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上田耕一郎君 何回も要求しまして、ようやくこの三年度分の資料が出てきました。これを見ますと、修繕費の赤字が四十九年度二十七億円、五十年度五十億円、五十一年度七十億円、累計この三年度で百四十七億円。これを見ますと、恐らく四十八年度から前は、
石油ショックの前でもありますし、そう多くないだろうと思いますね。そうすると、いままで累積している修繕費、大体多く見積もって百六十億円ぐらいじゃないかと思うんですね。この間の
委員会の質問で、初年度二百億のうち七割から八割修繕費に回すと言われた。その七割で百四十億、八割で百六十億。そうすると、初年度の平均五千円の値上げだけで修繕費の累積赤字は全部なくなっちゃうということがもう明らかになったと思うんですね。もうこれで終わりですよ。初年度五千円ずつ平均いただけば、赤字は全部これでけりがつくというのがきょう出された資料で明らかになったと思う。そうすると、じゃあ二年度分からどうなるのか。二年度から二百八十億円入ると、修繕費の赤字は恐らくここに出ている七十億がちょっとふえて八十億か九十億ぐらいになるでしょう。そうすると、二百億円以上余っちゃうですよ、それを一体どこに使うのか。これをじゃあ新規
住宅の傾斜家賃の改善あるいは空き家
住宅の引き下げに使うのなら、
局長非常にいやがられたプール制ですよ、あるいは緩和してプール
方式、まさにプール
方式だということになると思うのですね。
それで、私はもう時間が参りましたので最後に申したいと思うのですけれ
ども、おとといときょうの質問で大体公団側が考えられている輪郭が出てきました。総裁はプール制というのは誤解がある、増収分は公企業体として総合経理の面から見て緊要度に応じて使用すればよいと、そう述べられた、私はこれを批判しました。有賀理事は、不均衡是正のための家賃変更で、補修費が赤字だからどの程度の値上げを行うという性格のものじゃないと、こう答弁した。そうしますと、この論理から言うと、値上げをする
経済的な理由はないということです、値上げをする
経済的理由は。家賃是正と不均衡是正という何か政治的、精神的な理由で今度のプール制、プール
方式が取り上げられるということになったと思うのです。これは三年ないし五年の見直しと
局長返事されましたね。際限のない家賃値上げのレールが敷かれることですよ。普通公共料金の値上げというのは、国鉄でもどこでも大いに計算して、こんなに赤字だと、だから値上げすると出るんでしょう。今度は
経済的理由はないのです。ただ、不均衡是正のためだという理由のために、公団が始まって以来二十一年ですか、初めての一斉値上げでこれだけ
全国的な大問題が起きているということですね。私はこれは非常に不幸な大問題だと、こう考える。安過ぎるからと言われますけれ
ども、やっぱり安くて良質の勤労者のための
住宅というのは、これが公共
住宅なんですから安くていいんですよ、高くなきゃならぬという原則はどこにもない。これは
住宅公団法にもちゃんとそう書いてある。だから、そういう点で、私は今度のこのプール制家賃の値上げ問題、プール
方式の家賃値上げは、どうしてもやっぱり白紙撤回してほしいと思うのです。私、前回述べましたように、ひとつ修繕費の問題についてはこれを切り離して、
全国の公団自治協とよく討議すると、
大臣も民主的に
話し合いたいと言われました。総裁もそう言われた。この問題は切り離して民主的に話し合って、各団地ごとに本当に
住民要求を満足させるためにはどれだけの修繕費の赤字があり、どれだけ取ればいけるかということを詰めればいいのです。それをやれば、あなた方がどうしてもやりたいというこの格差是正もある程度実現できるということにもなるわけです。だから、修繕費問題は第一に切り離して扱うということであります。
それから新規
住宅の家賃値上げ問題については、先ほど申し述べましたように国の責任として関連公共施設費の問題、政府出資の復活の問題、金利の引き下げの問題等々幾らでも打つ手がある。今度概算要求で合わせて百五十億要求したと言われるわけですね。それで、ある計算によりますと、家賃を二〇%下げるためには二百億あればいいという論文があります。で、道路のためには五カ年
計画で八兆円出そうというわけでしょう。すると、毎年二百億程度、家賃を二〇%下げるために国費がなぜ出せないか、出せない理由はないですよ。
建設省も百五十億今度要求だというわけでしょう。こういう
努力をどんどんやっていただくと、われわれ政党もみんなこれはこぞって要求できると思うのですね。そうしますと、あと残るのはプール
方式による際限のない家賃の引き上げのレールですが、これをやりますと、三年、五年ごとに今度のような大闘争が起きるのですよ、これ起きざるを得ない。家賃のかけ合いですね、
全国的に。今度の問題でも大きな問題になるわけです。こういうことをやっぱり避けて、問題をどう解決するかということに政府も
建設省もわれわれ
建設委員会も、それから公団の居住者の方も公団自治協もみんなで
努力しようということが出されているわけで、この
努力をわれわれやっぱりやらなきゃならぬと思うのです。だから、もう決まったレールをこれから突っ走って、大きな家賃値上げ反対闘争、それに対する拒否闘争等々というようなことをしないで、やっぱり理性的に問題解決するために
努力したい。われわれ共産党もただ反対するだけじゃなくて、
建設的な提案もするし、この
話し合いについてはあっせんも協力も幾らでもわれわれも
努力する用意があります。その点で
建設大臣と公団総裁の御意見を最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。