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1977-10-13 第82回国会 参議院 運輸委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十二年十月十三日(木曜日) 午前十一時五分開会
—————————————
委員氏名
委員長
内田
善利
君 理 事
安田
隆明
君 理 事
山崎
竜男
君 理 事
瀬谷
英行
君 理 事
三木
忠雄
君
井上
吉夫
君
伊江
朝雄
君 石破 二朗君
江藤
智君
木村
睦男
君
佐藤
信二
君
高平
公友
君 平井 卓志君
青木
薪次
君
村田
秀三
君 目黒今朝次郎君
田代富士男
君
内藤
功君
柳澤
錬造君
山田
勇君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
内田
善利
君 理 事
安田
隆明
君
山崎
竜男
君
瀬谷
英行
君
三木
忠雄
君
委員
井上
吉夫
君
伊江
朝雄
君
江藤
智君
木村
睦男
君
佐藤
信二
君
青木
薪次
君
村田
秀三
君
内藤
功君
柳澤
錬造君
山田
勇君
事務局側
常任委員会専門
員 村上 登君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
調査承認要求
に関する件. ○
派遣委員
の
報告
に関する件
—————————————
内田善利
1
○
委員長
(
内田善利
君) ただいまから
運輸委員会
を開会いたします。
調査承認要求
に関する件についてお諮りいたします。 本
委員会
は、
今期国会
におきましても、
運輸事情等
に関する
調査
を行うこととし、この旨の
調査承認要求書
を議長に提出いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
内田善利
2
○
委員長
(
内田善利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 なお、
要求書
の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
内田善利
3
○
委員長
(
内田善利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————
内田善利
4
○
委員長
(
内田善利
君) 次に、先般
北海道
に
委員派遣
を行いましたので、
派遣委員
からその
報告
を聴取いたします。
瀬谷
君。
瀬谷英行
5
○
瀬谷英行
君
派遣報告
をいたします。
派遣委員
は、
内田委員長
、
山崎理事
、
三木理事
、
高平委員
、
内藤委員
、
柳澤委員
及び
山田委員
と私の八人で、去る九月十二日から十四日までの三日間、
北海道
において、
北方水域
における
海上保安体制
の
現状
を
調査
するとともに、
中標津空港
、
国鉄標津線
を
視察
し、
釧路
において
北海道
庁、
運輸省
及び
国鉄
の
地方機関
から
管内事情
を聴取してまいりました。 以下、順次主要な点について御
報告
申し上げます。 まず、
北方水域
における
海上保安体制
について申し上げます。御承知のように、
わが国
の
領海
十二海里、
漁業水域
二百海里の
実施
に伴い、これに対応した
海上保安体制
の
整備
は、当面の
重要課題
として、当
委員会
においてもしばしば論議の行われたところであります。今回の
視察
におきましては、まず、
納沙布岬
において、
歯舞諸島
を陸上より望観いたしました。天候きわめて良好で、水晶島、貝殻島が手にとるように見え、洋上には
ソ連
の
警備艇
が巡回しており、まずもって、
北方領土復帰
の
要望
が
地元住民
にとってきわめて切実であることを強く印象づけられた次第であります。 次いで、
根室
港において、三五〇型
巡視船
「いしかり」に乗船、
納沙布岬沖
から
根室
海峡を北上、国後島を眼前に望み、
羅臼
港まで約四時間、
海上
より同
海域
における
警備体制
の
現状
をつぶさに
視察
してまいりました。同
海域
においては、
わが国
が
領海
三海里
実施
中は、
ソ連側
も三海里を
主張領海
として、
日本漁船
の三海里までの
操業
を認めておりました。
わが国
が七月一日より
領海
十二海里を
実施
した後も、事実上三海里までの
操業
が認められていたと言われております。 しかしながら、九月六日、
ソ連警備艇
七二四号より、
羅臼組合所属
の
操業
中の
漁船
に対し、十日以後は、二十四海里以上の
海域
では十二海里まで、二十四海里以内の
海域
では
中間線
を境界とし、それ以内の
海域
では
操業
を認めない旨の通告があり、八日、九日で漁網を撤去、それ以後は
操業
ができなくなったとのことであります。当
海域
の
漁場
としては、
ソ連側沿岸
三海里
付近
が好
漁場
と言われており、今回の
ソ連側
の
措置
により、
日本漁業
、特に
羅臼地方
の
漁業
にとっては、きわめて大きな打撃を受けることになったとのことであります。 たまたま、われわれ一行が
羅臼
港に入港した際、直接
地元漁民
と話し合う機会がありましたが、一日四十万円の収入がゼロになった、どうしようもない、との切実な訴えがありました。なお、
羅臼
町当局からは、
年間減収
三十億円になり、
事態解決
のためあらゆる努力をしているが、領土問題との関連で解決はむずかしい
状況
で、国としても十分な
対策
を講じてほしい旨の強い
要望
がありました。 次いで、
根室海上保安部
からの
管内事情説明
について申し上げます。
当部付近海域
は、
わが国有数
の好
漁場
であり、多数の
漁船
が出漁していること、
ソ連主張領海
と接続していること、
気象条件
か悪いこと等の特色を有しているとのことで、これらの点を踏まえ、
警備業務
の中でも特に
わが国漁船
の被
拿捕防止
、
海洋
二法の施行に伴う
領海警備
及び
漁業水域
における
外国漁船
の
不法操業等
の監視取り締まり、
サケ
、マス、イカ、
サンマ漁業
の
最盛期
における
不法操業
の
取り締まり等
を重点的に
実施
しているとのことでした。 なお、
昭和
五十一年における
管内
の
臨検
、被
拿捕
の
状況
は、
臨検
二十四隻、百二十六人、
拿捕
三十隻、百四十四人に達しており、本年に入ってから今日までに
拿捕
は七隻、三十三人になっているとのことでした。同
保安部所属
の
船艇
は、三五〇トン型二隻、二三メートル型二隻となっております。ここで参考までに申し上げますが、
ソ連
の
警備艇
の速度は四十ノット、
わが国
の三五〇型の
最高速度
は十八ノットとなっております。 新
海洋秩序
に対応した
海上保安体制
の
整備
については、現在その
増強計画
が進められておりますが、特に
北方水域対策
としては、建造中の三、八〇〇トン
型ヘリコプター搭載巡視船
が来年度
釧路
に配属の予定と言われ、これが実現すれば
警備力
はかなり増大されることになると言われております。しかしながら、現在の
北方警備体制
は必ずしも十分なものとは言えず、
航空機
及び高性能で大型の
巡視船艇
の増強が必要であると思われます。 次いで、
根室
において、
北海道根室地方総合開発期成会会長
の
根室市長
より、新
海洋秩序
に対応しての
海上保安体制
の
強化
、花咲港の
重要港湾
への昇格、
根室空港
の新設、
海運行政
の
体制強化等
についての
陳情
がありましたことをお伝えしておきます。 次に、
中標津空港
について御
報告
いたします。 当
空港
は第三種
空港
で、道から
委託
を受け、
中標津
町が管理している
空港
で、
滑走路
千二百メートル、
日本近距離航空
の十九人
乗り航空機
により札幌との間を一日一便運航されております。
中標津町長
より、
空港
の概況、
利用状況
、当面の
問題点等
について
説明
がありましたが、
立地条件
、
気象条件等
は良好であり、最近
利用率
も向上しており、今後は、
YS機
一日二便の
需要増
が期待できる
状況
であり、次の三点についての実現を図ってほしいとの
要望
が述べられました。 第一は、
滑走路等
のアスファルト、コンクリートの劣化が著しく、
安全対策
上も問題があるので、これを全面的に
改良
、
整備
するとともに、
滑走路
を千五百メートルから千八百メートルに延長し、
YS級機
の就航ができるようにしてほしい。第二は、
ターミナルビル
の
改良
と
駐車場
の
全面改良
。第三は、
航空保安施設
の
整備
についてであります。これらの
要望
を中心に
委員
との間に熱心な質疑が行われましたが、第三種
空港
の運営の
あり方等
を含め、今後に多くの
課題
が残されているように思われました。 次に、
標津線
について申し上げます。 今回の
視察
に際しましては、
標津線
のうち
中標津
駅から
標茶
駅まで約一時間乗車し、その実態を
調査
してまいりました。
標津線
は、
標茶
−
根室標津
間と、厚床−
中標津
間の線区で、
営業キロ
百十六・九キロで
列車運行回数
も少なく、十五駅中無人駅四駅、
委託
駅三駅となっており、
ローカル線
の代表的なもので、
昭和
五十一年度
収支係数
は七八一となっております。
昭和
四十一年と五十一年の
利用状況
を比較してみますと、
旅客
は約
半減
、
貨物
は三分の二減となっております。
国鉄
では、
中標津
駅を拠点駅として、同線の
貨物取扱
駅の集約を
実施
したいとして地元との話し合いを始めているとのことでした。 この点に関し、
国鉄標津線廃止反対期成会会長
の
中標津町長
より、
住民生活
、
産業経済
の発展に大きな
影響
があるとして
反対
であり、取扱駅の
廃止
が行われないようにしてほしいとの
陳情
がありました。 次に、
釧路
における
北海道釧路支庁
及び
運輸省
、
国鉄
の
地方機関
からの
管内事情
についての
説明事項
について申し上げますか、それぞれの
機関
から詳細な資料が提出されておりますので、その主要な点を申し上げます。
釧路支庁
からは、農業、林業、
水産業等
について
説明
がありましたが、
水産業
については、
ソ連
の二百海里
実施
により大きな
影響
が出ている。特に
サケ
・
マス漁船
、
北転船
、
沖合い底
びき船は
大幅減船
が余儀なくされ、
漁獲量
において五四%の
影響
が出ており、今後新
海洋法時代
に対応し得る諸
対策
を緊急に図る必要があるとのことでした。
海運局釧路支局
より、当面の
課題
として、休業、
減船
となる
漁船員
の救済及び
雇用安定対策
、
漁船関係
の
中小造船業
及び
関連工業対策
、
水産品
の保管に当たる
冷蔵倉庫対策
が必要であるが、
関係機関
及び業界の協力を得て、これらの問題に対し適切な
措置
を講じていきたいとのことでありました。 次に、
札幌陸運局
より、道内の
特徴
として、
自家用乗用車
の
保有台数
の比率が高く、特に
過疎地域
においてはその比率が高くなっており、
道内交通体系
の中で
乗用車
は重要な
役割り
を果たしている。一方、
過疎地域
における
バス事業
の経営は苦しく、五十一年度約十六億円の
補助金
を交付している
状況
で、
道内生活必需機関
となっている
バス事業
の維持は今後の重要な
課題
であるとのことでした。 次に、
釧路海上保安部
より、
領海
、
漁業水域
内の
警備体制
及び
わが国漁船
の被
拿捕防止等
について
説明
がありましたが、新
海洋法施行
後は、他の管区より
適宜援助
を受け、
航空機
、
船艇
による海・
空一体
となっての
警備体制
を
実施
しているとのことで、
昭和
五十一年の
外国漁船
の
視認状況
は、
ソ連漁船
二千五百四十二隻、
韓国漁船
百八十一隻となっているが、特に
韓国漁船
は、本年に入ってから七月までにすでに六百十九隻に達しているとのことでした。なお、
管内
は
気象条件
が厳しく、
漁船
の海難が多いのが
特徴
であるとのことであります。 次に、
釧路鉄道管理局
から、
管内輸送量
の減は憂うべき
状況
で、
昭和
四十五年対五十一年度の比較で、
旅客
は一五%減、
貨物
は約
半減
となっており、これらの
輸送量減
により、
収支面
では、
運賃改定
による効果は発揮されておらず、
昭和
五十一年度の
収支係数
は三七二になっているとのことでした。当面の
課題
として、
経営改善計画
の推進、建設中の石勝線の完成による
輸送網
の
整備
、
雪寒対策等
を積極的に進め、
管内
の
輸送サービス
の向上に資したいとのことでした。 次いで、
釧路航空事務所
より
釧路空港
の
運営状況
について、
釧路気象台
より
管内気象業務
の概要について
説明
があり、
関係者
の
説明終了
後、
委員
との間に熱心な
質疑応答
が行われました。 以上で
報告
を終わります。
内田善利
6
○
委員長
(
内田善利
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十八分散会