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政府委員(鈴木貞敏君)
お答えいたします。
御
質疑の、買収事件が減少したのではないかという点でございますが、
数字面で申し上げますと、四十七年十二月十日の
衆議院の総
選挙と、五十一年十二月五日施行されました
衆議院の総
選挙、これを比較いたしますと、違反検挙の面からの比較でございますが、買収でございますが、四十七年の総
選挙の際は七千百六十七件、
人員にして一万三千三百四十六人と、これは実は四十八年一月九日、警察としまして統計をとっている最終
段階での
数字でございます。また五十一年の総
選挙につきましては、五十二年一月四日でとりました最終の統計では、買収の件数が五千七十六件、
人員にいたしまして八千九百七人というふうになっておりまして、お説のとおり
相当数、三分の一
程度買収は減っておると、こういうふうな統計でございます。
そのほか、自由妨害、戸別訪問、文書違反、その他各種違反を含めまして、全体的な
数字を見ますと、四十七年の総
選挙では件数が八千百五件、
人員が一万四千八百二名でございましたが、五十一年度の総
選挙では五千八百五十九件、
人員が一万二百三十三人ということで、これまたそれぞれ相当ダウンしておるということでございます。
この原因でございますが、まあいろいろの点が挙げられると思いますけれ
ども、一応違反取り締まりの面を通じまして感じられますことは、昨年度、五十一年度の総
選挙も任期満了による総
選挙、いわゆる総
選挙でございますから任期満了ということでございますので、まあ解散によって突如行われるような
選挙と違うというふうなのが
一つ挙げられるんじゃなかろうか。
それから、何といいましても、
法律が
改正されまして、その法
改正の
趣旨あるいは規制がいままでよりもきつくなったという点がよく作用いたしまして、こういう違反の減少というものにつながっておるんじゃないかということが第二点。
それから第三としましては、警告を相当積極的に行いまして、まあ事前に、検挙に至らない
段階でひとつおやめ願うというふうなことでございまして、ちなみに警告件数を比較いたしてみますると、四十七年の総
選挙の際は一万九千七百五十件でございましたが、五十一年の総
選挙の際には二万五千五百二件ということで、これ三〇%近く、三割近くがふえておるというふうなことでございます。
それから、まあ最後に一応挙げられることは、一連の各種汚職事件等を通じまして、
国民の違反に対する批判の目が非常に厳しくなってきておるということであろうかと思うわけでございます。そういう点で、買収事件の
内容を見ましても、まあ不況の影が差しておると言いましょうか、そういう点もあろうかと思いますが、四十七年の総
選挙に比べますと、まあ当時は四、五千円、中には一票一万円というふうな例もあったわけでございますけれ
ども、五十一年十二月の総
選挙につきましては、千円単位というふうなものが目につきまして、また物品の供与につきましても、七、八百円あるいは供応の額の点でも千円台というふうなこと、中には五百円の商品券もあるというふうなことで、額の面でも相当ダウンしておるというふうな面がうかがわれるということでございます。