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1977-10-25 第82回国会 参議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年十月二十五日(火曜日)    午前十時七分開会     —————————————    委員の異動  十月八日     辞任         補欠選任      中野  明君     宮崎 正義君  十月二十五日     辞任         補欠選任      宮崎 正義君     中野  明君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         栗原 俊夫君     理 事                 長田 裕二君                 西村 尚治君                 最上  進君                 案納  勝君     委 員                 小澤 太郎君                 郡  祐一君                 新谷寅三郎君                 高橋 圭三君                 前田佳都男君                茜ケ久保重光君                 大森  昭君                 中野  明君                 矢原 秀男君                 沓脱タケ子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣 小宮山重四郎君    政府委員        大蔵省主計局次        長        松下 康雄君        郵政大臣官房長  河野  弘君        郵政大臣官房電        気通信監理官   江上 貞利君        郵政大臣官房電        気通信監理官   神保 健二君        郵政省郵務局長  神山 文男君        郵政省貯金局長  高仲  優君        郵政省簡易保険        局長       佐藤 昭一君        郵政省電波監理        局長       平野 正雄君        郵政省人事局長  守住 有信君        郵政省経理局長  浅尾  宏君    事務局側        常任委員会専門        員        栗生澤喜典君    説明員        自治省行政局振        興課長      矢野  始君        日本電信電話公        社総裁      秋草 篤二君        日本電信電話公        社技術局長    前田 光治君        日本電信電話公        社営業局長    西井  昭君        日本電信電話公        社業務管理局長  川崎鋼次郎君        日本電信電話公        社計画局長    福富礼治郎君        日本電信電話公        社施設局長    長田 武彦君        日本電信電話公        社経理局長    小川  晃君        日本電信電話公        社データ通信本        部長       輿 寛次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (日本電信電話公社の第六次五ヵ年計画に関す  る件)  (郵便料金問題に関する件)  (郵便貯金進学ローンに関する件)  (郵便輸送等郵便事業に関する件)  (光通信システム実用化等に関する件)  (郵政省に係る行政改革・週休二日制・労使関  係問題に関する件)  (郵便貯金金利引き下げ問題に関する件)  (郵政審議会委員構成等に関する件)  (日本放送協会の受信料不払い問題に関する  件)  (テレビの難視聴対策に関する件)     —————————————
  2. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員の移動について御報告いたします。  去る八日、中野明君が委員辞任され、その補欠として宮崎正義君が選任されました。     —————————————
  3. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 案納勝

    案納勝君 いまから電電公社及び郵政省に対して、二、三の一般業務について質問をいたしたいと思います。  まず冒頭に、電電公社関係について質問に入りますので、よろしくお願いをいたします。  すでに五十一年、七十八国会電電公社料金値上げ可決をされまして、すでに一年を経過をしようとしています。さらに先ほどは、第六次五カ年計画についてその構想発表をされました。きわめて電電公社といいますか、電気通信事業にとって重大な時期だと思います。  そこで、以下質問をするのですが、まず、五十一年、七十八国会における公衆法可決の際の附帯決議の中に重要な柱が幾つかあります。その一つは、料金制度及び今後のサービスあり方、さらには今日の電気通信事業の置かれている現状、こういう面から基本問題を検討するために、総裁私的諮問機関を設置をすると、こういうことについて附帯決議の中に明らかにされております。公社の方では、それらについての取り組みがなされていると思います。  そこで、今日までのこの諮問委員会現状運営はどういうふうになっているのか。なかんずく、今回、第六次五カ年計画大綱が新聞で発表をされましたが、この大綱はこれらの諮問委員会論議を受けたものなのかどうか、この種の長期計画立案諮問委員会との関連をどういうふうに考えられておるのか、まずお答えをいただきたいと思います。
  5. 西井昭

    説明員西井昭君) お答え申し上げます。  ただいま先生からお話のございましたように、昨年の国会におきまして、料金改定を実施することができましたわけでございますが、公社といたしましては、そのときに御答弁申し上げましたとおり、五十一年から四年間は現在の料金水準を維持するように経営努力をしてまいりたい、こういうふうに御説明を申し上げたところでございますが、今回の六次五カ年計画におきましても、その趣旨にのっとりまして、経営努力によりましてできるだけ長期現行料金水準を維持したいと、このように考えておるところでございます。ただ、計画期の後半におきましては収支の悪化が見込まれますので、それらにつきましては、日本経済動向とも関連いたしますので、今後の収入動向を見きわめながら料金水準改定を行うかどうか検討をいたしたいと、このように考えている次第でございます。  で、ただいまお話しの諮問委員会につきましては、その料金問題に対しまして、諮問内容といたしまして三項目諮問委員会にお諮りをしておるところでございます。  内容は、御存じのとおり電信電話料金決定原則、これには福祉型の料金体系を含みます電信電話料金決定原則、それから電信電話サービスの基本的なあり方はいかにあるべきかと、それから第三番目といたしまして、国民のために開かれた電信電話事業とするためにはいかなる方策をとるべきかということについて、基本的な物の考え方を御審議をしていただいておるところでございますが、現在のところこのうちの一番目でございます電信電話料金決定原則につきまして、各先生方の御討論をいただきまして、現在、その内容諮問委員会において取りまとめをしていただいておるところでございます。二番目の電信電話サービスの基本的なあり方につきましては、これから御審議をいただく、こういう状態でございます。
  6. 案納勝

    案納勝君 時間もありませんから端的に答えていただきたいんですが、そうすると今回の第六次五カ年計画については、いま言う料金決定原則サービス基本的あり方及び電信電話事業のあるべき姿という基本的問題は諮問委員会にかけているけれども、第六次の五カ年計画そのものについて意見を聞いたと、あるいは論議をしたと、こういうことはやってないわけですね、この辺はどうですか。
  7. 西井昭

    説明員西井昭君) おっしゃるとおりでございます。
  8. 案納勝

    案納勝君 第六次五カ年計画大綱ですから、また中身については後ほど若干触れさせていただきますが、この第六次五カ年計画過程説明を概略受けた中では、いま言う料金問題等がさらに提起をされています。しかし、すでに経営形態問題等についても私は避けて通れない道筋にいまあるのではないか、こういうふうに考えます。なかんずく政府公共企業体等基本問題会議等ではスト権問題と絡んで経営形態等も議論されています。こういう問題等については、これはきわめて基本的な問題になります。これらについても、いうところのこの諮問委員会、こういう論議の場を通じて施策に生かしていく、あるいは電信電話事業というものについての将来像というものを明らかにしていくというのが、私は課せられた任務ではないかと思います。したがって、そういった経営形態、こういった問題も含めて、そういう形での諮問委員会運営あるいはあり方というものが、任務というのが私はあるのではないかと思います。  もう一回お尋ねをしますが、その運営について、そういった物の考え方諮問委員会運営されているかどうか、もう一回聞きます。
  9. 西井昭

    説明員西井昭君) お答えいたします。  おっしゃいますとおり、公社経営形態を含めた論議がなされておりますが、この諮問委員会電電公社総裁私的諮問機関ということでございまして、公社制度あるいは公衆電気通信法の基幹に触れますような基本的問題は、公社総裁答申を受けましてもいかんともしがたいような問題は、これはいまお話のございました基本問題会議の方で議論をしていただくというふうな考え方に立ちまして、したがって諮問委員会といたしましては、先ほど申しましたような三つの点につきまして、基本的な物の考え方というものを御審議をしていただいておる次第でございます。
  10. 案納勝

    案納勝君 それじゃ、これは総裁お尋ねをしますが、基本問題については私的諮問機関として三つの問題にしぼっています。経営形態等について、これは切り離して論議などというのは私はできない、やっぱり相互触れざるを得ないと思いますが、いま言う経営形態等については、政府公共企業体等基本問題会議、この場で論議を願っているというふうに御答弁がありました。  では、そのことを一応認めるとして、公社としてこの経営形態について、将来あるべき経営形態はどうあるべきか、こういうものについてのお考えをお持ちだと思いますが、どういうふうにお考えですか。
  11. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) この問題はすでに三木内閣当時から継続的に審議しまして、また、一年ほど前から新しくまた衣がえをしまして、基本問題会議と名前を変えて、三木内閣当時の答申の上に立ってまた一つの新しい構想で、政府で懸命にいま論議されている問題でございます。非常に重要な問題でございまして、われわれがここでかれこれ言う筋合いの問題じゃない、きわめて基本的な政策的な問題だと思っております。しかし、あえて電電公社で何か意見はあるかと、どうしても言えとおっしゃるならば、過去において米澤総裁、私、こういう席で所見を申し上げたことが持続されて、今日も、新しい総裁になりましても変わった考え方は持っておりませんということを御答弁申し上げるのが精いっぱいのところだと思っております。
  12. 案納勝

    案納勝君 わかりました。従来の考え方は変わっていない、こういうことについてよくわかりました。  そこでちょっともとへ返りますが、先ほどの質問をしたことに対する答弁の中ではっきりしないんですが、三つの基本問題について諮問委員会にかけているのだが、料金問題はいま検討を願っておって、さらにサービス基本的あり方等の問題はいまからだと、こういうわけです。  そこでお尋ねしますが、この第六次五カ年計画等こういう長期計画立案との関連なんです。これは、この第六次五カ年計画等については後ほど少し御説明いただくんですが、いまは触れません。いま論議をされている料金問題、サービスの基本的なあり方の問題やこの三点の問題というのは、六次計画、来年から五年間の計画が行われるわけです。そうしますと、この中にそういう諮問委員会答申をされているものが当然絡み合って生かされて計画が進められるということになってくるんじゃありませんか。そうすると、その関連はどういうことになってくるんですか。この諮問委員会結論というのは、それだけに相当急いで結論を出して生かしていくことにならなくちゃならぬと思いますが、大体どのくらいかかるものなんですか。いま公社として諮問委員会に諮問しているそのスピードといいますか、進行状態はどういうふうに把握されているか。重要な問題だけに、私は一年ぐらいで結論が出るものだ、こういうふうに考えておりますが、この関連も含めて。
  13. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) この委員会はりっぱな先生をいただきまして、非常に私たちの側面から見ているところでは精力的に進行していると思っています。ただいま、料金問題の原則的な点が終わったやに聞いて、まだ報告は大分後になりますけれども、非常に進行状況はよくいっておりますが、最初スタートするときに、一年ぐらいを目途にということで発足したのでございますが、正確に一年でなくても、多少数カ月延びることがあってもやむを得ないと思いますが、ただいまのところは一年程度で決着できる模様でございます。  そこで、御質問の五カ年計画、あるいは六次長期計画関連でございますけれども、これは関連がないということはありません。しかし、これは六次というものは目先の問題でありまして、この諮問委員会長期にわたる一つの基本的な原則を打ち立ててほしということでありますから、もし、この答申案が出まして、非常にこれは有効な意見としてわれわれがちょうだいしなければいけないということがあれば、長期計画に後でこれは慎重に審議して盛り込むということはあり得ること。したがいまして、目先の五カ年計画先生方に御披露して、これはいかがですかというのはちょっと的はずれな提案だと思っております。
  14. 案納勝

    案納勝君 わかりました。それじゃ、諮問委員会はきわめて基本的な問題に集中してもらって、第六次五カ年計画等は、公社の責任で進める過程でこの貴重な問題は取り入れていく、こういうふうに理解をしてよろしいわけですね。  次いで、やはり従来の附帯決議の中で重要な問題になり、論議の焦点になっておりました電報事業について。きわめて電報制度について多くの問題が提起をされている。しかし、これらの論議過程で、電報制度については存続はもちろん積極的な充実方向というものを求められています。新しいサービスを含めて、これらについて充実をする方向に求めるべきだ。今日まだ無電話集落や、あるいは架設できない低所得者層の家庭に対する不可欠な緊急通信手段として電報というものは位置づけられている。ある意味ではナショナルミニマムの重要な役割りを果たしているということが指摘をされております。  そこでお尋ねをしたいのは、八十国会で、この新しいサービス電報制度をさらに充実する方向ということで、八十国会の四月十二日のこの逓信委員会で、これらの電報制度のさらに充実方向について、私ども同僚議員から質問をされております。公社の方では川崎理事の方から、これらの具体的なサービスメールグラム等の問題も含めて検討中であり、夏ごろまでには成案を得たいという答弁がなされた。ところが、私がせんだって電電公社に、その後の電報制度についてどのような新しいサービスあるいは機構の充実、そういう積極的な施策をとっているのか資料を求めましたところが、新サービスの問題については現在その可能性を含めて検討を進めているところであります、なんて、全く実は答弁になっていないのです。この答弁書かれた方もですが、今回の質問に伴いまして資料を要求した内容でも、多くの点について実は不十分な答えばかりが公社資料になってまいっている。きわめて私は不満なんです。この辺について、第六次の中でどういうふうに対処されているのか。  その前に、夏ごろに成案を出されるというあれが、あれほど七十八国会論議をされてきた電報制度の問題について、言われるところの夏ごろの成果というのはどうなっているのか。それでなおかつ、まだ可能性検討しているというのは、一体どういうことになっているのか。この辺についてひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  15. 川崎鋼次郎

    説明員川崎鋼次郎君) ただいま御質問がございました新しいサービスの問題でございまして、大変御指摘のようにおくれておりまして申しわけないと思っております。具体的にはメールサービスメールグラム等の名称でアメリカまたはイギリス等において行われている新しいサービスでございますが、それにつきまして諸外国における実施状況と、それから日本においてそれが実施されるのが適当であるかどうかということについての検討がまだ不十分でございまして、鋭意関係方面において打ち合わせを進めている段階でございまして、大変おくれておりまして恐縮でございます。  なお、先ほど御質問もございましたような電報事業の効率的な運営その他に関しましては、第六次の大綱にもございますように、従来実施しておりましたいろいろな諸施策をさらに進めていきたいというふうに考えております。
  16. 案納勝

    案納勝君 川崎さんね、私は、少し答弁する場合にいいかげんに答弁をしないでいただきたいんです。四月の段階でも、八月ごろ成案はできますと、いま言われたようなことが答弁をされているんですね。議事録にきっちり載っている。しかも片山甚市君はこのことについて重ねて答弁を求めている。そういう答弁といまの答弁、全く同じなんですね。八月の成案ができなかったということならば、もっと詳細に、できなかった原因——八月に成案を得ます、夏ごろに成案を得ますということならば、それなりの見通し等を持って答弁をされた。いいかげんなそのときの場当たりの答弁じゃないはずだ。私はこういう、この委員会の中で質問を何とか糊塗していけば何とか済むんじゃないかというようなことではないと思いますがね、私はきわめていまのお答えを聞いていて問題があると思うんです。  そこで、私はこのことはきつく申し上げておきますが、六次の中で、いまいろいろ施策をしているやつを進めてという答弁がありましたが、「効率的運営に努め、その近代化を推進し、サービスの確保をはかる。」と、電報及び加入電信についてこういうふうに書かれている。いまの答弁ではわかりませんので、いろいろ進めている施策とは何なのか。効率的運営に努め、その近代化をはかるというのはどういうことを指しているのか。特に七十八国会公衆法審議過程で出てきた雇用労働問題との関係はどういうふうに対処しようとされているのか。それはもう先のことではありますが、これらについてもう少し具体的に説明をいただきたいと思います。
  17. 川崎鋼次郎

    説明員川崎鋼次郎君) ただいま御質問ございましたが、確かに夏ごろまでということで、大変約束が違いまして申しわけございませんが、何とかもうすぐ、十一月中にはこういったことが結論が出るようにいま検討いたしております。ですからいましばらくお待ちを願いたいと思います。  それから、次の効率的運営とかこの近代化という問題でございますが、御承知のように、最近の電報漸減傾向にあります。で、過去十年間におきまして、それが最盛期に比べますと十年間で半減をしたというような状況でございますので、こういった電報事業の効率的な運営をさらにしなきゃいけないということでございまして、たとえば一一五の統合をいたしております。各県にいままで約五百ぐらい局がございましたが、それを現在まで三百局ぐらいにいたしましたが、それをさらに業務状況の推移を見ながら集約していく。それから配達の問題につきましても、昼夜間とも電報の配達員を配置することなく、外部の人間に委託をしていくことをさらに推し進めていこう、こういうようなことを業務運営体制としては考えております。  なお、その際にいろんな、たとえば、緊急な電報につきましてはそれを特別に扱うような制度についてももう少し深く検討いたしたいというようなことも考えておるわけです。そういうようなことを含めまして、今後さらに能率化を図っていきたい。  それから、そういう問題に伴います要員の流動でございますが、それにつきましては営業業務というものがございます。たとえば、窓口におきまして、電報の受付の人が専任でおるところがございますが、そういった人には電話業務営業業務の方も同時に受け持ってもらう。そして、料金事務関係をやってもらうとか、または、場合によれば営業加入事務の仕事も手伝ってもらう、こういうようにいたしまして、電報部門営業部門との相互の服務というものを混合服務的にやっていくことも検討いたしたいというふうに考えております。
  18. 案納勝

    案納勝君 川崎さんね、要するにいま説明をされましたように、十一月ごろには結論を得たい、これは間違いはないでしょうね、今度は。  そこで、これは結局いま説明をされているのは、確かにこれは総裁御存じだと思いますが、料金値上げをして、なおかつ五十一年度の決算で一千百五十億の赤字電報はなっているわけですね。私は電電公社に、五十二年度の見通しはどうなんだと、五十一年度のこの一千百五十億の赤字電報の場合、電報制度の中に出てきている。収支率として幾ら、何%になるのか、どのくらいになるのだと、こう聞いたけれども、実は資料もさっぱり届けられていません。まことに不満です。  二、三の具体的な例というのは、それらを含めて積極的に電報制度を拡充していく、国民緊急通信手段として、あるいはナショナルミニマムとして重要な役割りを果たしているこの電報事業について、電報制度について制度そのものを廃止という方向でなく、縮小という方向でなくして、もっと積極的にサービスを強化をして、その上で充実をさせていくという方向で御検討されるというふうに私の方は伺っておいてよろしゅうございますか。その点はどうですか。
  19. 川崎鋼次郎

    説明員川崎鋼次郎君) ただいまの先生方向検討を進めております。やはり電報は非常に赤字事業ではございますが、一方におきまして電報でなければ用の足せないという方々がまだ相当おられますから、そういう人たちに便宜を図るという観点からも電報事業存続を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
  20. 案納勝

    案納勝君 それじゃ、十一月に成案ができることについて期待をいたしております。できましたらその資料を届けていただけますね、よろしゅうございますね。
  21. 川崎鋼次郎

    説明員川崎鋼次郎君) 承知いたしました。
  22. 案納勝

    案納勝君 次いで五十三年度の概計予算、これは五十二年度補正予算を含む、これらについて若干お尋ねをいたします。  五十二年度における収支動向並びに建設資金消化状況はどういうふうになっているのか。これは見通し、五十二年度の場合は見通ししか立てられないと思いますが、私がお手元にいただきました資料では計画実績、五十一年度はいいとして、五十二年度についての実績は一・四半期の実績が羅列されているだけで、私の要求したのは五十二年度の見通し、いまから見通ししてどの程度、どういうことになると予想されるのかということについてお尋ねをしたのですが、それが明らかにされていませんので、この辺について、電話等販売状況、需要の動向、さらには建設計画消化状況及び契約の現状等、あわせてひとつ御答弁をいただきたい。
  23. 小川晃

    説明員小川晃君) 最初に収入動向についてお答え申し上げます。  五十二年度の収入につきましては、九月までの速報で見てみますと、速報でございますので若干またあと細かい数が変わるかもしれませんが、全体の予算に対する九月までの私ども予定収入といたしまして一兆六千九百五十二億を予定いたしております。これに対しまして約九十億ばかりの減収ということになっておりまして、比率にいたしますと全体の〇・五%の減収ということになっております。  本年四月から基本料が六%上がりまして、おおむね料金改定は本年度はフルにかかるわけでございますが、そういう料金改定の結果というものにつきましては、大体私どもが値上げのときに想定しましたような収入という形になっております。若干新規の申し込みが落ちておるというようなことから、販売が、予定数が若干落ちておるというようなことからこの程度、〇・五%程度の減収ということになっているというふうに考えております。今後の景気の動向いかんにもよりますが、景気が私どもこういった形でしばらくは推移するんじゃないかというふうに思っております。大体〇・五%程度落ちるというふうに考えております。
  24. 案納勝

  25. 長田武彦

    説明員長田武彦君) お答えいたします。本年度の建設勘定工事の予算現額といたしましては約一兆七千億円でございます。これには前年度の繰り越しを含めまして約一兆七千億というのが当初予算でございますが、これに対しまして九月末で一兆三千九百億円の契約を達成をいたしました。これは公共事業の施行の促進についての方針に沿いまして予定いたしましたとおりの進捗率でございまして、八一・四%ということに相なります。  なお、支出につきましても約七千六百億と支出は出ておりまして、大体順調に推移しておりますというふうに考えております。
  26. 案納勝

    案納勝君 わかりました。  そこで実はお尋ねをしますが、五十一年度の一般加入電話、仮に例をとってみますと、計画では二百六十万、ところが実績では百九十九万四千となっております。約六十万ぐらい減っておりますね。五十二年度では二百二十万、これは五十一年度の計画より計画そのものが下回っておる。五次五カ年計画の一番最後の年、積滞解消を旗印にして、実は五十二年度で、この五十二年度の二百二十万の一般加入電話が、もう一回ここでお尋ねをするのは、そのまま計画どおり実施されると、実行できるという見通しをいまお持ちになっておるのか、この辺についてまずお伺いします。
  27. 川崎鋼次郎

    説明員川崎鋼次郎君) お答えします。  最近までの速報によりますと、八月末でございますが、販売の状況が五十八万でございます。したがいまして、このままで推移いたしますれば、二百二十万はあるいは達成に対しまして不安がございます。しかしながら、今後の政府の景気対策による需要の増加ということも考えますと、ぜひとも年間の販売数を二百二十万は達成したいというふうに考えております。
  28. 案納勝

    案納勝君 総裁ね、私が心配をするのは、五十一年度ですでに一般加入電話については計画を下回る。プッシュホン、ビジネスホン、ホームテレホン、親子電話、福祉用電話、テレックス、こう各建設計画計画を見てみますと、事実上目標を上回っているのはビジネスホンぐらいであります。加入電話のみならず、プッシュホンやあるいはホームテレホン等、いままで公社が積極的に売り込んでいるこれらについては計画をすべて下回っている。この推移は、五十二年度計画そのものを加入電話については下げ、そうしてその他の計画については若干の上回った目標を立てたとしても、この状況というのはそのまま一・四半期の場合を考えた場合に推移をしているやに私は考えられるのであります。これは私は見通して大変重要な問題だと思うんです。  これは単にこの目標が大きく下回ったというだけでなくて、建設計画にも直接、建設資金の面で大きく影響をしてくる可能性を持っているんじゃないでしょうか。たとえば、加入債券、設備料等で仮に五十万減となった場合は、一千億円の収入減となってこれがはね返ってくるということになりゃしませんか。これらの推移を見たときに、実は果たして五十三年度三兆六千三百五十六億円の、これは概形予算でありますが、この収入達成について確信を持っておられるのかどうか、実はきわめて心配をするわけであります。  この辺の見通しについて、一般の経済動向、特に五十二年度補正予算においては、昨日通りましたが、五十三年度計画の前倒しと言われていますが、そうなると、そういった収入達成についてのきわめて問題を抱えながらも、五十二年度の補正予算で五十三年度予算を前倒していく、こういうことになると、五十三年度の予算の中に財政上欠陥が生じてきて、しかも前倒しに伴う関連企業を含めて急激な影響が関連企業に出てくる結果になってきやしないのか、こういう点について、一般の経済動向等を踏まえて、今後のこれらの問題についての見通しというのをどういうふうに電電公社として確信を持っておられるのかというところについて、実は大変疑問を持っているわけです。この辺についても明快にひとつお答えをいただきたいんです。
  29. 小川晃

    説明員小川晃君) お答えいたします。  現在の景気一般の停滞に伴います申し込みの停滞ということを考慮いたしまして、五十三年度予算概算要求では、五十二年度では二百二十万加入の予定でございますが、これよりも四十万少ない百八十万加入というふうに計画数を落としてございます。一方、建設規模につきましては維持改良投資等の増加も考慮いたしまして、本年度と大体同額の一兆六千二百億程度計画しておりまして、その資金調達につきましては加入電話の増設数の減少というようなこともございます。債券あるいは設備料、こういったものの収入も減少してまいりました。また、事業収入の伸びも下がってまいりましたが、できるだけ増収に努めまして、収支差額も建設投資に投入するという形におきまして経営努力をし、かつ不足分は財政投融資特別債などで所要資金を確保するという計画をいたしております。
  30. 案納勝

    案納勝君 計画をいたされているのは結構なんですよ。いま私が言ったように、現実的に五十一年度の実績と、要するに計画実績の落ち込み、五十二年度についても。そういう落ち込みがしてくると、せっかく立ててある建設計画建設資金そのものについて欠陥が出てきやしませんかと、今後の経済変動その他もあるけれども。それで、しかも五十二年度の補正予算で前倒しをやっていったというような問題もあわせて、いよいよふん詰まり、五十三年度の実行段階できわめて重大なそれらの問題についても問題が出てきやしませんか、これについて確信がありますかと、こう聞いているわけです。  計画を立てていますということじゃない。計画、わかっておりますよ。こういう現実の動きについて、現実に皆さんが売っている商品、こういう営業活動の中で、実績はきわめて目標を下回ってきている、五十一年、五十二年。こういうものについて、どういうふうに確信持ってこの五十三年度三兆六千三百五十六億円の収入達成というものを確信持っておられるのか、計画じゃなくて。その辺についてもう少し聞かしていただきたい。
  31. 小川晃

    説明員小川晃君) お答えいたします。  一つは補正の要素がございますが、前倒しということで五百億、それに債務負担行為で百五十億を計画してございますが、来年度につきましては、先ほど申し上げましたように、今回の補正ではサービス工程はございませんので、百八十万加入、四十万落としましたものを大体実行できるというふうに考えておりますし、一方事業収入の方におきましても、三兆六千億、これは本年度と比べまして六・七%程度の伸びでございまして、大体私どもとしては確保できるというふうに考えております。
  32. 案納勝

    案納勝君 この点は議事録にとどめさしておきます。ぜひひとつそういう五十一年度、五十二年度の実績計画等についての見通しを、私、きわめて危惧の念を持っていますが、この営業活動等を通じてさらに営業部門の働いている人たちに対するしわ寄せやその他がないように、十分に今後も御配慮をいただきたいと思っております。  そこで次に移りますが、データ通信について少しく御見解をお聞かせをいただきたいと思います。  五十三年度では、データ通信の計画は五十二年度に比較しまして一システム減であります。公社のデータ通信は収支も悪く、きわめて民間との市場競争に苦しい立場にあると聞いています。これは六次にも関連をしますから、現在公社のデータ通信システムの現状としては、販売・在庫管理がユーザーで九百十、端末で三千三十七、科学技術計算でユーザーが八百六十八、端末で三千三十四、その他各種システム三十五、こういうふうに現状を私は理解をしております。五十二年度末、五次五カ年計画に予測した計算からいくと、この目標をきわめて大きく下回っているというのが現状のように私は理解します。  そこでお聞きをいたしますが、民間情報処理業との関連について、この今後のデータ通信システム、データ通信のシステムを進める場合にどのような現状に今日置かれているのか。なぜ五十二年度、五次五カ年計画に予想した計画というのが実際にそのとおり実行されずに、目標を結果的に大きく下回っているのか。その原因はどこにあるのか、ひとつ明らかにしていただきたい。
  33. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のデータ通信の現状につきましては、確かに第五次五カ年計画に比べますと下回っております。これはいろんな事情があるかと思いますが、私はやはり一番大きいのはこの景気の低迷と申しますか、そういった社会活動が不振になったための減であろうかと思います。  もう一つは、やはりいろいろ最近の技術の進歩によりまして、ミニコンその他のいわゆるオフィスコンピューターというのが安くなった、そういったものによってかなりな影響を受けた。  第三にはやはり外資系のいろいろ進出がございまして、そういったものによってわれわれの予想より下回った。言うならばいろいろなそういったものとの競合におきまして見通しが狂ったということでございます。  今後どうするかという問題でございますが、公社は、このデータ通信を始めましてから、もう方針といたしましては、公共的なものあるいは全国的なもの、あるいは技術先導的なものというようなことを三つの柱といたしまして進めてまいりました。この方針は今後も変えるつもりはございません。また民間との競合につきましては、これは選ぶのはユーザーさんでありますから、こういった意味では競争はできませんわけで、やはりこれは民間と同じように安くてよいサービスを提供するしかございません。こういった面におきまして、現在は確かに予想は下回っておりますが、今後につきましては、われわれといたしましては精いっぱい努力をいたしまして、技術革新を進めますと同時に、いろいろな意味におきまして合理化を図り、あるいは販売を拡張いたしまして、何とかデータ通信を発展させていきたいと考えておるわけでございます。
  34. 案納勝

    案納勝君 私は、これはもう一回郵政省も含めて御答弁いただきたいのですが、いま国内においても民間との競合というのはきわめて重要な問題になっております。ましてやコンピューターの自由化に伴って、外資の上陸が相次いでいます。国際的にも国際間のデータ通信は、KDDの場合でも問題になっております。SITAあるいは国際為替交換システム、これは現実の問題になっております。コンピューターの自由化に伴います国際的データ通信の進出がますます活発になってきますし、TSSを含めて最近の外資の上陸が続いてくるという中で、今後の対処がきわめてむずかしくなってくることはもう火を見るより明らかであります。  ただ私がここで心配をするのは、これらのデータ通信網をだれが所有し運営をするか、これが大きな問題ではないだろうかと、こういうふうに思うんです。これらは既存の公衆電気通信という電電公社の通信網あるいは電電公社事業そのものについて、今後どのように影響してくるものか、与えていくのか、実は私もまだはっきり確信を持っているわけではありませんし、見通しを立てているわけではありません。素人ですからよくわかりかねているところであります。その結果、公衆電気通信事業というものが、このデータ通信のこういういま申し上げた国際的なデータ通信、外資の上陸あるいは民間企業とのそれぞれの競合の中で、選ぶのはユーザーでありますから、いまのままでどんどん進んでいきますと、回線貸し業化してしまうのではないだろうか、電電公社というものは。そういうふうに通信網自体が、電電公社自身がもう回線貸し業化してしまって、その通信網自体はコンピューターメーカーのネットワークの中に置かれてしまうという結果が私はこの今後の推移の中に出てきやしないのか、こういうふうに実は大変危惧するわけであります。  データ通信が、ただ企業間のものだけやっておればよいという、今後そういう状態にならないと思います。きわめて重大な政治経済のかかわるもの、こういうものも直接そういったデータ通信の中で生かされてくる。そういう状態になってくると、単にこのデータ通信というものについてはいまのような状態をそのまま放置をしていい、電電公社の要するに公衆電気通信網というのが、電電公社自身が貸し回線業だけの役割りだけでいいということには私はならないんじゃないだろうか。最も恐れるのは、通信網がコンピューターメーカーのネットワークの中にはさみ込まれてしまうという結果を招いたときどうなるのか、これらについての法的規制という問題も必要になってくるのではないだろうか。こういうふうに実は今後のデータ通信の問題について、私も素人ですからよくわかりませんが、危惧の念を持たざるを得ないのであります。  こういう点について、ひとつ公社側及び郵政省として、これらについてはこれからどういうふうに指導しようとするのか。この政策というのはしっかり持っておられるのか、国際電電のKDDの場合とも関連をします。この辺をひとつ明らかにしていただけたら幸せだと思います。
  35. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  ただいまの御指摘は、まことに重大な問題でございます。われわれといたしましても、やはり今後のデータ通信の将来を考えます場合に、公社が単なる回線貸し業になってはならないと考えております。しかしその場合に、選びますのはやはりユーザーでございますから、先ほども申したように、何とかわれわれといたしましては、そういったお客様のニーズにたえられるようなサービスをすることが第一であろうかと思います。  まず、公社といたしましては、従来からやっております原則は先ほど申しましたけれども、具体的に申しますと、第一が公衆データ通信サービスであります。これは販売・在庫管理と科学技術計算とございますが、こういった形でいままでコンピューターがお持ちになれないような主として中小企業さんのような方々を対象にいたしまして、全国的にコンピューターを普及したいということでございまして、これはいままでどおりぜひやってまいりたいと思います。  第二の問題は、いわゆるナショナルプロジェクト関連システムございまして、現在でも運輸省の自動車車検登録でありますとか、気象庁の地域気象観測でありますとかいろいろやっておりますが、これはいずれも全国的な規模のネットワークを利用いたしましたいわゆるナショナルプロジェクト関連のシステムございまして、これはやはり公社でなければできないものと考えております。これにつきましては今後もさらに進めていきたいと考えております。  第三は、やはりこういったものを考えましても、やはり個々のコンピューターのシステム自体は民間と競合することはやむを得ませんが、公社といたしましては、やはり公社の持っておる技術力と現在持っておる大きな回線網というものを最大限に生かしたシステムにしていきたいと考えております。  したがいまして、その前提といたしまして、現在研究開発中ございますが、ディジタル・データ・ネットワークといったものをつくりまして、これがいわゆるデータ通信に最も適した高品質で安価なシステムございますが、こういったものをできるだけ早く実現したい。こういうものを使いまして、先ほど申したような全国的なサービスを普及したいと考えております。  そういったことで、われわれといたしましてはいろいろな点、これからむずかしい点もあろうかと思いますが、全力を尽くしましてこういった点で解決したいと考えておる次第でございます。
  36. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 先生指摘の将来いわゆる回線業ということにとどまるか、とどまらないかという意味での御懸念でございますが、確かに外国の例を見ました場合に、いわゆるコモンキャリアと称するものにデータ通信への参入をさせていない国もございます。日本の場合はデータ通信の端末を開放いたしましてこれを可能といたしました場合に、コモンキャリアそれ自体がデータ通信業を行うということを認めまして、現在の技術力を見ました場合に、電電公社は一番高いレベルの技術を持っておる集団の一つでございますし、同時に、コンピューターの技術のみならず電気通信の技術そのものも大変に高度なものを持っておるわけでございます。そういう意味で、この豊富な経験と技術力を活用いたしましてデータ通信サービスを提供していくということが、わが国におきます今後のデータ通信の普及のためにもきわめて有意義なことだというふうに考えておるわけでございます。  ただ、民間との競合あるいは国際間の競合ということになりますと、何と申しましても、やはりいいものあるいは廉価なものを提供できるということが必要だというふうに存じます。その意味で、ただいま公社から御答弁がありましたように、現在の段階では電電公社も十分に努力をしているところだと存じますし、私どもとしても期待をいたしている次第でございます。
  37. 案納勝

    案納勝君 IBMシステムあたりががあっと入ってきたときに、果たしていま電電公社、太刀打ちしていけるですか。  私が一番心配するのは、企業間のデータ通信、企業間のものだけやっておればいいという段階じゃなくなってくる。政治経済にかかわるものが出てくるだけに、それは国際的なデータ通信も含めて、だれが所有をしていくのか、あるいは運営するかということ、きわめて重大な問題だと私は思っているんです。巨大な資本が上陸をしてくる場合に、いまの電電公社、それは世界に最たる技術を持ち、あるいは世界有数の、いや最高の体制を持っておられる電電公社でしょうが、そういう場合に、いまのような状態で、いま言われた、答弁されたようなことで対処できるのかどうか、この辺についてはどうなんですか。
  38. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のございました主としてIBMでございますが、そういった外資系の脅威といいますか、影響は非常に大きいものがあると存じます。これにつきましては、先ほども申し上げましたように、われわれとしても何としても対抗していかなきゃならないわけでございまして、第一がやはり技術の開発でございます。これはすでにわれわれといたしましても、通信研究所及び関係メーカーとも協力いたしましてDIPSというようなコンピューターをつくっておりますが、こういったものの改善にはさらに努めていきたい。あるいは現在研究開発中の超しSI等を使いましたやはり最もコストパフォーマンスのよい、優秀なコンピューターをつくっていくことが必要だと思います。それから端末につきましても同様でございまして、いずれにしてもそういった意味の技術開発を最高に発揮してやっていく必要があると思います。  第二には、やはり先ほど申しましたネットワークを生かした、公社でなければできないサービスといいますか、いろいろ日本の国情に合ったきめの細かいサービスが必要であろうかと思います。そして、これをやっぱり選ぶのはユーザーでございますけれども、われわれとしては品質並びに価格において何とか対抗していける自信がございます。  以上でございます。
  39. 案納勝

    案納勝君 これは時間の関係がありますから、また次回にでもさらに御意見を承っていきたいと思います。  そこで、第六次計画について若干の点について質問いたします。第六次の五カ年計画大綱だけであります。そこで、もっとこれはさらに充実されてくるものだと思いますが、二、三質問をいたします。  第一点は、この第六次のポイントはどこにあるのか。確かにいま諮問委員会等で基本問題をやっているけれども、公衆電気通信事業の将来像というものの中に、この第六次計画というものも一定の位置づけの上で行われていると理解をします。  なかんずく第五次までで積滞解消、第六次でさらには区域外への拡大、そして新規需要はテレビじゃありませんが、カラーテレビじゃありませんが、ほぼ電話は全国民に行き渡ってくる。そうするとポスト電話という段階を迎える。データ通信やその他のさまざまな新しい技術革新でどんどん新しい技術が開発されてきます。そういう状態が私はこの第六次の中に一定のものが生かされながら将来像というものを描きながら計画を出されなくてはならないのではないかというふうに理解をしております。  そういう面を考えながら、実はこの第六次というものはどこにポイントを置いて出されているのか、将来像との関係をどういうふうに考え、出されているのか、明確にひとつお答え願いたい。
  40. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  確かに先生のおっしゃいました積滞の解消、あるいはまた全国の電話をダイヤル化するということは五十二年と、五十三年一部かかりますが、ほぼ終了いたします。それでございますから、電気通信の将来像ということを考えますときには、非常にいまわが国の置かれております経済の動向、社会情勢の変化というようなことによりまして、大きくいろいろ将来の状況というようなものが的確にどうかということはなかなかむずかしいわけでございますが、長期的に考えますと、やはり安定した社会、充実した国民生活というような観点に寄与する電気通信の役目は非常に大きいものと思っております。  それで、電話におきましても、確かにかなり普及いたしましたが、まだアメリカ等と比較しましても、普及率という点から考えますとまだ格差がございます。順次、一家庭の電話から個人へというような形にさらに普及が進展していくものと考えられます。また、技術的に考えますと、先ほども言いましたように、超LSTとか、あるいはまた光ファイバー通信とかというようなことを考えていきますと非常に飛躍的な進歩が期待されると考えております。それで、いままでの電話だけの音声通信に加えまして、データ通信とかあるいはまた画像通信、さらにはテレビ電話というような形へも発展していくものと期待されております。しかし、そういう観点に立ちながら、六次の計画という点におきましては、ちょうど五次おきまして積滞がようやく解消した段階でございます。再びまた積滞が生ずるというようなことのないようにすることが第一でございまして、また年々電話の移転というようなものがふえております。これは国民の方々の移動というようなものに、あるいは都市から郊外への移動というようなものにつれまして移転の申し込みが増加しております。そういうようなものに常に応ぜられる体制を維持していくということが第一でございます。そういたしませんと再び積滞が生じてくる。  それからもう一つは、年々通話呼量というものがふえております。それに対して、これは電話というのはいつでもかかってまいるわけでございますので、それに応じていく。もしその体制がおくれますと通話の混乱とか、混雑現象等が起こってまいります。そういうことのないように巨大な通信網を維持していくということが第一でございます。  次に、いままでの計画の中において、やはり電気通信設備の整備のおくれた地域がございます。過疎地減等において、設備のおくれた地域においてやはりサービスの改善を図っていきたいということでございます。  第二に、積滞を非常に抱えておりましたものですから、非常に黒電話と言われた本電話機をつけるということに精いっぱいでございました。積滞が解消いたしましたので、諸外国に見られるような多様化したいろいろな各種電話サービスの普及を積極的に進めていきたいと考えております。そしてまた社会福祉の向上に寄与する電話の充実にも努めたいと考えております。  それから電話のポストテレホンというお話がございましたが、確かに先ほど申し上げましたように、長期的にながめますと、音声から視覚へというようなこと、通信においても行われていくと思います。そういうことに関しますファクスを中心にいたしました画像通信というようなものにつきましても積極的に進めていきたい。また画像のみならず、先ほどもありましたようなデータ通信の拡充開発を積極的に進めること、そういうことを含めまして、この巨大になりました電気通信網が社会の不安を起こすことのないように、非常災害等におきおきます問題点につきましても十分な施策を進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
  41. 案納勝

    案納勝君 どうも羅列されていまして、いま言われたようなことは書いてあるんです。私は総合して、どこに一番中心を置いているのかと聞きたかった。これは改めて出てくるでしょうから、時間の関係がありますので、引き続いてやることにします。  そこでもう一点お尋ねをします。この第六次というのは、この計画の根拠、要するに投資規模九兆円、五年間での収支見込み、黒字が六千四十億、こういうふうに提起をされています。収入が二十兆二千四百十億、こういうふうに提起をされていますが、この第六次五カ年計画は、私は現行の政府長期計画である五十年代前期経済計画、五十一年から五十五年まで、基本として積み上げられたものというふうに理解をします。間違いないですね。この中に電気通信関係の投資額は名目価額で九兆円と、こういうふうにある。しかし前期経済計画策定後、去年の五月以後、政府経済面においての情勢の変化によってその抜本的見直しが今日必至と言われています。これを今後五年間にわたって第六次計画の基本に据えるということについて、実は大変、全く妥当性を欠くと言わざるを得ないんじゃないか、こういうふうに私は理解をするんです。先ほど幾つか説明をされましたデータ通信の現状などを考えても、この計画の根拠というものについて、私はきわめてあいまいだと思う。この辺はどういうふうに理解をされて第六次計画を策定をしたのか、どうしてこういう数字が出てきたのか、この点が第一点。  第二点は、先ほど言いましたように六次計画では五年間の収支見込みを収支差額として六千四十億円の黒字を見ています。ところが計画後半には収入の悪化が予想されるので、その推移を見て、料金体系の合理化を含めてその対策について引き続き慎重に検討するということなんです。ここあたりがよく理解できないんです。したがって、このことは経済情勢いかんによっては料金値上げ考えておりますよと、こういうことをはっきり言っているわけですね。さっき申し上げましたように、第六次五カ年計画政府の五十年代前期経済計画を基礎にしているが、この経済計画自体崩れて見直しをやる、そういう中で出されてきた第六次計画、そして中には経済変動により料金値上げもと、こういうふうに考え提起をされている。私はこれらの中で、経済情勢の影響を最も大きく受けるであろう物価、人件費の水準を、この六次計画収入見込みでどのように見てこういうのが策定をされたのか、この辺の二点について、この策定に当たっての基本的な根拠といいますか、それらについての考え方はどこに置いてなされて、いま言う物価あるいは人件費の水準というものをどういうふうに見通しを立てて、収入見込みはどのように考えた上でこれらのものが提起をされているのか、実はその辺を簡潔に答えていただきたい。
  42. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) 確かに先生のおっしゃったように、これからの取り巻く環境等非常にむずかしい点がございます。  まず最初に、国の経済計画との関連でございますが、この五十年代前期経済計画に書かれております、住宅電話を中心とした電話の一層の普及を図り、五十二年度末に電話の積滞を全国的規模において解消するというようなことが書かれておりますが、これはこのとおり進んでおります。また、データ通信、画像通信等の開発拡充及び信頼性の高い全国的な通信網の形成を推進するということも言われております。これもそういう点におきましては、五十年代前期経済計画と私どもの六次計画というようなものはほぼ一致しているというふうに考えているわけでございます。  ただし、この経済成長その他につきまして、いま先生のおっしゃいました収入動向というような点は、これは私どもの従来の推移というようなものをもとにいたしましてつくっておりまして、それは非常にむずかしゅうございます。これからの変動要素というようなものがどのような形に推移するかというのは非常にむずかしゅうございますが、従来の私ども収入動向というようなものとの推移を見まして、それらのある意味におきます外挿法をとりまして推測しているわけでございまして、直接この国の経済計画とじかに一対一で決まるというような形ではございません。そういう形で従来の経緯のもとを推測いたしましてやっているわけでございます。  そういたしますと、先ほど営業局長の方からも言いましたように、その推移を見ていきますと、五十四年、五年ぐらいは何とかこれは収支はもつようでございますが、単年度におきましてそれ以降はむずかしい問題も生じてくるのではないかと思っております。しかし、これも今後の私ども経営努力並びに景気変動等によりますもので、いまの段階でなかなかむずかしいわけでございます。  それからまた料金の合理化につきましては、前国会にも指摘を受けました遠近問題並びに各種のサービス問題を含めまして合理化を検討していきたい、それにつきましては、いまここの段階料金値上げがどうというようなことまで申し上げる段階ではちょっとないのではないかと、こう考えている次第でございます。
  43. 案納勝

    案納勝君 私の質問が多分よくなかったのかどうかわかりませんが、実はなかなかよくわからない。  もう一回お聞きしますが、この五十年代前期経済計画は五十五年まで、それで立てられた六次計画は五十七年まで、これを基本に据えてきたが、場合によっては途中で料金改定をします、こういうふうにして、黒字は出ますが、料金改定をと、こう提起をしておる、この辺のお考え方もいまの説明ではよくわからない。それで、なおかつ、経済情勢の変化を大きく受けるであろう物価や人件費等の水準について、この五年間を見通してどういうふうに収入見込みの中に見てきたのかということについてもいまの答弁でははっきりしない。だから、これ以上聞いても、私は実は時間もあんまりありませんからあれですが、これは今後の残された問題、課題として保留をしておきたいと思います。いずれ公社から詳細にわたって第六次計画については説明があるものかと思いますから。  もう一点だけ聞いておきます、六次に関連をして。  電話の積滞解消後の第六次計画中における加入電話増設目標が七百八十万で、第五次の五カ年計画の千五百三十万に対して大幅に今回は縮小をしています。ここが大事なところですが、このように長期的拡大を第一義としてきた従来の経営目標が転換をされるわけであります。これに対して、公社が従来の、いまのような経営体制のままということにはいけないだろうと思います。したがって、これに対応する経営体制上または労務管理上新しい対応を迫られてくると私は考えます。これに対して公社はどのように対処しようとしているのか。今日の経済情勢では雇用問題が中心であります。関連企業に対する問題もあります。きわめて重大な問題であります。さらには区域拡大は地域住民のサービス向上になりますが、あわせて労働者に対する影響もはかり知れません。こういう中で、ナショナルミニマムというものをどう貫いていくのかということもきわめて重大であります。そういうものを含めまして、公社はどういうふうに対処をしていこうとするのか。この転換に対してどう考えているのか。経営体制上または労務管理上きわめて重大な対応を迫られているという今日の課題に対してどうしていくのか。これはひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
  44. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 先生のおっしゃるとおり、公社は第六次に入りまして大きな転換期に入っておることは私たちも十分理解しております。電話事業のようなサービス事業は、電力・ガスと同じふうに、国民の方々にあまねく普及して、いつでも要望にこたえられるという形がとれるのが理想的なものでありまして、そういう意味から言えば、ようやく二十五年、まあ二十年というか、長い間懸命に増設に励みまして、一応積滞は解消するという段階になったわけでございまして、したがいまして、今後は私たちは、建設投資というべきか、加入者の増加というものは往年のように、一時は三百万もつけた年もございますが、そういう大きなペースで飛ばすということは期待もしていないし、またそれで結構だと私は思っております。それによって電電公社が困るということはあり得ないわけでございまして、要は、私ども事業サービス事業でありますから、三千五百万とか四千万とかいう加入者、これは財産でございます。この方々に対して完璧なサービスを、そしてより安い料金で提供するということができれば、私はそれでもう理想だと思っております。そういうことの転換期にことし、来年になってついに到達した。先進国の、欧米のスウェーデン、カナダ、英、米国等もやはり初めっから積滞がなかったわけじゃないわけでございまして、二十五年、三十年前にはこうした積滞を通り越えていまりっぱな事業をやっておるわけでございます。そういう新しいステージに立ったということが一つ大きな転換だと思っております。  そこで、今後は大きな幅で飛ばすということはありませんから、したがって要員の増加ということは前よりはずっと減ってまいります。まあしかし、百万とか百五十万という増設は、日本経済がステディに動く以上は、国民所得もステディに増加する以上は、じわじわとふえてまいります。こういうことの増設はございますけれども、前のように最低一五%、二五%も年間増加するというようなことはもう期待することはできない。そういうステージに立ったのでありますから、これは要員の増加というものは前のようなことはございません。ただ、いま先生がおっしゃった、まだまだやらなくちゃならぬ、増加ではなくて、過疎地の僻地、離島、こういうところに対する電話はまだまだ不十分でございまして、こういうものを四、五年間全力を挙げて便利なものにするという大きな問題も残されております。  それから過去において、十年ほど前に農業電話というものを考えまして、これが国民の皆さんに非常に受けたわけでございますが、これも時代の趨勢とともに、もっと高いレベルの利用度の便利な一般電話にかえてほしいという要望が相当ふえております。これもことしは大臣の御忠告によって一挙に予算要求もふやしまして、二十万の一般電話に切りかえることにしておりまして、これも四、五年のうちにはおおむね大体完了すると思っております。  こういうものもございますし、それから先ほど計画部長も申しましたけれども、増設に懸命に追われた結果、古い機械、ストロージャーとかそういう機械がいまだに比較的利用度の高いお客さんに残されておる、大都市あるいは中都市の中心部に残されておる。こういうものも急いで早く新しい機械に取りかえてやるという、この仕事も相当ございます。  なお、架設の問題はかなり平常に戻りましたけれども、今後は家のあるところ電話ありということでございますから、移転が非常に多くなりました。電話の増設よりも移転の方が多くなるということは、これはもう先進国の常識でございまして、ことしあたりは百五十万を計画しておりますけれども、あるいはそれ以上になるかもしれない。移転というものが非常に多くなっております。ですから、架設については申し込めばすぐつく電話ということになりましたけれども、移転はちょっと待ってもらいたいというようなことはこれは許されないことでございますので、そういう仕事はまだまだたくさんございます。今後は、要は大事なたくさんの加入者を第一に置いて、この方々によりよいサービスを常に提供するという大きな仕事、これを持ちこたえるということも大変なことでございまして、こういうふうな大きな転換になってきていると概括的には申すことができると思います。  以上、ちょっと感想を申し述べました。
  45. 案納勝

    案納勝君 時間の関係で途中ではしょることになりましたが、これは引き続きまた説明を求めたりなどしていきたいと思います。  ただ、最後にお願いをしておきたい、苦言を呈しておきたいんですが、せんだってから資料をもらいましたが、実は中身について、求めたとおりの資料を正確に、実は意思が通じなかったかどうかはわかりませんが、出されていません。大変不満なんです。また、きょうの答弁でも、昨日、それなりに質問の趣旨は伝えておきました。答弁の方で端的に答弁をしてもらえないと時間ばかりかかる。これは七十九国会でも公社関係はそういうことが大変私は多かったと思います。ぜひひとつ今後資料要求等については正確な資料を整備して出してもらうように特段の要請をしておきたいと思います。  電通関係については引き続いて残っている問題も含めまして次回に回しまして、郵政関係に移ります。電通関係の方、結構です。  大臣にお尋ねをします。すでに五十三年度の概計要求も出されています。さらには五十一年度決算では予想を上回る黒字経営であります。新聞等によれば、郵政省等の筋として、五十三年度については料金値上げについては回避できる、値上げはしない、こういうふうに新聞等で報ぜられている。ところが、またそぞろ他の新聞等では最近になって公共料金目白押し、来年度予算は値上げ型、これは大蔵省。郵便については累積赤字が五十一年度末で一千八百五十億に上り、さらには本年度、五十二年度ではさらに百三十億円程度赤字が、決算が見込まれるために、はがき代を現行の二十円から三十円、四十円に引き上げるほか、封書の値上げも検討されている、こういうふうに、今回のいよいよ予算編成期に当たりまして大蔵省の方針なるというものを、新聞ではそう出されてきている。  この点について大臣にずばり聞きます。来年度、五十三年度に郵便料金を——これはいま形式的なお答えをいただこうとは思わないのです、どう考えておられるか。値上げしない、はっきりひとつお答えいただければ幸いだと思います。  これは大蔵省からもお見えになっているので、あわせて、さきの郵便法改正の審議の経過もありますから、踏まえてこれについて明確にお答えいただきたいと思います。
  46. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 郵便特別会計の累積赤字は二千四百七十億ございました、五十二年度予算の。いま先生がおっしゃいましたように五十一年度は六百一億の黒が出ました。で、現在千八百六十九億でございます。われわれが概算要求で大体見積もっておりますのは、五十三年が四百六十億ぐらいのことを考えておりますけれども、五十二年度の赤字が百二十五億の見積もりでございます。先生ずばりと申し上げます。ずばりと申し上げますと大変むずかしいことで、現在数字的に言いますと、これは数字の問題でございますので——私はいわゆる赤字が百億を割ればすべきでないと思います。いわゆることし五十二年度の赤字要素が百二十五億でございますので、その辺のところが、まだまだあと一カ月半ぐらい先生お待ちいただきますと、私の方でも決断ができるところでずばりと申し上げますので、役所の方はもっとぼやっとした答弁でございますけど、私ははっきり申し上げまして、百億を割ればもうやるべきでないというのが私自身の考え方であります。
  47. 松下康雄

    政府委員(松下康雄君) 五十一年度予算の編成時のいきさつにつきましての問題を含めてのお尋ねでございますが、原則論を申し上げますと、郵政事業も公の企業としまして収支相償うという原則でこれを運営してまいるということでございます。ただ、これは必ずしも単年度、単年度がすべて収支相償っていたわけではございませんが、中期的に、あるいは長期的にこれを見ますと、そういう考え方運営をされてまいっておりますし、今後ともそういうかっこうで運営をされるものと思っております。  五十一年度予算編成におきまして、当時の繰り越し赤字の見込み額、当時は二千四百七十五億円でございましたけれども、この処理につきまして郵政御当局と御相談の結果、これにつきましては資金運用部からの年度越し借り入れをもって措置をすることにいたしたわけでございます。その後、幸いにして関係者の御努力等があり、五十一年度決算では実際には六百一億円の黒字でございますので、累積の赤字は減少いたしまして、ただいま大臣からお話がございました数字になっておるわけでございます。  そこで、来年の郵便料金の問題でございますけれども、これは来年度の予算編成そのものの現在査定作業中でございますから、私ども、個別のあれこれの問題につきまして、現在、たとえば結論を出しておるとか方向を決めておるとかということはないわけでございまして、全体として検討しておるところでございます。郵便料金の問題につきましても、なお、今後郵政事業収支状況なり全体の経済情勢なりをよく勘案をいたしまして、郵政御当局とも御相談の上で決定をしてまいりたいと考えております。
  48. 案納勝

    案納勝君 大臣ね、いまお聞きをしましたら、ずばり言って百億以下ならば値上げはしない、百億以上の赤字が出れば値上げはやむを得ないんじゃないかと。違うんですか、もう一回そこを。
  49. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) いまのところ決断はしておりませんけど、私の考え方としては百億を割ればいわゆる値上げはしないでやっていきたいという意向でございます。ですから、一カ月半ぐらい待っていただきたい、その決断するまで一カ月半待っていただきたいということでございます。
  50. 案納勝

    案納勝君 一カ月半待ってくれって、いまが一番大事なときなのでここで聞きたいんだよ、本当は。だからまあ質問しているんですが、大臣、この間、要するに五十年の七十六国会、十二月の国会であります。さらにはその前の七十五国会、この郵便法の値上げの審議をした経過があるんですね。そのときに、累積赤字は約二千五百億ぐらいになる、そこでこの二千五百億の累積赤字を一体どうするのかと、こういう論議が実は繰り返しなされたんですよ。  そして、それでは五十年にこの料金値上げをしたときに、平年度に収支相償うということになるのかと、要するに一たん二千五百億をたな上げして、平年度収支を相償うということにしたと、そうすると、値上げをしても五十年で少なくとも三百六十億程度赤字は出ますと、経済情勢の変動によっては最低百二十億ぐらいの赤字は出ますと、このことはもう料金値上げしても出るんですと。しかし、三百億の仮に赤字が出ても十年して六千億ですと、大体一つのペースにそういうことになりますので、いずれにしても平年度に相償うということで料金値上げは認めていただきたい。二千五百億の累積赤字については、大蔵省と相談をして、国民の負担にかかわるようなことにはならないように五十一年度予算編成等を通じて努力をしますと、こうなっているわけですね。  私はこのことを、大蔵省もそのときに佐藤さんがお見えになっていて、長い間の討論の経過を踏まえて、国として政策の結果で生じたものではないかという点につきましては、確かにそういう側面もありますと、その処理について国の責任でやるべきだという意見もあながち否定もできない、いろいろ言いわけをした上で、五十一年度予算の際に十分に検討したいというのが私の真意ですと、こういうふうに受けて立った。  そこで、さらに村上郵政大臣は、「案納先生ね、あなたのおっしゃることはよくわかります。幸いにきょう企画庁や大蔵省をいま盛んにあんたがとっちめてくれているというか、ずいぶん私のわが意を得たりというような、五十一年度予算編成の際に十分考えたいということを私も申しておりますが、大蔵省あたりはそういうところにわりあいに冷淡だろうと思っておったら、いま主計官の御答弁を聞いているというと、やっと私と同じような答弁をしてくれております。でありますから、そういう際に十分考えます。」こういうふうに答弁しているんです。  この経過があるから、全部読むと、これは大変なことです、これだけあるわけですから。要するにこの言わんとするのは、料金値上げの際に、それまで出てきた累積赤字二千五百億については、これは大蔵省と折衝して何とかしますと。料金値上げについてはとにかく認めてほしい。それは平年度で若干の赤字が出るけれども、しかし、それは一応従来のように赤字がどんどん拡大をしていくようなことにならない、そういう状態をつくるためなんだと。そのことによって、今回の料金値上げについてひとつ国民の協力を求めたいと、こういうのが実は討論の経過です。  そうなると、六百一億、五十一年度ですか、黒が出た。この原因はいろいろあるでしょう。たとえば予測をした人件費、ベースアップが予測を下回ったとか、あるいは退職者の退職金の支払いがきわめて少額に済んだとかあるにしてもこの黒字が出た。私は、この黒字を二千五百億の累積赤字の解消にぶち込むということについてはどうかと思う。賛成できない。それは別にしましても、その次の五十二年度のことしについても百二、三十億の赤字が予想される、予算上は。五十一年度についても予算上は百二十億ぐらいの赤字の予想だった。  そういう状態の中にある今日、この五十三年度の予算編成に当たって、料金値上げは抑えていくということが筋道として成り立ってくるのではないのか、そうあるべきではないのか、政治家として。いや、郵政事業あり方として。私は、さきの郵便料金値上げの問題の経過から踏まえて、今日のきわめて物価高と不況の中で苦しんでいる国民生活を考えた場合に、百三十億程度赤字について、あるいは黒になるかもしれない、あるいは若干減るかもしれぬけれども、いま予算編成の段階で、この程度のことならば料金値上げは郵便料金についてはしない、こういう明確な態度というのは、私はいまこそ必要ではないだろうか、こういうふうに考えて、いまの時期だから実は大臣に質問しているんですよ。いつも上がっちまって、上がることを絶えず決めた後、委員会、わあわあ言っているけど、始まらないから、この辺をもう一回ひとつ大臣の見解をお聞きをしておきたい、余り時間とりたくありません。
  51. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 来月下旬から大蔵省と概算要求の設定をいたします。  それからもう一つ、五十二年度の大体の見通しというものが、この下期の見通しがついてまいりますと、どのぐらいの数字になるかということ、多分先生のおっしゃいます意味、十分わかっております。私も上げない方がよろしいと思います。思いますけど、やはり特別会計の上で——家庭の中では家計のバランスでございますので、やはりそういうことを考えてやるべきであって、私も先ほど申しましたように、やはり百二十五億の予算上の赤を見込んでおる中で、どのくらい減らせるかということが一番大きな見通しでございます。ですから、先ほど申しましたように、百億を割るようなことになれば上げるべきではないという私の意見でございます。
  52. 案納勝

    案納勝君 松下さんお見えになっていますので、私は実はいまの、時間が余りないので、大蔵省の場合も実はよく考えてもらいたいんです。委員会質問お答えになって、佐藤さんもかなりまた慎重な発言をされておりました。その言質をとろうとは思いません。しかし、一たんそういうことについて委員会でお互いに意見を出したことについては、責任を持ってもらいたいんですよ。その場合その場限りの答弁だけで私は済ましてもらいたくない。また、済ますべきではないと思います。  いま大臣は、ここではいよいよ大蔵省との予算折衝に入ると、私はそういう段階だと思います。郵便料金の値上げ問題について、単に安易に値上げすれば、大臣が言う、うちの中のふところ勘定といいますか、いずれにしても大変厳しい郵政事業の財政にあるにしても、赤字が続くことについては考えざるを得ないと。しかしながら、国鉄ですら、グリーン車の問題じゃなくて旅客離れの問題が起こっている。料金値上げ一本やりではいけないということを総裁自身も言わざるを得ない。今日、郵政事業の中で、これは後ほど質問をしますが、料金値上げ後の郵便物の推移が、回復のきざしは見えているけれども、いまだこの水準に達していない。この中味は、従来のように、値上げショックによる一時的な利用抑制のほかに、構造的な郵便離れという傾向を私は否定できないと見ています。このことを十分に考えて、私は、大蔵省は予算編成の段階において、特に主計局ですが、考えてもらいたいんです。  大臣はいまの答弁で、私は、ここで上げませんということを、さらに百三十億になろうと百億超そうと、上げませんというふうに言ってもらいたいんですが、言いそうにないですからこれ以上言いません。ただ大臣としては、私は受け取りとしては、上げたくないという気持ちを持っている、しかしもう少し検討したいと、こういう気持ちだと、いいですね。そういうことについてですね、ここでお約束いただいたというふうに理解をしておきます。主計局、十分その辺をお考えいただきたい、こう思います。いかがでしょうか。
  53. 松下康雄

    政府委員(松下康雄君) 公共料金の問題は、もちろんこの水準によりますところの収入の問題だけから判断をすべきものではございませんで、全般の経済とか等に及ぼす影響も考える必要もございますし、また最近では、御指摘のように、料金の水準と事業の需要の関係ということも、よく配慮しながら決めていくべきものであると思っております。したがいまして、来年度の郵便料金の問題につきましても、専門家である郵政御当局からの御意見も十分に伺いながら、よく今後の予算編成の過程で御相談をしてまいりたいと思っております。
  54. 案納勝

    案納勝君 そこで、私はこの問題についてはこれでとどめます。  大臣、ひとつぜひ料金値上げは、今回は回避をしてやっていただきたいと思います。  最後に料金問題で、時間の関係で触れませんが、一言だけ大臣にお願いをしておきたいのは、せんだって郵政審議会が答申を出しました、郵便事業あり方の。この答申内容を見たときに、私は、きょうは私の意見だけ言っておきます。この指摘事項は、すでに過去の答申や勧告等において提起をされているものの羅列が大部分なんです。  今日、通信手段が多様化をして、社会経済環境の変化あるいは通信文を直接送達する郵便事業というものが、そういう中でどういう位置づけにあるのかということ、それに基づいて社会の変化に応じた郵便事業というものについてのあり方というものを基本的に明らかにした問題ではないか。実はいま大事なのはそこなんですね。だから、郵便料金値上げのときに、さきの七十五国会の際にも、郵便事業を将来どうするのかということをしっかりひとつ踏まえて、そういう道筋を明らかにした上で国民に協力を求めるということにならなければ、単に赤字だから料金値上げすればいい、こういう繰り返しだけでは私は郵便事業の将来というものは全くないと言っても言い過ぎではない、こういうふうに申し上げてきましたが、この郵政審議会の答申内容を見ても、実はそういったものが全く——私は落胆をいたしました。したがって、今後、郵便料金問題等料金制度問題等考える場合、あるいは今後の郵政事業というものを、料金制度にかかわらず基本的にどう進めていくのか、いま出されている問題を私はもっと突っ込んで全体の郵便事業というものを見直した基本的な問題というものをひとつ爼上に出していただく、こういうことについて私はぜひ大臣の御検討をお願いをしておきたい。  そこで、次に入りますけれども一つは金利の引き下げの問題であります。時間の関係がありますから、これも割愛をし、主要な点だけ質問しますが、いまのこの段階で大臣に、金利引き下げけしからぬと、こう言ったところで金利がまた回復するわけじゃありません。ただ、私は今回の金利の引き下げについては、大臣が任期中二回もそういうことをやるというのはいまだかつてない。これは人為的な大衆収奪だと私は思います。  しかも、この中で今回の金利引き下げについては、日銀の総裁の言じゃありませんが、資本金一千万円以上の企業の利下げは利子負担軽減が一兆二千億円と。しかし、政府自身、今日まで本会議予算委員会等、私もよく聞いてまいりましたが、これが具体的に景気浮揚にどう結びつくかということについては確たる答弁を、具体的な答弁をなされたことがない。抽象的な話はあります。しかし、私はここて大臣に答弁を求めても——大臣勉強されているそうですから実は求めたいんですが、時間がなくて同僚議員から怒られそうなので、これはいずれお話をお聞きしますが、きわめて不満なところであります。これはこの前の八十国会のやっぱり同じように金利引き下げの際に、斎藤大蔵政務次官も踏まえまして一緒に論議をしたところであります。今後政治家として、私は、零細な郵便貯金の中で老後の生活や病気や不時の災害に備えている大多数の国民の利益をどう守るかということについて、私は大臣は真剣に考えていただきたい、こう思います。  そこで大臣は、金利引き下げに伴って郵政審議会がことしの五月に、答申に当たって四つの要望を出しております。この四つの要望について、政府の都合のいいところだけ先食いしてあとは知らぬ顔、ということでは私は済まぬと思います。どのように受けとめて実行されようとするのか、この辺はどうお考えになっているか、ひとつ明確にお聞かせをいただき、そうして具体的にどうするのか、具体的な問題をお聞かせをいただきたいと思います。
  55. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 五月の郵政審議会で四つの条件が出されました。  一番目は、消費者物価の引き下げに全力を挙げよという問題であります。  二番目は、直接的融資を考えなさい。  三番目は、財投の活用について、資金運用のあり方について、今後預金者の利益の増進に資するよう一層十分検討すべしということ。  それから四番目は、郵便貯金に関する調査研究会を今後その具体化に努力せよという四つでございました。  で、今回の郵政審議会の答申の中では、特に条件として付されましたのは、やはり直接的融資でございます。この四つの問題がございます。  第一番目の問題については、政府もこれは鋭意消費者物価の鎮静化に努めておることでございますので、私が申し上げるまでもなく、第二番目は、いわゆる直接的融資というものを進学ローンとして来年度ぜひ実現いたしたい。三十四兆に及ぶ財投、郵便貯金の資金のうちから、直接的融資をぜひ実現したい。これは長いことの懸案でございますので、これは案納先生にもどうぞよろしくお願い申し上げます。  第三番目のことについてもいろいろな問題がございます。今後とも鋭意努力いたしていきたいと思います。  四番目についても、郵便貯金に関する調査研究会を具体化するように今後とも努力することを申し上げておきます。
  56. 案納勝

    案納勝君 大臣ね、鋭意努力じゃさっぱりよくわからないのですが。私は、この間も言ったんですよ。これはやはり一定の条件だ、こういうふうに理解をしているのです。というのは、きょうはいずれにしても多く触れませんけれども、郵政審議会のあり方の問題というのはきわめていまは重大な問題なんです。郵政審議会は郵政省施策に建議をする。郵政審議会で発足をし、いま、発足して以来、実は今日まできわめて重大な性格が加えられているにかかわらず、運営や人選等はそのまま継承されている。  御案内のように、昭和三十八年に、本来ならばこの国会の場で決められておる郵便貯金の利率が政令に委任をされました、三十八年、貯金法の改正で。そして貯金法第十二条第三項で、「郵政審議会に諮問しなければならない。」というふうに郵政審議会のきわめて重大な役割りが大きくなったのであります。四十六年には郵便法の改正で、本来この国会の場で決めなくちゃならない第一種及び第二種の基本料金以外の郵便料金について、郵政審議会に諮問した上で省令で定めると、こうなっている。全部郵政審議会へ郵政審議会へと。三種、四種、一種の料金の軽減小包料特殊料金、さらにこれは義務づけられてはいませんが、電信電話料金の認可料金についても、その重要性にかんがみて審議会に諮問した上で決める。郵政審議会というのが、当初のスタート段階からきわめて国会審議の場にまさるとも劣らない役割りというもの——実はそういう状態で郵政審議会の責任が増大をされてきている。それだけに私は郵政審議会の要望というものは条件として私は受けとめてしかるべきである、受けとめなくちゃならぬ問題だと思う。  したがって、そういう意味ではこの条件について明確に実行する前提に立って国民の生活に最も影響のある金利問題について、政府はその答申を受けるという、やるならばそういう措置をとるべきだと思う。私はきわめてこの点について不満であります。これは大蔵省自身についても私は言えることだと思います。これは郵政審議会の構成や運営、その他についても影響をすることであります。さきの国会以来、特に今回はこの利下げ問題について国民の批判は郵政審議会の運営についてかなり多くの批判が集中をしている。そういうものを大臣ははだで受けて政治の場に生かしていくというふうにぜひこれは実行してもらいたい。  そこで、私は大蔵省にお聞きします。  進学ローンについて、大蔵省はこれは賛成しているのかどうか、認めるのかどうか、もう端的でいいから認めるか認めないか、いや賛成か賛成でないか、これ、ひとつはっきりお答え——新聞その他では大蔵省は渋っているとかと言っていますが、はっきりひとつ端的にお答えいただきたい。
  57. 松下康雄

    政府委員(松下康雄君) 進学ローンにつきましては、郵政審議会の場で非常に強い御要望があったということは、私どももよく承知しておるところでございます。現在、郵政省から来年度予算関連をいたしまして、予算的な要求として努力をいただいておるところでございます。  進学ローンの問題につきましては、私の担当しております予算の問題だけではございませんで、実は大蔵省の所管いたします財政金融のいろいろの分野におきますところの問題が実はある、大変にむずかしい問題でございます。たとえば、これは郵便局の金融機関としてのあり方からいいまして、金融制度上の問題に入るものかどうかということや、あるいは今後の金融政策の運用上、この問題が何らか支障を起こす心配がないかどうかということや、あるいは国の財政資金を一元的に運用させていただいておるわけでございますけれども、これらに対する影響の問題など大変私どもにとりまして、財政金融の両面にわたってむずかしい問題を含んでおるわけでございます。  私どもは強い御要望があることを承知しておりますだけに、この問題は、この五十三年度の予算編成に際して真剣に検討してまいらなければならないと思っておりますけれども、ただそのような非常にむずかしい問題がございますので、まだ、お尋ねでございますけれども結論を得るに至っておりません。
  58. 案納勝

    案納勝君 松下さん、大蔵事務次官は郵政審議委員ですね。そうすると郵政審議会の答申が出たときにはこれは反対をされたわけですか。
  59. 松下康雄

    政府委員(松下康雄君) 私、実は審議会の内部での御議論を別につまびらかにいたしておりませんけれども、内部でいろいろの御議論があり、そうして多数御意見と申しましょうか、答申としてまとめられましたものについて、この点はどうかということは委員の立場として申してはおりませんけれども、それは内部におきます多数少数のいろいろの議論の組み合わせの中で御意見を申し上げるべきところは申し上げておるつもりでおります。
  60. 案納勝

    案納勝君 松下さん、きのう大蔵省の方から御連絡いただいたときに、端的でいいから答弁してくれと、まあきょうは衆議院に大蔵委員会があってなかなか政府委員お見えになれない。松下さん御苦労さま、お見えになっていただいています。私はここで、予算編成の折とて、いまあなたの立場では明らかにできないかもしれませんが、金利の切り下げ等の問題で、先ほど申し上げましたように、きわめて国民にとっては大衆収奪、国の側、政府側は、私はどんなに耳をそばだてて聞いてもこれが景気にどう結びつくか、雇用にすぐどう結びついてくるのかという説明はさっぱりわからないという中で、映っているのは、大企業中心の今回の金利切り下げというものにしか映らないということについて私は否定できない。  そういう中で、零細な郵便貯金をやっている国民に窓口を通じて本当に還元をされてくるということ、そういうものが政府の温かい政策として、いや政治の政策として出されることが私はいま一番大事なときだと思うのです。そう言ったってこんなことを言ったって余り意味はありませんが、いずれにしてもいまの答弁を聞いていると、慎重に検討します、そして資金運用のあり方問題等もあるのでと、こういうことであります。私はこの際、大蔵省、思い切って郵便局の窓口を通じて国民に還元できる措置、そういう措置について踏み切るべきだ。この辺は、いま松下さんをこれ以上ついても意味ないでしょうが、強く要望いたしておきます。  そこで大臣にお尋ねしますが、いま郵政省でこの教育ローンについての一つ方向説明され、あるいは明らかにされています。あらまし試案なるものがある。この試案というものは、当初の大臣の構想という発想がきわめて変わってきているようにとられるわけです。  たとえば大臣が六月二日、教育問題閣僚懇談会で、郵便貯金から一般家庭に貸し付ける入試資金融資は云々ということで、たとえば在学中据え置き、卒業後六、七年の返済期間、あるいは医大、歯大、幼稚園、私学への融資、全体の二%程度の財源を使ってそういう融資の道を開くといった構想が明らかになっている。そういう構想の中から見ると、全体に見ると、私は発想が変わってきているのではないのか。  しかも大臣はよく御存じだと思いますが、相互銀行、地方銀行における教育ローンの取り扱いの状況を見た場合に、それと比較した場合に、たとえば据え置き期間あるいは貸し付けの条件、こういうものを見た場合に、まさに大臣が言う国民福祉の増進のために郵便局の窓口を通じて国民にそれを還元していくという道筋にはとてもじゃないが及ばない内容だと私は理解をせざるを得ない。したがって、この辺について、大臣はどういうふうに考えて今回のこの制度のあらましなるものが出てきたのかお答えをいただきたい。
  61. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) まず第一に、当初の構想としては郵貯の年度目標の二%ぐらいの中で歯学、医学、あるいは進学、入学の際にお金を貸すという二つの点で発想いたしました。  第一の点については、歯学、医学がいま長期金利で借りてますのが八百億くらい、短期が三百億くらいでございます。医学、歯学の一番根底となりますのは、いろいろな問題点がございますけれども、自治医大を例にとりますと、大体県が二人入学させるために、八千四百万くらい自治医大に県が県費から支出しておりますし、また宝くじを、五十一年五十億、五十二年が五十五億ぐらいの宝くじをやっております。そういうようなことと、官公立の大学では一人幾らか、数字はこれはなかなか文部省からとれませんけれども、相当数の金が年度で出ている。  医学、歯学が一番困りますのは設備費でございます。設備費であれば、そういうことになれば設備費として郵貯から、私学振興とは別にいわゆる金利、財投資金プラス幾らかの金利を足して貸してやれば、歯学、医学の経営状況はいまのような、現在の裏口入学のようなことはなくなるであろうというのが第一点の構想であります。これは文部省等がございますから、郵政省がそう言ったところで、国全体の問題がございますので、そう簡単に実現できる問題ではございません。  第二点の進学ローンについては、奨学金についてはずいぶんございます。私が調べましたところでは、大体入学金については、お母さん方が大体三年ぐらい、二年ないし三年へそくられ、貯蓄されて、それを入学金に充てる。では、この郵便貯金というのは大変な大勢の方々が、国民大衆が預金をされ、かつ郵政審議会の答申等の中にもやはり出ておりますので、ぜひこういう形でやりたい。私も当初、中学、高校、大学等を考えました。しかし、中学というのは少なくともほとんど私の学校へ行く方というのは少のうございます、公立でございますから。また義務教育でございますから。高校、大学に集中してやはり入学、進学ローンというものを考えるべきだ。  一つネックとなりますのは、やはり長期で貸すということになりますと、ほとんどいまは九〇%以上の方々が高校から大学へ行く。そうすると、それは二重の負担になる。ですから、預金を考えておきますと、大体二年ないし三年の間で貯金をされて入学金を払う。それならばそれの肩がわりの方が合理的で、かつそれからまた大学に入るときに、やはりそういう形で入学金を取得される方が、借りる方が有利ではないかという考え方もございます。その辺のところが一番論争点で、今度の進学ローンの中で一番論争点になりますのは、その貸付期間が幾らか、金利が幾らかという問題であります。この辺のところの問題が相当ございます。  ただ、私としては大蔵省等の問題もございます。かつ、資金運用部資金計画の中でやるということになれば、やはりどの程度がよろしいかということを今後とも大蔵省と相談し、確定的な問題を出していきたいと考えております。
  62. 案納勝

    案納勝君 では最後に、時間がありませんから私はこの進学資金貸付制度のあらましを読みまして、進学資金貸付制度、窓口から国民に還元をするこの考え方については賛成なんです。ただ、中身については賛成できないんです。まず貸付限度額が低いこと、それから返済開始が早くて期間が短いこと、あるいは積み立てをさせて、そしてその倍額、そしてその積立貯金の利息がきわめて低いこと、さらには貸付金の回収確保策というものがこの中では明らかにされていない。さらには実質金利がどの程度になるのかというのがきわめて問題である。大臣にぜひお願いをしたいのは、やっぱり本当にわずかな金を貯金をして、そして苦労して子弟が学校へ進学をしていく、そういう大部分の国民の層というものが郵便貯金を利用しているわけであります。だから、九九%以上の庶民の個人預金、一口当たりあるいは一人当たりの預金額もきわめて少ない、その寄せ集めが三十四兆になっているわけです。そういうことをよく御理解をされていると思いますが、そういう立場に立って、そして金利が一方的にどんどん下げられるというそういう中で、国民の生活、国民の福祉をどう守るかというところに郵便貯金の制度が私はあると思う。そういう面で、再度、さらには大蔵省との折衝もありましょう、私どももこれについては窓口を通じてこういう制度を確立することについては賛成をする。その意味ではその制度の創立に支援を惜しまないつもりです。それだけに内容充実をさしてもらいたいと思う。そのことを十分ひとつ要望をいたしておきまして、きょうは一般質問でありますので、この程度で終わりたいと思います。
  63. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時十七分休憩      —————・—————    午後一時七分開会
  64. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  ただいま宮崎正義君が委員辞任され、その補欠として中野明君が選任されました。
  65. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  66. 最上進

    ○最上進君 午前中に引き続きまして、最初に郵便事業関係から質問させていただきたいと思います。  まず第一に、郵便料金改定になりました直後から郵便利用が激減をしてまいりました。その後も漸減傾向にありますし、これが大変憂慮されてきたわけでありますけれども、最近ようやくその回復の足取りが着実になったというふうに私どもは見ておるわけでありますけれども、最近におきます郵便利用の動向につきまして御説明いただきたいと思います。
  67. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 郵便物数の動向という御質問でございますが、昭和五十一年度の郵便物数について申し上げますと、約百三十億二千三百万通ということになっておりますが、これは対前年度比で七・八%の減少ということになっております。五十一年度というのは郵便料金値上げをした最初の年度であったということでございますが、このような減少を来しております。で、このように前年度に比べまして減少したのは、ただいま申し上げました郵便料金改定の影響のほか、最近の経済の低迷ということも大きく影響しているものと考えておるわけであります。ところで、この物数が、昭和五十二年度に入りましてどうなったかと申し上げますと、四月から七月までのただいま数字が手元にございますが、四月から七月までの累計では前年同期に比べまして八・二%の増加というふうになっています。これが最近の物数の状況でございます。
  68. 最上進

    ○最上進君 前年同月比の割合で資料いただいているわけでありますけれども、特に五十二年の二月になりましてから、前年同月比ではマイナスからプラスに転じているわけでありまして、ただいま御説明いただきましたとおり、四月から七月にかけてこれを計算してまいりますと八・二%の増ということになっているというお話でありますけれども、前年同月比ということでは確かに四月から七月とりましても八・二%の増でありますが、五十年度にこれを比較してみますと、まだまだ料金改定前の水準というものにはとうていおぼつかない状態になっているわけでございます。できますれば、早く皆様方の力で何とかひとつ改定前の五十年度ぐらいの水準には持っていっていただきたいとお願いをしたいわけでございます。  非常にいまわが国は、経済の不況と言われている中で国民ひとしくあえいでいるわけでありますけれども、こうした中で急速な利用回復というものは当然期待できないというふうに思いますが、先般出されました郵政審議会の「社会経済の動向に対応する郵便事業あり方に関する答申」、この中でも指摘しておりますとおり、郵便事業におきましても、やはり今後新しい営業感覚が当然必要になってくるわけでありますし、積極的にその事業を伸ばすための施策考えられてしかるべきであろうというふうに思っております。郵政省は郵便の需要喚起についてどのような姿勢で現在取り組んでおられるのか、これから取り組むおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  69. 神山文男

    政府委員(神山文男君) こういう郵便物数の動向のもとにおきまして、郵政省としてどういう需要喚起の方法をとり、また今後とるかという御質問でございますが、私ども先生の御指摘のように、需要喚起ということはまさにわれわれの一番大切な施策であろうかと思いまして、従来からもいろいろ施策は実施してまいっております。たとえば年賀はがきの発売はもとよりでございますが、暑中見舞はがきなど、またその他各種のはがき等の発売また差し出し勧奨ということも行っておりますし、また敬老の日とかあるいは父の日、母の日、誕生日等の愛の便り差し出し勧奨といった運動を行っておりますし、また郵便が特に記録性とか現物性とか情報伝達先の特定性とか簡便性とか、いろいろ特性を持っていると言われておりますが、そういった特性を利用する郵便の利用勧奨といったことについてもいろいろの周知等の方法をとっております。  手紙によるコミュニケーションのよさを強調した利用勧奨パンフレットをつくったり、あるいは新聞紙上への広告、手紙のある世界というようなシリーズものの連載もいたしております。そのほか、文通を通じた青少年の情操の涵養に資するということを目的といたしまして、郵便友の会の育成とか手紙作文コンクール、年賀状版画コンクールを開く、そういった各種の施策というものに努力をしてまいっておりますが、今後ともそういった方向でさらに力を入れていきたいと考えております。  それから郵便の利用を促進するための体制も整備していかなければいけない。増収対策委員会を置くとか、あるいは増収対策会議を開く、あるいは増収プロジェクトチームの編成をしたり、郵便コンサルタント活動を実施する、まあそういった各種の施策にもますます力を入れていきたいし、また職員の訓練等におきましても、もう少し増収に力を入れる方向の研修等をやっていきたいというふうに考えております。
  70. 最上進

    ○最上進君 羅列していただいたわけでありますけれども、やはり後段でお触れになりました郵便の利用実態あるいはまた需要を探るための調査や研究体制が整えられていなければならないという、これが今回の答申の中でも強く主張されているわけでありまして、この点につきまして、ひとつ、ただ単にいままでの制度を強化するとかあるいはまたいままで行われてきた運動を拡大をするとかということでなくて、やっぱり新しい経営感覚と言いましょうか、新しいとにかく分野の開拓と言いましょうか、この辺を本格的に探れるような、表面上の調査、研究体制でなくて、会議でなくて、この辺、ひとつさらに御研究、御研さんをいただきたいというふうに考えております。  次に、今回の郵政審議会の答申の中で、やはり読ましていただきますと、非常にきめの細かい事業の改善策が提言をされているわけでございますが、郵政省はこの答申をどのように受けとめておられるのか。先ほどの案納委員質問と重複する点がありますけれども、今後、事業経営の面にこの答申をどのように生かしていくのか、御方針をお伺いをいたしたいと思います。
  71. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 七月二十日に郵政審議会の答申をいただいたわけでありますが、この答申の中におきましては、郵便事業をめぐる社会経済環境は非常に厳しいものがあるということで、「郵便事業に求められる課題は、自らの努力と責任とによって、健全な経営を確保し、社会経済の動向に適切に対応することである。」ということを基調といたしまして、数々の提言を盛り込んだものになっております。大きく分けまして、「事業運営の効率化、合理化」、それから「サービスの適正化と利用者の協力」、「郵便物の種類とあり方」、「郵便事業の企業的経営」、大体大きく分けて四つの点になろうかと思います。この中には各種の重要なものが含まれておりまして、私どもとしては今後真剣にこの答申の趣旨を踏まえて検討してまいりたいと思います。  配達度数の問題、窓口取り扱い時間などのサービスの適正化等につきましては、これはまた利用者の御協力というものもぜひ必要でありまして、そういった、どれをとりましても非常に大変な問題でありますが、真剣に取り組んでやっていきたいと、こういうふうに考えております。
  72. 最上進

    ○最上進君 とりわけひとつこれは大臣からできますればお答えをいただきたいんでありますが、郵便事業のその企業的経営の中で問題になってまいりますいわゆる今後の料金決定あり方、これは答申の中でも「郵便物の料金額を法律で定める現行の料金決定の下では、」やはり「一時にかつ大幅な改定となることが避けられない」ゆえに、どうしても現行の料金決定方法について再検討を行うべしというような意見があるわけでございますけれども、この点について大臣はどのようなお考えをお持ちでございましょうか。
  73. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 今国会では、国鉄が法定主義の法律を出しております。郵政省といたしましては、こういう方法もございますけど、公共料金の決定のあり方というものを、諸外国あるいは国内の公共料金の決定等々を勘案して今後ともその方針を決定したい。まだそのような考え方を、いまの方針どおりでやっておりますけど、今後とも決定方法については研究、検討をいたしたいということであります。
  74. 最上進

    ○最上進君 今回の答申の中で、郵便サービスの見直し、これをかなり大胆に提言をしているわけでありますけれども、当然国民の理解と協力が必要とされるわけでありまして、ただ、私たちが感じますのは、今後郵便事業を健全に維持していくためには、思い切ったサービスの見直しが必要であるということは当然のことでありますけれども国民の協力を求める前に、やはり政府部内のいわゆる協力態勢というものに対して私どもどうも疑念を抱かざるを得ない現象が幾つかあるわけでございます。その一つの例として、たとえば自治省の所管である住居表示制度の実施というものが大変おくれていて進まない、こういうことも一つの例であろうというふうに考えております。  そこで、きょうは自治省の方もお見えいただいているわけでございますので、この住居表示制度がもうすでに施行されまして十五年もたっている中で、どうも数字的に見ますと、全世帯の三割にとどまっているというようなことを考えますときに、大変私ども遺憾に思うわけでありまして、この辺につきましてどのようにいま進捗をしているのか、自治省の方にお答えをいただきたいと思います。
  75. 矢野始

    説明員矢野始君) 住居表示の進捗率についてお答え申し上げます。  ただいま御指摘ございましたように、いろいろ進捗率のとり方がございますが、一つは、先生おっしゃいますように、全世帯数との兼ね合いの調査の仕方もございます。それから私どもで実施しております住居表示は、市街地と市街地以外の地域に分けて、実施しておりますのは市街地に関する部分でございます。  それで、数字的に申し上げますと、最近の数字といたしましては、去る五十年の十一月一日現在における全国の住居表示の実施状況は、全国の市町村が三千二百八十ございます。この中で四百七十二の市町村において実施計画がございまして、そのうちの三百八十四の市町村において事業が実施されている状況でございます。その進捗率は、全体で計画面積に対しまして四八・六%、半分弱でございます。計画人口に対しましては六六・八%、三分の二強でございます。こういう状態でございます。  なお、来たる十一月一日において新たにまた全国の住居表示の実施状況調査をいたす予定にしております。これの結果は、十二月ごろにまとめる予定にしておるわけでございます。  また、昭和五十年の年度末の実施面積で申し上げますると、三千七百四十五平方キロメートルでございまして、これはその五年前の四十五年度末に比べますと、一千五十七平方キロメートルで、面積にいたしまして五年間で三九・三%の増加となっております。こういうことで、一応進捗しているのではなかろうかというふうに私どもとしては考えている次等でございます。  なお、自治省といたしましても、今後とも住居表示の実施が円滑に行われますように、都道府県を通じて市町村に対して指導、助言等を行ってまいりたいと、かように考えている次第でございます。
  76. 最上進

    ○最上進君 自治省の方を責めるわけではありませんけれども、ただいまのお答えを聞いておりましても、三百八十四事業実施市町村の中で、その面積では四八・六%、そして人口では六六・八%というお答えでありまして、これは大変満足いくような数字であるかのごときいま印象を受けたわけでありますけれども、これが施行されて十五年を経ているということ、これをやはり皆様方にしっかり把握をした中で、今後事業を進めていただきたいと考えております。大変住居表示の問題というものが今後の郵便事業にも大きく影響を与えます問題でありますだけに、ぜひともひとつ御協力をいただきたいというように考えております。  これは、いま課長さんからお答えいただいたんでありますけれども政府内のやはり協力態勢の問題でありますので、これは当然自治省の所管でありますけれども、ぜひひとつ郵政大臣からも自治省大臣に強力に働きかけをしていただきたい、お願いをしたいと思います。  住居表示制度の実施の問題、これはもういまもお話しましたとおり、配達業務改善の基盤でありますし、これがやはり整備されなければ、本当に郵便業務の主力をなす配達作業というものの合理化は不可能であるとさえ言われているわけでありまして、五十一年度の通信白書にも出ておりますけれども、実施がおくれております理由の一つに、地方自治体の財政事情というものが指摘をされているわけでありますけれども政府としての積極的な施策というものがやはり必要であろうというふうにも考えておりますので、この辺、あわせてひとつ大臣からお答えをいただきたいと思います。
  77. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 住居表示の問題は、私たち将来展望から見ましても、郵便の中で一番コストのかかる部分でございます。そういう意味でも、自治省とは密接な連絡をとって、郵政省としてはこの住居表示を速急にやっていただきたいというお願いもしているわけであります。また、郵政省自身としても、PR等々をいたしておるところでございます。  いろいろな問題がございます。古い町名等もございますし、そういうような愛着もございますけど、郵政省といたしましては、さきにも申しましたように、今後ともこれらの施策を進めまして、郵便が円滑に国民の手元に届くように、かつ、郵政業務が健全な経営ができるように、今後とも努力いたしたいと存じます。
  78. 最上進

    ○最上進君 その問題はこのくらいにいたしまして、この答申の中で二、三お伺いをしておきたいのでありますけれども、郵便の輸送の実態、これがどのようにいま行われているか、お伺いをいたします。
  79. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 御質問の趣旨、ちょっと私、つまびらかに受け取りかねたわけでありますけれども、郵便物は、御承知のように取り集めをし、局内処理をして、他の配達郵便局あるいは中継の郵便局を通して配達郵便局へ送るわけです。その間の郵便物を運ぶ作業が輸送ということでございますけれども、自局で集めまして、自局や配達する郵便物以外は輸送という形態をとるわけでございます。
  80. 最上進

    ○最上進君 ちょっと質問をはき違えたようでありますが、お伺いしたいのは、この答申の中にもありますとおり、近年、国鉄の拠点間輸送等の合理化施策が推進されてきて、従来方式の鉄道輸送が困難となってきている中で、やはり今後拠点局相互間のコンテナ輸送の増強、あるいはまた、自動車輸送への切りかえなどによって対処していく必要があるというようなお話がございました。いま国鉄のいわゆる再建問題等が大変国会の大きな論議になっております中で、こうしたやはり答申が出ている中で、この郵便の輸送の実態、これをお聞きをしているわけでございます。
  81. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 郵便物は、集配や取り集め局から配達局の間、輸送という形をとって送られるわけでありますが、この輸送の手段には、遠距離は主として航空、鉄道といったものによって送られるわけであります。また、中距離、これも鉄道にもよりますが、また自動車の輸送に依存する部面も大きくなってまいっております。近距離は主として自動車による運送ということでございますが、この答申にも指摘があり、また先生お話にもありましたように、近年、国鉄から航空機あるいは自動車に移行する部分が徐々にふえていっております。これは国鉄の郵便車を積める列車が、ますますスピードアップをし、停車駅が少なくなるというようなことから、郵便の輸送に適しないというようなことで、自動車に特に移行していると言うことができるわけであります。  それで、今後、交通部門における近代化というものはますます目覚ましい変化が行われるものと私ども考えておりますが、特に高速道路の開発に応じまして、大型の高速自動車便を開設して、輸送のスピード化、また安定化も図っていく。それから各種のコンテナパレットの使用、あるいはまだカーフェリーなどもふえてまいっております。こういったことで、輸送の近代化、合理化ということも検討していかなければならないというふうに考えております。
  82. 最上進

    ○最上進君 もう一つお聞きをしておきたいんでありますが、いわゆる労働力の効率的活用と処遇の改善の中で、現在の給与体系というものが、作業能率の高い職員に対してはその意欲を高める配慮が不十分であるように思われるという指摘がなされているわけでありまして、やはり当然のことでありますけれども、職員の能力に相応する手当制度を設ける、あるいはまた、その勤務成績が良好な職員に対してはそれに見合った処遇を行うことなどについて検討すべきであるという、こういう指摘がなされているわけでありますけれども、この点についてはどのようにお考えでございましょうか。
  83. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 職員の給与等につきまして、実態に合ったものにしていくということは大切なことであろうかと思います。  先生指摘の勤務成績を給与に反映させるというようなことにつきましても、いろいろ検討はしてまいっております。たとえば、特別昇給制度、あるいはまた郵便外務作業に従事する職員の通区能力を考えたような手当制度はできないものか、そういったことについては真剣に検討し、また、ただいま、特別昇給制度と通区手当ということについては労働組合にも提案し、交渉を進めてきているわけでありますが、今後ともより事業に即応した給与のあり方、あるいは魅力のある給与体系、処遇といったものについて検討を行っていきたい、こういうふうに考えております。
  84. 最上進

    ○最上進君 それでは、郵便事業関係はこのくらいにしまして、次に電電公社関係に移ってまいります。  先ほどすでに案納委員から第六次の五カ年計画につきまして質問をされたわけでありますけれども、やはり公社の創立以来の悲願と言われてまいりました電話の積滞解消、あるいはまた全国の自動即時化、これがとにかく五十二年度末及び五十三年度末に達成することが確実になりました今日、公社内部で、この二大目標達成後の公社事業運営のポイントをどこに置くかということについては、これは非常にむずかしいまた大きな問題でございますので、当然いろいろ活発な論議が重ねられてきたというふうに考えております。  今日、わが国の経済情勢は御承知のとおりでありまして、特にその中でも省資源、省エネルギー時代を迎えているということが言われる中で、電気通信事業運営についても、先ほど郵便事業の経営の中でもお話ししましたとおり、発想の転換というものが迫られていると思うわけであります。このような転換期に当たって、今後における公社事業経営の基本となるこの第六次五カ年計画でありますだけに、この大綱の基本的な考え方、なかなか、先ほど羅列みたいになりましたけどれも、重点の置きどころをやはりもう少し明確に御説明総裁からいただきたいと思います
  85. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 先ほど案納先生の御質問お答えしたようなわけでありますが、確かにここ一、二年というものは、電電公社発足以来の大きな曲がり角に来ております。電話の積滞はほぼ終わったと申してもよろしかろうと思いますし、来年度をもってまた自動化も完全に終わります。そこで、私どもはこれから一応別な視程に立ったと言っても過言ではないのでありまして、要は、いついかなるときでも、いかなる場所からでも、加入者の皆様の要望を完全に満たしていけるサービスを行うということが非常に大きな、平凡な、やさしいようですけれども、これは非常に大事なことでございます。従来は二年あるいは一年半もお客様を待たして、もう少し待ってくれ待ってくれということでやってまいりました。自動化も三〇%から五〇%、作今になって九九・三%になりましたけれども、これはその需要を見て計画を立ててきたのでございますが、こういうものが完全に満たされますると、このお客様に対して完全なサービスに徹するということは、非常にやさしいようなことですけれども、非常に重大な意義のあることでございます。  また、細かく申しますれば、架設のほかに非常に大きな電話の移転がございます。もう移転が架設よりも多くなることは必至でございまして、この移転に対しては、またしばらく待たしておくというようなことはあってはならないことで、要はきめの細かい信頼されるサービスに徹するということが非常に大きな一つ考え方でありまして、従業員に対しても徹底した一つの意識革命というか、そういうものを持たせなけりゃならぬということを私は常々言っております。そうした中でも、細かい点を申しますれば、過疎地域、離島に対する電話のまだ不便な点が相当ございますので、加入区域の拡大、あるいは農集電話を一般電話に編入するという課題は、かなりまだ数カ年あるいは四、五年間はかかるのではなかろうか、これを懸命にやらなければならない。  それから、電話の利用を上げていただくために、電話をより一層便利に使っていただくために、従来と同じふうに、やさしい簡単な方から申しますれば親子電話、ホームテレホン、ビジネスホン、キャッチホン、あるいはまた留守番電話、いろいろな電話をより一層便利に多様に使っていただくための制度、あるいは商品を売り出すということも残されております。それから、ここ四、五年間、非常に大きく問題になってきた福祉電話というようなものに対しても一層熱意を持って開発し、売り出さなけりゃならぬ、こういうふうに思っております。  それからデータにつきましては、いろいろまだわれわれは悩みもありますし、非常に苦悩してやっておりますけれども、このデータ通信につきましては、やはり全国的なネットワークを持っておる電電公社でございますので、技術開発の先導的な使命を持っておりますので、私どもはこれに対して、ナショナルプロジェクトを中心にして大いにひとつ懸命にやっていかなけりゃならぬ。  なお、さらに、なかなか思うように過去においてはできなかった非常災害対策の通信確保というためにも、いままでは電話の拡充に追われましたけれども、ここ一両年から非常に関心を持って、建設投資に四、五百億の金を毎年使っておりますが、この非常災害のための復旧ではなくて、非常災害があった場合でも相当たえられるというような通信の設備を強化するとか、洞道を建設する、あるいはルートを多様化する、二ルート、三ルートにするとか、そういう予防的な金は一文の収入にもなりませんし、加入者がふえるわけではございませんけれども、通信をあずかるものとすれば、ようやくそういう一人前の立場に立ったのでありまするので、こうした災害対策についても相当これから継続的に投資を続けなけりゃならぬ、こういうふうに思っています。  こうしたやや守りの姿勢に入ったように感ぜられますけれども、私ども事業は一面、技術中心の事業でありまして、高度の設備産業でございますので、技術の開発、研究というものに対しては一刻も怠ってはならぬと思っております。したがいまして、こうした中でも常々研究開発については十分な金を使って、研究者の意欲に意を注ぎまして、将来に備えたところの新しい通信技術というものは一刻も忘れずに常々開発していくと、これは第六次に多少の芽はふくかと思いますけれども、七次、八次に、あるいは爆発的に将来通信の形態が変わるようなことまで想像されるような時代も考えて、そうした研究開発については十分な熱意を持って続けていきたい、こういうことでございます。簡単でございますが……。
  86. 最上進

    ○最上進君 第六次の五カ年計画大綱を読ましていただきますと、この中で当然、これからの日本の経済の成り行きというものは非常につかみにくいということは事実でありますけれども、その中で、「この長期計画の遂行にあたっては、公社をとりまく流動的な経営環境に即応しつつ弾力的に対処することとする。」というふうに述べているわけでありますけれども、その趣旨について、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
  87. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  長年の懸案でございました加入電話の積滞の解消というようなことがようやく達成されようとしているわけでございます。したがいまして、従来の五カ年計画というのは、積滞をどのように解消していくかという、積滞を前提といたしまして、その限られた資金の中で積滞を逐次解消していくというような計画でございましたが、これからの六次計画というのは、積滞を抱えているわけでございませんので、発生する需要というようなものによりまして変動していくわけでございます。そういうわけでございまして、建設工程等につきましては、やはり計画期間中のある種の販売目標ともいうべきものでございまして、需要動向によりまして、かなり変動する要素を持っていると考えられます。  したがいまして、長期計画の遂行に当たりましては、今後におきます経済情勢並びにお客の需要の動向というようなものを勘案の上、具体的には各年度の計画の中で弾力的に対処していきたい、そういう必要があろうかと思います。そういう意味で、ここに「弾力的に対処することとする。」というふうに述べた次第でございます。
  88. 最上進

    ○最上進君 この五カ年計画の最大の問題、これはいわゆるその資金、財源の調達の問題、あるいはまた合理化の問題とも言われているわけでありますが、先ほど総裁が御説明くださいましたとおり、これから架設から移転が大変増大をしてくるという御指摘があったわけでありますけれども、そういう中で、とにかく架設という動きが大変ペースダウンしてくる中で、予想どおりの収入というものが、果たしてこの計画の中で言っているような状況というものが、本当に実現できるのかどうかということになりますと、なかなかこれはむずかしい問題、判定しにくいわけでありますけれども、予想どおりの収入を確保していくということはむずかしいのじゃないかというふうに私どもは感じるわけでございますけれども、加えて、公社事業に参画する三十二万人の方々の人件費の問題、あるいは物件費の問題、特にベースアップの問題等考えてまいりますと、相当思い切ったやはり合理化というものがなされない限り、どうもこの計画というものも非常に実施がむずかしいのではないかというふうに私は感じるわけであります。  こうした中で一つお聞きをしておきたいのは、計画年度途中で大幅な料金値上げというものが本当に行われないと言えるのかどうか、この辺についてひとつお答えをいただいておきたいと思います。
  89. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 昨年九月、十月、十一月にわたって、国会で大変論議していただきました私ども料金値上げ審議の途中におきまして、前総裁も、五十一年度を含めて向こう四年間料金は上げませんということを言明いたしました。私もそれを受けて、当然ことしから三年間は料金値上げはしないでいけるというふうな確信を持って、懸命にそれがとんざしないように苦心をしておりますが、さらにでき得れば半年でも一年でも、より料金値上げをせずに済ませるということは私たちの使命だと思ってやっているつもりでございます。  ただ、いつになっても料金がそのままでいいということは、どうしても計算上、公共料金というものは上げないで、片や支出というものは年々歳々どうしてもふえるものでございますので、後半になりまするとその辺は料金の値上げということも考えなくちゃなるまいということが五カ年計画大綱の文書としては出ておるわけです。そこはできるだけ諸先生にも御迷惑をかけずに、でき得れば第六次中は値上げせずに突っ走るということがわれわれの使命でございますけれども、その辺の見通しは、先ほど最上先生がおっしゃったように、収入が予想よりも落ち込むということになれば、あるいはまた四十八年のオイルショックのような第二弾が、大きな不況、あるいは物価騰貴の原因になるようなショッキングな問題が起これば、これはまあ私たちとしても何ともならぬわけでございますけれども、このところはなかなか言明はできませんが、私どもとすれば、少しでも長くこの料金の値上げを持ちこたえていくということをやってみるというのが精いっぱいのところでございます。このぐらいに御答弁するほかはちょっとないと思っています。
  90. 最上進

    ○最上進君 いま総裁から、第二のオイルショックが来るようなことでもなければ云々というお話があったわけでありますけれども、どうも私どもやはり石油問題、エネルギー問題等勉強しております中で、これはCIA等の調査というものは信憑性についていろいろ論議がありますけれども、一九八三年、いまからちょうど六年後ぐらいになると思いますけれども、この辺で、世界の石油の需要と供給のバランスというのが完全に入れかわるという指摘さえいま出ております。  で、わが国では、御承知のとおり九十日間備蓄は進められてはおりますけれども、そういう中で、やはり、先ほど私がお話しましたとおり、これからの日本の経済の先行きを見定めるということは、このエネルギー計画とも相まって非常にむずかしい問題ではありますけれども、どうもそういう問題勘案してまいりますと、このエネルギー問題一つとりましても、この第六次五カ年計画というものが何となく砂上の楼閣でなければいいがなというような感じさえするわけでございまして、その辺につきましては、ただいま総裁から、第二のオイルショックでもなければというお話がありましたので、それはそのとおりとして受けとめてまいりますけれども、こうした点についてもひとつぜひ公社自体の研究をしっかりやっていただきたいというふうに考えております。  続きまして、先般国土庁から出されたわけでありますけれども、三全総の中で、この試案の中に電気通信関係の体系整備がうたわれているわけでありますが、この内容と、その公社が今回発表しておりますいわゆる第六次五ケ年計画大綱との関連というものはどのように勘案をされているのかお伺いしておきたいと思います。
  91. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  公社長期計画公社の内部の計画でございますが、先ほどの国の経済計画並びにいまおっしゃられました国土開発計画関連につきましても、その基本的考え方に沿うよう、日ごろ配慮しているところでございます。現在国土庁から公表されました三全総の試案を見ますと、一つには国土利用の均衡を図るための基礎設備に関する計画課題の一つとして、電気通信が位置づけられております。その整備の基本的な方向といたしまして、「定住構想を達成するためには、通信体系のネットワーク形成が不可欠であり、情報の持つ重要性を認識しつつ、情報の一層の高度化、大量化に対応してその媒体である通信体系を計画的に整備する必要がある。」こういうふうに述べられており、そのための手段といたしまして、新しいメディアの開発及びネットワークの形成につとめ、災害等に対してもその多ルート化等を行うというようなことが述べられております。  私たち計画策定に当たりまして、これに、三全総の試案との整合につきましては十分配意した上で進めていきたいと思っているわけでございますが、その基本的な点につきましては、公社の進めているところと全く同じございまして、その電子交換機を中心に電気通信網の拡充改良を図り、また加入区域の拡大等過疎地域の推進、また新メディアの問題といたしまして、データ通信に適合したディジタル通信網の開発、画像通信、移動通信等を含めました通信システムの拡充開発、それから先ほど申し上げました非常災害時の、異常時におきます電気通信サービスの確保のための諸施策等、これらは三全総の思想と非常に一致するものでございまして、今後ともこの盛り込まれた課題にこたえていきたいというふうに考えている次第でございます。
  92. 最上進

    ○最上進君 大体わかったわけでありますが、今度のこの五カ年計画が公表されたことで非常にショックを受けている人たちがいるわけであります。それは御承知のとおり公社の仕事に大変今日まで貢献をしてきた関連業界の方々でありまして、どうもその九兆円という額は、インフレ率等考えてみると、いままでの七兆円、これと横ばい状態であるというようなことがささやかれております中で、できますれば、ひとつ皆様方にお願いしたいのは、この六次計画における建設投資というものが関連の業界に及ぼす影響というものをいかがお考えになっておられるか。  これは当然、公社の五カ年計画というものは関連業界のためにするものでないということだけは明白でありますけれども、やはりいままで長い間深いつながりがあった、そしてまたいまこの経済不況下であえいでいる企業が大多数の中で、この関連業界のこともやはり勘案をする、考えてあげるということは非常に大事なことだというふうに私は感じているわけでありますけれども、こうした点、今後の指導方針についてもひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  93. 長田武彦

    説明員長田武彦君) お答えをいたします。  いま先生指摘のように、九兆円という投資は、第五次の五カ年計画に比べて見ますと、実質的に見ますとほぼ同程度であろうというふうに思います。マクロ的に見ましてほぼ同程度と実は申しましても、中身をミクロ的にまたいろいろ見てまいりますと、いろんな問題が出てくるわけでございます。  まず、第六次の五カ年計画になりますと、恐らく今後とも新しい技術あるいは新しいサービスといいますものが今後どんどん出てくるということに相なります。したがいまして、こういうものに要するに対応できる業界であってくれなくては困るということが非常に大きな問題でございまして、当然、そういう技術力の向上ということは、物品を製造いたすにいたしましても、工事を進めるにいたしましても、当然必要になってくるという意味合いで、公社として相当これは指導を推し進めなければならぬという問題がございます。  それからもう一つの問題は、やはりこれはミクロで見てみますと非常に発注の構造的な変化が起こるんではないかというふうに思われます。たとえば物品で申してみますと、たとえば先ほど話が出ましたが、電子交換機というようなものが今後とも相当大量に入ってくる。従来のクロスバーというような交換機から全く製造方法等違う物品が製造されねばならない。また、それに伴いましてソフトウエア技術というようなものもいろいろ出てまいります。  またもう一つ、工事の方で申してみますと、たとえば工事の種別でございますけれども、これは線路とか機械とか、こういうようないろいろ種別がございますが、恐らく第六次の時期におきましては非常に宅内の端末機、今後電話を使いやすくするためのものがたくさん出てきます。といいますと、やはりそういう方面の工事量が出てくるというようなこと、あるいは災害対策等含めましても、土木関係の工事も若干伸びるんではないかというような見通しがございまして、こういう発注の一つの構造変化に対応いたします公社としてのまた指導というものが非常に重要なことになるんではないかというふうに考えております。
  94. 最上進

    ○最上進君 次に、新しい大量情報伝達として大変脚光を浴びております光ファイバー通信システムについてお伺いしたいんでありますが、光ファイバー通信システムにつきましては、先ほど来私が主張しておりますとおり、非常に時代的背景の中で省資源、省エネルギーが叫ばれておりますときに、この銅資源の節減あるいはその大量情報の伝達、これを可能とする非常にすぐれた長所をもって着目をされまして、これが研究をされているわけでありますけれども、お伺いいたしますとその一、二年前から各国で本格的な実用化研究が開始をされているけれども公社でも来年度から公衆通信用に利用する計画があるというふうにもお伺いをしているわけでありますけれども、特に光ファイバー通信システム導入のメリットはどこにあるのか、あるいはまたその実用化計画について、ひとつこの際お聞かせをいただきたいと思います。
  95. 前田光治

    説明員前田光治君) お答え申し上げます。  光ファイバーを導入いたしますまずメリットでございますが、ただいま先生指摘になりましたように、銅資源の節約という点が一つございます。これは御案内のように、いま電気通信の伝送いたします設備といたしましては、無線の方式を除きますと大部分が銅線を通して電気を送るという形をとっておりますが、この光ファイバーケーブルになりますと、銅にかわるものが石英あるいはガラスと言われるたぐいのものでございまして、これの主たる成分は珪素というものになります。御承知のように珪素は地球上で最も豊富にございますし、また地域的に偏在しておりませんで普偏的に存在しておる物質でございますので、資源的な問題というのはほとんど銅のようなネックがなくなるというメリットがございます。  それから光ファイバーの第二番目の利点といたしましては、これはごく最近こうなったわけでございますが、非常にロスが少ない、損失が少ないという利点がございます。これは実はほんの数年前まではロスが非常に大きいということがむしろ光ファイバー方式の欠点で、なかなか実用化がむずかしいとされておったわけでございますが、ほんのここ数年急激にこの辺の技術開発が研究が進みまして、逆に銅線に比べて非常にロスが少ないという線路の実現が可能になってまいったわけでございます。ロスが少なくなりますと途中に入れます中継器というものが短かい間隔でなく長い間隔で置けるようになりますので、経済的にも節減ができるという点がございます。  それから三番目の利点といたしましては、電気ではございませんでガラスの中に光を通して使いますので、いろいろな外界からまいりますたとえば電力線でありますとか電車線でありますとか、そういったところからまいります電磁的な誘導妨害、あるいは雷に強いといったような利点がございます。  それから次に四番目の利点といたしましては、この光ファイバーと申しますのはちょうど人間の髪の毛程度の太さのものでございまして、〇・一ミリぐらいの太さでございます。これに対して銅線は〇・五ミリとか〇・六ミリとかそういった近所のものでございますので、非常に銅線に比べて細い。それから、重さも、銅に比べますとガラスは比重が約四分の一程度でございますので非常に軽い、細くて軽いということから、一定のケーブルの断面積の中にたくさんの線が入れられるという利点がございます。なお、光ファイバーは銅線よりも扱える周波数の帯域幅が非常に広いという特質がござまして、したがいまして一本のグラスファイバーの上に、電話であれば非常にたくさんの回線が一度に乗せられる、あるいはテレビのようないわゆる画像通信といった帯域幅の広い通信を経済的にやるのに適しておるといった利点がございます。  これの実用化の過程といいますか、計画でございますが、この光通信一般に関しましては、公社は比較的早くから着目して研究を開始しております。大体昭和四十一年ごろから本格的な研究を開始しておりますが、特に光通信のうちで光ファイバーというものの開発研究が急速に進みましたのはここ数年間でございます。で、ごく最近でございますが、世界で最も損失の少ない光ファイバーというものの開発に成功いたしております。そのほか光ファイバーを連続的に工業的に生産する方法というものにつきましても新しい方法を開発いたしております。  それから、ファイバー自身ではございませんが、ファイバーを通しまして光を送るための光の発生器がございます。レーザーというのものでございますが、このレーザーの寿命が非常に短いということが従来欠点であったわけでございますが、これにつきましても非常に長寿命のものの開発に成功いたしまして、ここ二年ぐらいのうちにこういった世界的に注目される開発結果が出ております。で、これらを利用いたしまして、来年度中に実用に供しながら総合的な試験を、東京都内におきまして約二十キロメートルの区間で百メガビットという、これは一秒間に一億回光を断続して信号を送る方式でございますが、これは現在の時点ではこの二十キロメートルにわたって百メガビットの方式の実験をするというのが世界でも最高速の方式であると思っております。  さらに、これが本格的に導入をされます時期でございますが、これはただいま光ファイバーの研究といいますのは非常に、ごく最近急速に進展をしてまいってきたものでありますので、先行きの予測ということがかなりつけにくいわけでございますが、今後、このファイバーの工業的な量産方法の研究開発、及びそういった設備を実際にしていくといったような問題もございますので、確定的には申し上げられないわけでございます。来年度の試験結果を見てということになるわけでございますが、計画といたしましては、約三年ぐらいのうちには実用方式というものを導入する所存でございます。
  96. 最上進

    ○最上進君 三年以内に実用方式を採用するというお話をお伺いいたしましたが、それなら光ファイバー通信システムのこれに対するいわゆる郵政当局における法制的な位置づけ、これをどのようにしていかれるか、これはひとつ大臣なり郵政省当局からお答えいただきたいと思います。
  97. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 光ファイバーケーブルは導体の一種でありまして、光は電磁波の一形態でありますので、有線電気通信法第二条第一項によれば、「送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けること」を有線電気通信として同法の適用があるものと考えております。したがいまして、光ファイバーの中に光を通すことによって行う通信方式についても、電磁現象を利用して符号等を送るものでありますので、有線電気通信法の適用があるものと考えておりますが、このような通信方式の開発により、有線電気通信法第十一条の点に規定している技術基準に関しましては見直しの必要が出てまいりますので、現在技術基準の整備を進めているところであります。
  98. 最上進

    ○最上進君 光ファイバー通信方式、こういうようなただいま世界で開発競争をしている中でも、電電公社が世界で初めてのこうした技術開発をされるというような、こうした点を考えてまいりますと、本当に私ども日本電電公社を誇りに思っているわけでございますし、どうかひとつこの第六次五カ年計画をもって、さらにしっかり足を地につけて発展をされますようにお願いをいたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  99. 大森昭

    ○大森昭君 これから質問をいたしますが、何といいましても初質問でありますから、要領を得ない質問も部分出ようかと思いますが、答弁は簡潔で明確に、そしてまた誠意ある回答をお願いをしたいと思います。  まず、郵政省の所管をしております郵便貯金、保険事業、並びに電気通信事務全般について総論的にお伺いをいたしますが、先ほどからちょっとお話を聞いてますと、郵便の例でも、七月二十日に答申が出ましてという話で、郵務局長からもいろいろ答弁がありましたけれども、午前中の案納先輩委員質問ではありませんが、郵政審議会の持ち様についてもいろいろ意見が出ておりましたけれども、私は、この審議会にお諮りをするときに、各審議委員の皆さん方に、郵便事業はいかがいたしましょうか、という形でのまさか審議をお願いをしているんじゃないと思うんであります。少なくとも郵政当局がそれぞれの状況を見て、そしてまた変革をされておる状況の中で、こうありたいけれども、という形の中で、審議会というものについての御審議をいただいているんじゃないかと思うんであります。  そういう意味合いからいきますと、七月二十日に出された問題について今日作業をしているという段階じゃなくて、おおよそ審議会の委員の皆さん方に御賛同をいただければ、この実施はどの時期に実施をしなきゃいけないかという想定があって審議会の御答申を受けたんじゃないかというふうに理解をいたすんでありますが、いかがなものでしょうか。  そしてまた、電通の関係について私も質問を用意しておりましたけれども、午前中の案納先輩委員並びに最上先輩委員からの御質問がありましたので、質問をここで省略いたしますが、ただ私は、まあ新しい議員であるからかわかりませんが、計画を立てるに当たって、料金改定がどうなるかということもきわめて不明確、そしてまた計画が出された段階で、われわれが十分な説明を受けておらないということになりますと、少なくとも逓信委員でありますから、まさか計画の前に意見交換をしようということは私申し上げませんが、計画を出される事前の段階で、公式、非公式いろいろあろうかと思いますけれども、御説明をいただきませんと、こういう場の中で限られた時間で、いま総裁が言われましたように最高の技術を誇る電電公社が、そしてまた一刻もおくれてはならないという意味合いの御答弁がどうもやはり少し私どもとしては、そういうことなんでしょうけれども、一刻もおくれてはいけないという基盤をどこに置いているのかということも私としては疑いたくなりますので、どうかひとつそういう点などについて、そしてまた五カ年計画でありますから、それぞれの年度の当初に当たって一年間がどういうふうに推移して二年目がどうなるかということもあろうかと思いますので、それぞれの年度の計画の前に、また事前に御説明いただくことを御要望いたします。  それからさっき、午前中の総裁答弁の中で、離島と僻地はまだ十分じゃないという御答弁がありました。私も物価等対策特別委員会で沖繩に行ってまいりました。御案内のように石垣島で台風がありまして、電話の回線が非常におくれたために災害に対する対応がおくれたという意見も出ておりましたので、これはまた別途具体的な問題をお話ししたいと思いますが、いずれにいたしましてもまだ離島、僻地の問題については十分これから力を入れてやっていただかなければならないのではないかと思いますので、よろしくお願いしておきます。公社の方は答弁要りませんから……。
  100. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 七月二十日の郵政審議会の答申でございますが、これは昭和五十一年の六月二十一日に郵政大臣から審議会に対しまして、「社会経済の動向に対応する郵便事業あり方について」ということで諮問申し上げたわけであります。で、この諮問書にも書いてありますとおりに、郵便事業をめぐる諸情勢というのが非常に大変なときである、そういった諸情勢を考慮するとき、将来への的確な見通しに基づいた郵便事業のあるべき姿を改めて検討すべき時期に来ていると思われるので、この際国民に対するサービスの確保、効率的かつ近代的な業務運営等の諸問題等につきまして、社会経済の動向が郵便事業に与える影響、これに対応する郵便事業あり方について総合的な検討をお願いいたしたいということを中身といたしたわけであります。これに基づきまして、審議会の先生方いろいろの立場から種々の御意見も提出していただき、一年強の期間の間慎重に検討していただいた結果七月二十日の答申をいただいたわけでありまして、ただいまのお話、事前に省の考え方があってその答申にそれが盛り込まれたのではないかというお話もございました。これは先生方が一年間にわたって忌憚のない意見を述べられた、それをまとめて答申をしていただいたということことでございます。  私どもとしてはこれを受けまして、なかなかむずかしい問題も多いし、また利用者の方々の理解と協力も得にゃいかぬ問題もございます。十分そういうものについて真剣に取り組んで検討していきたい、こういうふうに考えている次第であります。
  101. 大森昭

    ○大森昭君 ここに、答申にいろいろ書いてありますがね、まあ結局のところみずからの努力と責任によって健全な経営をやりなさいよと言われているわけですね。  私が実は四十年ごろに郵政省に対しまして、まあ郵政省というのは単年度予算でありますから、いまの電電公社の五カ年計画というようなことはなかなか立てづらいけれども、しかし少なくとも郵政事業というのは企業でありますから、したがってそういう意味合いからいけば、やはり中期的であろうと短期的であろうと長期的であろうと、計画がないということはやはりこれはまずいんじゃないかということで、四十四年当時、五十一年までにわたる郵便貯金保険事業計画が出されました。すでに五十一年は過ぎておりますから、そういう意味合いからいきますと、たとえば、いま郵便の答申を申し上げましたけれども、保険の場合でも、四十三年に特色ある簡易保険にという答申が出て以来、その後の答申がないわけです。答申があるないはかかわらないんですが、同時に、計画もないというふうに私は見ているわけであります。  そういう意味合いからいきますと、四十四年の三月二十四日に、曲がりなりにも、単年度という予算規模の中でも少し長期的に見て事業運営をしていこうじゃないかという、当時の私は省の幹部の努力に対しては評価したいと思いますが、今日の段階では、五十一年が過ぎて、にもかかわらず、それとまた貯金、保険、オンラインという形の中での事業運営をしようということでありますから、これまたとてつもない事業の変革が行われるんだろうと思うんでありますが、具体的に貯金も保険も郵便も、今日、いかなる計画に基づいて中期的あるいは長期的に事業運営していこうかという内容のものを持ち合わせかどうか、明確に答弁してください。
  102. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 郵便事業長期的な展望といいますか、そういうものにつきましては、先ほど申し上げた郵政審議会の答申というのは、ただいまの経済情勢あるいは近い将来における経済情勢の変動に対応する郵便事業ということで答申をいただいたわけでありまして、これはこれなりに私ども、真剣に取り組んで検討をしていかにゃいかぬと考えているわけでありますが、なお、郵便事業の将来展望というか、そういうものについては、さらにいま将来展望に関する調査会ということで、より基本的な問題、それからより将来的な問題について、学者の先生方にいろいろ御議論をいま願っているということでございまして、先生おっしゃるように、われわれとしても郵便事業の将来というものについては真剣に取り組んでいかなければいけないと考えております。  いまのお話の中に、昭和四十四年度に長期合理化計画をつくったではないかというお話の点でございますが、確かに四十四年に長期合理化計画というものを作成して、関係組合にも御説明したわけであります。その後、昭和四十九年の年末に、さらに四十九年度から五十三年度までの計画ということで御説明しております。で、五十三年度、来年度までがそれに含まれているわけであります。  現在の合理化というか機械化というか、そういう計画につきましては、集配作業の機動化あるいは郵便番号自動読み取り区分機、あるいは自動選別・取りそろえ押印機の配備、こういうものにつきまして、大きな局を中心にして配備してまいったわけであります。  で、今後の合理化計画につきましては、もうすでに配備している機械類をどうしたらもっと効率的に使用できるか、あるいは性能をもう少し向上できないかというようなことに問題が移ってまいっておりまして、この性能向上、あるいはもう一つは、ただいま大規模の局と言いましたけれども、今後もう少し中小規模局に使えるような機械類の開発ができないかというようなことで、こういう点についてこれから研究し、開発していこうというようなことでございまして、そうなりますと、そういう機械につきましては、いきなり実施というわけにいきませんで、そういうものを開発したら、実験というような段階も必要であろうかというようなことで、いろいろそういった面の検討をいま進めている段階でございまして、そういう検討の見当しをつけた上でそういったものをつくってまいりたい、こういうふうに考えている段階でございます。
  103. 高仲優

    政府委員(高仲優君) 為替貯金事業について申し上げます。  為替貯金事業におきましては、現在、おっしゃられた中期あるいは長期計画と銘打ったものはございませんが、何も検討をしていないかということになりますと、実はそうではございません。たとえば、為替貯金事業が今後どのような役割りを果たしていくべきかという一番基礎的な問題につきましては、現在学問的あるいは専門的立場からの研究も必要と考えまして、金融、経済、あるいは社会学などの学者に委嘱いたしまして、為替貯金に関する調査研究会というものをやっております。これは実は昨年九月からやっておるものでございまして、この一番基礎的な事業の今後の役割りという点については、この調査研究会を主として検討を進めてまいりたいと考えております。  業務面については、しからばいかがかということでございますが、午前中来大臣がお答え申し上げましたように、委員会の決議、あるいは郵政審議会の答申内容を十分頭に置きながら、事業の改善を進めるという方向検討を進めておる次第でございます。  なお、これらの業務を進める物的な基礎の問題と相なりますと、その基盤といたしましてオンラインシステムを導入することを現在計画いたしております。来年の八月、神奈川県下の一部地域から実施に移し、おおむね七カ年の計画をもって全国の郵政窓口をオンラインシステムで結ぶということを考えております。こうした施設が整備いたされますと、いま、現在提供いたしておりますサービス程度の向上のほか、新しいサービスを拡充するということもできることに相なろうかと考えておる次第でございます。
  104. 佐藤昭一

    政府委員(佐藤昭一君) 簡易保険事業について申し上げますが、簡易保険事業におきましては、国民の保険需要や経済環境の変化に対応するとともに、生命保険事業動向等にも留意しながら事業運営を図っていく必要があるという認識でございまして、このため先先の御質問の中・長期計画という御質問でございますが、そういった明確な期間を限った形のものは従来策定しておりませんけれども制度の改善、あるいは新種保険の開発、事業経営の効率化等にそれぞれ努力をしてまいったわけでございます。  たとえば、昭和四十年及び四十三年の郵政審議会の答申を受けまして、その後、学資保険、傷害特約、あるいは疾病傷害特約等の制度の改善を行ってまいりました。また、本年の九月には、保険金の最高制限額の引き上げ等の制度の改善も実現を見た次第でございます。また、加入者サービスの向上と事業経営の効率化を図りますために、簡易保険業務の総合機械化計画を立てまして、五十五年度末までに、全国で約一千の郵便局を対象にいたしまして、オンライン化を実施する予定で取り運び中でございます。今後とも簡易保険事業を発展させてまいりますために、事業に常に新しい目を持ちまして、時代に即応した制度の改善や事業経営の効率化等をさらに推進してまいりたいと考えております。  当面の問題といたしまして、運用利回りの向上を図りますための運用制度の改善であるとか、あるいは社会、経済情勢の変化に対応しました新種商品の開発及び加入者福祉施設の拡充等がございますが、これらの検討を含めまして、加入者サービスの向上のために諸施策を実施してまいりたい、かように考えております。
  105. 大森昭

    ○大森昭君 三局長から御答弁がありまして、言葉の上ではそれなりに理解をいたしますし、また事実、計画というのは大変むずかしいこともよくわかるんですけれども、ただ問題は、もう私からいま言うまでもないんでありますが、日本の経済一つとりましても、どの書物を読みましても、高度成長から安定成長へと、こういう形で一口で言われておりますが、まさに激動の時代だろうと思うんであります。ですから、そういう意味合いでは非常にむずかしいんでありますが、しかし、少なくとも郵政省の皆さん方が計画を立てるということは一体何か、こういう方向でみずからの事業運営していきたいという、その証左にほかならないんであります。  ですから、そういう意味合いからいきますと、たとえば何年たって機械をどう入れる、貯金も保険もそういう御答弁がありましたけれども、しかしそのときに一体機構はどうなるのか、人員はどうなるのか、利用者に対するサービスはどういう形で変化をしていくのかという形のものが、これは大変むずかしいけれども、少なくとも膨大な金を設備投資に投入をしてやるわけでありますから、そういう意味合いで、しっかりした計画を立てることによって、やはり事業全体を、たとえば先ほど大蔵の方から進学ローンの問題で話がありました。金融制度の立場からするとなかなかという話がありました。私は、大蔵省は金融制度の立場でいろんな議論をするんだろうと思うのですが、しかし郵政事業というのは現業でありますから、大臣が今度進学ローンを打ち出されたことについて、私は大きく評価しております。やっていただきたいと思います。  それは何かというと、単なる金融制度上の問題だけじゃなくて、いま郵便貯金が非常に高い率で入ってきているということは、これは郵便局の窓口に座っていて、みんなどんどんどんどん貯金持ってくるんじゃないんでありまして、外務員の方が、それこそ雨の日も風の日も募集をするから貯金の目標達成率が、表にありますように一三〇%にも一二〇%にもなるわけですね。そのときに、進学ローンというもので貸し付けをするからという意味合いで貯金をしてくださいという形の中で貯金をする場合と、何かわからぬけれども政府の財投の中にみな組み入れられちゃって有効的に使われてますよというのとは全然違うんです。  私はもっと極端に言えば、大臣が進学ローンをやられたことは大変結構ですが、進学ローンをやるのは一体どういう現象から出てきているのかということを簡単に言いますと、学校が不足していまして、それでまた今日の高学歴社会を目指していくのですから、本当からいけば郵政省が——三十四兆もあるのですから、貯金は。大臣が、全国どこにでもというわけにはいきませんが、郵政省が学校をつくったらいいですよ、高校を、簡単に言いますと。そうすると、郵便貯金の外務員の人が、あそこに学校ができたでしょう、あれは皆さんに出していただいた貯金の金で学校ができたんですよ。そうか。それじゃ老後の不安、いろんなことで出費が重なるから貯金をしようということと同時に、みずからが貯金することによって学校ができるということになれば、大いに貯金をしてやろうじゃないかということになるわけですからね。  ですから私は、大蔵省が今日の考え方の中で、きょうの答弁の中で、金融制度、財政のあり方とか、制度の問題だとか、先ほど最上先生も言われましたけれども、もうこの時代になれば、少なくとも新しい経営感覚というものをどういうふうに持っていくかという形のものでいきませんと、これはなかなか郵政事業それぞれ、郵便でも何でも長い歴史があって、創業当時の社会的背景がありますけれども、こればかりに頼っておったんでは、もうどうにもならないじゃないかというふうに理解しますので、きょうはこれ以上追及いたしませんが、どうかひとつ……。  運送の問題も、先ほど質問がありましたけれども、運送一つとっても、国鉄との関係もあるでしょう。しかし、郵政事業としてはこういう形で運送計画の行為をやっていきたいというようなことから、オンラインの問題についてももう少し、単に機械を何年で何カ所入れるなんというのじゃなくて、そのときに置かれておる労働者の一体労働条件というのはどういうかっこうになっているのか、そしてまた事業がどの程度サービスの供給ができるのかというやつを、できる限りのことで仕方ありませんけれども、どうかひとつ作業をしていただきたい。  ただ、私はここで郵務局長一つだけ、少ししつこいようでありますが、この答申が出まして、これはいつごろまでに作業が終わるのですか、省の態度としての作業は。
  106. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 先生御承知のように、この答申の中身は、多岐にわたっておりまして、大きな項目として四点先ほど申し述べましたが、その中身になりますと非常に重要でありますが、また細かい問題も多い。それぞれの分野でそれぞれ幅広い検討を進めていかなければならぬということでございまして、中には住民の協力あるいは利用者の協力という問題も含まれておりまして、私どもの方で一方的にいまいつまでというようなことをこの場で申し上げかねるわけでありますけれども、どれも重要な問題でありますから、真剣に取り組みましてできるものから手をつけていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  107. 大森昭

    ○大森昭君 まあ、それしか答弁ができなければしょうがないのですが、ただ、郵政審議会でこれ、答申が出る前段の問題がありましてね、それでこの答申が出たわけですね、七月の二十日に。少なくとも審議委員の皆さん方に御努力をいただいて答申が出まして、これはいろいろたくさんありますからね、全部一括していつまでかという質問を私はしているわけではないのでありまして、できるものもあるだろうし、なかなかむずかしいこともあるでしょうけれども、少なくともおおよそ郵政省として、この答申に対しての具体的な作業がいつかわからないというのはやっぱりちょっといただけないし、とりわけ郵便事業は、先ほどいろいろ公社関係で光ファイバーの問題だとか、いろいろ討論がありましたけれども、電子郵便の問題でも、すでにアメリカやカナダでこれは実施されています。もちろん、西ドイツあたりは一回実験してやめたような経過もあるようですがね。これは郵便事業の場合にも、必ずしもこの今日の技術の変遷に関係ないわけじゃないのですから、ですからそういう意味合いからいきますと、少し能動的に、作業をいつごろまでにやってみたいとか、できるとか、やはりこれぐらいは局長答えてもらわないと、これは審議委員の皆さんにも失礼じゃないかと思うのですがね。
  108. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 私ども再三申し上げておりますが、非常に多岐にわたる問題であります。真剣に努力をしてまいりたい、こういう決意であります。  で、先ほども言ったように、問題問題についていろいろまた解決すべき事項等も多々あるわけであります。そういうのを一つ一つ解明しながら検討していくということでございまして、決してなおざりにするとかいうことではございません。御了承をお願いいたしたいと思います。
  109. 大森昭

    ○大森昭君 貯金の利下げの問題で、本会議でもいろいろなことが言われましたし、予算委員会でも言われていますから、私はここで繰り返すつもりはないのでありますが、ただ、先ほどちょっと進学ローンで御意見を申し上げましたように、いずれにいたしましても、貯金の資金というのはみずから運営してないわけです。  そこでまた問題になるのは、貯金会計もこれまた赤字と今日言われております。せんだって公定歩合の利子の引き下げに伴う問題の中で、大体保険事業というのは利子の運用利回りの状態と、それから死差益の関係と、そしてまた事業経費がどのくらいかということで保険という商品ができるんだと思うのでありますが、保険は余裕金の問題、前国会で議論されているようでありますが、それにいたしましても自主運営して七・一四%の運用利回りがあるという話がありました。しかし貯金は六・五%ですね、今日。そうなりますと、少なくとも保険事業の場合に余裕金などの問題もあるし、また必ずしも自主運用がどうかというのも少し疑問がありますけれども、しかし貯金事業から比べればまた別な角度である意味での郵政省の自主運営なんでしょう。そうなってきますと、貯金の場合に赤字だということが言われておりますが、まさにもらえる分が少なくてこれは赤ということでありますから、自主運用はみずからしないというよりかもさせてもらえない。加えて、大蔵省からもらう利率は六・五%、保険よりかも少ないわけですね。  このような状態で、私は問題の指摘はそういう数字の問題じゃなくて、そういう置かれておる状態の中で、今日それぞれの事業が特別会計なわけであります。特別会計がいいじゃないか悪いじゃないかという議論をきょうはする気ありませんが、少なくとも大もとのもとでもって狂った独立採算制ということになりますと、そこい働いている人たちはとてもじゃないけどかないませんね。事業の経営がよくない、たてまえが独立採算制だというたてまえで多くのことがやられるわけでありますから。ですから、もう少し今日置かれておる貯金事業にいたしましても、保険事業にいたしましても、今日のまさに公定歩合の引き下げなどをめぐる日本経済とあわせて、一体この事業のありようについてどうあるべきかということを慎重に検討していただきませんと、そこに働く労働者というのは、その枠の中での押さえ込みではこれはとてもどうにもなりませんから、どうかひとつそういう意味合いで、きょうは問題提起だけで、もう少し抜本的に、私は皆さん方一生懸命努力をしていると思いますが、そういう問題などについて十分ひとつやっていただくことをお願いをいたしまして、事業の総論の部分は終わりたいと思います。  そこで次に、国会というのは御案内のように、私どもは一年生議員で入ってきましたけれども、連続している委員会でありまして、そういう意味合いからいきますと、多くの先輩の方々が逓信委員会の中で事業の発展のためにいろんな附帯決議をしたり、いろんなことが行われているわけでありますが、そういう意味合いからいきますと、少し私はそのことがそのとおり実施されているのかどうかという問題で、一つ例を出しますと、たとえば局舎の改善の問題で、社会党から昔、法案が提案されて、それが廃案になって、しかし簡保の金について郵政省の借り入れが三%ですか、何かやっておこうじゃないかというような連続した附帯決議がありますが、どうも今日私の調べた結果によりますと、たとえば特定局の場合なんか——いまここで私は特定局制度の問題を議論するというのじゃないのでありますが、特定局の場合も、前には百二十局、それからまた百局に減る、今日七十局ですね、だんだん減っているんです。とりわけまたこの七十局の予算にいたしましても、いろんな建設資材の値上げだとかいろいろあるんでしょう、予算どおり実行されてない。  こういうことになりますと、長い歴史の中で、お互いに働く職場というのはきれいにしていこうじゃないかというようなことで議論されて、附帯決議がされたんだろうと思うんですが、どうもそういう意味からいきますと、少し従来国会の中でいろんなことが附帯決議をされ、決議をされ、議論されたことが忠実に今日行われないとは思うのでありますが、それは私の間違いかどうか、御答弁していただきたい。
  110. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 昭和三十年の簡保積立金運用法一部改正法に対する衆議院逓信委員会附帯決議におきまして、その中で、「郵便局舎の建設を図るため、来年度以降、毎年度積立金運用総額の百分の三を下らない金額を国に対して貸付けること。」という決議がございます。
  111. 大森昭

    ○大森昭君 それじゃまたよくあとでゆっくり調べていただきたいのですが、私の手元にあるのは、四十三年度は百二十局、土地、建設を含めて。それから四十六母になりますと百局になりまして、五十年になりまして七十局になった、こういうことですから、恐らく省の回答は、いやそれだけ局舎がよくなって、改善する局舎が少なくなったのでというような御答弁があるのじゃないかと思ったのですが、いずれにしても今日、私も全国区でありますので全国をいろいろ歩いてまいりましたけれども、大変どうにもならない局舎が多いように見受けられますが、どうかひとつそういう意味合いで、だんだん国会の中で議論されたやつが数が減ってくるようなことではどうにもなりませんので、調査をして、ひとつ改善方をよろしくお願いいたしておきます。  そこで問題は、事業は人なりという言葉がありますが、いずれにいたしましても郵政事業、たくさんの職員を抱えておりまして、人件費がもう九〇%という説もありますが、そういう事業でありますので、そこで、人の採用から始まりまして訓練その他、日常における問題が大切だろうと思うのでありますが、一時はなかなか郵便局に入る人がいませんで、郵便局の前に行きますと必ず職員の採用をやっておりまして、したがって東京の方で、東京で採用する場合に、九州から来たり、東北から来たり、まさに独身寮を建てて大わらわになったわけでありますが、今日の状況からいきますと、どうも聞くところによりますと、労働力の需給関係というのは大きく変化をしておる。昨日上級職の試験もあったようでありますが、物すごい殺到だという競争率の話を聞いておりますが、今日の労働力の需給の関係は一体どうなっているのか。と同時に、大臣がせんだって離職者対策ということで新聞に発表されましたけれども、どうもあの真意もちょっと図り切れないところがありますので、その点ひとつ答弁をしていただきたいと思います。
  112. 守住有信

    政府委員守住有信君) 先生がただいまおっしゃいましたように、かつては郵便局にいつも懸垂幕が下がりまして、外務員募集中と——自衛隊と郵便局だけだという御批判もいただいたことがあるわけでございますが、オイルショック以降様相が逆転いたしまして、また特に本年で申し上げますと、ちょうどだだいま来春の新規卒業者の就職試験が官民ともども行われ出すという時期でございますが、これの就職難ということが世間でいろいろ言われております。片や民間の世界におきましても、民間企業の経験者の方々のいろいろの雇用の問題ということが特に大きく言われておるわけでございます。  したがいまして、私どもといたしまして特に郵便局の外務員、これは内務の方は御承知のとおり人事院規則で行います、人事院で行います採用試験でございますので、これは規則によりまして二十三歳未満と相なっておりますわけですが、外務員につきましては、人事院との協議のもとにその任命権者である郵政局に一定の範囲内で任せると、公開試験制度ではあるが、一定の範囲内で任せるということに相なっておりまして、この年齢制限というものが、従来はどちらかと申しますと新規学卒中心の考え方で、地域によって地方郵政局長がこれは決めるわけでございますが、二十五歳だとか三十歳未満だとか、こういうふうになっておったわけでございます。そういう雇用情勢、世間一般の雇用情勢の中で、大臣の方からもいろいろお話がございまして、私どもとしてもこれを事務的に地方郵政でやるわけでございますが、地方郵政を指導いたしまして、これを大都会と申しますか、大都市圏を持っておりますようなところでは四十歳、最高の四十歳まで。労働力需給関係が大都市ほどではないというふうなところは三十ぐらいとか、そういうふうにいろいろ中央でコントロールいたしまして、それで年齢制限をコントロールし、そして広く門戸を開放いたしまして、いろいろな地域におられる有能な方々を、郵政職員として十分ふさわしい方々を採用していきたい、このようにいま現在やり出している最中でございます。
  113. 大森昭

    ○大森昭君 そうしますとあれですか、原則的に地場で、東京なら東京、関東なら関東、そういう中で採用できるということになるんですか。
  114. 守住有信

    政府委員守住有信君) まあ、おっしゃいました東京、関東は非常に地域的に一連でございますので、協議しながらやっておりますが、たとえば近畿とか東海とか東北、それぞれの郵政局の管内で、郵政局によって試験を行ってやっていくわけでございます。本省で一律で試験をやるというものではございません、外務職の採用試験につきましては。
  115. 大森昭

    ○大森昭君 いま一番問題になっているのはどういう問題かといいますと、当時の採用状況の中でいきますと、ある職場へ入りますと、九州から来ている、東北から来ている、ごちゃごちゃですわね。そうでしょう。それが、まあ国鉄運賃の値上げに私ども反対するのは、もう青年帰れませんわ、いま、正直言って、郵便労働者も運賃高くて。ですから、郵政省も国鉄運賃値上げなんというのは反対してもらわなければだめですよ、これは、もう郵政労働者の立場で。いや、そういう状態ですと、どうしても職場の中で、お互いにこの職場の中で長くいようじゃないかという状況じゃないわけです。どうしても友人関係も薄れてくる。なるたけ早く変わりたいという気持ちがある。そうなってきますと、やっぱり事業を行うに当たって、そこに働いている人たちの気持ちをどうつかむかというのが問題でしょう。  とりわけ私は最大の問題は、いま管理者の人事の問題でもそうであります。特定局の場合には三十歳でなられる方もある、四十歳でなられる方もあります。いろんな方がいますけれども、おおむねそこに定着して、これはもう三十年局長やっています、四十年局長やっています方がいるわけであります。これまた必ずしも長いからいいとは言えません。ところが、一方普通局へ行きますと二年でもって管理者はばりばりかわります。局長もかわれば課長もみんなかわる。最近三年が少し出てきましたけれども。これでは一体事業が地域に密着——先ほど住居表示の問題も出ました。いろんなことがそれぞれの局には置かれている状況下の中で、いろんな問題が山積をしているわけであります。しかし、二年ぐらいの管理者では、これは地域の中で、そしてまたそこに働く人たちの立場に立って、やっぱり管理者として務まるかどうか。  ですから、これは長い歴史の中で、郵政事業が発足以来とは言いませんが、普通局の管理者の皆さん方の要員配置といいますか、管理者配置の考え方が、長い間そういう形で、何か勉強にいくみたい。まあ学士さんが二年ぐらい勉強することは必要でありましょうけれども、現場の事情もよくわかるということで。しかし今日、管理者一般が二年の少なくとも任務期間で、しかも人によってはもう単身であります。人のめんどう見るどころじゃありません、自分のめんどう見てもらいたいぐらいの話ですから、これは。  そうなってくると、やはり事業は人なりという根本からいって、そしてまた働く人たちを大事にして、そしてまたいろんな多くの問題をそれぞれ職場の中に抱えている問題を改善しようという立場に立つならば、いまのように特定局の皆さん方がその局の中に二十年でも三十年でもいる。まあいい人はいいですよ、そのままでも。しかしこれは転勤が全然なし、片や普通局の場合にはもう二年でもってオールメンバー入れかえ、こういう今日の人事のあり方というのは、これだけ多様化して多くの問題を、貯金の事業にしても、保険の事業にしても、多くの新規開拓をしなきゃならないという状況の中で、人事局長はいまのこの制度がいいと思いますか。
  116. 守住有信

    政府委員守住有信君) お答えいたします。  人事の異動の前に、私、先ほどの答弁の中でちょっとポイントを取り違えておりましたので。新規の外務員の採用の問題でございますが、おっしゃいましたように、かつてはたとえば九州や東北から東京へと、労働力不足時代でございましたのでそういう措置をとらざるを得なかったわけでございます。したがって、管内を異にする採用というのがかつて九百人近くぐらいあったかと思います。しかし、おととしからは東海でもやめますし、あるいは近畿でもことしからやめていくとか、東京、関東もだんだんそういう傾向にあるわけでございまして、私どもはなるべくやはりおっしゃいましたような考えで、労働力の需給関係でりっぱな職員が得られるならば、同じ管内の中から、同じ地域の中からなるべく採用していきたい、このように考えておるので、補足させていただきたいと思います。また客観情勢もだんだんそういう方向へ向かいつつあるということでございます。  第二番目の、普通局の管理者の諸君たちの人事の異動でございますが、やっぱり人事というものは適材を適所に、新しい気持ちで新しい職務に精励していただきまして、そしてそこに何らかの刺激があって業績の向上に資していくということを期待いたしておるわけでございますけれども、その中で先生おっしゃいますように、余りにも短いだとか、あるいは局のほとんどがそうだとか、そういうことは今後、現在もそうでございますが、今後とも職員とのいい人間関係をつくっていき、正常な労使関係をつくっていくとか、そういうことからも、やはりわれわれとしても今後とも十分配慮していかなきゃならぬことだ、いろいろ人事には人事のバランスとか、マンネリ化を防ぐだとか、いろんな角度はございますけれども先生おっしゃいましたような気持ちも今後十分考えていかなきゃならぬことだと、このように考えておる次第でございます。
  117. 大森昭

    ○大森昭君 言っていることはちょっと認めていただいているようなんですが、どうも余り歯切れがよくないんですがね。適材適所、これはあたりまえの話でありまして、いま置かれておる状態が適材適所かどうか、適材適所の配置をしているとすれば、ある人は五年いてもいいわけですよ。そうですね。ある人は一年でやめてもらわなきゃいかぬかもわかりません。ところが、画一的に二年なら二年というのが配置の基準でしょう。二年たてば五十名の局長は七十名の局長になる。七十名の局長になったら、おれ偉くなったなあと、七十名の局長が二年いたら百名の局長、大体そういう現業官庁なんですから、郵政事業というのは。五十名の局長と七十名の局長が偉いとか偉くないとか、関係ないんです。そんなことは。五十名の局長でもりっぱにそこの中で事業を遂行していれば、七十名の局長でもって中途半端な事業運営しているよりかも、五十名の局長が偉いんです。そうでしょう。  ですから、あなた方がいまここで、私は人事の問題について介入するんじゃないんでありますが、しかしある一定の基準の中で引っかき回してがらがらがらがらやるということはよくないんじゃないですかと。いま局長が言われたように、省の人事のあり方というのは適材適所でいきますというんならいいんです、それで。結構なんです。そうなれば、いま今日行われておるやり方というのは変わるというふうに私は理解しますから、どうかひとつそういう意味合いで、いま局長が言われたように、まさに適材適所で、そしてまた同時に、いまの青年なんというのは意識も多様化しています。そういう意味合いでは長い時間かけませんと、お互いに心の通じ合いというものも、いまのような状況では大変うまくいかないと思うし、そしてまた出ていく人も、正直申し上げまして、単身で二年ぐらい行きまして、また郵政局だとか本省へ帰ってくるのならいいですけどね。二年単位で現場ぐるぐる回っていたんでは、もうガス器具一つ買うのでも、これは地域変わりますとガスも電気もみんなだめですからね、経費もかさむし。それで郵政省も命令出すたびにものすごい金かかるんじゃないですか。今度人事入れかえたときに、どのくらい赴任旅費だとか交通費がかかるか、一回調べておいていただきたいと思うんですがね。  先ほど郵便料金が余り——二十億なんという話がありまして、大臣、この二十億で値上げするかしないかなんて話がありましたけれどもね。ちょっとその辺工夫してもらいますと料金値上げしないでも済むかもわかりませんからひとつ。  それから人事局長の御答弁、それでいいんですが、ただ、いま非常に問題になっています週休二日の問題ですね。これはもう新聞紙上で御案内のように、銀行法十八条を改正をしてやろうじゃないかという話があります。で、いま問題は何かと言いますと、労使の関係でのおおむね意思の疎通はできているように私は聞いております。当然、銀行が土曜日休みになるということになると、郵政事業が所管をしております貯金の窓口の問題も同時に、公定歩合でさえとにかく銀行とつき合わなきゃならないような状態ですからね、情けない話ですけれども。これはもう土曜日銀行が休めば、郵便局がやっているなんというものは、今日の、独占というと少し言葉が過ぎますが、産業構造からいってあり得るはずがないというふうに私は理解をいたしますが、一体、この銀行週休二日制をめぐって今日多くの議論がありますが、郵政省はどのような対策を立てておりますか。
  118. 守住有信

    政府委員守住有信君) いま銀行の土曜日閉店の話がございましたですけれども、人事局といたしましては郵政省全体の週休二日、あるいは時間短縮の問題、組合とも意思疎通を図りながら、いろいろ勤務時間に関します専門委員会をつくりまして、共通の認識と、また食い違う面も多々ございます。その中でいろんな問題点、中でも特に要員の問題、それを形成する財政基盤の問題、もちろんおっしゃいましたような土曜日等の閉庁、閉店の関連の問題、あるいはまた、特に郵便等はサービスとの基本的なかかわり合いが出てまいりますので、そういう関連問題等々議論しておるわけでございますけれども、非常に情勢がむずかしいと。しかし、週休二日というのは社会の趨勢でございますので、国家公務員等が実施されます段階になれば、これに絶対おくれをとらぬように十分対処して努力していきたいと、このように考えておるところでございます。
  119. 大森昭

    ○大森昭君 まあ端的に申し上げますが、郵便事業の場合もそうでありますが、単に郵便を運んでるだけじゃないわけですね、この答申にも書いてありますように。まさに郵便事業国民の文化も担ってるんだよと答申に書かれております。そういう意味合いからいきますと、郵政事業の中で、まあこの貯金事業のいまの問題もそうでありますが、いま土曜閉店、閉庁の問題でいろいろ議論されておりますが、単に銀行の土曜日閉店が行われるだけじゃなくて、このことによって、いわゆる今日不況下の中で、一体雇用の問題をどうするかという問題に結びついて、もちろん銀行自身が土曜日休店したからといったって、銀行に人がふえるということじゃありませんが、これに伴う産業構造の変革に伴っていわゆる雇用の構造が変化をして、第一次産業が雇用が増加をしていくだろうという視点で、銀行の土曜日閉店問題が問題になっているんです。  ですから、いまこの貯金事業の場合にも、当然貯金の方が先になんていうような、まあ正直言うと皆さん方にそんな気持ちはないんだろうと思いますが、しかし、少なくとも銀行と同じように、いま国民のコンセンサスを得て、そしてまあ雇用の問題にもこれがつながっていくという視点で貯金事業運営も郵便事業もそれぞれ運営しませんと、何か貯金事業も、金を持ってきて、集めた金を大蔵省にやって、郵便も、出された郵便をまた配達するだけが役割りじゃないという、これは私がいまさら皆さん大先輩を置いて何か講義をしているみたいで申しわけないんでありますが、しかし私は、そういう郵政事業が持つ別な視点の中で郵政事業が流れてるという場合に、社会的影響というものが郵政事業の変革に伴ってどういうふうに大きく変革をしていくかということをやっぱり理解をしてるだろうと思うんですが、理解をしてればしてるほど積極的にそういう問題に取り組んでいただきませんと、まあ銀行がいずれ休みになったらおれのところも何とかやりゃあいいんじゃないかというんじゃなくて、金融制度自身も、世界の主要国の百カ国はもう土曜日というのは金融はとまってるんですから、全部。  だから、どうかひとつそういう意味合いで、この銀行問題とあわせて、郵便貯金の土曜日の閉庁、まあ銀行は閉店でありますが、閉庁問題などについても、ひとつ意欲的に取り組んでいただきまして、とりわけ、また先ほど、いま人事局長が言われましたように要員問題も絡みますから、当然労使間の意思の疎通も必要なんだろうと思いますが、積極的にこれ、進めていただくことをお願いをしておきます。  次に、まあ福田総理が行政改革の問題でいろいろ言われております。大きな行政改革の問題というのは、まあ郵政省公社にでもしようかという話があればまた別でありますが、過般そういう話がありましたけれども、今回は余りそういう問題はないようでありますが、しかし、やはり郵政省としては多くのまた事業の特異性から特殊法人があるんだろうと思います。したがって、そういう意味合いからいきますれば、郵政省、今日どのぐらいの特殊法人があるのかよくわかりませんが、それと同時に、この特殊法人のあり方について検討されてるかどうか、お伺いしたいと思います。
  120. 河野弘

    政府委員(河野弘君) お答え申し上げます。  行政改革につきましては、去る九月二日、「行政改革について」ということが閣議了解されております。で、この趣旨に沿いまして目下政府部内におきまして、行政管理庁等を中心に、各省庁それぞれが自分の行政機構、あるいは定員管理、あるいは特殊法人、審議会、それから補助金、あるいは行政事務内容等につきまして検討されておるところでございます。  で、ただいま先生指摘の特殊法人につきまして、郵政省も確かにございまするが、現段階ではこれにつきまして格段の検討というものはいまのところはいたしておりません。もちろん一般的な検討はいたしたわけでございますけれども、当面その対象に入っていない。それから、郵政省におきましてはこれらの、いま申し上げましたような行政機構なり、あるいは定員、あるいは特殊法人の問題につきまして、さらに検討を続けてまいりたいというように考えているところでございます。
  121. 大森昭

    ○大森昭君 それじゃあ福田総理も大変ですよ、そんなこと言ってたんじゃ。大体各省の皆さん方が全然検討してないものを福田総理が改革するなんてとてもだめなんであってね。皆さん方の方から、おおむね国の流れの行政の変化に伴ってわが省はかくあるべきか、というのを出さなきゃですね。まあそんなことはどっちでもいいんですが、一体幾つあるんですか。
  122. 河野弘

    政府委員(河野弘君) 申し上げます。  郵政省関係の特殊法人といたしましては五つございます。名称を申し上げますと、日本電信電話公社、それから簡易保険郵便年金福祉事業団、それから国際電信電話株式会社、それから日本放送協会、それから、これは科学技術庁、運輸省と共管でございますが、宇宙開発事業団、以上五つでございます。
  123. 大森昭

    ○大森昭君 郵政大臣が認可をしてる法人というのがあるんでしょう、このほかに。
  124. 河野弘

    政府委員(河野弘君) 財団法人、社団法人はございます。
  125. 大森昭

    ○大森昭君 それは調べてませんか。
  126. 河野弘

    政府委員(河野弘君) 法人の数はたくさんございます。認可しておる法人はございます。中でも郵便貯金振興協会、これが大きな法人としてございます。——公益法人の数を申し上げます。総数は、本省において所管いたしております法人の数は九十九でございます。地方において所管しておりますものが三十二、合計百三十一でございます。それから、社団と財団に分けてまいりますと、社団法人合計六十七でございます。財団法人は合計六十四でございます。
  127. 大森昭

    ○大森昭君 それだけたくさんの法人があるわけでありますが、どれがよくて悪いということをきょう申し上げることは差し控えますが、ただ、先ほど貯金局長の方からいろいろ貯金事業に関する調査研究もしているという話もありましたけれどもね、貯金局長。しかし、この調査研究は、私が目を通した限りでは、これは学者の先生ですね。そして学者の先住が学術的に研究をしているというわけですね。私は、今日の貯金事業、それは学術的な研究も長期的な研究も必要だと思うんです。しかし、実際にいま貯金をされておる方の意識の構造がどうなっているかとか、募集をするに当たってどういう問題が障害になるのか、こういう問題は、これは一回も貯金の募集もしておらない先生方に集まっていただいて学術的な研究なんかしたってしょうがないんですよ。  そういうことになれば、私は幾つかあるこの公益法人の中に事業に直結した法人があるはずだと思うんです。もちろんそういう役割りができるかできないかわかりませんが。少なくともそういうところでそれぞれ関係する法人に、たとえば省なら省のいわゆるこの事業についての問題点がその分野で、たとえば官業労働なんというのは、これは法人になっているのかどうかわかりませんが、りっぱな雑誌出していろいろやってますわね。ですからそういうところにテーマを与える、そして、少なくとも今日事業が置かれておる変革についての調査研究をさせるということも大変必要なことじゃないか。  ですから、さっきの貯金局長お話で、私は余り、まあ必要なことでしょうから必要じゃないとは言いませんが、学者先生調査を依頼いたしまして、それが出てきてからなんというんでは、事業の、たとえばせんだって、貯金事業の募集目標に対する達成目標の率ですね、これいただきました。ところが、大変高度成長のときは確かに省が設定をいたしました募集目標よりかも率がよくなっています。しかし、五十一年度はがたっと落ちていますね。落ちているというのは、もちろん募集目標額は突破していますが。そうすると、五十二年度なんかはどういうふうに見ているのか。そして、あれだけ世の中でもって利子の引き下げについて、それこそもう郵便貯金なんというのはしたって下げられちゃうという形のこの動きがどういう形で動いているかなんというのは、これは学術的に研究したってとてもどうにもならないんですね。  ですから、そういう問題に対するスピーディーな対応策というのは一体どういう形で行われているのかということになりますと、答弁要りませんが、大変私、心もとないんですよ。ですから、そういう意味からいきますと、それぞれの公益法人の中で、郵政大臣が許可をしているといいますか、認めておる法人などについても、どうせ幾らかの援助しているんでしょう、法人というのはみんな。していない法人もあるでしょうけれども、している法人もあるはずですよ。そういうところはそういうなりに……全然していないですか。全部していない。
  128. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 社団、財団はしていません。
  129. 大森昭

    ○大森昭君 そういう形でひとつやっていただきたいと思います。  そこで次に移りますが、いよいよ年賀はがきの売り出しになりますね。ある雑誌を読みますと、大臣、非常に女性と対談をしていろんなことを言われていますがね。そこに働く職員としては最大の繁忙期に入るわけであります。とりわけ、ある一定の期間の中で繁忙に入るわけでありますから、なかなかもう大変な状態に入るわけでありますが、私は、いつもこの年末繁忙の時期を迎えて、どうも労使関係を見てみますと、年末繁忙の時期がいつも焦点になるんでありますが、平生から労使関係というのは問題あるごとに整理しておけば、何も年末繁忙にいっぱい持ってきて解決しなくてもいいんじゃないかという気持ちもあるんです。  それはさておきまして、そこで、この年末繁忙をめぐりまして、労使の関係で、聞くところによりますと、今日不況下の状況でありますし、組合側としても何とか早く解決をしたいという方針のように聞いておりますが、まだ具体的な問題の内容に入っていないんだろうと思いますが、この最も重要な、そしてまた仕事としては大変な時期をめぐっての年末繁忙の労使関係について、いまどのような見解をお持ちか、御答弁していただきたいと思います。
  130. 守住有信

    政府委員守住有信君) 労使の問題は労使で自主的、自治的に解決していくというのが基本でございますが、先生おっしゃいましたように、私どものところでは労使ともども年末というのは非常に大きな山場になるわけでございます。   〔委員長退席、理事案納勝君着席〕 伝え聞くところとおっしゃいましたけれども、そのとおり全逓の方でも非常に早期解決ということを申しまして、中身の早目の解決をしたい、こういうことでございます。私どもといたしましても、郵政省、特に広く国民の立場を考えました場合、なるべくよりよい労使関係の中で早く解決いたしまして、業務が円滑に行われまして年末の山を乗り越すことができるということは一番喜ばしいことでございますので、今後とも問題点の整理をやりながら、この重要さに応じながら精力的に話を詰めていきたいと、このように考えておる次第でございます。
  131. 大森昭

    ○大森昭君 いや局長、そういうんじゃなくて、もう年賀の売り出しがくるわけよね、十一月の。そうでしょう。だから、あなたがいまそういうことじゃなくて、大体いま省が考えておる考え方からいくと、労使の関係がうまくいって、国民の期待にかなって年末繋忙はスムーズにいきますという自信があるのかどうかと聞いているんですよ。
  132. 守住有信

    政府委員守住有信君) これは先生御承知のとおり、労使相対の相関関係でございますので、果たしてそういくものかどうかというのは私はこの席で何とも申し上げられませんわけですが、最近の幹部諸君との交流、コミュニケーション等を通じまして、そういう気持ちというのは節々に感じられると、しかし問題は中身だというふうなこともございますし、特にまた支部団交権の問題等々もございますものですから、この席で、楽観しておるとかいうことはとんでもない、逆の実は気持ちを持っておるような立場でございます。
  133. 大森昭

    ○大森昭君 それでは、先ほどから質問をしているわけでありますが、正直申し上げまして余り十分な回答をいただいておりませんがね。   〔理事案納勝君退席、委員長着席〕  ただ、私は、質問内容とは別にして、たとえば計画を立てたらどうかというのは、それなりにやはり働いている人たちが、たとえば貯金局の統廃合の問題についても、統廃合するのかしないのかはっきりしていないわけですよ。そうなれば、当然、今日EDPS化された貯金局の皆さん方は、まあEDPS化されたから少なくともみずからの局は廃局にならないだろうと考えているかもわかりません。しかし、今度オンラインでもって全国仮に九つなら九つのネットワークを敷くというふうに言われていますね。そうなってくると、いま二十八局ある中で九つしか残らないということになれば、当然あとの残された局というのはもうなくなっちゃうという不安感が残るだけなんですね。絶えず人を雇って人を働かせているのに、みずからの職場がなくなっちゃうかなあ、どうかなあなんて心配させて仕事させておったってろくな仕事できませんよ。  そういう意味合いから言っても、私は少なくとも事業に対する長期とか中期とかという言葉じゃなくて、具体的に計画がなければ労働者は生き生きとしたものにならないというのが私の問題を提起した趣旨なんです。同時に私は、そういう計画を立てることによって、郵政事業に責任を持っていただく経営者の皆さん方の意欲をその計画の中に見出したいという考え方もあります。そういう意味合いで、私はまず初めに計画がないということはむずかしいでしょうけれども、立ててもらわなければ、働く人たちの身分も不安定、そしてまた経営感覚について、新しい経営感覚ということを言い得ないじゃないかという視点で御質問しましたので、きょうはこれ以上の答弁は必要ありませんが、どうかそういう意味合いでひとつしっかり計画を立てていただきたい。  それから、労働力の需給の問題も質問いたしました。人事局長、平たく答弁がありましたけれども、今日私は、労働者の都市における、とりわけとにかくまだ十八くらいの——昔の十八ぐらいならこれは中学一年生ぐらいで、親元を離れて下宿しながら勉強したものですけれども、いまの高校卒業生というのは甘ったれが多いものですから、なかなかさびしい思いをして九州だとか東北から来ています。そういう意味合いからいきますと、どうしてもやはりこれまた事業に対するやっぱり熱烈なものというものはとかく失いがちだし、そしてまた都市における環境、余りよくありませんね、正直言って。これはまあ郵政省の責任じゃありませんがね。ということになってくると、どうも誘惑される場面が非常に多い。親元にでもいればなかなかそういうことについてもある程度の自制があるでしょうけれども。  そういう意味合いからいくと、さっき、まあ大臣は政治家でありますから離職者対策という意味合いで四十ということを言われたんですが、私はもう逆に言えば、四十ということは、大体外務員の場合は管内で募集して、管内で充実できる。とりわけ離職者なんというのは、これはあなた、四十近い人をたとえば九州から東京へ持ってくるなんていったってこれは容易じゃないんですから、だから九州における離職者は九州で採用するというやっぱり意味合いもあっての年齢引き上げじゃないか。そうなってきますと、やはりみずからの居住地の中に職場を求めるということは、みずからの職場を愛するということにもなるでしょう。そういう意味合いで、やはり従来労働力の需給の関係で変化が伴うことによってはやはり事業のこれがまた発展にもつながっていくという視点で私はとらえてこれまた質問したわけです。  ですから、どうかひとつそういう意味合いで御理解してもらいたいし、それから貯金の問題も保険の問題も、正直に申し上げて私は、保険の場合、四十三年に特色あるという答申をいただいていて、いま保険局長一生懸命その答申に基づいてやってるんだろうと思うんですが、もうそろそろ、四十三年の答申ですからね、これから何年か先を見通して、簡易保険事業どうあるべきかということになれば、もう直ちに事務当局としてはディスカッションをして、大筋の案ができて、別途郵政審議会にかかるんだろうと思うのですが、そういうところに提案するような手はずをしませんと、四十三年に出たものを実践をしていることはよくわかりますが、しかし四十三年に考えついたことを実践しているだけということでは……。  保険局長、今度新しく保険局長になられたんですから、新進気鋭の若手ですから、新しいことを考えてくれるだろうと思うのですが、もうそろそろ貯金も保険も少し頭の中の構造変化をしていただいて、大蔵省のおじさんたちに少なくとも金融制度なんて言われているようなことだけでやられておったんでは、とても募集をする人たちの立場からすると余り芳しいことじゃありませんので、どうかひとつそういう意味合いで、これまた先ほど事業計画についても、また制度のありようについても、少し荒っぽい意見になりましたけれども、そういう立場で、私が言っていることについても十分ひとつ御理解をしていただきたいし、とりわけ私は郵政事業予算の概計、それから予算を見ましても余り目新しいものないですね。  先ほど、大臣が二回利子の引き下げをやったことなどを案納先輩に言われましたけれども、進学ローンなんというのは、これは内容については案納委員が言われたとおり、いろいろ問題がありますが、一つの貯金事業の新しい事業の歴史を開いたわけですけれども、どうかひとつそういう意味合いで、郵政事業もなかなか、郵便の増加も少ない、貯金、保険もまあ一時は非常によかったという状況でありますが、保険も自由化です。貯金もなかなか今日の不況下の中でそう簡単にいくというわけじゃありませんから、いずれの事業を見ましても大変困難な内情でありますから、どうかひとつ、きょうはこれで質問を打ち切りますが、私の真意を十分受け取っていただきまして、事業の経営を図っていただきたいと思うのでありますが、最後に大臣から、私の初質問に対しまして総括答弁、ひとつよろしくお願いします。
  134. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 新人だと申しても大変長いこと郵政業務に携わり、かつ全逓の大幹部としてお働きになって、いろいろな貴重な意見をいただきましてまずもってありがたく御礼申し上げます。  この郵便の方でございますけれども、郵便事業についてはこの答申の中で非常に、先生もおっしゃっておりましたように、大変な激動時代、この答申の中に、「社会経済は、大きな軽換期にさしかかっている」、この中で一番重要なことは、「自らの努力と責任とによって、健全な経営を確保し、社会経済の動向に適切は対応することである。」ということで云々と書いてありまして、私自身も昨年大臣になり、今年からいろいろな郵政省の方針といたしましては、昭和六十年という年度をある区切りとして、それから逆算して郵政業務そのものはいかにあるべきかということを各省局長、課長に示唆をし、それによって現時点から施策を生み出すことが一番重要である。こういう中から、やはり労使関係等々の問題も考えなければならないのであろうと思います。  先ほど先生がおっしゃっておりました進学ローンについても、これは資金運用部法の法律がございまして、なかなか先生のおっしゃるような大きな壁が割れないことも事実でございますけれども、進学ローンはそういう意味でもある一つの壁を破り、貯蓄機関としてから郵政審議会の条件でございますいわゆる直接的融資という方向にひとつ動いておりますので、八十三通常国会では法案を提出いたしますので、大森先生、何とぞよろしく御指導、御声援のほどをまずもってお願い申しておきます。  それからいろいろな人員の問題、週休二日制の問題がございます。採用については確かに私自身出しました構造的不況産業、倒産産業の方々を採用する件については、やはり地元から、地元で優先する。ですから、非常に問題点が出てまいりました。たとえば鹿児島など、やはり少ないところでは非常に競争率が激しいという問題点が出ております。しかし、私自身そういうことを考えましたのは、実を言いますと東北、信越方面にUターン現象が出ておりまして、大変ウェーティングリスト——過疎過密の問題、この答申の中にも出ておりますけれども、この過疎過密の問題を含めてそういうような問題が出ております。ですからいまだ、いまと同じように、郵政事業の中で働きたいという大きな願望、また悪いかいいかわかりませんけれども、郵政一家として長い経歴を有しているその人たちが、故郷でもやはり働きたいという願望がございますけれども、信越あるいは東北、過疎地域ではそのような職場がないというような問題もございます。そういうことを勘案してまいりますと、やはり出身地、受験地というものを主体にして採用する、大変これも問題点がございます。しかし、今後そういうような方向で進んでいく必要がある。  ただ郵政業務の中では、先ほど先生が光ファイバーの問題で御指摘がございました。ひとつ新しい技術革新というようなものが出てまいります。あるいは社会情勢が、石油ショックのような社会情勢の変化が出ますと、そういうものでやはり行政の変化もどうしてもやっていかざるを得ない。そういう意味では先生が先ほどから中期的な計画を立てろということになりますと、さきの電電公社総裁の第六次五カ年計画の中でも、やはり抽象的な表現しかできないことも事実であることも御認識いただきたいのであります。  ですから、そういう意味では、郵政省自身の貯金、郵務、保険、簡保等の各局自身も、やはりそういう意味では、これからの施策方向というものは、大変時代の変化ということに即応できる。ただし私自身は、昭和六十年ごろから考えると、やはり既定の事実、いわゆる賃金の上昇あるいは職員の老齢化というような問題を考えて、そういう見得る事態だけの中でやはり政策を決定し、それに即応して軸として新しい政策を考えていく。また時代の変化というもの、たとえばつい最近金利の話が出ましたけど、大変金利に対して敏感でございます。私自身、金利自由化論者でございまして、公社債市場論というものがあってそれで金利を決定すべきだという考え方が根底にございます。しかし、現時点の法制化の中ではやはりこういう形で決めざるを得ないことでございますので、しかし、非常にそういう金利自身の変化の中で、今後とも郵政業務というものがどうあるのか、貯金業務がどうあるのかというようなことをやはり考えていく。ただ、いま九月末現在でございますと、一三六%の郵貯の増を見ておりますし、本年度末の増加見込みでは目標額に対して、一一一・八%ぐらいの増加率を見る、昨年度の実績に比べてでございますと、一一一・四%ぐらいの年度実績で伸びを見ることができるであろうと考えておりますけど、これからまたいろいろな情勢の変化等もございますので、鋭意努力して貯金増強に資していきたいと考えております。  なおもう一つ労使関係でございます。年末に必ず大きな労使関係の問題がございます。郵政大臣といたしましては、これが円満に解決し、労使ともに国民に喜ばれるような、やはりことし行われましたような達成率にいきますことを心から望んで、われわれも前向きで労使間の話を今後ともしていきたいと考えております。  大変抜けた点もございますけど、御質問があればその点についてまたお答えをいたします。
  135. 中野明

    中野明君 私、三点ほど質問を申し上げたいと思いますが、けさほど来、またこの国会で大変議論になっております——重複するかもしれませんが、非常に私も、このことだけは改めて大臣の心境を含めてただしておきたいと思いますのでお尋ねをするんです。  まず、いまもお話に出ておりました郵便貯金の利下げの問題です。この郵便貯金の利子を下げるということは、これは弱い者いじめの最たるものだと私どもは憤慨をしております。特に、わずか三カ月の間に二度も金利が下がるということで、こういうことはけさほども恐らく先輩の案納委員からお話が出たんじゃないかと思いますが、大臣任期中に二回も一年のうちに下がるというようなことは、前代未聞だろうと思います。特に景気対策という名前のもとに、私ども、金利も景気対策の一つであるということを認めるのはやぶさかではありませんが、どうも見ておりますと、景気が悪い、真っ先に金利に手をつける、そういう気がしてなりません。もうすべてのことをやった後で金利に手をつけて、国民の皆さん方の理解が得られるというようなところまで努力をした跡というものをわれわれは感じられないわけです。  そういう面で、大臣のいまの自由論者という御意見も含めまして、この金利を下げなきゃならないこういう状態に立ち至りましたことについての大臣としての御見解といいますか、所見を最初にお聞きしておきたいと思います。
  136. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 前々回、三月の要求払いの金利のときには、私自身、総理から四度にわたって金利を下げてくれということでございました。しかし、要求払いのことでもございますし、そのときには、総理のお話を拒否いたしまして、郵貯には要求払いの金利引き下げを行わなかったわけでございます。  その後、八十通常国会が終わりまして、すぐ金利の、公定歩合の引き下げがあり、要求払いあるいは定期性預金についての金利連動がございました。そのときは私自身としては、まず政府の中で、特に総理、大蔵大臣にお願い申し上げましたことは、長期金利がどのぐらい下がる、特に住宅ローンのような長期金利についての日時設定と、それから金利引き下げをどの程度やるのかということを設定してください、設定できなければ、それはわれわれとしては郵政審議会にかけ得ることにできないものでございますから、そういうことで、私の持論として、やはり公社債市場というものがあるべきでございますけど、それはすぐと言ってもできないことでございます。そういう意味で、長期金利の引き下げということのお願いをいたしたわけでございます。その結果、帰ってまいりまして、郵政審議会に日時設定が全部出てまいりまして、その結果、郵政審議会にお諮りして郵貯の金利を下げました。もちろん、中野先生御承知のように、郵便貯金法の十二条の後段に、一般金融機関の金利を配意しなければならないと書いてありますので、そういう文言もございます。そういうことで五月は実施していただきました。  今回の九月の金利引き下げについては、特に財政が主体であると私は考えております。しかし、その財政の中で、金融政策がいかにあるかという問題も兼ねております。そこで、総合経済政策というのが九月三日に出てまいりました。その前に総理とお会いいたしまして、金利政策、それから開銀等政府三機関の九・九%等の金利、あるいは公共事業について、用地買収を含まない道路改修、立体、学校、病院の改良等々のいろいろな要求を総理と話をしております。そういうことで、財政の中でやはり考えていかなければいけないと。で、それに付随して地方公共団体等の金利というものを考えてまいりますと、やはり金利引き下げにいか、ざるを得ない。  ただし、御承知のとおり、定額貯金は預入時から十年間金利は下がりませんし、積立貯金も二年間は金利が変わらないわけです。全体として八割強は変わらないという実態がございます。かつ、私たち雇用不安というようなものを考えておりますと、構造的不況というような問題を考えてまいりますと、どうしてもやはり財政対策だけでは、この非常に大きな金融を持っております郵貯の金利を据え置くわけにはいかない。そういう意味でも、三十四兆の預貯金を持っております郵貯の金利というものを考えて郵政審議会に諮問したわけであります。  実を言いますと、大変やるべきではないと私ども当初考えました。金利の引き下げなどというのは本当にやるべきではないと思いますけど、しかし、これによって財政需要四千億以上のものが出、かつ、それによって倒産が少なくなり、失業者が、少なくとも二十万以上の方々が救われるという、いわゆる日銀当局等の試算がございますと、やはりこれにとって、政府のとりました総合経済政策にのっとって、金融政策の中での郵貯の金利の引き下げをやらざるを得なかったということは、本当の断腸の思いでありますけど、そういう実態で郵政審議会にお諮りしたわけでございます。
  137. 中野明

    中野明君 この二度目の利子の引き下げで、ごうごうたる非難があるということも大臣御承知のとおりですし、先ほど大森委員から話が出ましたように、やはり郵政省の現場で働いておられる方々、こういう方々のやはり失望と言いますか、そういうことも考えますと、非常に大変なことだったろうと私も思いますが、いま、それは大臣なりに総合的な見地から、やむを得ず、断腸の思いという言葉を使われましたが、そういうことですが、本当にこの郵便貯金の利子の引き下げだけは軽々になさらないように、今後も厳重にお願いをしたいと思っております。  それで、この金利の引き下げに絡みまして、郵政審から五月の十日に答申がされまして、これは第一回目のです。そのときに、いろいろ四項目にわたる要望事項がつけられております。これについて、まあきょう時間の関係で全部一つ一つお尋ねするわけにまいりませんが、ちょっと私も理解しにくいところがありますので、この三番目の要求、「個人の少額貯蓄の集積である」云々と書かれてある、これをちょっと郵政省の方としてはどのように理解し、受け取っておられるのか、御説明を願いたいと思います。
  138. 高仲優

    政府委員(高仲優君) 五月の答申の三番目は、「個人の少額貯蓄の集積である郵便貯金の資金は、個人の経済生活の安定と向上を図り、健全な資産形成に寄与するよう運用されることが本来の筋道というべきである」云々とうたっておりまして、「預金者の利益の増進に一層資するよう資金運用の在り方について十分検討すべきである」、こういうことに相なっております。  郵便貯金は確かに三十四兆円という巨額に達しておりますが、利用される人の数も非常に多うございまして、まさに個人の少額貯蓄の集積であろうかと思います。そうした意味合いから、審議答申にございますように、健全な資産形成に寄与するよう運用されることが本来の筋道でございますが、現在の運用のあり方は、御存じのとおり、資金運用部で一元的に運用いたしております。しかしながら、その内容を見ますと、俗に一−六項目と申しますように、国民生活に非常に密接している部分に使われているのが現状でございまして、その意味からいたしますと、現在の運用の姿が必ずしも健全な資産形成に寄与していないということは言えないと考えております。  具体的に数字で申し上げますと、五十二年度の財投計画でいきますと、資金運用部の総資金高を一〇〇といたしますと五五・五%が郵便貯金でございます。これを財投に使っておるわけでございますが、財政投融資の使途別分類について見ますると、俗に申します一−六分類、これは一は住宅でございますが、住宅について五十二年度は、これは財政投融資の総体に占める割合でございますが二四・三%、以下、生活環境整備、厚生福祉、文教、中小企業、農林漁業、これがいわゆる一−六分類でございますが、これに全体の六八・一%が運用されておるという点からいたしまして、先ほど申し上げましたように、現在の状態においても必ずしも健全な資産形成に寄与するよう運用されていないということはないのでございます。  しかしながら、審議会の御意向といたしましては、さらにこれを推し進めるという御趣旨であろうかと思いますし、また、国の財政投融資全体の動向を見ておりましても、一−六分類に対する融資が次第にふえていく趨勢にあると私考えておりまして、こうした趣旨は生かされておると考えております。  なお、もちろんこれをもって私ども十分と考えておるわけではございませんので、後段にございますように、預金者の利益の増進に一層資するよう資金運用のあり方について十分今後とも検討いたしていきたいと考えております。この資金運用の問題として、これは二に書いてあります問題、直接融資方式というのもこれは観念的には三と重なる部分がございまして、この点につきましては、先ほど来大臣が御説明申し上げておりますように、来るべき通常国会に法案を提出すべく目下鋭意検討をしておるのが実情でございます。
  139. 中野明

    中野明君 いま申されましたそのほかに、資金運用のあり方について検討されているようなことはありませんか。
  140. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) あるとすれば、当時、私が歯学、医学の融資の問題について発言がございます。郵貯の目標額の二%を財投から出せないだろうかという話でございます。約六兆二千億ですから千二百億ぐらいの計算になってまいります。そう見ますと、医学、歯学の長期借り入れが八百億弱でございますと思います。短期が三百億くらいだと思います。実質的にはそういう形で長期で貸し付ければ、医学、歯学というのは裏口入学がなくなるではないかということ、公立等が相当支援を受けている中で歯学、医学の私の大学については大体そういうことはできない。そういうことで支援したらいいかということで、この第三項目の文言の中にはそういう意味も含まれているのではないかという感じがいたしております。
  141. 中野明

    中野明君 それでは、いま利子が下がった話になっておりますが、今後まだ公定歩合が是正されて利子が上がる、そういう場面も当然出てくるわけですが、現在、利子が上がった場合に、長期の定額あるいは定期の人たちに対してはどのような処置がとられておるんですか。
  142. 高仲優

    政府委員(高仲優君) 利子が上がりました場合、定額貯金の預金者は、高い方の利子のものにおろして預け替えすれば、これはまた同じく今度はそのときから新しい金利が適用になるわけでございます。定額貯金は、金利が下がるときは従前のものをずっと維持していく。上がったときは前のは六ヵ月だけの据え置き期間を超えておればいつでもおろせるわけでございます。おろして高い方に乗りかえる、こういうことによって利益が補てんされる、このように私は理解いたしております。
  143. 中野明

    中野明君 そういう上がった場合、郵政省の方で、当然預金者の利益を守ることになるわけですので、自動的に切りかえていく、そういうふうな処置はとれないものでしょうか。
  144. 高仲優

    政府委員(高仲優君) これはやはり前の契約も契約でございまして、これはその契約に従えば、そのまま長期、十年に至るまで本来続く性質のものでございます。手続といたしましては簡易な扱いて、従来からの定額貯金証書にマル替——預け替えのマークをし、こちらの方はそのときにおろしてまた預けたという手続きをするという簡易な手続でお客様の利便を図っておる次第でございます。
  145. 中野明

    中野明君 そういう場合は、やはり今度は手続が簡単であっても周知徹底ということがあるわけなんですが、周知徹底については、周知徹底させる方法について意外に多くの人たちの中にそういうことを知らなかったという人も中にはあるかと思いますので、そういう面の周知徹底の仕方はどう考えておられるのか。
  146. 高仲優

    政府委員(高仲優君) いまの御質問お答えする前に、私、マル替という扱いをした、これは従来やってきたということがございますが、今後こうした事態が起ったときどうするか、これはやはりそのときに決めるということに相なるわけでございますが、従前そういうふうにやってきたという実績があるということをまず申し上げておきます。  それから、周知徹底の点でございますが、これは郵便局に掲示する、あるいは新聞に広告する等、また、貯金につきましては、外務員もおることでございますので、それらの方々にも十分お客様に周知徹底するよう万全の手配をやっておりまして、実際預け替えの手続をなさった方が私は大部分であると理解いたしております。今後とも周知徹底を図る、こうした扱いをいたす場合におきましては、周知徹底に遺漏なきを期したいと考えております。
  147. 中野明

    中野明君 これは先の話になりますので……。この利子の引き下げに絡んで郵政審議会のこと、これも議論が出ておったと思いますが、審議会のあり方について、大変、新聞論調あるいは投書等を通しても意見が出てまいりました。この審議会の選考の基準というのは、どういう基準で選考なさっておるんでしょうか。重複するかもしれませんが。
  148. 河野弘

    政府委員(河野弘君) お答えいたします。  郵政審議会の委員につきましては、関係行政機関の職員、それから学識経験のある者、郵便貯金の預金者の利益を代表すると認められる者、あるいは簡易生命保険、または郵便年金の契約者の利益を代表すると認められる者、このうちから広く各界の有識者を慎重に選考いたしているわけでございます。
  149. 中野明

    中野明君 いま、後で言われた預金者とかあるいは保険、そういう人の利益を代表すると考えられる人は、現在四十三名の中では何名ぐらいと考えてよろしいんでしょうか。
  150. 河野弘

    政府委員(河野弘君) 委員先生方一人一人につきましてこれを分別することは非常に困難でございます。任命するに当たりましては、この審議会で定められた、いま私が申し上げました該当するものと思われる者、この審議会令にあります趣旨を念頭におきまして労働界あるいは学界、言論界あるいは経済界など、各界から有識者を網羅して出しております。したがいまして、個別に、各項目別にこの郵便貯金預金者の利益を代表する、あるいは簡易保険の各契約者の利益を代表するというぐあいに計算いたしておりません。
  151. 中野明

    中野明君 やはり預金者とか保険加入者の利益を代表する方、こういう方が多い方がいいわけなんですが、やはり何かこれ、基準を設けておられないんでしょうか。ただそういうことになっているから、一人でも二人でも入れておけばそれで事が済むんだと、そういうような安易なお考えなんでしょうか、それとも何%は入れるというような、どういうんですか、郵政省としてのお考えがあるのかどうか。
  152. 河野弘

    政府委員(河野弘君) 御承知のように、郵便貯金及び簡易保険につきましては、約六割以上のあらゆる地域、あらゆる階層にわたりまして普遍的に利用されているというように私ども認識いたしております。したがいまして、それぞれの郵便貯金、あるいは簡易保険の契約者、あるいは加入者ということを限定いたしまして、これを何%ということは、今までのところはやっていないわけでございます。
  153. 中野明

    中野明君 ちょっと名簿を見せていただきましても、何か郵便貯金とか、保険の利益を代表なさっているというような感じにストレートにとれる人が非常に少ないように感じます。しかも、まあ読者の声では、委員長は土光経済連会長ですか、そういうことですから、こういう貯金者の利子を値下げするという場合は、これはもう貯金者の利益を守るということが非常に大きな目標になってくるんですが、現在のこの審議会の内容では、とうてい貯金者の利益を擁護して発言をするという方は皆無のような感じを受けるわけです。その辺どうなんでしょう。せっかくそのように預金者あるいは保険加入者の利益を代表すると見られる人と、このようになっているわけですから、何か大臣、基準でも決められて、三分の一入れるとか半分にするとか、そういうお考えをお持ちになる考えはないのかどうか、その辺。
  154. 河野弘

    政府委員(河野弘君) お答え申し上げます。  貯金あるいは簡易保険の加入者を代表する、あるいは利益を代表するという方々につきまして、特別にこの人が貯金に加入して、郵便貯金を預け入れている、あるいは簡易保険に加入している、契約しているという、委員の大ぜいの先生方に一人一人これを調査する、あるいは問いただすということが非常に失礼にわたることでございますので、直接お問い合わせすることが非常に困難でございます。したがいまして、各界の有識者の方々の六割方がこの貯金の預金者であり、それから保険の契約者であるという認定のもとに現在の段階では選任いたしているわけでございます。  なお、この分類ということで、いま先生の方から幾つもないというようなお話ございましたけれども、私どもといたしましては、やはり先ほど申し上げましたように、郵便貯金及び簡易保険があらゆる階層にわたっているという観点からいたしまして、同時にまた、各界を代表して庶民といいますか、国民を代表する方々として、良識に期待するという観点で臨んでいるところでございます。
  155. 中野明

    中野明君 もう少しやはりそういう点は明確になさった方がいいんじゃないかと思います。御本人にそういうことを聞くのは、それはまことに失礼な話ですが、郵政省の方で大体常識的に考えれば、その人の立っておられる立場とか、あるいはやっておられる仕事、そういう面を見ますと、大体見当がつくのじゃないかというような気がいたしますので、今後そういう点について、編成替えといいますか、ちょっと大げさですけれども、もっともっと貯金者の意見を代弁されるような人を多くこれに入れるという考えをお持ちになっているのかどうか。
  156. 河野弘

    政府委員(河野弘君) 最近二、三の先生新しく入っていただいたわけでございますけれども、その際も、預金あるいは保険の契約者を代表する者ということについて、もちろん考慮いたしているところでございまして、非常にその選抜するといいますか、選ぶのがむずかしゅうございます。実感いたしたわけでございます。いまの、先生おっしゃいましたこういう預金者を代表する、利益を代表する、あるいは契約者を代表する、そういうことも今後とも念頭に置きながら、その人選に当たりましては慎重に審査いたしてまいりたい、こう思っております。
  157. 中野明

    中野明君 これ新聞によりますと、今回の利下げの審議のときには、四十三名の中で二十九名が出席されて、十四名の方が欠席と、こういうふうに聞いておりますが、こんな大事な、しかも一番関心の高い、こういう審議に十四名も欠席をなさる。それぞれの現職を見てみますと、なかなかお忙しそうな人がたくさんおられるようで、時間的に無理だった人もおられるのじゃないかとも思いますが、そのほかに政府で任命されておる審議会とか、あるいは委員会に兼職なさっておる人は、この四十三人のうち何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。
  158. 河野弘

    政府委員(河野弘君) お答えいたします。  関係行政機関の職員は別といたしまして、現在の郵政審議会の委員の方々の中で、他の政府関係審議委員との兼職状況でございますが、兼職を三つ持っておられる委員が五名いらっしゃいます。それから兼職を二つ持っていらっしゃいます委員が七名いらっしゃいます。兼職一つ持っていらっしゃいます委員が八名いらっしゃるわけでございます。残り他の十九名の委員の方は、他の審議会の委員を兼職いたしていないわけでございます。
  159. 中野明

    中野明君 非常に兼職者が多いような感じを受けるわけですが、なるたけそういう、もともと自分の現職をお持ちの上に政府関係のそういう委員を幾つも兼ねておられるということになると、当然出席率が悪くなる一つの理由にもなるんじゃないだろうかと、そういうように思いますので、その辺は極力選考されるときに検討事項の中に入れていただいて、余り兼職の多い先生方に、先生あるいはこういう方に御無理を言って、肝心の審議のときに出ていただかなければこれはもう意味がないと思いますので、出席率を含めてそういう点を考えていただきたいと、こう思うわけです。非常に読者の声の欄にも手厳しい批判が出ております。そういう意味で、ぜひこれは、今後任期が来て交代をされることがあるんでしょうから、そのときの選考にぜひ考慮に入れて処置していただきたいと思うわけです。これは要望しておきます。  それから次の問題なんですが、NHKのこの受信料の不払いの問題について、まあきょうはNHKは来てもらっておりませんが、このNHKの受信料不払いの問題で、最近特に何かこの不払いの運動がエスカレートしてきているような感じがするわけです。これは非常に大変な傾向だろうと私どもも見ておりますが、これ、大臣ごらんになったんじゃないかなと思いますが、こういうのが私の宿舎にも新聞の折り込みか何かに入っておったように思います。かなり大々的に不払いを奨励と言えば語弊がありますけれども、勧めているような運動が起こっているように思います。で、法の精神というものをまじめに尊重して、受信料を納めている大多数の人たち、これは非常にそういうものを見るとおもしろくない、まあいやな感じを持つわけです。またそういうものを見て、それに刺激をされて不払い運動に参加する、そういうような人がふえてきたらこれは大変なことだろうと思います。  NHKとしては、当事者としてそれなりの努力はしていると私も考えておりますが、NHKの問題は後日、決算、予算お尋ねするとしまして、この監督官庁の郵政省の長としての大臣のこういうNHKの不払い問題に対する御意見、これをお聞きしたいと思います。
  160. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 受信料は放送法の中で受信契約をしております。ですから不払いというのは法律違反でございます。少なくともそれに対していろいろな罰則事項がないにしても、大変法律違反をされている。この中でも、大変私自身も、「私は一度も払っていません 朝日新聞本多編集委員」というような、こういうマスコミの方がそういうようなことを堂々と言うのは、法律違反を堂々と言っているようなことで、法律違反でございますから、大変残念にたえません。
  161. 中野明

    中野明君 そういうことで、確かに法律違反なんですけれども、いま大臣がおっしゃったように、罰則がないというようなそういうところから——非常にこれりっぱな法律だろうと私も思うんですが、罰則がないというところを逆にそういう運動にPRされて乗っかっていく人もかなり——払わない方が得だというような考えになってくるとこれは大変なことでございますので、そういう点、郵政省の立場からできる努力といいますか、こういうことはあると思いますが、放送法の改正も含めてで結構でございますが、郵政省として何か、あれはNHKのことだからNHKに一切努力させればよろしいというだけじゃなしに、郵政省の立場でできること、こういう運動に対して。何かそういう方法をお持ちかどうか、またやろうという気があるのかどうか、その辺をお尋ねしたい。
  162. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) NHKに対しては私、郵政省としては、予算に対して意見を述べることしかできません。しかし、郵政省としては、本省を含めて各地方局の電波監理局を通して、不払いをしないようなやはり告知などを局長等がいろいろな会合で言っておりますようでございます。そういうようなことで不払いがなくなることを心から望んでおります。
  163. 中野明

    中野明君 大臣は意見を述べるということしかできないというお話なんですが、こういう、先ほどのお答えにもありましたように、法律違反であるということは事実なんですから、そういう法を守るというのですか、法律の立場で何かこう発言なり手を打たれるというお考えはあるのかどうか。このNHKの経営内容について、それはいろいろまたいわゆる大臣としての権限の範囲はあると思いますが、法律に違反しているという立場から考えると、何か打たれる手があるんじゃないだろうか、そういうような気がするんですが。
  164. 小宮山重四郎

    ○国務大臣(小宮山重四郎君) 郵政省としても、今後ともやはり大ぜいの方に不払いをしないように機会をとらえて話をする必要がございますし、あるいは特定郵便局等に、NHKの受信機の受信の払いなどをやっておりますので、そういうようなことを通してやはり大ぜいの方に支払っていただくように、NHKの努力だけではなくても、われわれ国民の一人としてまた監督官庁としてもできる限りの努力を今後とも考えたいと思っておりますので、今後とも積極策をとらしていただきたいと思います。
  165. 中野明

    中野明君 先ほどお見せしましたそういうパンフレットというのですか、号外というのですか、そんなのもかなり新聞の折り込みなんかに入れてやるようなそういう風潮というのは非常に好ましくないと私も感じましたので、いまちょっとお尋ねしておいたわけです。  じゃ次に、テレビの難視聴対策についてお尋ねをしたいと思いますが、来年の予算の概算要求で、郵政省の方では辺地共聴の受信施設、これの受信者の負担を軽くするという意味からでしょう、設置費の一部を国が補助するということで、約二千万円ほどの概算の要求をなさっているように私、承知しておりますが、その助成の対象、これはどうお考えになっているのでしょうか、その辺最初に伺いたい。
  166. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) お答えを申し上げます。  従来は辺地におきまして有線による共同受信方式が非常に普及をいたしておりまして、NHKまたは民放の放送を共同で受信をするということをいたしております。しかるに民放につきまして、いわゆる共同受信ができないような地域、そういった地域が逐次著しい状況になってきております。そういった点に着目をいたしまして、地方公共団体等が民放の聴視を補助をするというようないわゆる共同受信設備につきまして、国も応分のいわゆる金を交付していくというような方向で現在予算要求をしておるわけでございます。
  167. 中野明

    中野明君 現在郵政省もこの調査をしておわかりだと思いますが、山間僻地あるいは都市難視を含めまして、国民の皆さんがテレビを見たいと、こういうことで、かなり自力で、いまおっしゃったように、NHKと一緒に地方自治体の応援を受けて、そして共聴で見ようという以外に、もうすべて自力で共聴施設を持って見ておるというのですか、そういう施設が相当の数に上っておることはもう御承知のとおりだと思います。これちょっと古いようですが、四十八年末の調査で、全国でやっぱり三千カ所、二十万世帯という人が自力で見ておるという数字が出ておるようになっております。そうしますと、自力ですべて共聴施設をやっている人、あるいはまたNHKの辺地の共聴に、NHKは努力してやっているわけですが、一般の人たちはそのNHKだけ見るという以上に民放も一緒に見たいというのはこれは人情です。そういうことで、NHKの共聴に対しても、それに便乗して地元の住民の方々が自己負担で民放を受信するために設備を付加している、これが非常に多いわけです。そのためにNHKの審議のときにいつも言うんですが、大体個人負担は一万円ですとか一万五千円ですとかいうようなことを言っているけれども、現場に行ってみると、民放を付加して見ようとするためにその経費が重なってくるものですから、五万あるいは多いところは七万も負担しているという実情があります。  そういうふうに考えていきますと、この今回の予算要求は、こういう人たちのことを一体どうお考えになって要求をなさったのか、その辺、私、ちょっと郵政省のお考えをただしておきたいと思います。
  168. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 先生がおっしゃるとおりでございまして、先ほど若干言葉が足りなかったかと思いますけれども、辺地難視聴解消を促進するわけでございますけれども、ただいまおっしゃいましたように、NHKは御承知のように無線による放送も相当先へ行っております。それから、共聴施設につきましても相当先へ行っておるわけでございます。しかるに、おっしゃいますように民放を見たいというような特に辺地の国民がふえてきておると、そのとおりでございます。したがいまして、今回予算要求をいたしておりますのは、NHKと地元の住民が共同いたしまして民放をも受信できる施設を設置するような場合、民放受信分が先生おっしゃいますように住民の負担になっておりますので、これに補助を与えたい、そういう考え方でございます。  以上でございます。
  169. 中野明

    中野明君 そうすると、いままで自分の力でやっておった人たち、それはもう知りませんということですか。
  170. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 実はこの難視、特に辺地の難視対策といたしまして、先生御承知のようにミニサテ方式ということで、極微小電力のいわゆる送信機をひとつNHKと民放とが共建をしていっていただくというような構想で現在進めてまいっておるわけでございます。また一方、先ほど先生指摘のように、それぞれの地元におきまして組合をつくったりあるいは関係のラジオ業者等が中心になりまして、そしてその施設をつくっていくというようなことで解消が図られておるのが現状でございます。しかるに、先ほども申し上げましたように、いまだにいわゆる民放が見えないという地域が相当あるわけでございまして、そのようなところを主として頭の中で考えながらこういう道をつけていきたい、予算上の道をつけていきたいというのが実は現状でございます。
  171. 中野明

    中野明君 そうすると、道がつけば、自力でやっておった人たち、こういう人たちが、当然将来共聴は何年かすればまたあれしていかなきゃいけませんね。そのときに補助の対象にするのか、あるいはもう郵政省の方針としてミニサテができたんだから、共聴は傷んでくれば全部ミニサテでいくんだと、そういう基本的な一つの方針をお持ちになっているのかどうか、その辺、明確にしておいていただかないと困ると思うのですが。
  172. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) ミニサテは先生御承知のように非常に閉鎖的な地域を考えております。で、本来はいわゆる親局から二中継ないしは三中継というような形で、いわゆるミニサテよりも大きいテレビの中継所をつくっていくということが、NHKにつきましても民放につきましても本来の姿である、そういうふうに承知をしておるわけでございます。  それで、実は前回の再免許のときに始めたわけでございますが、昭和四十八年の十一月に、前々回の再免許と申し上げた方がいいかと思いますが、難視聴解消計画を各民放から聴取をいたしまして、計画局総数六百四十一と出ております。昭和五十一年十月までにそのうち六百十八が現実に置局されたという実績が実はございまして、その達成率が九六・四%であるということでございます。これによりまして、ただいま申されました辺地におけるテレビの聴取が相当可能になったということでございます。そこで、今回の再免許、いわゆる昨年の十一月に再免許いたしました。その時点に、前回と同様に計画局を聴取しておるわけでございます。その総数は実は前回を上回る六百五十六という数が出てまいっておりまして、したがって次回の再免許時までには相当解消がなされるのではないかということを期待しておるわけでございます。  もう少し具体的に申し上げますと、NHKと民放の置局数の差は、いわゆるNHKが比較的大きな局を置局するに対しまして、民放がなかなか追っつかないという時点があったわけでございます。ところが、NHKはまあ中規模のテレビの局をほぼ終わりました。そして、いわゆるミニサテの方へ入っていくという状況でございます。そこで、民放の方はどうかと申し上げますと、ただいま申し上げましたように、ミニサテの方はできるだけ共建に努力すると同時に、いわゆる中規模の局につきましてもただいま申し上げましたように、中規模の局の建設に相当努力をしてきておるという実は状況でございます。  そういった点を世帯数として考えますと、四十九年度が実はNHKが約九十一万世帯、それから民放が約二百二十八万世帯一その難視聴世帯数の差が約百三十七万世帯ということであったに対しまして五十年、五十一年というふうに逐次その差が狭まってまいっております。五十一年を参考に申し上げますと、NHKが七十三万世帯、民放が百九十万世帯、その差が百十七万世帯というようなことでございまして、いわゆる難視聴世帯数が、局はなるほど小さい局がだんだんNHKの方がふえておりますので、局数の伸びはだんだん広がってはおりますけれども、民放もそれなりに努力をしておるというふうに考えておるわけでございます。
  173. 中野明

    中野明君 局長、少し認識がぼくは甘いんじゃないかというふうな感じがいたしますが。いま局数でパーセントを、民放が再免許のときにこれだけ局をつけると、それに対して大方は九十何%いっていると、こうおっしゃっているわけですが、局数で見るとそういうふうに見えるかもしれませんが、地区別にこれを分析してみますと、とてもとても、民放はまだまだ努力をしてもらわなきゃならぬと、私どもはこう理解をしておるわけです。特に、御承知のように五十一年度の総決算という、民放の雑誌に出ておりますが、民放の総決算を見ますと、前年の倍近い利益が出ておると、このように伝えられております。発表もされております。ところが民放の建設の投資というものを見ますと非常に少ない。  ですから、やはりこれ、国民共有の電波を使って放送という公共的な仕事をなさっているわけですから、確かに私、もうけちゃいかぬとは言いませんが、そのもうけをやはり受信者といいますか、国民に還元をする、この方向が一番好ましいと思います、放送の業者としては。ほかにも恐らく還元の方法はたくさんありましょうけれども。そういう観点から見ますと非常にまだ郵政省の方が、いま局長がおっしゃっているような、民放は一生懸命努力していますというお考えでおられるというと、ちょっと私、さみしい気がするわけです。まだまだとても、実際に辺地へ行かれたらもうおわかりだと思いますけれども、一般の人たちはテレビというのは民放も見えなければ全部苦情はNHKへ行くぐらい、そういう感じですね。民放が見えぬからNHK払わぬという人も中にはおるわけです。そういうことで、いろいろ実態を見てみますとそういう状態になっています。  ちょっと私、調べた数字を参考に申し上げてみますと、五十年度で地区で言えばNHKは二千二百九十七地区ですが、民放が全部引っくるめて九百十六地区です。五十一年度で言えばNHKが二千四百九十六地区で民放が千三十五地区というふうに、地区でいくと全然けた外れに違ってきているわけです。だから、これ法的にやかましく言う根拠はないにしても、いま申し上げたような公共の事業、公共放送という、公共の電波を使っての事業という観点から、もっと郵政省の方で指導し、そして難視解消に努力をさせるようにしていただかないとならぬのじゃないだろうか。そういう点、局長さんは、民放はこれは一生懸命やっているんです、もうこれで目いっぱいです、という考えではちょっと弱いんじゃないかというふうな気がしていま申し上げているわけです。  それで、先ほどの話に戻りますがね、せっかくここで予算要求をなさったわけですから、そういう点、予算要求をなさった以上は、もう少しいままでの難視の実態、どれほど一般の受信者が苦労して、そしてテレビを見たいがために金を払って、そして努力してやってきているか。こういう人たちこそ私は国の方としてもっとめんどうを見て上げなきゃならぬ人たちじゃないだろうかと、こういう気がするわけです。いままでは地方自治体なんかとてもそういう考えはなかった時代に、自分たちで五万も七万も金を出して、そして放送を受けておった、そういう人たちのことをこっとり忘れられては困るということなんです。全国で二十万世帯からおるわけですので、その辺も含めて御一緒に御意見をお聞きしたいんです。
  174. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 難視聴解消に対する民放の努力につきましては、実はまあ状況の一部を御披露申し上げたわけでございまして、民放自身といたしましてはまだまだ自力で難視聴を解消すべきところが多々あるということは十分承知をいたしておりまして、その解消の一層の促進を図るように今後とも指導してまいりたい。そういった意味で、ただいま先生がおっしゃいましたような問題につきましても慎重に対処をしてまいりたい、そういうふうに考えております。
  175. 中野明

    中野明君 それで、この今回の予算の要求、概算要求をちょっと——都市難視の問題もありますけれども、きょうは与えられた時間がもう参っておるようですので都市難視のことは後日に譲りますが、テレビジョンの難視聴対策調査会というものが四十八年に発足をしまして、それから二年ばかりたって答申が出ましたですね、五十年の八月に。ですから、それからまた現在まで二年以上たっているわけです。ところが、もうそろそろそれについて、テレビの難視というのはもうこれは全国的にどこへ行っても出てくる問題ですので、かなり抜本策に取り組む姿勢で出てくるんじゃないかというふうに私どもも期待をしておったわけですが、今回の予算要求なんかを見ましても、いま申し上げたように何かこう地方自治体が補助しているのを道をこれからちょっとだけでも開きましょうかというような、何か部分をその場逃れでつまんでいるような感じがしてならぬのです。  本当にこの調査会が発足してからいうたら四年以上たっています。答申が出ても二年以上になっているんですが、郵政省として法改正の必要なものは準備も必要でしょうし、本当にテレビ難視の解消についてこのようにやっていこうという一つのはっきりした抜本策というものができているのかどうか、その辺ちょっと私疑問に思うんですが、今度の概算要求見てみてもね。何かあいまいもことして、部分だけをちょっと予算に出しておいて、通るか通らぬか知らぬけれども出しておいて、難視解消にこうやって努力しておりますけれども予算がつきませんとかいって逃げようとしているのじゃないかというような感じがしてならぬのですが、その辺どうでしょう、抜本策はできておるんですか。
  176. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) テレビジョン放送難視聴対策調査会は、確かに先生おっしゃるように報告をお出しいただきました。郵政省といたしましてもその具現化に向かって検討すべきは検討し、前進を図ってきたということでございます。  まず、都市におきましては、当事者間の協議における基準的な考え方を定める、いわゆる「高層建築物による受信障害解消についての指導要領」、これを策定をいたしまして、これに基づき紛争が生じないよう建築主を指導するとともに、受信障害対策用SHF帯テレビジョン放送の実用化を図ったわけでございます。これによって相当都市に対する問題は進展するんじゃないか、こういうふうに実は期待しておるわけでございますし、またおっしゃいました予算要求のほかに、高層建築物による受信障害の解消促進に要する資金につきまして、特利、約七%というふうに承知をいたしておりますが、特利による日本開発銀行の融資二十八億四千万円を財投要求しておる現状でございます。  それから一方辺地につましては、先ほども申し上げましたようにいわゆるミニサテの実用化を図りまして、NHKとの共建による難視聴解消の促進を図るとともに、昨年の再免許の際に難視聴解消の一層の促進を郵政大臣から要望したわけでございます。さらに、このミニサテの型式検定化の問題等につきましても、予算とのかかわりがございますけれども、いま鋭意問題を詰めておるという段階でございまして、前向きに取り組んでおるという現状でございます。  なお、来年度予算要求項目が消極的のようにごらんいただきたいということでございますけれども、これはやはり抜本的対策の一つといたしましての、いわゆる基金構想というものが、前例もない非常に大きな問題でございまして、関係方面との関連もこれあり、いわゆる認められればなし得るような詰めを行いながら最後の検討に入ってまいりたい、そういう内容でございますので、ひとつ御了解をお願いしたいというふうに考えております。
  177. 中野明

    中野明君 いま基金の話もちょっと局長から出たのですけれども日本の国以外で、外国で電波の使用料というのですか、それをとっている国はありますかしら。
  178. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 外国で電波の使用料をとっている国という御質問でございますが、ちょっと承知をいたしておりません。
  179. 中野明

    中野明君 まあ、日本の地形からいきまして、難視解消というのは、これは今後ますます大きな問題になってくると思いますが、そういう点で電波を、公共の電波を利用して営業している、これは放送局だけじゃなしにかなり電波の利用というのは激しくなっております。そういう人たちから目的税のような形で電波使用料というのですか、それをとって、それを難視解消の基金に充てるというような考え方一つは持てるのじゃないかと思いますが、その辺はどうでしょう。検討に値するのか話にならぬのかどうでしょう、御意見は。
  180. 平野正雄

    政府委員(平野正雄君) 先生御承知のように、電波周波数と申しますのは、実は、人類共通の資源でございます。で、また非常に限られた資源であるということは御承知のとおりでございまして、したがいまして、まあ国際的な制約の中で、また国内的な約束事の中でそれぞれ運用していくということで、いわゆるその電波関係の法制、また技術基準等が決まっておるわけでございまして、その中でいま先生おっしゃいましたような制度というものが、ちょっとその前例もないというようなことでございまして、まあそういった意味で従来検討はしたことはあるようでございますけれども、なかなかその彼岸に到達できないというのが現状でございます。
  181. 中野明

    中野明君 まあ、いろいろその点は私も問題があると思っておりますが、とにかくきょうは時間の関係で、都市難視問題は後日に譲らしていただきます。  受信障害の認定基準の策定とかあるいは紛争処理機関の設置というのは、これはもうそれこそ先急がなきゃならぬ問題だろうと思いますよ。そういうことを含めて今後——この難視解消にちょっと私、郵政省のんびりしているんじゃないかというような気がするわけです。だから、ちょっとピッチを上げていただいて、早く基本的な方向を見つけて、どんどんそれを実施してもらいたい、このように思います。非常にこれは都市難視を含めまして大きな問題になってきておりますので、その辺を強く要望いたしまして、きょうの質問を終わらしていただきたいと思います。  大変どうも長時間ありがとうございました。
  182. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後四時三十五分散会。