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1977-10-19 第82回国会 衆議院 建設委員会中小建設業振興に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和五十二年十月十四日(金曜日) 委員会において、設置することに決した。 十月十四日  本小委員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       塩谷 一夫君    谷川 寛三君       中島  衛君    渡辺 紘三君       福岡 義登君    渡部 行雄君       古川 雅司君    西村 章三君       瀬崎 博義君    甘利  正君 十月十四日  福岡義登君が委員長指名で、小委員長選任  された。 ————————————————————— 昭和五十二年十月十九日(水曜日)     午前十時四分開議  出席小委員    小委員長 福岡 義登君       塩谷 一夫君    谷川 寛三君       中島  衛君    渡辺 紘三君       渡部 行雄君    古川 雅司君       西村 章三君    甘利  正君  出席政府委員         建設大臣官房長 粟屋 敏信君         建設省計画局長 大富  宏君  小委員外出席者         建設大臣官房参         事官      升本 達夫君         建設大臣官房会         計課長     加瀬 正蔵君         建設省計画局調         査統計課長   三浦 楫夫君         建設省計画局建         設業課長    広瀬  優君         建設省計画局建         設振興課長   杉本 康人君         建設委員会調査         室長      川口 京村君     ————————————— 十月十九日  小委員古川雅司君同月十五日委員辞任につき、  その補欠として古川雅司君が委員長指名で小  委員選任された。 同日  小委員瀬崎博義君同月十七日委員辞任につき、  その補欠として瀬崎博義君が委員長指名で小  委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  中小建設業振興に関する件(中小建設業振興  対策に関する問題)      ————◇—————
  2. 福岡義登

    福岡小委員長 これより中小建設業振興に関する小委員会を開きます。  中小建設業振興に関する件について調査を進めます。  中小建設業振興対策について説明を聴取いたします。大富計画局長
  3. 大富宏

    大富政府委員 五月の段階で、この小委員会から勉強するように宿題を五点ほど出していただいておりますので、その後どういう検討をしたかにつきまして御報告を申し上げたいと思います。  まず第一番目に、公共工事契約制度あり方についてということでございますが、中小建設業受注機会確保契約の公正の確保等を含む契約制度全般の問題につきまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  それから第二番目に、中小建設業に対する受注機会確保についての検討をせよということでございますが、これにつきましては、年度当初、四月二日に中小建設業者に対する受注機会確保を図るように事務次官通達を出して、これに基づいて指導をいたしておるところでございます。  それから、中小企業者受注機会確保、これは毎年度閣議決定をもちまして、中小企業者に対する受注機会確保を図るための目標というのを定めております。今年度も七月の二十六日にその目標が出たわけでございますが、建設省工事関係につきましては、五十二年度は二九・九%という目標が出ております。建設省の場合は、毎年度契約目標につきまして実績が上回っております。五十年度におきましては、目標が二六・三%であったものを実績は二七・三%、五十一年度につきましては、二七・九%でございましたのを二八・五%ということでございます。五十二年度目標の二九・九%についても、その目標達成努力いたしたいと思っております。  それから共同請負制度、それから事業協同組合による請負制度につきましては、その適正な活用あり方について早急に結論を得るべく、現在検討を進めておる段階でございます。  それから、第三番目の検討項目といたしまして、建設工事標準下請契約約款普及努力しなさいということでございました。これは、中央建設業審議会から四月の二十六日に勧告を受けたものでございますが、五月の二十四日に計画局長名をもちまして、各省庁、都道府県、公社、公団等あて約款普及方の依頼をいたしまして、さらに六月二十一日には課長名をもちまして、都道府県土木部長とか建設業者団体の長にあてまして、約款実施普及について通達を出しております。現在各建設業者団体でも、標準下請契約約款実施約款というものを勉強をいたしております。これと並行いたしまして、発注者の協力を得ながら、建設省といたしましてもこの普及努力をいたしたいと思っております。  第四番目の検討事項は、中小建設業共同化等による経営基盤強化と資金の確保についてということでございました。これは四月十二日、この年度当初でございますけれども、「政府系中小企業金融機関中小企業倒産対策緊急融資実施等について」これに基づきまして、政府系中小企業金融機関一般貸し出しの運用に当たりまして、各業種、地域の実情を配慮いたしまして適宜適切な貸し出しを行うとともに、特に経営基盤の悪化しております中小建設業者に対しまして、個別企業実情に応じまして、担保の徴収、既往の債務返済猶予等につきまして、きめ細かい対処をしておるわけでございますが、この九月に、この措置をさらに来年の三月三十一日まで延長することにいたしております。  また、建設業振興基金による債務保証につきましても、その積極的活用を推進いたしております。  小委員会の方で、さらに税制についても検討せよということでございましたが、中小建設業者貸し倒れ引当金につきましての損金算入特例措置の期間の延長、これは二年間でございます。それから振動防止用の機械についての特別償却新設、これは新設でございます。これを来年度税制改正の要望といたしておるわけでございます。  それから最後に、前払金保証事業について検討しなさいということでございましたが、御報告に基づきまして、直ちに保証事業会社三社と建設省から成りますところの保証制度研究会を設けまして、建設業者に対しますところの事前審査事務見直しなりあるいは前払金使途監査体制の整備なりあるいは海外建設事業金融保証制度活用なりといった問題について、現在検討いたしております。  それから、監査でございますけれども保証事業会社三社に対しまして五十二年度実施いたし、今後とも業務の公正な運営を指導してまいりたいと思っております。  それから、保証事業会社につきましては経費の節減ということが言われたわけでございますが、これについても大いに努力いたしたいと思っております。  それから、地方銀行預託というのを保証会社がやっておりますが、これも大いに拡充いたしまして、地元の建設業者に対する低利融資及び融資枠の拡大を図る等、保証資本効率的活用を図ってまいりたいと思っております。  以上が、この五月二十五日に小委員会から出されました検討事項のその後の経過報告でございます。
  4. 福岡義登

  5. 粟屋敏信

    粟屋政府委員 所管公共事業契約状況及び補正追加等に伴いまして下半期所管公共事業事業量等につきまして、御説明を申し上げたいと存じます。  御承知のように、景気の着実な回復を図るために、本年度上半期における公共事業執行につきまして、政府全体で七三%、建設省所管事業で七一・六%の契約目標が定められまして、建設省といたしましてはその目標達成に鋭意努力をいたしておるところでございます。八月末現在における所管事業契約状況でございますが、全体で六四・六%でございまして、昨年度の六〇・六%に対しまして四%程度の伸びになっております。九月、上半期末の状況はまだ精査中でございますが、必ずその目標でございます。一・六%を達成することは確実であると考えておる次第でございます。  当初、本年度公共事業につきまして、上半期前倒しをすることによりまして、下半期事業量が昨年度下半期事業量を下回るのではないかということが心配をされておったわけでございますが、おかげさまで、今回の補正予算追加等によりまして、建設省関係事業で申しますと、昨年度下半期契約実績が一兆五千百三十五億円でございますが、それを約九百億円上回ります一兆六千二十七億円程度事業量確保されるわけでございまして、前倒しによる下半期事業量の落ち込みという点は一応防止されたものと考えておるわけでございます。われわれといたしましては、上半期契約目標を達成いたしますと同時に、補正予算も含めまして、本年度所管公共事業執行については、その完全執行を図るべく努力をいたす考えでございます。  なお、発注につきましても、中小企業受注機会確保につきましては、従来とも、発注区分の遵守でございますとかジョイントベンチャー活用分割発注推進等によってそれの確保を図ってまいったところでございますが、下半期受注補正予算発注等につきましても、同様の趣旨で努力をいたす考えでございます。  なお、この契約目標率の対象となります予算現額には住宅金融公庫融資に係るものは含まれておりませんが、御承知のように、総合景気対策によりまして個人住宅貸付戸数が十万戸追加になりましたので、そういう意味におきましても、関係事業事業量は増加をいたすものと考えておる次第でございます。  以上、御報告申し上げます。
  6. 福岡義登

  7. 大富宏

    大富政府委員 お手元に「昭和五十二年度建設投資見通し」という資料を差し上げておりますが、これについて御説明いたしたいと思います。  これは、五十一年度、五十二年度投資額を書いてございまして、これは五十二年度の当初見通しでございます。五十二年度予算編成の際に政府が行いましたところの経済見通しに基づいて積算いたしたものでございまして、四十兆一千億ということで、その下に実質、これは四十五年価格でございますが、二十兆八千億ということになります。これは名目成長率が対前年度一五・六%でございますが、実質におきましては、四十五年価格で比べますと八・一ということでございまして、ちょうど四十八年の建設投資見通しが二十兆六千億でございますので、実質におきまして五十二年度建設投資額がほぼ四十八年度投資を上回ったという数字になるわけでございます。  建設投資というのは建築土木二つに分かれるわけでございますが、建築が二十六兆二千億、土木が十三兆九千億ということで、建設投資額の中で建築の占める割合が六五%、土木が三五%ということになるわけでございます。  特に、建築の中でも住宅投資というのが非常に大きいウエートを占める。ここでは住宅は十六兆一千億という数字でございます。御案内のとおり、五十一年度が百五十三万戸という数字でございまして、政府の当初の見通しでは、前年度を上回る十六兆一千億をはじいたわけでございまして、百六十万戸ぐらいは達成できるのじゃないかと思ったわけでございますが、その後の状況で、民間部分が若干落ちるんじゃないか。今回補正予算金融公庫融資枠十万戸がふえましたので、そちらの部分はややいけますけれども民間の方が落ちてくる。しかし、総投資額においてはほぼ横ばいであろうという見方をいたしております。  土木が十三兆九千億ということでございます。これを政府民間に分けたのが再掲というところに出てきておりますが、これが十四兆八千億、民間が二十五兆三千億ということで、これも建設投資額に比べますと、政府投資というのは全体の三六%、あとの六四%が民間でございますので、公共投資重視という予算パターンを組みましても、やはり民間がついてこないとなかなか景気回復に至らないというのがこの構成でよくわかるわけでございます。  先般、政府総合経済対策を立てる際に五十二年度経済見通し改定試算をいたしておりますので、私どもも、いま御報告いたしました五十二年度建設投資がどういうぐあいに変化するのか、現在改定作業を進めている段階でございますが、もともと今回の政府経済見通し改定作業そのものも、年度当初に立てました六・七%の成長率を維持するためにはいまのままではだめだということでの改定でございますので、建設投資総額につきましてはほぼ横ばい、いま申し上げたような大体四十兆前後でおさまる、ただ中身について若干の問題点があろうということで、いま改定作業を進めているところでございます。  それから、もう一つ資料を差し上げておりますのは、倒産件数でございます。建設業倒産でございますが、これは五十一年の暦年の一月から十二月までの全産業建設業の対比で表を出しております。負債金額一千万円以上を求めたものでございます。  建設業は、全産業倒産件数につきまして、件数におきまして三一・九%という倒産でございます。これが下の欄で、五十二年の一月から現在判明いたしております九月までの数字を出しておりますが、全産業倒産件数一万三千六百八件に対しまして、現在まで四千二百四十三件、これもやはり三一・二%、全産業につきまして建設業はほぼ三割、非常に大きい倒産割合を持っている。  その次の資料は、四十五年、四十六年という暦年での資料でございます。ここでも全産業に対する建設業倒産の比率は二三%、二五・五%ということで、ほぼ三〇%前後という数字でございます。これは東京商工リサーチの調査でございます。  それから、その次のページは、一体資本金階層別にどういうところに倒産が集中しておるかということの四十八年、四十九年、五十年、五十一年というところでのデータでございます。五十一年のところをごらんいただければおわかりだと思いますが、個人経営、百万円未満、百万円から一千万円未満、大体そういうところに集中いたしておるわけでございます。ただ、この場合に、倒産データの基礎になっているのが一千万円以上ということでございますので、個人経営のごときは一千万円未満倒産もあろうかと思いますが、この辺はこのデータに載ってない。それにいたしましても、全体の倒産件数のうちで一千万円未満というところで大体八割以上を占めているということがおわかりだろうと思います。  それから、もう一つ資料を差し上げておりますのが「建設業振興基本方策」という中建審答申でございます。  簡単にこれについて御説明申し上げたいと思いますが、これは五十一年八月に建設業振興方策あり方いかんということを建設大臣から中央建設業審議会に諮問いたしまして、五十二年七月二十九日に答申があったものでございます。  答申の骨子は一ページに書いてございますが、一ページの1というところで、建設業の問題を集約いたしますと「過当競争が余儀なくされ、経営内容が圧迫されて、工事施工管理に適切を欠く例がみられること、また直接に施工を担当する部門においては質の高い技能労働力が不足してきているため、適正な施工が困難になってきていることであり、これらの結果として建設生産物の品質に問題を生じる例がみられることである。」こういうことを前提に、じゃどうしたらいいかということでございますが、2の方の下から二行目に書いてございますが、「これらの課題に対処して建設業振興を図るためには、適正な競争を通じてよりよい仕事をする企業がよりよく発展を保証されることが必要であり、このためには、全工程を通じた建設生産の仕組の合理化と個々の企業体質改善の助長が必須の要請である。」という認識でございます。  そこで、この二つの立場に立って、まず分析を始める前に重要なことが3に書いてあるわけでございますが、建設業一般に言っても、その持っている機能をはっきり二つに分けて考える。まず「企画力技術力を発揮して行う管理監督機能技能労働力を使って工事を担当する直接施工機能」、この二つ特化をする。それぞれの機能に着目していろいろ施策考えなければならないということが書いてあるわけでございます。そこから五行日あたりに書いてございますが、「この機能の差に着目して諸制度見直しが行われるとともに、各企業体質改善についても、それぞれの機能に必要な能力の充実とその活用が図られることを目途とされるべきである。」こういうことを書いてございます。  それから三ページに入りまして、まず建設生産の仕組みの合理化が必要だ、こう言っているわけでございますが、これについてどういうことを考えるべきかということが四つに分けて書いてございます。  まず「企業能力評価基準の作成と評価結果の活用」、二に「公共工事入札資格審査指名基準及び工事費積算見直し」、三に「発注平準化発注規模適正化」、四に「請負契約適正化明確化」、こういうことについて大いに検討していかなければならないということを言っております。  それから四ページに入りまして、その次の重要な柱でございます企業体質改善についてはどういうことをやったらいいかということで、1に書いてございますが、「各企業が自らの機能に必要な能力を開発することを志向すべきであり、このため、それぞれが自らの経営目標を明確にして企業体質改善努力をすべきである。また、社会的要請に対応しようとする企業自助努力を促進する助成策が必要である。」ということで、七ページをちょっとお開きいただきたいと思いますが、「業態別経営力強化方策」ということで、「総合工事業」「専門工事業」、それからその次の八ページに書いております「木造住宅建築業」、機能特化しますと大体この三部門と言えるんじゃないか。その場合の「経営目標」と「企業自助努力方向」とそれから「行政面の配慮の方向」ということをそれぞれきめ細かく書いてあるわけでございますが、それに沿って行政努力をすべきであろうということでございます。  また五ページにお返りいただきまして、五ページの6でございますが、「以上の諸方策のうち、当面、次の施策について具体化を図るべきである。」ということで、われわれに宿題として与えられましたのが、ここで七項目ほど書いてあるわけでございます。  大体、この中建審の「基本方策」に沿いまして、私ども建設行政もいまから大いに勉強しながら進めたいと思っておる次第でございます。  以上でございます。
  8. 福岡義登

    福岡小委員長 以上で説明聴取は終わりました。  これより懇談に入ります。     〔午前十時二十六分懇談に入る〕     〔午前十時五十八分懇談を終わる〕
  9. 福岡義登

    福岡小委員長 これにて懇談は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時五十九分散会