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説明員(
遠藤哲也君) 去る六月二十二日のいわゆるフレーザー
委員会におきます金炯旭証言に基づきまして、金炯旭証言の大半の部分は、
先生御
承知のとおり、米韓
関係であったのでございますけれ
ども、その中でいわゆる金大中
事件に触れておる部分がございまして、この金大中
事件に触れております部分につきましては、これは前通常国会等々でも
答弁申し上げましたように、金炯旭さん
自身、金大中
事件が起こりましたときにはすでに中央情報部長やめておられて、すでに
アメリカにおったわけでございまして、いわゆる伝聞と言いますか、そういったことが多いわけだと思うわけでございますが、しかしながら金炯旭さんが証言しました金大中
事件に関する大半の部分というのは、いわゆる金大中
事件のときの在日公使でありました金在権氏、そこから聞いたと、こういうことになっておるわけでございます。そこで、金在権氏にコンタクトしようと——これは警察庁からの依頼を受けまして金在権氏にコンタクトしようということになりまして、まず
アメリカの国務省を通じまして二つのことを聞いたわけでございます。
一つは、何分にも金在権氏
自身アメリカにおるものでございますから、
アメリカに日本の
関係当局の者が行って金在権から事情聴取をすることがいいかどうか。一種の公権力の行使になるものでございますから、
アメリカ政府の同意が要ると。この同意の点についてはどうかと、この点が第一点でございます。
それから第二点は、それじゃもし
アメリカ政府がそれに同意をしてくれるならば、金在権さんは日本側の事情聴取に応じてくれるかどうかと、こういう点、この点は金在権氏
自身の意向でございますから、もし
アメリカ側のいわゆる日本側の事情聴取に対しての同意が得られるならば金在権氏
自身の意向を確かめてくれと、こういうふうな依頼をしたわけでございます。これは七月の初めであったかと私記憶しております。それに対しまして八月の十七日、これは向こうの時間でございますが、
アメリカ国務省から在米日本大使館に対して回答がございまして、その回答は次のようなとおりであったわけでございます。
一つは、
アメリカ政府としては、日本側が
関係当局の者を送って金在権氏から任意の事情聴取することに異議はないと。したがって、金在権氏に
アメリカ側が接触をして金在権氏の意向を確かめたと。その結果金在権氏の意向は次のとおりであったと。つまり、
一つは金在権氏
自身としては日本側の事情聴取に応ずべき理由は見当たらないと思うと、しかしながら他方応じないというわけでもないと、応じることに反対するわけでもない、これが第一点でございます。
第二点は、しかしながら金在権氏
自身の家族がいまや
アメリカで新しい生活を設定しようとしておるんで、パブリシティーが与えられることについてはいやだと、したがって
アメリカで事情聴取に応ずることはいやだと、こういうふうな返事が八月十七日に届けられたわけでございます。それに対しまして再び日本側の方から
アメリカの国務省を通じまして、これは目下照会しているわけでございますけれ
ども、それでは一体金在権氏はいつごろ海外に出る予定なのか、それからもう
一つは場所の問題を含めまして、一体どうい条件が満たされれば日本側の任意事情聴取に応じてくれるのかと、こういうことをいま照会しておるところでございます。これは先ほど申しましたように、ワシントン時間で八月の十七日に回答が寄せられまして、八月の二十何日か、ちょっと正確な日にちは忘れましたが、照会しておるわけでございまして、まだいまのところは返答が寄せられてない
状況でございます。しかしながら、私
ども日本政府としましては、なるべく早い時期に金在権氏からの事情聴取を行いたいと、こういうふうなことを考えておるわけでございます。