありまして、これには建設省初め関係官公庁の御協力をお願いしまして、これをできるだけ早く流動化し、活用していくという方向で努力を重ねておるところでございます。
  98. 原茂

    ○原(茂)委員 いまお話しになったようなことは抜本的にやらなければいけませんが、そういうことをおやりになるのに、住宅公団が立案をし、住宅公団が相談の結果やろうと決まったらそれが全部できるのですか。その間に建設省が何か一役買っているのですか。建設省は全然関係ない、報告すればいいということになるのですか、どうですか。
  99. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 私も総裁になりまして全体をながめておりますと、住宅公団は国の建設行政の実施部隊、一言で申せばそうかと思います。したがいまして、いろいろな計画、方針、特に大きい基本的な行政方針というようなものは、政府なり建設省との関連なしには決まらないということが非常に多いのでありまして、ただいま申し上げましたようないろいろな応急対策あるいは基本対策——基本対策は先ほど詳しくは申し上げませんでしたが、需要の徹底調査とか、いろいろな問題から入って大いに基本対策を進めなければならぬと思いますが、そういう問題を進める場合にも、なおさら建設省といわば一体になって努力をしなければいけないという感を実は深くしておるわけでございます。
  100. 原茂

    ○原(茂)委員 建設省と一体になって政策をという考え方、これは澤田さんが新たにつくった方針でもない、いままでの公団の方針だろうと思う。そのいままでの公団の方針、建設省と一体になるというのはいい言葉ですが、実は建設省におんぶする悪い面もある。それから、もっと悪い面は、建設省が大きなものは計画立案をする。下請機関のように住宅を実際につくって人に住まわせるという実施部門だということから、職員全体の立場から言うとここに欠陥がある。発足の当時から、これはこうした方がいいというようなことを幾ら思っても、その自分たちのアイデアが生きて、いわゆる公団行政として実施されていかない。これだけつくれと命令がある、こういう計画をやりなさいということがあると、それに従って仕事をしていくだけというようなことが、やはり大きな公団全体の士気といいますか、仕事をするという、担っていこうとする意欲といいますか、こういうものを阻害しているように思うのですが、従来と同じようにいい言葉で、建設省と一体になってという実体はどうかと言えば単に実施部隊だというようなことだけで、今後も新総裁としてはおやりになる方針なんですか。私は、そこらに抜本的な考え方が何か生きてこないと、もうちょっといわゆる公団職員全体の意思というものが最初から強く入り込んでいくような、計画そのものの中にももちろん反映できるように、そういう方途を何か講じていかないと——この「財界展望」を見てつくづくそんなことをまず第一に感じたのですが、どうでしょうか。
  101. 澤田悌

    澤田(悌)参考人 ごもっともな御指摘でございますが、私の申します一体というのは、いい意味での一体でなければならないということを前提にいたしておるのであります。何せ法規その他でがんじがらめになっておる実情でもありますが、しかし、いい意味での一体でないと現在のような窮境に陥ったことの反省にはならないわけでありますから、私は従来のいきさつにとらわれないで、いい意味の一体になった公団の運営をいたしたいと考えておるわけでございます。
  102. 原茂

    ○原(茂)委員 ここで建設大臣にお伺いしますが、大臣も「財界展望」というのは読んだかどうか、暇がなくて読まないのか知りませんが、やはり一番問題は、いま私が言ったように、いわゆる職員全体が意欲を持ってやっているのとそうでないのとの違いが至るところに出ているように、これを読みますと感ずるのです。ところがいま新総裁は、建設省といい意味の一体になってそういう面も新たに工夫をしてやっていきたい、こう言っているのですが、従来、平たく言いますと、建設省で大きな計画を立てて、これだけの住宅をつくりなさいというので、その実施部隊として、下請機関として物をつくって人を入れるだけの機関として、いわゆる職員全体のアイデアなり意欲というものが計画の当初から入り込んでいかないというところに相当の欠点がある。  その一つとして、とんでもない市街化調整区域を、まあ政界の裏も表もいろいろなのが動いたり動かないということもここにも書いてありますが、従来から言われているように、変な政治的な取引で、とにかく大きなデベロッパーがもてあまして、おれたち努力してみたがどうしても市街化区域にならない、したがって市街化調整区域のままではとても持ちこたえられない、公団へこれを押しつけよう、公団にまるでごみためのように押しつけたものがあんなにある、こんなにあるというようなことも、やはりもっと最初の計画のときからきちっと全職員の意向、アイデアというもの、あるいは検討が加えられていくというようにしていくと、こういったものの入りにくい機構ができるわけですね。  いまの機構というのは上から押しつけられている、そのとおりやれ、見たら極端に言うと調整区域だったというようなことがあり得るわけですね。そうなりがたいような、なりにくいような、やはり公団にもっと計画立案の当初から、いわゆる住宅の必要というものをくみ取るところから、公団の全職員の考え方、これに対応するアイデア、そういうものを生かすような仕組みをつくってやるという何か新しい方法がないと、従来の建設省と公団の関係でそのまま放置していくと、せっかくこんなに憎まれ口きかれたってこれは改善されないんじゃないかなということを、とつおいつこれを何回も読みましたけれども、読んでみるとおもしろいからつい読んでしまったのですが、読んでみたらこれはとてもじゃないが一朝一夕に直らないなという感じを持ちましたが、お読みになっていればなお結構ですが、読んでいなくてもいま私が言ったような、やはり公団の職員全体が意欲を燃やすような、大計画の当初からいわゆる職員全体のアイデアなり経験が生かせるような仕組みに何とか変えていってやって、公団職員全体に、いま不評をこうむっているこの公団の行政、仕事に対する名誉を挽回したり、あるいはそういうことにならぬようにこれから仕事をさせていくということも必要だと思いますし、その点で大臣どうですか、読んでいればなおわかるのだと思うのですが、そういう新しい工夫を考えてやらないと、私は公団にいかに俊逸な新総裁来られてもなかなかに打開できないのだろうというふうに思うのですが、いかがですか。
  103. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 ただいまの御指摘の雑誌につきましては、申しわけないのですが、私は読んではおりません。しかし、御質問に伴っておおよそその雑誌に何が書かれておるかということについてはおぼろげながら推察ができます。  そこで、住宅政策に対しての私の考え方を言え、こうおっしゃる御趣旨だと思いますので、私は就任後まだ日が浅うございますが、住宅に対する国民の大きな関心があるにもかかわらず、一方におきましては御質問にございましたように相当な空き家がある、しかも住宅公団にも相当あるのだ。それから、宅地問題がやかましい折に、住宅公団には未使用の土地が相当ある。これはどこかに欠陥があるのではないかということを感ぜざるを得ないのでありまするが、いま、国民の期待する住宅に対する意識調査などを見ますると、一番多いのが狭いということのようであります。もう一間欲しい、もう二間欲しいと、その家族数によりまして希望がいろいろあるようでございますが、これをまとめて言うと、結局いまの住宅の中で問題なのは、通勤の面から言うと遠いというようなことが一つ問題になります。それから、狭いということ、もう一つ進めて言えば、住宅の質の問題がある、こう思うのです。それから、さらには家賃でございます。そういうような高いとか、狭いとか、遠いというような問題を解決していきますならば、住宅公団に対する利用者の要望も非常に多くなるのではないか。そういう点から、先ほど総裁がお答えしておるような、現在住宅公団の持っておる家についても見直しをする、建てつつあるものについてもこれを改善しつつあるのだということでございますので、これはそれなりに結構だと思います。  土地の問題につきましては、残念ながら、いま御指摘がありましたように、あるいはいろいろな因縁づくで調整区域の土地などを持っておって、早速に活用できないような場合もあろうかと存じまするが、土地問題につきましては、別途その土地の宅地化の推進に努めまして、でき得る限りその活用ができるようにしていかなければならないと思います。  一番の眼目は、住宅公団の職員の諸君の意欲が燃えるようにすべきではないか。ただ何か建設省の方針のもとに、実態とはかけ離れておるとは思いながらも、親方日の丸的な傾向を持っておったとするならば、これは非常に遺憾なことでございまして、ただいま総裁の言われたように、本当に一体の実の上がるように、また、原委員の御心配のような諸点を十分勘案して、今後の住宅政策を遂行してまいりたい、このように思います。
  104. 原茂

    ○原(茂)委員 どうか新しい総裁も、ひとつ私企業に徹した気持ちで一度見直しをしていただく。実際現地で仕事をする諸君が一番いいアイデアを生み出すもとだと私は思う、そればかりではないのですけれども。したがって、総裁がいまおっしゃったような、従来のどんな機構でどういうふうな計画なり方針がつけられるか知りませんが、できるだけ下部へおろして、下部の意見も十分に聞いた上で、ひとつ新しい方針なり、いま言った従来からやってきたいいことをやっていくようにしていただくことが私はこの際必要だと思う。いま大臣が言われたように、やはり建設省としても建設省がまるで公団を下請機関のような扱い、あるいはそういう立場を、チャンスがあったら何とか少しでも変えていくような努力を、大臣にもしていただくという、有無相合した考えで、少なくとも世間から言われているような忌まわしい、伏魔殿的なにおいをかぎとらしたり、非難を受けたりすることのないような、住宅行政というものはいわゆる公団を通じて行われるように、ひとつこれは私から強い願望としてお願いをしておきたいと思うのです。  これで終わります。
  105. 芳賀貢

    芳賀委員長 午後二時二十分再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時二十五分休憩      ————◇—————     午後二時二十三分開議
  106. 芳賀貢

    芳賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。春田重昭君。
  107. 春田重昭

    春田委員 私は、本日は三点につきましてお尋ねしてまいりたいと思います。  一つは、前国会で問題になりました過剰接待の問題につきまして、二点が土地税制の重課税の緩和の問題につきまして、三点目が下水道事業の問題につきまして、お尋ねしていきたいと思っております。  先ほど来原委員からも何点かにつきまして御質問がございましたけれども、私は主として建設省につきましてこの問題をお尋ねしてまいりたいと思いますが、建設省としては、前国会で問題になりましてすでに内部で調査をなさっているように聞いております。その調査の経過を明らかにしていただきたいと思っております。
  108. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 お答え申し上げます。  今般の会計検査院の接遇問題につきましては、その善後策といたしましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、十一月二十二日に建設事務次官通達をもちまして、今後かかる接遇は一切行わない、予算の適正な執行に配慮して、いやしくも国民の疑惑を受けることのないよう必要な措置を講ずること、ということで、各地方建設局長等に通達をいたしました。  第二番目に、十一月二十六日には地方建設局等の総務部長会議を開催いたしまして、事務次官通達の趣旨の徹底を図ったところでございます。  第三番目といたしまして、いま先生御指摘のございましたように、今般の問題について、本省の監察官等三名の担当者から成る現地調査団三班を十一月三十日から三日間現地に派遣いたしまして、現地に即した確認、事情聴取をすることになり、疑惑の解明と今後の事務処理改善策の樹立に役立てることといたしたわけでございます。その調査でございますけれども、現在詳細は取りまとめ中でございますが、現在までにわかりました点につきまして御報告申し上げたいと思います。  先ほど申し上げましたように、今回の現地調査の目的は、本省担当官が現地に即しまして確認、事情聴取をするということによりまして、疑惑の解明、今後における事務執行の具体的改善策の樹立に役立てることを目的としたわけでございます。  調査団は、中部地建、第一班、近畿、九州地建、第二班、北陸、関東地建を第三班といたしまして、それぞれ監察官をキャップといたしまして、外二名をもって合計三名で構成いたしたわけでございます。  調査の方法でございますが、調査団は、関係地方建設局指摘を受けた工事事務所の担当者を招きまして、接遇に関する書類を提出させ、接遇の実態聴取いたしたわけでございます。さらに、証拠書類の記載、内容等について国会等で疑問を提示されたものにつきましては、現地に赴きまして事情を聴取するとともに、事実の確認を行ったわけでございます。  以下、調査結果の概要でございますが、まず接遇に要した経費等についての確認でございます。  本省において集計した資料、すなわちこの問題が十一月十三日の朝日新聞紙上に出まして、建設省としては直ちに各地方建設局にその事実の有無を確かめ、資料の提出を求めたわけでございますが、それに上がっております支払い金額、支払い科目、支払いの相手方につきましては、当初の本省における調べと相違ないことが確認をされたわけでございます。  なお、その請求金額等に水増し、着服はなかったかという点につきましては、そういう事実はないということを確認いたしております。  それから、請求書のあて名、日付等の記入の問題でございますが、請求書のあて名に事務所の資金前渡官吏何々事務所庶務係長何の何がしというような判が押してあったというような事実でございますが、これは請求の相手方から会計機関——いま申し上げましたのは正規の会計機関でございますが、そういう複雑な名称を書くのは自分たちではわからないから押してくれというようなこともあり、また会計機関で整理することによって正確を期すために事務所の方で押したという事実はございます。また、請求日付の問題につきましては、空欄のまま請求書が送付されたものがございまして、これに後で請求の日にちを事務所の方で押したということもございます。  そういう点につきましては、便宜を重視した余りやや乱雑に流れた感じもいたします。この点につきましては今後改善をいたしまして、疑惑を生じないような適切な処理がなされるように指導するつもりでございます。  次に、調査費の使用の問題でございますけれども、先ほど原先生にもお答え申し上げましたけれども、私どもの調べたところによりますと、信濃川下流工事事務所及び福岡国道工事事務所につきましては、庁費を使用しておりますが、その他の事務所につきましては、庁費も使用している事務所もございますが、調査費によって接遇経費の支弁がなされているわけでございます。先ほども申し上げましたように、調査費による会議費の支弁はある範囲では許されるものでございますけれども、その調査費の性格から申しまして適切でない面が多々ございましたので、この点につきましては今後厳重に改善をいたしていくつもりであります。  それから、建設省職員のみによるいわゆる便乗会食があるのではないかという問題でございますけれども、これは検査院の調査官が御一緒でない場合に、建設省の職員だけで会食をしたものにつきまして公費で支払ったという問題でございますが、私どもで調べたところによりますと、事務所の職員以外に、本局から出向いた説明者もおるわけであります。さらに、異動等によって他事務所に移った者もおりまして、それは当該工事については一番参画をした実績がある、そういう他事務所から応援に来た者がございます。そういうことで、本局から参った者、それから他事務所から応援に来た者、それと当該事務所の者とが会計検査についての打ち合わせをした、そのために昼食代等を支払ったということがございます。これにつきましては、地建体制の整備の問題とも絡むわけでございますけれども、今後自粛をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、おみやげにつきましては、公費で支払ったものが多いわけでございますが、中には、この前の調査の中で個人負担、すなわち事務所の工務課長、庶務課長等が、個人負担でおみやげを買って差し上げたというような例もございます。  それからなお、観光につきましては、いろいろ調べたわけでございますが、観光のために日本ライン下りというようなことをしたことはございません。なお、国道十九号の旧道である中山道の歴史を理解していただくために、費用は私費で支払いまして、妻籠の郷土館に行ったというような事例はございます。  以上、現在までにわれわれが取りまとめた中間的な御報告でございますが、なお個々の、一枚一枚の領収書につきまして、その報告を詳細にいたすよう現在準備をしておる次第でございます。  以上でございます。
  109. 春田重昭

    春田委員 現地調査はもうすでに終わったわけでございますけれども、特に三名一組として三班に分けて調査なさったようでございますが、日数的に非常にわずかな期間で行われているわけでございます。そういう点で、徹底したそういう調査が行われたかどうかということが一点あるわけでございまして、特に中部関係ですね。中部関係におきましては、国道事務所が名古屋、愛知、飯田がございます。それから河川関係では、信濃川下流事務所、沼津、天竜、木曽川、四カ所あると思うのですね。この合計、いわゆる河川局と道路局合わせて七カ所の事務所に対して、三名でわずか三日間で——四日間ですかこの中部関係は。四日間で徹底された調査が行われているかどうか、非常に疑問に思うわけです。  というのは、東京、関東方面につきましては、これは二カ所です。近畿関係も、九州を合わせて二カ所でございますから、これは期間的には三日間あれば十分調査できるのじゃないかと思います。ところが中部関係におきましては七カ所、非常に広範になっているわけです。そういう面でこの中部関係の調査が非常にあいまいな形で終わっておるのじゃなかろうか。特に今回の発祥地は中部であるだけに、中部関係に力を入れる必要があったのではなかろうかという疑問があるわけでございますが、どうですか。
  110. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 いま御報告いたしましたように、中部地建につきましては、十一月三十日から十二月三日の四日間でございます。先ほども申し上げましたように、本局で一応各事務所の責任者を集めまして、証拠書類等の提出を求めまして、事務所の担当職員からいろいろ当時の事情なり、それから処理の実情なりを聴取をいたしまして調査をしたわけでございまして、当時の責任者、関係者は全部一堂に会しておると思っております。  それからなお、中部につきましては、先生御指摘のように一番対象事務所が多いわけでございますが、それだけ多数の人間が集まりましたので、よその地建に比べまして四日間という長い日時をとっております。  なお、新聞等で指摘されました飯田の工事事務所につきましては、これはいろいろ問題がございますので、特に上席監察官の清水監察官が現地に行きまして、問題になっております旅館でございますとかレストラン等にも実際に行って実情を聞いておるようなわけでございます。  なお、信濃川の工事事務所の御指摘でございますが、これは北陸地建でございますので、御了解を得たいと思います。
  111. 春田重昭

    春田委員 現地に赴いて個々のお店にも行ったと言われておりますけれども、最初の答弁の中ではことさら正当化されて、いわゆる問題はないような形で報告されておりますけれども、新聞紙上には、請求書また領収書の問題につきましても、東京国道事務所におきましては、東寿司の御主人の聴書がきちっと載っておるわけですね。それから千代田区のウナギ店である寿々喜商店、ここではいわゆる上の字と下に記入してある字が明らかに別人の筆跡になっている、こういう形で具体的に書かれております。こういう点もお調べになったのですか。
  112. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 いまお話ございました点、新聞紙上に出ました点につきましては、すべて個別に調査をいたしております。
  113. 春田重昭

    春田委員 そういう事実はなかったのですか。
  114. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 東寿司の件でございますけれども、これは単価の問題について御指摘があったわけでございます。東寿司の請求書は二万四千円ということが出ておりまして明細が書いてなかったわけでございますが、その明細につきまして一応事務所の係において整理をしたのはこの前御指摘になったところでございますが、実際に調べましたところ、単価八百円で十五人前一万二千円分を三個の盛り合わせにして届けたということでございまして、支払い金額については合致をいたしております。ただ、請求書の明細が書いてなかったために、便宜事務所で書いたというような問題点がございます。  それから、白紙請求書の問題でございますが、出張所の事務係長が請求書を受理した際に、予備として白紙請求書を一枚受け取ったという事実がございますが、不要となったため同係長が破棄したということでございます。  それから寿々喜でございましょうか、その請求書六万一千九百五十二円の内訳でございますけれども、請求書に合計金額六万一千九百五十二円のみしか記載されていなかったので、庶務課の担当者が店に行き、その場で聞いてみずから記入をしたということでございます。これにつきましては、調査班が店に行き、このことを確認をいたしております。  以上でございます。
  115. 春田重昭

    春田委員 それから、おみやげは個人で負担しているという先ほど答弁がございましたけれども、木曽川の上流事務所のときは新茶や陶器類がおみやげとして出されたということですが、このことですか。  それからもう一点ですが、ついでに聞きますけれども、いわゆる宴席には女性を呼んでないということでございますが、大阪の国道事務所ですね、この事実はどうだったのですか。
  116. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 いま手元に詳細な資料は必ずしも全部そろっておりませんが、おみやげの件につきましては、特に飯田国道事務所につきまして、水盤とかお茶とかくしとかいうものを差し上げたということになっておりますが、公費で支払っておりますものは水盤だけでございまして、あとは庶務課長、工務課長が自費で買って差し上げたという調査結果でございます。  それからお話の宝屋の件でございますけれども、調査したところによりますと、当日宝屋が非常に込んでおりまして、女中の手が足りないので、いわゆる配膳会と申しますか、そういうところに手伝いを頼んでそれを店の方で各室に割り当てたということになっております。なお、その経費につきましては、サービス料二〇%でございますが、その中で支払ったということでございます。
  117. 春田重昭

    春田委員 先ほどのみやげの件ですけれども、常識的に考えて、所長みずからが個人負担で会計検査院の方におみやげをつけるなんて考えられないんじゃないですか。  これは、建設省、ほかに防衛庁等もあると思いますが、先ほどの事務総長のお話では、会計検査院としては近くかかりたい、また入っている面もあるとおっしゃっておりましたけれども、建設省所管につきましては大体いつごろまでに結果が出る予定になっているのですか。
  118. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 お答え申し上げます。  ただいま建設省、防衛施設庁、それから運輸省関係で十一班を編成いたしまして、実は昨日から実施に入っております。現在二班行っておるわけでございますが、建設省関係、それから運輸省関係といたしましても二十四日に一応の検査が終わる、こういう段取りになっております。それから取りまとめまして、なお不十分であればまた追加していかなければならない、こういう事態も考えられます。したがいまして、年末にはちょっと御報告申し上げることができないかもわかりませんが、なるべく早い機会に取りまとめ、御報告申し上げたいと思います。  いま人間の数といたしましては十一名でございますが、これをいろいろな班に組みまして二十四日までの間に十一班、こういう形で編成してやっておるわけでございます。
  119. 春田重昭

    春田委員 会計検査院としては、建設省がすでに調査した事項というものは一応参考にして、現地へ赴くことは考えることができるのですか。
  120. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 検査院といたしましては、当初建設省が発表されました資料、こういうものも私どもの方へも参っておりますし、その後、いろいろな国会の御指摘あるいは報道上の事実、こういったものを踏まえまして、それからなおわかる点は、部内資料と申しますか、各事務所から提出されている書類なども見ながら、これを現地へ持ってまいりまして事実の確認に努める、こういうわけでございますが、なお特に中部地建の関係につきましては、先刻御指摘の無人潜函掘削機のいきさつ、あるいは防衛施設庁の横浜防衛施設局管内の北富士関係、これの事実についてもあわせて再検査ということをいたしておるわけでございます。
  121. 春田重昭

    春田委員 会計検査院の方にお尋ねいたしますけれども、先ほど建設省の答弁では、飯田事務所におきましてはいわゆる新茶のおみやげは個人負担だというお話がありました。こういう例が過去にありますか。
  122. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 これはいただいた物がその事務所のつまり公費支弁のものであるか、私費支弁のものであるか、実際のところはわかりかねるわけでございますが、しかし、これは私のあれですよと言っていただいた例があるように聞いております。また逆に、地方でお世話になって東京へ事務連絡で来られた方、これを私どもポケットマネーでお昼などを差し上げる、こういうこともございますので、そういうことは事実上あるのではないか、こういうふうに拝承いたします。
  123. 春田重昭

    春田委員 しかし、今回の場合はかなりの人数でありますし、いろいろ会計検査が来るたびに個人負担しておったら、どんな局長であっても所長であってももたないですね。この点、検査院の方が調査をやるわけですから、そういう点も踏まえて調査をやっていただきたいと思います。  さらに建設省の方にお尋ねいたしますけれども、大体一日で終わって、いままとめの段階だと聞いておりますけれども、これは年内に結果が発表できるのですか。
  124. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 年内には結果のまとめができると考えております。
  125. 春田重昭

    春田委員 それから一部の新聞の報道では、今回のことにつきまして、いわゆる建設省の首脳がその処理、処分といいますか、いわゆる軽い、厳重注意やそれから訓告ぐらいで終わらそうという考え方がある、こういう形で書かれておりますけれども、これはこの新聞の憶測なのか事実なのか、そういう考え方が建設省にあるのかどうか、その点お尋ねしたいと思います。
  126. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 処分につきましては、先般の調査団の調査結果を踏まえまして、どの程度個人的な責任があるのか、あるいは機関責任の問題であるのか、そういう点を詳細に検討をして処分をいたしたいと考えております。何分個人の身分に関する問題でございますので、慎重に処理をしたいと考えておりまして、新聞紙上のような方針はまだ確定はいたしておりません。
  127. 春田重昭

    春田委員 建設省としては、今回の問題が起こったことにつきまして次官通達をお出しになっておりますけれども、この次官通達は、私は何かその場しのぎ、その場逃れの一時的なかっこうをつけたように感じてなりませんし、会計検査院の場合は非常に厳しい具体的な内容で調査員に対して出しているわけですよ。会食は一切辞退するとか、食事代はすべて出張官の自己負担とする、みやげ物を一切辞退するとか、それから宿泊場所の手配は本院側で行うとか、宿泊料の支払いは出張官が直接行う、こういう形で具体的に載っておるわけでございますが、建設省の事務次官の通達は、先ほど局長がお読みになったように、予算の適正な執行に配慮し、いやしくも国民の疑惑を受けることのないよう必要な措置を講ぜられたい、こういう形で一片の通達が出ているわけですよ。これで私は、果たして綱紀粛正と叫びながら徹底されたそういう形のものができ上がっていくかどうか、非常に心配な面があるわけでございます。  この新聞では、憶測だと思いますけれども、いわゆる会計検査院にあってはある程度のもてなしは長い慣習である、非常にその判断がむずかしい、こういう形で今回の処分も苦慮しておるということを書いてありますけれども、やはりある程度いわゆる常識というもの、この辺の基準というものも建設省は独自で考えて、検査院並みの具体的な内容をお出しになる必要があるのではなかろうか、こう思いますけれども、この点どうですか。
  128. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 現在まで、まあ今回の事件が起こるまでは、建設省といたしましては、会計検査院が現地検査においでになりました際に、最終段階において講評を聞く、その際に建設省設計施工積算等について技術的な意見を申し上げて、よりよい改善策を見出すための簡素な会食は差し支えないというような考えで、そういう方針で指導しておったところでございますが、今回の事件が起きまして、国会でも御答弁を申し上げておりますように、今後はそういう簡素な会食も含めまして一切接遇は行わないということで方針を統一したわけでございます。一切行わないわけでございますので、その点は徹底できると考えております。  なお、この件につきまして、今回の事件をめぐって、先ほど調査報告でも申し上げましたように、会計経理の面とか、あるいは調査費の使い方の問題とか、そういう点につきましては幾多改善を要すべき点がございますので、調査結果がまとまりました段階において、そういう面についてはさらに詳細な指導をいたしたいと考えております。
  129. 春田重昭

    春田委員 最後にお尋ねいたしますけれども、前国会の終わりの十一月二十五日、当決算委員会としては福田総理の出席を求めたわけでございますけれども、総理は事務繁多ということで、かわりに官房長官がおいでになったわけです。その席上で、今後あらゆる省を調査をいたしまして、会計上どうも不適当な面があったならば厳正に処分するという形で答弁されておりますけれども、この点は大臣お聞きになっておりますか。
  130. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 私、就任後に今回の問題の経緯を聞きました際に、官房長官のそういう御発言のあったことを承って承知しております。
  131. 春田重昭

    春田委員 この新聞のは憶測だと思いますけれども、非常に食べ得、飲み得で終わっている、処分が甘いという形で一応書かれております。そういう点で非常に国民も注目しているだけに、何か国民が納得するような、そういう処理、処分というものをやっていただきたい、特に大臣に要望しておきます。  それでは、私はこの問題につきましては終わりたいと思いますので、会計検査院長、事務総長は結構でございます。  続きまして、土地税制の緩和の問題につきまして若干お尋ねしてまいりたいと思いますが、この土地税制の重課税の問題が非常に話題になっております。長谷川前建設大臣も、緩和していきたい、このようにも発言なされておりますし、大蔵大臣に就任なされました村山さんも、二十九日の日にこういう緩和をしたいという談話を発表なさっておりますけれども、櫻内大臣といたしましては、この土地税制の重課税の緩和の問題につきましてはどのようにお考えになっておりますか、お尋ねしておきたいと思います。
  132. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 私は、税制問題をストレートにいろいろ考えておる、そういう立場ではなくて、現在一体土地の流動性はあるのかないのか、国民から考えれば、住宅を建てたい、しかし宅地がない、こういうような点が非常に問題点ではないか、だから、土地が流動する、取得しやすい方法はないかというようなところから、その中にはいろいろありますが、一つの考え方として土地税制の緩和も考える必要があるのじゃないか。しかし、いまの御指摘のような重課税をしておる原因というものも、これは何で起きたかということはもちろん頭に置いておるわけです。土地投機が非常に行われて、これにどう対処するかというような問題などから起きてきておるわけでありますから。しかし、現状をどうするかというときに、土地税制についても検討してみたらどうかというのが、私の考え方の一つであります。
  133. 春田重昭

    春田委員 国土庁としては、九月に税調に一応要望をしておるわけでございます。その中で、土地の譲渡益重課税は適正利益率を全面的に廃止してほしい、現在二七%でございますけれども、これを廃止してほしいということで書かれております。さらに、保有税の面につきましても廃止してもらいたいという要望が出ているわけでございますけれども、これは緩和となれば、たとえばその適正利益率の二七%を上げていくやり方と、また保有税を下げていくやり方とあると思うのですが、従来からの大臣の発言では、何か緩和というのは、ある程度率を上げたり下げたりという感じで私は思っていたわけでございますが、税調に要望しているのは廃止していきたいという形で書かれているわけでございますが、その点はどのようにお考えになっているのですか。
  134. 山岡一男

    ○山岡政府委員 国土庁といたしまして土地税制の改正で要望いたしておりますのは、主な点が二つございます。  一つは、法人の土地譲渡益重課制度につきましてでございます。これにつきましては、先生御案内のとおり土地譲渡益重課税制度ができました際に、やはり譲渡が適正利益または適正価格で行われること、開発許可または優良宅地の認定の内容に適合していること、公募の方法により販売されること、この三つの要件を兼ね備えるものにつきましてはその重課の要件から外すというのが現行でございます。  それに対しまして、国土庁として要望いたしておりますのは、一つは、適正利益要件の廃止でございます。これにつきましては、法人等の土地譲渡益重課税制度の適用除外要件の中の適正利益要件ということで従来運用してまいったわけでございますけれども、その後、国土利用計画法の施行ということが徹底をしてまいりまして、現在地価公示制度等の普及とも相まちまして、地方公共団体によります届け出制度の運用が非常にスムーズに進むようになったという現実がございます。したがいまして、それを踏まえまして適正利益率要件そのものを廃止をいたしまして、新しい適正価格要件に切りかえたらどうか、いままでの二重の審査を一重にしたらどうかという提案が一つでございます。  それからもう一点は、公募の方法により販売されるという点がございますけれども、宅地造成業者が建て売り業者に一括して土地を売るという場合には公募とみなされませんので、実際には税金がかかるという不合理がございます。したがいまして、もしその買い受けました建て売り業者が公募で建て売り住宅を売るということが確実である場合には、その辺のところを公募要件に適合しているというふうに見たらどうか、この提案でございます。  それから、特別土地保有税につきましては、これも先生御案内のとおり、四十四年一月一日以降の保有に対しまして課税するものでございますけれども、国の施策に基づく一定の事業の用に供する土地等につきましては非課税措置が講じられております。現在までにもう十一ばかり主な非課税措置がとられたものがございます。  それらのものと同等もしくは類似のものというものにつきまして非課税対象の拡大を図りたいということでございまして、一つは、総合設計によります建築物の敷地の用に供する土地につきまして、これは先生御案内と思いますが、総合設計と申しますのは例の建築基準法によります非常に土地をうまく利用する設計の方法でございます。それに従うものにつきましては、その土地は非課税とする。  それから、現在でも森林施業計画に基づきまして法人が森林経営を行う林地につきましては、適用除外と申しますか非課税になっておりますけれども、適正に管理されております林地につきましても非課税にしたらどうか。  それから、現在でも古都におきます歴史的風土の保存のための特別保存地区内の土地等につきましては非課税措置がとられておりますが、やはり都市緑地保全法に基づく緑地保全地区内の土地並びに風致地区内の山林及び樹木生育地等につきまして、これもやはりこれ以外に使い方はなかなかないというものでございますので、こういうものにつきましては保有税の非課税対象にしたらどうかということを提案いたしておるわけでございます。
  135. 春田重昭

    春田委員 そうした場合、国土庁、政府側は、土地の供給の増大につながる、いわゆる宅地造成につながって、それが景気の枠外に入っていく、これが名目だと思うのですが、調べたところによると、企業の保有する対象地の約八〇%、これは宅地化を規制されている市街化調整区域なんですね。それから山林であり、私は、直ちに宅地供給につながらないという面があると思うのですが、この点につきましては、線引きを見直さなかったら、このいわゆる宅地供給につながらないと思うのですが、この点も一緒に行うつもりなんですか。
  136. 山岡一男

    ○山岡政府委員 実は、線引きの見直しは直ちに国土庁の所管ではございませんが、先ほど大臣からお話がございましたとおり、総合的な土地対策の一環としてそういうものを当然検討すべきであると考えておる次第でございます。
  137. 春田重昭

    春田委員 それでは、下水道の整備についてお伺いしてまいりたいと思っております。  近代都市の条件の一つとしては、下水道の整備というものは欠くことができない問題でございます。この下水道の普及率、これは現在どれぐらい進んでいるのか、お答え願いたいと思います。
  138. 井前勝人

    ○井前説明員 昭和五十一年度末の下水道普及率は二四%でございます。
  139. 春田重昭

    春田委員 五十年度末は何%ですか。
  140. 井前勝人

    ○井前説明員 二二・八%でございます。
  141. 春田重昭

    春田委員 現在、第四次の下水道の整備計画というものが五カ年計画で行われておりますけれども、できたら、この年次ごとのいわゆる普及率を御説明願いたいと思うのですが。
  142. 井前勝人

    ○井前説明員 五カ年計画の初年度昭和五十一年度は、先ほど申し上げましたように二四%でございます。それから第二年目の昭和五十二年度は、おおむね二六・六%になる見込みでございます。これは、第一次補正予算を加味しての見込みの数字でございます。したがいまして、五十三年度以降は、予算状況によりまして、はっきりと年度ごとに設定するわけにはまいりませんけれども、最終年度の五十五年度では四〇%になるように努力していく予定でございます。
  143. 春田重昭

    春田委員 五十年度には二二・八%、さらに五十一年度は二四%、五三年度は二六・六%という御説明がございましたけれども、この五カ年で最終年度五十五年、四〇%というのが目標でございますが、このいまの推移からいった場合、五十年から五十一年については一・二%しか上がっていませんし、五十一年度から五十二年度は年間で二・六%しか上がってないわけですね。この調子でいったら、四〇%は非常にむずかしくなってくるのじゃないですか。せいぜい三〇%ちょっといっていいところじゃないですかね。その点の見通しは間違いないですか。
  144. 井前勝人

    ○井前説明員 毎年下水道を実行しておりますけれども、過去は確かに一・何%というようなオーダーで伸びておりますけれども、事業予算が比較的伸びてまいりますと、必ずしも差額だけの普及率じゃなくて、おおむね四〇%は達成できるというふうに考えております。  といいますのは、第三次の場合は、若干途中のオイルショック等がございまして、予定しました普及率が落ち込んだわけでございますけれども、第四次の場合は、そういう著しい経済変動等は、一応第四次の五カ年計画の単価の中に織り込んでおりますので、それほど著しい落ち込みはないのではないかというふうに予想しております。
  145. 春田重昭

    春田委員 五十三年度事業に対する予算要求が、一兆二千六百二十一億九千四百万円もされるようになっておりますけれども、現下の厳しいこの財政事情で、これだけの予算要求に対して獲得できるという自信をお持ちになっておりますか。
  146. 井前勝人

    ○井前説明員 五十三年度要求のただいまの一兆二千六百二十二億は、五十二年度の当初予算に対する伸び率が三九%になっております。しかしながら、五十二年度に一次補正等もいただきましたので、それを考えますと、伸び率はもっと落ちますので、大変厳しいとは思いますけれども、精いっぱい確保するように努力をしていきたいというふうに考えております。
  147. 春田重昭

    春田委員 部長は十分できると自信をお示しになりましたけれども、この下水道の事業というのは、ほとんど補助金と起債で各地方自治体がやっておるわけでございまして、公共下水道は市町村、流域は都道府県が施行しているわけでありますけれども、聞くところによると、地方自治体も非常に厳しく、五十一年度で二兆円以上の赤字も出ているし、五十三年度には三兆円ぐらいの赤字になるのではなかろうかという自治省からの見解も出ておりますし、そういう点で、国がそれだけの予算を獲得してやらなかった場合、やはり地方自治体は苦しいわけですよ。その点の配慮というのは十分なされていくお考えはあるのですか。
  148. 井前勝人

    ○井前説明員 下水道事業の場合は比較的財政の仕組みがはっきりしておりまして、国費と、それからそれに伴う地方債、それから一般の市の税金という構成になっておりますが、そのルールが比較的はっきりしております。国費と起債で大体八割ぐらいがカバーできます。残りを一般の市の税収等でカバーするようになっておりますので、そういう意味では、事業に対応して、市の行政の中でもいろいろあると思いますけれども、財政制度としては比較的確立していると思いますので、事業執行には十分対応できるのじゃないかというふうに思っております。
  149. 春田重昭

    春田委員 それで、下水道の一番心臓部と言われるいわゆる終末処理場でございますけれども、現在、全国的に何カ所ぐらいあるのですか。
  150. 井前勝人

    ○井前説明員 現在、下水道事業をやっております市町村の数が約五百七十ございます。そのうち終末処理場が動いておるのは、その約半分でございます。
  151. 春田重昭

    春田委員 そうしたら、全国の地方自治体は約三千二、三百ありますね。この三千二、三百から、現在動いている終末処理場が二百三十カ所か四十カ所となれば、約三千カ所ぐらいはほとんどまだいわゆる下水管が入ってないし、処理場も運転されてないということで、ほとんどの工場排水や家庭の雑排水等、これはたれ流しと考えていいわけですね。
  152. 井前勝人

    ○井前説明員 先ほど下水道の普及率で申し上げましたように、五十二年度で二六%程度でございますので、残り七四%程度は一応たれ流しという現状でございます。
  153. 春田重昭

    春田委員 外国の場合は、先進国では七〇%ないし八〇%ぐらい進んでいるところもあるわけです。そういう点では、近代都市の最大の条件である下水道については、近来とみに進んできたと思っておりますけれども、まだまだ日本の行政の中では下水道は非常に低い位置にあります。そういう点では、ひとつ鋭意努力をしていただきたいと思います。  さらに、下水道の普及率が高くなってくれば、当然そこから排出される汚泥の問題があるわけでございます。現在処理場から発生する汚泥の量が非常に膨大な量になっているということを聞いておりますけれども、一番新しいところで大体一日当たりどれぐらい出るのか、合わせて年間どれぐらいの汚泥が量として出ていくのか、数字がわかったら御説明願いたいと思うのです。
  154. 井前勝人

    ○井前説明員 昭和五十一年度現在で、全国で年間約三百十六万トンと想定しております。
  155. 春田重昭

    春田委員 そうしたら、大体一日当たり七千ないし八千トンという形で計算していいわけですね。  この汚泥の処理、処分でございますけれども、現在どういう方法で行われているのですか。
  156. 井前勝人

    ○井前説明員 現在の汚泥の処分を大きく分けますと三種類ございます。一つは、いわゆる廃棄物として埋め立て等に使用する場合、それからもう一つは、土壌改良剤などの有効利用をする場合、それからまたもう一つは、固形化すること等によります。いわゆる建築資材等への利用、三種類ございますが、現在ほとんどが廃棄物としての処分でございます。おおむね全体発生量の八〇%は、廃棄物としての主として埋め立て処分でございます。残り二〇%のうち一〇%程度が有効利用で、先ほど一つ落としましたけれども、そのほかに海洋処分がございます。残り一〇%は海洋処分等の処分方法でございます。
  157. 春田重昭

    春田委員 埋め立てが八〇%、農地還元が一〇%、海洋投棄ですか、これが一〇%という割合になるということで、いま御説明がありましたけれども、埋め立ての場合、海面の埋め立てと陸地の埋め立てがあると思うのですけれども、この割合は大体どれぐらいになるのですか。
  158. 井前勝人

    ○井前説明員 ただいま手元に正確な数字がございませんが、いまの段階は陸上埋め立ての方がやや多いのではないかと思っております。
  159. 春田重昭

    春田委員 その正確な数字は後でお知らせ願いたいと思います。  そこで、陸上の埋め立てでございますけれども、これは海面の埋め立ても一緒でございますが、非常に用地の確保が困難であるということで新聞紙上をにぎわしておりますけれども、それも環境汚染の問題、それから安全性の問題等があるわけでございますが、この最終処分地の用地の確保というのは、これは国がやるのか、都道府県がやるのか、市町村がやるのか、どこが責任を持って確保するのですか。
  160. 井前勝人

    ○井前説明員 終末処理場からの汚泥の処分の責任は、市町村の下水道管理者がその最終責任者でございます。したがいまして、その処分用地の確保は各市町村の責任になっております。
  161. 春田重昭

    春田委員 ところが、御存じのとおり、各地方自治体ではこの最終処分地の確保に非常に頭を悩ましておるわけです。そういう点ではいろいろな陳情等が国にあると思いますけれども、国はこれに対してどういう指導ないし助成をなさっているのか、具体的に御説明願いたいと思うのです。
  162. 井前勝人

    ○井前説明員 基本的には、やはり今後下水道が整備しますと、その副産物としての汚泥の量がふえることは目に見えておるわけでございます。一方そういう処分地の確保は、今日の状況では公共用地としての確保が非常に困難になってきておる状況でございます。市によりましては、保有しておるのはもう何年分もないという都市もございますので、本来市町村の責務ではございますが、特に大都市周辺の市町村では、個々の市町村でそういう用地を求めることは大変困難になってきておりますので、やはりわれわれもお手伝いをしなければいけない。つまり広域の汚泥処理についても研究をしていかなくてはならぬと思っておりますし、もっと基本的なことは、その八割に近い廃棄物としての物の考え方を切りかえて、資源化を考えるということをもう少し強く押し出していけば、資源化に要する用地というものは、廃棄物としての用地ではなくて汚泥を資源に再生産するための用地というふうになりますので、ただの捨て場であれば周辺からいろいろ苦情も出るわけでございますけれども、再生産の場の用地ということになりますと、それに必要な設備も充実していきますので、用地の確保等も前進するのではないかというふうに考えております。
  163. 春田重昭

    春田委員 このまま下水道が普及していけば当然汚泥の量が増していくわけですね。このままの状態で進んでいった場合、この処分地はどれくらいでピークになってしまうのか、捨てる場所がなくなってしまうのか。新しい場所を今後深していかなければならないと思いますが、このままの状態で進んでいったならば、どういう状態になりますか。
  164. 井前勝人

    ○井前説明員 私どもの調査では、現在保有している処分地の容量から申しますと、数年の間に新しく求めなければいけないというような保有の状況でございます。
  165. 春田重昭

    春田委員 数年と抽象的でございますが、二、三年ですか、四、五年ですか、また十年ですか。
  166. 井前勝人

    ○井前説明員 現在の処分可能量は大体千百五十四万トン程度でございます。先ほど申しましたように、年間三百万トン前後予想されますから、これが今後下水道の整備によってふえてまいりますが、これでいきますと、単純に割りますと約四年というのが限界のような考えでございます。
  167. 春田重昭

    春田委員 五十年に二二・八%が五十五年に四〇%の普及率になれば、当然汚泥の量だって倍になると考えてもいいわけですよ。それだけにその対策というのは非常に急務であります。  部長、局長も御存じだと思いますけれども、行政管理庁が下水道の監察を行いました結果が昨年出ておりますけれども、その中で実は驚くべきそういう事実が指摘されております。  百十八カ所の検査をした中で、三十八カ所が埋め立てを行っていたというのです。その三十八カ所の中で二十一カ所が、現地の埋立地がなく、終末処理場に放置している、さらに二番目としては今後一、二年で満杯になる、三番目としては新たな埋立地の確保が困難である、このような結果が出ているそうでございまして、大半の地方自治体が非常に現状の処理、また先行きに不安を持っているわけです。  そういう点では、いま部長は農地還元を積極的に進めていきたいという御答弁がございましたけれども、これも今後の研究開発をやっていく課題でございまして、当面やはり埋め立てを主眼にやっていくほかないと思うのですね。そういう点では、先ほど言ったように、市町村ではどうしようもない。新聞紙上をにぎわしているように、たとえば関西方面におきましては、吹田市のごみをお隣りの京都の亀岡に持っていこうとして反対運動に遭ったり、また、東京都内でも、お互い東京都でありながらいわゆる処理場が来るのに反対、処分地の来るのに反対、各地でそういう運動が巻き起こっているわけでございまして、最終処分地の問題は一行政区だけではどうしようもない問題が出ているわけです。そういう点で、いまの法律からいったら下水道管理者が最終責任を持ってやるようになっておりますけれども、市町村ではそういう段階でどうしようもない。特に私たちの住んでいる大阪、東京、名古屋、こういう大都市ではそういう余地がないわけです。したがって、どうしても他市に頼らざるを得ない、しかし他市はそういう形で反対する、こういうことで完全に行き詰まっているわけです。  そういう点で、もっと広域的な行政の面で国が都道府県を指導するか、また国が大きな事業をやってそういう処分地を確保するか、そういうものをやらなかったならば、これはもう全くお手上げなんですよ。汚物が出ることは、また汚泥が出ることは、これは永久的なのであって、それを処理するのはもう自治体としては恒久的に必要なんです。そういう非常に現実的な問題であるわけでございまして、現在の国の対応策は目先のことにどうしてもとらわれ過ぎて、いわゆる将来性が非常にないようなものがあるし、この汚泥の処理につきましてはもっと基本的に、全国的な視野に立って、また将来構想もきちっと立てていく必要があるのではなかろうか、私はこういう考え方を持っているわけでございます。  そういう基本方針をお立てになる必要が、時期が来ているのではなかろうかと私は思いますけれども、どうですか。
  168. 井前勝人

    ○井前説明員 先生の御指摘は、個々の市町村任せでなくて、もう少し大きい立場での政策を打ち出せという御意見であろうと思います。私どももその必要性は痛感しておるわけでございますが、現在、下水道を整備する場合に、下水道法の中で、個々の市町村の下水道を整備する場合に必要な、もっと大きな立場での流域別下水道整備総合計画を知事が立てなさい、知事が立てたらそれに従って、管下の市町村はその上位計画に合わして下水道を整備するということになっております。このようなことから、やはり汚泥の問題は下水道処理による副産物でございますから、市町村単位ではなくて、少なくとも府県単位で、その府県の中で発生する汚泥はどのように処分するかという府県単位の汚泥処分総合計画というものを指導いたしまして、そうしてそれによって各市町村はそれぞれ計画していくということが必要だろうと思いますので、私どもも五十三年度から、そういう点につきましていろいろの作業を現在進めておる段階でございます。
  169. 春田重昭

    春田委員 確かに、そういう流域別の下水道というものが四十年代の後半から非常に飛躍的に伸びてきたということは聞いております。この流域下水道といわゆる市町村が単独で行う公共下水道の補助の問題でございますけれども、流域下水道事業に対しては四分の三ですか、単独の公共下水道の事業については三分の二ということを聞いておりますけれども、間違いありませんか。
  170. 井前勝人

    ○井前説明員 そのとおりでございます。
  171. 春田重昭

    春田委員 ところが、私の住んでいる市はそれが半々に分かれているわけでございまして、単独の公共下水道の場合、これは補助率がそういう点では若干低いわけでございまして、悩んでいるわけでございます。  流域の下水道の場合においては何市か集まって一部組合ができて、最終の処分地につきましても、組合ないしこれは大阪府が責任を持って、いま大阪湾の南港あたりに埋め立てるみたいでございますけれども、単独の公共下水道で出てくる汚泥につきましてはその市町村が処理しなければならないということで、非常にそういう点では困っているわけです。  ところが、この前もそういう関係者の方と懇談する機会がございまして、いろいろ聞いてみたわけでございますけれども、単独の公共下水道は先行投資を早くやって、いまになってみれば損であるという感じをどうしても持っているんです。そういう点では、そういう感じがないように、補助率を流域下水と一緒に四分の三まで持ってきてほしい、こういう要望があったわけでございますけれども、部長としてはどういうようにお考えになっていらっしゃいますか。
  172. 井前勝人

    ○井前説明員 下水道の事業の中ではいろいろ種類がございます。流域下水道、それから単独の公共下水道、それから雨だけの対策の都市下水路というように、それぞれの機能に応じまして補助率は変わっておるわけでございます。  御指摘流域下水道は高くて公共下水道は低いというのは、流域下水道の持つ地域に対する効果、公益性ということから、おのずから公共下水道よりも高い補助率になっておるわけでございますので、その間の公共と流域の補助率の差というのは、その持つ機能から言えば当然あってしかるべきではないか。それから、たとえば都市下水路等は単に浸水対策だけでございまして、非常に部分的なものですから、十分の六と低いということでございますので、一番高いのに合わせればいいのはそのとおりだと思いますけれども、その機能によっておのずから補助率というものは差があるのではないかというふうに考えております。
  173. 春田重昭

    春田委員 市町村単独でやっておる下水道というのは大変なんです。いわゆる最終処分地の確保もしなければならないし、責任を持ってやらなければならないという点で、そういう点も十分考慮していただきたいと思います。  それでは、厚生省の方がお見えになっておりますので、厚生省の方にお尋ねしたいと思うのですが、先月の二十九日の日経新聞によりますと、東京と大阪の湾内にでっかいごみ処分地をつくる構想を持っておるということが報道されておりますけれども、これはどの辺まで進んでおるのか、御説明願いたいと思います。
  174. 森下忠幸

    森下説明員 お答えいたします。  先ほど下水道の汚泥のお話にもございましたが、一般廃棄物、家庭等から出てまいりますごみのたぐいでございますが、こういったものの最終残渣、それからただいまの下水道の汚泥、それから浄水場からも汚泥が出てまいります。そのほかに産業廃棄物もございますし、都市の建設事業に伴って出てまいります建設廃材、こういったものが大変ふえてまいりまして、これが大都市、特に首都圏、近畿圏では圏域内では処分できない、特に内陸では処分できないといったような実態がございますものですから、これにつきまして、海面を利用して大規模な処分場を国が援助してつくっていこうというような計画をただいま進めておりまして、五十三年度には首都圏と近畿圏それぞれ一ヵ所を対象といたしまして、圏域を越える広域的な最終処分場の整備を図るために必要な条件とか、それから対象とすべき廃棄物の種類、量、それから最終処分場の大きさ、それからそれを海面のどこにつくるかというふうなことについて調査する、そして調査いたした後基本構想を取りまとめるというふうなことで、調査費を約二億二千万円でございますが要求いたしており、現在、これには各省が関係ございますものですから、各省庁との調整も行っておる段階でございます。
  175. 春田重昭

    春田委員 これは今後の問題でございますけれども、地元との話し合い、特に当該市町村の問題があると思うのです。たとえば大阪においては現在堺にあるわけです。ところが、他市から持ってくるごみはお断りという形でずいぶん激しい運動もありまして、そういうことで一時ごたごたしたことがあるわけです。そういう点では地元との話し合い、当該市町村との話し合いが当然重要になってくると思いますので、そういうところは抜け目なくやっておられると思いますけれども、そういう点は十分配慮していただきたいと思います。きょうは時間がございませんのでこれ以上のことは聞きません。  それで、再び部長にお尋ねしてまいりますが、この汚泥の処理につきましては、陸地の確保が非常に困難であるということでいま困っておるわけでございます。そこで焼却炉を通していけば、いわゆる脱水ケーキとして出てきたやつをそこで油をかけて燃やせば、相当汚泥もいわゆる体積が小さくなって出てくれば、説によると、六分の一ないし七分の一ぐらいで出てくるのではなかろうか。こういう点では現在そういう処分地の確保に非常に困難をきわめているとき、非常に焼却炉の建設というのは必要じゃなかろうかという考え方を私は持ちますけれども、いわゆる当局としてはどういうようにお考えになっているか、お尋ねしたいと思います。
  176. 井前勝人

    ○井前説明員 汚泥を焼却いたす場合にはまあ一長一短ございまして、確かに焼けば七分の一前後にボリュームは減ります。マイナス面では、せっかく汚泥の持っている有機物質を油を燃料に使って焼くわけでございますから、エネルギー問題から見まするとマイナス面でございます。また、焼けば焼くなりに大気汚染等の問題も出てまいります。ですから一長一短ございますので、その地域の実情に応じてその焼却法をとるのか、あるいは焼却しないで脱水ケーキのままで処分するのか、それは地域の状況によって判断すべき問題でござますので、ただボリュームを小さくするだけが今後の処分方法とは考えられないと思います。
  177. 春田重昭

    春田委員 確かに大都市等では農地還元はできないわけですからね。これは田舎の方が農地還元できるわけですね。しかし、大都市ではそういう点で、先ほど言っているように、土地が非常にないという点では焼却炉というのが非常に必要になってくるのじゃなかろうかと思うのですね、環境上の問題もございますけれども。そういう点では大都市においては、この焼却炉設置につきましては、国で積極的に呼びかけて、また補助も強力に出すべきじゃないか、私は意見を持っておりますけれども、再度御答弁願います。
  178. 井前勝人

    ○井前説明員 もちろん焼却が必要な都市につきましては従来どおり補助として採択しております。したがいまして、その公共団体の判断によりまして、焼却をするか、あるいは脱水ケーキで処分をするかは判断にゆだねております。そういうことで、焼却する場合も必ず補助対象には取り上げておるわけでございます。
  179. 春田重昭

    春田委員 それから、海洋投棄は先ほどの御答弁では一〇%くらいの都市がやっている、こういう話がございましたけれども、どういう都市がやっているのか、また現在どの辺に捨てられているのか、投棄されているのか、御説明願いたいと思います。
  180. 井前勝人

    ○井前説明員 海洋投棄は非常に部分的でございまして、北九州市それから尼崎市、投棄場所は海洋汚染防止法でいわゆるC海域というふうに指定になっておりますので、そこに投棄しておるわけでございます。
  181. 春田重昭

    春田委員 それから、この海洋投棄でございますけれども、汚泥の検査体制が、調べたところによりますとまだまだ十分ではないように思います。不十分なままで技術員も少ないみたいでございますけれども、そういう中で投棄されているわけでございまして、海洋汚染防止法の絡みがありますけれども、十分これには抵触しないと思いますが、中にはやはりそういう検査体制が不十分なために、いわゆる有害物質等が海洋に投棄されて、それが魚介類に侵食して私たちが食べる、そして公害になっていく、こういう問題も考えるわけですよね。  だから、一部におきましては、この海洋投棄の問題につきましては、脱水ケーキをさらにコンクリートみたいに型にして、そしてそれを投棄すれば問題ではないじゃないかという考え方もあるようでございますけれども、部長はこの点でどのようにお考えになっていますか。
  182. 井前勝人

    ○井前説明員 今後海洋投棄を下水汚泥の処分方法の一つとして考えた場合に、どのような位置づけをすべきかということは、先生御指摘のように大変重大な問題でございます。たとえば、先般決められました二百海里法との関係もございます。二百海里時代になりますと、むしろ栽培漁業というような方向になろうかと思うわけでございますが、その場合に、やはり海へ廃棄物として捨てるという考えであればそれは好ましい方向ではないわけでございまして、もし海洋に投棄する場合は、むしろ海洋還元というような考え方に立たなければいけないと思います。つまり、下水汚泥の含む資源を海洋に還元していく形であれば可能だと思いますが、その場合でも当然下水汚泥に含まれる重金属の問題がございます。これにつきましては、下水道法で下水道管理者の責任において有害汚泥については十分拡散しないように処分しなさいとなっておりますので、海洋投棄する場合でももちろんその品質はチェックの上に、普通の汚泥であればC海域、それから有害物質を含むものであれば、先ほど先生御指摘のような固形化してB海域等へ投棄するとなっておりますので、そのような諸法律に従った処分方法をしっかりしていく。しかし、すべての前提は下水汚泥の品質管理を管理者の方においてきちんとしていくということが大きな前提であるということは御指摘のとおりだと思います。  したがいまして、それに対して私どもも下水汚泥を試験するには相当の試験設備それから要員等が要りますので、試験設備等につきましては、補助事業の中で大いにめんどうを見ていこう。それから試験する人不足に対しましても、下水道事業団等の研修を強化いたしまして、そういう特殊な技術者の養成になお努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  183. 春田重昭

    春田委員 方向としては、いわゆる陸地の確保がむずかしい現在、海洋投棄というのはやはり農地還元と同じく、今後の汚泥の処分として考えていくつもりなんですか。
  184. 井前勝人

    ○井前説明員 この海洋投棄につきましては、建設省だけでなくて、やはりこれは国レベルでもう少し関係省庁、まあ農林省もございます。水産庁もございます。その辺とのコンセンサスが必要であろうと思いますので、どの程度のウエートを海洋投棄に置くかは、なお関係省庁ともわれわれは積極的に御相談しながらその位置づけをはっきりさせていきたいというふうに考えております。
  185. 春田重昭

    春田委員 最後に、有効利用として農地還元の問題があるわけでございますけれども、確かに今後農地還元というのは脚光を浴びてくるのじゃなかろうかと思いますし、鋭意研究開発をやっていただきたいと思うのですが、それにしては下水道事業団の予算の中身を見ても、非常にそういう研究開発費用というのは少ないわけですよね。そういう面では今後十分配慮していただきたい。とともに、こういう問題が提起されております。  たとえば、一つは農地に及ぼす効果が明確でない、まだはっきり出てない。また悪臭を放つという問題がある。三番目には、残留の重金属による汚染がやはり心配である。こういう点が各界から指摘されておりますけれども、今後の課題だと思いますけれども、現段階においてこのような批判に対して、部長としてはどのようにお考えになっていますか。
  186. 井前勝人

    ○井前説明員 現在下水汚泥を農用地に使う場合は特殊肥料としての制限がございます。これにはきちんと重金属の許容基準が決まっておりますので、それに対応しないものは農用地としては使わないということになっております。  それから、今後農業利用という問題は、やはりわれわれとしては大いに積極的に進めて、そうして土地の有機質の不足に対応をしていきたいという考えを持っておりますので、やはりその前提は、先ほど申しましたように、その汚泥に含まれる重金属類の含有のレベルをきちんと把握しておく。含有レベルの高いものはそういう土地還元等はやらない。むしろ固形化等の技術開発をいたしまして建築材料等へ転用する。それから含有レベルが低いもの、かつ先ほどのいろいろ取締法等の許容基準以下にあるものにつきましては、やはり積極的に農用地あるいは緑地等への再利用を推進していきたいというふうに考えております。
  187. 春田重昭

    春田委員 農林省ともタイアップして、さらに効果的な面が出るようにひとつ鋭意努力をやっていただきたいと思ます。  それでは、大臣にお尋ねして、時間が参りましたので終わりたいと思います。  いろいろな角度から質問したように、下水道の事業というのは非常に重大な事業になってきております。しかし、下水道が普及すれば普及するほど、そういう汚泥の問題が一つの問題点として残ってくるわけでございます。したがって、現在の下水道法ではどうしようもない問題が多々ございます。そういう点で、この下水道法もやはり現在に見合った法改正をする必要があるのではなかろうかという考え方を持っております。  たとえて言うならば、下水から出る汚泥は産業廃棄物という形で指定されておりますけれども、現在の地方公共団体では非常にそういう土地がないということで、産業廃棄物でありながら一般廃棄物のところに捨てたり、また、無許可の業者に任して後は知らない、こういう状態。また、無許可でなくても、業者に任せっぱなしで後の状況をとってない、こういう点が私の調べた段階ではかなり出てきまして、これはゆゆしき問題だと思ったわけでございますが、いずれにしてもこれはそういう最終処分地がないだけに、当面地方団体では相当頭を悩ましているわけです。そういう点でも私は、現在の下水道法をやはり抜本的に改正して、そして本当に下水道管理者に負担がないように、問題がないようにしていかなかったらいけないのではなかろうかという考え方を持っておりますけれども、最後に大臣のそれに対する感触をお尋ねいたしまして、質問を終わりたいと思います。
  188. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 下水道に対していろいろ問題点を御指摘していただきまして、大変私も勉強さしていただいたわけであります。  御承知のように、昨年、時代の要請にこたえるように下水道法を一部改正をしたわけでありまするけれども、きょう、特に汚泥処理を中心として問題点の御指摘を承りますと、なお研究の余地が非常にあるということを痛感いたしました。  私は島根県の出身でございますが、下水道普及率がほとんどないようなところでございまして、市町村の苦労などについては十分承知をしておりませんが、下水道の整備五カ年計画の遂行中でございまして、まず第一には、この計画を無事に遂行することが、現下の財政上からは御心配をいただいたようななかなか困難な点もあろうかと思いまするけれども、しかしまた、一方において景気浮揚面からいたしますると、終末処理場などは一つの大型プロジェクトとでも言えるようなものでございます。こういうものがどんどん普及するという場合に景気浮揚上の効果もあるように見ておりまするので、きょう御指摘になりましたいろいろな問題点をよく検討さしていただきまして、今後の下水道行政の上に参考にさしていただきたい、こう思います。
  189. 春田重昭

    春田委員 まあ大臣から前向きの答弁がございましたのでこれ以上質問いたしませんが、いずれにしてもこの五カ年計画は当初十一兆円の計画で行われて最終七兆五千億に下がったわけでございまして、どうか五十三年度予算要求でも、大臣、もう大蔵省に一歩も一兆二千億から下がらない、そういう決意でこの下水道事業を促進していただきたい、このことを要望して私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  190. 芳賀貢

    芳賀委員長 安藤巖君。
  191. 安藤巖

    安藤委員 私は信濃川の河川敷の問題についてまずお尋ねしたいと思います。この問題について、新しく建設大臣におなりになった大臣に新鮮な政策を、あるいは措置を期待して質問をしたいと思います。  この信濃川の河川敷の問題につきましては、もうすでに昭和四十一年十月以来わが党が、田中角榮とそのファミリー会社の室町産業が農民をだまして河川敷を買い占め、そして莫大な利益を上げようとしてきているという事実を、繰り返し国会で指摘をしてまいりました。だからこの点は大臣も御承知のとおりであると思います。  そこでちょっと振り返ってみたいと思うのですけれども、国会で警告決議がなされたり、あるいは政府の方からの答弁もなされておりますが、その主なものだけを挙げてみたいと思うのです。  昭和五十年六月六日の参議院の決算委員会におきまして内閣に対する警告決議がなされました。そして同日本会議におきましてもこれは採決をされているわけですが、この要点は「田中角榮氏および同氏のいわゆる関連企業等の」「資産形成の過程において、信濃川河川敷等をめぐって、疑いをもたれているような行為については、各行政機関において、十分調査を行うとともに、行政管理庁の行う行政監察の結果等をもふまえ、その事後処理に、遺漏のないよう、妥当な行政措置を講ずべきである。」というのが一つまずあります。  そしてさらにこの委員会で、当時の三木総理は、この河川敷問題の処理について、建設大臣限りでなしに総理との協議を建設大臣に指示をするというふうに答弁をしておられるわけです。  それからさらに、昭和五十年十月三十日の参議院予算委員会におきまして三木総理が答弁をしておられるのですが、これの要旨は「その土地」——これは問題の河川敷のことですが、「その土地によって室町産業が暴利を得たというようなことは国民が納得しませんから、」「その土地で非常に暴利を得たというようなことのない措置であるべきである。しかも、その土地利用は公共優先という立場でその措置をされることが適当である。」というふうに答弁をしておられます。  それから、五十一年の十月十九日、参議院の建設委員会で、わが党の上田議員の質問に対しまして中馬建設大臣が、室町産業が買い占めた河川敷の廃川処分については、「事はきわめて重大でありますから、軽々にはなかなか処理はしないという気持ちを持っております。」という答弁がなされているわけでございます。  こういう経過は、いまずっと主な点だけを申し上げたのですが、大臣は知っておられると思いますが、いかがでしょうか。
  192. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 この信濃川河川敷問題が国会におきまして幾たびか取り上げられ、その都度責任者の答弁がなされておる、これは私も関係当局から説明を聞きまして、一応は心得ておるつもりでございますが、長い間の経緯でありますので、細かく一々のことを十分承知しておるというわけではございませんが、私として可能な範囲でひとまず頭に入れておるつもりでございます。
  193. 安藤巖

    安藤委員 ところが、これも御承知のように、ことしの十一月一日付で前任者の長谷川建設大臣河川敷について廃川敷処分にしてしまわれました。この結果、この土地、全部で七十三ヘクタール、約二十二万坪あるわけですが、半分は長岡市が譲り受けるということになっておりますが、南の方の半分、これは三十五ヘクタール、約十一万坪という広大な土地が室町産業に転げ込むということになっております。  ところで、この土地は時価坪当たり十万円を超えているという話であります。ですから、十一万坪、半分にいたしましても百十億円になるというふうに聞いておりますが、この時価の関係はそのとおりかどうか、いかがでしょうか。
  194. 栂野康行

    ○栂野政府委員 正確には、坪当たりの現地におきます現在の値段は把握しておりません。
  195. 安藤巖

    安藤委員 これは長岡市の大手の不動産業者が調査したところによると、そういうことになっておるということであります。  そこで、建設省の丸山河川局次長が、ごく最近この付近の土地あるいはこの土地を調査した、それから買い占めの問題についていろいろ事情をお聞きになった。こういう調査の結果によりますと、室町産業が土地の買収に使ったのが二十二万坪全部で四億一千二百万円、半分ですと二億六百万円になるわけです。金利はあるにしても大体二億六百万円で百十億円の土地が室町産業に転がり込むという計算になります。これは先ほど私が経過の中で読み上げました三木総理大臣の答弁と大きく隔たりがある、明らかに食い違っている。室町産業が暴利を獲得するというような結果になってしまうという意味で、完全にこれは食い違っている。  そして、しかもこの室町産業が取得する土地の南の端に、国道八号線と信濃川右岸の長岡市の中心街を結ぶ大手大橋、そしてそれの関連の道路が計画されているということを聞いておりますが、この計画建設省でちゃんと知っておられると思うのですが、いかがでしょうか。
  196. 栂野康行

    ○栂野政府委員 現在、建設省の道路局におきまして二級国道の調査を行っておる次第でございます。
  197. 安藤巖

    安藤委員 これは十一月二十三日の朝日新聞へ恐らくこれは新潟版だと思いますけれども、いま私が言いましたところに大手大橋というのができる。この計画昭和五十九年春完成の予定で、工事の主体は新潟県だけれども、工費の四分の三は国の補助金で賄うということになっておると報道されております。そこで、この「橋ができて特に便利になるのは、もちろん河川敷跡地」、廃川処分になった本件、いまお話をしているこの土地と、「その周辺。とりわけ、室町産業に渡る跡地の上流側は橋のすぐそばで、長岡駅まで車で五分足らずになる。市内の大手不動産会社の話では橋ができて道路が整備されるだけで地価は二−三割の値上がりは確実」だという報道がなされております。二、三割値上げになるということになりますと、百十億円は百三十億円もしくは百四十億円近くにもなります。だから、まさにこれはこの朝日新聞の見出しによりますと「室町産業に追い銭」。何とかに追い銭という言葉がありますけれども、そういうような趣旨で新聞が報道をしている。こういうような状況にいまなっております。これは、暴利を得たということのないような措置をとるという三木総理の答弁とも全く逆の結果になっております。  そこで、私が大臣にお伺いしたいのは、この廃川処分になりました河川敷の跡地は、長岡市民十七万人おりますけれども、地図によりますと長岡市のほぼ中心部にあります。そしていま申し上げましたような大手大橋の計画もありますので、市民の間から、室町産業に渡る土地を公共の用に供するようにしてほしいという非常に強い要望が盛り上がってきております。これも全く当然なことであるというふうに思うのですが、こういうような切実な地元民の要求にこたえるために、新任の建設大臣として、最初に申し上げましたような新鮮な措置を考えるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  198. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 安藤委員のいろいろ御指摘の点あるいはそれらの考えについて、長岡市民の皆さん方が多かれ少なかれいろいろ問題にされておるということは私にはよくわかるわけでございますが、この前大臣の廃川処分の経緯を検討いたしてまいりますと、すでに安藤委員が十分御承知で御質問されておることと思いますが、長岡市長と室町産業との間の取り決めがあり、そしてその取り決めにつきましては、いま安藤委員がおっしゃったように、二分の一の室町産業の取り分についてもその利用については公共の用に供するという趣旨の、まあこれは契約なのか文書交換なのか、私それ、現実に調べておりませんからよくわかりませんけれども、少なくとも長岡市がこの二分の一を取得するに対して、他の二分の一についてもいま私が申し上げたような話が行われ、文書が交換されておるということでありますので、私は、この土地というものが単なる、もう一切勝手に処分の行い得られるものだとは見ておらない。まあこれは私が就任後まだ日が浅うございますから、先ほども申し上げたように私として承知しておる範囲で申し上げると、そのように看取しておるわけでございます。
  199. 安藤巖

    安藤委員 そういうようなことではまことに心もとなくて、公共の用に使うといっても、室町産業の所有地になってしまうわけですから、室町産業という一営利会社が使うわけなんです。だからその使用については長岡市長と協議をして、そして長岡市長が建設省の方とも協議するというのですか、何かそういうようなのはあります。ありますけれども、それではまだ不十分だからこそいまお伺いしているわけなんです。  そこで、建設省の方で具体的な計画をお持ちになれば、本件のこの室町産業へ行くことになっている南半分の土地を国の所有に移して、そしてそれをまさに公共の用に供するために長岡市に無償で貸し付けるとかというような方法だって考えられるんではないかというふうに私は思うわけなんです。  そこで、大蔵省からも来ていただいておるのですが、先日の十一月二日、参議院の決算委員会におきまして田中理財局長が上田耕一郎議員の質問に対して答えておられるのは、「行政目的があって特定の省庁においてその土地の利用計画を立てられ、予算要求としてその土地の購入費というものが出てきた場合に国庫大臣としての大蔵大臣が判断する問題でございますが、」というふうに答弁をしておられるわけです。ですからここで積極的に建設省の方で利用計画をお立てになって、公共の用に供するためにこの土地が要るということで大蔵省の方に要求をされるというようなことをお考えになればできるのではないかと思うのですが、建設省がそういうふうに具体的な計画を立てて大蔵省の方に予算要求としてお出しになるというようなことになった場合に、大蔵省としてはどういうふうにお考えになるのか。そんなものはてんでだめだからというふうにけ飛ばすのか、そうじゃなくて前向きに検討するということになるのかどうか、そのことをお尋ねしたいと思います。
  200. 松下康雄

    ○松下政府委員 建設省が自分の省の行政目的達成上必要な事業の用に供しますために特定の用地を取得をしたいという予算要求がございましたならば、私どもは財政の立場からその内容を審査いたしまして、その上でこの予算をつけるかどうかということを判断をしてまいるということになるわけでございまして、それは年々の予算編成の段階で決定をしてまいることでございます。
  201. 安藤巖

    安藤委員 そこで大臣にお尋ねしたい、それから御要望を申し上げたいと思うのは、これは新潟日報の「窓」という投書欄ですけれども、この投書欄に、南半分も市が買収をして、そして森林公園に使ってほしいという要求の投書なんです。長岡市が買わないということであれば、先ほど来私が申し上げているように国が買って、そして森林公園というようなこと、あるいは自然公園、こういうような計画をお立てになって、これは一つの例でございますけれども、そして大蔵省に予算要求をされるというふうにお考えになっていただけたら一番いいじゃないかと思ってひとつこの投書を紹介しますけれども、「その一つとして私はそこに森林(自然)公園を造ることを提案したい。長岡は近代に入って二回の戦火を受け街の中は緑に乏しい。市の中心部に緑の豊かな公園があって小動物が遊び小鳥が歌い、そこで市民が静かに憩えるとしたらすばらしいことではないか。」それは住みよい都市づくりを目指すことにもなっていく、こういうような一つの投書があるわけです。これは相当程度の多くの長岡市民の声を代表しているのではないかと思います。  だからこういうふうに、これは一つの例ですけれども、積極的に前向きにこの廃川敷になった土地をどういうふうにして使おうかということを、長岡市民あるいは新潟県民ともよく相談をして建設省としては計画をお立てになるべきだと思うのです。いかがでしょうか。
  202. 栂野康行

    ○栂野政府委員 先ほど大臣からも御答弁ありましたように、残りの二分の一につきましてはいわゆる公益性の強いものを主体にして利用する、そしてその場合に事前に市長の了解が要る、また市長が了解する場合には建設省に事前に協議をするということで、私たちとしましては、当該土地がいわゆる公共性の強いものに使われる、適切に利用されるというふうに考えておるわけでございます。  それで、これは個人といいますか私人の土地でございますので、やはりその利用につきましては、行政が入っていくということにはおのずから限界があろうと思うわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、事前に建設省は協議を受けるというのが一点と、もう一つは、その後、先ほど先生からもお話がありましたように、丸山次長がいわゆる現地調査を行ったわけでございます。この残りの二分の一の土地の利用につきましても、県や市が利用する計画があるか、意向があるかどうかというふうなことも、行政的な面におきまして現地調査に行ったわけでございます。その結果、長岡市としましては北半分の二分の一で十分である、いろいろな理由がございますけれども、二分の一で十分であるという結論、それからまた新潟県としても、県としては利用する意向はないということでございまして、国などの土地といいますか、誘致する考えというものは現在持っていないという次第でございます。  それで、森林公園の問題が例として挙げられたわけでございますけれども、やはり最初のころ市長にいろいろ伺ったわけでございますけれども、市の方で使う二分の一、あるいはそのものが全体が一つの公園的な性格を持っておるわけでございます。しかもあそこの河川敷、川の方でございますけれども、あそこに長岡市が占有をしております運動場、市民広場、そういう広大な土地があるわけでございまして、建設省としてもここにいろいろそういうものを現在使う意向は持っておらぬ次第でございます。
  203. 安藤巖

    安藤委員 私が言っているのは、まず第一点は、先ほど来事実を挙げて数字も申し上げておりますように、室町産業が、これはこのままでいきますと物すごいぼろもうけをするわけなんですよ。物すごい暴利をむさぼることになるのです。だから、暴利をむさぼるというようなことにならないようにしなければならぬというふうに三木総理が答弁しておられるその趣旨と全く反する結果になる、これをまず食いとめるべきだということを申し上げておるのです。これが一つなんです。そこが完全に抜けてしまっております。  それから、室町産業の土地になれば、いろいろ協議とかなんとかということも私も知っておりますけれども、やはりこれは個人の所有の土地ですから、そう公共利用、公共利用といっても完全なものではない、十分なものではないというふうに思います。ですから、その辺のところは具体的に建設省の方から計画を立てて、こういう計画でこういくのだ、たとえば河川敷の中でも建設省の、河川の環境整備計画ですか、そこで河川敷を整備して、その上を地方自治体に公園なり遊園地なりとして整備をしてもらって利用してもらうというようなことだって現実にあるわけですね。そういうようなことだって考えられるのではないかと思うのです。  だから、いまおっしゃったようなことはもういままでのことで、新しく大臣になられたわけですから、今度から新鮮な措置をお願いしたいということなんです。その点、どうですか、もう一度……。
  204. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 御質問に対していま担当局長の方からお答えを申し上げたのでありまするが、私は先ほどから申し上げるように、本当に詳しく一々のことがよくわからないわけでありますが、しかし、その経過なり、今度の処分に至った段階での妥当な考え方はどこにあるのかということを私なりに検討なり考えてみる場合に、新しくなった櫻内に新しく考えろということでありますが、これは何の経緯も全然知らずにいろいろ申し上げるわけにもいかない。これは御理解いただけると思うのですね。  そうすると、この処分が行われるについて長岡市長は市議会の支持も得ながらというのは、やはりこれは市民の多数がそういう支持を与えたと判断しても……。
  205. 安藤巖

    安藤委員 ちょっと待ってください。いまの市議会の同意どうとかというようなことは、市議会でこれは同意を得ていないのです。それははっきりしております。それから、市民の同意云々という町内会の会長の会議でどうとかというのも事実と相違するというのは、すでにわが党の上田議員が指摘していることなんです。  だからそういうことではなくて、私が言っているのは、室町産業にこのまま渡るということになって暴利をむさぼらせるという結果になってしまうということはきちっと防ぎとめていただきたい、そしてその上に立って公共用地として利用する計画建設省として新たにお立ていただきたい、こういうことをお願いしているのです。そのことだけ簡単にひとつ。
  206. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 安藤委員もせっかく私のお答えを聞こうというのに——私が知っておる前提が全然間違っておるならしようがないですよ。しかし私は私なりに、あなたが最初に聞かれたのだから、不十分であるかもしれないが一応のことを頭に置いて答えておるので、市議会とか、市議会即市民の多数というふうに私は見たんだけれども、それはそれでおいておきます。  しかし、表にあらわれたものとしては、室町産業の分としても公共の用に供するように市長と相談する、また、それは建設省の方にも協議するということになっておって、勝手ほうだいになり、安藤委員の御心配のような、直ちにそれが暴利をむさぼる結果になるようなことにはなってないと私は思うのですね。  それで、いまいろいろのことをやれということについては、市は市なりの計画で、今度利用されるものにいろいろなものが盛り込まれておるわけでしょう。それから、いまの局長からの御答弁でおわかりのように、調査に行って、そして県なり市なりの意向を聞いてみた結果も先ほど安藤委員にお答え申し上げておるわけですから、そのおっしゃっておることについて私は全然無理解なことを言っておるわけじゃない。そういう暴利をむさぼるようなことになったらいけないということは頭に置きますけれども、しかし、その話の進んだ経緯の上からは、われわれとしてはそういうことにはならないように進んでおるように受けとめておるということを御理解いただきたいのです。
  207. 安藤巖

    安藤委員 私が申し上げておる二つの点についてはいま大臣の御答弁がありましたけれども、そういう受けとめておられる方向で御努力をしていただくように強く要請をいたしまして、時間が来ましたので、もう一つ、検査院長にもお出かけいただいておりますので、建設省検査院の検査改善の問題についてお尋ねをしたいと思います。  いろいろ接待問題について議論がなされてまいりまして、検査院の方としても今後こういうようなことのないようにということで相当厳しい姿勢でお臨みになっているということはよく理解をしております。  ところで、前から私が指摘をしておりますのは、検査院が検査あるいは調査に行かれるときに受検官庁にいろいろな面で依存をしているというか、たとえば宿舎の手配にしても、あるいは現実に調査をするときに受検官庁の車を利用するとかというようなことも含めて、それがいろいろ問題があるので、実地検査を自前で行うという形で検査活動費などの新設も私は提案をしたわけですが、これは予算を伴うものですが、その予算を伴う問題についていまどういうような作業を進めておられるのか、何とか見通しはつきそうなのかという点はいかがですか。
  208. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 先般来お尋ねのことでございますが、現在大蔵省で五十三年度予算を編成なさっておいでになる、その過程におきまして飛び込みみたいな形で入ってきたわけでございまして、私どもといたしましても非帯に心苦しいわけでございます。つまり、ここで大っぴらに予算要求することは問題点のすりかえではないかと、われわれといたしましても非常につらい立場にあるわけでございます。そう言われることのないように、しかし、われわれ検査院といたしましてはみずからえりを正しまして厳正な検査をやっていく、こういうたてまえを誓いました以上は、やはりそれに対応したいろいろな問題点が出てくるわけでございます。  たとえばいま御指摘になりましたような車の問題、あるいは宿泊などにつきましても、すべて相手方に依頼していたわけではございませんけれども、受検側にお願いしてとっていただくというようなことも多かったわけでございますが、こういうことは全部これからこちらでやる、こういうことになりますといろいろな面で経費がかかる。また、非常に厳しい線を出したと私は自分では思っておるわけでございますけれども、この裏にはやはり検査というものが元来非常に厳しい肉体的なあるいは精神的な苦痛を伴う、そして長期間にかかわるものである、こういう前提に立ちますと、そこで職員に対しまして何らかの憩いの場といいますか、安い宿があったら安い宿へ泊まればいいんだということではなくて、多少とも休息がとれ、そしてあしたからの活動に備えての栄養がとれる、そういうような前提条件をつくってやらなければならない、こういう考えでございまして、いろいろいま鋭意予算当局にお願いいたしまして練っておる段階でございます。  ただ、いまここでどういうふうにというところまで煮詰まっておりませんので、姿勢だけを申し上げて御了解いただきたいと思います。
  209. 芳賀貢

    芳賀委員長 安藤委員に申しますが、約束の時間が経過しておりますので、最後に一問だけごく簡略に願います。
  210. 安藤巖

    安藤委員 私は、その金の問題とかそういうことではなくて、検査院が独自の検査をするときの、技術的な検査をするときの検査機関がないというのが一つ大きな問題じゃないかと思うのですね。検査のときに技術的な検査をしてもらう。しかし、その検査を受検官庁に依頼する。そうすると、受検側がそれをやることになれば本当に適正な検査が行われるのかどうか、非常に問題だと思うのですね。  そこで、これはちょっと前の話ですが、一つの例を挙げまして注意を喚起し、今後こういうことのないようにということをお願いして質問したいのですが、これは昭和四十八年、建設省の郡山国道工事事務所の須賀川車道拡幅工事、このアスファルトのコア、コアというのは被検体を取り出して試験するのですね。検査院が現地で指摘をして、この須賀川工事事務所が多賀城市の建設省東北技術事務所に試験をさせた。だから、結局これは試験場を検査院が持ってないものですから受検官庁に依頼したわけですね。検査をした結果、まずい数字が出たので——これは簡単に申し上げますけれども、密度測定結果について見掛かり密度を少しなぶって、そして改ざんをしていい数字を出した。検査院としてはこれはつかみようがないわけなものですから、そのまま通っていってしまう、こういうようなことがあったわけなんです。  だからこれをひとつ、そういうことがあったのかどうかということを建設省にお答えたいただきたいし、こういうようなことでは検査院はうのみにするよりしようがないのですね。だから、これは改めるべきだと思いますが、それについてこういうようなことがいままであったのかどうか、受検官庁に検査を依頼するということ。あったとすれば、今後はこれをどういうふうに改めていかれようとするのか、これをお伺いしたいと思います。
  211. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 いま、具体的な事例を御指摘になりましたわけでございますが、当時昭和五十年の六月でございましたか、庄司先生からそういう御指摘があったことがございます。それで当時調査いたしました結果、確かに何か、最初建設省の機関にお願いいたしまして調べたところが、ミスがありまして、後で訂正していただいた。その節の経緯は、別に私どもの方で一個コアを持って帰っておりまして、そしてそれを別のところで調査いたしたようないきさつもありまして、建設省の後の訂正報告というもので了ということになったいきさつがあるわけでございます。  このいきさつはいきさつといたしまして、いま先生が本質的にお尋ねのことは、検査院が検査機関を持たない、そういう点であろうかと思いますが、この点はまことにおっしゃるとおりで、検査院もそういう技術的な研究機関を持っておれば一番いいわけでございますが、なかなか予算的にもそうもいかない。ただ、こういう事例もかつてございましたために、その後は予算当局にお願いいたしまして、これは庁費の雑役務費でございます検査資料調査委託費というものを予算化いたしまして、コンクリートの圧縮強度試験とかアスファルトの品質試験、土質試験、コンクリート化学分析試験、こういったような項目につきまして第三者と申しますか、建設省のサンプルにつきましては建設省にお願いしない、こういう形でいま実施いたしております。現在主として持ち込んで調べてもらっておりますのは日本セメント協会、この方へ、どこの何だということは全然教えませんで、検査院の調査官と建設省の立会官とが参りまして、現物を確認しながらそこで強度試験を行う、こういう方法を現在とっております。したがいまして、ある程度そういう心配はなくなったんではないか、こういうふうに考える次第でございます。
  212. 安藤巖

    安藤委員 時間も参りましたので終わります。
  213. 芳賀貢

    芳賀委員長 次回は、明九日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十四分散会