○吉田正雄君 いままでの答弁は答弁になっていないんですよ。いいですか。IAEAのこの協定が発効するためにこのような国内法というものを制定をしなきゃならない義務を負っているのかという質問に対しては、全然義務を負っておりませんということをあなたははっきり答弁をしているんですね。そして、追い詰められると、IAEAに対する信頼度から必要だと、こういうまた言い方で循環をしているわけです。秘密の具体的な
内容を言いなさいと言えば、たとえばというふうな話で、転々として、国家機密になったり、企業秘密になったり、一体何が守らなければならない秘密なのか、秘密の
性格、範囲、それを具体的に言いなさいと言うと、ちっとも具体的になっていないんですよ。そして、最終的には、精神規定的な面でこれを設けることがIAEAに対する望ましいことだから入れたというところにまた戻っている。私が前にあなたに尋ねたときに、これがなきゃいかぬということではありませんということをはっきり言っている。協定との間には直接これは
関係ありませんということをあなたは答えているわけです。それから、国家は
核燃料物質それから
核原料物質というものがどれだけあるかというのは常に公表しているのであって、その
内容自体はちっとも秘密でないということを言っているわけですよね。今日、どの
発電所、どこの大学にどのような
原子炉が
設置をされておるか、その
原子炉の性能がどういうものであるか、これは皆明らかにされていることなんですよ。そのことがまた
原子力基本法によって明らかにすべきことになっているんですよね、これ。だから、そういう点で国家機密ということにはならないわけです、これは。だから、その点は、
長官も最初は何か国家機密がないような言い方から、ちょっとおっしゃって、また、そうでないという言い方になっている。ですから、
長官の認識の度合いというものも、事務当局の説明も常に変わるんですよ。もうちょっと詳しく言いますと、この前そこのところを私は言い方が常に変わるということを申し上げたんですが、きょうは——
寺田先生、おっしゃったでしょうかね、言い方が変わったということを。常に変わる。
そういう点で、ぼくは、
委員長、私はこの前も、これは
佐藤委員もおっしゃったと思うんですけれ
ども、秘密の
内容は何だということを明確にひとつ出してくださいということを言ってあるんですよ。ところが、皆さん方からきのういただいたこの資料には、最も大事な、秘密とは何ぞや、その
性格なり範囲、具体的には何ですかというものについては、いただいたこの資料の中には書いてないんですよ、これが。書けるわけがないから書けないんです、これは、はっきり言って。これ何か別にまた資料を出されましたか、
佐藤さんの方の要求に対して。出ていないでしょう。書けるわけないんでしょう。そういう点で、こういう答弁では答弁になっていないんですよ、これは。もう
長官の言い方と事務当局の言い方にも非常に差がある。問題にならぬですよ。あんたはとにかく、何か言われれば、くるくると言い方が変わっていっている。
もうちょっと正確な言い方をするならば、あなたがいろいろ説明された説明の
内容というものもずいぶん変わっているんですよ。たとえば、当初これを企業秘密の保持や
安全性の確保のため必要な規定であるという言い方をなされた、企業秘密という言い方もあった。核ジャック防止のために必要であるとか、いろいろ説明もあり、次いで、国家公務員には秘密を守る義務がある、したがって、それを情報
処理機関に委託をするんであるから、委託を受けたものにそれがなくては困る、つまり、国家公務員法に準じた
考え方、その
考え方で必要だ、こう言うんですね。受託者がそれらの情報を勝手に
発表されたりしては困る、こういう説明がある。それに対していろいろこちら側の反論が行われる。それに対して、たとえば情報
処理機関が国から委託され、交付された行事業体の
科学技術庁に対する届け出書類は
内容的に別段刑罰をもって守るほどの秘密性——企業的にも、国家的にも——を持つものではないではないか、また、公開した方が、
安全性はもちろん、軍事転用防止にも役立つではないか、こういういろんな反論に対しては、最後には、原子力行政が国と情報
処理機関とによって
処理せられており、国家公務員や情報
処理機関の役職員に対してこのような厳格な秘密保持の義務が課せられているということ、それがIAEAによって、日本の原子力行政、ひいては条約や協定の遵守に関する信頼をかち得る
条件であるというふうに、最後は、IAEAとの間の信頼
関係というそこのところに最終的にはまた帰着をしている。それ以外には何ら理由がない。反論すれば常に変わっていくということなんですね。説明にはなってないんですよ、これは。また、最終的には、さっきはまた企業秘密だというふうな、こういうこともおっしゃる。これは転々として変わっているんですよ。これは答弁になってないんですよ。