運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1977-09-09 第81回国会 参議院 交通安全対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年九月九日(金曜日)    午後一時二分開会     —————————————    委員異動  九月九日     辞任         補欠選任      加藤 武徳君     竹内  潔君      土屋 義彦君     山崎 竜男君      野呂田芳成君     堀内 俊夫君      福岡日出麿君     堀江 正夫君      二木 謙吾君     長田 裕二君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小野  明君     理 事                 中村 太郎君                 安恒 良一君                 阿部 憲一君                 田渕 哲也君     委 員                 長田 裕二君                 高橋 圭三君                 竹内  潔君                 堀内 俊夫君                 堀江 正夫君                 山崎 竜男君                 穐山  篤君                 山中 郁子君                 森田 重郎君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)        (沖繩開発庁長        官)       藤田 正明君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        内閣総理大臣官        房交通安全対策        室長       室城 庸之君        警察庁交通局長  杉原  正君        沖繩開発庁総務        局長       亀谷 禮次君        沖繩開発庁振興        局長       美野輪俊三君        厚生省医務局長  佐分利輝彦君        厚生省医務局指        導助成課長    岸本 正裕君        通商産業省機械        情報産業局自動        車課長      浜岡 平一君        運輸省自動車局        長        中村 四郎君        建設省道路局長  浅井新一郎君        建設省道路局企        画課建設専門官  佐藤  清君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○交通安全対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (沖繩県における交通方法変更に関する件)  (沖繩県における交通方法変更に関する決議の  件)     —————————————
  2. 小野明

    委員長小野明君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、加藤武徳君、土屋義彦君、野呂田芳成君及び福岡日出磨君が委員を辞任され、その補欠として、竹内潔君、山崎竜男君、堀内俊夫君及び堀江正夫君が選任されました。     —————————————
  3. 小野明

    委員長小野明君) 交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、派遣委員報告を聴取いたします。安恒良一君。
  4. 安恒良一

    安恒良一君 小野委員長、それから阿部理事田渕理事二木委員降矢委員穐山委員山中委員と私の八名は、八月三十一日から九月二日までの三日間、沖繩県における交通事情交通安全対策及び交通方法変更問題についての現地の実態を調査してまいりました。  以下各事項につきまして簡単に御報告をしたいと思います。  まず、沖繩県交通事情でありますが、本県には鉄軌道がなく、陸上交通はすべて道路交通に依存をしております。道路整備県民生活に与える影響はきわめて大きいものがあります。一方、本県における自動車増加は著しく、復帰当時約十四万台であった自動車登録台数は、本年五月には約二十八万台となっております。二倍の伸びを示しております。このような車両台数の大幅な増加道路整備をはるかに上回っておりまして、県内主要道路交通量は年々増加し、都市部では交通渋滞慢性化をしている状況になっております。ちなみに、自動車一台当たり道路延長本土と比較いたしますと、本土が一台当たり三十八・六メートルであるのに対し、沖繩では十八・一メートルになっております。これによっても沖繩県における道路交通混雑を知ることができます。  次に、道路整備状況でありますが、復帰後、海洋博対策重点を置いてその整備促進が図られたため、主要幹線国道については改善されておりましたが、幹線国道と県道、市町村道との間の格差が目立っておりました。さらに、沖繩県では未買収道路用地がなお大量に残っており、これがため道路整備促進交通安全施設整備に支障を来しているとのことでありました。交通安全対策上からも必要な予算措置を講じ、この問題の早期解決を図ることが必要であります。  次に、県下の道路交通事故発生状況を調べますと、復帰時の四十七年に発生件数二千八百三十八件、死者数百五人、負傷者数三千六百四十七人であったものが、五十一年には発生件数千八百九十六件、死者数百人、負傷者数二千二百八十四人となっております。発生件数は大幅に減少したものの、死者数は横ばいという状況を示しており、死亡事故につながる重大事故防止急務となっておりました。特に、本県交通事故の特徴として、夜間における死亡事故の比率がきわめて高いこと、交通三悪といわれる飲酒運転速度違反、無免許運転によるものが事故件数の大半を占めていることが指摘されており、県民交通モラル高揚が強調されておりました。  交通安全対策につきましては、交通安全対策基本法に基づく第二次沖繩県交通安全計画が昨年策定され、五十一年度から五十五年度までの間に実施される交通安全施策の大綱が決定されております。この計画では、死亡事故防止に最重点を置き、過去最高であった四十八年の交通事故死亡者数百二十三人を半減することを目標に、交通安全施設等整備交通安全知識の普及、交通秩序の維持、救急体制確立等各般施策が推進されることになっております。  その中で特徴的なものを挙げますと、沖繩県警では、交通渋滞の著しい都市部において公共輸送機関優先交通規制を積極的に推進しており、バスタクシー専用道路区間四・二キロメートル、バスタクシー専用レーン区間十七・三キロメートルを設定し、効果を上げており、また、飲酒運転追放月間設定、「ゆっくり走ろう運動」の実施等、県警独自の事故防止対策を推進しておりました。  次に、安全教育としては、老人死亡事故が多いために、老人に対する教育重点を置いており、家族ぐるみ交通安全教育を推進しており、さらに県民交通安全意識高揚を図るため、全国的に実施されている交通安全運動のほかに、夏の交通安全県民運動、年末年始の交通安全県民運動、「ゆっくり走ろう運動」等、本県独自のユニークな交通安全運動を展開しておりました。  次に、被害者対策として、本県では医師、看護婦の不足が著しく、現在救急病院の指定を受けた病院が県立四病院にすぎないという憂慮すべき状況にあり、救急医療体制確立急務となっておりました。  以上沖繩県における交通安全対策概要報告いたしましたが、次に当面の緊急課題であります沖繩県下における交通方法変更問題について簡単に御報告をいたします。  御承知のとおり、沖繩県交通方法は、現在本土と異なり、歩行者左側通行車両右側通行実施されております。復帰に伴い、これを本土と同一の方法に統一し、歩行者右側通行車両左側通行変更することが必要となりましたが、沖繩復帰に伴う特別措置に関する法律によって、政令で定める日までの間は従来の交通方法でよいとの暫定措置が講じられております。  ところで政府は、五十年六月二十四日の閣議で、沖繩県における交通方法変更については、その実施期日を五十三年七月末日を目途とする旨の方針を決定し、以後政府は、この方針に基づいて諸般準備を進めております。  私たちは、現地室城総理府交通安全対策室長から、これまでの経過、必要な予算措置、その実施方法等について、また、沖繩開発庁沖繩総合事務局から、現地での準備状況について、さらに沖繩県当局から、県の対策概要政府に対する要望等について説明を受けた後、知花沖繩県県議会議長平良沖繩県市長会会長長浜沖繩県バス協会会長上原沖繩県タクシー協会会長宮城私鉄沖繩県労働組合連合会執行委員長神谷沖繩県自動車販売協会会長の各氏から本問題に対する意見を聴取いたしました。  以下その要旨を述べますと、まず野島県副知事が、県としては閣議決定の線に沿って諸般準備を進めているが、交通方法変更交通革命ともいうべきもので、県民生活への影響がきわめて大きく、県民コンセンサスと周到な準備が必要であり、県民理解協力を得て、その安全かつ円滑な実施を推進したい。そのためには、県が本年八月に取りまとめた要望実現が不可欠の要件であると考えるので、国の特別の御配慮を求めたい旨発言をし、県の基本的態度説明をいたしました。次いで、知花議長から、県議会としても、交通方法変更対策特別委員会を設置して、本問題に真剣に取り組んでいるが、政府は早急に具体的な実施要綱県民に提示し、一日も早く県民が検討する機会を与えていただきたい。また、県民コンセンサスを得てから実施し、見切り発車をしないことを強く要請する旨の意見が、平良那覇市長からは、十分な安全対策実施されて、その安全の保障が得られなければ交通方法変更に同意するわけにはいかない、来年七月末までの間に所要の工事を実施することは無理である、一実施期日の五年間延長を要請する旨の意見が、長浜会長から、車両代替及び改造について適切な補償措置要望する旨の意見が、上原会長から、交通事故防止の観点から全車右ハンドル車に切りかえる必要があり、そのために左ハンドル車残存価格全額補償及び新車購入価格との差額に対する長期低利融資要望する旨の意見が、宮城委員長からは、バス労働者利用者犠牲の上に実施されようとしていることは遺憾であり、政令見切り発車に反対する、また運行ダイヤ確保交通事故処分軽減等バス労働者にしわ寄せをしないような十分な対策を講じることを要求する旨の意見が、最後神谷会長から、本県自動車販売業界の実情を理解され、代替バス代替タクシー等車両と部品は必ず県内販売業者から購入するよう指導されたい旨の意見がそれぞれ述べられました。  次に、交通方法変更問題に対する私たちの所見は那覇空港における記者会見での小野委員長発言に集約されておりますので、以下その要旨を述べます。全文は別紙お手元に配付してありますので、御参考に供したいと思います。  以下その要旨を述べますと、本問題の円滑な実施には県民意思一致が必要であり、そのためには県当局地元市町村との意見一致が必要である。早急に両者間で意見の統一のための話し合いが進められることを期待する。県と市町村の合意が成るまでの間は実施期日を定める政令公布等は行うべきでない。政府は、地元から提出されている各種要望、特に本年八月県から要請された特別事業実現に十分な配慮を行うべきである。一方、県としても特別事業の内容について実施可能な県体案を早急に作成し、政府との交渉を急ぐべきである。また、交通安全確保の見地から沖繩県内公共輸送機関整備を急ぐ必要がある等であります。  以上のほかは、那覇空港、それから那覇航空交通管制部、第十一海上保安本部沖繩県陸運事務所沖繩自動車道沖繩海洋博記念公園等において関係者から説明を聴取し、各種施設を視察をいたしましたが、それぞれ資料が提出されておりますので、報告を省略させていただきます。  以上で報告を終わりたいと思います。
  5. 小野明

    委員長小野明君) 以上で派遣委員報告は終わりました。     —————————————
  6. 小野明

    委員長小野明君) 次に、沖繩県における交通方法変更に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 安恒良一

    安恒良一君 沖繩県における交通方法変更に関する質問を、私に与えられました時間九十分の以内で行いたいと思います。  まず、私は、実施に当たっての政府の基本的な考え方方針につきまして、藤田長官及び政府関係者質問をしたいと思います。そして、基本方針質問が終わりましたならば、今度は、少し具体的な中身について御質問を申し上げたいと思います。そこで、時間が九十分しか与えられておりませんので、私の質問も簡潔にいたしますが、政府側の御答弁もぜひ要点をついて簡潔にお答えお願いをまず申し上げておきたいと思います。  まず、長官に御質問をしたいのでありますが、沖繩県における交通方法変更については一九七二年の本土復帰に伴い、政府国際条約に基づく一国一方式を理由に、現在と全く逆の交通方式を一九七八年七月末実施目途として進められておりますが、その結果は県内の経済、社会、交通環境交通手段及び法的問題に多く影響をもたらすものだと思います。海洋博のもたらしました数々の後遺症がいえないまま県民生活に大きな影響をもたらすと思うのでありますが、私は、県民理解協力がなければ、今回の措置というのは多くの混乱と損失を与えるということは明白だと思います。  そこで、まず質問したいことの第一点は、この問題は沖繩県民負担犠牲によって行われるものでなく、沖繩本土完全復帰事業の一環として、国が全面的責任を持って財政行政措置確立して対処すべきであるというふうに考えますが、この点について政府の基本的な考え方をまずひとつお聞かせをお願いをしたいと思うわけであります。  次に、同じく基本的問題を一括してお聞きをしたいと思いますが、第二番目といたしましては、本問題の円滑な実施には、何よりも私は県民の皆さんの一致した理解協力を得ることが必要であるというふうに考えますが、そのためにまずお聞きをしておきたいことは、政府といたしましては、本問題の円滑な実施のために現地県当局市町村との意見一致をするように全力を挙げて努力されなきゃならぬと思います。それは、いまさっきの調査報告で申し上げましたように、実を言いますと、私たちは県と市町村との間には若干の意見相違があるということを承知していましたが、現地調査では、私たち考えておりた以上に、県、特に最大の市であります那覇市、沖繩市等市町村の間の意見が余りにも大きく食い違っていることに実は驚いたわけであります。そういう意味から、まず政府は、本問題の円滑な実施のために、現地の県、市町村との間の意見一致するような努力をされるべきだと思いますが、具体的にそれはどういうふうに行われているのか、こういう点が基本問題の第二番目であります。  それから第三番目は、政府はかねてから交通方法変更については沖繩県民協力が必要であるので、県当局等現地の意向を無視して見切り発車はしない、こういうことをしばしば言明されておりますが、現在残念なことでありますが、県当局地元市町村意見一致をしておりません。こういうときに、実施期日政令設定等について、いわゆる私たちは行うべきでないというふうに考えていますが、この見切り発車をしないというお考えについては変わりがないのかどうか。  以上、まず基本的な問題について三点を長官にお伺いいたします。
  8. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 第三点の見切り発車をしないということからお答えいたしたいと思いますが、われわれとしては見切り発車をいたさないという気持ちで現在も進めております。  御承知と思いますが、昭和四十八年の九月十八日の閣議で、五十一年実施目途ということがすでに一度決められておりました。それが県当局延期方の要請によりまして、四十九年の六月十八日に管理部会におきまして変更をいたしまして、五十二年の夏を実は県当局は希望したんでございますが、それよりも一年延ばしまして、五十三年の七月末を目途というふうに五十年の六月の閣議で再度これを決定した次第でございます。それで、いよいよ来年の七月末に交通区分変更実施ということになったわけでございますから、その間の事情考えてみましても、五十二年の六月には県当局も参加をされまして、このような五十三年の七月というふうに決めた次第でございますので、これは政府が一方的に五十年六月の閣議で決めたものではございません。  それから、御承知と思いますが、この九月の三日に県の方でも委員会がございました。そこでまあいろいろと問題はあったようでございます。それから九月の五日の日には県知事那覇市長との話し合いが持たれたようでございます。これは大筋において来年の七月末に実施することについては了解をされたようであります。しかし、いろいろと困難な事情もあるということもつけ加わっておるようでございますが、大筋においてはそこで了解をされた。それから八日のやはり県の方の委員会があったようでございますが、ここにおかれてもこの期日についてはやはり大筋了解が得られたようでございます。これはまだ本文がまいっておりませんけれども、電話その他の報告を受けております。  私自身は、九月の一日だったかと思いますが、沖繩知事とこの問題について二時間二人で懇談をいたしました。それで、いろいろと話し合いをいたしまして、政府としてはできるだけのことをするし、県に負担もかけないようにやっていきたい、かようなことをも申し上げました。  そういう経緯もございまして、われわれとしては見切り発車はいたしませんと、県民地元の御了解を得てこれをやりたいという考え方をいまもって持っておりますし、また大筋了解はすでに取りつけてあるというふうに考えております。  それから第二番目の点でございますが、これは県当局市町村との話し合いがどうなっているかというふうな御質問だったかと思いますが、これはもうすでに委員会の諸先生方沖繩に参られまして御承知と思いますが、確かに意見相違があるようでございます。特に那覇市のような、交通はいまだ完全に整備されておりませんし、まあ混雑をしておると言えば混雑をしておる、こういう那覇市長さん方は相当強い反対があった。いろいろと各町によってもまた事情も違っておりますから、統一的な見解はないようでございますが、しかし、いま申し上げましたようなことで、県当局那覇市との話し合い、そしてまた県の委員会を通じまして、それぞれの統一的な見解なり、そしてまた来年の七月実施については極力やっていこうじゃないかというふうなことが県当局市町村との間でも話し合いがついたものだと思っております。  それから国の基本的な方針ということをおっしゃいましたが、これはもちろん国際条約に基づいておりますし、また沖繩県民方々変更してくれというふうな要望があってなされているわけではございませんので、これらに関しましては、国の方としてもできるだけのことをいたしますし、特に交通変更のために必要な交通安全施設の切りかえ、あるいはそういうふうな事業につきましては全額国国庫負担をいたすことにもいたしております。  それから、バスとか、タクシー、あるいは自動車練習所、そういうものにつきましても、できるだけの国の方で補助金も出しますし、また低利融資の金を出そうということで、地元に御迷惑をかけない、こういう方針で現在も行っております。いまのようなバス業界、あるいはタクシー業界自動車練習所、その方面につきましても話し合いはほぼついております。これはほぼと申し上げるのは、最後わずかな金額において煮詰まりが少しできておらない点がございますが、しかし、これは大体ついておると申し上げても過言ではないということを御報告いだしておきたいと思います。
  9. 安恒良一

    安恒良一君 長官から基本的な考え方に対するお答えがありましたが、私は重ねてここで要望しておきたいと思いますが、見切り発車はしないというお考えを明らかにされました。そこで、長官が御指摘のとおりに、県議会は、きのう県議会としての意見をまとめて、できればきょう上京したいと言っておったんですが、台風で、来週早々上京して来ると言ってます。それから業者関係も来週早々に上京して来て、最後関係各省との話し合いをしたい、こういうことを言っておるようでありますから、どうか十分にそういう県当局なりそれから関係業者なり、関係団体の御意見長官初め関係各庁は十分徴されて、その上で慎重に円満に事が運ぶようにぜひしていただきたいと思います。このことをひとつ明確に申し上げておきたいと思います。  それから次の問題といたしまして、それと同時に、長官にこれもまた申し上げておきたいんですが、実は県と市の意見相違について、県側にできるだけ市との間に話し合いを進めてもらいたいということを言ったんですが、地方自治体としては県と市というのは縦系列じゃないんだと。そういう意味で、那覇市なり沖繩市は、沖繩における最大の市でありまして、ここがうまくいかないということは全体がうまくいかないということなんですから、どうか県当局努力をしておるようでありますが、国自体が、やはり那覇市長なり沖繩市長との間に長官みずからが十分なお話し合いをして、納得がいくようにこれもやっていただきたいと。この二つの点について長官のお考えをちょっとお聞きをしておきたいと思います。
  10. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) おっしゃいますように、飛行機の方のああいうふうな悪天候によりまして、沖繩県議会方々が、関係議員方々が出て来れないようでございますが、来週早々には上京なされると思います。そのお話も伺いたいと思っております。  なお、県議会の方の様子は、電話を通じましてこちらの方にあらかた全部入っておりますので、どういう御要望かということもほぼわかっております。  見切り発車をしないと申し上げましたのはそういう意味もございまして、県議会方々がおいでになることを待ちまして、それで閣議政令決定ということに持っていきたいと考えております。  それからその次の問題は、おっしゃいましたように、県と市がそう縦の系列ではございませんし、那覇市、沖繩市において交通混雑しておることも承知いたしております。これは御承知かと思いますが、その意味におきまして、総理府の政務副長官事務長官はそれぞれ沖繩県に参りまして、那覇市長その他とも懇談もやっております。で、各市の市長さんともそういう懇談も重ねて今日に至っておるわけでございまして、ただ県だけと話し合いを進めておったということではございません。御注意もございましたので、今後とも沖繩また那覇市、沖繩市というふうな代表的な市につきましても話し合いをよく進めていくつもりでございます。
  11. 安恒良一

    安恒良一君 以上で私は基本的問題を終わりまして、今度は少し具体的問題を、これは長官だけじゃなくて各省含めてお聞きをしたいんですが、いまも長官が言われましたように、本問題の実施沖繩県民がとりわけ希望してやったわけではなくして、一国一方式に基づいてやられるわけであります。そこで、長官はこれに必要な具体的な行政財政措置については十分万全を期したいと、こういうことでありますが、私どもが沖繩県に参りましたときに、いわゆる実施についての考え方が文書で沖繩県側にはいろいろ示してありました。ところが、率直なことを申し上げて、五十二年度予算中身沖繩県側承知いたしておりましたが、五十三年度各省がおまとめになりましたいわゆる予算について沖繩県側はまだ数字を見てない、こういうことで早く示してほしいということを言っています。まあ、われわれはある程度、率直に言って調査に行きましたので政府側からお聞きをしましたが、きょうは調査に行かれない先生方もおいででございますし、正式の委員会でもございますので、本問題の実施に当たっての政府財政措置をひとつここで示していただきたい。  その中身を言いますと、一つは県及び市町村に対する県及び市町村がこれを実施するに当たっての必要な国の財政措置、これが第一点。  第二点目は、交通安全施設整備充実、道路整備促進等についてのいわゆる財政考え方。  それから第三点は損失補償についてでありますが、具体的な事例を一、二挙げますと、たとえばバスタクシー等の車両関係の補償等についての今年度の予算考え方、それからたとえば自家用車の前照灯の問題であるとか、それからバスターミナル、停留所の移動を初めとする施設改修等に要する費用の補償等について。  それから第四点目は広報教育ですね。これは交通革命をやりますから非常に広報教育が要ると思いますが、これは準備段階それから過渡的段階それから事後的な段階ですね、実施をした事後的な段階を含めて広報教育についてどういうふうなことをやるし、予算をどう取っているのか、いま聞いていることは予算中身について。  それから、その他といたしまして、たとえばいまさっき私は交通事故が非常に多い、救急医療体制がおくれているということを申し上げましたが、交通事故に対する救急医療体制整備について五十三年度予算の中では具体的に何をどのようにしようとしているのかということ。  以上のことは率直に申し上げましてこれは各省にまたがると思いますから、どなたからお答えになっていただくのかわかりませんが、以上のことについて具体的な五十三年度の考え、もしくは五十三年以降のことについても及ぶものがあれば考え方をわかりやすく示してほしい、こう思います。
  12. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) ただいまの御質問の具体的内容に入る前に、大まかなことだけを私の方からお答えをいたしておきます。  五十二年度予算でこの交通区分変更によるもの、要求はすでにこれはもう決まっておりますけれども、五十四億でございます。融資枠は十二億でございます。そして、補正予算として要求をすべく準備をいたしておるものが十七億ございます。それから五十三年度の概算要求といたしまして、各省庁からではございますけれども要求いたしておるものが約百五十億ございます。そして融資の枠は百十一億でございます。それらを合わせますと、合計といたしまして約二百二十億、それから融資の枠といたしましては百二十三億ということでございます。  この「約」がつきますのは、先ほど申し上げましたバスの補償あたりが若干まだついてない、話が煮詰まってない、これはもうほとんどついてはおりますけれども、わずかな点で煮詰まっていないというところがございますので、この「約」をつけた次第でございます。  あとは具体的に各省庁から御答弁申し上げます。
  13. 室城庸之

    説明員室城庸之君) 総理府といたしましては、全体の調整、さらにただいま現地の連絡会議というものを運営をいたしておりますので、そういった費用ということで五十二年度予算といたしまして二百五十万強をいただいておりますが、さらに五十三年度につきましては約八百万のこれは事務費でございますが、こういったものを要求いたしたいというふうに考えております。
  14. 杉原正

    説明員(杉原正君) 警察庁といたしましては、この切りかえに関します経費といたしまして、五十三年度の概算要求におきまして二十三億の要求をいたしております。  内訳の重立ったものを申し上げますと、信号機その他の安全施設整備八億三千万、交通安全教育、広報、これにつきまして二億八千万、それから指導監視体制の強化、これは本土からの応援部隊の派遣あるいは沖繩の民間の指導員の委嘱、資機材の整備というふうなものにつきまして約七億七千万、それから運転免許試験場の車両、あるいは自動車教習所の施設、あるいは車両の切りかえ、これにつきまして約三億二千万というものが主な内容でございます。
  15. 中村四郎

    説明員中村四郎君) 運輸省といたしましては、沖繩県交通方法変更に対処いたしまして、安全円滑に行うために諸措置考えておる次第でございます。  すでに五十二年度予算におきまして、車両の前照灯関係の経費、またバス関係につきまして代替車両の補助ということを考えまして、合計いたしまして二十億二千九百万円、財政融資としまして十二億円を計上いたしたわけでございます。  五十三年度予算要求といたしましては、ただいま申し上げました全車両の前照灯関係のうち、五十三年度分車両のつけかえ費、マスキングテープ、事務取り扱い費等を含んでおります。またバス関係につきまして改造費の補助、さらに五十二年度に引き続きましての代替車両補助、これは五十二年度におきまして国庫債務負担行為として四十一億八千六百万円余計上されておりますが、これの歳出化を図っておるわけでございます。バス車両の保管維持費、また停留所の移設等の補助、これを考慮いたしまして、バス関係全体で四十七億八千百万円ほどの概算要求を考えておるわけであります。  次に、バスターミナル関係でございますが、沖繩県におきます二カ所のバスターミナルにつきまして五億二千六百九十九万円の概算要求を補助として考えております。  タクシーにつきましては、右ハンドル車に代替するためのい先ほども要望にありましたような残存価格に対する助成ということを考えまして七億五千五百七十万円の予算要求をいたしております。  また、バス代替車両関係、それからタクシー代替車両関係、それからバスターミナルの改造整備につきまして、財政融資を合計いたしまして百十一億円ほど要求いたしておるわけでございます。
  16. 佐分利輝彦

    説明員佐分利輝彦君) 救急医療対策費は、全国一本の対策費として要求いたしておりまして、特に沖繩分としては計上しておりません。この点は、僻地医療対策費と同様でございます。で、本年度は百二億になっておりますが、明年度は百七十五億を要求いたしております。  内訳は、大きく分けますと五つに分かれまして、第一次の救急医療施設に対する補助金、第二次の救急医療施設に対する補助金、それから第三次の救急医療施設、つまりいわゆる救命救急センターに対する補助金、そのほか各県の広域救急医療情報システムに対する補助金最後にマンパワー関係の医師等の養成、訓練のための費用ということになっております。  なお、本年度百二億のうちで沖繩の中部にございます県立名護病院をただいま申し上げました第三次救急医療施設、救命救急センターとして整備するための補助金を予定いたしておりますが、まだ県負担分が地元の方で計上してございませんので、九月あるいは十二月の県議会待ちという形になっております。
  17. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 道路関係につきましては、五十三年度交通方法変更に直接つながる事業といたしまして、全体で一般国道から市町村道までの事業の合計で二十二億二千万円を計上いたしております。  そのほか、沖繩県内道路事業全般といたしまして、直轄国道から市町村道までに至る事業、それから交通安全事業、街路事業等全部足しまして五百五億八千万円という事業費を計上いたしておりまして、これは前年対比で一・二六倍という伸びになっておりまして、内地の事業費の伸びが一・二二倍であるのに対しまして四%ぐらい上回る伸びで一応計上いたしております。
  18. 亀谷禮次

    説明員(亀谷禮次君) 沖繩開発庁所管分の交通方法変更に伴う事業といたしましては、沖繩県民の方に対します一般の広報、それから先ほど大臣からも御説明申し上げました運輸省の所管されますバス等の車両の補償と申しますか、施設助成に見合う裏負担としての沖繩開発金融公庫の融資、さらには道路局長から御説明がありました関連でございますが、当庁の計上します道路関係整備事業、これに関連があるわけでございます。  総務局長といたしまして、その全般につきまして簡単に御報告いたしますと、交通方法変更に伴います安全対策等のための広報につきましては、昭和五十二年度の予算におきましてすでに約四千六百万円を計上いたしておりまして、これはすべて県にお流しをいたしまして県で広報対策をしていただくことになっております。  なお五十三年度につきましては、変更に伴う期日の前後を通じまして万全の対策をとるために約七千万円の予算を目下要求中でございます。  なお、バスタクシー、さらにはターミナル等の施設の切りかえ整備に伴いますいわゆる融資対策につきましては、すでに長官から御報告がございましたとおり、現年度を含めまして総額百二十三億、五十三年度におきましては約百十億余円の財投の手当てを私どもの開発公庫で用意をし、概算要求中でございます。
  19. 安恒良一

    安恒良一君 まあ、各省から一応出されたんですが、そこで私は少し中身を一、二点お聞きをしたいんですが、私質問のときに第一回にお断りをすればよかったんですが、総理府を通じて昭和五十二年八月の「交通方法変更対策について」という沖繩県からの要望書が各省に行っていると思います。その中には、私がいまお聞きをしましたことについて沖繩県沖繩県なりの、いわゆる特別記念事業の問題は後で聞きますから、それなりに、たとえば警察関係でありますと沖繩県警の方から五十三年度要請項目並びに額が全部出ております。これに対して率直に申し上げてどの程度いまの予算というものは充足されることになるのかということを一緒にお答え願えば一番よかったんです。私質問で落としましたので、その点について各省庁からお考えを聞かしていただきたいと思います。  特にその中で、たとえば運輸省の方にお聞きをしたいんですが、バス等の改造、代替タクシー代替等はスムーズにいかないとこれは成功しないと思うんですが、かなり金額に食い違いがあるようなんです。たとえばバス代替については、五十三年度五十四億七千七百万ですか、こういうふうに五十三年度運輸省はお考えになっておるようですが、私どもが現地調査をした範囲内において、やはりバス業界考えている金額の約半分ぐらいにしかならないんじゃないかと、こういうふうに思います。そういう点について、私は、なぜかというと、沖繩におけるバス会社の実態というのは、今日非常な負債を抱えておる。たとえば那覇交通バス会社は十六億の赤字を拘え、四社で合計二十四億のいま赤字を持っておるわけです。それの上にバスの改造、代替ということになりますと、とても負担をし切れない。そういう意味から言うと金額の間にかなりの食い違いがあるようですが、そういうところはどうなっているか、また今後どうされようとしているのかということをひとつお聞きをしておきたいと思います。  それから佐分利医務局長にお聞きをしておきたいんですが、私は全国一本の救急医療のことを聞いているわけではないわけなんであります。通行区分変更に伴って、たとえば一つの例を挙げますと、沖繩における事故率というのは、交通三悪における事故の全死亡に占める比率を見ますと、全国は三一%、九州が三二・六%、沖繩は六五・三%——これは昭和五十一年度の統計です。それから子供と老人の事故率が九州は二六・九%、沖繩は四〇・九%と異常に高いわけですね。それに基づいて、さらに交通区分変更されますと、交通区分変更に伴って、それになれるまでの間に私は事故が続発をしやしないかという心配をしている。そういう場合には全国一本の救急医療体制ということも必要でありますが、来年の七月切りかえるに当たっての——そうでなくていまでも、いわゆる沖繩におきましては医師、看護婦病院等の不足に基づいて救急医療体制が不十分です。さらに、そういうことになりますから、特段、救急医療体制について沖繩の場合にどう考えるのか。こういうことについて私はお聞きをしておりますので、予算関係について以上の二点について重ねて質問をいたします。
  20. 中村四郎

    説明員中村四郎君) 先生からお尋ねのバス関係タクシー関係についてお答え申し上げます。  バス関係につきましては、改造費の助成とそれから代替車両の購入費助成ということを考えておりまして、代替費助成につきましては五十二年度、五十三年度合計いたしまして約五十五億、こういうことに相なっております。そこで、事業者サイドからそれの倍ほどの要望があるんじゃなかろうかと、こういうお話でございますが、その点につきましては、相当時間をかけまして私ども話し合いをいたしておりまして、事業者サイドの御意見なり考え方、また経営状態というものを十分把握しております。そこで、そういった状況から顧みますと、私どもの考えております代替車両購入費補助ではなかなか経営の継続はむずかしい、こういう状態でございますので、現在一挙に千両を超えるような車両が投入されますので、それに対します減価償却あるいは金利負担、こういったものが、通常交通方法変更がございません場合に企業として自主的に車両更新をしていくケースに比べまして、経営上の負担が大きいということを認識いたしまして、これについての措置の必要性なり内容について鋭意検討いたしまして、これについてさらに要求を考慮してまいりたい、かように考えております。  タクシーにつきましては、考え方として、残存価額の助成と、それから購入費との差額におきます財政融資ということについて長期低利という要望をいたしておりまして、私ども現在考えております線はほぼ事業者の御意見と沿っておるというふうに考えておる次第でございます。
  21. 杉原正

    説明員(杉原正君) 先ほど委員からお話がございました、県から出てきております要望書、これの警察本部関係のがございますので、これと私どもの今度の要求との対比で御説明をいたしたいと思いますが、沖繩の方から出てきておりますのは人件費これは「対策従事警察職員の給与諸手当、共済費等の人件費」というのが六億二千入っておりますが、それを入れまして二十六億になっております。ただ、免許関係といいますか、例の指定自動車教習所関係のものがこの中に入っていない二十六億でございますが、人件費を除きますと二十億、それでプラスこの教習所関係、運転免許関係を含めますと、沖繩要望が約三億でございます。したがいまして、沖繩の正式な要望が人件費を除きますと二十三億になりますが、これに対して二十三億、ほぼいろんな項目について沖繩の県警が要望しているものをそっくりそのまま取り入れているという状況でございます。
  22. 佐分利輝彦

    説明員佐分利輝彦君) 端的に申しますと、明年度の沖繩の救急医療の要求の中でまだ結論が出ておりませんのは交通災害医療センターだけでございます。ただ、この交通災害医療センターは交通事故だけを対象にしたものではございませんで、産業災害等も対象にしたものでございます。したがって、国立でやるという場合も、厚生省立もあれば文部省立もございます。また、特別な御協力が得られれば運輸省立だとか、そういうふうなものもあり得るわけでございますし、また、法人関係であれば、労災病院だとか共済病院だとか、そういうふうな問題もあるわけでございます。で、そのほか、いろいろ患者搬送だとか、あるいは二次救急センターの機械の整備だとか、血液の確保だとか、いろいろ要求がございますが、それは先ほど申し上げましたように救急医療対策費の枠内で全部処理できるわけでございます。具体的に申しますと、先ほど申し上げましたように、第三次の救急センター、救命救急センターは中部地区にございます県立中部病院整備を本年度予定しておりますし、また、第二次の救急医療センターについては、北部の名護病院だとか、あるいは南部の那覇病院だとかそういったものを考えて、県の予算申請が出てくるのを待っているわけでございます。また、第一次のプライマリーケアにつきましては、すでに四十八年度から沖繩全域を五つの地域に分けて整備が進められておりまして、残っておりますのは中部地区だけでございます。北部、南部、宮古、石垣、こういったところはすでに休日夜間救急センターが設置されておりまして、中部だけは、ただいま申し上げました県立中部病院が一次も二次も三次もやっているということでございますので、このプライマリーケアをやりますセンターの整備についても本年度私どもは考えているのでございます。そういった意味で、救急対策費は僻地医療対策費と同じように全国一本の枠で組んでございますが、各県の要請に十分こたえられるようにその適正な配分を期しているところでございます。
  23. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 道路関係で先ほど申し上げました交通方法変更に伴う直接事業の二十二億二千万円の内訳は、交差点改良関係が七億三千八百万、それから車両停車帯の関係が二億四千九百万、その他ガードレール、標識等交通安全施設関係が十二億三千三百万ということになっておりまして、これは県当局とも御相談の上、来年の七月までにぜひ交通変更に伴って物理的に必要になる事業を積み上げたものでございまして、これによって一応支障なく事業が行われるものというふうに考えておるわけでございます。
  24. 亀谷禮次

    説明員(亀谷禮次君) 開発庁の所管します一般の安全教育広報でございますが、県の方からは、全体としまして両年度を通じまして約三億円余の内容の事業の要請がございました。私どもでは、内容を精査いたしまして、県の要望に沿いまして、現地におけるラジオ、新聞、テレビ等、これらを駆使いたしまして、ほぼ県の御要求どおりの枠組みあるいは回数等を用意をするということで、所要の経費を、ただいま御説明いたしましたように、両年度を通じまして約一億二千万円程度を計上、予算要求しておるわけでございます。金額の差は、それぞれの掲載量その他広報所要経費の算定の単価の問題でございまして、事業量といたしましては、ほぼ地元要望に沿った広報ができるものと、かように考えているわけでございます。
  25. 安恒良一

    安恒良一君 それじゃ、重ねて一、二点お聞きしておきたいんですが、救急医療体制問題については、厚生省の方にも県から出てくる予算を待っているというふうに、ちょっと医務局長言われましたが、お手元に沖繩県が配っていると思いますが、いわゆる昭和五十二年八月、「交通方法変更対策について」の十七ページ以降に、具体的な救急医療の予算が全部ついている、中身が。このことをいまあなたのお答えの中で、これは充足できると、こういうふうに承っていいのかどうか。あなたは何かまだ予算が県から来てないと言われましたが、すでに県は出して、各省庁の説明会がたしか八月の九日かなにか、総理府各省庁ともどこかでやっていると思いますが、そういう点で各省庁は御承知だと思いますが、そういうふうに、これはいまあなたのお答えでは各県の要望を救急医療の中で果たせるということですから、そういうふうにここは承っておっていいのかどうかということを一つお聞きをしておきたいと思います。  それから第二番目には、今度は運輸省の方に聞いておきたいんですが、いわゆるバス業者やタクシー業者、特にタクシー業者と話がついたということですが、バス業者との間はこれからもさらに詰めるということですが、そのほかに、たとえばバス代替で社会福祉施設、それから学校のスクールバス、私立学校のスクールバス等々、やはりこれはただ一般の個人と言わなくて、やっぱり社会福祉、社会的な施設におけるバス代替が必要だということが県側から出ていますが、そういう点についてはどうされようとしているのか。いま運輸省のお答えは、バス業者、タクシー業者、これはお聞きしました。それから、個人のいわゆる前灯のつけかえは聞きましたが、いわゆる沖繩県側からは社会福祉施設及び通園用のバス代替購入の問題なり、いま言ったようなのが来ていますが、それは私はやはりこういうことについても配慮しなきゃならぬと思うんですが、その点についてどういうふうに運輸省はされようとしているのか。  以上厚生省関係、運輸省関係について。  それからあとは、これは建設省関係になるのですか、それともあれですか、単価の違いがあるとか、特に中身の違いの問題も県とは十分話したと言われていますが、たとえば一つの例を挙げますと、すみ切りならすみ切りについて、いわゆる平良市長は当初百九十カ所が必要だと、国の査定がいわゆる二十カ所になっている、こういうようなこととか、バス停の移動が八十カ所必要だというのが二十八カ所になっているんだと、こういうことになりますと、私は、短期間の視察でありましたから百九十カ所なり八十カ所が必ずしも全部妥当かどうか、これはわかりませんでした。しかし、余りにも要求と国の査定とがかけ離れているように思えます。ですから、そういうような問題等については、今後さらに県や市との間の話し合い等を通じて、やはりたとえばもう二十カ所に限定するとか、二十八カ所に限定することなく、必要なものはさらに追加をしていく考えがあるのかどうか。  それから、私は、実際の責任を持つ市の要求と余りにもかけ離れが大きいので実は驚いているわけですが、そういうような点について円滑な実施のためにどうされようとしているのか、そこの考え方を聞かしてもらいたい。
  26. 佐分利輝彦

    説明員佐分利輝彦君) 県から提出されました資料に基づきまして具体的に御説明したいと思います。  十七ページからが救急医療関係でございますが、まず第一は救急患者搬送車整備事業費でございます。ここでは具体的に那覇病院、中部病院、名護病院となっておりますが、中部病院は、先ほど申したように第三次の救急センターでございますので、非常に高級な救急車の整備を予定しております。那覇病院、名護病院は第二次医療センターでございますので、まあこの程度のものでよろしいのかと思いますが、これはそういった機械設備の補助金の枠内で県が任意に選択できるようになっております。  第二は、救急車専用道路整備事業でございますが、実は私ども、これにつきまして、厚生省の所管なのか建設省の所管なのかちょっと迷っております。ただ、ここにございます那覇病院と名護病院は全部市道に密着した病院であったと思うのでございます。そういう意味で建設省ともよく相談をいたしたいと思いますが、厚生省がやるという場合には、これについては補助金はございませんが、特別地方債のようなものはあるわけでございます。  それから次に、救急医療機器整備事業費でございますが、まず出てまいりますのがいわゆるCTスキャナーでございまして、これは先ほど来申しております第三次センターの中部病院にこれを置いていただいたらどうかと思っております。二番目の一般レントゲン機器でございますが、これは名護病院が予定しておるようでございますけれども、これも第二次センターでございますので、その機器等整備費の枠内でやっていただけばいいわけでございます。  それから次に、休日夜間救急診療所設備整備事業費でございますが、沖繩市の救急診療所、那覇市の救急診療所、石垣市の夜間診療所、こういったものが出ておりますけれども、こういったものは必ずしも員数それから単価が御期待に沿えるかどうかという問題はございますけれども、一応御期待に沿えるものと考えております。  また、救急医療医師等確保対策事業費これも人件費の単価とか員数について十分御期待に沿えない場合がございますが、一応対象にはなるわけでございますし、こういった地元における専任の医師、看護婦のほかに私どもは約一億七千万の予算を計上しておりまして、昨年の実績で申しますと百九十二人の医師等を派遣しておるわけでございますが、そういうふうな特別事業もあるわけでございます。  また、次の採血業務医師等確保対策事業費、沖繩赤十字血液センター車両整備事業費、これは具体的には薬務局の所管でございまして、薬務局が日赤の血液事業部を通じてこのような御援助をすることになっております。  以上でございます。
  27. 室城庸之

    説明員室城庸之君) 先ほど運輸省の方に御質問がございましたスクールバスにつきましては、所管は文部省でやっておりまして、きょう出てまいっておりませんので、私の方からかわって御説明申し上げます。  県側の要請の十五ページのところに総務部関係といたしまして、私立学校通園用バス代替車購入事業費ということで二千万の要求が出ておりますが、これにつきましては、現在、文部省といたしまして、先ほどの全体の五十三年度概算要求の中でお話がございました中に八千七百四十二万八千円というものを文部省が概算要求出しております。その一部がこの二千万に当たるわけでございまして、この私立の学校分として、ここに書いてありますように十二台がございます。そのほかに県立の分といたしまして八台ございます。さらに市立の学校の分といたしまして八両ございます。計二十八両について補助をするということで八千七百万が計上されておりますので、この私立分は当然その中に含まれておるわけでございます。  それからもう一つ、これも厚生省で別の局に所属しますので、私の方で御説明申し上げますが、十六ページのところに社会福祉施設等通園用バス代替車購入事業費ということで三千四百万強の要求が出てまいっております。これにつきましては、現在厚生省といたしまして沖繩精神薄弱児育成会というところに二台車がございます。それから沖繩県社会福祉事業団、ここに一台、それから老人福祉センターというところに一台、計四台の車両について代替費を補助いたしたいということで、これにつきましては社会福祉施設等設備整備補助金という科目がございまして、これは毎年所要の金額が確保されておりますので、五十三年度で、このいま申し上げました設備整備補助金の中で、この四台については措置をするということを申しております。したがって、金額はただいまのところ計上されておりませんが、この補助金の中で措置をするということになります。  なお、現地の方で若干保育所等について補助をしてくれぬかというような話がございますが、これは要求自体がもしできるならばという程度の話であること。それともう一つは、県並びに文部省の指導方針としまして、保育所は園児を車で集めるようなことは避けるべきである、母親が保育所まで子供を連れていくというようなことで指導しておりますので、それから言いましても、保育所については要求そのものもそれほど強い要求ではないということで、これはこの機会に補助ということを考えないということであるように承っております。
  28. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 御指摘にありました交差点改良等の個所についての地元との考え方の食い違いでございますが、これにつきましては、各種道路施設の変更必要事業量につきまして建設省、沖繩開発庁を初め沖繩県それから那覇市等の担当者も入れまして、学識経験者も入りまして、昭和五十一年度に沖繩県道路施設変更調査委員会というものをつくりました。ここで交通方法変更に伴う必然的な施設変更であるとか変更に伴う危険予防のための施設変更であるとかといったような一般的基準を決めまして、対象となる道路施設について検討審議したわけでございます。  具体的な対象個所の採択に当たりましては、この委員会の作業として、那覇市の要望個所等も含めまして各個所ごとに採否の検討を行いまして変更に伴う必要事業量を算定したものでありますが、この作業過程で那覇市の要望する事業量とこの委員会で採択した個所に相当の開きが出たわけでございます。  その理由の大きなものは、交差点改良につきまして、この委員会の検討の途中で、この過程で那覇市は百九十カ所の交差点改良を要望したわけでございますが、その大部分が交差点の突角の大きな切り取り、あるいはその場合に大規模な物件移転を伴うようなものが大分含まれておりまして、委員会におきましては変更前と同程度の安全性とサービス水準を確保するという観点から施設変更の必要性を検討いたしましたために二十カ所という個所になったわけでございまして、これだけやれば一応物理的には現状と変わらぬように支障なく交通方法変更ができるものというふうに判断したわけでございまして、まあ個々に食い違いがありますが、那覇市あるいは沖繩県内交通事情をいろいろ考えますと、やはりすみ欠きとか、そういうものは将来に向かってはあった方がベターでありますし、道路整備の島内のおくれということも考えますと、事後に向けてもできるだけそういうものを逐次改良していくような方法で対処していきたいというふうに考えているわけでございます。
  29. 安恒良一

    安恒良一君 時間が大分なくなってまいりましたから、それじゃこの問題はこれぐらいにして要望だけを長官に申し上げておきますが、かなり県側から出されたやつを各省が真剣に取り組んでいただいて予算を組まれていることわかりましたが、やはりいま申されましたようなことで特に市なんかとの間に食い違いがありますから、できるだけやはりこれをスムーズに行うという観点でさらに検討されて、追加されるべきものについては、ひとつぜひ格段の配慮お願いをしておきたいと思います。  そこで、次は大きい第三といたしまして、本年八月沖繩県から提出されました沖繩県交通方法変更特別事業計画についてお聞きをしたいんですが、私は次の理由によりまして特別事業実施をして交通方法変更に対する県民理解協力を求める必要があると考えますが、政府のこれに対する方針、具体的措置についてお伺いをしたいと思います。  その理由は、私は一つは交通方法変更は国の施策として行われる復帰処理の大事業であるというふうに思います。ですから政策的配慮による特別事業をぜひ実施する必要があると思うのが理由の第一であります。  それから第二番目は、特にこの交通方法変更に伴い県民のこうむる有形無形の損失で個々の補償または救済措置の著しい困難な問題がたくさんあると思います。また不可能なものもあると思います、計量ができないと。そういうものについてそれらの損失にかわるべきものとしてやはり特別事業考える必要がある。  それから第三番目は、県民交通方法変更に対する不安や危惧に対応し人的及び物的両面から交通環境の改善を促進する必要があるというふうに思います。  そういうようなことから、いわゆる三つの特別事業が出てます。中身長官承知のとおりでありますから、時間がありませんから中身一々読み上げませんが、そこで一番問題になるのは、この三つの特別事業について政府関係は八月九日の日に関係官庁の連絡会議を開かれまして県からの具体的説明を受けられているようでありますが、その場で結論を出さず持ち帰って検討することになったと、その後これがどうなっているのかということ。それはなぜかというと、概算要求の中で調査費が計上されましたのは開発庁の道路関係、高速自動車道の南伸事業についてだけは調査費が計上されてます。ところが、後の交通安全センターないし交通災害医療センターについては調査費すら計上されておりません。ですから私は少なくとも、これはもうずばっと結論を長官からお答え願いたいと思いますが、この二つの事業は非常に必要な事業だと思います。しかし、県側中身の詰めも十分でありませんので、せめて五十三年度に調査費をこれについては組んで、そして前向きに対処していく、こういうお考えがあるのかどうか。  以上、時間がございませんので、特別事業関係について、これはひとつ長官から明確にお答えをその部分についてお聞きをしたい。  中身に細かく入るのはきょうは時間がありませんから次回に譲りたいと思います。
  30. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) おっしゃいますように三つの要望特別事業として出ております。  それで、二番目の方はともかくとしまして、一番目と三番目の交通センターですか、交通公園に伴うところの交通センター、それから三番目の方の災害医療センター、この二つについての調査費ということでございますが、これは規模も、それからまた敷地も何も決まっておりません。非常に漠然としております。そういうふうな関係がございまして、事業調査費として取るのはむずかしいのではないかという考え方をいま持っております。そこで、担当省庁とも打ち合わせをいたしておりますけれども、事業調査費としての追加要求をするかどうか、あるいは余りにも漠然といたしておりますから、これは総理府の方で沖繩県交通区分変更に伴う安全対策のための研究調査と、こういうふうな漠然とした形でこの一番と三番の調査費を取るかどうか、これをいま研究いたしております。  これはいずれにしろ追加要求ということでございますので、すでに八月三十一日の日は切れておりまして、そこでこれらを前向きに考えるということを県知事とも話しましたし、また、地元でもそのお話を申し上げたはずでございますので、前向きに考えることは確かでございますが、その調査費についてはいま申し上げたような次第でございます。
  31. 安恒良一

    安恒良一君 これもやりとりするとまたこれだけになりますが、たとえば、交通安全教育センターの中身については、ある程度この計画書の中で細かくなっていますが、交通災害医療センターは設置場所その他が明らかになっていませんから長官が言われる点がありますが、私がいま長官にお聞きしておることは、少なくともやはり来年の七月にやる場合にはこういうことについては政府としてはやるんだと、ただ沖繩側が要求している三年が場合によれば五年になるかもわかりませんけれども、やはり交通安全教育センターというものは必要なんだ、また、交通災害医療センターも必要なんだ、だから、それに向かって政府としては責任をもって実施に向けていくということになると、どうしてもやはりこの調査費というのがまずつくということが政府事業の場合には認めたというふうに県側は受け取るわけですね、これは、国民は。そういう意味から言って、私はもう追加要求しかないということで結構でありますが、ぜひ追加要求の中でこの二つの事業についていわゆる調査費をつけていただいて、県民に前向きにやるんだということをぜひ与えていただきたいと思います。その点について後からまたお答えを願いたい。  それで、続いて今度は交通方法変更後の措置について、これは主として警察庁になると思いますが、お聞きしておきたいのですが、いわゆる交通の安全と円滑な運行を図るための措置をやらなければならぬと思います。切りかえ時点で街頭指導その他やらなければならぬ。しかし、たとえば切りかえた時点においてはなれないために非常に交通渋滞が出る。特に大都市で交通渋滞が出るという場合も私は考えられると思う。そういう場合には、たとえば適切なる交通規制を行って、公共交通機関の運行を保証するようなこと等を考えられているのかどうか。というのは、沖繩におきまする公共交通機関というのは主としてバスなんです、本土における鉄軌道がないわけですから。その場合に、県民の足を守るためには、どうしても私は実施後に、そういう事態には公共交通機関の運行を確保するための処置が必要だと思いますが、その点はどうでしょう。  それから第二番目には、経過措置についてでありますが、この新しい交通方法県民に定着するまでの間、実施後少なくとも三カ月間、経過措置を置きまして故意による交通事故以外は処罰の適用から除外をして指導に重点を置く。もちろんわが国の法律は一本でありますから道交法特別法をつくるわけにはいかないと思う。しかし、御承知のように、道交法は司法罰、行政罰、労使問題としては社内罰があるわけですね、これは。そして、いわゆる交通機関で働いている労働者は守ったといたしましても、国民側がなれないために事故の発生があると思う。しかし、いまの道交法はいわゆる運転者が処罰の対象になる、人命尊重という意味で歩行者の方がいろいろあっても事故を起こした運転手が司法、行政の処罰の対象になるわけです。これをやられたらたまったもんじゃありません。そこで、私は少なくとも三カ月間ぐらいは経過措置を置いて、できれば交通事故のいわゆる処罰の適用から除外をしてもらいたいのですが、二本立ての法律というのはできないと思いますから、そこのところはあくまでも指導に重点を置いて交通労働者にそういうあれを与えないような経過措置をひとつ考えられているのかどうか、この点についてお聞きをします。
  32. 杉原正

    説明員(杉原正君) 御質問の第一点の公共輸送機関の優先の問題でございますが、先ほど現地の御報告にもありましたように、沖繩県警としても公共輸送機関の優先通行につきまして非常に配慮をいたしておるわけでございますが、これは切りかえの際にも施策の基本に据えて措置をしてまいろうというふうに考えておるわけでございます。  それから、第二点の切りかえに伴う交通違反の取り締まり、あるいは事故の処理の問題でございますが、確かに、現地が言っておりますように、こういう交通革命に相当するような非常に大変なルールの変更になるわけでございます。私ども、そういうことに着目しまして、先ほど申し上げましたようなかなりの態勢でこの違反とか、あるいは事故の防止に努めたいとは思っておりますが、大きな変更でありますだけに、中には交通のルール、新しいルールのふなれによる違反とか事故というものもないわけではないと思います。したがいまして、先ほど委員から御指摘のありましたように、具体的な違反、事故について、酔っぱらい運転とかその他というものは、これは別にいたしまして、このルールの変更に起因すると思われるような、ふなれというものに起因すると思われるようなものについては極力状況をしんしゃくするのは当然のことだというふうに考えております。ただ、三カ月がいいかどうかという問題、期間的にはあろうと思いますが、一つの区切りとしましては、新学期が始まりますと学童のいわゆる通学という問題が出てまいります。そういう意味から言い、あるいはいろいろ過去のスウェーデンの例など見ましても、この新しい交通ルールが定着するというのは大体一カ月くらいの間に大体やれるのではないかという感じがいたします。ただ、これは、現実に適用いたしてみませんとわかりませんが、そういうことでおおむね定着する、夏休みの期間の間に定着をさしたい。その間は、先ほどお話のありましたように、違反あるいは事故等の処理につきましては指導というものを重点措置をしてまいるというぐあいに考えております。
  33. 安恒良一

    安恒良一君 スウェーデンの例を挙げられましたが、これは、局長承知だと思いますが、スウェーデンとわが国における交通事故の発生率は、スウェーデンは非常に低いですね。その中で全国的な切りかえをやって、いまあなたが言われたように、一カ月ぐらいの間にやられたと思いますが、わが国は交通事故の発生率は高いわけです。また、沖繩が特にいろいろ問題があるということでありますから、いまあなたは一カ月ぐらいのことをお考えのようでありますが、私は、ぜひいま申し上げたように、まあ私も三カ月絶対論を言っておるわけじゃありませんが、やはり交通三悪等における事故は論外でありますが、そうでないいわゆるふなれによる交通事故については、処罰の対象というよりも、指導にやっぱり重点を置いてスムーズな切りかえをやる、こういうことをぜひひとつやってもらいたいと思います。このことは私は考え方として申し上げておきます。  それから、それと同時に、安全教育の問題ですね。この教育の問題は、ただ単に指導書とかを広報するだけでなくて、具体的なプロドライバーに対する教育期間が幾ら要るのか。普通の場合には約三週間の教育期間を持っておりますが、この場合三週間は要らないと思いますけれども、プロドライバーに対する——これはなぜかというと多くの人命を運びますから、個人・自家用の場合には本人とか数名ですが、バスなら何十名と乗っておりますから、こういうプロドライバーの教育についてやはりきちっとしてもらいたい。それに対する費用その他がこれはかかると思いますが、そういうものについても国が十分見るようにしてもらいたいということを重ねて質問しておきます。  それから、もう時間がありませんから最後に、これは運輸省に質問をしておきたいんですが、いわゆる県内の唯一の路面交通機関というものがバスであることは事実なんですね。しかも、私が当初申し上げたように、いまでもバス事業というものが一生懸命努力はしておるようですが、率直に言って那覇交通は十六億、四社で二十四億も赤字が出ています。こういう問題について今回の切りかえに伴って私はバス輸送に与える影響が非常に重大だと思いますが、私は県民の地域社会の必須の条件としては、どうしてもやはり交通機関、公共交通機関の確保を図ることが必要だと、こう思うわけですね。それと同時に、そこで働いている労働者の雇用と生活が守られるようにしなきゃならない。それがためには、私はいまのこの四社で競合してやっているという沖繩バス事業のあり方にも問題があると思います。こういうような問題について運輸省としては、監督官庁として私はやはりだんだんこの一元化をしていかなきゃならぬというふうに思います。そして、そのことによって県民の足を確保していかなきゃならぬと思いますが、こういう点について、いままで運輸省の御指導なり今後の考え方についてお聞きをしておきたい。  それからさらに、最後になりますが、これはどなたにお答え願うことかわかりませんが、私、今度行った調査の中でこういうことを盛んに聞くわけです。たとえば今回の交通方法変更に伴って国がかなりの財政投資をしてくれる。それにこたえるべく努力をする。たとえば一つの例を挙げますと、バス沖繩でつくるわけにいきません。これは本土から買わなきゃならぬ。しかし、沖繩でできる仕事がたくさんある。仕事があるんですが、事業量が大きくなりますと、たとえばすみ切り問題を初め道路整備等になりますと、事業量が大きいために本土事業者が入ってくる。そうするとそのままそっくり持っていかれる。これは海洋博についてもそういう県民感情が残っているわけです。そこで私は、できるだけ今回の切りかえについては、沖繩県の中でできるものは全部沖繩県の業者にやらせて、そしてそれがやっぱり県民に潤うと、こういうやり方が一番スムーズにいくと思うんですが、そういう点について、これは長官お答えになることかと思いますが、政府としての御指導はどうされようとしているのか。以上質問を申し上げます。
  34. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 順序は逆になりますが、いまのような今回の交通区分変更に伴うところのいろんな事業につきまして地元を潤すようにと、こういう御趣旨でございますが、それはそのとおりでございまして、全国一の失業率を持っている沖繩県でもございます。非常に不景気でもございます。そういうことから考えまして、実は、この政令を急いでおるのもそれが一つのゆえんでもございます。早くその事業を出しませんと、いまの例にとられましたすみ切りも一挙に出しますと、地元の業者だけではなかなかできないというふうなこともございますので、なるたけ早く政令を出して事業に取りかかりたい。そして、こういうふうなすみ切りの事業なんというのは大工事でも何でもないんですから、これはもう沖繩の業者でできるわけです。そういう意味では、一挙に出さずに、早く出したいという気持ちも、実は政令発布を一日も早くということにも通じておるわけでございまして、地元県民を潤すということは徹底して指導してまいりたいと存じます。
  35. 中村四郎

    説明員中村四郎君) 御質問のプロドライバーと申しますか、自動車運送事業自動車の運転者の安全教育につきましては、私どもとして、まず自動車運送事業におきます運行管理者、この運行管理者の方々に対する特別講習会を行いまして、安全指導を行ってまいりたい。また、その運行管理者を通じまして、企業の運転者に対する安全指導ということを考えておりまして、自動車事故対策センターというものがございますので、これに対しまして補助をいたしまして、それによって運行管理者に対する特別講習、それから事業自動車運転者に対するテキストブックというようなものをつくって指導してまいりたい、かように思っております。  また、第二点の沖繩バス事業の集約統合の問題でございますが、私ども沖繩本島の乗り合いバス企業につきまして、従来から集約化の問題が指摘されてきているところでございます。そこで、乗り合いバス事業者は沖繩本島におきまして四社あるわけでありますが、路線競合率がきわめて高い状態にございます。必ずしも効率的な事業運営が行われているかということにつきましては問題もあるわけでありますので、そういった点を考えますと、バス輸送サービスの維持充実を図るための対策の一環としまして、企業の集約化による事業主体の強化ということは、確かに検討を要する問題であるというふうに考えております。しかし、そこで企業の集約化を進める場合におきまして、やはり効率的な事業経営、運営が可能となる態勢が十分確保されなければならないというふうに思っております。集約化の素地づくりと申しますか、個々の企業におきましてそういう状態になって、次の段階に進むというふうに思っておるわけでございます。  それから私企業でございますので、やはり企業にとりましては、またそこに働く労働者にとりましてもきわめて重大な問題でありますので、影響するところも大きいというふうに考えますので、これについては事業者間においても、積極的な話し合いを進めて検討していく必要があろうというふうに考えているわけでございます。
  36. 杉原正

    説明員(杉原正君) 先ほど委員からお話がありましたスウェーデンと沖繩で、沖繩の方が事故が高いという、別にそれほどのあれではございませんが、一応、私どもでスウェーデンが切りかえ当時の事故と沖繩の場合を事故率で、人口当たり等で見てみますと、逆に沖繩の方が少ないわけでございまして、死者につきましてはスウェーデンの方が沖繩に比べて事故率で約一・四倍、それから負傷者につきましては一・二倍というふうなことで、スウェーデンに対して沖繩が悪いという状況ではないようでございます。ただ指導に重点を置くということは、いつ、何カ月間というこの決め方というよりも、一つのやはり県民の大宗の方が、大体その新しいルールになれてこられるまでの間という形で措置をしたいと思います。私どもとしては、この夏休みの期間に大体このルールというものを定着をさせるように全力を挙げたいというぐあいに考えておるわけでございまして、そういう意味で申し上げたような次第でございます。
  37. 安恒良一

    安恒良一君 私も細かいあれを持ってないんです。私は政府調査室を通じまして、たとえば、自動車一万台当たりの死傷者数ということで、スウェーデンが四・八人、日本が七・八人、負傷者が八十七人で片っ方が四百五十四人と、こういうふうに自動車一万台当たりでは出ているわけですね。  それから今度は本土沖繩状況を見ますと、やはり本土よりも沖繩の方がさっき私が事例を挙げたように高いと。そういうことから推計してくると、スウェーデンの方が日本よりもというそういうのは、切りかえ時におけるというのは、スウェーデンは切りかえをすでに具体的に一九六七年の九月三日にやっておりますから、これは結果として出ているわけですね。沖繩の場合には、これからやるわけですから推計になるわけですから、そういう推計の中から見て、じゃ沖繩の方がスウェーデンよりも少ないんだというのは、私、いま手元にあなたの説明された資料がありませんから、これは見せていただくということにいたしまして、そこのところの食い違いは食い違いのままおきまして、私はやはりあくまでも一カ月でなれるのか、二カ月かかるのか、これはやってみなければわからないことですけれども、やはりそこのところは弾力を持ってやっていただかないと、もう夏休みが終わったんだ、後はばしばし取り締まればいいということでは私はないと思いますから、その点だけを重ねて言っておきます。
  38. 杉原正

    説明員(杉原正君) 先ほどの委員の御質問、私ども全くそれと同じように考えておりまして、きわめて弾力的に措置をしてまいりたいと思います。
  39. 穐山篤

    穐山篤君 最初に、切りかえの時期の問題についてもう一度お伺いをします。  経緯的に見れば、来年の七月末という意味はよくわかります。ただ、七月の末というのは、ちょうど暑中休暇中でもありますので、沖繩の人口はかなり一どきにふえるわけですね。それと同時に、私どもの経験から言いましても、夜間の交通量が非常に一時的にふえる時期にもあるわけです。ですから、県側が心配している面はその部分でもあるだろうというふうに思います。  それから、もう一つは、切りかえに当たってこういうことをやる、ああいうことをやるということは、要綱的には書いてありますが、実際に道路の設備だとか、あるいは交通の施設だとか、そういうものについての工事工程といいますか、作業の目安が明らかにされていないわけですね。ですから、極端な話を言えば、七月の三十日までそれらの施設整備あるいは改修が突貫工事で行われているのではないかという、そういう一面の心配もあるだろうと思います。ですから、具体的な心配と抽象的な不満というものもあるだろうと思いますが、果たしてそういう状況考えてみて、七月の末、三十一日というのは最適の切りかえの時期であるかどうかということについて、私も経験的に言うと少し心配が残るような気がするわけです。したがって、そこの部分についてもう一度、見切り発車はしないとは言明はしておりますけれども、そういう角度から見た実施時期、切りかえの日が最適であるかどうかということをまず冒頭にお伺いをしておきたいと思います。  それから二つ目は、県側の要求と国のいろんな事業のことについて一応私なりに突き合わせをしてみましたが、大体の部分では合っているような気がするわけです。しかし、抜本的に違いますのは、県側あるいは県民側とすれば、ありとあらゆる費用について一切国で負担をしたまえというのが一貫して流れているわけです。国側が大体三つに分かれていますね。一つは、国の責任において全部それはやりましょう、二つ目は、ものによっては助成をしましょう、三番目には、それは融資という形をとりましょう、最後には、それは少し行き過ぎだから何らの措置もとらないぞ、というふうになっているような気がするわけです。  海洋博のときでもそうでありましたが、県民の気持ちから言うならば、社会資本も非常に少ないし、沖繩県の開発の立場から言ってみても国で最大可能、全額負担をしてほしいという気持ちがしみじみあらわれているわけですね。それを国側としてはきめ細かく選別をしているわけです。その点が一番大きな違いだろうと思うんです。その違いをどういう考え方で区分けをしたのか。なかんずく融資の問題につきましては、特定の事業者に融資をするわけですが、先ほど安恒委員からも話がありましたように、融資を行うということは、結果として金を返すことになるわけですが、負担能力から考えてみて非常にむずかしいというふうに判断がされるわけです。したがって、そこの部分をどういうふうに措置をされようとしているのか、二つ目にその点をお伺いしたいと思います。  それから三つ目の問題ですが、沖繩県内車両増加数を年度別に追ってみますと、やはり自家用車、マイカーが非常に多いわけですね。法人車両というのは二十八万両の中のせいぜい一万両ぐらいでありまして、マイカーが占める割合というのは非常に大きいわけであります。そこで、この調子でもし推移するならば、法人車両よりもマイカーの方がどんどんどんどん激増していくということはある程度予測をせざるを得ないというふうに思います。そこで考えられますのは、バスにしろハイヤーにしろあるいはトラック、いわゆる法人の車両に対し、あるいは法人にかかわるものについて国が直接金をかけるあるいは助成をする、融資をする、国民の金をかけるわけですが、これが投資のむだにならなければいいがという面を一面考えるわけです。まあ、極端なことを申し上げますと、バスにしろ、ハイヤーにしろ、海洋博を中心にしまして多少ふえたことは当然です。しかし、これからの公共交通の政策がきちんとしない限り、この公共交通機関、バスなりハイヤーとしうものの将来性というのは非常に暗いと私は見るわけです。そうしますと、一時的に切りかえるときになるほど国が金を出す。そのことは当然ですけれども、その投資効果が将来にわたって有効に働くかどうかという問題を一面心配をするわけですが、その点についての考え方を明らかにしてもらいたい。  それから、いまの問題に関連をして、公共交通機関の整備の問題です。  私の記憶によりますと、復帰直前と復帰後に本土側からも多少援助をしたわけですけれども、確かに沖繩の立地条件から考えてみて、もっと公共交通機関を一元化、社会化する必要があるだろう、そういう議論が行われまして、当時琉球政府が中に入り、その沖繩本島内におきます公共交通機関の集約一元化について努力いたしましょうという一札が入っているはずであります。それにつきましては労働組合も、それから会社側も、県側も、一応確認書といいますか、申し合わせ事項といいますか、そういうものができて、そのままに実はなっているわけです。これは私企業ですから私企業自身が努力しなければなりませんが、補償の問題だとか路線の問題だとかいろいろなことを考えてみますと、国の指導、県民協力というのがどうしても必要になるわけですが、その後の作業を見ておりますと、必ずしも国は積極的に手を差し伸べていないというふうに私どもは判断をするわけです。過去の経緯はともかくとして、これ以上沖繩交通問題をほうっておきますと重大な問題に発展をするというふうに考えるわけです。できれば、その公共交通機関の整備という問題について十分考え方をひとつ明らかにしていただきたいというふうに思います。  それから、先ほどもお話がありましたように、沖繩交通三悪というのが言われているわけですが、まあ率直に見まして、歩行者にしろあるいは車両運転者も余りいい交通マナーを持っていないように感ずるわけです。方向指示器を出さないで右に曲がったり、左に曲がったりする、あるいは割り込みが多いという意味で、切りかえ前に本来の交通のあり方といいますか、正常な交通、歩行という問題について徹底を図っていかないと、切りかえ時も、あるいは切りかえ後も交通安全対策上私は依然として問題を残すのではないかというふうに考えますが、その点についてお考えをひとついただきたいというふうに考えます。  とりあえず以上です。
  40. 室城庸之

    説明員室城庸之君) 最初の御質問ございました、いろいろ車両混雑するそういった夏場が果たして切りかえのための最適の時期であるのかという御質問でございますが、これにつきましては、最近いろいろ沖繩の中でも科学的な根拠はないんじゃないかというふうな御意見等も出ておるように承っております。これにつきましては経過的に申し上げますと、交通方法の切りかえをやろうということで、その時期を選定いたします会議を、当初、相当回を重ねてやりました中で、沖繩県側からはぜひ夏休み中にやってほしいという意見が出てまいりました。特に現地からの御要望でございますので、非常にほかの意見の中では強く取り上げられたわけでございますが、その理由といたしまして沖繩県側説明いたしましたのは、一つは台風のシーズンに入りますと切りかえ作業というものが非常にむずかしくなる。したがって、こういうことは一挙にやらなければならないことなので、計画をいたしておいてそれが本当にその日にできるのかどうかということを絶えず心配しておったんでは徹底を欠くおそれがあるんではないか。したがって、できるだけ台風シーズンを避けて、円滑安全に実施できるそういう時期を選びたいということが一つでございます。  それから、いろいろ工事等を事前にやっていかなければなりませんので、その辺の工事をやります時期、これは人手等の関係で、むしろ夏場に至るまでの間がいいんだというようなこともあったようでございます。  さらに、いわば学校が通常に運営されておる時期にやろうということになりますと、交通安全教育ということが非常に学校のスケジュールの中でとりにくい、集中的にやるということはやりにくいということでございまして、これは一つは安全教育をどの時点で、どういう形でやるかということと関連するわけでございますが、スウェーデン等の例から見ましても、できるだけ集中的にやるということが言われております。スウェーデンにしましても、またそれを一応参考にしましたアイスランドにいたしましても、直近二週間ぐらいで重点集中的に安全教育をやるというような形がとられておりまして、全体の交通マナーをよくしていくという教育はやるべきであるけれども、それに交通方法そのものを加味した教育を早くからやるということはかえって混乱を招くのでよろしくないということでございまして、そうしますと重点集中的にやるためには学校の授業をやりながらその中で重点集中ということは非常にやりにくいんだというような御意見があったようでございまして、夏休みに特別登校というような形で集中した方がやりよいというような御意見等が主になっておったように聞いております。  したがって、これはどうしても七月末でなきゃならぬということではもちろんないわけでございますけれども、比較的円滑に行なえる、また地元が何といってもこれをやります際の何よりの具体的な意見を出されるわけでございますので、そういった御意見を中心にこの日が決められたというふうに聞いておりまして、これについては科学的根拠、その他いろいろ言われます中には、それは従来交通事故が非常に多い月ではないかということでありますとか、交通量も非常に多い、また観光客も最近は夏休みに非常にふえておるじゃないか、そういうさなかでやるよりは落ち着いた時期にやった方がいいんじゃないかというような御意見もございますけれども、現在その七月末ということを目標に諸般の作業が進んでおります段階では、どこに決めましても五十歩百歩というような、一長一短といいますか、そういう議論のある問題でございますので、この目標を固定して計画を進めた方がということで進めてまいっておるわけでございます。
  41. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 御質問のうち二点について御説明申し上げます。  一つは、道路管理者が行います各種道路施設の変更事業の工程上の問題でございますが、これのうち、特に用地買収等を伴ってかなり期間を必要とするような交差点改良とかバス停車帯等の事業につきましては、すでに五十二年度から一部実施しておりまして、さらに本年度におきましても追加補正で若干の手当てをすることも考えておりまして、これらの仕事を早期に着手するといたしますれば、来年の七月末の変更期までに所要の工程をおおむね完了することは可能というふうに考えておりますし、またそのほかの道路標識だとか防護さく、反射鏡といったような事業につきましては、五十三年度の事業として予算要求することにしておりますが、これにつきましても事前に十分な準備をしておきまして、七月末の変更日までには実施するような体制におりますので、これもまた可能というふうに考えております。  それからもう一点、今後におきます沖繩道路整備の姿勢でございますが、これにつきましても、御指摘のように道路整備の実態は、県道以上の幹線道路につきましては、沖繩県は内地に比べてかなり大幅におくれておりましたが、ここ数年内地を上回る事業の伸びを一応図っておりまして、そういうことから、ほぼ、現状では幹線道路につきましては内地並みにようやく近づいたというようなことでございます。それから市町村道につきましては、これは大体、もともと整備率としては沖繩県はよかったわけでございますが、しかし、先ほども御指摘ありましたように、道路延長道路密度が比較的粗いということで、自動車一台当たり道路延長としては内地に比べてかなり沖繩は小さいということから、やはり交通事情は厳しいわけでございまして、これについては、いままでも道路整備の推進を内地以上に伸ばしてまいったわけですが、こういう姿勢をとり続けまして早期に道路事情を改善してまいりたい。あわせて交通安全施設整備もやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  42. 中村四郎

    説明員中村四郎君) 私どもの関係お答え申し上げますと、融資のお話がございましたが、私どもといたしまして、やはり融資を受けた場合には当然返済という問題が出てくるわけでありますから、これが企業運営上非常な負担になるということは問題でございますので、これの基本的な考え方としては、長期低利ということで進みたいというふうに考えております。  それからまた、投資効果の点につきまして御質問ございましたが、私どもの所管している企業の場合に、その代替という場合でも、全部が全部新車ということでなく、中古車で代替できるものは中古車にし、それから一部改造で、比較的年式の新しいものについては対応していく。これも本島と離島の場合とは条件も違いますが、そういった事情を踏まえて、適切にケース・バイ・ケースで対応したいというふうに思っております。  それから公共交通機関の整備についてお尋ねがございました。先ほど安恒先生にもお答え申し上げましたが、確かにかねてから集約化の問題ということは御指摘を受けておるわけでございます。  この沖繩交通方法変更と直接は関係ございませんが、今後の交通需要なり、あるいは車両増加ということを考えていきます場合に、どうしても公共交通機関としてマイカーからの需要の誘導ということも考えてまいらなければなりません。その場合には、やはり安定経営を前提としましたバス企業の体制強化ということが必要になってくるわけであります。その場合に集約の問題というのは当然真剣に検討してまいらなければならないというふうに思うわけでございます。で、その場合にも路線競合等につきまして事業者間の調整を行ってむだな運営というものを漸減させていって、そしてその段階を超えてさらに集約の問題に取り組んでいく、こういう考えで、従来ちょっと積極性がないじゃないかという御指摘がございましたが、私ども、今後いま申し上げましたような考え方で取り組んでまいりたいと、かように思っております。
  43. 杉原正

    説明員(杉原正君) 切りかえ前の交通安全教育の徹底の問題でございますが、先ほど来お話がありますように、この三悪によります事故が非常に多い。それから、また本土などと比べまして夜間におきます事故が非常に多い、というふうな状況にかんがみまして、特に昨年からことしにかけまして沖繩で大変な努力をしていただいておるわけでございます。安全教育、街頭監視の徹底——これは、こういう夜間とか、あるいは酔っぱらい運転が多いというのは、逆に言いますと公共輸送機関がやっぱり整備されていないというふうなことが裏に出てきているという一面だと思いますが、そういう実態にかんがみまして努力をしました結果、ことしはいまのところ沖繩は全国でも一位の減少率で今日まで来ておるわけでございます。安全運動あるいは街頭指導というふうなものをさらに徹底をして割りかえに備えるようにしたいというふうに考えております。
  44. 穐山篤

    穐山篤君 大体わかるような気がしますけれども、国がすべて負担をするというものについての基準ですね、それから助成というものは、こういう事柄が助成だと、こういう事柄が融資だと、これは絶対に補償するわけにいかない、その判断の基準はどこに置かれたのか、それをお伺いしたいと思います。
  45. 室城庸之

    説明員室城庸之君) 的確なお答えにあるいはならないかもしれませんが、それぞれの事業ごとにどういうふうな予算措置を講ずるかということの中で研究をしながら対策考えてまいっておるわけでございますが、原則的にやはり当然国で補償すべきものは、これはもう補償をしなければならない。それ以外の問題につきましても、この事業そのものが、先ほどお話ございましたように、県側要望で国がそれにこたえていくという性質のものと違いまして、むしろ県はそれほど気が進まない中でぜひ協力していただきたいという形で進めてまいります事業でございますだけに、できるだけ県民負担にならないように努力をしようということは基本線として従来われわれいろいろな対策会議をやります際に打ち合わせしながらやってまいっておるわけであります。  ただ、そうは言いましても、現実に補償してくれと、損失を予想しなければならないんじゃないかと言われる問題の中にも、実際にはやってみなければわからない、またどの程度かということは非常に比較考量しにくい、そういう問題もございます。たとえば、従来バス停がそこにあったおかげでタバコの売り上げが非常に上がっておったのだと、バス停があっち側に行っちゃった場合に相当損をするんじゃなかろうかと、損をした場合に一体だれが補償をしてくれるんだ、というような問題でございますとか、ガソリンスタンドの存在する場所が、たとえば市街地に近いところでやっておりますと、外から帰ってくるときにガソリンを入れるんで夕方立ち寄るんだと。あるいは、朝出がけにガソリン詰めていくんで町から出外れのところにあった方がいいんだとか、いろいろお話はございまして、これについてもその補償をどうするのだという声があることは承っております。  ただ、これについても実際がどうなるのか、またそのような事態が、では従来行政経験の中になかったかと申しますと、これはたとえばバイパスなどをつくります際にも、町の繁華街があっちに行っちゃったということでさびれるというような場合に、これを個々に補償するということは非常にむつかしいということで、現実には行われておらないというふうに聞いております。したがって、私どもは個々の問題で当然補償しなければならない明らかな損失が見込まれるというようなものについては、これを対象として取り上げまして、どういうふうに措置するかということを努めて検討するようにしてまいっておりますが、その辺のところが一つの基準と申しますか、的確なお答えになりませんけれども、そういう心構えでなるべく県民負担にならないように措置していこうということで取り組んでまいっておるわけであります。
  46. 阿部憲一

    阿部憲一君 まず政府が五十一年六月二十四日の閣議沖繩県における交通方法変更実施時期について、昭和五十三年七月末を目途とすると決定されるに当たりまして、事前に沖繩県の意向を聴取し、そして沖繩県の十分な了解を取った、その上でもって決定していると、これは当然だと思いまするけれども、その間のいきさつについて御説明願いたいと思います。
  47. 室城庸之

    説明員室城庸之君) 昭和四十八年に閣議決定が行われました際に、五十一年にこの切りかえを実施するのだという時期があらまし決められましたことと、これをどういう体制で進めていくかということで総理府総務長官を対策本部長といたしました沖繩県交通方法変更対策本部というものを政府につくりまして、ここで関係各省の次官が本部員ということで体制がつくられたわけでございます。その中に沖繩県の副知事がメンバーとして加えられております。さらに、その下部組織といいますか、専門部会がつくられまして四つの部会があるわけでございますが、管理部会交通安全部会、施設部会、車両部会、この四つが部会として運用されてまいっております。その中には、政府各機関の担当の局長、課長がメンバーになりますと同時に、沖繩県の担当の部長もそれぞれメンバーとして加えられております。そういう形で、主として実施時期等の問題につきましては、総括的な意味管理部会で検討してまいったわけでありますが、そこにメンバーとして沖繩県の代表の部長も入っておったということから、現地との連絡は十分にとりつつやってきたわけでございます。かつ、最初の四十八年の閣議決定の場合には三年を経過した後で適当な日を選んでやれということで、いずれそういう措置をとらなければならないということでそういう体制がとられたわけでございますが、五十年の閣議決定の際にはすでに五十一年にやるぞということが前に決められておったものを変更したというようないきさつもございますので、現在決めております五十三年七月末ということを決めますについては、文書で当時の交通安全対策室長から沖繩県知事あてに、ただいま管理部会でこういう問題が出ておりますけれども、その時期についてはいつを県側として期待されるかということを意見を徴しております。それについて県側といたしましても、県知事ほか関係方々の御参集をいただいて慎重に御検討になった結果が、先ほど来申し上げましたような形で七月末が適当ではないかというふうな御意見が上がってまいりましたので、それを中心に検討いたしました結果、閣議でそのようにお決めいただいたというようないきさつがございます。
  48. 阿部憲一

    阿部憲一君 お話を承ると、事前に県側の十分な了解も得て、また準備もしているはずだというふうにお考えのようでございますけれども、現実にそのような措置をなさった上で五十三年の七月末実施ということを目途準備を進めることを決定しておいたわけですが、その実施予定日をもうすでに一年後に控えまして、今日なお沖繩県が来年七月末実施に踏み切れないという理由は何かはくは不思議に思うわけでございますが、これは結局沖繩県県当局県民に対する積極的な呼びかけに欠ける面があったんではないかと、このようにも思われますし、また国と県の間でも、この問題に対する十分な意思の疎通に欠けているところがあったのじゃないか、このようにも思うわけですが、その辺いかがでしょうか。現地で、私ども、平良那覇市長ですか、の御意見を聞いたときにも、国と県の間だけで話し合いが行われていたと、そして末端の市町村は何も知らされないという不満の意向があるように私どもは感じたわけですけれども、この点はどんなふうにお考えですか。
  49. 室城庸之

    説明員室城庸之君) 私ども、作業を進めております中で、いま御指摘のような市長あるいは町村長の方々からの御意見もしばしば承りました。で、主として実施時期をいつにするかというようなことを先に決めまして、目標を決めまして、そのために所要の準備をやっていこうというような形で進めておりますために、われわれといたしましては、県と国との間のやりとり、で、後は県から意見が出されます際に、当然県としては地元のそれぞれの所要の方々の御意見も集約されておられるものというふうに考えながらそれをやっておったわけでございます。ところが、いまお話がありましたように、実際何も聞いていないんだというふうなお話も出てまいりましたが、実際には、県の方といたしましては、いまの期日を決めるにつきましても、まあ市町村長の代表ということで那覇市の御意見も承っておると、あるいはそのほか商工会議所でありますとか、まあいろいろな団体の御意見もそのときに承っておるというふうな御説明もございまして、若干われわれとしても解せない点もございましたが、そういったこともございましたので、ことしの四月に現地沖繩開発庁の総合事務局に現地連絡会議というものを組織いたしまして、そこで市長会の代表ということで、市長会会長である那覇市長、それから町村長会の会長である知念町長にお入りいただきましてメンバー構成をいたしました。そこで、十分他の市長さん、あるいは町村長さん方にも御連絡をいただきたいという形で進めてまいりましたが、それでもなおかつほかの市町村長さん方からは、われわれ何も聞いていないというようなお話がございましたので、ある時期全市長、町長さん方にお集まりいただきたして、説明会をやったというようなこともございまして、必ずしも県が十分な機能を果たしておらなかったということよりは、沖繩県の一つの従来のそういった問題の伝播力といいますか、そういったものが一体に弱い面もあるということも察せられたわけでございます。そこで、努めてそういった問題についてはできるだけ全市町村の方にも連絡がいくように現地の連絡会議を通じて現在より緊密な連絡に努力をいたしております。  また、那覇市長のお話からうかがいますと、まあいろいろ話は聞いておっても、現実には初めての経験なんで、どんなことを対策としてやらなきゃならないのかということがなかなかわからないんだと。そこで、話は聞いても、実際には非常にかすかな反応しかしておらなかったという面があるので、それがだんだん期日が切迫してまいりまして、そういう大変なことなのかということで、最近ようやく各ほかの市長村長さんたちも問題を大きく取り上げるようになったというふうなお話等もあわせて考えてみますと、私どももこの問題についてはもちろん初めての問題でございますし、地元の側といたしましても、これにどう対応するのか、どういう問題を克服しなければならないのかということについての問題点の照会の仕方でありますとか、提起の仕方、こういった点でわれわれとしてもやや時間的に立ちおくれがあったというふうな反省もいたしておるわけであります。だから、そういうことで、現在は現地連絡会議を中心にかなり緊密な連絡がとれるような体制になってまいったということでございます。
  50. 阿部憲一

    阿部憲一君 知花県会議長も、政府は早急に具体的な実施要綱県民に提示し、県民に検討の機会を与えてほしいということを強く要望しております。交通方法変更が円滑に実施されるためには県民の十分な理解協力が必要であることは言をまたないのですけれども、そのためにも政府はできるだけ早く具体的な実施計画県民に提示すべきでありますが、今日なお具体的実施計画が明らかにされていないという理由は何ですか。  それから、もう時間がありませんので急ぎますが、具体的な内容を明らかにせずに県民協力を求めてもこれは無理だと思います。政府地元の要求を待って具体的な問題の処理に当たるという消極的な態度ではなくて、自分から方針を決定して、その方針地元に提示し協力を求めるという積極的な態度をとるべきではないかと、こう思うわけでございますが、この辺につきまして総務長官のお考えも承りたいと思います。  なお、沖繩県における交通方法変更沖繩復帰処理の事業でありますし、国が責任を持って実施する事業であります。政府はその責任を明確にしながら地元協力を得られるような体制を早急に整備すべきであると思いますが、あわせて長官の御意見を承りたいと思います。
  51. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 地元要望と合致するように、コンセンサスを得るようにというお話でございましたが、そのためにわれわれとしましても大変な努力をいたしました。五十年の六月の閣議でそのように五十三年の七月末ということは変更されまして、その後、五十一年度では調査費をとりまして大いにその調査をやったわけでございますし、五十二年度からは実施予算をとって現在まで至っておるわけでございます。これもまあ政令が出ないためにこの実施予算の方も使えないと、こういう状況でいま現在おるわけでございますけれども、その間にわたりまして地元話し合いは、もちろん先ほど特別交通室長が申し上げました委員会も通じ、個別にも何回もお話をいたしました。その上でいろいろと煮詰めてきて、いよいよこの段階に至りまして那覇市長の方も大筋了解を得たと、大筋了解ではございますけれども大筋了解を得、地元了解も得たと、こういう段階に至っておるわけでございますから、阿部先生がおっしゃいますように、いま現在地元了解が得られてない、コンセンサスが得られてないと、こうは思っておりません。大体大筋了解はもう得られたものだというふうにわれわれとしては理解をいたしておる次等であります。
  52. 阿部憲一

    阿部憲一君 まあ長官のおっしゃるように、地元了解も基本的に得られているというようには私受けとめておりませんで、まだ非常にむずかしい、何といいましょうか、地元とそれから国あるいは県というものとの食い違いがあるように見受けられますが、それはさておいて、今度の交通方法変更の円滑な実施をするためには、いま申し上げましたように地元一致した協力が絶対必要であります。現在実施延期を打ち出している那覇市等と、また県との間の意見の食い違いがあることが地元の受け入れ体制に支障を与えており、その解決を急がなければならないのは当然でありますが、地元意見一致するまでの間は、政府実施期日政令公布等は慎むべきであると考えますが、一方私も、地元の方としてもいたずらに時間かせぎの引き延ばしを行うべきではないと、これはそうも思います。が、しかし、政府はこの実施期日政令をいつごろまでに公布すれば来年の七月までに間に合う、要するに七月末の円滑な実施が可能であると考えているか。また、その沖繩県那覇市との意見の統一がいつごろまでに実現できると予測しているか。政府はまあすでにある程度できているというふうなお考えをお持ちのようですけれども、しかし私は、何かまだ非常に解け合わないといいましょうか、理解、すっかり話し合いができるとかあるいは了解できているというふうにも見受けられないものですから重ねてお伺いするんですけれども、政府ではかねてからこの見切り発車をしないということを言明されておりますが、これはあれですか、お伺いしますけれども、もう見切り発車するということはしないとおっしゃっているけれども、現実にいまの長官のお話なんかだと、見切り発車ができるような状態にもあるような表現といいましょうか、お考えのようにも受け取られるわけですけれども、この辺のところ非常に大事なんですが、私自身、あくまでも政府の言明どおり、額面どおり絶対に見切り発車をすべきではないと、こう思いまするけれども、これを、どの程度の了解ができれば見切り発車ではないんだと、ちゃんと了解した上でもって出発したんだと、こう言えるか、その辺の、非常にデリケートでございまするけれども、御説明願いたいと思います。
  53. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 見切り発車の問題につきましては、主たる問題は三つあったと思うんであります。一つは、いまおっしゃいましたような那覇市との了解——一番こう交通混雑がいたしておりますし、一番の都会でもございますし、那覇市長那覇市との了解が一つの問題。  それからもう一つは特別記念事業、この特別記念事業をどうするかと、これが一つの問題であったかと思います。  まだもう一つございますが、まあ、大体この二つないし三つの問題があったかと思います。  いまの那覇市との了解でございますが、これは九月の五日に沖繩県那覇市との話し合いが行われたと聞いております。現地の総合事務所の方から全文、全部その報告が入っておりますけれども、この両者の話し合いにおきまして大筋において来年の七月三十日に実施すると、こういうことが固まったということでございます。  それから第二番目の特別記念事業のことでございますが、この特別記念事業の方も、われわれとしましては、先ほど安恒先生に御答弁申し上げたごとく、調査研究費をとると、芽を出すということによって現地の方もこれも納得されたように聞いております。  ただいま申し上げましたようなことで、私たちとしましては、そういうふうなむつかしい問題が現地側と御納得もいただき、またコンセンサスも得られたものだと、かように思っておりますから、いま見切り発車をこの際しているとは考えておりません。  それから先ほどおっしゃいましたが、いつごろまでに政令を出さなきゃいかぬと考えておるかとおっしゃいましたけれども、これにつきましてもそういうことで来年の七月末に間に合わせるためには、バスの発注の時期もございます。これも九月の中旬ぐらいが一応のリミットかと考えております。  それから工事の方がございます。この工事もやはり一斉に立て込んで、工事をやるようなことでは単価も高くつきますし、いろいろまた障害も起きます。さきほどの話じゃございませんけれども、そうなれば本当に本土の業者も入れなきゃならぬということにもなってまいりますので、これらも考えてみましても、一日も早くやはり工事を始めなきゃならぬ、かようにも考えておりますから、いま政令の公布につきましては一日も早くというふうに考えておる次第でございます。
  54. 阿部憲一

    阿部憲一君 そうしますと、いまの長官のお話では、九月半ばごろと、中旬というような表現でございますけれど、御案内のように、きょうは、もう中旬まであと一週間もあるかないかというような差し迫った状況になっておりますが、私も先ほど来申し上げておるように、ちょっといわゆるコンセンサスと申しましょうか、県とそれから地元の市民と国というものがぴたっと一致するというようなことは非常にむずかしいんじゃないか。もちろんもっと時間をかければ、それは那覇市のように、あと二年待てとか、あるいはさらには五年待てとかいうような話は、これは別としましても、差し迫ったこの一週間足らずという間にすっかり了解できたんだと、見切り発車じゃないんだと言うことは非常に至難のように思うのですけれども、この辺重ねて長官のお考え方を承りたいんですが。
  55. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 私はここ二、三日でそういうふうな了解ができたということを申し上げているわけではないんでありまして、五十年の六月に閣議がそういうことを決定いたしまして、その後漸次いろいろな形で地元との話し合いを行っておるわけでございますから、そういう大詰めがこの九月の初旬にいろいろな形であらわれてきたと、かように思っている。  先ほど一つ申し上げませんでしたが、バスの補償の問題にいたしましても、これにしましてもずいぶん長い期間をかけていろいろ運輸省の方が話し合いをされまして、それも最終段階でやっと片がついてきた。これも本当にごくわずかな金額が現在どうなるかという点がございますけれども、これももう大筋では片がついた、長い期間のものが、最後に大詰めに来て片がついてきたと、かように申し上げておる次第でございます。で、先ほど来申し上げますように、私は九月の前半までにはやはり政令を公布すべきである、いまもってかように考えております。
  56. 阿部憲一

    阿部憲一君 交通方法変更でもってもう一つ重要な点は、交通の安全確保ということ、これだと思いますが、戦後三十年右側通行になれてきました沖繩のドライバーが不安感を持つことは、これはやむを得ないと思います。現に日本自動車連盟が実施したアンケート調査でも、不安であるという答えは九〇%はね返っておりますし、それから大半が自信なしと、こういうふうに答えていると思います。今後どのような方法でもって運転者に左側通行運転の習熟を徹底させるか、警察庁から御説明願いたいと思いますが、同時に日本自動車連盟では左側通行の実地運転練習の必要性を強調しているが、このような実地講習会を開催する用意があるかどうか、あわせて御返事願いたいと思います。
  57. 杉原正

    説明員(杉原正君) この交通方法の切りかえにつきまして、県民、特にドライバーの方々が非常な不安を持っておられるのは事実でございます。したがいまして、私どもとしましては、これが安全かつ円滑に行われるようにということで、ありとあらゆる施策を講じたいと思いますが、一つは、新聞、テレビ、ラジオによります切りかえ広報、それから運転者につきましては、全ドライバーに対しまして、直接個人あてに郵送で、切りかえに伴う必要な資料を全部に配布をしたいというふうに考えております。  それからもう一つは、すべての車に、これを見れば、しまったと、こういうことで注意を喚起できるようなステッカーを全部の車両に張るようにしたいと思います。  それから特に交通弱者といいますか、子供、それから盲人の方、その他の身障者の問題がございます。これ等につきましては、もう警察官の巡回指導、これを徹底をしたいということのほかに、自治会が約七百余りございますが、ここらあたりから交通安全委員といったふうな方を委嘱をいたしまして、各家庭に徹底をしていくようなことを考えておるわけでございます。  それから、安全施設等につきましても、徹底した整備をやっていきたいというふうに思っておりますし、特に道路標識等につきまして、いわゆる注意喚起のためのものをやはりかなり設けなきゃならぬだろうというふうに思っております。人は右車は左とというのを通行方法を習慣づけてまいるようにしたいと思います。  それから、切りかえ時に一番必要なのは、うっかりということがございますので、どうしても街頭におきます安全指導というものがきわめて必要になってまいると思います。いま態勢として考えておりますのは、沖繩に約二千人の警察官がおりますが、この七割方をこのために当分の間動員をする。それでも非常に暑い時期でございますし、長期にわたりますので、本土からも数千名の警察官を沖繩に事前から派遣をして当分の間沖繩で指導に当たらせたいと思います。  なお、白バイ、パトカーにつきましても、本土から二百三十台ぐらいの車両を持っていって機動的な指導をやっていくというふうな考え方でございます。  なお、ボランティアの問題もございますし、一般の県民の方の協力もあるという意味で、一般の民間指導員という方を、これも数千名考えておりますが、この方に委嘱しまして、主要交差点等について警察官と合わして、今後の指導等をやっていただくようにするというふうなことで万全を期したいというふうに考えております。
  58. 阿部憲一

    阿部憲一君 この交通方法変更地元了解、と協力といいましょうか、これが円滑に実施されるためには、県が要望している特別事業配慮することが必要でありますし、その内容の実現には前向きに検討すべきでありますけれども、そのうちでちょっとお伺いしたいのは、金額が一番大きいので沖繩自動車道那覇市までの延伸がありますが、その実現の見通しを承りたいと思います。
  59. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) お答えいたします。  御指摘の沖繩自動車道は、全体計画といたしましては名護市から那覇市までの区間に幹線自動車専用道路を建設しようとするものでありまして、現在、日本道路公団で一部供用、また一部調査をしておるわけでございます。このうち名護市から石川市までの間が現在海洋博関連事業として完成いたしておりまして、五十年の五月から供用いたしておりますが、その南部への延伸につきましては、全体的な交通ネットワークの一環としての位置づけとか、あるいは土地利用計画との調整、有料道路事業としての採算性の問題といったようなことを、道路公団におきまして鋭意検討中でございます。その結果を受けまして、今後実施方針を決めまして、整備促進を図るように努力してまいりたいというふうに考えております。
  60. 阿部憲一

    阿部憲一君 そうすると、いつごろ着工するかということはまだはっきりしていないわけでございますね。  それからついでに伺っておきますが、これを事業化するについての支障というものがあればそれを承りたいことと、それからこの有料道路としての問題になるのは採算ですけれども、採算の見通しはどうなっているか、それをあわせて御返事願いたいと思います。
  61. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) この沖繩自動車道につきましては、現在供用中の名護から石川までの区間が、当初計画での交通量から考えますと、三五%程度の交通量しかないというようなこともございまして、延伸区間についても採算性の問題が非常に心配されるわけでございます。沖繩自動車道につきましては、現在一般自動車道というものでやっておるわけでございますが、企画は高速道路並みの企画でやっておるわけでございます。この資金コストにつきましても内地の一般有料道路が六%であるのに対しまして、沖繩自動車道路につきましては三%ということで、特別な国費を投入して維持しておるような次第でございますが、現に相当やっぱり赤字で困っているというような状況もございます。  南部への延伸につきましては、地域の幹線交通網として非常に重要なものであろうというふうには考えられるわけですが、ほかの、先ほど申し上げましたように、土地利用計画との調整とか、やはり採算性の問題というようなことで、路線の位置、それから着工のタイミング等についてはやっぱり慎重に検討しなければいけないというふうに考えております。
  62. 阿部憲一

    阿部憲一君 御案内のように、鉄道のない沖繩県としては、高速道路に対する期待が非常に大きいと思いますので、ひとつ早期実現を図っていただきたいと、お願いしておきます。  最後に、もう一問お伺いしたいのですが、平良那覇市長は、実施期日を五年延長を求めている理由として、交通方法変更に伴うすみ切り等の道路工事が来年七月末では完了しないという点を挙げております。また、那覇市等の地元の要求が政府で大幅に削られていることに対して強い不満を表しておられますが、那覇市が要求しているすみ切り個所百九十カ所が建設省で二十数カ所に削られたというのは事実ですか。両者の間に余りにも差が大き過ぎると思うが、その理由は何か。交通方法変更により最低限必要とる個所の改修には十分な予算措置を講ずべきだと思いますが、この辺建設省の御意見を承りたいと思います。
  63. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) この点は先ほどもちょっと申し上げましたが、百九十カ所の那覇市の御要望と交差点につきまして、われわれが当面必要——現在の変更前のサービス水準を維持する物理的な必要の範囲ということで考えますと、二十カ所でやっていけるというふうに考えたことに対する主張の差があるわけでございますが、これは先ほど申し上げましたように、すみ切りがやれれば交通安全上はベターではございますが、それに非常に大きな物件移転等を伴う場合がございます。そういうようなことと、それから現実に必要な範囲ということについて、いろいろ調査委員会を設けまして結論を出したものについて二十カ所という結論を出したわけでございまして、これも大体基準を設けてやったわけですが、現状よりは、この際直すわけですから、若干よくなる程度のものは考えているわけでございます。この差の百数十カ所というようなものは将来に向けては交通安全対策上逐次必要になるものと思いますので、やはり自後も十分内容を詰めまして逐次実現していくような方向で努力してまいりたいというふうに考えております。   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
  64. 山中郁子

    山中郁子君 なるべく重ならないようにいたしますが、集中的審議でもありますので、必要な重複は了解をいただくことにいたします。  初めに長官にお考えを伺いたいのですけれども、私はこの問題、先日も皆さんと一緒に沖繩に行きまして調査をさせていただきました。それで新たに実情もわかり、現地方々の意向もわかった部分がございます。それからその後の経過も、私ども参りましてから委員長記者会見で述べられました中にも現地でのコンセンサスのために県、市それぞれ努力をしてほしいということも要請をしてまいりました。そういうことにも基づきまして、その後も事態が前進しているということは承知をしております。それで、ただ問題は、これは一番最初の事態のもとでは、何でいまさら沖繩県民が国の都合で長いこと犠牲を強いられて、そして本土と違う交通方法をとらされてきて、そして、やっとそれで生活をしてきたところへもってきて、今度はまた国の都合で全部変更する、そういう負担を負わなければいけないのか、いまのままだっていいじゃないかと、こういう声もかなりあったわけですよね、御承知のように。しかし、それがいま現在は少なくとも変えるということについては全体の合意はできていると、変えねばならないだろうと。で、その期日の問題は結局いままでそちらからも何回もおっしゃったようにいろいろ延び延びになってきていると、今度は政府の方は何としても来年の七月三十日ということで長官は先ほどから何回ももうじきとにかく一日も早く政令を出したいと、こういうふうに言われている。私が一番心配するのは、いまも申し上げましたように、そういう状況からきて、しかしこれはやらなきゃならないし、やりましょうと、ついては国の責任なんだから、県民負担がかからないようにしてくれとか、記念事業の問題だとか、いろいろ要望が出てきているわけです。それで、やりとここまできたわけですね。で、来年の七月三十日ということがどうであるかということは、また私、後で先ほどの長官のお話にありましたこととも関連してもう少しはっきりさせたいとは思いますけれども、いずれにしても、やっとそういう方向に積極的に解決を図るというところに動いてきています。  何が一番問題であったのか、そしてなおかつ、いままだ問題であるのかということは、県民の皆さんが、いままでも沖繩県民は特別ないろんな犠牲を受けてきたと、私はその歴史的なことまで言う時間はいまありませんけれども、少なくとも戦争の問題、それから戦後の占領の問題、いま現在ある米軍基地の問題その他いろいろな負担を負わされてきたと。沖繩海洋博でも先ほどお話がありましたように、結局は本土の方にいろいろなあれがいってしまって、沖繩県民の利益にならなかったではないかと、そういう不満があります。そういうことが今度の変更に当たってもまたまたこれ以上しょわされるんじゃかなわないと、政府が責任持ってちゃんとやってくださいということなわけでしょう。それがどうもいままでの経過の中だと、一番いい例は那覇市長も盛んに言われたんで、私どもも印象深く聞いて、すでにいろんな方からお話がありましたけれども、そのすみ切り個所の百九十カ所が建設省が調べたら二十カ所でいいと、こういうふうになっていると、そういうところに不満がうっせきしているわけですよね。だから、いまそういうものがあって、そしてなおかつ、しかし全体としては実現の方向へいこうというふうに動き始めたところです。そこがいま私一番大事なところだと思うんですね。だから、別に三年延ばせとか五年延ばせとかということが、現実にまだ那覇市長は五年延ばせと言われてはいないだろうということは私どもも理解いたします。だから、ここでもって政府は一日も早く政令を出さなければならぬのだということで、政令の公布の問題について、たとえばの話ですよ、政令の公布の問題についていま大体まとまりつつあっていい方向にいきつつあると、だけど、まださらに詰めなきゃならない問題はあると、今後さらに詰めますとおっしゃっているわけでしょう。来週も上京されてくる、その時期に、ただ九月の中旬にはどうしても出さなきゃならぬのだということで政令を出すというふうなことをすると、またまた政府はやっぱりこちらのいろんな希望をもっと詰めてほしいと思っているにもかかわらず、結局はごり押しして見切り発車したではないかと、こういうふうになるのは私は火を見るよりも明らかだと思うんです。これは大変残念なことだと思うんです。そこのところの見解を——私はそのようにいま判断しているんです、いまの事態を。そこのところは長官はどのようにお考えになるか、ちょっとお伺いしたい。
  65. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 御承知と思いますが、私たち見切り発車しないということはかねがね言ってまいりました。また、できるだけ地元負担はなくしていこうと、これは政府の方で背負っていこうという考え方が基本にございます。そこで、実際は地籍明確化法の政令と一緒に出そうと、公布しようという考えを持っておったんです。ところが、三日に沖繩の方の県会があるということがございました。それからまた、五日、六日ごろに沖繩県那覇市の方のお話し合いがあるということもございました。それからまた、この特別委員会の諸先生方がお帰りになって九日にこの委員会を開くということもございました。そういうことで次々と延び延びになってきておるような次第でございます。そこで、私の方としまして、どうにも七月の末日に実施するためにはいろいろタイムリミットがあるわけでございます。先ほど来何回か申し上げましたから繰り返しては申し上げませんが、タイムリミットがあるわけでございますから、九月の前半には出したい。しかし、いまおっしゃいましたように、一日を争うことではございませんので、ですから一日、二日がどうなるかということは、これは別でございます。しかし、気持ちとしては九月の前半に出したいと、こういう気持ちも強く持っておることは御理解願えるかと思います。
  66. 山中郁子

    山中郁子君 御理解はともかくも、それはわかりました、何回も言われているからね。ただ、私は一日、二日とか、そういうことじゃなくて、だけどしかも、それも半年とか一年とかいうことじゃまた逆にないですよ。いままさにそういうふうにして事態がかなり進んで、詰めの段階に入ってきて、そして現地の方でもそういうことで努力もされてきているという時期でしょう。だから、それは私は何日とは言いませんけれども、また言う筋合いのことではありませんけれども、そこのところをもう少し柔軟にお考えになって、つまりいま政令を出すことが逆にこういうふうに動き始めてきている現地の感情にまた逆な別な摩擦を起こさせるとか、そういうことのないようにするのが私は一番いいと思うんです。そういう意味で、たとえば何も今月一週間延ばしたからそれでいいだろうというふうなおっしゃり方ではなくて、必要な、そういう私がいま申し上げましたような趣旨で、実際に来年の切りかえがうまくいくように現地意見ももっとより一致させられるし、それから要求もより、現地了解も含めて一致させられていくような、そうしたことを前提としながら柔軟に対処をして、そして政令の公布のことについても考えるというぐらいなことは、ぜひ私はお約束をいただきたいところだと思っております。だから、何日先とかいうふうなことを私もいま申し上げませんけれども、ただ政令関係で言うならば、特別措置法のこれは何条でしたっけ、五十八条の二項ですね、これで「六月前までに公布するものとする。」としてありますね。だから、それはそういう点では六カ月前に出せばいいわけです。いいというとまたいろいろ御意見もあるだろうけれども、少なくともこの法律上はですね。ですから、その他のタイムリミットの問題ということにつきましては、また後ほど私は詰めたいと思いますけれども、必ずしも政令を出さなければ動きがとれないという問題じゃないというふうにいろいろな方のお話も聞いて判断できました。だから、その辺についてはもう少し柔軟な姿勢でもって対処をするということは、ぜひ私がお約束をいただくというよりは、現地の方がそうした長官のお約束をいただければ安心もするし、政府に対してまた不信を高めるみたいなそういうことにならないで済むということです。そのところはぜひわかっていただいた上で御意見を伺いたいと思います。
  67. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 山中先生は柔軟、柔軟とおっしゃいますけれども、いままで柔軟に対処してきたんですよ。それで大体大筋において御了解現地の方も得てきて、それでしかも七月の末日までに諸準備を完了しなきゃならぬと、こういうことでもございますので、ここで一カ月延ばし、二カ月延ばし、あるいはその七月を八月なり十月なりにしていくということがどれだけの利益があるのか、どれだけのメリットがあるのか、私はその点は疑問に思うんです。ですから、七月末を三カ月、半年、一年延ばしていくことは、もうこれは混乱を長引かせるだけであって、やはり七月末までにわれわれとして十分な態度で、そして現地交通の安全も十分に図りながら、そういった、しかも地元コンセンサスを得ながらそれでやっていこうと、それにはタイムリミットがございます。そのリミットはもう大体九月の中旬でございます。九月の初めにということをずっとここまで引き延ばしてきたわけで、ですから、いま申し上げておりますように、私は一日、二日のことは申しません。これがまた一カ月も二カ月も延びると、政令の公布が延びるということになれば、これはなかなか問題がまた大きく生じてくる。それから政令なくして公示はできるではないかとおっしゃいますけれども、これはできないわけじゃありません。しかし、やればやったでこれはまた問題が起こるんです。政令も出ていないじゃないか、それにバスも発注したのか、補助金も出したのか、これはこれでまた問題が起きてまいります。ですから、法律的に強行すればできなくはございませんが、これはやっぱり王道としてそういう法律で、閣議で決められており、そしてそれに政令をもってこたえて、それが初めて実施の段階に踏み切るというのが王道であろう、そういうふうな道筋をわれわれはとっていきたい、かようにいま考えておるわけでございますから、一日、二日ということは申し上げませんけれども、それ以上まだ柔軟になれと言われてもどうもそれはちょっと困ると思います。
  68. 山中郁子

    山中郁子君 私は七月三十日を一カ月延ばせ、二カ月延ばせというふうなことについてはいま何も申し上げていないんです。これはだから七月三十日は断固やってよろしいと、こういうことを言っているわけでもないんですよ。それは要するに、準備ができればできるのであって、できなきゃ実際できないんですよ。道路工事やなんかが間に合わないからそれはできないんですよ、安全ということが最高の保障ですから。だからそれは別問題です。私が申し上げましたのは、——私がさっき申し上げたことはおわかりいただけているのかいないのか、よくわからないんだけれども、いま一番大事なときだと言うのです。それで来週早々に上京してみえるわけでしょう、県議会が、それからバス協会も地元の人が。そしてお話をなさいますね。そしたら、またお帰りになって結局いろいろと話も報告もなさるでしょう。そして、こういうことでどうだということで政府の進んでいることも現地の方にも伝わるでしょう。そういう重要な時期だから、それをかぶせるみたいにもう聞いたと、帰ったと、それよろしいというようなことはやっぱり刺激もしますし、それからまた、そういうことで持ち帰られた方たちがこれで大体それじゃいけるということで積極的に納得をされるという、そういう手続じやっぱりあった方がいいと、こういうことなんです。だから、繰り返して答弁は求めませんけれども、私の申し上げた趣旨はおわかりいただいているというふうに思いますので、ぜひそういう点での政府の、やっぱり沖繩現地協力がなくしてはできないんだと、皆さんが口でおっしゃるそのことを本当に中身の問題として押さえた上で対処をしていただきたいということでございます。一言だけ答弁をお願いいたします。先生はわかっても長官がわからないとだめだ。
  69. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) いや、わかっていますけれども、いままでそういうふうな柔軟にもう対処してきたし、いろいろお話し合いもいたしましたし、大筋了解もついておることでもございますから、天候が悪くていらっしゃれなかった県会議員の方々、これの決議なり陳情というものにつきましては、これはもうぜひお会いしてお聞きすることに決してやぶさかではございません。しかし、それを持って帰って現地の反応、反響によってまたいろいろと何かが生じたからと言われても、これはまた私の方としては困ることでございまして、やはり行方定めぬような決定の仕方はこれはできません。もう来年の七月の末日にこれを実施するといたしますれば、やはり九月の中旬ぐらいまでがタイムリミットであるということを重ねて申し上げる以外にないと思います。
  70. 山中郁子

    山中郁子君 そうすると、やっぱりいまの長官の答弁の中の背景にあることは、見えて持って帰ってまた何か出てきても困ると、こうおっしゃるわけでしょう。それだったら一致していないということを認められた上での発言じゃないですか。先ほどから、もう現地一致していると思う、だから見切り発車ではないとおっしゃるけれども、いま申し上げたことに対する御答弁は、一致していないということを認めた上でおっしゃっていることでしょう。私はこれは心外です。じゃあさっきから言われていることは、あなたは違うことを言っている。現地一致していると私は確信していると、こうでしょう。だから見切り発車ではないと、こう言われるわけですよ。だったら、一カ月も二カ月もと言っているわけじゃないと、いまちょうどこういうことで微妙なふうにして事態が前進しているんだからね、そこへ対して柔軟な姿勢、私はだからあえて柔軟なという言葉を言っているんです。何日だなんていうふうに言っていないんです。そんなこと言ってもおたくの方だって答弁に困るでしょうから。そういう意味じゃなくて、やはりいま一日でもその一日、一日の取り組みの努力の中で現地のそうした意見一致させ、そして政府との関係でもみぞがあるならみぞを詰めていく、こういうことをやるのが大切な時期だということを申し上げているんです。   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕 そのことがおわかりいただけないんだったら、これは私はあなたがそういうことで政府が断固として政令は出すんだというふうになって、それが、ここまでせっかく詰めてさておいて、逆にまた現地政府に対する反発を強めさせるような結果になるだけであったら何にもならないでしょうということを申し上げているんです。そのことについては、ぜひとも先ほどおっしゃったことを機械的に押しつけるということではなくて、十分お考えをいただきたいということを強く警告もし、要望もしておきます。  それから、なぜ私がそういうことを言うかといいますと、中身の問題なんです。それでいままでも委員の方たちから御指摘もありましたけれども、要するに県民負担ではなく、国の責任でやってくださいということについて予算の問題が出てまいります。そしてこの予算について総理府に伺うと、基本的には当然そうでありますということで、実際上も予算は見ますということをおっしゃっているわけですね。ただ、具体的な問題になるとかなりの開きがあるんです。それが相当な不信感に一つはなるわけですね。先ほども申し上げましたように、那覇市におけるすみ切りの問題が一つの例です。それで私はそのことについても全部というわけにいきませんから、ちょっと二、三の目についたことについてだけ若干詰めておきたいというふうに思います。  それで、この土台になるのは、私ども調査に行きまして向こうでもいただきましたけれども、県の要請です。これと、それから概算要求の中で把握できました各省の対応ですね、これを照合して御質問をいたしますが、この中に、県の方から五十三年度の概算要求について提出いたしますとなって、「なお、市町村道に係る道路施設変更事業費等のほか一部の経費については、早急に取りまとめ更に提出いたす所存であります。」となっておりますが、十四ページですね、この点については、その後提出があったのかどうかということをちょっと初めにお尋ねをしておきたいと思います。
  71. 美野輪俊三

    説明員美野輪俊三君) いま先生御指摘のように、市町村分等につきましては追ってという要請文が出てきております。で、これにつきましては経過的に申し上げますと、本年の六月、県の方から各市町村に対しまして追加要請があるかどうかということを照会をいたしております。その件につきまして、現在まだ全市町村出ておるというふうには聞いておりません。若干まだ未提出の市町村があるようでございます。いま県の方でその辺を取りまとめ中でございます。で、私どもといたしましては、その辺につきまして県から早急にその報告を得たいと、こういう要請をいたしてございます。先ほど建設省の道路局長からちょっとお答えいたしましたように、その中で私どもが考えております基準に合致するものがありますれば精査いたしまして、それらを、しかもかつ工期の必要なものにつきましては、それをできるだけ早く着工できるという考え方のもとに本年度の補正予算においてできるだけ措置をいたしたい、このように考えておる次第でございます。
  72. 山中郁子

    山中郁子君 予算関係の細かい点に入りますその前に、一つ確認をしておきたいんですけれども、県の方はかなりいろいろと要求をした文書だとか、あるいは私どもが陳情を受けた機会などにでも強調されていることは、枠外計上をしてくれと、要するに政府の責任でやるんで特別の仕事なんだから、ほかのところにしわ寄せのないように枠外計上をしてくれと、一括ないしは枠外計上ということをかなり強く言われているんですね。これは基本的にはそういうことはお約束なされるものだと思いますけれども、それはいかがですか。
  73. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 枠外になるものも多少あるかと思いますが、政府全体の中でやりくり算段をしながら消化をいたしていきたい、原則的にはそう考えております。
  74. 山中郁子

    山中郁子君 予算の仕分けだとか、そういう具体的な問題でのいろんな問題は出てきましょうけれども、基本的な中身としては、沖繩県で、こういうふうに変更に伴って幾ら欲しいと、こう言ってきますでしょう。ああそれはつけましょうと。しかしそれは沖繩に当然出すべき補助金の中で項目としてそれをつけただけであって、結局ほかのところはその分減っていたというふうなことになったんではかないませんというのが一つの趣旨だと思うんです。そういうことはもちろん絶対にないと、実質的に全部枠外補助であるということでよろしいわけですね。
  75. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 枠外という言葉ですが……
  76. 山中郁子

    山中郁子君 まあ実質的にという意味です、いま申し上げたのは。
  77. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) この交通区分変更に対する予算づけのために、毎年度行うような必要な予算を削ってというふうなことはございません。ですから政府全体の中の枠外かというと、それは政府全体としての考えはそうではなくて、政府全体の中のやりくりの中でやりたいと、しかし、沖繩分を削ってやろうという考えではございません。
  78. 山中郁子

    山中郁子君 じゃ、まあそういうことで、予算はこたえますよと、だけれども、よくよく見たら、例年との比較や何かその他で見たら、結局はそっちを項目変えただけだったということが絶対にないということをお約束いただいたと思いますが、それは具体的な問題についても全部そのように貫徹をしていただきたいというふうに思います。  それで幾つかの具体的な問題ですが、一つは、県の要求に基づきましてですね、救急問題です。これは私は一応関係の部局からも伺いましたし、先ほど安恒委員の御質問もありました。もう一つはっきりしないので、ちょっと重ねてお尋ねをしたいんですけれども、ここでは、厚生省は概算要求にはこれ全然出していないわけですよね。この厚生省関係の県の要求に対してはつけていらっしゃらないわけなんだけれども、まあお話を伺ったところによると、これは実質的にやりますというふうに伺えたんですが、その点は、実質的にやるということは、つまりいまの枠外との関係ですね、実質的に一般的にもその救急医療ということで沖繩には当然出さなきゃならないものとは別に、この要求に見合うものとして消化しますよと、こういうふうにとってよろしいのかどうか、重ねてちょっと御答弁をお願いしたい。
  79. 岸本正裕

    説明員(岸本正裕君) いまの御質問でございますけれども、まあ救急医療と申しますのは、たとえばバスの乗車口をつけかえるというような物理的な問題でございませんで、交通方法変更に伴って初めて必要になるというような行政でございません。まあ私ども日常の行政の中での医療の確保の面からの重要な課題だというふうに考えておりますので、そういう意味では一般の施策でございます。で、私どもといたしましては、この五十二年度から、いままでの救急医療対策を抜本的に見直しまして、総合的な対策として、たとえば本年度では百億を超える予算を計上いたしました。来年度以降三カ年を目途にこれを進めているところでございます。この中で、一番初めに安恒委員の御質問に私どもの局長からもお答え申し上げましたように、この抜本的な対策の中でこれらの要求は大部分充足できるというふうにお答え申し上げたと思います。
  80. 山中郁子

    山中郁子君 そうしますと、これお手元にお持ちかどうかですけれども、県の方から出されております救急患者搬送車整備事業費、救急車専用通路の整備事業費、それぞれ三百五十万、六百万ですね、も含めて、この関係は処理できると、こういうことで理解してよろしいですか。
  81. 岸本正裕

    説明員(岸本正裕君) 救急患者の搬送車につきましては、私どもたとえば救命救急センターのような超重傷の患者を専門治療するような機関につきましては、特別に整備をした救急車、一般の救急車以上の整備をしまして、車内でもある程度の治療ができるというような救急車を整備するということが望ましいと考えております。そのための予算措置もしてございます。この搬送車を持つということにつきましては、一般的には医療法でこの患者輸送用救急用の自動車を持つということが総合病院につきましては定められているわけでございまして、そのほかにこのようなものが特に、たとえば消防本部の救急車の搬送のほかに必要であるかどうかということにつきましては、県の事情、実情等よく伺った上で、より効率的なところに使った方がよいと思います。ですから、そういうことをよく聞いて実情に合ったように考えていきたいと思います。  それから、先ほどの局長安恒委員に対しますお答えの中でも、専用道路につきましては、その医療施設の整備とちょっと違った部門でございますので、私ども直接にこの専用道路をつけるという予算は入っていないわけでございます。で、必要であれば医療機関の整備の一環といたしましての地方債ということがあろうかと思いますし、ここに書いてございますような内容で、車が込んで駐車場がいっぱいになっていると、したがって救急車の往来が非常に不都合であるというような趣旨でございますれば、また車の規制等そういう駐車場なりの運用のやり方からも解決される問題があるのではないかというふうに考えているわけでございます。まあ救急の専用の入り口をつくりますとか、専用の手術室をつくりますとか、そういうような病院の建物なり機械を整備するということにつきましては、私ども今年度からの総合的な対策の中で十分に盛り込まれているというふうに考えているわけでございます。
  82. 山中郁子

    山中郁子君 じゃ私は、ここで一つ一つそれでやって詰めるというふうなそういう趣旨でもありませんし、時間もありませんから、少なくとも厚生省は、概算要求に出てないということで、現地の方は厚生省は何にも考えてくれてないのかというふうな受けとめ方もあったんですよね。だからその辺は、いまあなたがおっしゃった、ちょっと否定的な見解を述べられたことも含めて、現地の意向に十分対応できるように努力をされるというお約束はいただきたいと思っておりますが、よろしいですか。
  83. 岸本正裕

    説明員(岸本正裕君) 私ども、救急医療というものが交通方法変更に伴って特別に必要になるという部分でないものですから、枠外というようなことで端的には出てまいりませんけれども、一般行政の中での重要課題と考えておりますから、その中で県の要望に沿うよう、県と十分に協議をしていくというつもりでございます。
  84. 山中郁子

    山中郁子君 次のちょっと開きのある問題は、同じくこれは二十一ページなんですがね、農道と林道の整備事業費の関係なんですよね。これは要求が二億七千七百万となっているんですが、これが概算要求では三千万という関係なんですわ。これちょっと事情も伺いましたけれども、余りこれはちょっと要求と差があり過ぎるんですね。それで私の方でぜひお願いをしたいことは、最初から申し上げているように、つまりこういうことが、政府の方ではいろいろ理屈があると、理屈があっていろいろおっしゃるけれども、実際にそれじゃ県がそれに伴って二億七千万要求したのに三千万しかつけてくれてないじゃないかということがなかなか解明されなくて、それがやはり不満にもなるし、いろいろな問題を起こすわけですよ。だからこの問題につきましても、さらに県の要求を詰あて、具体的に善処できるように努力をしていただくということがお約束していただけるならばそれで結構ですし、御答弁をお願いしたいと思います。
  85. 美野輪俊三

    説明員美野輪俊三君) 農道、林道につきましては、先生御指摘のような非常な要望が県の方から出されております。これは来年度の概算要求をいたすにつきまして、県の担当の部等とも十分連絡をとりまして、それでそのうち農道につきまして所要の要求をいたしたい、こういう経緯でございます。県の担当部との連絡は、私ども十分いたしながらこれまでも処置してまいりましたし、これからもまた十分県とは連絡をとりながら、協議をしながら続けていきたい、このように考えております。
  86. 山中郁子

    山中郁子君 そうしたら、あれですか、県の方でお話をなすって、二億五千万よね、要求が。それに対して三千万しかつけないということについて県は了解したという意味ですか。
  87. 美野輪俊三

    説明員美野輪俊三君) 県の方からの要望の段階では私ども特段の御相談もなかったわけでございますが、要望が出されまして、それで今度の交変事業の性格とかあるいは採択の基準とか、そういったものを十分担当の方とお話し合いをいたしました。そういうことの中で、来年度最小限必要な額として三千万円要求するという結果になっておるわけでございます。
  88. 山中郁子

    山中郁子君 どうもはっきりしないんで、ちょっと端的に答えてほしいんだけれども、県は了解したんですか。三千万でよろしゅうございますということを言ったんですか。
  89. 美野輪俊三

    説明員美野輪俊三君) いわゆる県の最高首脳あるいは県庁議というような形の中での了解ではないと思いますが、担当の農水部との連絡は私ども十分やっております。
  90. 山中郁子

    山中郁子君 私、長官、ちょっとこれぜひ聞いてほしいんですけれども、こういうことがいろいろ出てくるんですよ。というのは、私は、県と十分話し合って了解をしていただきましたと、こうおっしゃるけれども、よく実際調べてみると、やっぱり国の方がこうだ、ああだ、こうだああだと言って、結局はうんと言わざるを得ないところに追い込むんだな。そうなんですよ、本当に。全部が全部そうだと私、申しませんよ。だけれども、そういうケースはかなりあるんです。で、このケースについてもそうだとは、私はいまここで断言はしません。だけれども、二億五千万で出している要求を、担当者とお話をなすって、それで三千万で結構でございますなんて、県が言うはずないでしょう、常識的に考えても。しかもそうして、県の県知事だとか最高首脳と相談はしていませんと、担当者と話しましたと、じゃ、担当者がうんと言えるはずがないんですよ、こういうことについて。それは当然でしょう。県で出している二億五千万の要求に対して、あなたの方、三千万しかこれつけられませんよというふうに言われて、はい、わかりましたというふうに担当者が言えるはずないんですよ。だから、そこのところに何らかの無理がある。そうして、やはり何か政府の力でいろいろいろいろ言って、道理がある問題が全然ないとは言いませんけど、そういうものも含めて、やっぱり納得したりなんかしない前に結局それでもって押しつけられたと、これがやっぱり不満にもなるし、それから私は道理のある意見にもなるんだというふうに思うんです。ここのところはぜひこれからも、遅くないですから、絶対にないようにしてほしい。予算関係の間ですけれども、総務長官にちょっとひとつぜひお願いをしておきたいんですけれど。
  91. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 交通区分変更に伴う問題でございますから、一般の県が要求してくるような予算の要求の性格とは違うということもよく存じております。大体一般の県が予算の要求なりあるいは各県が要求するというふうな場合、担当な何と申しますか、一挙にやってしまおうと、実際には横並びに各県をこう見てみましても、四年間か五年間でやっているような事業を一挙にやってしまおうというふうな要望が特に多いわけでございます。この際は交通区分変更に伴う件でございますから、できるだけのことはこちらとしてもしなきゃなりませんけれども、しかし、いろいろと話し合いをいたしますと、そういう二億五千万というふうな要求額を一挙にやらなくても、年次別にやっていってもいいんじゃないかというふうに、私はこの件について詳しくは知りませんけれども、そういうふうに落ちついたのではないかと、いまの担当者の話からそういうぐあいに理解をいたします。  それから、いまおっしゃいましたような、こういうふうな食い違いが方々にあるではないか、こういうことが不満が結集して、また反対機運なりあるいは地元コンセンサスが得られない、こういうことになるとおっしゃいますが、その点は今後とも注意をいたします。
  92. 山中郁子

    山中郁子君 じゃあ重ねてですけれども、まあ長官は具体的にはよく知らないけれどもそうではないかというふうにおっしゃっているんですが、私もそういう意味では具体的な経過は知りません。だけれども、余りにも開きが大きいでしょう。そしてしかも県の責任者の了解を得たわけじゃないと、こうおっしゃってますので、ぜひともこの辺は再度誠意を持って県側と話し合っていただくということにしていただきたいと思います。それはよろしいですね、今後の問題として。
  93. 美野輪俊三

    説明員美野輪俊三君) 私どもといたしましては、この件に限らず、これまでもできるだけ県との連絡を密接にとりながら仕事を進めてまいっておるところでございますし、また今後ともそのような基本的な考え方で私どもも業務を進めていきたいと、このように考えております。
  94. 山中郁子

    山中郁子君 もう一つはですね、何回も出ておりますし私も申し上げましたいわゆるすみ切り問題停留所の変更の問題ですね、これもいま申し上げましたような具体的な問題として、私はぜひ長官にもよく事情も知っていただきたいし、再考もしていただきたいというふうに思うんです。これは、那覇市長、本当に確かにずいぶんこのことは不満に思っていらっしゃるし、私は道理がある発言だというふうに思いました。それは、この交渉の期間の中で政府は、来年の七月三十日にはやらなければいけないんだからそれまでに何ができるかと、こういうふうに攻めてくると、まあ正確な表現じゃありませんけれども、そういう意味のことを言われた、だけれども、われわれは——われわれはというのは那覇市長の言われる——われわれは交通方法変更するためには何をしなければいけないか、安全にですね、何が必要なのかと、こういうふうに考えますと、これは当然ですよね。で、そうすれば百九十カ所必要なんだというのが那覇市長の言われる主張です。それを、どうも政府考えていることは、来年の七月三十日までにしなければいけないんだから、それまでには工事としてはどのくらいができるんだと逆の方からこう言ってくると。私は、それはいろいろ御意見があると思います。反論もあると思います。だから、必ずしも政府がそういうふうに、一〇〇%そのようにおっしゃったかどうかということについてまで申し上げてませんけれども、だけれども、私は少なくともそういうふうに受け取られるような説得の仕方なり作業の進め方があったというふうに思うんです。  で、余り時間もありませんから私の方から申し上げますけれども、これは先ほど沖繩県道路施設変更調査委員会というものを設置しましたと、そして具体的な個所について調べましたと、こうおっしゃいました。だけれども、私はちょっとそういうふうには考えられません。百九十カ所の具体的な個所を視察をするということをいつどういうふうに何日にかけてなさったのか、これを知らせていただきたいと思います。
  95. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 先ほど申し上げましたように、道路施設変更調査委員会を五十一年度につくりまして、これは都立大学の井上広胤先生を委員長に、委員二十名で構成された委員会でございますが、その委員会が前後四回開かれておりまして、幹事会を含めまして前後六回、その間、沖繩現地での調査が第二回の委員会と第四回の委員会ということで委員長以下現地に赴きましていろいろつぶさに調査したわけでございますが、この委員会の中には関係者として建設省からも参画いたしております。そのために、五十一年の十月十四日の那覇市で開催された第二回の委員会におきましては、建設省から担当課長と課長補佐そのほか技官合わせて四名を派遣いたしまして、四日間にわたりまして現地をつぶさに見ております。
  96. 山中郁子

    山中郁子君 何日と何日ですか。
  97. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 十月の十二日から十五日まででございます。  それから、第四回の委員会は、これは五十二年の三月二十九日に開かれたわけでございますが、この委員会にも建設省から係長二名、そのほかに技官一名、合わせて三名を派遣いたしております。これは二十八日に那覇市内の道路を中心に調査いたしております。そういうようなことで委員会を通じまして、この間に出ました那覇市からのいろんな個所につきましては大筋調査をやっております。ただ、百九十カ所全部ことごとく回ったかというふうに言われますと、いろいろこれは図面上の判断とか、そういうものをも含めまして、同じような場所であれば調査も日程上一部省くというようなこともあるかもしれませんが、そういうようなことで中身については十分詰めて、委員会考えておりました一応変更前のサービス水準を完全に確保するということで、安全の視点から必要な範囲のものは漏れなくやるという姿勢で拾い上げた結果、那覇市の要求百九十カ所に対して二十カ所で十分やっていける——それ以上のものに対して地元からのいろいろ御希望はあると思います。この際、市内の交通安全の水準を大幅に上げたいというお気持ちはよくわかるわけでございまして、そういうものについては、また別途の措置として、自後にも十分対処していく必要があろうかと思いますが、交通方法変更に絡んで物理的に必要な範囲のものについては、十分これでやっていけるというふうに考えているわけでございます。
  98. 山中郁子

    山中郁子君 じゃ、二つお尋ねしますけれども、那覇市から百九十カ所というふうに具体的なものが出て、おたくの方がそれを把握されたのはいつかということですね、一つは。それから、全部見てないとおっしゃるけれども、それじゃ何カ所見たのか、この二つをお尋ねしたい。
  99. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 実は当時参りました課長補佐が参っておりますので、本人から実情をお答えさせたいのでございますけれども、よろしくお願いします。
  100. 佐藤清

    説明員(佐藤清君) お答えいたします。  この第二回の委員会を十月十四日に沖繩で開催いたしましたが、それに先立ちまして沖繩関係者に上京していただきまして、まず最初に図面上でいろいろ検討をしておりました。それで、この十四日の委員会に先立ちまして、私たち十二日から十三日にかけまして現地に入ったわけでございますが、手分けいたしまして、十二日には大体県道を中心に視察したわけでございます。それから十三日——前日は委員会全員がバスに乗りまして、那覇市の主要な交差点約二十カ所近く視察したんじゃないかと思っております。それからなお、次の日の委員会が十四日午前行われまして、午後時間があきましたので、午後さらに追加の個所を視察しております。
  101. 山中郁子

    山中郁子君 何カ所。
  102. 佐藤清

    説明員(佐藤清君) これは約十カ所ぐらい視察しております。それから図面につきましては百九十カ所につきまして、実は那覇市から当初図面の提出がおくれておりまして、私たち、その後東京に来ていただきましてこの百九十カ所の個所を詰めたわけでございますが、最終的にはさらにことしの四月七日とそれから四月十九日の二日間にわたりまして、那覇市の担当官数名を含めまして、沖繩県の方と東京で朝から夜の十時ごろまで一緒に図面上で検討して詰めたわけでございます。  以上でございます。
  103. 山中郁子

    山中郁子君 いろいろな御努力は私は否定するものではありませんけれども、結局三十カ所しか見てないんでしょう。百九十カ所那覇はやってほしいと出してきているんですよね。現実に百九十カ所見なければそれが必要であるとかないとかやっぱり言えないでしょう。私は、そんなこと言える人いたらお目にかかりたいですよ。そのことを言っているんですよね。で、那覇市長も、那覇の人たちもそのことを言っているんです。三十カ所も見やしないという声さえありますよ。私はそれは実際に何カ所だか一緒に御一緒したわけじゃないからわかりませんし、それにまた、この委員会だって反対者がたくさんあったと。で、皆さんあのときの現地派遣のときにも、那覇の何部長さんですか、那覇市の関係者の方も含めて一致したんですって、こうおっしゃるけれども、那覇市の方たちは反対なすったそうですよ。で、かなり反対があった、多数決で決めたんだと、こういうお話も聞いてます。それは私は聞いているということだけを申し上げておきますけれども、長官、これ百九十カ所出しているのに、結局いまお聞きのように三十カ所しか現実に見てないんですよ。それで二十カ所でよろしいという決断をしているんですね。これは私は考え直してほしいと思うんです。それはぜひお約束いただきたいんです。
  104. 小野明

    委員長小野明君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  105. 小野明

    委員長小野明君) 速記を起こして。
  106. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) いまおっしゃいました道路施設変更調査委員会でありますが、この中には、いま先生がおっしゃいましたように、琉球大学の教授も入っておりますし、県の土木部長も、那覇市の土木部長もこれは全部入っているわけです。入っておられまして、専門家同士の話し合いの結果、一応そういうふうな個所数というものが決まったわけでございまして……
  107. 山中郁子

    山中郁子君 多数決で決めた。
  108. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) それは別といたしまして……
  109. 山中郁子

    山中郁子君 別……
  110. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 私の答弁中ですから、余り言われないように。
  111. 山中郁子

    山中郁子君 失礼いたしました。これは不規則発言です。
  112. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) そういうことでございまして、私の方といたしましては、先ほど建設省の局長が申し上げましたように、一応来年の七月末までには二十カ所をきれいにやり遂げることによって交通の安全が確保できる、その後の問題は、これは問題としてまたひとつより一層の交通安全確保のためにやっていこうではないかということを建設省の道路局長が申し上げましたけれども、そのとおりに考えておる次第でございます。
  113. 山中郁子

    山中郁子君 じゃあ、もう一つぜひお願いをしたいのは、いま長官もおわかりになったと思います、三十カ所しか実際に見てないと。で、それは百九十カ所何が何でも全部やらなくちゃいけないのかどうかということについて、私はどうこういま言いません。だけれども、実際に現地の支持とか現地了解とか協力を得なければならない一番重要な問題の一つについて、実際には三十カ所しか見ないと。それで、いま長官が言われたように、私もそのメンバーというのは伺っております。で、いろんな専門家の方も入っていらっしゃる。だけれども、いま申し上げましたように、必ずしも全部が賛成して、これでいいということになったわけじゃないというふうに私は聞いております。それで、ただ那覇市の関係の方たちが反対したというんじゃなくて、そのほかの方で第三者的な方についても、やはり反対をなさっているという方もあると聞いております。ですから、ぜひともその点はもう一度その経過もよく調べてもいただきたいと思います。そうして、いま私がこれを二十カ所を三十カ所にしろとか、五十カ所にしろとかと申し上げる筋合いのことではありませんけれども、ここで現地の要求との関係で、より道理のある、要求が正しい形で政府において措置されるということでもって、ぜひ見直しもしていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。よろしゅうございますか。御答弁を。
  114. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 先ほど道路局長が申し上げましたように、全然必要のない個所が百九十カ所挙がっているわけじゃないんであります。ただ来年の七月末日までにどうしてもやらなきゃならぬという個所が二十カ所ということでございますから、その後、そういうふうなよりベターであると、交通安全のために、それは見直してやってまいりたいと。先ほどの道路局長の答弁のとおりでございますから、そのように御理解願います。
  115. 山中郁子

    山中郁子君 じゃあ、建設省に重ねてお願いをいたしますが、先ほど三十カ所しか見ていないということについては、私の方から申し上げました。それで、ぜひとももう一度よくこのことについては見直しもしていただきたいし、現地要望に沿った形で善処をさらに進めていただきたいということを建設省の方にもお願いをしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  116. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 三十カ所でなくて二十カ所でございますけれども、二十カ所については、来年の七月までに間に合うように、これはぜひ何としてもやらなきゃいかぬというふうに考えております。  それから、百九十カ所のうち、まあいろいろ現地で見れなかったものは大きな図面で一々チェックしてやったもので、委員会の結論に従って、当面は交通安全上支障ないということで一応見送った事業でございますが、交通安全の視点から中には自後にわたってもなるべく早くつくった方がいいようなところもあるかと思います。そういうようなところは、なるべく緊急順位をつけて、早い時点でそういうものを改善していくというような努力はしたいというふうに考えております。
  117. 山中郁子

    山中郁子君 私は、余り時間もないですから、そういうことにしておいてもいいという気もしますけれども、やっぱり現地を見ないで決めたんですよ、二十カ所。こういう態度は改めてほしいということをいま申し上げているんです。だって、それは見なきゃわからないですよね。市が全然でたらめなことを言ったとは思ってないとおっしゃるわけでしょう。だったら、その現地を——少なくともこれだけの委員の人を決めて、ここで決めたんだから権威があるんだとおっしゃって権威を持たせるからには、姿勢として、少なくとも現地で言っていることについては、実際にも見て、そして誠意のある判断をしていただくということがなければ私はだめだというふうに思うんです。それは私、やっぱりどうしてももう少しフランクにそのことについては御答弁をいただきたい。やっぱりいただきたいですわ。この問題についての善処は、その御答弁の中に含まれると思いますし、私もまた具体的にも問題も提起していきたいとは思いますけれども、この委員会ということでなしに。でも、そのことはぜひやっぱりしていただくというふうに、それは長官に御答弁いただきたいです。そういう姿勢ですね。
  118. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 先ほどから申し上げているように、百九十カ所というものが何もでたらめに沖繩那覇市の方から出されたものではないと思います。これを全部やればベターであることは間違いないことだと思うんです。ですから、それは一応二十カ所は来年に間に合うようにやりますけれども、あとは漸次優先順序をつくってやっていこう、これが百九十カ所になるのか、百六十カ所になるのか、百三十カ所になるのか、これはまあわかりませんけれども、しかし、それはやっていこう、こういうことでございますから、先生がいまおっしゃいましたように、三十カ所しか見てない中の二十カ所しか決めなかったではないか、あとの百六十カ所を見ないで、何でそれがだめだと言えるのかと、こうはおっしゃいますが、専門家の集まりでございますからね、これは……
  119. 山中郁子

    山中郁子君 専門家だってそんなことわかるはずがないでしょう。
  120. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) いや、現地の人もたくさんおるんですからね、これ。現地の人もたくさんおるんですから、そういう現地の人をたくさん交えた専門家の集まりでございますから、その中でそういう判断が一応なされたということでございますし、それからまた、あとは全然手を触れないということを申し上げているわけではないのでございますので、その点は御理解願いたいと思います。
  121. 山中郁子

    山中郁子君 それ、委員会が出した結論ですから、総務長官がそれがどうこうというふうにおっしゃれないということは私はわからないではありません。だけれども、実際に見ないで、どんな専門家だって見ないでそれが妥当であるかないかなんてのはわかりっこないですよ、そんなことは。私はその姿勢のことを申し上げているんです。そして、現地の方は反対したと言っているんです。それは聞いているんです。それはお調べになればわかるんです。全員一致でこれが決まったわけじゃないの。私はそのことを再度申し上げておきます。それで、一事が万事ということがあるけれども、そういうことで、現地が言ったことを見もしないで二十カ所でよろしいなんというふうに決めている経過自体が、だからこういう問題がいろいろ出てきますということを申し上げています。だから、そのことについては十分理解もいただいていると思いますし、またその自後の問題として実質的に改善をしていくというお約束もありますけれども、私は、この点については再度見直すべきだということを強く主張いたします。これは大変重大な問題だと思っております。  そのほかにありますけれども、時間もありませんので、最後に記念事業の問題と、もう一点御意見を伺っておきたいことがございます。  記念事業の問題については、前に御質問もありましたし、それから長官からも先ほど見切り発車の三つの要件の中に入れておられました。ですから、政府としてはこの記念事業については、具体的な問題その他は今後の問題としてあるけれども、この記念事業については基本的には了解をした、そういう意向を述べていらっしゃるというふうに私は理解をいたします。そのことについて、ぜひ積極的な取り組みも進めていただきたいし、県民の期待にこたえる方向での努力もお約束をいただければ幸いです。  それからもう一つは、県と市と一致をしたと、七月三十日実現ということで一致したというふうに聞いていますとおっしゃいました。私も聞いてはいますが、必ずしも七月三十日でできます、やりましょうと——市の方がですね、必ずしもそういうふうにかっちりしたものではないというふうにも聞いているんです。その辺は何か、たとえば記録的な意味で確認をされている材料をお持ちかどうかということも含めて、判断を重ねてお伺いしたい。
  122. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 私の方の沖繩開発庁の出先であります総合事務局の方から、県と那覇市との間にかねて意見の不一致が見られたが、九月五日に両者が話し合った結果、大筋において合意が成立した、こういうふうな報告があったわけでございます。それから野島さんという副知事が近くお見えになりまして、この会談についても総理府並びに沖繩開発庁の方に報告する、こういう電話連絡がございました。それで先ほどから私は、大筋において合意をしたということを何回も申し上げている次第でございます。
  123. 山中郁子

    山中郁子君 記念事業のこと。
  124. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 記念事業に関しましては、先ほど来から何回も申し上げましたが、これはまず調査費をつけませんとどうにもなりません。特に緊急病院に関しましては、非常にまだ県医師会の方との話し合いだとかあるいは敷地の問題だとか、現在進めておる厚生省の緊急対策、そういうふうな問題との関連だとかいろいろな問題がございますので、そういう意味調査費をつけて、まず調査研究をしようじゃないか。それから第一の交通センター、これは交通公園ということと一緒でございますが、これにつきましても五カ所ということでございますが、まず調査費をつけて研究していこう。第二番目の方は、すでに調査費もつけております。一番、三番につきましては、そういうことで新しく追加要求で研究調査費をつけていこう、こういう考えでございます。
  125. 小野明

    委員長小野明君) 山中君、締めくくってください。
  126. 山中郁子

    山中郁子君 最後です。  何回も申し上げましたけれども、その記念事業も含めて現地要望を十分政府としては積極的に受けとめて、そして実現をするということが総論です。何回もおっしゃいました。だけれども、いまたとえば具体的に私は幾つか申し上げました。そのことについては、そうしたことの集積が問題の解決をおくらせるいままでの要因にもなっていたということは、かなり私はいままで調査も含めて明らかになってきているというふうに思います。そこのところについては、ほんとに実質的にそうした問題を解決していくという姿勢が政府には大事だということは、きょうの御答弁を伺っても私はさらに痛感をいたしました。ということは、必ずしもそこがまだまだ十分わかってはいらっしゃらないということを私は言わざるを得ないという面があります。全然その御努力を認めないということでは決してありませんよ。だけれども、そういうことは言わざるを得ない。しかし、いずれにしても総論は繰り返してそういうふうに先ほどからおっしゃっているわけですから、本当に沖繩県民の皆さんが納得もし、そして安全を第一として、そして予定どおりできればそれにこしたことはないわけですから、そのために実質的によい方法をとる、そのことの努力をやっていただくということを私は強く重ねて申し上げまして質問を終わります。     —————————————
  127. 小野明

    委員長小野明君) 委員異動について御報告いたします。  本日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君が選任されました。     —————————————
  128. 田渕哲也

    田渕哲也君 まず、総務長官にお伺いします。先ほどから見切り発車の問題がいろいろ議論されておりますが、見切り発車とは何か、どういう状態なら見切り発車でないのか、この辺が少しまだあいまいな気がするわけです。私は、最低限度沖繩の県並びに市町村、これが合意する、それから、この交通方法変更に特に関係の深い民間団体が合意する、これが必要だと思うんですね。  それからもう一つは、先ほどから大筋において合意したというような御答弁をいただいておりますが、大筋においてというのは一体どういうことなのか。七月実施することはいいとしても、それに対していろいろ条件があるわけですね。私は、少なくとも条件について合意しないと本当に合意したことにならないんじゃないか。だから、条件についても合意ができる、しかもそれが県並びに各市町村関係の深い諸団体、これが全部合意して出発して初めてこれは見切り発車でないということが言えると思いますけれども、この点についての御見解をお伺いをしたいと思います。
  129. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 県並びに関係市町村ということになりますれば、その代表的であるところの県と那覇市が五日に話し合いをいたしまして、先ほど来申し上げましたように、大筋というところに何か御疑問がおありになるようでありますが、大筋において合意した次第でございます。それからまた、県のバス協会、それからタクシー業界、そういうふうな関係業者の団体も、これも合意を得ておるということでございます。  それから、大筋とは何だ、何かそこに条件の食い違いがあるのではないかとおっしゃいますけれども、これは七月三十日にこの政令実施、施行しようということについては合意を得た。ただ、いまから、これも報告の内容でございますので、実際には直接聞いておりませんけれども、工事が間に合うかどうか、そういう点において沖繩県並びに市の方においても多少の疑問はまだ持たれておる、しかし全力を挙げてやれば間に合うではないか、こういうふうな話し合いをされたように聞いておりますので、その辺が、問題が間に合わないんじゃないか、間に合うんではないか、こういうふうな点が議論なされているように聞いておりますので、そのほかに、特に条件的にこうしてくれなければ合意しないとか、そういうことではない、このように思っております。
  130. 田渕哲也

    田渕哲也君 那覇市の問題を言われましたけれども、沖繩市も反対しておったということを聞いております。だから、私が言いましたように、やっぱり少なくとも沖繩の各地方自治体が合意する、これが必要だと思います。  それから、関係の深い団体ですね。この点についてはそのとおりだと思われますか。それをやってこそ見切り発車ではないと言える。
  131. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) おっしゃるとおりだと思います。そういう点で合意が得られてこそ見切り発車ではない、かように思います。
  132. 田渕哲也

    田渕哲也君 総務長官は来年の七月三十日の実施の線は大体動かす意向はないようにお見受けしております。そうすると、タイムリミットとして九月の中ごろまでには政令を出さなくてはならない。あと幾ばくもないわけでありますけれども、この間に行うべき手順として何が残されておることになりますか、そうしますと。
  133. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) 本日ないしあしたごろ上京されるという予定であったところの県議会のこの問題に対する代表者、これとの話し合いが一つございます。これは何か決議を持ってこられるということでございますので、これが一つございます。あとは、これは政府部内の手続が残っておるということでございます。
  134. 田渕哲也

    田渕哲也君 そうすると、今月の中ごろまでのあと数日間に、私が言いましたような沖繩の各地方団体、地方自治体と関係諸団体との間に完全に合意ができる、こういう見通しをお持ちというふうに理解していいわけですか。
  135. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) そのとおりでございます。
  136. 田渕哲也

    田渕哲也君 次に、交通安全対策の問題についてお伺いをします。  やはり右側通行が左側に変わるというのは、これは非常にむずかしいいろいろな難問がたくさん出てくると思うんです。本土と同じような普通の状態のところでも、これは非常に混乱があるだろう。したがって、できるだけそういう場合の事故とか、あるいは混乱を避けるためには環境というものがある程度よくなきゃならぬ。沖繩でいいますと、一つは道路の質ですね、交通安全面からいった道路の質、それからもう一つは、道路の量、これは混雑と非常に関係があるわけであります。それから交補道徳、マナーの問題、このそれぞれ三つの大きな要素をとってみましても、沖繩の水準は余り環境がいいとは言えない。道路の質というのは歩道の設置率とか、あるいは道路の舗装率ということになります。特に国道、県道では本土より悪い。それから自動車一台当たり道路延長、全面積当たり道路延長、これも本土より悪い。交通マナーは先ほどからいろいろ論議がありましたように、これも非常に悪い。だから、こういうきわめて条件の悪い中で交通方法変更をやらなくてはならない。これは非常に問題だと思うわけですね。この点はいかがですか。
  137. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 御指摘の点ですが、道路整備率は御指摘のように一般国道、都道府県道で見ますと、確かに全国に比べまして、全国が舗装率で七五%に対しまして沖繩が六八%でちょっと低いわけでございますが、歩道の設置率にいたしますと、全国一五・四%に対して沖繩が一五・七、若干沖繩が上回っているわけでございます。市町村道につきましては、全国が舗装率二七%に対して沖繩が四〇%、非常に高い舗装率になっております。それから歩道設置率はほぼ市町村道については同じ、若干沖繩が高い程度のことでございます。  そういった現状でございますが、御指摘のように沖繩自動車一台当たり道路延長が非常に低いという実情がございます。そういう意味では交通事情は内地に比べて厳しいと思います。そういうこともございまして、道路整備の水準を上げるべくここ数年かなりな努力をしてまいってきておりまして、ここ五年間の伸びは本土が大体五〇%の道路事業の伸びに対しまして、沖繩は一二五%伸ばしてきているというようなことで、だんだん追いつくべく努力をしてまいって、ほぼ内地水準と見合う姿になったというふうに考えておるわけでございますが、ただ一点気がかりなのは、一台当たり道路延長ということで、道路密度が低いことによって車の密度が高まるということで、これにつきましては、今後そういう事情も十分配慮しながら、これから新しい五カ年計画を来年から組もうといたしております。その中でできるだけ早く改善してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  138. 田渕哲也

    田渕哲也君 私は先ほどからの論議を聞いておりまして感じたことは、たとえばすみ切りの問題にしても、基本的な考え方は現状と同程度のものにする。つまり右が左に変わった状態で現状と同程度のサービス水準、こういうことを言われておりました。私はこういう発想そのものにちょっと問題があるような気がするわけです。もともと左を走っているものなら現状の同程度で何も問題ないわけですけれども、右を左に変えるわけですね。そうすると、いままで右側を通って曲がっていた車が今度は左側を通って曲がる。歩行者の側からいっても、いままで思いもかけなかったところから車が曲がってくる。そうすると、見通しにしたって、何にしたって、いまの水準よりよくしておかないと危ないじゃないかと思うんです。だから、基本的に現状と同程度の変更前のサービス水準を基本に考えているということは、まずこれは疑問に思うわけです。  それから道路の条件にしても、大分本土並みにとかなんとかいうことを言われていますけれども、私は本土よりいい条件にしておかないと、こんな危険なことはできないんじゃないかという気がするわけです。もちろん会社に対する補償とかそういうものは、バスとかタクシーとか業者に対する補償というものは、これによって損害を与えない、同時に利益も与えない、こういう方針を聞いておりますけれども、これはそれで当然だと思います。ただ、交通安全の面につきましては、やっぱり現状と同程度の水準をつくるということだけでは私は不十分ではないかと思う。そういう意味では、このすみ切りの問題も私はもう一遍再考すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  139. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) それでは若干詳しく説明さしていただきますが、同程度の水準と申し上げましたけれども、実は委員会考えております採択の基準の中は、大きく五つぐらいに分かれておりまして、中央分離帯の交差点部分の右折待ち合わせ車線を左折に切りかえるというような中央分離帯の切り欠きの問題、あるいはすみ切りの問題とか、それから大きな交差点につきましては、導流島の設計が全部変わりますので、それはこの際全部改めると同時に若干改善の方向でレベルアップをするとか、あるいは交差点の面積が非常に大きいようなところでは十分な設計に交差点を新しくつくり直すというようなことも含めまして、なべて事前の水準ということですが、事前の水準よりは若干よくなるというふうに考えておりますし、それから、標識、区画線その他の手当てはかなり手厚くやるつもりでございますので、そういう面でかなりカバーされるということもございます。  それからすみ切りの点で先ほど来いろいろお話しになっているわけですが、実は那覇市あたりの御要望は、たとえばすみ切りは、四つ角になっておりますのを、四つ角がそれぞれ一定のRでかかれておると、それを車が左折する場合と右折する場合で、全部要するに回し条件ならば、右から行く場合、左から行く場合、完全な同じ条件になるわけでございますが、そういうところも、この際、周辺の家の移転も含めて全部移転さして大きな角欠きをするような御要望のあるのが大部分でございまして、そうしますと、やはりこれから——そういうことはやれればベターでありますが、現状の条件から言いますと、同じようなことになるわけでございまして、これは将来にわたって必要に応じてやっていくということで、できるだけ前向きで取り組みたいとは思いますが、交通方法変更までの間にそういう商店の移転とか、そういうものを含めてやるのはなかなか困難な事情もございますし、また移転してもらうにつきましても、商店の事情等もありますし、非常に大きな問題も抱えておるわけでございまして、そういう問題は逐次前向きで解決していきたいと。沖繩交通事情の悪いこともよくわかりますので、そういう趣旨でこれを機会に交通安全のレベルの上がるような交差点改良は積極的に取り上げていくという姿勢で今後まいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  140. 田渕哲也

    田渕哲也君 私が申し上げたいのは、やはり右を左に変えるという、こういう非常に大きな事業ですね。これをやるには、もう少し環境の整備をして、たとえば歩道の設置率とか、あるいは横断歩道橋とか、そういうものも本土に比べてやっぱりうんと上の水準にしておかないと危ないような気がするわけです。交通マナーにしてもそうです。それからいまのすみ切りの問題でもそうですけれども、そういう環境の水準を上げておいてやらないと、やはり事故の発生率が多くなる。右を左に変えたことによる混乱と事故の発生率が多くなる。つまり犠牲者がふえるということです。そういう点から見ると、私は現状非常に不安な要素が多いように思います。だから、来年の七月三十日を既定の方針として、それまでに間に合わないからやむを得ないんだというのは全く逆転した発想であって、間に合わないなら、安全をやっぱり最大考えて延ばすということも考えるべきではないか、このように思うわけです。余り時間がありませんから、この点については政府の検討を求めるということにしておきたいと思いますし、それから交通マナーとか、その他の面についても、できる限り急ピッチで改善できるような手を打ってもらいたい、この点を要望しておきたいと思います。  それから次に、バスの補償の問題についてまだ若干未調整の部分が残っておるということでしたけれども、バス代替助成の基準、それから融資、この点についてはもう動かされないのかどうか。  それから先ほどの自動車局長のお話では、減価償却と金利負担について考慮が必要だ。そうすると、減価償却、金利負担に対する補助金ですね。補助金をプラスアルファすることで大体バス協会との話し合いがつくのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  141. 中村四郎

    説明員中村四郎君) バスにつきましては、ただいま先生が仰せられたような線で、バス事業者団体と私どもの間で話がつくものと思っております。それからタクシーにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、現在の要求内容で大体話がついておるわけでございます。
  142. 田渕哲也

    田渕哲也君 そうすると、減価償却や金利負担補助金は、どういうかっこうで出るということになりますか。これ何年かにわたって長期的にめんどう見るということになりますか。
  143. 中村四郎

    説明員中村四郎君) いまのお尋ねの点でございますが、そういった交通方法変更がない場合とあった場合との減価償却費なり、金利負担という経費についての相互比較をいたしまして、そしてその交付につきまして、いかなる方法でやるかということについては、今後さらに実情に合ったような方法をとりたいというふうに考えております。
  144. 田渕哲也

    田渕哲也君 最後に、運輸省並びに通産省にお伺いをしたいと思いますが、現地沖繩自動車販売協会から、バス並びにタクシーに一度に新車の需要がたくさん出るわけですけれども、一度に出るということは、今後何年間かもう注文がないということになる。だから、これはぜひ現地の販売業者を通じてこれが販売できるようにしてもらいたい。メーカーから直納とか、他の業者を通じて売るようなことはやめてもらいたい、こういう要望が出ておりますけれども、この点についてどう考えられるか、あるいはどういう指導をされるかお伺いをしたいと思います。  同時に、この中古車の処分についてどうなるのか。これは非常に現地でもよくわからないようでしたけれども、バスタクシーを大量に代替した場合の中古車ですね。これは左ハンドルですから、国内ではまず売れない。古いものはスクラップにするということになるでしょうけれども、新しいものについては外国に売らなくてはならない。これについてどうするのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  145. 中村四郎

    説明員中村四郎君) 県内の販売業者から調達することにつきましては、現在現地で運輸事業者と県内の販売業者との間で話し合いを進めているというふうに聞いております。  私どもといたしましては、代替車両の調達につきまして、これは販売業者と購入業者との間の問題でございますが、双方の事情を踏まえまして、円滑にいくような指導をしてまいりたいというふうに考えております。  それから現存車両の処分についてのお尋ねでございますが、代替した後廃車されるわけでありますけれども、これらの車両をどういうふうな処分にするかというのは事業者が判断することが先決でございますが、年式の古い車両については、あるいは使用度の高いタクシー車両については他に転用するというのは非常にむずかしいと思います。やはりスクラップ化するほか道がないんじゃないかと思います。そこで、比較的年式の新しい車両について、これが関係方面ともいろいろ御相談しまして、また事業者の意見も聞きまして、他に転売する道を考究してまいりたいというふうに思っております。
  146. 浜岡平一

    説明員(浜岡平一君) お答え申し上げます。  第一点につきましては、地場企業の経済活動の機会を極力確保するという観点から、直納というようなことのないよう関係業界を指導してまいりたいというぐあいに思っております。  それから第二点の中古車の輸出の問題でございますが、現在中古車の輸出につきましては輸出貿易管理令で承認制度をしいておりまして、きちんと整備されたものに限って輸出できるという仕組みになっておりますが、大体年間一万五千台ぐらい輸出が行われております。左ハンドルでございますから輸出の機会は一般のものより多いというぐあいに思いますので、必要ございます場合には関係の企業あるいは輸出先との間のあっせん等を行いまして、きちんと整備されたことを確かめながらスムーズな合理的な輸出が必要な場合には行われるように処置をいたしたいというぐあいに思っておるわけでございます。
  147. 小野明

    委員長小野明君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  148. 小野明

    委員長小野明君) 次に、沖繩県における交通方法変更に関する決議の件についてお諮りいたします。  先ほどの理事会において協議いたしました結果、沖繩県における交通方法変更に関する決議を行うことに意見一致いたしました。この際、便宜私から、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの共同提案に係る沖繩県における交通方法変更に関する決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。    沖繩県における交通方法変更に関する決議(案)   沖繩県における交通方法変更については、昭和五十三年七月末実施閣議決定)を目途として各般の施策が進められているが、その実施に当たつては、県民生活に与える影響に対する十分な配慮交通安全確保のための適切な措置を講ずる必要がある。   また、沖繩県県内市町村及び民間各層の一致した協力体制を確立することも極めて重要である。しかしながら、現在の県下の諸情勢は、県民意思の統一も十分でなく、幾多の問題が山積している状況で、厳しい条件のもとにおかれている。   よつて政府は、県内体制の整備を積極的に進めるとともに、必要な財政措置特別事業実現教育指導の徹底等の諸施策を強力に推進し、県民一致協力のもと、本事業が円滑に実施されるよう格段の努力をすべきである。   右決議する。  以上でございます。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 小野明

    委員長小野明君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただいまの決議に対し、藤田総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。藤田総理府総務長官。
  150. 藤田正明

    国務大臣藤田正明君) ただいま採択されました決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして努力をいたしてまいりたいと考えます。
  151. 小野明

    委員長小野明君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時四分散会