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秦豊君 それはまだ時間がちょっとありますからおいおいやっていきましょう。
私は一応の資料を踏まえて物を言います。あなた方はまだ議事録をお持ちでない。何かすれ違いですね。だけれ
ども、それはだんだんはっきりするからいいじゃありませんか。いやしくもしかし、MDAOではなくて、カーター政権下の新任国防
長官が二回も議会の権威ある場で証言をしている。答弁をしているわけですね。がから、事実誤認とか錯誤とかじゃなくて、非常に私はこの証言が重いと思うんです。私自身の
調査では、ブラウン
長官が重大な欠陥が幾つも指摘されるということを言っていますので、私はその
立場に立ってあなた方に聞きます。だから、メーカーとか空軍省だけじゃないものをやはり突きつけられているわけだから、
先ほどの
長官の答弁に返れば、クールに謙虚にという一助にしていただきたい。
ブラウン
長官の議会での二度にわたる証言の山では、あなた方がここに書いているような全部オーケーだというトーンじゃないんです。たとえば、
F15の空対空ミサイルの欠陥問題というのは次のように五項目にもわたる非常に基本的なメカニズム自体が悪いと書いてあるんですよ。
一つには、AIM7Fスパローミサイルを、前方のランチャーの方から発射をするときにはマッハ一・一から一・三のスピードでは、ミサイルを発射した直後から回転現象を起こす。スピンという現象が起こって、そのためにオートパイロット、自動操縦装置が作動しない。完全にしないわけじゃないが正常には作動しなくなる。これが一つ、ブラウン氏はそれを言っています。
それから二番目には、いまのは前の方のランチャーから撃った場合ですが、今度は後ろの方のランチャーから発射をするときには、そのときの飛行機の速度、それからGロード、負荷ですね、この程度によっては、内側のパイロンに取りつけた増槽、燃料タンク、これにミサイルがぶつかると。ぶつかるのではないかじゃなくて、ぶつかるというふうに断定的に
表現してあります。
それから三番目には、
F15のAPG63、レーダー火器管制装置、この誘導方式で誘導をいたしますと、当初期待をした射程距離の誘導ができないで、能力としては不十分である。それからこれに関連しまして、この機器の名前はAPG63と言いますけれ
ども、APG63というのは、ルックダウン、それから、これは私もまだ技術的に細部はわかりませんか、高パルス繰り返し周波数
——ハイ・ローのハイを書いて、アルファベットのPRFという略語を振ってありますけれ
ども、ハイPRF、高パルス繰り返し周波数、これでやるものだから、肝心の撃ち落としたい目標以外のにせのエコーを拾ってしまうので、いざ攻撃をしようとする目標の識別が大変にむずかしいと。これは役に立ちませんね、もしこれが事実であるば役に立ちません。ぶっ放してもむだになる。
最後の指摘としては、今度は飛行機の下向きで次第に遠ざかっていく目標をとらえる場合に、
つまりルックダウン・テールオンだと言っていますけれ
ども、このルックダウンの場合には非常に捕捉距離が小さいと。
こういう指摘を具体的に五項目にわたって展開をして、結論として、以上述べた重大な欠陥のため、アメリカ空軍は
F15の火器管制装置について一部のソフトウエアを変更すると同時に、RQL
計画、こういう名の、能力増大のための改修を行う予定であると。このRQLというのは、原文によるとレーダー・クイック・ルックと書いてありますけれ
ども、レーダー・クィック・ルック、頭文字を取ってRQLだと言っていますが、の予定であるし、さらにスパローミサイルも、伊藤さんの出されたここにもちょっとありますけれ
ども、モノバルスシーカーをつけ加えるように検討をしていると、こういうふうに私
どもは調べており、以上私が申し上げた重大な欠陥を
改善するためにこのRQLとミサイル
改善計画を完了させるためにはどうしても五年かかるというのがブラウン証言の骨なんですよ。私は少なくともそう理解をしておって、記者クラブに、また当
委員会にもせっかくお
出しいただいたこの
内容とは、重大な点で基本的に食い違っているんです。これをやっぱりはっきりさしたいと思うんです。