○
杉山善太郎君 特に百八十隻の中から日勢
海運ということをマークして言ったのは、これは通信士以外に
日本船員もこの日勢
海運には乗っておるという、そういう点についても十分ひとつ精査されて、今日やはり労働協約というものを、それなりにやはり人を見て法を説きながら、スタイルを整備しながら乗っておるわけでありまするけれ
ども、しかしながら、いま言ったようなこの船員手帳の交付が受けられないと、こういう
一つのシステムである限り、これは変則ですよ、実際問題は。しかも、私がこれが非常に問題だと思いますのは、これらの船はどういう
貨物を積んでおるかというと、やはり
日本の人と物と財政金融によってすべての生産工程が成り立っておるという背景の中で、資源国から物を持ってきたり、生産した物をまた持っていくと、そういう中で、
一つの苦肉の策としてこれがいま制度化されようとしておると。裏道を歩いておるけれ
ども、道は、だれか一人歩けば、どんどんどんどん通れば、よほどやはりこれは
行政の面、
政治の面でしっかりと歯どめをかけて、正常な方向へかじを取りなさらないと大変なことになるんじゃないかと、そういうふうに心配をしておるわけであります。
で、この仕組み船やチャーターバック船、マルシップ、便宜置籍船などは、国際競争力に勝つためという大義名分で、船員の賃金を初め労働条件の切り下げをねらったものだと。あるいは、雇い主と労働者の契約
関係が非常にこれは複雑多様なんですよ、実際問題は。で、ある面は地上にあらわれておるがある面は伏せてあると。最終的には、この労働者の雇用や労働条件に
責任を持つのは一体だれが持つかということになるわけです。それは外国の船主で、みずから好んでその船に乗って飯を食っているんだからそれはしようがないんだと、制度上やむを得ないんだと、
わが国の
行政の網はかぶせることはできないんだと、そういう形では、そのためにいろいろな
会議が国際的にもあると思いまするけれ
ども、最近非常に
日本の
海運事情の中にはこの好ましからざる制度というものが大手を振って盛んに行われておると、そういうことを私は憂うるわけでありまするが、いずれ本件はさらに究明する必要があると、こう思うのでありまするから、私もこれは勉強しながら、勘で物を言っている面もあるんですけれ
ども、いま
運輸大臣になっておられる
田村さんには、これはこの
海運、航空、陸運、総合的に、運輸
行政というものは多様にわたっておりまするけれ
ども、とにかくこの海洋の上に浮かんでおる
日本列島のやはり
海運行政に対する、港湾も含めて非常に多様であると思いますけれ
ども、特にやっぱり物と財と人との
関係について重大な配慮をして、外交路線はもちろんのこと、所管の
海運、船員、港湾というものを十分配慮して、これを根回ししていただいて、正常な方向へかじを取ってもらう必要があるんだというふうに私は
考えるんです。
あと一点でありまするけれ
ども、ついでに、時間もないようでありまするからこれで終わりますが、最後に、いまのことも含めて大臣、頭の中に置いておいていただきながら、この法案提出の背景には、
日本海運が国際協力を通じて
海運の
発展と
日本船員の福祉向上を図るのではなくて、売船、仕組み船、マルシップなどの低賃金方式で世界の
海運になぐり込みをかけることを正当化しようとするものであるというふうに、私
どもはそういう側面を、強いて追及すればそうでないという保障はどこにもないぞというふうに心配しているわけであります。したがって、
政府はそのことに手をかすのではなくて、十分歯どめをかけて交通整理をする
責任があるじゃないかと。この法案の審議よりも、
日本人である船員労働者を救済するための
努力こそが先決であると、そういうふうに
考えるわけなんです。
したがって、船員の雇用
対策に関する施策と、労働条件の安定確保に関する施策についても早急に確立する必要があると思うのであります。たとえば、いま漁業の水域の問題、領海の問題であるとか、二百海里問題等々も含めて、非常に職を失う人もありまするけれ
ども、そういうものも含めて、労働条件の安定確保という問題や雇用保障という問題についても、やはりかかって運輸
行政の対象の中に位置づけられるというものが多角的に多いということを私は
指摘していくわけでありまするから、これで
質問を終わりますが、この点について大臣の
立場でひとつお答えをいただきたいと、こう思うんです。