○峯山
昭範君 さあ、そこで問題です。長官、もし
ロッキード社がこの誓約書に違反したら、要するにこの契約を解約すると、買うのをやめるというわけだ。そこで大臣ね、契約を解約して困るのはどこですか、
ロッキード社は全然困りませんね。困るのは防衛庁じゃないですか。こんな誓約書なんかさしたって、紙切れ何にもなりませんね、大臣。なぜかなら、先ほど私が一番先に質問しましたように、防衛庁はもうP3Cしかないと言うんだ。ベストじゃなくてベターもないかとこう聞いているのです。ベターもないと言うんだな。ベターもなくてP3Cしかないと言う。それならもし
ロッキードが悪いことをして、解約せにゃいかぬということになって、困るのはどこかというと
ロッキードは全然困らないで、防衛庁が困るわけだ。それまでやってきた努力、契約の手続、
日本の対潜能力はがたっと落ちる。困るのは防衛庁じゃないですか、長官。困るのは防衛庁であるようなこんな誓約書を書いたって何にもならないじゃないですか、これ、実際問題。現実にあなた方は、過去やってないと言うてね、自主的に書いたんと違うんやね、この誓約書は。自主的に書いたんかと思ってようく読んでみたら、違うね。「我々は貴官の要請に従い」書いたと書いてある。自分からやってないとはまるつきし書いてない。逆に言えば、こんな誓約書なんて、長官、本当に
意味がない。そういう
意味からいきますと、これは大変なことですよ、実際問題。これだけ
ロッキード事件を引き起こしてきて――少なくともP3Cでは具体的にその
犯罪容疑は出てこなかったかもわからない、そのとおりかもわからないが、しかし、現実の面では、あのトライスターにしたって何にしたって、現実にあれだけ出ている。
児玉にもあれだけお金が渡っている。しかも、そういうふうなさなかに、P3Cの販売についてのいわゆる手数料や、あるいは丸紅の契約の中のコンペンセーションや、全部出てきている。まるっきし
関係がないとは言えないわけだ、これは。
そういうふうに考えてみますと、結局は困るのは防衛庁じゃないか。いまははっきりしてませんね。後でP3Cについて何らかの問題が出てきたら、一体これはどうなるのか。困るのは防衛庁じゃないか。防衛庁だけ困るんじゃない。国民の税金を使っていろんなことをしているわけですから、困るわけですよ。しかも、この誓約書は、自主的に書いたなんて一言も言っていない。あなたの方から、装備局長から要請をされたからこれを書くと、あなたの要請に従いと書いてある。以下のことを約束する、こういうふうなことでは、私はどうしようもない。大臣ね、そういうような
意味では、これは、P3Cを選定したこと、あるいはこの誓約書の中身、実際問題で困るのは一体どこなのか。いまP3Cを決定した防衛庁が、P3Cでなけりゃ絶対いかぬと言ってここでがんばるのはわかりますよ。がんばるのはわかりますが、しかし、本当にP3Cがだめということになったら――機能的にはいいかもわからない。ベストじゃなくてベター、もう
一つ次の次善ということがあるわけだ、実際問題。次善はないのかと、どうなんだといろんなことをさっき聞いても、やっぱりP3Cです、P3Cです、もうそれしかと現実に言っているわけです。こういうふうな防衛庁の幹部のいわゆる硬直した姿勢ですね、これはやっぱり私は問題があると。そうじゃなくて、そういういろんな角度から検討をして、あらゆる場合を想定して、これがだめならこれでいこうかということぐらいの何らかの姿勢がないと、問題を将来に及ぼす、また、ここで答弁していることもどんどん変わらざるを得ないということになってしまう。したがって、私は、同僚議員も質問しますので、これ以上やりませんけれ
ども、これは本当に私は、たった
一つの問題を取り上げてもこれだけ問題が出てくる、重大な問題だと思うんですよ、大臣どうですか。