○中山
太郎君 私は、自由民主党を代表して、
政府にお尋ねをいたしたい。
まず、お尋ねをいたす前に、私は、いまの
日本の経済の状態、これは
政府の方々もよく御存じだと思いますけれども、景気が非常に悪いということは、これは現実の否定しがたい事実だろうと思います。特に、鉄鋼、繊維、合成樹脂、紙、こういうものの在庫が急増しておる。民間企業の方は縮小均衡に入って、経営というものを非常に合理化しているために大幅な設備投資もやらない、さらに景気がそれを受けて沈滞をしていくという一つの循環サイクルをとっているのじゃないか。金融面から見ると、そういうふうなものを受けて、けさの日経にも出ていますけれども、銀行に対する民間の設備投資の融資の要求が去年と比べると非常に落ちている。企業は過去の蓄積を食いながら経営をやっている。こういうことで、まあ景気のいいというのは、自動車工業、あるいは今回の日米会談でも問題になったテレビの輸出等の特殊な業界に限っています。先般、
日本銀行の公定歩合の引き下げが〇・五%おくれましたが、
福田総理も国会で御答弁なさったように、あの〇・五%の公定歩合の引き下げは少し時期が遅かったということを
政府を代表してお述べになった。こういうことで、景気の問題が非常におもしろくないという現実の姿。
さらに、外交的には、これはもう野党、与党ということなく、漁業の沿岸二百海里宣言をめぐって、北方の
日本の漁民たちというものは、これからの
生活というものは一体どうなのかという不安を非常に深くしている。きょうもそれについて野党の方からも厳しい
政府への要望が行われている。また、この国会で農林大臣に面会を求めてソ連の代表者が国会までやってきている。
一方、われわれが最も友好親善を努めているアメリカが、核燃料の再生処理をめぐって、
日本がいよいよ待望の核再生処理の工場が完成するという前に、昨年の核拡散防止条約の批准、これはもう六、七年の歳月が署名後かかった。その当時の三木
総理は、どんなことがあってもこれだけは
自分の内閣の手でこの国会で承認をしてもらいたい。そのときの
政府側のわれわれ国会議員に対する
説明では、これを批准しても
日本は平和利用には全然影響がないんだと、こういう
説明が十分なされておりましたし、
科学技術庁の職員もそういうふうな
説明をしておりました。しかし、一年たった今日、全然様子が変わってくる。大統領がかわり、アメリカ
政府がかわると、新しい
政府の
考え方というものが極度に変わってくる。これが今日の日米間の大きな課題でありましょう。これについてカーター大統領と
福田総理がとにかく突っ込んだ話し合いをされる。ここで二年間凍結をするというようなお話がございました。
一方、OPECは、昨年末に一バーレル当たりの単価を引き上げてくる。
考えてみると、今日ほど
日本を取り巻く状態というものが最近悪いときはないのじゃなかろうか。内一憂外患こもごも至るという言葉がございますけれども、
日本国民というものは、新聞、テレビ、いろんなものを通じて、
日本というものがこれから先一体どうなるんだと、こういう大きな不安。経営者は設備投資をやらない。また、最近、環境庁が環境アセスメント法というものを出して、非常に厳しい公害規制に関する新しい法を立法化しようとしている。それじゃもうなかなか民間設備投資ということは先行きを考えるとしにくいなあという気持ちが私は今日の
日本の現実の気持ちだろうと思うのです。
また、教育の面を見ても、先般阪神地区の公聴会で公述になった大阪衛星都市の市長会の会長の木崎公述人の公述によると、地方都市では財政逼迫、さらに老人がふえて、いわゆる養老のための経費が莫大に増大してくる。あるいは、保育所一校下当たり一保育所をつくる。そこに子供を預けに来る最近の
傾向では、夫婦二人の共かせぎの夫婦が所得を計算してみると五十万円ある。その五十万の所得を月収有する夫婦が、
自分の子供を保育所に預けに来るんだ。
この新しい
日本の
社会情勢というものを踏まえて、一体
日本はどうなるんだという観点に立って、昨年末に登場した
福田内閣は、
協調と
連帯の
精神でひとつやっていこうとということを内閣が発足当時に
国民に向かって宣言をされた。そういう宣言の中で、私はあえて言うならば、いまの
日本は苦悩している、悩んでいる。繊維産業にしても、合繊にしても、造船下請、いろんな企業にしても、過去の
高度成長期にあった
日本の輸出にパンチ力の強い企業というものは、いまもうかってのイギリスのランカシャーの紡績のように落ちぶれていこうとしている。そこへ働いている
労働者、下請の従業員、もう切れる者はみんな切ったと、残っているのは優秀な技術者だけだというのが、その地方公聴会での現場の意見でありました。
こういう点を踏まえていまイギリスと
日本を比べてみると、イギリスはとにかく
日本から融資を受けるような、まあ
労働党
政府の政策の失敗でしょう、そういうふうな姿になっておりますけれども、
日本とイギリスの苦悩を比べてみて私は一つ違うところがあると思います。それは何か。それはやはり北海油田という一つのイギリス
国民にとっては夢がある。これが一九八0年代には完成すると、イギリスはかつて輸入に仰いでおった油を全部自国の石油によって賄うことができる。そこで、イギリスは再び経済勢力を挽回する可能性があるだろうと思いますけれども、そういう点について、いまここで
福田内閣は
国民に向かって
自分たちが主張している安定経済成長政策というもの、つまり、年率経済の成長率が実質六%、消費者物価の値上がりを五十年代の後半五%と抑えていって、
国民がそれに協力をしてくれたら、一体これから先の
国民生活はどうなるかということが具体的にまだ示されていないと思うのであります。経営者もその企業に働く勤労者もこれがわからない。きょうは、こういう一つの前提に立って私ば質問をさしていただきたい。
まず、私は、可変的な要素と不変的な要素というものが政策を立てる上にあると思います。まず、不変的な要素からひとつ確認をしてみたい。厚生省の
人口問題研究所の所長お越しですか。――前へ出てください。厚生省の
人口問題研究所の所長にお尋ねしますけれども、
政府のデータの中で、絶対に狂わないとは言いませんけれども、ほとんど誤差のない確実な予測データというものは、私は人口に関する数値だろうと思います。それで、ひとっこれから
昭和六十年、つまりあと八年後の
日本の人口構成、それからその中では就学児童数もあれば、生産人口数もあるし、老人の人口数もある。それをひとつお答え願いたいこと。それから世帯構成員数はいまたしか三・八人ぐらいですけれども、それが一体一世帯どれぐらいになるのか。まず、そこまでをひとつお答えを願いたいと思います。