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1977-10-27 第82回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年十月二十七日(木曜日)    午後一時十六分開会     —————————————    委員異動  十月二十六日     辞任         補欠選任      中野  明君     宮崎 正義君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         栗原 俊夫君     理 事                 西村 尚治君                 最上  進君                 案納  勝君     委 員                 小澤 太郎君                 郡  祐一君                 志村 愛子君                 新谷寅三郎君                 高橋 圭三君                茜ケ久保重光君                 大森  昭君                 矢原 秀男君                 沓脱タケ子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣 小宮山重四郎君    政府委員        郵政大臣官房長  河野  弘君        郵政大臣官房電        気通信監理官   江上 貞利君        郵政大臣官房電        気通信監理官   神保 健二君        郵政省郵務局長  神山 文男君        郵政省貯金局長  高仲  優君        郵政省電波監理        局長       平野 正雄君        郵政省人事局長  守住 有信君    事務局側        常任委員会専門        員        栗生澤喜典君    説明員        文部省大学局学        生課長      浪貝 一良君        厚生省社会局老        人福祉課長    末次  彬君        会計検査院第五        局長       東島 駿治君        日本電信電話公        社総裁      秋草 篤二君        日本電信電話公        社総務理事    好本  巧君        日本電信電話公        社経営調査室長  小西 一郎君        日本電信電話公        社監査局長    小澤 春雄君        日本電信電話公        社営業局長    西井  昭君        日本電信電話公        社業務管理局長  川崎鋼次郎君        日本電信電話公        社計画局長    福富礼治郎君        日本電信電話公        社施設局長    長田 武彦君        日本電信電話公        社建設局長    山口 開生君    参考人        日本放送協会営        業総局総局長  森 外志雄君     —————————————   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵便事業の将来展望に関する件)  (郵便貯金金利引き下げ問題に関する件)  (郵政審議会諮問等に関する件)  (郵便貯金進学ローンに関する件)  (老人福祉電話に関する件)  (日本電信電話公社の第六次五ヵ年計画及び建  設工事発注問題等に関する件)  (データ通信等情報処理の基本問題に関する  件)  (郵便貯金貸付制度に関する件)  (郵政省に係る昇給問題に関する件)  (有線ラジオ放送に関する件)  (郵便番号制度に関する件)     —————————————
  2. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二十六日、中野明君が委員を辞任され、その補欠として宮崎正義君が選任されました。     —————————————
  3. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本放送協会関係付託案件の審査、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項調査のため、日本放送協会役職員参考人として随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 矢原秀男

    矢原秀男君 二、三点、簡単に質問を申し上げたいと思います。  重複するかと思いますが、最初でございますので、まず大臣郵便の将来展望といいますか、こういう多様化の中で基本的な見解、これをまずお伺いしたいと思います。
  7. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 郵便の問題については、昨年の六月に諮問いたしました今後の郵便あり方の問題について、本年七月二十日だったと思いますけれども答申をいただきました。この内容についてはいろいろなことが書かれておりますけれども、要はこの激動する、また多様化している時代の中で、郵便経営という問題をどうすべきか、またその多様化の中での郵便行政というものについて、幾つかの事例を挙げて合理化あるいはその新しい技術への対応等とのサゼスチョンが入っています。  私自身考え方といたしましては、少なくとも郵便業務というものを見ておりますと、何といっても配達部分、集配、特に配達部分人件費の非常に高い、コストのかかる部分でございます。そういう意味では、ある意味では機械化を促進し、かつまた、自治省等地方公共団体住居表示等促進方、それから新しい配達方法等も研究しなければならないと考えておりますし、そのほかいわゆる郵便局内合理化というような問題も私たち今後とも積極的に推進して、新しい時代への対応する郵便行政というものを積極的に進めたいと思っております。  そのほか、私自身の物の考え方としては、これと重複いたしますけれども、やはり昭和六十年という年度をある程度区切り、それから逆算して何をすべきかというような問題、たとえば人件費だけを考えましても、あるいは年齢構成からいいましても、全国平均からいいましても、三歳上昇するといわれております。そういうような問題を、いろいろな要素を踏まえて現時点で予測し得る、いわゆる六十年代の構想というものの中からそれに対応する方法論考えておく必要があるということを事務当局に、今後そういう問題について鋭意研究するようにということは、私就任当初から命じていることでございます。先ほど申し上げました、ことしの七月に答申をいただいた線も、その線におおよそ乗っておる問題もございますので、今後とも郵便行政が円滑に行われるよう努力いたしたいと考えております。
  8. 矢原秀男

    矢原秀男君 では、郵貯利下げ及び進学ローン制度創設問題等について数点ただしたいと思っております。  郵便貯金金利引き下げについては、一昨日の委員会においても各委員の方から質疑が行われておりますので、重複は避けたいと思っております。  私は、今回の諮問あり方についてお尋ねをするわけですが、去る五月の利下げの際、郵政審議会への一発諮問、一発答申、すなわち、諮問に当たって具体的な改定利率を明記し、審議会はそれをそのまま答申するというやり方では審議会は無用の長物ではないかという論議が、当委員会でも少々行われたやに私は受けるわけでございますが、今回もまた同じ方式をとった理由というものは何か、この点をお伺いしたいと思います。
  9. 高仲優

    政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。  先生おっしゃいますように、前回及び今回の諮問利率を付して諮問をいたしております。その理由といたしましては、わが国の経済状態が非常に低迷を続けておりまして、雇用情勢もはなはだ思わしくない状態にあるということ、まあこうした点から、政府といたしまして、財政、金融両政策からあとう限りの手だてを使って、この経済不況を脱出するという方針を決めたことは先生御承知のとおりでございます。これは九月三日でございますが、これに対応いたしまして、公定歩合が翌々日九月五日急速引き下げられ、また民間金融機関金利につきましても、九月九日に一律〇・五%を引き下げることが決定され、九月二十六日から実施運びと相なったわけでございます。いわば非常に事は緊急を要する事態にあったと理解いたしております。  こうした点、すなわち緊急を要する点、それから民間金融機関金利引き下げ幅実施期日がすでに決まっておったという点、こうした事情からいたしまして、具体的な利率を明示した諮問を行った次第でございます。
  10. 矢原秀男

    矢原秀男君 今回の諮問は、九月の十三日に郵政大臣から郵政審議会に対しなされたものであります。諮問書の中では、「公定歩合は去る九月五日、急きょ〇・七五パーセント引き下げられ、また、民間金融機関預金金利についても、九月九日一律〇・五パーセントを引き下げることが決定され、来る九月二十六日から実施運びになるなど、金融対策も急速に展開されているところである。」と状況を説明しております。  しかしながら問題は、公定歩合引き下げ前の九月三日の新聞に、大蔵郵政合意成立ということで、具体的な郵便貯金利率引き下げ案が報道されていることです。公定歩合引き下げ前に郵貯利率引き下げ案を固め、それを前提条件にして一連の金利引き下げが行われたとしか考えられないわけですが、これでは、国会にかわって審議するという、先ほども申し上げておりますけれども郵政審議会存在意義、これはどこにあるのか。おとついの委員会でもいろいろといろんな角度から話がありましたけれども、そういう点についてはどうお考えでございますか。
  11. 高仲優

    政府委員(高仲優君) 郵政審議会答申が出る前に利下げを約束したという事実はございません。もちろん九月三日に大蔵省との間で利下げを約したという事実はございません。
  12. 矢原秀男

    矢原秀男君 御答弁伺っておりましても、郵政審議会の権威というものを御当局は非常に尊重されていらっしゃる。それであればこれはもう当然それでいいと思うわけです。  では、まあ利下げがすでに実施されたことでございますからやむを得ない措置であったとしても、皆さんが非常に重大に、大事にされていらっしゃる郵政審議会、まあその内容についてはきょうは避けたいと思いますけれども、その郵政審議会答申で示された要望事項についてはぜひとも実現をさせなければならない義務政府には私はあると思います。で、まあ当面問題になっております進学ローンについても、せめてこのくらいは早期実現をさせなければ、利下げに当たって郵政大臣国民に対して欺瞞したことになるというふうなことも議題にのってくるのではないかと思うわけです。で、先般の大蔵省の方の当委員会での発言を見ておりましても、郵政審議会答申というものやなんかは本当に素直に真剣に考えておらない。そういう中で、郵政大臣を初め当局の方が、一生懸命国民期待にこたえなくちゃいけない、こういうふうな姿も私は見受けるわけです。  まあいずれにしてもそういう中で、郵政審議会を非常に重要視されていらっしゃるわけですから、そういう郵政審議会答申、少々大蔵でいろんな問題等があっても、大臣としましては早期実現、これを重ねて確約されるのかどうか、そういう点お伺いをしたいと思います。
  13. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 先年のおっしゃるとおりで、この郵政審議会答申については、今回は特に最後のところで、「これら利下げやむなしとする意見には、多くの付帯的希望ないし条件が付けられていた。」と書いております。特に私は今回の答申をいただきましたときに、特に発言を求めまして、郵政審議会会長に、今回の問題については大変私も真剣であるし、また大変な御協議をいただいたことは感謝申し上げます、また、つけられた条件については道義的というより法律的義務さえ感じると思っておりますという発言をいたしております。ですから、私もこれは命がけでございますので、先生にもよろしく御指導、御声援のほどをお願い申し上げておきます。
  14. 矢原秀男

    矢原秀男君 郵政大臣の決意を伺いまして、国民方々も非常に喜んでいらっしゃると思います。  そこで、先日、郵政省進学ローン試案新聞に発表されました。で、それを見ておりますと、まあ郵政大臣が鳴り物入りで打ち出した進学ローン構想でございますが、内容的に少々この点は薄いなという面もございますので、二、三この試案問題点指摘をいたしまして、今後改善に努力をしていただきたいと思います。で、きょう文部省お見えいただいておると思うんですが、まず文部省にお伺いいたしますけれども、現在、高等学校及び短大、そうして大学、まあ進学する件について、費用の上から各家庭で非常に負担が大きいと考えるわけでございます。教育基本法第三条の精神、こういう観点の中から、また学生生活調査結果の概要の中から、この進学ローンも絡めて、文部省としてはどういうふうな分析をされていらっしゃるのか、お伺いをいたします。
  15. 浪貝一良

    説明員浪貝一良君) お答え申し上げます。  文部省ではほぼ隔年に、学生生活幾ら金がかかるかという実態調査をいたしておりますが、最近の調査では五十一年にいたしたものがございます。それで、その費用を見てみますと、もちろん国立私立、それから自宅から通うか、下宿から通うかということによりまして金額が違うわけでございますけれども国立自宅から通えば一番安くなる。私立下宿すれば一番高くかかるということもございますので、その最高、最低を御説明申し上げますと、国立自宅で年間四十二万五千七百円、それから私立下宿等で九十四万九千八百円と、こういう金額になっております。そのうち、ほぼ四割がいわゆる学費と申しますか、授業料教科書代とか直接就学に必要な費用、残りの六割がいわゆる生活費、こういう形態になるかと思います。そういった実態の中で、非常に金が多額にかかるわけでございますけれども文部省といたしましては、現在、日本育英会を中心といたします育英奨学事業、それから私立大学大学自身が行う奨学事業に対する援助事業等々拡充を図って、父兄負担の軽減ということに努力しているわけでございます。
  16. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  17. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 速記を始めて。
  18. 矢原秀男

    矢原秀男君 いま文部省から学生生活調査結果の概要説明を受けたわけでございますが、確かにいま国民生活、非常に大変でございまして、進学の子供さんを抱えた家庭、そうして家庭ではお金が出せない、そういうわけで本人がみずからアルバイトしながら向学の意気に燃えている、こういうふうな点を考えておりますと、私は確かにこの郵政考えていらっしゃる進学ローンというものは非常に当を得たものであると、こういうふうに思っております。そういう中で進学ローン試案一つ一つを読ましていただいておりまして、少々問題点を四、五点にしぼって詰めてみたいと思うわけでございます。  その問題点一つは、貸し付け限度額が低いこと、こういうことです。貸付最高限度額積立金総額の二倍、最高百八万円までとされております。積立金限度額五十四万円は担保として押さえられるので、実質上は最高五十四万円までしか借りられない。最近における進学時の家計負担から見て、少なくとも実質百万円程度融資されなければ国民期待に反すると考えるわけでございます。この点についてはいかがでございましょうか。
  19. 高仲優

    政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。  現在入学に際してどのくらいの金がかかっておるかという点につきましては、私ども文部省の方から数字をいただいておりまして、大体同じ数字に基づいておるわけでございます。しかしながら、そのほか文部省以外の数字も多少調べてみたのでございますが、たとえば大学生協東京事業連合というものの調査数字も見ましたですが、ここを見ますと、東京における大学入学時に必要経費ということで、当然のことながら、高いのは自宅以外のところから、寮、あるいは下宿から通う人の入学のために要する各般の経費ということでございますが、これが大体やはり私立大学で、たとえば下宿から通うという場合に百万六千円という数字が出ております。大体この見当ではなかろうかと考えておるのでございますが、こうした金につきましては、いままででございますと、これはすべて父兄の方がずっと営々と貯金をされるということで処理されておったと思うのでございます。ますますこれから金額が上がっていく傾向にあるということで、その点からいたしましても家計に与えるインパクトというものは非常に大きくなるわけでございます。  これを全額積み立て済み貯金ということではなくて、入学を中にはさんで長い積み立てでいわば処理できるように、つまり家計から一年なり二年の間に積み立てていかねばならぬ額が、たとえばいまの仮の試案でございますと負担が半分に軽減される。まあ理想を言えばいろいろ切りがない話であろうと思いますけれども、また私どもといたしましてもいま確定案を持っているわけでございませんで、いま鋭意検討をしている段階でございますけれども、いまのところはそうした形で、最高要るであろうと想定される額の半分を積み立てれば間に合わせることができる、こういう形をつくれば、大変預金者のために役立つのではないか、このように考えておる次第でございます。
  20. 矢原秀男

    矢原秀男君 まあいろいろの制約はございますが、また逆に言えば、先ほど申し上げたように積立預金というものがあるわけですから、これは今後の検討課題、ずっと続くわけですから、頭に置いていただきたいと思います。  二番目には、返済の開始が早いこと、それから期間が短いことですね。この点については、据え置き期間がなく、借り入れの後直ちに返済が始まって、一、二年間で返済することになっているわけです。子弟の進学により家計が苦しい時期に返済することとなって、進学ローンの趣旨に反する面もあるのではないか。また、学資を支出しながら一、二年で返済できるような経済力を有する方々民間ローン等を使用する機会にも恵まれていると考えられるわけです。だから、国営事業である郵便貯金教育機会均等を目的として進学ローンを創出するからには、もう少し低い階層を対象として考えなければならないと思います。四年程度据え置き期間を設けるとか、学校を卒業してから返済が始まる制度等が望ましいのではないかと私は考えるわけでございます。その点についてはどういうふうにお考えでございますか。
  21. 高仲優

    政府委員(高仲優君) 進学ローン返済期間をどうするかという点につきましても、先ほど申し上げましたように、この進学ローン構想自体ただいま検討中の段階でございます。お示しの案は、一つ試案と申しますか、こうした方向でまとめるということを考えたということでございますが、御指摘のように、貸し付けの後直ちに返済をさせないで、一定期間据え置き期間を設けるという考え方も確かにあるのでございますが、据え置き期間を設けたり返済期間を長くすれば、これは当然のことでございますが、それだけ多額資金を要することにも相なる次第でございます。できるだけ多くの方々に広く利用していただくためには、返済期間を短くした貸し付け考える方が理にかなっておるのではないかと私ども考えておるわけでございます。  そうした場合、先ほどちょっと申し上げましたように、積み立て期間返済期間が同じということでございますと、入学に備えて一年半なり二年なり毎月一定の額を積み立ててまいるわけでございますが、今度は借りて返す段階になった場合もほぼ同額、これは金利がつきますから、一万円ずつ積み立ててきたという場合におきましては、一万百円なり何百円なりというものを返していけばよろしいわけでございまして、これは必ずしも楽であるとは申しませんが、引き続いた一定期間それだけ家計から工面できたということは、やはりある意味返済も容易であるといった面からの一つ説得力もあるのではないかと考えております。  また、この進学ローンにつきましては、高校入学時においてもこれを適用いたしたいと考えておるのでございますが、たとえば中学の二年のときから積み立てを始める。高校入学のときに借りる。今度は高校の二年のときに返済が終わって、続いて今度は大学入学に対しての準備ができるという、いわゆるローテーションの問題からしても都合のよい点もあるのではないかということを考えておる次第でございます。
  22. 矢原秀男

    矢原秀男君 私が申し上げておりますのは、父兄返済もそうでございますが、やはり本人たちが卒業して、働きながら家計を助けて借りたものも返すという一面も将来構想の中で検討されねばならないなと、こういう観点からの質問をしたわけでございますが、またよく留意をしていただきたいと思います。  で、三点目は、積立貯金利率が低いことですね。通常貯金利率と同率としておりますけれども積み立て完了後も担保として据え置かなければならないというこの貯金性格から見て、少なくとも現行の積立貯金利率を上回る利率とすべきではないだろうかと考えるわけですが、この点はいかがでありますか。
  23. 高仲優

    政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。  進学積立貯金、これも仮称でございますが、この利率をどの程度にするかという点も現在検討しておるところでございますが、この利率つけ方というものは、貸出金利の決定に非常に影響のあるものでございます。いわばある程度相関関係があるわけでございまして、高い金利貯金の方に払えば今度は貸出金利の方も高くしなければならない。というのは、採算というものを考えながらやっていかなければならないからでございまして、この辺のところをどういうふうに決めるかという点につきましては、できるだけ低い金利貸し付けるという方にウエートを置きますと、貯金の方につける金利は安くしなければならないという関係で、この点も目下鋭意検討いたしておるところでございます。
  24. 矢原秀男

    矢原秀男君 四番目の問題点は、実質金利がどの程度になるかが問題だと思うんです。試案では貸付利率を出しておりません。で、貸付表面利率よりも実質利率がどうなるかが問題だと思います。すなわち、一方において積立金通常貯金並みの低利で担保に取ることから、銀行のいわゆる歩積み両建て貸し付けに近い性格を有するものであると感じます。したがって、実質金利表面利率を相当上回るものとなると思いますけれども実質金利民間進学ローン以下に抑えるためには、貸し付け表面利率を相当低位に定めなければならないと思うのですけれども、この点はいかがでございますか。
  25. 高仲優

    政府委員(高仲優君) 目下検討中でございまして、具体的な数字を申し上げる段階には相なっておらないのでございますが、事業採算あるいは市中金利その他の条件考えまして、実質金利で見て決して不利にならないようにしなければならないと考えておる次第でございます。
  26. 矢原秀男

    矢原秀男君 五点目の問題点は、貸付金回収確保、この点がやはり不十分ではないかという懸念性もあるわけですが、融資専門家である民間金融機関においても、個人のローン信用保険等を利用して貸付金回収に万全を期しておりますけれども公的資金である郵貯資金性格融資業務にふなれな郵便局ということから考えて、試案に示された程度方策で十分なのだろうかという懸念性もあるわけです。そういう面では逆に、充実した方策、どういうふうに検討されていらっしゃるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  27. 高仲優

    政府委員(高仲優君) 毎度申し上げてまことに恐縮なんでございますが、この点もいま検討を進めておるところでございます。しかしながら、この仮の試案にもございますように、郵便局の窓口にお見えになったからすぐ貸すということではなくて、相当期間にわたって一定の額をきちっと納めて積み立てていただく方を対象にしておるという、つまり、一年なり二年の間、家計の中からこれだけの預金を積み立てることができるということの証明が一つつくわけでございます。  また、子弟が入学したという事実に対してお貸しいたすわけでございまして、この入学した方が直ちにどこかへ高飛びをしてしまうといったようなことは通常考えられないことではあるということ、これが一つございます。  また、これは正式にはまだ申し上げることはできないのでございますが、いろいろ物品の割賦販売業者の貸し倒れの状況なども調べてみたのでございますが、貸し倒れる場合のその理由の一番大きいのは、転居先不明ということだそうでございますが、転居先ということにつきましては、郵政事業は日本一のノーハウを持っておると申してもよろしいのではないかと考えております。  また、郵便貯金事業だけをとりましても、九千二百人の外務員、つまり足を持っておる次第でございまして、こうした点から考えまして、いわゆる一般の消費者ローンや物品の割賦販売とは異なって、相当程度確実性の高い貸し付けができるのではないかと考えております。もちろん悪意の非弁済者には、当然強い態度をもって臨まなければならないと考えておりますし、また、こうしたケースを、実態を越えて想定しておいて、実質金利を引き上げてしまうということも、これも必ずしもよいことではないと思っております。  しかしながら、御指摘の点は、確かにこうした貸付業務を行うに当たっては大変重要な問題でございますので、今後十分検討いたしてまいりたいと考えております。
  28. 矢原秀男

    矢原秀男君 いずれにいたしましても、進学をする子弟を抱えた父兄が非常に期待をいたしておりましておる、冒頭に大臣が仰せのごとく、非常に期待をいたしておりますので、私たちもがんばります。どうかよろしくお願いしたいと思います。  では、最後の一点は公社関係質問したいと思いますが、きょうの新聞でも、老人医療費の一部患者負担の問題について、老人懇談会では、この点はいけない、無料にすべきである、こういうような答申も出しております。老人問題、すなわち高齢者の背景といたしますのはいま社会問題で、日本でも大きな課題になっているわけです。その一つ理由には、老人の心身機能の低下であるとか、そうして人口の老齢化、それから扶養意識の変化、そして核家族化の進行、それに対してお年寄りの生きがいの問題をどうするのか、こういうふうな問題、そうして現在のお年寄りの特殊性の問題、そうして老人健康についてはどうするのか、われわれ日本の国民のすべての階層が責任を持って考えなくちゃいけない、こういうふうな事態にきておるわけでございます。  そういう中で、私たちも日本の福祉国家、そうしてこういう経済の低成長の中でどういうふうにすべきであるか、非常に検討しているわけでございますが、きょうは、公社に関係のございますそういう一点をただしてみたいと思います。一人暮らしの老人のための対策として、公社では老人福祉電話の貸与という非常に貴重な問題を常々努力をしていただいておるわけでございます。そういう点で、この問題だけを質疑を重ねてまいりたいと思います。  まず、寝たきり老人、重度身体障害者などは、身体機能上のハンディキャップや対人接触の機会が少ないために、電話は通信連絡を確保する有力な手段でございます。生活を支える上で最低必要であると思うわけであり、そういう中で公社ではいままでの機器の開発による電話福祉施策を推進されてきたわけでございますが、第六次五カ年計画ではどのような施策を行おうとされていらっしゃるのか、簡単にお伺いしたいと思います。
  29. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  公社では、従来からも国の社会福祉政策に協力する立場から、たとえば国等が社会福祉事業の一環としてやっておりますいわゆる福祉電話につきましては、債券の引受免除、優先設置を行ってきております。さらに第七十八回の臨時国会の附帯決議に基づきまして、一人暮らしの老人、身障者等であって経済的に非常にお困りの方々等を対象に、設備料の分轄払い、あるいは債券の引受免除を行ってきております。機器の方にいたしましても、一人暮らし老人用のシルバーホンの「あんしん」、あるいはまた耳の遠い方に対しますシルバーホンの「めいりょう」、またシルバーベルあるいはフラッシュベルのほか、盲人用には盲人用のダイヤルとか、あるいはお年寄りのおられる老人ホーム等には難聴者用の公衆電話機等を設置してまいってきたわけでございますが、これからの六次の計画におきましても、公社は従来どおり積極的に対処していきたい。  そういうわけでございまして、国等あるいは社会福祉事業等に対しましては、すべてに対して直ちに応ずるほか、さらに骨伝導の電話機等新たな機械の開発にも努めてまいろうとしている次第でございます。
  30. 矢原秀男

    矢原秀男君 厚生省にお尋ねしますけれども、福祉電話を設置した時点から、具体的に一人暮らしの老人に対して、そうしてまたその周辺の関係方々に対して、福祉電話に対する趣旨、啓蒙、そういうふうな点はどういうふうにされておられたのでしょうか。
  31. 末次彬

    説明員(末次彬君) お答えいたします。  福祉電話、これは一人暮らし老人の孤独感を解消するという意味実施しておるわけでございまして、これは電話を架設するだけではございませんで、その近隣の住民あるいは福祉事務所あるいは老人福祉センターと、こういったところを通じまして一人暮らし老人に対しまして電話をかけると、これによりまして安否の確認と孤独感の解消を同時に図るということを目的といたしております。したがいまして、私ども、この実施主体でございます市町村に対しまして、電話の設置だけにとどまらず、そういった電話をおかけすると、具体的に一人暮らし老人に電話での訪問といいますか、電話をおかけすると、こういった事業を同時に実施するというふうに指導をいたしておるわけでございます。
  32. 矢原秀男

    矢原秀男君 現在の一人暮らしの方々ですね、そういう該当の方、何人ぐらいいらっしゃいますか、全国で。
  33. 末次彬

    説明員(末次彬君) 昭和五十年に国勢調査がございまして、その際、一人暮らし老人の数は六十万四千人という数字が出ております。現在昭和五十二年でございまして、その後の老齢人口の増加を勘案いたしますと、大体六十四万四千人程度ではなかろうかというふうに推定いたしております。
  34. 矢原秀男

    矢原秀男君 私も調査をしました。というのは、私は兵庫県ですけれども、神戸市で五十一年の一年間に一人暮らしの老人の方が三十一人も死んでいらっしゃるわけです。何日かたって発見されるという実情の中で、そういうようなことで、厚生省のまた人口問題研究所に問い合わせをいたしまして調べたわけでございますが、問題研究所では、昭和五十五年のときに六十五歳以上の一人暮らしの人数が七十一万人になると推定している。これから逆算をいたしますと、昭和五十二年の、ことしでございますけれども、非課税の方々が四十二万六千人、身寄りのない方が十四万四千人、病気になっていらっしゃる方が五万三千八百五十人、電話のない方が四万二千四百五十人、そうして、昭和五十二年九月の十五日の老人の日の六十五歳以上の人数が九百五十五万人であり、昭和五十年のときの一人暮らしの率は六・八%、この数字に基づいて計算すると約六十四万九千四百人、六十五歳以上の死亡率が十万人に対して五千百十人、五・一%ですね。一人暮らしの六十四万九千四百人、この数字に当てはめますと、三万三千百十九人の一人暮らしの方々が亡くなっていくという数字が出ているわけです。  そういうわけですら、私はこの問題については、公社が福祉電話を開発されたということは、この数字実態から見て、これは当を得た非常に御苦労された問題だなと、非常に感じているわけですが、また一面、厚生省や国の立場から見ておりましても、こういう悲惨な方々に具体的な一つ一つを政治の中で施策を実現していく、これは非常にわれわれが、どんな小さな問題であっても真剣にとらえていかなくてはならない、こういう実感を非常に私は感じておるわけでございます。  そこで、厚生省にお伺いをするわけですが、五十二年度の概算要求に対して、一万台の福祉電話設置を要求したその根拠はどこにあったのか、お伺いしたいと思います。
  35. 末次彬

    説明員(末次彬君) お答えいたします。  昭和五十一年度末におきます福祉電話、これは一人暮らし老人と身体障害者両方含めて私ども対象にいたしておりますが、最終目標といたしまして合計五万九千五百四十七名に貸与するということを目標にいたしまして、五十二年度の要求の時点におきましては、五十一年度末の整備台数二万二千百六十六台でございます。これを差し引きました残り三万七千三百八十一台というものを三カ年で整備したいということで、一万台の要求を出したわけでございます。
  36. 矢原秀男

    矢原秀男君 実際は一万台の要求になっておりますが、五十二年度は八千五百台の予算なんですね、計算をしますと。で、そういうことになりますと、厚生省の分析というのが、私がいま実態を申し上げた問題、そうしてあなた方が概算要求されて実質は八千五百、そういうふうに非常に後退をしている。こういうふうな問題の中で、現在の市町村の福祉電話ということに対しても、三分の一は町が負担をしなくちゃいけない、また三分の一は県、そして国も三分の一。こういうふうなことで、市町村では、もうわれわれが負担をするのであればという非常に後退の考え方もある、そういうふうなことですので、厚生省では非常に腰の弱い——こういう方々に対してもっと真剣にならなくてはならないんではないか、こういうふうに数字の上からも、実態の上からも感じるわけなんですが、厚生省として分析、この現況に対して、本当に一人でも多く便宜を図っていかなくちゃいけない、こういうふうな姿勢があるのかないのか、その点明確にしていただきたいと思います。
  37. 末次彬

    説明員(末次彬君) この福祉電話の設置事業、これは先生から御指摘のとおり、私ども一人暮らし老人の対策の中で一つの柱をなすものというふうに考えております。御承知のとおり、一人暮らし老人対策といたしましては、このほかに介護人の派遣事業でございますとか、あるいはホームヘルパーの派遣事業等々があるわけでございますが、ひとつこの事業につきましては、私ども全市町村に普及をしたいということで指導をしているわけでございますが、なお現在のところ未設置のところもございますので、残りました期間内にぜひともこういった福祉電話を必要とする老人の方々にこの恩恵が及ぶように努力してまいりたいと考えております。
  38. 矢原秀男

    矢原秀男君 厚生省ももっと強力に、大蔵省でも総理のところでもどんどん、本当にこの問題についてはもっと強く、五十三年度の予算の関係もありますが、主張をしていただきたいと思います。  ここで公社の方にお伺いいたしますけれども、公社独自で各自治体に対して、まああらゆるケースワーカー等いらっしゃるわけでございますが、一人暮らしの方々に対して、このような福祉電話があるのだというPR、また、その他の伝達方法ですね、いままではどういうふうにやっていらっしゃったのか、お伺いしたいと思います。
  39. 川崎鋼次郎

    説明員川崎鋼次郎君) お答えいたします。  ただいま先生指摘の福祉の電話、それからただいま計画局長から答えました福祉用の電話と申しますか、シルバーホンの「めいりょう」とか「あんしん」、フラッシュベル、低周波ベル、こういったような各種の福祉用の電話がございますが、こういう機器の存在等につきましては、広く一般の人々を対象といたしまして、マス媒体、パンフレット等を通じて積極的にPRを実施しております。たとえば過去一年間の実績を申し上げますと、新聞では中央紙で六紙、それから雑誌等では主要週刊誌に五回、それからパンフレットでは、シルバーホンの「あんしん」を四万部、それからシルバーホン「めいりょう」に関しましては十万部を作成いたしまして、電話局を通じましてその地域の団体、たとえばロータリークラブだとか、またはいろいろな各市町村の会合等を利用いたしましてそれを配布いたしております。それから、さらに社内のPR誌といたしましては、テレトピアに九回とか、または市町村の広報誌等にも載せております。それから、さらに新聞社、テレビ局等の取材に応じまして、積極的に協力いたしまして話題として取り上げてもらうことも何回かございました。
  40. 矢原秀男

    矢原秀男君 ここで先ほど申し上げた問題でございますが、これ大臣に基本的にちょっとお伺いしたいと思うのですが、設備の料金に八万円かかるのです。加入料が三百円なんですね。で、これを市町村が三分の一、都道府県が三分の一、国が三分の一なんですね、いまは。これに対して、こういう地方財政硬直のときでございますから、市町村は財政負担で非常に弱っている。こういうふうな問題に対して、市町村が三分の一の負担をするという内容についてでございますが、国から見て、こういう市町村の負担は外して、国が見るべきではないかというような私は考えなんでございますが、大臣は、そういう点についてはいかがなお考えでございましょうか。
  41. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 福祉電話につきましては、現在政府が、これに要する費用のうちいま先生がおっしゃいました設備料と、設置の際に要する費用の三分の一を補助して、残りを市町村でやっております。しかし福祉というものをすべて国で持つという考え方ではないと思います。総理も福祉政策というのは所得政策の中に入れるような発言もございます。本来、社会保障の分野で処理すべきものと考えておりますけれども郵政省といたしましては、福祉電話の設置につきましては、今後とも関係各省と努力を重ねて、さらによりよいものにいたしたいと考えております。
  42. 矢原秀男

    矢原秀男君 ひとり暮らしの高齢者、重度の身体障害者のための福祉電話として、緊急自動発信機能を持つシルバーホンの「あんしん」が開発をされたこと、これは非常に私も喜ばしいことだと思っております。この福祉電話の「あんしん」の特殊装置に対する付加使用料として、基本料のほかに月額三千五百円の支払いが必要であるために、利用者が五十一年度末で三百五十九台にしかすぎないわけです。機器の開発、すばらしいものがされておるわけでございますが、経済的な負担が上積みされるために、福祉施策としての意義が非常に後退をしている一面もあるわけでございますが、この「あんしん」の付加使用料月額三千五百円の算定根拠と、そうして、この付加使用料についての減免に対する将来構想、こういう二点についてお考え伺いたいと思います。
  43. 西井昭

    説明員(西井昭君) お答えいたします。  最初に、シルバーホン「あんしん」の料金の算定根拠でございますが、これはその機器の物品費に要します経費に所定の利子率七・二%と、減価償却費——九年の耐用年数を見込んでございますが、それを織り込みまして、あと、それにかかります保守費、営業費等を算定いたしまして三千五百円という料金の計算をいたしておる次第でございます。  この「あんしん」の三千五百円を割り引きあるいは無料にする考えがあるかどうかという御質問でございますが、先ほどもどもの業務管理局長から御答弁いたしましたとおり、この「あんしん」はそういう身体不自由な方に非常にメリットのある機器でございますが、私どもとしましては、そのほかにも一般の方にも御利用いただけるものでございまして、そういう特定の方に限って販売をいたしておるものではございません。そういう「あんしん」を御利用になっていただく利用者の中で、どういう方が国の施策の中で取り扱われる者であり、またどういう方はその対象外になって行うべきかということにつきましては、これは私どもで判断ができかねますので、私どもといたしましては、この「あんしん」を御利用になっていただきます方の中で、福祉の対象となる方につきましては、料金負担の軽減につきまして、かねてから厚生省とか、また、あるいは地方自治体の方にその促進をお願いをしておりますところでございます。  公社といたしましては、本当に「あんしん」を必要だとされる方々がどれだけおられるかの実態も把握することが困難でございますので、こういう本当に必要な方々への設置が今後とも推進されますように関係省庁にお願いをしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。  なお、少し余談でございますが、いわゆるこの福祉型料金というものについてどのように考えるべきかということにつきましては、先国会の附帯決議に基づきまして公社の中に諮問委員会というものを設けておりまして、その審議をいただいておるところでございまして、答申を得ましたら、あと郵政省、その他国の御指導を得ながら今後の問題として検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  44. 矢原秀男

    矢原秀男君 じゃ、最後の一問ですが、とにかく努力をしていただきたいと思います。  で、昨年の十一月の公衆電気通信法改正案、これに対する附帯決議がなされました。この中の福祉電話にかかる電話使用料については、本年——五十二年五月の一日から十一月の三十日までの間に限り、その利用種別を住宅用とみなして事務用料金との差額を減額する特別措置をとったわけでございます。このような附帯決議に対して期限が、きょうは二十七日ですから、十一月三十日でもう切れるわけです。十一月三十日以後十二月一日、いわゆる十二月一日からどのような処置をとられるのか、これが第一点。  そして、附帯決議の福祉電話云々に対して、現在市町村名義の電話になっております。これが十一月の三十日で期限が切れるわけですから、十二月の一日からはどういう名義になっていくのか。これは厚生省と電電公社の方でいろいろと御連携があると思いますけれども、御見解をお伺いをして質問を終わりたいと思います。
  45. 西井昭

    説明員(西井昭君) お答えいたします。  ただいま先生からお話のございましたとおりでございまして、現行の法律に基づきますと、加入名義が市町村等の法人名義になっておりますと、公衆法上事務用の基本料金を適用せざるを得ないと、こういうことになってございます。そのうちに、先ほどからお話の出ております福祉電話につきましては、この名義を個人の名義に切りかえていただきますれば、現在の公衆法上当然に住宅用電話となるわけでございます。その切りかえのいろんな事務的手続等がございますので、公社として現行法制上可能な範囲としての期間といたしまして、いまおっしゃいましたとおり、十一月末まで暫定措置としまして住宅用の料金を適用しておるところでございます。  したがいまして、現在市町村名義になっておりますものを個人名義にいつ変更するのかという御質問かと思いますが、厚生省の方から詳しいお話があろうかと思いますが、私どもも事務的に厚生省と打ち合わせを重ねてまいりまして、厚生省におかれましても、個人名義に変更して正規に住宅用の基本料の適用になるようにという方針を決めていただきまして、この暫定措置の期限の切れる日までに間に合うように準備を進めていただいておる、このように承っている次第でございます。公社といたしましては、それに基づきまして当然それぞれの該当の電話局に対しまして、個人名義に名義変更の請求があり次第公社がこれに応ずるということで、ただいま体制を整えつつあるところでございます。
  46. 末次彬

    説明員(末次彬君) ただいま御指摘の問題につきましては、公社の方から御提案ございまして、私ども現在事務的に検討を詰めておる段階でございます。早急に結論を出したいということで努力いたしておる次第でございます。
  47. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 きょうは私、限られた時間でもございますので、郵政省関係には大変多岐にわたる諸問題がございますが、特に国民の目から見ておりますと、いま郵便料金の引き上げだとかあるいは電話料金の引き上げだとか、あるいは最近では一番問題になっております郵便貯金金利利下げの問題、また郵便物の遅配あるいはその他のトラブルを含めてのサービスの低下の問題等々、確かに郵政省に関連する諸事業といいますのは国民生活に非常に密接な関係を持つサービス部門が多うございますので、そういう点で国民の非常に注目の的になっておりますし、特に最近のこれら一連の行政のいろいろなあり方については、国民の非常に強い批判または不満というふうな形でも起こってきているわけでございます。  私はきょうは初めてでございますので総括的にいろいろお尋ねもしていきたいと思っておりましたけれども、時間的な制約がございますので、ひとつしぼって見解をただしたいと思っているわけでございます。  で、その問題は、特に電電公社の工事関係のことなんです。といいますのは、私ども日常的に特に最近深刻な不況の中で非常にいろいろな訴えをお聞きすることが多うございますので、そういう点でぜひその点をお伺いをしていきたいと思っているわけです。特に電電公社の建設投資が、年間一兆五千億に及ぶ、しかもその三分の一は建設事業だというふうなことでございますし、その点で、その一端についてきょうは御見解をただしていきたいと思っている次第でございます。  さて、ことしの五月二十五日ですね、第八十国会では警告決議が採択をされております。その中の六項に、「国及び公共企業体の発注する工事のうちには、請負の責任関係が明確でないため、元請負人から下請負人へ支払われるべき代金の額が、通常の商慣習を下回って見積られ、あるいは代金支払が遅延する等、妥当でない条件で取引されていると疑われる事例が見受けられ、また、土木、建築、鉄道工事における労災事故についての補償措置が、必ずしも適正でない事例が見受けられる。  政府及び公共企業体は、発注者としての責任を再確認するとともに、政府は、これら請負関係の適正化を図るため、その実情を把握し、下請負人または建設労働者の不利益にならないよう、指導監督に努めるべきである。」というのが採択をされておるのでございます。こういう決議が採択をされましてまだ半年近くでございますけれども、どういうふうに措置をされたのか、概括的にそのことを最初にお伺いをしたいと思います。
  48. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) お答えいたします。  先生のお言葉のとおりに、参議院決算委員会におきまして、公共企業体の発注する工事について、請負責任の明確化、元請・下請関係等について警告の決議がなされました。これに基づきまして、先般、監督官庁より、発注者としての責任の明確化再確認、それから請負関係の適正化を図るため、実情を把握してその結果を報告するようにというふうに指示せられました。これにつきまして所要の報告を行ったところでございます。
  49. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうしますと、所要の調査を行うべしということで調査を行ったということでございますね。その調査の具体的な内容、これをひとつお聞かせをいただきたいと思いますが。
  50. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  ただいま監査局長が御答弁いたしましたように、郵政大臣から四十八年度の公社決算書の議決並びに警告決議に基づきまして請負関係の事情を把握せよというような指示が参りまして、私ども通信局以下に調査の指示を出してございます。その結果に基づきまして、先ほども申し上げましたように郵政省に御報告したところでございまして、その調査の結果につきましては別途郵政省の御指導に従いまして御報告をさしていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、なお公社は下請業者に対します指導育成の強化並びに適正な下請負契約につきましては、かねがね元請負業者に対しましていろいろな機会をとらえまして指導を強くしておるところでございますけれども、本調査に基づきましても一括した請負を極力避けるようにということ、それから契約書の下請負禁止条項を完全に履行するということ、それから原価に満たない請負代金で請負契約を締結しないようにすること等につきまして再度業界にも指示をしております。
  51. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 実態調査結果、これは私どももいただいておりますが、これの概略、調査結果についての御見解あるいは調査実態はどうなっているかという点について、ひとつ具体的に御報告をいただきたいと思います。
  52. 山口開生

    説明員(山口開生君) いまの調査の結果につきましては、先ほども申し上げましたように郵政省の御指導に従って——これ参議院決算委員会でございましたので、ここで御報告さしてもらってよろしいかどうかちょっとよくわからないのでございますが、ただいま先生のおっしゃった下請実態につきまして、別途前々国会で山中先生からも調査をせい、こういうような指示がございまして、総裁も当時下請問題については幾つかの例について調査をしたいと、こういうことを御答弁申し上げております。それに従って調査を具体的にやったものはございます。これは先日、山中先生のところに参りまして御説明申し上げたのでございますけれども内容は大変細かくなりますので、もしできれば別途先住のところにも御報告に上がらしていただければ幸いだと思っております。
  53. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうしますと、各方面に郵政省の御指導をいただいて御調査をなさっているようでございますので、その点の調査結果についてはひとつ後ほどでもよろしいですからお見せをいただきたい。  で、「下請負実態調査結果」というんですね、そちらの方での御調査の結果が十月三日付で出ておるのを私の方もいただいておるわけですけれども、これまあ説明をなかなかしにくいようでございますから、私の方でちょっとわかりにくい点もございますので、具体的にちょっとお聞かせをくださいますか。  この十月三日付の「下請負実態調査結果」の二ページでございますね。ここには契約額の状況ということで図表が示されておるわけですが、その第一は公社発注代金に対する一次下請負代金の比率の分布、その下が公社発注代金に対する二次下請負代金の比率の分布という二つの図表が出されてございます。これを拝見いたしますと、その一の方の一次下請負代金の比率の分布で見てまいりますと、公社発注代金に対して七〇%以上というのが五二%、六九から六〇%が二二%、五九から五〇%が一四%、四九%から四〇%までが七%、四〇%未満が五%。これで見てまいりますと、私が理解をいたしますのは、公社発注代金に対する一次下請代金の比率というのは、五九%以下が二六%に及ぶということになっておるわけです。  それから、公社発注代金に対する二次下請負代金の比率の分布を見てみますと、これは七〇%以上が四%、六九ないし六〇%が一七%、五九ないし五〇%が三七%、それから四九ないし四〇%が二五%、そして四〇%未満が一七%ということでございまして、二次下請にまいりますと、公社発注代金に対しての比率は六〇%以下が七九%、約八割ですね、という数値を示しております。  そして、特に私不思議だなと思いますのは、四〇%未満と言われている一次下請の五%、二次下請の一七%を合わせた二二%ですね、約四分の一以下が、公社発注代金に対する請負代金の比率の分布というのが四〇%未満になっておると、こういうふうに拝見をして間違いございませんか。
  54. 山口開生

    説明員(山口開生君) この表について御質問でございますが、その前に、公社の発注代金に対します下請負代金の比率につきましては、こういった工事は主として宅内関係のサービスオーダー工事でございまして、このサービスオーダー工事につきましては、私どもが契約をいたします代金は、電話機一掴、たとえば電話でございますと電話機一個当たり幾らというふうになっておりますが、実際には工事全体の直接の工事費と、それ以外の間接的な事務費なり、あるいは機械器具の材料費なり、あるいはその他の間接的な費用も含んで、それを電話機に帰納いたしまして価格を決めておるわけでございます。  したがいまして、電話機一個の契約金額に対しまして、元請業者と下請業者さんの間で、工事の内容なりあるいは材料の支給の程度がございます。それから、機械器具の貸与とか、あるいは現場の管理をどういうふうにやっていくか、こういったことの条件に応じましていろいろの格差が出るわけでございます、御承知のとおりでございますけれども。そういうことに応じましてこのパーセンテージが、持ち分が変わってくるのでございますので、いま言いましたことで、確かに四〇%以下が、これでまいりますと両方加えまして二二%あるということは、あるいはこれは必ずしもいいとか悪いとか——そういった条件が特別にあるんだと思います。
  55. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、その評価はこれから聞くのであって、私はこれを、資料を拝見してそういうふうに拝見をいたしますけれども数字の理解の把握では間違いございませんかと、こういうふうにお尋ねを申し上げたので、その中身は、いろいろ工事の内容等についてはあろうということは、私幾ら素人でもそれなりにわからぬわけではありません。  しかし、公社発注代金に対する一次下請への代金の配分の比率の分布ですからね。たとえば一〇〇の仕事を元請に発注をして、その仕事の幾らかの部分を、四〇%に当たる部分を下請に出したというのなら話はわかるんですよ。しかし、下請に出した部分も公社発注の代金というのはあるわけでしょう。それが下請にはどうなっておるかというふうなことじゃないんですか、これ。ちょっとその辺で私あんまり時間たくさんとりたくないんですがね、ここでは。理解が間違っていてはいけないと思って少しお伺いをしているんですが、もう少し理解を深めるためにお伺いをしたいのです。  それでは、そういういろいろなことがあるのだというふうにおっしゃるのだけれども、電電公社は工事を発注なさる場合に、当然請負工事の予定価格の積算というのはなさるでしょうね。これはもうしなかったら、公金使うわけですから、好き勝手にだれかが発注できないんですよね。当然そういうものはやられるはずだと思うんですね。そういういわゆる積算価格というのはどういうふうにして積み上げていくのか、それの概略、基本をお知らせくださいますか。
  56. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいま積算の積み上げの概略についての御質問でございますが、私ども確かに、工事をやっていわゆる請負にかけます前に、社内的に積算をやるわけでございます。その積算の大まかな枠組みとしましては、直接工事費と間接工事費と一般管理費と、こういうような分け方でやってございまして、それで直接工事費に対します内容につきましては、その工事の実態に応じまして工程を見積りいたしまして、それに対する材料費なりあるいは人件費なり、こういうものを公社で標準的なものをつくっておりまして、それで最終的には積第価格というものをつくり上げるわけでございます。
  57. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 まあ、ちょっと時間を節約するために端的に教えてください。  工事予定価格を決定するのは当然工事原価と一般管理費ということになりましょうね。で、工事原価はどういうふうにやると、で、その中で労務費は幾らだと、それから間接工事費は幾らだと、安全対策費は幾らだと、あるいは一般管理費は幾らだというふうな比率というのが、これはそれぞれ好きに決めるわけにいかぬでしょう。それは地域的な差だとか、いろいろなことはあるでしょうが、それはどのくらいの比率になっていますか。
  58. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいま御質問の積算の内容の比率のお話でございますが、私どもこの積算しましたものにつきまして、競争入札でもって契約をいたしておりますものですから、中身につきまして何が何%ということを申し上げるのは、従来からも公表をいたしておりませんので、御説明申し上げにくいところでございます。
  59. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ちょっと、その金額を言うてくださいと言うてないんですよ。たとえば予定価格を決めていく場合の、たとえば労務費は八〇%なり何なり要るでしょう。こんなもの、どこの建設会社だってみんなそうですわ。国だって地方自治体だってみんなそういうことで積算をして予定価格というのは積み上げるのですからね。それの中には割合というのがありますがな。一般管理費というものは、当然これはあれですよね、もうけも含めて一般管理費というようなものが予定されておるので、その率は一三%なのか五%なのか、あるいはその中で経費と見られるものは何ぼなのかというふうな、また間接工事費というのは何ぼなのかというようなこと、これ、おおむねお出しにならないと、そんなもの、四〇%以下——あなたのところが発注している代金の四〇%以下でやっているのがおたくの調査の約四分の一にもなっているということになりますと、ちょっと理解しにくいんですよ。だから聞いている。で、言いにくかったら——言いにくいというふうに言われるのだけれども、私は金額を言えと言っているのじゃないんですね。率で考えて、積算の基礎の率をお話しいただけたらいいと思うんですよ。
  60. 山口開生

    説明員(山口開生君) 先生、率とおっしゃいますんですが、率が何%ということが、やはり公表いたしますと実際の積算の骨組みというものが業者サイドに、入札をする業者サイドにわかることになりますので、私どもとしては積算内容に触れるということで申し上げにくいと申し上げているわけでございます。
  61. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 あなたの方言わないんだったら——おたくでは当然そういう資料を持っていないと積算できないんだからあると思いますがね。国会の席上だから言えないということなのかどうか知りませんが、一般で言われている、もう業界では言われていますよ、そんなの。私ども業者から聞いていますよ、実際。だって労務費は八〇%から八三%ぐらいなんであると、安全対策費は一・五%から七%やけど、下請か孫請へ来たら一%もくれたりくれなかったりなんやと、もうしょっちゅう問題になっているんですよ。そんなもの国会だから言えなくて——業界では常識になっていること、言えませんか。  私は、それじゃ一つだけ聞きます。労務費は全体の工事予定価格の何%ですか。
  62. 山口開生

    説明員(山口開生君) 労務費が全体の工事の中で何%ということの御質問ですが、実際に工事についてはいろいろな態様がございますので、その中で果たして労務費がどの程度であるか、いろんな工事につきまして、材料の所要が違う場合もございますし、それから工事につきましては機械、機具類を、工事用の大型機械を使う場合もございますし、そういった区々の場合がございますので、労務費がいま先住おっしゃいましたような八十数%というようなことには一概にはならないのじゃないかと思っております。
  63. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ちょっと時間の関係がありますから先行きたいのであれですが、私どもが業者の関係から聞いておるのでもそうですし、おたくでもあれでしょう、七五%から八三%を労務費とするというふうなことは内部では内部規定があるわけでしょう。で、そういうことだとしますと、私は、あなたのところはそうだといって言えないというのだから言うてもらわなくてよろしい。そういうふうに業者も言われている、私ども承知しておりますおたくの方の積算の基礎でも、そういうものが用いられているやに伺っております。そうしてそういう中で考えてみますと、これは直接工事費の中では八三%の労務費になるんでしょうけれども、それが工事全体の予定価格から見れば、全体として私どもが積算をしてみると少なくとも六二%、六〇%以上、六〇%か六二%ぐらいが労務費にならなければならないんじゃないかと、そういう割合になりそうだというふうにはじくんですが、これはあれですよね、そうだと言えないんだったらそうだと言わなくてもよろしいが、まあ私ども調査ではそのように受け取っておるわけです。
  64. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいまの先生のおっしゃいましたその六二%というのが、もともとが八十数%という数字から出ているのではないかと思いますけれども、先ほども説明申し上げましたように、工事の中で労務費だけが八十数%もかかるというのはちょっと私は労務費が高過ぎるんじゃないかという感じもするわけでございまして、先ほど申し上げましたように、工事の内容に従いまして一律に労務費が何%ということは決まらないと思っております。
  65. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 一般論でやっていますとややこしいから、それじゃ具体的にちょっとお尋ねをいたします。  きょう私、具体例として用いたいと思っておりますのは、協和電設株式会社というところの問題をお聞きをしたいと思っております。この会社は、この工事関係者の工事協会の会長会社でございまして、社長以下部長以上十六人の役職員方々が天下りの会社だと言われておりますが、そのとおりですか。
  66. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。大変不勉強で申しわけないんですが、協和電設に公社出身者が何名ということを急に御質問でございますが、数字的にこうですというものちょっと覚えておりませんので、済みません。
  67. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 不勉強で御存じないんでしたら、私の調べでは十六人になっておりますから、御確認を下さい。この協和電設株式会社というのは、五十一年度の受注額というのはどのぐらいありますか。
  68. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいま五十一年度というお話でございますが、私ども五十年度の契約額しか把握してございませんが、五十年度につきましては、協和電設は年間五百三十億の契約額になっております。
  69. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうしますと、電電公社でいわゆる建設工事として五十年度はどのくらいの工事量がございましたか。
  70. 山口開生

    説明員(山口開生君) 大変年度が古くて恐縮なんですが、五十一年度の建設工事が四千五百億契約額でなっております。
  71. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 まあ先ほど協和電設さんが、五十年度しか資料がないとおっしゃったんで、まあ五十年度だとよくわかりやすいと思って五十年度をお尋ねしたんですがね。で、四千五百億のうち五百三十億でしたね。五百三十億ということになりますと、大体一〇%以上の発注を受けている会社。だからその業界の工事協会の会長会社だというのもむべなるかなで、トップ企業でございますね。  そこでちょっとお聞かせをいただきたいと思うんですが、ここに私の手元に、協和電設株式会社大阪支店の外註単金表 昭和五十二年度というのがあるんですよ。で、これを拝見をして、いろいろと皆さんの御不満や御意見を聞きながらこれを見ていて非常に多くの疑問を持ち出した。そこでちょっと聞かしていただきたいと思うんですが、ピンからキリまで聞いておりますとこの限られた時間でやれませんので、だれでもよくわかる電話機の新設ですね、これを取り上げてちょっと聞かしてもらいたいと思うんですが、たとえばこの電話機の新設については、公社はその協和電設には幾らで発注していますか。
  72. 山口開生

    説明員(山口開生君) 協和電設に幾らで発注しているかということは私ちょっとわかりかねるところでございまして、具体的にその協和電設に電話機一個当たり幾らで発注したということはちょっと存じておりません。
  73. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いまわからない。それじゃわかったら教えてくれますか。調査して教えてくれますか。すぐわかるでしょう、電話かけてもろうたら。
  74. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいまの御質問の件につきましては、工事の単金の内容になりますので、私どもといたしましては公表いたしかねるところでございます。
  75. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 じゃらじゃら言うたらいかぬですよ。局長がいまわからないとおっしゃっておきながら部下から聞いて単金に類するから言えないなんて、そんなじゃらじゃらしたことはないですよ。ばかにしなさんな。もっと責任のある答弁しなさいよ。いいかげんなことで済まそうったって、そんなことであんた国会をどこだと思っているんですか。人をばかにするのもほどがあるじゃないですか。いまわからないと言ったのだから、すぐ電話で調査してください。あなたの答弁、自分で責任持ちなさいよ。何ですか。
  76. 山口開生

    説明員(山口開生君) 大変答弁が不行き届きでございまして、申しわけございません。ただいまの単金につきましては、私がわからないと申し上げましたのは、これは通信局により、あるいは場所により、年度によっていろいろと単価が変わっておりますので、その時点における単価については、私がわからないと申し上げたわけでございますけれども、実際の単価そのものにつきましては、やはりこれが積算の内容にわたっておりますので、公表いたしますのは御容赦願いたいと申し上げたつもりでございます。
  77. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうしますと、協和電設に幾らというのは業界の常識から支障がある、だから言えないということなら理解できますよ。だから、局長はやっぱりまともに答弁をしてもらえば私だってわかるんだから、その点はもっとまともに答弁をしてくださいよ。  で、協和電設という一つの会社の単金を発表するということは、業界の性格から言うて支障があるので発表できないというのなら、それなら、それじゃ大体電話機一台新設するのに平均どのくらいで入札されているのか。入札か何か知りませんけれども、それも聞いておるんだけれどもさっぱり資料くれませんわね。あんたのところ。お願いしている資料届いてませんわ。平均どのくらいなんですか。
  78. 山口開生

    説明員(山口開生君) 平均単価につきましても、ただ平均が大体どのくらいになるかということも、やはり積算の単価に該当すると思いますので、公表はいたしかねるところでございます。
  79. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ちょっとその点は不満なんですがね、時間がないから私、ちょっとここでねばるわけにいかぬので、具体的に言いますよ。  この協和電設株式会社大阪支店の外注単金表で拝見しましてちょっと驚いておるんですよ。電話機新設二千八百円、それからリード線接続を含むと書いてある。これは孫請の単価だそうです。それで下請の単価は幾らやということで関係者が下請に交渉したそうですよ。そのときに協和電設さんの方が出席をしておられて、協和電設としては一次下請に三千二百円で卸している。ところが、そこでわからぬのですがね、公社は一体何んぼで電話をつけておるのかなということですわ。それであんた言えないというので、これは業界の常識になっていますがね、直接工事費というのは大体いま八千円ぐらいだと大阪では言われています、あなたのところの発注代金。これで間接経費が二千八百円ぐらい加わって一万一千円内外だというのは、これは業界の常識になっている。知っていますか。
  80. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいまの金額が一万数千円が業界の常識になっているかどうかにつきましては、よく存じておりません。
  81. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 あんた言わぬと言ったんだから、存じませんと言わなければしようがないですね。これは業界の常識なんだからね。常識だというて私は業界の関係者にいろいろお聞きをしたんですが、一万一千円内外だと。そうすると、これはもうあなたのところ承知せんでよろしいわ、言われている金額、それが一次下請に三千二百円で卸している。二次下請には二千八百円。これはもうちゃんと協和電設の単金表に書いてあるから間違いないですよ。一万八百円ってさっき私が申し上げた業界の常識やというて聞いた金額で、一万八百円で公社が出しているとしたら、一次下請の下請代金は二九・五%ですよ。二次下請は二五一九%、まさに四〇%以下。一次も二次もそれにどんぴしゃり該当しているわけでございます。  それで、これちょっとピンはねひど過ぎやしないかと思うんですわ。大阪の言葉で言いますと、もうむちゃくちゃやなあという気がする。それで、私もこれ聞いてびっくりしたのは、国民が電話一台つけてもろうたら八万円でしょう、いま設備費が。それはまあ電話機つけるだけの経費と違うという説明はもう聞いているからしてもらわぬでよろしいけれども、たった二千八百円でつけられるというんだったら、八万円は一体高過ぎはせんですかと、こうなるんですよ、逆に。しかし、二千八百円というのがこれはいかにもひどいということで、しかもリード線接続を含むと書いてあるわけですから、いかにもひどいのではないかというふうに思うんです。しかも、調べてみたら、協和電設というたら業界のトップメーカーだと、これは一体どうなっているんだろうかと思うんですよ。  こういうことになっていますから、業界、特に孫請の業者の実態はどういう状態になっているかというと、長年にわたる深刻な不況、そういう中で二千八百円もろうたら労務費だけとしてもこれはもうとてもじゃないけれどもまかない切れない。しかも、労働者を運ぶには運搬用の車も要る。それから、単純な出来高払いだから退職金やボーナスといったようなものももちろんない、仕事も不安定だということで、大変な状況になっているわけですね。下請、孫請の業者がそういう状況になっており、国民から見たら、そんな安く本当にできてるんだったら、何と八万円というのは高過ぎるじゃないかとこうなるわけですよね。これはどっちから見てもどうもぐあいが悪いわけです。  それで私、会計検査院の方おいででございますか、ちょっとお聞きしたいんですけれども。いま私、具体例を申し上げましたけれども、これはひとつ会計検査院の御見解をお伺いをしたいと思うのですが。
  82. 東島駿治

    説明員(東島駿治君) お答えいたします。  公社でおやりになる工事につきましては、先生御存じのとおり、私ども検査対象として厳重にいままでやってきておるところでございまして、先ほどお話に出ました予定価格につきましても、一番末端から細かく積み上げたものをわれわれは見ておるわけでございます。その結果、予定価格につきましては毎年何件かの指摘もしておるところでございます、もう先生御存じのとおりだと思いますが。  そのほか私ども権限といたしましては公社が主たる検査対象でございますので、その元請、それからその下の重層下請についてまでわれわれが踏み込んで、どういう価格で受注してるかというところまでは私ども存じませんが、ただ、一次下請につきましては工程別にどういうところに下請さしているということは公社の方に書類が出ておりますので、それについては私ども承知しておるわけでございます。ただ、どの程度先ほどのお話のピンはねしているかということは、ちょっとわれわれとしても承知していないことでございまして、工程別に見ました場合に非常に下請が多いという場合には、今度は出来高の方であるいは不十分なところがあるのではないかということで、下請が非常に多いものにつきましては出来高についても厳重に現場において検査しているという、こういうことでございまして、先ほどの先生の御質問のピンはねについての御意見については、ちょっと私ども的確なお返事ができないというのが実情でございます。
  83. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 会計検査院の方、ピンはねのところだけおっしゃいましたけどね、私両面申し上げている。業者にとってはピンはねが大き過ぎるということで問題になっている。国民の側から見たら、二千八百円ぐらいでつけられるものを、一体公社の発注単価が妥当なのかどうかというのは、これは一遍会計検査してもらう必要あるでしょう。その側面からも問題になるでしょ。
  84. 東島駿治

    説明員(東島駿治君) 電話機一台架設するのにどのくらいかかるかというようなことも、われわれもちろん基礎施設、サービス施設あわせて検査しておりますので、これについては承知しているつもりでございます。これが国民から架設費としてもらうのが適当であるかどうかということも、総合的にわれわれ判断しているわけでございます。それで、業者の方として、ピンはねされているということについてはちょっと私どももその実情を、どのくらいピンはねされるのが適当であるかどうかということについてはちょっと私どもも的確に判断しかねるわけでございまして……。
  85. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ピンはねのことで言うてるのと違うんです。現実に電話機新設するのに二千八百円でやっているわけですがな。まともについてます実際は。しかし、発注単価言わない。会計検査院は知ってるでしょう、監査をなさっているわけですからね。そしたら、それは妥当性があるかどうかというのは、やっぱり再検査してもらう必要あるでしょう。
  86. 東島駿治

    説明員(東島駿治君) 私どもは検査の段階でいろいろ資料も公社からいただいておりますので、実際の費用というものは一応存じておるわけでございますが、まあこれを物差しにして、一応各所における契約の実情というものについても検査しておりまして、われわれの知っている範囲ではその単価が、現在のところ架設単価が高いという結論は私どもまだ得てない実情でございます。
  87. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、現状の認識を私はどうであるかということの評価をしているんではないんです。現状の監査の状況では高いという認識はしてないと、それはそうかもしれません。しかし、現実には二千八百円でまともに工事ができてるということがこれは事実なんですよね。だから、そういうことについて再検査する必要ないですか、そのことだけについてお伺いしてる。
  88. 東島駿治

    説明員(東島駿治君) ただいま二千八百円で一台が架設されてるというお話初めて聞きましたので、これについて先ほど公社の方も御答弁なさったように、機械を貸与したりあるいは資金的な援助があったり、監督指導がどの程度元請が負担してるか、そういう点もあわせて調査いたしまして、ただいま先生のお話もございましたように厳重に調査したいと、このように思います。
  89. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでね、私ここでまあ総裁にも大臣にも御意見聞きたいんですがね、ちょっとあわせて問題があるのでもう一つ続けて聞いて、後でまとめて御見解聞きたいと思います。  で、単価の改正ですね、単価の改正というのは、まあこれは今日のインフレの時代でございますから、人件費や物件費がどんどん上がっていくということで、特に建設業界でもそういった問題が大変な問題になっておると思いますが、工事費の引き上げですね、これは大体どうしておられますか、毎年おやりになっておりますか。やっておったら何年と何年と何年何月、何年何月というふうな、過去のものでよろしいわ、これから言うとちょっとね、いろいろ問題があろうから、すでに実施済みのところをひとつ御報告いただけませんか。
  90. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  私どもの建設工事の契約に使います単金の改定につきましては、定期的に発行されております労働省等の公的な資料に基づきまして、まあ適正にかつ私どもとしては厳正に見直しをしてきているつもりでございます。で、なおもう少し申し上げますと、労務費につきましては、屋外労働者職種別賃金調査報告というのが労働省から出されております。それから、経済諸賢会から積算資料というのが出ております。こういったものを基本にいたしまして労務費の算定をしておりまして、なお、労務費以外の材料につきましては、やはり公の物価版等で出ております価格をもとにいたしまして積算の資料としておるわけでございますが、まあ毎年上げるとか、あるいはいつ上げるとか、何%上げるとかということになりますと、これは先ほど申し上げましたように競争契約で入札制度でやっておりますものですから、やはり公表いたすことはいたしかねるところでございます。
  91. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 これねえ、まあ言うたらぐあいが悪いというんでなかなかおっしゃらないんですね。これは私、こんなこと聞こうと思わなかった。過去の資料をね、何年何月、何年何月、何%上げたいうのをくれたらもう簡単や思うて資料下さい言うたら、どうしても言わぬというわけですね。それでまあちょっとおかしいなあと思ったんですが、ところが、私ちょっと驚くのはね、たとえば会社四季報かなんかいうこんな雑誌ありますね、これ。これに書いてあるんですよ。もうおかしくてしようがないんですがね。たとえばね、これの協和電設の項にはこない書いてあるですね。協和電設の項には何と、「五十三年九月期は単価改定のフル寄与で続伸。」なんて、予定まで書いてある、ここにね。そんなことがささやかれているんですかね、あるいはここにはこない書いてありますよ。一月受注分、今年度工事云々、ことしの一月ですわ。五十二年「一月受注分から平均七%引き上げがあったため」云々とね。こんなこと業界ではちゃんと知っているわけですな、率も年月も。  で、これは業界へ言えて、それで国会には報告はできぬのですか。これにはこれから先の五十三年九月まで書いてありますよ。五十三年九月という数字まで出ているんですよ。時期が出ているんですよ。私はそういう先のものはそれこそ業界の状況から言うて無理であろう、しかし過去はどうであったかということで過去の資料をいただきたいと申し上げたんですけれども、業界ではこれは麗々しく印刷されて年月が書かれている。パーセントも書かれている。そういう業界やこういう雑誌までは流されても、業界は知ることができても、国会に知らせられないというのは一体どういうことですか。私はちょっとわからぬです。業界のこういう雑誌には五十三年九月期の引き上げもというふうにもう予定のところまで書いてある。私は過去の分を知らしてくれと、実に状況を十分勘案して申し上げているんだけれども、過去のもできない、こういうわけですね。一体おかしいと思いませんか。国会軽視と違いますか。
  92. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいまの会社四季報に出ております件につきましては、私ども別にそういった業界なりあるいはそういう雑誌関係の方に発表したことはございませんし、何かの情報であるいはそういうふうに書いてあるのかもしれませんが、しかし……
  93. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それはもうそう言うに決まっているんですよ。ところが業界では常識になっているし、印刷されて回っているんですよ。ところが過去の分についての資料をよこせと言ってもそれも出さぬと、私は国会軽視だと思いますよ。  で、こんなことを言ってもしようがないから、なぜそのことをお聞きをしたいかと言いますと、孫請業者などの単価の改定については、これは協和電設さんのですよ、さっきの例ですが、どういうふうにやられているかということを申し上げましょう。四十八年度一年間と四十九年七月までは、これは電話の料金ですよ、千九百円。それから四十九年の八月に二千二百円に上げまして、五十年七月までこれは一年間。それから五十年八月に二千六百円に上げまして五十二年の三月まで。で、五十二年の四月に上がって先ほど申し上げた二千八百円、こうなっているというんですね。  そして、ここで私ちょっと不思議だから過去のを聞かしてくれと言ったんですね。四十八年というのはあの有名な狂乱物価で、建設工事に対しては政府だって再三にわたって通達を出して、工事費の上積みをし、ずいぶんそういうことの通達などの出ている年です。ところが四十八年度据え置きで四十九年の七月まで協和電設は改定してないんです。私は下請泣かせだと思いますよ。ピンはねも大きいし、こんなもの単価改定をやってもここでまたピンはねするという、こういうみみっちいやり方をやっているんだなという気がしますわ。そういうことがあっちゃならぬからせめて過去の資料をいただきたいということで申し上げたんです。こういうことが起こっているわけですよ。こういう点、私、問題だと思うんですよ、確かに。  で、時間の都合もありますから、もうあと総裁にお伺いをしたいと思いますけれど、やっぱり建設工事というのは、それは元請負人、元請が建設業法に定められた義務を果たしているかどうかというのをちゃんと監督してもらわなければ困ると思います。これどない思います。総裁の御見解を伺いたい。
  94. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 公社の下請問題につきましては、この国会に限らずいつも議論のあるところで、私たちは非常にいつも苦慮しているところでありますが、ただ、先ほど来沓脱先生の御質問を承っておりますと、ちょうど山中先生にも御質問を受けたわけですが、何かしら非常に何倍か、もう数%じゃなくて大変な額のピンはねをしていると、全部がそういうふうに見えるわけでございますが、それならば協和電設にしても日本通建にしても、利益率が五割も六割も出るはずですけれども、結果においては二・五%か六%しか利益率がない。  それでいまの御質問の食い違いは、決算委員会で、公社ばかりじゃなくて、政府、公社全体の問題として下請問題が批難決議されたと。私の方はそれに基づいて政府にその資料、答案を出したわけですが、この注にもはっきり請いてあるとおり、この図は契約条件にとらわれずということが書いてある。単純に公社発注代金に対する下請、第二次下請代との比率を出したのだと。そのことを申し上げようとしたら、それはわかっておるとおっしゃるけれども、いかにもわかってないような御説明を私聞いて非常に心配しておるわけです。  そういうことで、実は山中先生に、この前の通常国会でも大体先先と同じような御趣旨の質問を手厳しく受けました。私は大変憂慮しまして、直ちに建設局長に命じて実態を徹底的に調査しろということを、山中先生の個人の御下問でございましたけれども命じました。これはこれの答案と違います。それは詳細に山中先生にも申し上げてわかっていただけたと思いますけれども、その中で、先生が憂慮するような、本当にこれはいかぬなという大幅なピンはねが一、二件ありました。しかし大勢はそんな状況ではなくて、皆下請というものは条件がございます。  一番極端なものは、労務提供だけであとは一切要らないというのが、これは一番極端な下請でございますが、材料を支給するのもあれば、どの程度支給する、それから工具を貸すのもあれば貸さないのもある。あるいは事務所を持っているのもあれば、あるいは姉妹会社などにそっくりそのまま事務を移すというのはほとんどピンはねる余地は余りありません。しかしそれでも多少のマージンは取るでしょう。しかし労務提供だけというようなことになると人夫賃だけになります。人件費だけになります。そういう条件がいろいろ違いますから、なかなか一概に下請のピンはね状況というものはわかりませんけれども、いま先生が、相場では一万二、三千円かかる電話を……
  95. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 一万二、三千円と言うてない。
  96. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 一万二、三千円、これは常識だとおっしゃったんですね。電話を一個架設するのに。
  97. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 一万一千円内外……
  98. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) まあ一万一千円でもいいですわ、それが二千円でできるんだと言ったら、聞いている人から見れば、ちょっと私は非常に憂慮にたえない、大変なことをしていると私は思う、それが全部であれば。そんなことを全部やってるなら、協和電設にしても、もうかってもうかって、これは大変な笑いがとまらないほどもうかる。
  99. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 わりともうかっていますもの。
  100. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) もうかってはいますけれども、そんなに何ももうかってはいないと私は思う。決算見ますと二・五%ぐらいの利益率しか上げてないわけですから。そういう点もありますので、下請のマージンというものは、個々に調べないとわかりませんが、この前山中先生の御示唆によって、全国悉皆調査ではありませんけれども、もう悪いことを、この会社のペナルティーとか何かには全然関係ないから本当にそのまま言ってくれということで、会社の名前も実は知ってますけれども、そういうことには関係ないと言わないとうそをつきますから、そういう調査をしたんでございますが、そのときの結果は、おおむね大体公社で考えている下請の標準価格の中に入っておったんです。しかし全部そういうことであったかというと、やはり山中先生指摘されたような、非常にマージンをたくさん取ったのが、そういう契約が二、三あったということは、正直に私は申し上げます。  要は、この下請の問題に対しましては、私たちは業界にも常々厳しく言っておりますし、先ほど、この物価値上がり、ベースアップは、四十八年のオイルショック、これは四十八年には賃金には反映しませんけれども、四十九年には三割二分ぐらい平均日本全国ベースアップいたしました。当時、直ちにこれは業界にも反映させなくちゃいけないというんで、それの賃金を見込んで大幅な単金の改定をしました。多少のこのずれは、これは大きな世帯でございますから、建築もございます、そういう点で数カ月ずれることは、これは御勘弁願わなきゃいけない。しかし、ちゃんとその当時の大幅なベースアップも見込んでやっております。  ただ、過去において、建設局長が過去のものを出せというのを出さなかったというのは、私は過去の何日から上げたということは出してよろしいと思いますが、何日から上げるぞということはこれは御勘弁願いたい。
  101. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうです。
  102. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) これがそういうことになりますと、もう手の内がみんなわかってしまいますから、それは過去の点は、これからは幾らでもお出しします。その点は訂正さしておきます。  ちょっと所見を申し上げました。
  103. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 総裁、言葉を返すようですが、そんな大きなピンはねをしているはずがないとおっしゃる。だから大きいか小さいかは、あなたのところの発注単価がわかれば、これはもうだれでも判断がつくわけです。それを御発表にならずにそんなはずはないとおっしゃっても、私は了解できない。そうでしょうが。下の下請と孫請の金額、これも明確なんですよね。あなたのところの発注単価出さぬから、それはピンはねが大きいとか小さいとかいって、あなたは違うと言ったって、私は大きいと言う。それは了解できぬ。
  104. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 契約の実態というのは何万件という契約がありますし、その実態というものも本当に千差万別でありますから、私たちに個々の発注の実態というものはわかりません。ただ、標準の、かくかくの条件ならばこういうことだという標準の割合なり単金というものは、これはございます。しかし、それは発表するわけにはいきませんということを申し上げている。  その標準とどこが違っているかということは、個々によって皆会社が判断いたします。これは材料はあるんだと、これはないんだと、事務所はあるんだ、ないんだ、夜間作業やるんだとか、皆、標準のスタンダードのものは単金がなければこれは契約できませんから、それによってまた親会社は、また下請に出すときにはそれぞれまちまちのいろんなことをしますから、ここにやっぱり問題があると思います。それを、この間検査したときには、標準に合わしてみるとこの辺は妥当なものだと、数字では四〇%なんて出ているけれども、これはこういう条件ならこれはやむを得ないということが出てきまして、そうした中でも、やはり先生がおっしゃったようなものが二、三あったということを率直に申し上げます。
  105. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 時間がありませんので、最後に大臣、これはまあ基本的には公社の責任だとは思います。やはり年間一兆五千億に及ぶ建設投資でしょう。その三分の一の五千億ぐらいが建設工事なんですよ。工事費ですよ。今後五カ年に約九兆でしょう、建設投資が。その三分の一がずうっとそのペースでいくとしたら、三兆ですよ。三兆に及ぶ建設工事というのがやられるというふうな、郵政省の御監督のもとにやられていくというふうな、こういう膨大な建設事業の中で、私が申し上げたようなことが随所に起こったんじゃ困ると思うんです。少なくとも元請業者に対して、これは建設業法に基づく義務をちゃんと履行させているかと、そういう点は適正にやられているかというふうな点では、これは国会決議もございますし、ひとつ十分指導監督をしていただかなければならないのではないかというふうに思うのですが、大臣の御所見をお伺いしたい。
  106. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 郵政省としては厳正かつ慎重に今後ともこの問題について取り扱っていきたいと思います。
  107. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 時間がおくれましたので、私ちょっとおわびをします。NHKの方にわざわざおいでいただいたんですけれども、時間がありませんので、申しわけありませんが、これで終わります。
  108. 木島則夫

    ○木島則夫君 私は七十八臨時国会の本会議、本委員会におきまして、電信電話事業の今後の問題点を御指摘を申し上げ、その中で改善方を要望をいたしてまいりました。きょうはその点についての後追いというかフォローをさせていただきたいと思います。  第一点は、地域集団電話の一般加入電話化についてです。昨年の十月二十六日の本委員会におきまして、地域集団電話の解消方について質問をいたしましたが、そのときに電電公社の計画局長は、個人的な見解としながらも、第六次の五カ年計画で消化をしたいと考えている、こういうふうにお答えになったわけでありますけれど、第六次の中でどういうふうに扱われることになったか御説明をいただきたいと思います。時間がありませんから具体的に簡潔にひとつやっていただきたい。
  109. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) いま先生のおっしゃられました地域集団電話の一般電話化につきましては、この六次五カ年計画において、一般化の要望のあるところにつきましては原則として個所ぐるみ逐次実施していきまして、六次期間中にはその要請にすべてこたえるように計画しております。
  110. 木島則夫

    ○木島則夫君 まあ経済変動そのほかこれからの見通しというものもなかなか厳しいと思いますね。しかしそういう中で、やはり一般電話化ということはこれは非常に大事なことでありますから、できるだけひとつ要望におこたえをいただきたいというふうに考えます。  それからこれに多少関連をすることでありますけれど、この聞いただいた電信電話拡充・改良第六次五カ年計画についての公社の説明書をちょっとあけていただきたい。三ページの上段第三項です。「生活圏等の広域化に伴い、逐次同一単位料金区域内において市外局番のダイヤルを要しない地域の拡大をはかる。」こういうふうになっておりますね。私なりに解釈をいたしますと、生活圏等の広域化に伴い、これは同一市町村内では市内通話でかかるのがあたりまえですね、これは。つまり住民感情としては当然だろうと思いますけれど、同一区域内で異なる料金帯があるわけですね。で、これによりますとどうでしょうか、今度は異なる料金帯のところは手をつけないというふうに解釈をしていいんでしょうか。ほんとはやるべきだと私は思う。どうですか。
  111. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) いま先生のおっしゃられました、単位料金区域を越えた場合に市外局番をダイヤルをしないでするというような形はどうかということかと思いますけれども、これは非常に単位料金区域というのは番号によりまして料金の区域というものを判別するわけでございまして、異なる単位料金区域におきまして、この市外局番を回さないようにするというようなことはちょっとむずかしいかと思うわけでございます。
  112. 木島則夫

    ○木島則夫君 もうちょっとわかりやすく説明してください。この三項の中にどういう意味が含まれているのかということです。
  113. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) それではちょっと御説明申し上げますと、市外局番をダイヤルしないで通話できる地域、私ども閉番号と言っておりますが、これはいままでは電話局単位におきまして、すべてそのような形で全部市外局番を回さなければつながらなかったわけでございます。東京みたいなところは別といたしまして、そのような形で進んでまいりましたが、先年広域時分制というのをいたしまして、単位料金区域内におきましては料金が皆同じに、三分十円という形になってまいったわけでございます。そういうことで、料金上の差がなくなりましたので、その単位料金区域内でいままでは自動改式を行う際にその工事に合わせて実施してまいったわけでございます。しかし、この同一市町村等でいまだに市外局番を回さなければ接続できないという地域がございます。そういうことで、そういうところにおきましては、地域の方々の要望にこたえまして市内局番の変更等を行いながら、同一単位料金区域内において加入区域の相互間の閉番号化を逐次計画的に実施していきたいと、こう考えている次第でございます。
  114. 木島則夫

    ○木島則夫君 これも強い要望ですから、ひとつ前向きにやっていただきたいと思いますね。この問題だけにかかずらわっていると、きょうたくさんお聞きをしたいので、いま私の希望だけを申し上げておきます。  第二点は、債券の償還についての問題です。いわゆる債券負担法が時限切れとなる昭和五十七年度を展望をしながら、第六次計画において過去の債券に関する償還計画段階的につくりたいというふうにお答えをいただいております。一年前の本委員会のお答えをもう一度集約をいたしますと、拡充法が五十七年度末までの時限立法でございますので、しかも、それが再延長はほとんど考えられないということであります。何せ単年度で三千億を超えるような加入者電電債というものを毎年発行しておりますので、これに見返るものといたしましては、一方では政府の財政当局の御援助あるいは外債を含みますところのあらゆる種類の低利な資金調達をやってまいらなければならぬということを、もうそろそろ明年度ごろから段階的な計画をつくるべきところにきているというふうに考えておりますと、それはそのとおりだと思いますね、どうですか、これはどういうふうに消化をしていくのか。
  115. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御指摘の点でございますが、第六次五カ年計画におきましても財投特別債借入金二兆八千三百四十億円というふうに考えております。それから内部資金が六兆六千二百七十億円。こういうことでございまして、先生指摘の五十七年度におきまして、もし、万一時限立法でありますところの拡充法が再々延長にならなかったといたしますと、五十八年度以降それに伴う資金の欠陥が生ずるわけでございます。これを乗り切るために、第六次の間に力をつけておかなきゃいかぬということでございます。まず、一つの問題といたしましては、損益勘定で赤字を出してはいかぬ。これは赤字が出ますと、その分建設資金に内部資金から回ってまいりませんので、それをまた資金の調達が必要だという困難な問題が起こりますので、何とかして赤字を出さないということが第一点だと思います。  それからもう一つは、昨年も申し上げましたように、外部資金調達の調達手段を多様化する。国内の特別電電債、公募債あるいは私募債とかあるいは外国債、そういったもの、いろいろまだほかにも検討をしておりますが、そういうものをそれぞれ力をつけていくということを考えております。この全体で、五カ年間で二兆八千億といいますと、単年度にしますと五千億程度でありますが、昨年度におきましても私どもが自力で調達いたしました特別電電債が四千億以上でございます。  今後日本経済もふところがひどくなると思いますので、何とか各種の態様のものをもっと力をつけていくと、その余力を蓄えるということを十分やってまいるという所存でございます。
  116. 木島則夫

    ○木島則夫君 これはやっぱり政府にも関係することですから、ひとつお答えをいただきたいと思います。
  117. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 郵政省といたしましては、資金の調達に当たりまして、一時的には、ただいま公社から答弁がありましたように、経営努力によりまして内部資金の確保を図るということが健全化のためには大事なことだというふうに思っております。と同時に、外部資金の面でもいろいろな点で資金調達の手段の多様化を進めていくということも場合によっては必要ではないかと思いますが、ただいまのところ財投あるいは特別債の量的な拡大を図っていくのか、何がいいのかということにつきましては、公社とも十分詰めまして措置をしていきたいというふうに思っております。
  118. 木島則夫

    ○木島則夫君 郵政省としては当然そういうお答えが出てくると思いますね。公社の方、場合によってそういう必要もあろうというふうに考えている——多少ニュアンスが違う。もう一回そこら辺をお答えをいただきたい。
  119. 好本巧

    説明員(好本巧君) 御指摘のように国の財政投融資計画にかかわる国からのいわゆる財投と、それ以外のものとを分けまして、私、それ以外のもののできるだけ実力をつけてまいりたいと申しましたが、言い落としましたけれども、やはり財投によるところの資金調達というのは、そのコストの低廉におきましても、調達の容易さにおきましても非常にすぐれたものでございますので、相なるべくはでき得る限りたくさんの財投をちょうだいしたいと思います。ただし国にも財投対象機関が五十幾つあるそうでございますので、その間の事情もおありになると思いますので、私どもとしては自主的に大いに力をつけてまいりたい、こういうことでございます。
  120. 木島則夫

    ○木島則夫君 郵政大臣、いかがですか。公社を取り巻く経済状況、環境というのは非常にこれから厳しくなっていきますね。もちろん自分で力をつけるというのはこれはあたりまえだと思います。しかし、それにも増してやっぱり多様なる援助というものが必要だというお答えであります。郵政大臣、いかがですか。
  121. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 経営でございますから、まず安い金利のものを求めるというのは当然のことであります。ですから、これからの社会情勢、経済情勢、国際経済情勢等々のことを見てまいりますと、やはりいまのような日本の低金利政策が進んでいくか一つい最近アメリカ、金利上げてまいりました。西ドイツに次いで安い金利を使っている。こういう時期には特に財投なんというのは非常に効果的であるし、また、それをうんと獲得して経営合理化を進めるのが本当だろうと思います。しかし、金利が高くなったときにはどうするか、また外貨保有高が多くなったときにはどうするかというような問題もございます。  ですから、マネージメントというものを固定的に考えるのではなくて、私は、マネージメントというのは一つのターゲットを示し、それに対してそれに即応してその目的に達するために経営金融政策というものが立つので、しかし、施策のいわゆる先ほど問題になりました一兆六千億ぐらいの金が九兆使われるという中での目標達成のための問題は、これは路線としては大変重要なことだ。しかし、それを効率的、また国民大衆に利益還元というようなことになりますと、金融政策が必ずくっついてまいりますが、その辺の問題は非常にフレキシブルに考えた方がよろしいんではないかと思っております。
  122. 木島則夫

    ○木島則夫君 五十七年と言いますと、もう遠いようでも目の前ですから、ひとつ抜かりのないようにやっていただきたいというふうに要望をしておきます。  次に、電電事業が第一次五カ年計画から今年度末で完了する第五次五カ年計画の間ですね、これは整備、拡大の方針にのっとってやられたと思いますし、またその成果は私も見るべきものがあったというふうに評価をいたしたいと思います。しかし、第六次以降は経営中心と申しますか、運営の定安を中心とする方向に体質が転換されていかなきゃならないと私も考えております。この意味では安定経営への軟着陸とでも申しましょうかね。昭和五十三年度はその第一段階でございますけれど、これも私は前の委員会で御指摘を申し上げたところであります。管理機構と権限委譲の検討方をお願いをした、ある時期地方に対して非常に権限を委譲した。それはその時点では非常に成功したけれども、今度は力を集約をする。それが経営安定につながらなきゃならぬといういまの段階にくると、やっぱり私が御提言を申し上げたように、管理機構と権限委譲、こういうものをもう一度見直す時期に来ているんじゃないだろうかということを申し上げてきたわけであります。ひとつ具体的にお示しをいただきたい。
  123. 小西一郎

    説明員(小西一郎君) お答え申し上げます。  先生から昨年十月の国会で同趣旨の御質問をちょうだいいたしておりまして、私たち先生の御趣旨を尊重いたしまして、鋭意検討をいま進めておる次第でございます。  一般的に御説明申し上げますと、電電公社におきましては、かねてからなるべく地域に経営の自主性を委ねるという方針に基づきまして分権を進めてまいりました。これは先ほども先生おっしゃったとおりでございまして、業務の運営に関しましては、本社にできるだけ仕事を残さないようにいたしまして、広範囲な責任権限を通信局長に付与をいたしまして、これは全国に十一ございますが、自主的に責任権限を行使できるようにいたしております。本社におきましては、経営目標を示したり経営成果を評価いたしましたり、あるいは類似通信局の経常比較をやりましたり、そういう競争体制の導入を図っておる次第でございまして、この点についての経営施策というのは、電電公社の全体の業務運営にしっかり定着をしておると、私は判断いたしております。  同じような形で通信局は下部の通信部に対しましても同じような指導をいたしておるわけでありますが、先ほど先生指摘のように、今後に向けてどうするかという問題が確かにございます。その点につきましては、従来からいろいろやらしておりますが、通信部にできるだけ能率的に業務集約を図る。仕事の選択をいたしまして、効率的に実施できるものは通信部で集中実施をする。電話局に余り分散をして細かい仕事が非能率に分かれないようにするという趣旨に基づきまして、これは都市地域それから地方の地域で多少やり方が違いますけれど、そういうやり方を進めてまいったわけであります。  御指摘のように、電話の需給均衡というものも目前に控えておりますが、そういう新しい事態に対しまして、この体制をもう一度よく見直しまして、一層その効果を上げるようにいま鋭意検討を進めておる次第でございます。以上でございます。
  124. 木島則夫

    ○木島則夫君 一年前のお答えですと、ちょっとここ読ませていただきますと、「顧客指向」——お客さんの方を向くという意味ですね。「あるいは運営方策にありますサービス精神の高揚といったようなことを公社の目標といたしまして、さらにお客の要望の多様化、高度化に対応したきめ細かなサービスが現場段階で提供できるように、また各地域の地域社会の変化に速やかに対応できるような組織であるということが必要ではないかと思うんであります。」と、このためにいろいろ御提案をされているわけであります。いまの段階でもうちょっと細く言えというのはあるいは酷かもしれないけれど、もうちょっと方向づけというのはありませんか。
  125. 小西一郎

    説明員(小西一郎君) ただいまちょっと私が言葉足らずでございましたが、先生指摘のように、六次計画におきます一つの大きなポイントと私たち考えておりますのは、電話の利用者に対しましてできるだけ懇切丁寧できめの細かいサービスを進めていく。そのための具体的方策をいろいろ展開しなければいけないというふうに理解をいたしておりますし、また、それに向かって努力をいたしております。  で、先ほど業務の集約のことばかり私申し上げてしまったのですが、そういう面から見ますと、たとえば地域社会との接触面をもう少し広くとる必要があるのではないかという議論をいたしておりまして、まだ十分固まっておりませんが、そういう方向に向けて努力をいたしております。
  126. 木島則夫

    ○木島則夫君 これは私はバランスの問題だと思いますね。地域社会と非常に広く受け皿というものが、つまりアンテナというものが何というか多様化、お客様の要望に対してアンテナをきちっと立てておくということも大事ですし、そのことに対応できる組織というか、私はこれは中央集権とか何とかと言っているんじゃないですよ。集約化というものも非常に必要だ、それが一体となってうまくいけばこれは文句はないんだと、私はそういうふうに解釈をしておりますけれど、あなた方が考えている構図というか、やっぱりそういうことですか。
  127. 小西一郎

    説明員(小西一郎君) おっしゃるとおりでございまして、ただいま先生のおっしゃいました御趣旨を一層体しまして努力をさしていただきたいと思います。
  128. 木島則夫

    ○木島則夫君 次は、昨年の十月二十六日のやはり本委員会における郵政大臣、それに十一月二日の本委員会におきます三木総理大臣に対しまして、現在の情報化時代に対応する情報処理基本法、私は非常に大まかな意味でこういう言葉を使ったわけでございますけれど、とにかく日進月歩、このデータというものもすごくふえている、また、それを中央に集めなきゃならない、それが拡散をするおそれ、いろいろいろいろ問題があったわけであります。こういうことを総括をしながら、情報処理基本法の策定についてお尋ねをしたわけであります。  その場合に、郵政大臣は、約一カ年間を目標に成案を得たいとお約束になったわけであります。ちょうどあれから一カ年でございますので、この問題についてどういう研究をされて、どういう問題点があって、どこにむずかしさがあるかということぐらいはきっと御研究をされたと思いますので、できるだけ簡潔な中に具体的にお示しをいただきたい。
  129. 河野弘

    政府委員(河野弘君) お答えいたします。  郵政省といたしましては、省内に情報処理基本法データ保護基準研究会というものを設けまして調査研究を進めてきたところでございます。この情報処理基本法の対象となるものには、御承知のとおり個人のプライバシーの保護に関する問題がございます。諸外国におきましてもこのような観点から、その処理は主務官庁あるいは規律の対象者あるいは規律の方法あるいは規律対象者の義務等の面におきまして、非常に区々にわたっておるわけでございます。単に通信という観点からのみこれを処理するということが適当であるかどうかという点につきまして、私どもは非常に疑問を抱きまして諸外国の現状等について検討してまいったところでございます。  昨年、先ほど先生のお話しのとおり、一年ぐらいということでお答えあったわけでございますけれども、こうした諸外国の実情にも見ますとおり種々問題点がございます。一年を経過いたした現段階におきましてもなおいろいろ問題が山積いたしております。電気通信行政事務を担当する省といたしまして、その業務の一部であるデータ通信を所管する立場から、このデータ通信におけるデータ保護及び秘密の保持に限定いたしまして成案を得るべく目下検討中でございますけれども、このプライバシーの保護という基本的な問題にも関連いたしておりますので、さらに慎重に検討してまいりたいという考えを持っているわけでございます。  なお、ただいま先生からお話のございました具体的な問題点という点でございますが、あわせてお答え申し上げます。  情報処理基本法あるいはまたプライバシー保護法というものの構想、具体的な問題が非常にたくさんございまして、現在のわが国の法制下におきまして、たとえば国家公務員法、弁護士法、郵便法あるいは公衆電気通信法の中におきまして、秘密保護の規定がなされているわけでございます。これら個別の法規定との関係におきまして、新規立法の必要性と申しますか、緊急性というものにつきましてどう考えるかという問題がまずあるわけでございます。  次に、新しい法律をつくりまして、この法制度のもとにおきまして一定の規制を加えました場合、まあ一方では確かに保護されるものがあるわけでございます。他方では、またこの法律によりまして制限が加えられてくるというのが出てくるわけでございます。これはまあ一般、法全体の原則でございます、申すまでもないところでございますけれども。このプライバシー保護の問題をとりましても、現行の憲法のもとでの自由な諸活動の保障と基本的人権の保障というものの関係について、どのように調整したらいいかという基本的問題があるわけでございます。  次に、コストの問題でございますが、郵政省が、プライバシー保護のためにどのぐらい金がかかるかという点について試算いたしたわけでございます。この場合に、相当巨額な費用が必要とされるということがわかったわけでございます。たとえば郵政事業におきまして貯金、保険、それぞれが、このプライバシーに関する利用者からの自己の情報内容の開示あるいは訂正を求められた場合、これに要する経費等、それに必要な移行経費が約百億円から百八十億円ぐらいかかるということが試算で出てまいっております。このほかにも通常経費がかかる、あるいは人件費がかかるというようなこともございます。非常にコストの負担が大きいものでございますので、このコストの負担をどうしたらいいだろうかという問題がございます。  それから、アメリカにおきましては、プライバシー法はその規律の対象を行政機関に限定しているわけでございますけれども、主務官庁は行政管理予算庁ということになっております。それからいま一つ法を制定いたしてますスウェーデンにおきましては、法務省を主務官庁といたしておるのが現状でございます。このように、それぞれのプライバシー法の主管庁という面が各国とも、案を現在練っております国を含めまして、それぞれ皆区々でございます。日本におきましても、たとえば行政管理の面におきましては行政管理庁、あるいはまたそれぞれの分野におきましてそれぞれの各省が関係しております。これらを調整いたしますために相当期間がかかっているというのが現在の状況でございます。
  130. 木島則夫

    ○木島則夫君 なお、ここで概略御説明いただいて、私も問題点はよくわかります。私もそれなりにいろいろ研究をしてみたんですけれど、こういうものを研究をすればするほど非常にむずかしいですね。一つ問題点は、いま御指摘があったように、やっぱり情報を守るためには情報をまず集約をしなきゃいけない、そこに二律背反的な問題が実は出てくるというむずかしさだと思います。  そういう意味で、私は情報処理基本法が一年の成案、つまり成案を得るまでに一年間期間をもらいたいと言われた意味を、非常に柔軟にとりたいと思う。つまり、データ通信を所管をする郵政省一つの哲学というのか、まあ必要だけれど、余りこれを急にやると憲法との問題もあって、かえって逆の効果が出るんじゃないかとか、大事なことはわかるけれど、余りそれが行き過ぎると、今度統制とか、そういうものにつながるおそれがあるんじゃないかというような、基本的な郵政省のフィロソフィーっていうのかしら、私はそういうものがあってしかるべきだと思いますね。これはどうでしょう、官房長に伺った方がいいのか、大臣に伺った方がいいんでしょうか。——そうですが、前福田郵政大臣は大変興味をお示しになったようでありますけど、それじゃ官房長、その辺のね、こういう席だからざっくばらんに答えてくださいよ。
  131. 河野弘

    政府委員(河野弘君) お答えいたします。  私、まだ就任いたしましてから二、三カ月でございます。この間にプライバシー法案というものは非常にむずかしい法案であるということを、いま先生がおっしゃいましたように、知れば知るほどつくりにくい、作成しにくい法案であることを、非常にその必要性を感じますとともに、重要性を痛感いたしております。で、この問題につきましてきょう御質問があるということで、まあ非常に困ったことだと、実は内心本当に困り果ててたわけでございます。現にわが国におきましてもいろんな御意見がございまして、これらを集約する場合も非常にむずかしゅうございます。  で、この問題は非常に重要であるという点につきましては私どもはもう重々承知いたしております。ただ、現段階におきましては、これを施設業者と申しますか、これを現に実用的に、何ていいますか、運営いたしております者、これがまだ非常に微々たるものでございまして、社会的なこれ自体の面から見ますとそれほど重くはない。だからといってこの法案について検討は必要でないか、あるいは急がないでいいかということとは別でございますけれども、なお私どもとしては言論の問題、表現の自由の問題、もう多々あらゆる面に影響してくるということ、まあ番号制とかいろいろございますけれども、そういうものも含めまして、国民のプライバシーの保護という一番基本的な問題を慎重に、これを重要視しながら考えていかぬといけないということを痛感いたしているわけでございます。
  132. 木島則夫

    ○木島則夫君 まあ一年間研究した成案というか、成果というか、それはますますむずかしい問題であるということに尽きるようですね。それから、コストの問題がこれは非常に高くかかるということ、このことも私もよく承知をしております。それから、私が聞き及んでいるところでは、こういう問題を協議をするときに、各省間の悪いけどなわ張りっていうのか、何かそういうものが露骨に出てきて実にやりにくいという話も聞いてますけどね、遠慮なくそういうこと話してください、きょう。
  133. 河野弘

    政府委員(河野弘君) 先生のせっかくのあれでございますから、率直に申し上げます。これはまだ私ども、各省庁全体に当たったわけでございません。行政管理庁が行政官庁の事務を、まあ何ていいますか、行政管理上の立場から、管理してる立場から、これに関連する——先ほどちょっと申し上げましたように、アメリカにおきましては行政管理庁がこれを所管しているということ、これは対象はもちろん官庁だけでございますけれども、官庁におきますデータというものがその行政対象である国民のあらゆるデータを相当秘密な部分まで持っているということから、アメリカにおいてこれが重要視されたわけでございますけれども、まあ、かかるほどに行政管理庁における役割りというものは、行政事務全体にかかる各省庁の横並びと申しますか、各省庁それぞれの持っているプライバシーの問題について統一的にこれを決めるというような立場にあるかと思います。  まあ行政管理庁ともいろいろお話しいたしましたけれども、この問題は、もちろん相互に権限争議といいますか、一般に申されておりますが、権限をお互いに奪い合うとか、そういうものでもございません。だけど非常にお互いにむずかしい、で、協力してやっていこうという形までの話し合いはいたしております。先ほど、各法律の中にそれぞれその秘密保持の問題があるということを申し上げましたけれども、各省庁にわたりましてこのデータ保護の問題がわたっておりますので、これを一元的に行います場合、やはりその各省庁が虚心坦懐にお互いにこの重要性を認識しながら協力し合っていく必要があろう、こういうふうに考えているわけでございます。
  134. 木島則夫

    ○木島則夫君 私も二律背反的な問題、いろいろ重要問題が含まれているってことはよく承知をしております。しかし、やっぱり何らかの形で基本的にこういうものをつくっておかないと将来大変なことになるということも私は心配をするわけですよ。つまり一年間の研究の成案というか、研究をされた結果ですね、何らかのしかし、こういうものは必要なんだという哲学はやっぱりお持ちなんでしょうか。——お持ちなんでしょうね。どうですか、それはやっぱり全く要らないんだということじゃないと思います。どうですか。
  135. 河野弘

    政府委員(河野弘君) ただいま先生お話しのとおり、私どもは哲学と申しますか、一つの方向づけ、あるいはその理念というふうな意味におきまして、これは慎重にまあ検討いたした上で一つのものをつくり出す、あるいは一つの形をなしたものにせぬといかぬということは、信念として持っております。ただ、郵政省として、このデータ通信に限定いたしまして、データの秘密につきまして法案の試案以前のものを種々作成いたしましたけれども、これがもう本当にむずかしゅうございますので、さらに努力を重ねたい、こう思っております。
  136. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 問題点として何をつかんだかという、まあ哲学というお話でございますんですが、データ通信に限って申し上げますと、先生方にいろいろと御理解いただきまして公衆法を改正いたしまして、データ通信の規定をこの中に入れました。ただ、これはいわゆるデータ通信の利用に関する各条項でございます。したがって、データそのものを保護するとか保護しないとかという規定はこの中に盛られておりません。その点がひとつデータ通信を主管する立場からすれば問題点ではないかというふうに認識をいたしております。  それからさらにもう一つは、いわゆる通信の機密ということでございますが、いわゆる電電公社あるいは国際電信電話株式会社、これについては取り扱いのものにつきましては、すべてこれは機密を守らなければならないという義務が現在公衆電気通信法によってございますけれども、その端末、民間が取り扱います場合に、果たしてこれがどうなるのかという点につきましては問題点であるというふうに認識をいたしております。
  137. 木島則夫

    ○木島則夫君 この問題につきましては、郵政省とか電電公社にただ一方的にこちらがお尋ねをするという形ではなしに、やはりみんなが研究をして前進をさしていくという私は態度が必要だと思います。で、現代、現時点でしたがって次の質問をすることがいいかどうかちょっとちゅうちょするわけでありますけれど、やっぱり将来の問題として私はお聞きをしておきたいことがあります。  つまり情報処理基本法と呼んでいいかどうかは別といたします。プライバシー法という名前を使っているところもあります。スウェーデンではデータ法と言ってます。こういったこととの関連もありまして、現行の公衆電気通信法というのは何か継ぎはぎの感じがしないわけではありませんね。法律でありまして、抜本的に見直すべきだというふうに指摘をし、三木総理からも当然見直す時期にあるというお答えをいただいておりますけれど、この公衆電気通信法の再検討というか、こういう面ではどうなっているのか。  これは郵政省と電電公社の両者にお尋ねをしておきたいと思います。現在鋭意成案を得て検討中だという段階でこういうお話をするということは、あるいはちょっとお答え無理かとは思いますけれど、しかしやっぱり非常に大事な問題でございます。特にいま電電公社の経営形態をめぐって、あああった方がいい、こうあった方がいいとか、いろいろそういう御議論も華やかなようでありますので、なおのこと私は大事な時期だという意味でお伺いをいたします。
  138. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 先先御指摘の抜本的に見直すという意味を非常に正確にとりかねる点もございますんですが、確かに最初に公衆電気通信法ができましてから、その後社会情勢あるいは電気通信技術の発達に対応いたしまして何回か改正をいたしてまいりました。たとえば有線放送電話の接続の通話でありますとか、あるいは加入電信、あるいはデータ通信、そのほか集団電話、地域団体加入電話、いろいろなものが当初できましたときからこの公衆法の中に盛られてまいりました。ただしかし、新しいサービスが追加をされたというだけで、まあ私どもは継ぎはぎだというふうにも認識をいたしておりません。確かに法の形態は枝番などがついておりますけれども、それはそれなりに法律を改正するときの技術の問題でございますので、その辺が先生が御指摘の継ぎはぎであるということでもないと思います。  ただ、現在私どもが通信政策を基本的に変えていくんだという意味では、全面的に現在の公衆電気通信法を見直すという考え方はございません。ただ、先ほど来御指摘のたとえばデータの保護であるとか、今後情報基本法ができたときにこういうものをどうしていくのかとか、あるいはまた今後電気通信技術が発達していくにつれてこの法律をどのように取り扱っていくのかということにつきましては、絶えず総体的な問題といたしまして公衆法というものを見ていかなければならないと思っております。
  139. 西井昭

    説明員(西井昭君) 公社側の見解もという御質問でございますので御答弁さしていただきます。  内容はただいま監理官からお話のございましたとおりでございまして、少なくとも公社側から見ましたときに、直ちに公衆電気通信法というものが不都合であるというところにつきましては、ただいまのところ著しく不都合な点はわれわれとしては見当たらないと思っておる次第でございます。   〔委員長退席、理事案納勝君着席〕  ただ先ほど来議論が出ておりますように、データ通信等に端を発しまして、公社あるいは国際電信電話以外の方で公衆電気通信の一部をやられる方が出てまいってきておりますので、そういう問題、それから今後新しいサービスが出てきましたときにそういったような問題がさらに広がっていく可能性があるだろう、そういうことを考えますと、そういう新しいサービスが次々と出てまいりましたときにあるいは公衆電気通信法の見直しが必要なのではないかと、こういうような感じでございますが、現在のところは格別公社側といたしましては不都合な点もないのではないかと、このように存じておる次第でございます。
  140. 木島則夫

    ○木島則夫君 電電公社に絡まるいろいろの問題をいま御提示を申し上げ、お答えをいただきました。もっと実はお話をしたいんですけれど、まだあと郵政関係にもお尋ねをしたいことがございますので、要するにいままでは拡充に次ぐ拡充であったということから、今度は運営をいかにして安定をさしていくかということに集中をすべきときにきていると思います。したがってそういうものに対応するように、ひとつ公社としてもまた郵政省としても御指導をしていっていただきたいというふうに思います。これについてはお答えは結構であります。  さて、今度は郵政省にお伺いをしたいと思います。  郵便貯金は率直に言って利用者にほとんど還元をされていないと言ってもいいと思いますね。こういう言い方は大変暴論的な言い方であります。やってるじゃないかと、つまり資金運用部を通じて景気浮揚策として公共投資を積極的に行って、それが回り回って預金者に還元をされているという御説明があろうかと思いますけれど、これもなかなかそうぴたっとこない。   〔理事案納勝君退席、委員長着席〕 したがって、この際思い切った還元策を講ずべきであるという意味で預金者貸し付けを創設することができないだろうか。現在俗に言うゆうゆうローンというのですかがございますけれど、これは預金の範囲内での貸し付けでございますから、これは本格的な貸し付けではないと思います。できれば全預金者を対象として貸し付けを行うべきでありますけれど、直ちにここまでもっていくことはできないまでも、先般来議論をされてきた学資ローンぐらいは早急に実施をしていっていただきたい。  私は学資ローンとか、医科、歯科大に融資をするというような個々の問題を論じているんじゃない。大臣にお伺いをいたしたいことは、郵政事業を取り巻く環境は大変厳しいです。そうして従来的な発想と考え方で、ただ守備の面だけにウエートが置かれていったならば、これからの郵政事業というものは私は発展の可能性はないと、こういうふうに考えます。  したがって、その中で鋭意御努力をされていることは私も重々承知はしておりますけれど、やっぱり新規の事業、新しい開拓、こういうところにこそもう少し精力を注がれるのが本当じゃないだろうかという意味で、学資ローンあるいは全預金者を対象とした貸し付け、こういうものも積極的にやっていったらいいだろうかと、こういうことですね。官僚の方というか、お役人の方は、守りはうまいけれど、俗に言うと攻めは下手だと、こう言われてます。もう少し攻めないと、やっぱり郵政省事業発展性ないですよ。どうですか。
  141. 高仲優

    政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。  預金者の利益のために直接的な利益還元策を考えろという点につきましては、当逓信委員会の決議もいただいておりますし、また先般の郵政審議会におきましてもこの点を強く要望されたところでございます。こうした点から、先生おっしゃいましたように、ただいま私どもは、いわゆる仮称でございますが進学ローンを、来たる通常国会に提出すべく鋭意努力いたしておる次第でございます。  ただ、先生が広く一般預金者に貸し付けよということでございますが、郵便貯金のいわば目的から考えまして、単なる消費者ローンといった分野にいきなり手をつけるということは、いささか行き過ぎではなかろうかと私は考えております。すなわち、単に将来の負担において現在を享楽しようというレジャー資金とか何とかいうのまで手を広げるというのは、いささか行き過ぎの感がなきにしもあらずでございまして、建設的な意味合いを持つものというところから、つまり人材育成の一助にもなるという点から、進学ローン考えた次第でございます。
  142. 木島則夫

    ○木島則夫君 あのね、基本的な、もう一つぴたっとしたものを言ってもらいたいんですよ。従来的な事業の範囲をただ守っていくだけじゃもうだめだと私は申し上げているわけです。これは大臣にお答えいただきたい。やっぱり新規の事業をどんどん開拓をしていかなきゃいけない。そういう意味で、小宮山郵政大臣は大変アイデアマンでいらっしゃるし、進取の気象にも富んでいらっしゃるから、そういうお気持ちをここでひとつ開陳をしていただきたい、こういうことですよ。
  143. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 大変、そういう考え方が本当だろうと思うんですけれども郵貯百年の歴史の中で、オーバーローンやったことないんです。ですから、また郵便貯金法の趣旨からいって、貯蓄期間という問題がございます。しかし、われわれ、三十四兆もお預かりして、資金運用部資金法に従って財投資金の原資として取り扱うというだけでは、これは郵政審議会の附帯決議等をごらんになっていただき、かつ当委員会の附帯決議をいただいた上でもわれわれ大変認識を深くいたしております。  五月の郵政審議会答申の中で、四項目の条件がついておりました。一番目は物価の問題でございまして、二番目はいわゆる進学ローン、オーバーローンの問題、直接的融資という問題でございます。三番目はいわゆる財投の中で、いわゆる機関に直接的融資ができないだろうかというニュアンスの文章が書いてありました。あと、今後の貯金あり方という問題について早く検討しなさい、そういう四つの問題がございます。  一番目は政府も鋭意努力しておりますし、またこれは政府の使命、また絶対使命であろう。二番目はこの九月の郵政審議会の御答申の中で、利下げに伴うて、附帯条件、私も会長に後で郵政審議会が終わるときに最後に御質問申し上げたのでございますけれども、これは道義的責任という以上に法律的責任を感じるという話も申し上げております。そういうようなことで、ぜひ進学ローンについては八十三通常国会に提出いたしたいと思いますし、早く成立を期して、預金者への直接的還元を図りたいと思いますので、先生に何とぞよろしく御協力のほどをお願いいたします。  五月の三番目の問題でございますけれども、私自身考え方としては、当時問題になっておりました医学、歯学の入学金の問題でございます。これは一説には歯学、医学が大体長期金利として八百ないし七百億一般金融機関から借り、かつ短期資金で三百億ぐらい借りておるという実情でございます。では官公立の医学、歯学はどうであろうかといいますと、たとえば自治医大をごらんになっていただきますと、各県が大体二人入学をさせます。それに対して八千四百万ほどの金を納入いたしております。かつ、宝くじで五十一年では五十億、栃木県がやっておりますし、また五十二年度では五十五億宝くじで募集をしている。そういうような問題を考えるならば、一番歯学、医学ではぜひ郵便貯金の金を直接的に融資して、そのような形で融資すれば、長期に低利な金利が借りられて安定運営ができるのではないかという提言でございました。  まあしかし、そうは言ってもなかなか、資金運用部資金法がございます、またその特例がございますので、そうはいきませんけれども、まあこれは私まだ望みを捨てておるわけではございません。そういうようなことも今後とも考え、いろいろな御助言、御指導のほどをお願い申し上げます。
  144. 木島則夫

    ○木島則夫君 やっぱり積極的にやっていってほしいと思いますね。そうすると、銀行とか民間金融機関も刺激をされまして、もっともっと国民の皆さんにサービスをするという、そういうものをリードをされていくのはこれからもやっぱり郵政省でなきゃいかぬと思いますよ。そういう形で還元をしてほしいと思います。  もう時間がありませんから、次に特別昇給制度についてちょっと伺っておきたい。  一般職の国家公務員は昭和二十八年から、ほかの三公社四現業については昭和四十八年までにそれぞれ特別昇給制度を実施しておりますけれど、郵政省はこれを実施しておりません。当局側が特別昇給制度の提案をされてから何と十六年余にもなっている。これは現状ですね。聞くところによりますと、違法ストライキをするグループがいわゆる実損回復を主張しているということが大きな障壁になっているというようなことも聞いております。確かに過去にさかのぼりまして、ストライキはやったけれど、しかしその後、このことを反省をされてまじめになさっている方に対しては、私は回復昇給をしなけりゃならないというふうに思いますけれど、その場合でも、やっぱり郵政職員としてずっとまじめにやってこられた方の特別昇給が優先されるべきであるということは、これはもうだれだってわかることだと思うわけであります。そうでなければ、郵政大臣がかねがねおっしゃっておりますように、まじめな職員が育たないし、郵政事業そのものが国民の負託にこたえられないということになるんだろうと思います。  また、七月の二十日に提出をされました郵政審議会答申の中でも、「現在の給与体系は、作業能率の高い職員に対して、その意欲を高める配慮が不十分であるように思われる。したがつて、職員の能力に相応する手当制度を設けることや、勤務成績が良好な職員に対しては、それに見合つた処遇を行うことなどについて検討すべきである。」と、こういう一項もきちっと述べられております。まあこれは私がこういうことがあってはならぬという心配のもとに申し上げておきたいことは、この違法スト処分者のいわゆる実損回復につきましては、郵政省当局が自主性を持って判断をすればいいことであります。仮に第三者の不当な介入などが絶体にないとは私思っておりますけれど、あった場合でも、きちっと自主性を持って事に当たっていただきたいということは私の要望としてつけ加えておきます。  いま私がるる申し上ずたことについて、簡潔に、やるかやらないか、その姿勢をきちっと確認をする意味でお答えをいただきたい。
  145. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先生おっしゃいましたように、まじめで優秀な職員、業績の向上に特に寄与した職員等々につきましての処遇をよくするということにつきましては、日ごろから絶えず考えておらなきゃならぬことでございまして、私どもも表彰その他いろいろな人事制度の運用の中に日ごろから心がけておるところでございますが、勤務条件につきましては、やはり省と労働組合との合意の上で従来から実施してきたところでございます。  特に特別昇給制度ということになりますと、給与ということになりまして、やはりその事柄からも関係の労働組合との合意を得たいと、このように考えまして、幾度か提案をし、チャンスを見ながらやっておるわけでございますが、おっしゃいまするような面もございまして、入口のところで基本的な立場、認識が違っておりまして、なかなかこれが実現ができないわけでございますけれども、いろんな問題を含めまして、主体的な立場で労使間でこれを解決していきたい、このように思っておる次第でございます。
  146. 木島則夫

    ○木島則夫君 時間がありませんからね、私はくどくは申し上げませんけれど、まじめに働く者がそれに相応する報いを受ける、これがあたりまえです。これはどこへ行ったって世界各国同じです、いいですか。提案をしてから十数年たってまだこれが行われていない。いまあなたがおっしゃったように、いろんな事情があることは私も承知をしております。しかし、やっぱり自主性を貫くということは、これはいま一番大事ですよ。  これは郵政大臣伺いましょうか。ぼくが言っていることは間違っていない。これは世間のだれに聞かしたってこんなことはあたりまえなんです。郵政大臣、私が言ったことは、確認する意味で、間違ってない、そしてやりますと、こうおっしやればいいんです。
  147. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) まじめに働く者が報いられるのは世の常でございます。私もそういうふうにありたいと思っております。
  148. 木島則夫

    ○木島則夫君 ここではなかなかお答えになりにくい点があるかと思いますけれど、ひとつ十分にそういう声を体していっていただきたい。このことを私は重ねてここで申し上げておきたいと思います。時間がございませんのでこの辺で失礼いたします。
  149. 青島幸男

    ○青島幸男君 まず、郵便預金の金利の引き下げの問題につきまして最初にお尋ねをいたしますが、当委員会質疑を通じまして、これはわが国の経済の上で仕方がないことだったんだというようなことになっております。少なくとも国の経済の運営の上で金利というものが重大なかなめになることは十分でございますし、その国の経済の上に大きな影響を持ちます郵便貯金金利の問題が、日本の経済の運営にかかわりが深いこともよくわかっております。  この郵便貯金金利が下がりましたことについては、法律の運用あるいは手続上の間違いというようなものは当然ないですね。決まるに従ってそのように行われたということはわかっております。しかし、一般郵便貯金をなさっている方々の心の中には、どうも私たちのよくわからないところで勝手に決められたという認識をお持ちの方がかなりおいでになるんじゃないかと思います。少なくとも私どもが日々ささやかな貯金をしたお金が、この物価値上がりの中でその金利が下がるということでこうむる痛手は大きいという認識をお持ちのことも当然だ。これも大臣御理解いただけると思います。  いままでの歴史的な経過を踏まえましても、どうもこの金利あり方大蔵省主導型で、郵政省大蔵省の言われるなりになってきたんじゃないかという見方も一般になされる傾向が大です。しかし、その都度当面しました郵政大臣は、その担当者として郵便貯金者の利益を守るためにただ唯々諾々と大蔵省の言いなりにはなっていないと、なりたくないという姿勢も貫かれておられました。そのこともよく承知しております。だからこそ、郵便貯金貯金たちの利益を守りたいからこそそういう姿勢もおとりになったんだと思います。手続上に誤りがなかったとしても、郵便貯金をしてきた方々の中に多少とも残る不満があったら、これは何とか御理解を得なきゃならないと思いますけれども、法律にのっとってやったんだからそれでいいじゃないかというお考えなのか、あるいは多少御不満が残っているかもしれないけれども、今後の努力によって御理解を得たいというお立場でおいでになるのか、その辺からまずお尋ねしたいと思います。
  150. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 青島先生、大変御理解いただいているようで大変ありがたいと思います。私も好きこのんで、本当を言って好きこのんでやっておりません。実を言うと、大臣として利下げなどやらないで利上げの方をやりたい気持ちでございます。しかし、私の金利に対する物の考え方というのは、公社債市場があってそれが金利を決定して、金利というのはフラクチュエイトするという考え方が前提にあるべきだと思います。で、その社会経済のある景気の安全弁として金利条件というものが一つ金利の大きな性格だろうと思います。  しかし、今回も本当に言いまして九月三日の総合経済政策が決められるに当たって、大変な有効求人倍数などを見ましても地域差が相当出ております。青森と岩手の差なども大変大きなものもありますし、鹿児島、沖縄なども全国平均から見ますとべらぼうに低い。そういうようなことから見ましても、少なくとも財投資金の六〇%を持っております郵貯、また三十四兆という重み、構造的不況にあえぐ人たちが失業しない、少なくとも何人でも救える状態に持っていくというのは、今回の不況に対しての問題については、財政主導型であることも私、知っておりますし、それに対して郵政策がどのようについていくかという問題については種々議論があることも知っております。  しかし、全般としてそういう中での私たちの自主判断よりも、郵政審議会に本当にその苦衷を披瀝して、郵政審議会委員先生方に御理解いただいて、あの答申に盛られている文言は私自身の気持ちもあらわしていただいておるような気がいたしまして、大変頭が下がる思いでございます。そういう意味でも何らかの形でやはり預貯金をしていただく方々に対して還元できる方法というものを持っていかなければいけない。これが進学ローン一つの手段でございますけれども、しかし、先ほど申しましたように郵貯百年の歴史がございます。そういう非常に大きな壁がございまして、その中でやはりひとつ預金者に利益を還元するという方法、手段をとるのは、やはり先生方の御協力も得なければいけない。私、そういう意味でも真剣に皆様方先生方にお願い申し上げるのであって、先生方の御非難というものも私十分身にしみて感じておる次第であります。
  151. 青島幸男

    ○青島幸男君 大臣の経済感覚に疑いを持っておるとか、これからやろうとなさる直接郵便貯金をなさっている方への還元のあり方について疑問を差しはさんでいるわけではございませんので、ただ手続の問題ですね。ですから、もし一般に郵便貯金をなさっている方々に疑いもなく協力していただけるというためには、郵政審議会あり方自体にも私は問題があるかもしれないと思います。  というのは、審議会の意見の中にやっぱりこの資金を運用する方の側の意見ばかりがあって、実際に郵便貯金をしていらっしゃる方の代表と言いますか、していらっしゃる方の大多数の意見というものが必ずしも反映し得ないようなシステムになっておりますね、現状。ですから、そういう不満が貯金者の中に残るだろう。何とかそういう不満が残らないようなシステムをつくっていかなければならないんじゃないかということなんですね。三十八年までは国会で利子は決められておったわけですね。審議会の中よりも国会の方がまだ一般の感覚が反映する余地があるんではないかということを考えまして、三十八年に変わったんですから、またもとに戻そうというお気持ちはございませんでしょうかね。
  152. 高仲優

    政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。先生のおっしゃいましたように、昭和三十八年以前は利率は法律で決めておったのでございますが、こうした場合に、ただいまは下げる場合が問題になっておりますが、上げる場合もあるのでございまして、その場合の実際問題として運用が、これは国会が開かれているときでなければいじれないわけでございます。事実民間金融機関金利が上がったのに郵便貯金金利の方はしばらく据え置きになったといったような点もございました。そうした点等がございまして、三十八年に政令事項に改められたわけでございますが、このときの理由といたしましては、これは当時の提案理由説明でございますが、「金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにするとともに、適時適切に一般金融情勢に相応することができるようにするため、現在法律で定められている郵便貯金利率を政令で定めるように改めようとするものであります。  この政令委任にあたりましては、国民大衆の零細な貯蓄手段である郵便貯金の預金者の利益の保護に遺憾のないようにするため、利率の決定または変更の場合には、預金者の利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う旨の原則を法律に明記するとともに、郵政大臣は、利率に関する政令の制定または改正の立案にあたっては、郵政審議会諮問しなければならないこと」とするものである、この趣旨によりまして改正がなされたわけでございまして、現在の時点においては、私どもといたしましては、旧来の法律の規定に戻すという考えは持っておらない次第でございます。
  153. 青島幸男

    ○青島幸男君 私もその辺のことは承知いたしております。しかし、国民の一般の郵便貯金やっている方々のそういう不満を解消するためには、国会の審議の場に戻すか、あるいは郵政審議会のメンバーあるいは郵政審議会の決定のあり方にもう少し国民の納得のいく部分がふえるような解決の仕方を持たなければ、疑惑を払拭するということはできないだろうという趣旨のことを申し上げているわけでありまして、ですから、その辺のところを十分配慮していかないと、こういうことがたび重なってまいりますと、郵便貯金の、郵便局の窓口でいかに直接的に、まあ皆さん方に還元するような手だてを講じましても、ついには信頼を失ってしまうようなことになりはしないか、そうなることがやっぱり郵政事業の上に一番大きな汚点を残すんじゃないかということを苦慮いたしまして、配慮いたしまして私はこういうことを申し上げているわけで、その点、一般の貯金者の方々に不安のないようにしていくという心がけだけは十分にお持ちいただかないと困るということを再三申し上げているわけで、その辺、大臣のお考えいかがですか。
  154. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) 国会でやりますと、さっき申しましたように、金利というのは経済の安全弁的な性格を持っております。前にも二回金利の引き下げのときに、国会が閉会中でできないという事実がございましたんで、私は国会というのは非常にそういう意味では即応ができない。しかし、金利については、特に郵便貯金というのはいままで貸し出し等がない、オーバーローンをやっていないというようなこと、そういうようなことがございますので、私自身としてはやはりそういうことを念頭に置いて、いままで以上に国民大衆の預金者の意をくんで今後ともやりたいということでございます。
  155. 青島幸男

    ○青島幸男君 そのことだけおっしゃっていただければよかったわけですよ。ただ、国会の審議に、決議に待つと時期を失するから、あるいは損をかけることもあるかもしれないという、だからというのは理由にならなくて、そういうきちっとしたシステムをつくっておかなければいけないだろうというので、かつてはそうだったということもあわせて申し上げておきますけれども、この問題はこの程度にいたしておきます。次回機会がございましたら、また重ねてお尋ねすることがあるかもしれません。  次に、有線ラジオ放送の業者の間にかなりトラブルがあるというようなことを、私のところに一、二参りました陳情からも聞いておるので、そのことに絡めてお尋ねをしたいと思います。  有線電気通信法違反による無断架設の実態というのはどういうふうになっているんでしょうか。郵政省にまずお尋ねしたいと思います。
  156. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 現状のお尋ねでございますが、本年の三月末現在で申し上げます。  届け出がありました施設数は五百十八施設、その業者数は百九十八業者でございます。  なお、このほかに道路の占用許可を得ていない等のために届け出を受理していない施設が約五十ほどございます。  御指摘の現在問題とされております施設の違法の内容でございますが、放送線を無断で電柱に添架する、これは電力会社が持っているのが主でございまして、電電公社のものも若干ございます。あるいはまた放送線により道路を無許可で占用する、道路管理者の許可を得ないで占用している、あるいはまた有線電気通信法等に基づく届け出をしてないといったようなことでございます。
  157. 青島幸男

    ○青島幸男君 たとえば公社の電柱に無断で架設をしている業者がいたという場合、どういう処置を業者に対してとるわけですか。
  158. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) お答えいたします。  私ども、まず不法施設を発見いたしました場合には、まずこれの所有者を確かめるということから始まりまして、その所有者の責任者、これに来てもらいまして、まずこの撤去ということでお話をするわけでございます。どうしてもそれで任意で撤去をしないということになりますと、私どもは現在まず仮処分のお願いをして撤去をするということで進めております。
  159. 青島幸男

    ○青島幸男君 それで事は速やかに解決したりするものなんですかね。どのぐらいそういうケースがあって、どのぐらい解決を見ているんですか。
  160. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) 仮処分によりまして処置をとりました最近の状況を申し上げますと、五十一年度では仮処分の申請を五件いたしておりまして、この内訳といたしましては、任意で撤去したもの、これは相手が認諾をいたしまして撤去したものでございますが、三件、それから強制撤去いたしましたのが二件ということになっております。五十二年度になりましても、すでに任意で撤去したものが一件、それから、なお現在仮処分を申請中のものも一件ございます。
  161. 青島幸男

    ○青島幸男君 どうもトラブルの実態を伺っているところと、いま御報告いただきました件数とが余りにも私、かけ離れているような気がするんですけれどもね。実際、めんどくさいからやらないという、たとえば線が非常に錯綜しておって、それをたどっていかなきゃどこの業者のものかわからないという実態もありますね。ですから、電電はそれ自体の業務の中で皆さんお忙しいので、専門にそれに当たっていらっしゃる方がおいでになるか、ぼくは知りませんけれども、それが電電の業務に直接差し支える、新しく電柱を立てるとか架線をする場合にじゃまになってどうしようもない、だからどうにかしなければならないというケース以外はわりあい黙認されているというようなケースがあるのじゃないかという疑いを持ちますが、その点はどうなんでしょうか。
  162. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) もう数年前になりますが、これが大分問題になりまして、当時、郵政省、建設省の御指導を得まして、私ども道路占用で、こういう電柱を持っております者は電電公社並びに——大体電力会社でございますが、これで十分御相談をさしていただきまして、特にこの不法施設につきましては、十分これを調査の上、こういう不法の施設がないように正常化に持っていくということで努力をしているわけでございます。  なお、現在私ども電電公社の持っております電柱の中で、この有線放送線が添架されています電柱の本数は二十四万二千四百本ほどございます。このうちすでにちゃんと正規の契約をされております本数が二十三万三千三百本実はございまして、いわゆるまだ未契約、この中にはいま御指摘のありました不法で施設されたものも含むわけでございますが、これが約九千百本という状況になっております。添架の約四%のものが要するにこういう処理がちゃんとされてないということをつかんでおりまして、これにつきましては、私ども特にやはり現場で、直接施設を保守をいたしております現場機関におきまして、この状況につきましては常によく見て、不法のものがあれば常にこういう措置をとるということを励行しております。
  163. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは添架させれば使用料を取ったりできるわけでしょう。それを怠るということは経営努力を怠ることになりますから問題にはなると思うんですけれども、実際問題として現場にいる方は、その線をたどっていってどうのこうのというのは大変繁雑なことだと思うんです。ですから、一万件余というのはやりたいのだけれども、やらずっ放しのような状態になっている。公社の方が悪いのじゃなくて無断でかけている方が私は悪いと思いますね。こういう法律に違反したり法律にもとるようなことをした場合には、その業務について営業停止までもできる権限が郵政大臣にはおありになるわけでございます。そういうケースがありましたでしょうか。たとえば、君のところは違法をやっておるから営業停止だとかどうだというようなことで、そういう処分をなされたことはおありになるでしょうか。
  164. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) お答え申し上げますす。  郵政省が関連の法律を二つ持っております。有線電気通信法及び有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の二つございます。それぞれこの法律による届け出が必要でございますが、届け出がなされていないという理由で有罪の判決が下された事例が一件ございます。さらにまた、有線電気通信法第三条違反といたしまして、未届け施設を郵政省が告発をした事例が一件ございます。この件につきましては、業者側がすぐ施設を撤去いたしましたために起訴に至らなかったというわけでございます。
  165. 青島幸男

    ○青島幸男君 私も漏れ承るところによりますと、こういう事業者の団体もしくは事業者の背後に国会議員の方々などが顧問として名を連ねているというふうに拝見いたしまして、少なくとも多くの有権者の負託と信頼を得て御当選なすった方々がおいでになるのですから、当然その方々も顧問としてお名を連ねていらっしゃる以上は、そういう業務が法律を遵守するという精神の上にのっとって行われることを望んで顧問におなりになったんだろうと思うので、その点をよく督励していただきたいと私は思いますし、所轄の大臣としまして、そういうところに名を連ねている方々に法律をよく守って事業が行われるように督励したらどうだという勧告をするぐらいのことはいたしていただいてもいいんじゃないかという気がしますが、この点どうでしょうか。
  166. 小宮山重四郎

    国務大臣小宮山重四郎君) これは毎回毎回問題になることでございますので、私はこんな問題を委員会に煩わすことは適当でないと思います。これは先生いまおっしゃったように勧告もいたします。しかし、私も告発もします。これは年内にやるつもりでおります。
  167. 青島幸男

    ○青島幸男君 そのようにしていただきたいと思いますし、この問題が委員会で取り上げるにふさわしいかどうかの問題につきましては、私は大臣と見解を異にしております。  続いて郵便番号の問題についてお尋ねいたしますが、私も郵便番号が使われるようになったということで、郵便業務の上に大変な能率化をもたらしたということは十分承知しているわけでありますが、実際郵便局に参りますと、なるべくなら書いてくださいということではなくて、たとえば小包なんかの場合に、書いてないものは受け付けませんよというような姿勢に感じられるケースが多々あるという声も聞くんですが、実際、郵便番号を書いてないものは受け付けないというふうに指令を出しているとはゆめゆめ思いません。というのは、郵政省のポスターに、郵便番号が始まったころに、郵便番号を書けば郵便が早く正確に届きますというふうに書いてありましたね。だから、これを裏返して、書かないと届かないというふうに短絡に解釈すべきではないと思いますが、そういう風潮が現在あると思うんですがね。その点についてはどういう指導をなさっているんですか、郵政省にお尋ねいたします。
  168. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 郵便番号制度は、御承知のように昭和四十三年七月から実施いたしまして、国民の皆さん方に御理解と御協力を得るということで努力をしてまいったわけであります。それで、ただいまはほとんど九六%近いような記載率になっておりまして、国民の皆様の非常な御協力をいただいているものと感謝申し上げている次第であります。  そこで、郵便番号記載についての利用者の方々に対する周知宣伝というか、PRといいますか、そういうことにつきましては、毎年相当私どもとしても力を入れているわけであります。ただ、郵便番号制は、何というか、やはり国民の御理解と御協力によるという基本的な考え方でお願いしてまいっておりまして、書かなければ引き受けないとか、そういうことではございません。あくまで利用者の方々の自発的な御協力に待つということでございまして、周知に当たってはそういうことでまいっておりますが、先生指摘のような事例がありとすれば、職員が利用者の方々にお願いする気持ちが強い余り、思わず勇み足的なあるいは発言をしたのかと存じますが、そういう点は十分注意していきたいとこう考えております。
  169. 青島幸男

    ○青島幸男君 現在、郵便番号が記載されているのは九六%というふうに発表がされているわけですけれども、実際にそんな高い数字郵便番号が書かれているわけですか。
  170. 神山文男

    政府委員(神山文男君) ただいま九六%と申し上げましたが、これは毎年、普通通常郵便物につきましては七月に調査をいたしております。年賀郵便物については十二月に実施いたしております。たとえば五十二年七月、本年でございますが、その例では、郵便物の取り集め、配達を行っている郵便局は全国に五千七百五十局ありますが、そのうち約一割の五百七十一局につきまして、引き受け郵便物を無作為に抽出して調査するというやり方でやつでおります。毎年のこの数字でございますが、たとえば四十九年度が九五・五%、五十年が九五・九%、五十一年も九五・九%、大体九六%。五十二年度は九六%でございます。こういった経過をたどっているようでございます。
  171. 青島幸男

    ○青島幸男君 いまのお話ですと、それは年賀状についてですか。
  172. 神山文男

    政府委員(神山文男君) これは失礼しました。七月に行います普通通常郵便物についての調査結果でございます。
  173. 青島幸男

    ○青島幸男君 実際に親元からお子さんへ、あるいは子どもさんから親元へというようなケースの場合は、郵便番号もそらんじておられますから、余り苦もなく書けるのは当然だと思うのですけれども、ひんぱんに通信が行われない人への通信の場合、調べるのがわりあい繁雑なんですよね、この郵便番号簿で。利用者にそういう労力を強いているわけですね。だから、お願いするという姿勢が勇み足になって何となく強制的に、書かなきゃだめだよというふうになったとおっしゃられるわけですけれども、基本的にそういうお願いをするという立場はないとかえって広まらないじゃないか。むしろ書かなきゃ着かないよという強迫的と言ってはちょっと語弊がありますが、そういう何か高圧的な態度に出ている部分があるんではないか。  というのは、ある雑誌の調査ですけれども、実際にテストをいたしまして、郵便番号を書いた分と書かない分とに分けまして、試してやってみたというケースがあるんですよ。この個々の問題について微細に触れても当委員会としてはいたし方がございませんのでそういうことはしませんけれども、そういうテストが行われたという下地ですね、これはわりあい問題があると思うんですよ、私は。郵便番号を書けば早く通じます、書かなければ通じませんというような言い方がされるという風潮が、少なくともこの雑誌に、本当に番号を書くと早いのか、書かなきゃ遅いのかという調査をあえてさせたと思うんですよね。  ちなみに数字だけ申し上げますと、実際に書いてみて早かったのは約一割ぐらいしかない、この雑誌の調査によればですよ。東京に返信で来た部分については五%ぐらいしか変わらない。おかしなことに、書かない方が早く着いたのもあるというケースも出ているわけですね。  このことについて微に入り細にわたって言うつもりはありませんが、確かに私も実際に漢字であらわされました町名、県名などよりは、数字の方が記号としてずっと高い能率を持っておりますし、簡略化されて能率が上がることは確かですし、実際に郵便が区分けされたり、自動判別機ですか、選別機ですか、あれによって郵便物が選別されたりしているのを私、目撃いたしまして、あのことは実際に書く書かないことよりも、郵送すべき場所を数字という簡略化された記号であらわすことによった能率化を図るということの方に大きな重点があったわけですね。実際にそのことも十分承知しております。ですから、そのことを率直に利用者の皆さんにおっしゃることの方が訴える力が強いんじゃないかということを言いたかったわけです、きょうここまでお話し申し上げたのは。書かなきゃだめだよ、書くと早いよという言い方の方がそれはわかりやすいですね、確かに。しかし、そういう上意下達みたいなあり方の姿勢に問題があるんじゃないかと思うんです。  だから、記号として数字の方が簡略化ですから、郵便物は早く送達する、間違いがなくなりますので、その点を御理解の上御協力を仰ぎたいという本当のことを率直に言う協力の求め方の方がいいということを私は申し上げているのですけれども、その見解についてはどういうふうにお考えになりますか。
  174. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 郵便番号につきましては、当初制定をするとき、法律で義務化をするかあるいは利用者の自発的な御協力におまちするかという検討もいたしたわけでありますが、先生もおっしゃるように、皆様方の自発的な御協力にまった方がいいだろうということでこういった現在のやり方にしたわけでありますが、そういうことで大多数の皆様方には御理解いただいて、こういう高い記載率になっていると思うわけであります。郵便番号、おっしゃるように数字化するということによる作業の効率化ということもあるわけでございますし、そのほかにも郵便送達上の、われわれの方のこのやり方の上で工程を省略している面もあるわけです。たとえば静岡県の熱海とか沼津とか静岡とかいろいろ配達局がありますが、番号を記載していただきますと、たとえば東京中央郵便局からこの配達局の番号によって区分しますと、ストレートにその配達局に送られてそこで配達をされる。ところがこれが府県名というか所番地式の表示で番号がないとしますと、静岡県の中の配達局の分は静岡南局に送りまして、そこで県内の配達局にさらに区分をし直すというような余分というか、余分な工程が加わってくるというようなことで、やはり番号を書いていただくことによって総体的には非常なスピードアップになるということでございまして、その御調査の場合いろいろの数字があったということでございますが、番号を記入していただくことによって総体的には非常に効率化されている。したがって、わずかなパーセントの番号記載のない郵便物も非常に早く送られているという事実はあろうかと存じます。
  175. 青島幸男

    ○青島幸男君 郵便番号を記載することによって送達が能率化されるということを重々承知しての発言でございます。それで、私、冒頭申し上げましたことも関連してくるのですけれども、一般の方々郵政事業に対する信頼というのは相当わが国では厚いと思いますね。だからこそ三十四兆も集まりますし、郵便番号の記載も九六%に達する。こういうことはあんまりほかの国では考えられないようなことですね。それは大臣が先ほどおっしゃられましたように、百年の歴史の中で先人たちが培ってきた信頼だと思うのですね。そういうものを大事にしなきゃいけないという意味で、もう少し一般の貯金者の感情を配慮するような、利子の決定のあり方にしても郵便番号にしても、こういう皆さんに御協力を求めるような立場にいるときに、いままでの歴史を損なうようなあり方を少しでもしたら、歴史を覆すことになりやしないか。しかし、そういう配慮を十分の上に十分重ねていくことが郵政事業を発展させる一番大きな礎になると私は思いますし、その意味で、大臣大変熱意を入れていらっしゃる郵便貯金の直接利用者に対する還元の学資ローンですか、そのことにお骨折りになっていらっしゃるのだと思いますけれども、今後ますますそういう配慮を基本に置いて一般の事業をお進めいただくことを希望いたしまして、私、質問を終わりますけれども、もしお答えおありでしたら、一言でもお聞かせいただきたいというふうに思います。
  176. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十八分散会