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仲川参考人 仲川でございます。
高等学校生徒四百万というのでございまして、私が
高等学校PTA協議会の
会長ということで
意見を申し上げるわけですけれども、必ずしも最大公約数になっておるかどうかもわかりませんが、本年の八月十八日、十九日に
広島で大会をやり、
分科会で、一
分科会設けてこの問題を討議し、また全体
会議において
特別議題として扱ってまいりましたり、また年間、各県の役員が集まりましてこの問題を討議しました、そういうものを踏まえまして
意見を申し上げてみたいと思うわけであります。
先ほどから
お話がございました両
先生の
お話で、
大学入試改善についての基本的な
考え方につきましては同一でございますのであえて重複を避けたいと思いますが、御
承知のように、二十年代の後半に
進学適性検査、それから三十年代の終わりごろに
能研テストというのが行われまして、そのことが最終的にはどちらも、率直に言いますと失敗に終わっております。その路線にいささか似たものも感じておりますので、以下
項目を申し上げますと、
足切り、
予備選考でございますが、
予備選考についての問題、二次
試験の
科目についての問題、一次
試験、二次
試験のもたらす
ウエートの問題であります。もう
一つ、これは私
たちが言い続けてまいりましたのですけれども、なかなかむずかしいようでございますが、
採点を
出身校へ返していただきたいということであります。それから第五に
試験期日の問題。その他の問題としては、二十万
浪人の取り扱いの問題ないし
実業学校の
大学進学についての
問題点という
順序で
意見を申し上げたいと思うわけであります。
足切りの問題は、いま
お話もございましたが、
父兄並びに
生徒として結果的にこういうことになると思うわけであります。
学校の
進学指導に
思惑違いがございますと、出したところの
足切りに遭った
生徒はもう
国立大学を受ける
機会を失うわけでありまして、その意味では、むずかしい
一期校、二期校をやって、ああ知らなかった、結局力が足らなんだと
納得で受けられないことと、何かわからないけれども
高等学校の
進学指導の中でこの
学校を受けといたらそこで
足切りに遭った、こういうことになると、
高等学校の
生徒も
父兄も救われない。
理屈では、この
流れの中の
理屈では
納得ができますけれども、この
足切りの問題は、
先ほどお話がございましたようにやはり絶対あってはならないことであるし、そのことがあるとするなれば、その
足切りに遭った者の
救済方法を
考えずして
足切りというものはあるべきでないというふうに私は
考えております。
大変多岐にわたりますので、
足切りの問題についてはさようなことでひとつ御了解をいただいたらと思うわけであります。
第二次
試験のあり方でございますが、
改革の
目的の中の「ゆとりのある
高校生活」ということが大
目標であると思いますが、私
たちも報道で、正確なものは把握しかねておるかもしれませんけれども、いまの
大学のあの
ばらつきのあるいろいろな二次
試験の学科から言いますと、どこを受けるかまだわかっていない
高校生がどこへ
焦点を合わせてやるのであろうか、どうして
受験準備をするのであろうか。まあたてまえと本音は少々違いますけれども、
高等学校の
現状の中で
受験準備の
焦点というものはやはり合っていかなければならないが、一次
試験もやり、二次
試験はあの
ばらつき、それで実際に
目標として掲げておられますようなことになるのであろうかどうか、私は
大変心配をいたしておる二次
試験のいまの
大学の御
発表の状態でございます。
第三点は、一次
試験と二次
試験の
関係でございます。一次
試験の
ウエートを明確にしておる
大学もあるようでございますけれども、重視すると言っておられるだけの
大学がございます。これは、
受験生としてはやはりその
ウエートを知りたいわけでありますから、
高校入試のとき中学の
内申書を重視すると言って、
高校で実際問題としては
内申書を重視して
高校入試をやっているかどうかというのは大変問題なのと同じような問題がここに起こってくるのではないか。この点だけはやはり
大学がはっきりとしていただかなければならないのではないか、私はそういうふうに思います。
第四は、
先ほど申し上げましたように
試験の結果を
出身校まで返していただく
作業。これは種々論議があって、先般、八月十八日にも
広島での会合で、
センターのきょうお見えの
田保橋事務部長さんからも、大変それはむずかしいんだというような
お話もあったようでございますが、いずれ
大学の願書を受け付けた
時点で一人一人の個別を抜き出しして
成績を渡さなければいかぬのですから、
高等学校へこの
成績を返すべきだ。せめても
出身校へは
生徒の
成績を返すべきだ。これを返さないで、
高等学校の
先生たちが
進路指導をするのに、
模範答案を出すから、
平均点を出すからおまえの方で
採点せいというのですけれども、上の方の三分の一ぐらいの
成績の
生徒はできるでしょうが、時間ぎりぎり一ぱいの中で、
自己採点をして、帰って
進路指導の
先生と話し合えるほど正確なものを
生徒自身が得られるかどうか。この問題は私は大変疑問を持っておりますし、本人に返さないまでも、せめても
出身校へは返していただかないと、
先ほど申し上げました
足切りという恐ろしい現実を目前に控えて、極限にも近い
進路指導をしておる
高校の中で問題が起こると思います。
作業としては大変むずかしいようでございまして、私も
コンピューターのことは存じませんけれども、何とかしてそのことができますなればそうしていただきたいと思うわけでございます。
第五番目は
試験期日の問題でありますが、さようなことで申し上げましたので、十二月か一月か、まあ二月というお説もいま出たようでございますけれども、十二月か一月かということになるのではなかろうかと思います。
期日は、
先ほど校長協会長さんからも
お話がありましたように、
高校教育本来の
立場から言えば遅いほどいいということでございまして、遅いことを支持するわけでございますが、次の三つのことがこの問題にあると思います。
それは、いま申し上げました
成績を
学校へ返すかどうかということでございます。もう
一つは、十二月というお説がありますけれども、十二月ということにするなれば、
生徒側から言うとどうしても十二月にする
出題を出してもらわないと、
出題に御
配慮がないと、私は十二月にするということをそのままやったのではいけないと思うのであります。もう
一つは、
国立四十万、
私学百四十万という
私学との関連の問題で、
文部省がこの
期日等の
決定と
私学の
受験指導をどうなされるかということもあわせてこれに
関係があると思うのです。もう
一つは、一次、二次、その中間に
私学があるわけでありますが、もう
一つ足切りの問題とこの問題との逆算をいたしてきますとその問題が起こるのではないかと思うわけであります。
その他の問題につきましては、
浪人の
受験生に
十分配慮をしていただきたいということと、
職業高校生の
進学については、一次
試験の点数の
大学側の
受け入れ方に
特別配慮が必要であろうと思うわけであります。
一応以上でございますが、長い間かかってやられてきて、私
たちも長年この
改革を
要望してきたものでございますので、どうかひとつ
学歴偏重が是正せられるように、
大学の格差がなくなりますように、また
受験生の
負担が軽減せられることが大
目標でございますから、
先ほどの一次
試験、二次
試験の
大学側の
姿勢を特に
お願いするものであります。
以上、まとまりませんけれども、
意見を申し上げました。