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安武洋子君 地元の理解が深まったとおっしゃりながら、二十八日現在には地元の要求もつかんでいらっしゃらなかったわけです。これは事実なんですね。
それから、私はまださらに申し上げますけれ
ども、ここに新潟日報、これを持ってきております。「どうなるミニ気象台」「カンカンの地元」と、こういう見出しです。この中で、少し省略して読みますけれ
ども、ここの「冬季の除雪
対策を練るときなどは通報所に頼り切っていた長岡市では「豪雪地の雪の苦しみは気象台が一番わかるはずだ。全く地元無視もひどすぎる」とカンカン」。で、ここの助役さんは、「気象庁から申し入れのあったとき、行政サービスを低下させない。魚沼も含めて豪雪に対する独自の予報体制を作る——という条件が満たされなければ納得できない、と返事しておいた。それなのに一方的に廃止するとは…。驚きよりもむしろ怒りを覚える」と語気を強める。特に
気象通報所開設以来、敷地と建物、それに所長官舎(これは市営住宅)を無償で貸与してきたこと。さらに昨年三月までは通報所に「お天気相談所」を併設して、市の職員二人を出してまで、その運営に協力をし、すっかり市民には定着していただけに反発は感情的にさえなっている。これは農民も抗議の声を挙げているし、長岡商工
会議所でも抗議の声を挙げているという、こういうふうな記事があるわけなんです。
この長岡市ではどうしても廃止するならという前提で市から提案している条項があるわけですけれ
ども、これはまず最初に、気象台に相談・サービスの専用電話を設けてほしい。二番目に、新潟県では現在三つのブロックで予報を出しているけれ
ども、さらに細分化してきめ細かく予報してほしい。三番目は、集中豪雨や豪雪の際すぐ対応できるように何らかの連絡体制を設けてほしい。それから、雪についての観測についてさらに精度を高めてほしい。こういうことについては、二十七日現在、具体的な返事を何
一つなさっていらっしゃらないわけです。
そして、さらに今月の九日に私は資料要求をいたしました。廃止した後でどういうふうに対処されたかということなんです。こういう紙切れがただ一枚だけ来ました。そして、これは各気象庁からそれぞれの地方公共団体に
説明に伺った際に、地方公共団体から口頭で要望された事項は次のとおりで、共通した要望だと三つ挙げていらっしゃるんです。「地方公共団体と地方気象台が、緊密な連絡がとれるようにすること」、第一点です。第二点は「天気予報を地域細分して出してもらいたい」、これが第二点です。それから第三点、「市または町の防災
会議には、地方気象台から出席すること」、こうなっているんですね。
そして、私がいま読み上げました長岡については、「地域による要望」ということで、長岡市と高山町しか出ておりませんけれ
ども、長岡市では「現在の通報所の施設を早急に撤去すること」、こういうことだけ出ているんです。こういういま挙げた長岡の要求にはこたえていないわけですね。そして、これは長岡の地域別による要望で、いまの通報所の施設を早急に撤去せよということは、もう廃止したらさっさと出ていきなさいと言われていることとこれは一緒のはずなんです。そして、こういう長岡の具体的な要望についても何もこたえていないけれ
ども、これでこたえているというふうに私のところにも持ってこられますし、また横手なんです。
横手市は、四月二十八日に私が
大臣にお申し入れしたときには、これもまた要求を全然おつかみじゃなかったわけです。九日に、四月二十七日か四月二十八日に横手市と話し合ったというふうなことで私のところへお見えでしたけれ
ども、四月四日から地域細分の予報は出しましたと、こうおっしゃるんです。でも、これは四月四日時点の話で、これでも不足だから廃止をするなと地元では言っているわけなんです。で、緊急な窓口ということで、秋田気象台に窓口を設けたと、こう言っておられますけれ
ども、これはいままでの担当窓口、これがあったのをただ置いているというふうなことだけなんですね。
しかもここの、横手市からは四月二十九日市長さんが投書をなさっていらっしゃるわけです。私はこの通報所の問題でぜひ参考人を呼んでいただきたいということで、この横手の市長さんに参考人をお願いしておりましたところ快い内諾をいただいていたんです。しかし、
委員会で拒否をされて、市長さんには大変申しわけないと思っておりますけれ
ども、四月の二十九日に朝日新聞にちゃんと投書をなさっていらっしゃいます。これでいろいろ書いていらっしゃいますけれ
ども、第一に
問題点として挙げていらっしゃるのは、
雪には、果たしてアメダスで十分対応できるか。
雪ぐにの私
たちの生活実感からいっても、雪ほど地域的特殊性の強いものはない。秋田県で積雪いくらといっても、秋田市と内陸では雲泥の相違である。その内陸でも、わが市と、二十キロ離れた大曲市とでは二割も三割も降雪量に差がある。雪に関しては、もっとキメ細かい、そして機械でない、生きた人間の判断が必要ではないか。第一点です。それから第二点は、雨に対しては完全だといわれているが、これとても
心配がないわけではない。なるほど平常時における観測体制は現在よりよいかも知れないが、集中豪雨などの非常
事態のときは、それらの回線は果たして大丈夫なのか。私
たちがミニ気象台に最も期待するのは、こんな非常
事態のときである。
酒田の大火や小豆島の豪雨その他の実例が、私
たちの不安を裏付けているのではないか。第三点は、初めに書いた冷害である。底冷えの春先におののいている農民にとって、通報所廃止は理屈をこえた冷たい仕打ちと受けとめられている。
現在、地元の通報所の利用
状態は、たとえば電話気象照会でも、平時月に百−百五十回、豪雪・豪雨時には四百−四百五十回の多きに達しており、その他、地方自治体や農業団体との定期報告や懇談会を通じての利用を考えると「ミニ気象台」の役割は決して低くない。
今回の廃止に関し、私は気象庁の
考え方に「地方軽視」があるのではないかと疑う。ということで、秋田には測候所が
一つもない。これでも気象庁は大丈夫だというけれ
ども、それならなぜ全国百カ所の測候所に手をつけないのか。この秋田だけがなくても済むというのは納得できない、ということを次に挙げられて、そして、
さらに
指摘したいのは気象庁のやり方についてである。
私とても科学技術の進歩の時代に、いつまでも従前の体制にこだわるものではない。しかし住民感情を考慮するなら、慎重かつ柔軟な対処がぜひ必要であると求めつづけたのである。
しかるに、国
会議員のお働きにより三月二十四日、
運輸大臣が「四月一日の廃止予定を変更して慎重に検討する」と答えたのにもかかわらず、それから二週間後には、五月一日からの廃止を通告してきたのである。この間、少なくとも私のところにも一度として納得を求める動きはなかった。こう言ってます。それから、
私は通報所の従業員は当分嘱託制でもいい、足りないところは市で補いましょう、とさえいって
交渉したのに、気象庁は一切話にのってくれない。私も自治体の責任者として多くの官庁とつきあってきたが、こんなに「一方的で不誠意な役所」はみたことがない。強く反省と慎重な対処を求めてやまない。これが秋田の横手市長さんの朝日新聞への御投書です。この横手市の市長さんが上京して長官と会われたときに、定員一名を残して、市からも一名手当てをして観測体制を維持するとか、あるいは冬期間は出張して観測体制を維持する、こういう点を仙台管区と話し合うということになっていた。しかるに当局は、これをないしょ話にしてくれと市長に伝えた、こういういきさつもあるということを聞きました。
それから、ここに私は地方新聞を持ってきております。廃止された後の各地方の反響がどうかということです。大野
気象通報所については「ついに無人化」と、こういう見出しで「地元の反対押し切らる」、こう書いてあります。それからこれは「〃ミニ二気象台〃きょう廃止 営農、手痛い打撃北見など衰えぬ反対運動」、これは北海道新聞五月一日号です。さらにこれには長岡が出ております。二日から廃止」ということで「地元の声天にとどかず ぬぐえきれぬ不満 冬場の情報が気がかり」、こういうふうなことが書いてありますし、それから、小さな報道ですけれ
どもこの中にも「市民サービスの低下は必至と見られる」、こういうふうにも書かれているわけです。
で、私は
大臣に聞きたいわけです。いま私がるるいろいろなことを申し上げたのは、
大臣は地元との話し合いを大切にしたい、地元の了解を得るのだ、そのために最善の努力を尽くすんだと、そういうことを言われた。長官が懸命に使命感に燃えて、そうして誠意を尽くされたと言われるけれ
ども、地元ではこのような受け
取り方。そうして二十八日現在何も、たった
一つの要望も地元の要望をつかんでいらっしゃらなかった。これでもなお地元の意思を尊重していると、こうお言いなのでしょうか、お伺いいたします。