○和田春生君 大体いまの
大臣の御答弁で、この
法案に対する疑問点は氷解をいたしました。
法案としてはできがよくないように思えますが、
暫定立法であるという形で、そうなりますと、懸念をしておった点は
政令の活用並びにいまの御
説明によって大体解消をするのではないかというふうに
考えているわけでございます。
そこで、この問題はいまの確認の上に立ちまして、
大臣かなりお疲れでございましょうが、あさっての負担を軽くいたしますために、次に多少政策的な問題についてお伺いをしたいと思います。といいますのは、
領海十二海里、
漁業水域二百海里をやりましても、いまのところ
外国の
漁船を締め出すというような点に大変ウエートがかかっているようにも見えますけれ
ども、こうなりますと、どうしても
日本の
水域である二百海里内で積極的に今後の
漁業の発展を図るという基本的な
姿勢の方がむしろ必要なわけでございまして、それこそがこの問題の主題でなければならぬというふうに
考えるわけであります。そうなってまいりますと、まず新しい二百海里
水域内における徹底的なやはり
調査というものが必要になってくる。そして、その
調査とともに新漁場を
開発をしなければならぬ。さらに、新漁場の
状況によっては、新しい
漁法とか漁具の
開発も進める必要が出てくるという問題もあろうかと思います。
それからさらに第二点といたしましては、いままではどんどん遠洋
漁業に進出する場合でも、遠洋
漁業とは言えおおむね
外国の沖合いに行っておったわけでありますから、出かけていけば大体当たる、魚がどんどんとれるという形で、業者のリスクで進出も行えたと思うんですが、未知の
日本の二百海里内においてそういう問題に挑戦しようとすれば相当なリスクが伴いますし、私企業ではなかなかそういう負担を背負い切れない面もあると思うんであります。そうなってまいりますと、官民の協力によるところの
開発、それに必要な財政
措置、こういうことも大変重要な課題になってくるんではないか、こういうふうに思えます。
さらに第三点としては、もうすでに最近私
どもの耳にもちょいちょい入ってまいりますけれ
ども、よそから締め出されてきた
漁船が
日本の沖合い、
沿岸の方に来て
操業が始まるということになりますと、対内的に内々でのそういうトラブルが起きてくる。従来の限定された漁場でせめぎ合いをやっておったんではどうにもならない。そういう点では、現在よりもさらに飛躍的な新魚礁の対策等を
考える必要があるように思えます。ところが、いまの魚礁のつくり方を見ておりますと、まことにみみっちいものですから、
沿岸漁業等においてはそういう形でぼちぼちやっていってもいいと思うんですけれ
ども、さらに水深の深いところに果たして魚が本当に生息するかどうか、太陽光線との
関係等もございまして問題もありましょうが、大胆にやってみる必要があるんじゃないか。そうすると、これは
漁業関係者と話をしているときに出たアイデアでございますが、いまのように小さな魚礁を持っていってほうり込むんではなくて、たとえて言えば、長さが百メートルもあるような双胴船をつくって、その間にバスのスクラップかなんかを抱え込んでおいてコンクリートで固めて、
大型の魚礁をそのままずっと持っていって沈めるというようなことも、思い切った発想の転換をしてやる必要があるんじゃなかろうか。
そうなりますと、これはやはり
政府の積極的な資金援助あるいは技術的な協力というものも必要になってくるんではなかろうか、こういうような問題がいろいろあるように思えます。そういう点については、非常に予算
措置も伴いまして苦しい国家財政の中で問題もあろうかと思いますが、これは
考えようでございまして、いままでのような水産業対策という産業対策ではなくて、もはや国民生活の安全保障と、こういう面もあるわけでありますから、思い切ってやはりそこに費用を出すということも、ある程度国民が負担しても将来のために
考えなくてはいけないんじゃないか。そういう点につきまして、この機会に、この
法案議論も大分終わりに近づいてまいりましたので、
大臣の御所見を承りたいというふうに思うわけでございます。