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1977-03-14 第80回国会 衆議院 予算委員会第二分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年三月十四日(月曜日)     午後二時開議  出席分科員    主査 金子 一平君       川崎 秀二君    栗林 三郎君       武藤 山治君    森井 忠良君       古寺  宏君    坂井 弘一君       藤原ひろ子君    兼務 長田 武士君 兼務 長谷雄幸久君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 坊  秀男君  出席政府委員         大蔵大臣官房会         計課長     高木 壽夫君         大蔵大臣官房日         本専売公社監理         官       道正 信彦君         大蔵大臣官房審         議官      徳田 博美君         大蔵省主計局次         長       松下 康雄君         大蔵省主計局次         長       加藤 隆司君         大蔵省理財局次         長       戸塚 岩夫君         大蔵省理財局次         長       吉岡 孝行君         国税庁税部長 谷口  昇君  分科員外出席者         防衛施設庁施設         部施設取得第二         課長      近藤 孝治君         大蔵省銀行局保         険部長     副島 有年君         労働大臣官房参         事官      石井 辰治君         労働省労働基準         局監督課長   倉橋 義定君         日本専売公社原         料本部部長   竹山 賢治君         日本専売公社原         料本部部長   吉川 和郎君         国民金融公庫総         裁       佐竹  浩君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     沢田 光英君     ————————————— 分科員の異動 三月十四日  辞任         補欠選任   小林  進君     小川 国彦君   武藤 山治君     森井 忠良君   坂井 弘一君     古寺  宏君   竹本 孫一君     米沢  隆君   寺前  厳君     山原健二郎君 同日  辞任         補欠選任   小川 国彦君     小林  進君   森井 忠良君     栗林 三郎君   古寺  宏君     坂井 弘一君   米沢  隆君     竹本 孫一君   山原健二郎君     藤原ひろ子君 同日  辞任         補欠選任   栗林 三郎君     上田 卓三君   藤原ひろ子君     寺前  巖君 同日  辞任         補欠選任   上田 卓三君     武藤 山治君 同日  第四分科員長田武士君及び長谷雄幸久君が本分  科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十二年度一般会計予算大蔵省所管  昭和五十二年度特別会計予算大蔵省所管  昭和五十二年度政府関係機関予算大蔵省所管      ————◇—————
  2. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 これより予算委員会第二分科会を開きます。  主査は都合によりおくれますので、その指名により、私が主査の職務を行います。  昭和五十二年度一般会計予算大蔵省所管昭和五十二年度特別会計予算大蔵省所管昭和五十二年度政府関係機関予算大蔵省所管について質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古寺宏君。
  3. 古寺宏

    古寺分科員 最初に、専売公社にお尋ねをいたしますが、昭和四十二年以降に専売公社減反政策を続けてまいりましたが、最近における耕作団体、それから専売公社並びに地方自治体の一体となっての努力によりまして、ようやく増反の機運が見えてきたということは非常に結構なことでございます。ところが、最近また専売公社は、消費の順調な伸びがあるにもかかわらず、国内産葉たばこ製造使用を次第に減じまして、昭和五十二年度の耕作規模を抑圧しようとしている、こういうふうに言われております。このために、たばこ耕作者も、増反に協力してまいりました地方自治体におきましても、非常にたばこ耕作につきましては心配をしているわけでございますが、今後公社としてはどういう方針で臨まれるお考えか。特に昭和五十二年度の方針については、耕作面積あるいは価格等についての考え方もお示しをいただきたいと思います。  さらに、たばこ耕作審議会要望書によりますというと、「輸入葉たばこの削減と国産葉使用拡大による自給率向上をはかられたい。」また、第二としては、「生産対策予算の十分な確保をはかられたい。」こういう要望事項がございますが、この審議会要望に対しまして、今年度は専売公社としてはどういうふうに対応していくお考えか、あわせてお答え願いたいと思います。
  4. 竹山賢治

    竹山説明員 専売公社原料本部国内を担当している部長竹山でございますが、先生の御質問お答えをしたいと思います。  ただいま先生から御質問がございましたように、四十二年から国内生産減反傾向をたどってきたわけでございますけれども、この数年間減反がとまりまして、方向としては増反方向で対処してきているわけでございます。ただいま五十二年度の耕作面積について抑圧をしているというふうな先生お話もございましたが、この辺の関係についてまずお答えを申し上げたいと思います。  先生御存じのように、一昨年の暮れに定価改定をさせていただきまして、葉たばこ定価改定を実施に移しまして本年までやってきておるわけでございますけれども、最近の経済事情、その他との関連でございましょうか、たばこ消費伸びが現在停滞ぎみであるという事実はございますけれども、五十二年度の耕作面積につきましては、許可面積といたしまして、先生御存じのように、在来種欧米種バーレー種というような品種に大別できますけれども、とりあえずのお答えといたしましては、合計で六万四千五百五十ヘクタールの面積許可面積として先般公表したわけでございます。ちなみに五十一年度の検査面積でございますけれども、これは六万三千三百五十一ヘクタールでございますので、比較をしていただきますと、耕作面積は千二百ヘクタール五十一年に比べて五十二年は面積をふやすという方向で現在各支部局でこの配分に沿っての仕事をさせていただいておる、こういうふうな現状でございます。最近の製品たばこ伸びがいまひとつ伸び悩んでいるというふうな状態でございますけれども、当面五十二年につきましては、やや面積を伸ばして、産地に対する対策をとったということでございます。  さらに、五十二年度の面積価格というふうな御質問でございますけれども面積経緯はただいまお話ししたようなことでございます。価格につきましては、先生御存じのように、葉たばこ価格予示価格制度という制度になっておるわけでございますけれども、ここ数年いろいろな経緯がありまして、葉たばこ収納価格は、収納が始まる前、具体的に申し上げますと、七月から九月の間に諮問案たばこ耕作審議会におかけをいたしまして、御答申を、いただく、こういうふうな段取りになっているわけでございます。したがって、五十二年産の葉たばこ収納価格は現在のところ未定でございますけれども、ただ後の御質問の「自給率向上をはかられたい。」等との御質問関連お答えをいたしますと、最近わが国葉たばこがやや品質が一ころに比べますと停滞ぎみである。言ってみますと、葉たばこ本来の持っておる特性がやや失われているというふうな現状にございます。御存じのように、葉たばこは農作物でございますので、一定量以上の収納がありますと、どうしてもそれが品質にいい影響を与えないということがございまして、今後私ども国内産葉たばこ品質改善、そういうことにつきましては、生産地方々お話しをして何とか対処をしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。  さらにお答えを続けますが、最近面積が回復をしてきたわけでございますけれども、それに加えて反当収量がふえてきているということがございまして、その二つの合計でまいりますと、在庫がやや増加をしてきているという現状もあるわけでございますが、何と申しましても、わが国国内産葉製品たばこの基幹的な原料として今日まで使われてきたという経緯がございます。今後とも葉たばこ品質改善努力をしていただくということで、何とかこれらの問題も解消してまいりたいというふうに考えているわけでございます。  さらに、先ほど御質疑のございました、五十二年度の予算の中には、生産対策経費といたしましてすべてを含めまして約百一億円程度だと記憶しておるわけでございますけれども、前年に比べましても、予算的にも上回る予算考えておりまして、これをもっても国内産葉価格が世界的に見ても割り高であるというふうな傾向がどうしてもあるわけでございます。今後は、国内産葉につきましては、品質改善生産性向上ということでいろいろと先生方にも御協力をお願いしたいと考えているわけでございます。  以上でございます。
  5. 古寺宏

    古寺分科員 時間がないので、簡単に申し上げますが、たばこ輸入しない時代わが国耕作面積というのは八千五百ヘクタールございました。昭和四十七年には六万六千六百七十四ヘクタールでございます。それが五十二年になりまして、やっと六万四千五百五十ヘクタールになった。あなたはいま耕作面積をふやした、こういうふうにおっしゃっておりますが、品質改善するために植えつけの制限をするわけです。そうしますと、当然この耕作者収入というのは減ってくるわけですね。それからもう一つは、日本葉たばこ品質が悪いために輸入しているのだ、こうおっしゃっていますが、昭和四十七年には五万四千百二十六トンの輸入であったものが、昭和五十年には九万五千九百八十九トンという、約倍に近い輸入をしているわけです。しかも、金額にいたしまして、四十六年が三百四十五億であったのに対して、昭和五十年は九百三十一億、こういうふうに輸入葉たばこが急激にふえているわけです。そのために国内耕作者が圧迫を受ける、こういうことになっているわけですね。  そこで私は、時間がないので前に進みますが、輸入葉たばこ価格というのは、現地価格であるのかどうか。それとも専売公社に納入される価格であるのかどうか。それを、たとえば昭和五十年の九百三十一億七千八百万円というのは、いわゆるたばこ現地で買い付ける値段なのか、それとも専売公社に納入される価格なのか、その点をひとつお答えしてください。
  6. 吉川和郎

    吉川説明員 海外担当吉川でございます。  ただいま先生の御指摘になりました金額は、現地価格及び海上運賃等諸掛かりを含めた国内での買い入れ価格でございます。
  7. 古寺宏

    古寺分科員 もう一点お伺いしますが、長期計画でもって、専売公社輸入葉たばこ国内産葉の割合を大体どのくらいを目標にしておられますか。
  8. 竹山賢治

    竹山説明員 先生御理解いただいていることではございますが、たばこはやはり消費者の方の喫味方向ということがございまして、現在は味がよくて緩和な製品というものが愛煙家皆様方に好んで吸っていただいているというふうなことがございます。  現在までの傾向的なことでございますけれども、確かに数字的には外国葉輸入量が非常に多くて、国内産葉については減反。それから、現在はやや面積をふやしているという傾向がございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、今後とも私どもといたしましては国内産業というものを、やはり長期的に見た場合には、基幹原料として維持してまいりたいという気持ちには変わりございません。  しかしながら、先ほど来お話ししておりますように、喫味の問題、これは品質とも関連がございます。それから価格の問題、これはやはり……(古寺分科員「お聞きしたことだけ答えてください」と呼ぶ)したがいまして、今後の国内産葉品質をどのように改善するかというふうな問題とも関連もあると思いますけれども、そういう意味で、いたずらに外葉に頼るというふうなことではなくて、需給計画そのものをつくっていく場合には、やはり喫味の点が大変関連がございますので、国内葉外葉需給については、なお慎重に検討した上で決定してまいりたいというふうに思っております。
  9. 古寺宏

    古寺分科員 まず第一に、日本葉たばこ品質が悪いから外国から輸入する、こうおっしゃっているのですね。いままでは全部、たとえば肥料設計もすべて専売公社がやって、そして肥料を買うにしても全部組合を通じて専売公社設計に基づいていままで指導を受けて耕作してきた。その結果、品質が悪くなっているわけでしょう。これは責任は専売公社にある。にもかかわらず、五十年においては五〇%を超える輸入葉たばこですよ。五〇%を超えているのです。一年を通して一生懸命耕作をしてきた耕作者に対して、これでは申しわけないと思いませんですか。  そこで私、お尋ねしますけれども、いま外国たばこを買い付けるに当たって専売公社が委託をしている会社は何社ございますか。
  10. 吉川和郎

    吉川説明員 いま手元資料がございませんので、はっきりした数字は覚えておりません。
  11. 古寺宏

    古寺分科員 では、おおよそ何社でございますか。吉川説明員 おおよそ全世界でもって二十前後だと思います。
  12. 古寺宏

    古寺分科員 最近、こういうような問題について、これはたばこロッキードであるというふうなことも言われております。と申しますのは、専売公社のかつては理事さんであられるとか、あるいは部長さんクラス方々がそういう輸入関係会社にいわゆる天下りですね。そうしてこの輸入量が急激にふえている。こういうようなお話がありますが、それは事実ですか。
  13. 吉川和郎

    吉川説明員 いま先生のおっしゃったことは、事実はないと思います。重ねて申し上げますけれども輸入葉はいま竹山部長が申しましたとおり国内葉との関連において輸入しておるわけでございます。私ども消費者サービスのために喫味のいいということでもって国内葉及び外葉所要量を決めておるわけでございます。私どもはその所要量に基づいて輸入しておるわけでございまして、いま先生の御指摘のことは絶対ないと思います。
  14. 古寺宏

    古寺分科員 委員長にお願いしますが、ここ近年約十年ぐらいの間に専売公社をおやめになった方で、部長あるいは理事クラスの方で、たばこ輸入会社関係のある、そういう職場に転勤をなさっている方々の名簿の一覧表の提出をお願いしたいと思いますが、よろしくお取り計らい願います。
  15. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 資料要求ですが、よろしいですね。後刻資料で出せますね。天下り
  16. 吉川和郎

    吉川説明員 持ち帰って、よく相談してお答えしたいと思います。
  17. 古寺宏

    古寺分科員 次に、昭和四十八年から施設整備補助金というものを出しております。ところが、品質をよくするために乾燥室をつくる、いろいろな施設をつくる、その補助金を何とかいただいて品質改善しよう、こう思ってもなかなか順番が回ってこない。特に東北地帯は、御承知のようにことしは豪雪もございました。天候も悪い。そういう地域の施設というのは十分に配慮しなければならぬわけです。しかも補助基準にいたしましても、これはもう建築物構造そのものを変えなければ、補助率も変えなければ、進行しないのです。ところが、なかなか順番を待ってもこないのです。これはみんな専売公社がやっていることでしょう。あなた方は品質が悪いから外葉を用いるんだ。だけれども品質が悪くなるように、向上しないようにやっているのが専売公社自体ではないですか。そして外国からどんどん外葉輸入する、そして世間の人から疑いの目をもって見られる。  そこで、今年度、五カ年計画になっていますが、近代設備整備補助金をどのくらい考えておられるか、また、いま申し上げましたように、東北とかこういう豪雪地帯についてはそういう補助率の問題について十分に配慮しているかどうか、その点を簡単にお答えしてください。
  18. 竹山賢治

    竹山説明員 先生からただいま御質問のございました五十二年度の施設整備補助金は約八十五億でございます。それを予算をお願いしておるところでございます。  それから、ただいまお話がございました品質との関係でございますけれども、私ども品質改善する上で整備事業がマイナスの作用をしているというふうには考えておりません。葉たばこ品質を少しでもよくするために本来こういう整備事業はやっていただくという気持ちでお願いをしておるわけでございます。ただいま順番が回ってこないというふうなお話がございましたけれども、これらのことにつきましては、どなたにやっていただくことがこの際最も大事であるかということをひとつ判断の基準の中に入れまして、支部局をさらにいろいろ指導してまいりたいと思っております。
  19. 古寺宏

    古寺分科員 大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、たばこ事業の五十年度の総利益が七千九百三十四億五千二百七十三万余円、こういうふうになっております。国庫に専売納付金として納付したお金が三千三百七十九億四千九百五十万円、それから市町村にたばこ消費税として納付した額が三千七百三十八億六千二十二万余円、こういうふうになっているわけです。  先ほどから申し上げておりますたばこ耕作というものは、耕作者は一年間を通じて血のにじむような思いをして一生懸命仕事をして納付をしているわけです。国民は、一般消費者は、一昨年の値上げでおわかりのようにいま百五十円のたばこがございます。そうしますと、こういう高いたばこをのむんだったら卵を買うなり何か栄養になる物をとった方がいいとか、いろいろな話が出てまいります。消費伸びなくなる。それからいままで申し上げましたように耕作者にはしわ寄せがくる。その原因は何かというと、いわゆる大蔵省に対する納付率を高めるために、専売公社はいろいろな、苦労といえば苦労をなさっているわけですね。私は少しもうけ過ぎじゃないかと思うのです。いわゆるもうけ主義大蔵大臣はどう思いますか。
  20. 道正信彦

    道正(信)政府委員 専売公社でございますが、これがどの程度益金と申しますか、専売納付金あるいは地方たばこ消費税を出すべきであるかということにつきましては、いろいろ御意見があろうと存ずるわけであります。端的に申しまして、たばこの総売上高に対しまして専売納付金、内部の積立金、それから地方たばこ消費税、この三つがいわゆる利益に当たると思うわけでございますけれども、総定価代金の中に占めるそういう益金、その益金率を出してみますと、従来は六割程度、あるいはもう少しさかのぼりますと七割程度益金率があったのでございますけれども、最近におきましては、いま御指摘になりました五十年度の決算におきましては、五四・四というふうに下がってきておるわけでございます。さらに、地方たばこ消費税の方が専売納付金よりも上回ってきておるという実態から見まして、専売益金率の低下はわれわれ、五四・四の水準が幾分低くなり過ぎているなという感じを持ちながらながめておるわけでございまして、決してたばこ利益を上げ過ぎておるということではなかろうというふうに考えておる次第でございます。  さらにまた、外国のいわゆるたばこ消費税利益金率でございますが、そういうものも六割あるいは七割という高い益金税収率を上げておるわけでございまして、一般的に国際的な水準から見ましても決して高いというふうにはならないと考えております。
  21. 古寺宏

    古寺分科員 よその高い国があるから日本の国はまだ低いのだ、こうおっしゃるけれども、もう八十年近いのでしょう、この専売法ができてから。それをいまだに踏襲して、そして消費者にはできるだけ高く売って生産者からはできるだけ安く買おう、こういう行き方が果たして今後の行き方として妥当なのかどうか、いまの時代にこれはふさわしい行き方であるかどうか私は見直しをする必要があると思うのです。大蔵省は六二%を目標にしていらっしゃる。いま五四%ですからもっと上げようとする。そのしわ寄せがどこへ行っているか。現実に輸入葉たばこの増大になり、たばこ耕作者を圧迫するような政策になってあらわれてきている。ですから、大蔵省は、ただ単に財源としてのたばこもうけが上がればいいのだ、こういう考え方はもはや改めていただかなければならない時代になっていると思う。そういう点について、今後、たとえばたばこ消費税の何%かはたばこの振興のために使うとか、あるいはたばこ益金大蔵省納付されたものについては、その一部をたばこ耕作者のために使ってあげるとか、そういう配慮が私は必要だと思う。そういうお考えがあるかどうか、大蔵大臣ひとつお答えしてください。
  22. 坊秀男

    坊国務大臣 たばこ専売事業内容を私も篤と一遍検討いたしましてたばこのことを決めていかなければならない、いままでおまえ検討してなかったではないか、こういうおしかりはあろうと思いますけれども、実は率直に申し上げまして、今日まで予算編成等にかかっておりまして、たばこ専売事業内容についてまだ詳細に調査をいたしておりませんので、早急にいたしたいと思います。
  23. 古寺宏

    古寺分科員 大蔵大臣専売公社を監督する立場であるけれども、ただ専売公社を使ってもうければいいのだ、そういう考え方はひとつ今後改めていただきたいと思う。たばこ耕作者もかつては、十年前には三十四万人いらっしゃった。現在は十二万人くらいに減っております。しかも後継者の問題で悩んでおります。そういう日本国内葉たばこ耕作者を守る立場からも、やはりいまここで見直す必要があるということを私は特に御要望申し上げたいと思います。  それから昨年は、御承知のように東北冷害豪雪等がございました。大分乾燥室であるとかいろいろな施設影響がございました。こういう点についてのいわゆる災害補償制度といいますか、こういうものがまだたばこに関してはきちっと確立をされていない。それから税金控除にいたしましても非常にむずかしい。こういう問題で耕作者は非常に苦労をなさっているわけでございますが、こういう災害があった場合の税金控除、この問題について国税庁から承って私の質問を終わりたいと思います。
  24. 谷口昇

    谷口政府委員 葉たばこ耕作者冷害とか台風等災害によりまして多大の被害を受けたという事情は、私ども十分承知をいたしております。課税に当たりましては、被害納税者実情が反映しまして無理のない課税ができるよう、できる限りの注意を払うように努めているところであります。  御承知のように、所得税は、実際の収入及び経費もとにいたしまして計算した所得実額により課税をするということになっておりますが、災害により被害を受けました場合でも、被害による実際の収入及び経費もとにいたしまして所得が計算されますので、被害実態に即した無理のない課税がなされるものと考えております。また、このような収支計算が困難な納税者の方がいらっしゃるわけでございますが、そういう納税者の場合には、葉たばこ所得標準というものを目安にいたしまして所得を計算することにいたしておりますが、この標準の作成に当たりましては、被害状況等十分しんしゃくをいたしまして、できるだけ無理のない標準を作成いたしまして、これを適用いたしておるところでございます。このような納税者の場合にも被害実情を反映した課税がなされている、このように考えております。
  25. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 次に、森井忠良君。
  26. 森井忠良

    森井分科員 私がこれから取り上げる問題は、昭和四十三年以来国会でしばしば問題になったことでございまして、戦争中の共済組合の規程の不均衡に伴います、法のもとに平等という鉄則がいまもって破られているという実情の問題であります。  説明が煩瑣になりますから、大臣のお手元資料を差し上げました。一番左端に、逓信共済組合あるいは国鉄共済組合等々と組合の名前が書いてございます。結論から申し上げますと、一番上の逓信共済組合の甲種組合員の一部に限って一番右端の家計の維持要件というものがありましたために、いまもって遺族年金がもらえず、遺族が泣いているという問題でございます。  広島では、原爆が投下されまして、旧逓信省の電信局、電話局等がそれこそ吹き飛ぶようになくなったわけでありますが、公務に従事をしております職員がそのとき亡くなりました。そうしてその当時の官吏や雇用人の中でも、生計維持者につきまして、あるいはまた当時動員をされておりました学徒につきましては、それぞれ法による年金が支給をされているわけでございます。ところが、どうしたことか、そういうふうに同じ職場で働き、しかも公務で、同じように原爆で即死をした職員の中で、いまもって遺族年金がもらえず、現実の問題として遺族が悲嘆の涙に暮れているという、こういう状態を見ますときに、一日も早く是正をしなければならぬというふうに私は考えるわけであります。  ちなみに申し上げますと、一番右端に書いてありますように、生計維持要件がついておりましたのは、逓信共済組合、それからずっと下にいきまして陸軍共済組合、これは海軍共済組合もあるわけでございますが、そういうものでございます。  ちなみに申し上げますと、陸海軍の共済組合につきましては、いま申し上げましたように、独身の方で生計維持要件はない方でも——生計維持要件がない方は陸海軍の場合は当初もらえなかったわけでありますが、これは昭和三十八年に戦傷病者戦没者遺族等援護法を改正をいたしまして、準軍属並みの扱いといたしまして現在年金化をされているわけであります。一番下の大蔵省所管につきましては、これは該当者がない。すでに国会でも大蔵省から答弁がございまして、該当者がないということでございました。同じ大蔵省の所管でも専売の共済組合につきましては、生計維持要件がありませんでしたから、したがって、現在遺族は年金をもらっている、こういう状態でございます。  大蔵省といたしましても現在共済組合を所管をしておられますし、また旧令共済組合等の所管の官庁でもあるわけでありますが、こういった戦時立法の不備について一体どのように考えておられるのか、まず所信のほどから承りたいと思うわけでございます。
  27. 松下康雄

    ○松下政府委員 旧逓信雇用人の遺族の方々のうちで、生計維持要件の有無によりまして、年金受給の資格のある方、ない方がおられる点は先生の御指摘のとおりでございます。  この問題につきましては、当時の旧令による共済組合はそれぞれの沿革がございましたために、今日から見ますと、その資格要件の決め方におきまして必ずしも一律でございませんで、それぞれ少しずつの差がございます。その差の一つが御指摘の生計維持要件の有無でございますけれども、他の点におきましてもいろいろと差がございます。そこで、旧令共済につきまして、現在、現行の共済組合と同じように一括して国において措置をいたしておるわけでございますけれども、そのときの原則の考え方といたしまして、それぞれの資格要件その他、当時の旧令の適用を受けておられた方々のその後のお取り扱いにつきましては、それぞれの当時の制度内容をそのまま変えないで適用するという原則がございます。それは、申しましたようにいろいろと取り扱いに差がございますために、一カ所につきましてこれをいじりますことは、また他の問題につきまして新しい不公平を生ずるような心配もございます。また、いまの生計維持要件につきましては、現在の共済では生計維持要件を必要としている制度に統一されているわけでございまして、それらの点から見まして、かつての旧令共済の取り扱いの差につきまして、これを後の考え方で改めるかどうかいろいろ検討いたしたこともございますけれども、結論的にそのことは適当でないという結論になっておるわけでございます。
  28. 森井忠良

    森井分科員 かつての制度をそのまま引き継いだわけですね。——そうすると、具体的に申し上げますと、国鉄共済で言えば、あるいは専売の共済でも同じでありますけれども、現行の法制では家計維持要件がございますね。しかし、戦争中から引き継いだものについては家計維持要件がございませんでした。要するに、たとえば独身者でもこれは年金の対象になっておった。それを現在引き継いでおられるわけでしょう、国鉄でもあるいは専売の共済組合でも。で、現行は家計維持要件がある。それでは逓信共済はどうなっておるか。現在郵政と電電公社に分かれておりますけれども、これもその当時の制度を引き継いでいますから、したがって、同じ雇用人でも家計維持をしておられた人はそのまま引き継いで今日来ている、家計維持者でなかった者について、旧逓信共済組合とそれ以外の共済組合の違いが出てきておる、こういうことでしょう。  そういたしますと、せめて国鉄が引き継いだようなところまでは戻していいんじゃないか、その方がむしろ法のもとに平等という観点からすれば正しいんじゃないか、なかんずく戦後の立法としてむしろそれは戻すべきじゃないかというふうに私は考えるわけです。再度その点について御答弁をいただきたい。
  29. 松下康雄

    ○松下政府委員 ただいまの御指摘のような一部の方々について、旧逓信雇用人の場合に受給者の範囲が狭いという問題が一方でございますけれども、また同時に、他の幾つかの面につきましては、逆に国鉄その他の雇用人に比べまして受給者の範囲が広いというような面も実はあるわけでございます。それらの出入りがございまして……(森井分科員「何があるのです」と呼ぶ)たとえて申しますならば、国鉄の共済組合におきましては、内縁関係の方は受給資格が認められておりません。あるいはそれが孫にまで及ぶかどうかというような問題もあるわけでございまして、それらにつきまして戦後検討いたしまして、それらの旧令の違いについては後になってこれを修正しないで、それぞれそのまま持ち越して、新しい制度になってから以後統一を図るという処理方針で多年対処いたしてまいりましたので、今日になりましてそれをさかのぼって修正するということになりますと、その間の取り扱い方によりましてはまた逆の問題が出てくる心配がある、さようなことでございますので、今日に至って旧令の制度に手をつけないという考えで処理しておるわけでございます。
  30. 森井忠良

    森井分科員 旧逓信共済組合でも範囲の広い場合があるとおっしゃいましたが、それはもとへ戻せばいいじゃないですか。国鉄や専売と同じように、同じ条件にされるのなら、遺族はそれは納得しますよ。あなたは無理にそういう例を引き出していらっしゃるのでありまして、そういう該当者はほとんどいません。その人は落としたっていいじゃないですか。私はそこのところが問題だと思う。  それから、大蔵大臣、いまお聞きのように、松下次長は戦争中の制度をそのまま引き継いだ、これが原則だと言われたわけでありますが、陸海軍雇用人、これは御承知のとおり軍人じゃないのです。事務員その他、これは用人も入っていますから、小使いさんまで入っているわけです。そういう方も逓信共済組合と同じように、家計維持要件、つまり家計を支えておる者でなければ年金の対象にならないという戦争中の条件がついていたのです。これを三十八年にもとへ戻しているじゃないですか。——もとへ戻すといいますか、家計維持要件に関係なく、つまり独身の人にも支給をするようにしているじゃないですか。所管外とは言わせませんよ、あなたの方は予算を組んでいるのだから。少なくとも、大蔵省考え方と戦傷病者戦没者遺族等援護法を所管する厚生省の考え方が違っていいというはずはない。大臣、いかがですか。法のもとに平等という観点から、私は絶対に納得できない。
  31. 松下康雄

    ○松下政府委員 援護法そのものの所管につきましては厚生省でございますけれども、このことは、むしろ旧軍人、軍属間のいろいろな処遇のバランスその他を考えまして、援護法という一つの別種の体系の中で旧陸軍共済組合の人たちを処遇したことから起こったものであろうと存じております。したがいまして、これは援護法という体系の中でのバランスの話でございまして、私、先ほどからお答え申し上げておりますのは、共済組合法の系統の体系の話でございますので、その点を御了解いただきたいと存じます。
  32. 森井忠良

    森井分科員 私は、その説明には納得できません。どんなに言われたって、家計維持要件が陸海軍はついていた。家計維持要件が陸海軍の雇用人もついておったものが、三十八年の援護法によって国鉄や専売と同じように救済をされているのに、なぜ旧逓信省の雇用人だけが依然として救済をされていないか。いまのあなたの説明ではそれは筋が通りませんよ。  それから、この際大蔵大臣に聞いていただきたいと思うのですが、これは共済組合の給付という形になっているのですが、実は共済組合の掛金から支給をしたものじゃないのです。ちょっと明らかにいたしますと、いま申し上げましたように戦時災害——業務災害じゃありませんよ、戦時災害で亡くなられた方に対する殉職年金あるいは殉職遺族年金は一般会計から出ているのです。それぞれの所管の官庁から出ているのじゃないのです。これは勅令がございまして、昭和二十年勅令第四百七十八号「大東亜戦争ニ因ル戦時災害ニ関シ特別ノ給付ヲ為ス共済組合ニ対シ政府給与金ヲ給付スルノ件」、こういうふうに実は明確になっておりまして、逓信共済組合もそれを受けまして戦争災害特別給付規程、これは昭和二十年十二月十三日公達二一三号となっておるわけでありますが、この中で、こういうふうに明確に書いてあるわけです。その二十六条に、「戦災給付ニ要スル費用ハ総テ政府ノ負担トシ政府給与金ヲ以テ之ニ充ル」、つまり、現業の官庁がお金を出すのじゃなくて、政府がじかに払いますよ。なぜこういうことになったのでしょうか。これは、戦地で戦闘に従事している軍人も、あれだけ空襲その他厳しくなって本土決戦と言われておった中でありますから、電信局や郵便局で仕事をしている皆さんも、いざ敵が攻めてきても逃げられませんよ、そのためには戦時災害を覚悟しなさい、そのかわりに共済組合からでなくて、政府がじかに軍人と同じように殉職年金を出しましょう、業務災害の場合は共済組合の金から出してもらうが、戦時災害なら出さないということで、この問題は政府が一般会計から見る、政府給与金から見るという形になっておるわけであります。  先ほど申し上げましたように、たまたま共済組合間で家計の維持要件があるかないかという違いで、いまもって遺族が泣いている。しかも、大蔵省が引き継いだ旧令共済組合あるいは現在のそれぞれの共済組合では、その戦争中の不合理をそのまま引き継いでいるじゃないですか。先ほど申し上げましたように、なぜ陸海軍雇用人のように、旧逓信省、現在の郵政省と電電公社共済組合だけ直さないのですか。直すことの方が、前例の陸海軍雇用人から見れば正しいじゃないですか。明確にしていただきたい。
  33. 松下康雄

    ○松下政府委員 昭和二十年の勅令によりまして国の給付金の対象となったという点は、御指摘のとおりでございます。その理由は、考えますに、一般の共済は保険の原則でございますから、保険の数理で予想できないような戦争による事故という不測の、場合によっては大量の事故の発生に対しまして、これを共済の負担にするということは本来制度が予測していなかったということから、その費用の負担を国において行うということに改めたものと存じます。  ただ、そのときにおきましても、内容的に、その際、たとえば各種の共済組合につきまして統合を図りますとか制度の改正をいたしますとかいうことはございませんでしたので、その後におきましてもそれぞれの共済の内容をそれぞれ引き継ぎながら、ただその給付の財源を国が見るという形で今日に至っているわけでございます。
  34. 森井忠良

    森井分科員 あなたは勝手な解釈をしてくれては困る、そんなことじゃないのです。明らかに業務災害と違って、戦時災害は、先ほども申し上げましたように、その当時の背景からすれば、たとえば国民義勇隊法が出されたり国家総動員令が出されて、その当時使っておりました銃後で仕事をしている人も、特に逓信院の仕事は防空通信ありその他とにかく軍の仕事と切っても切り離せない、そういうことで、とにかく掛金からそういった戦時災害の費用を出すのは軍人その他を見て均衡を失する、こういうことも大きな要素の中に入っておったわけでありまして、推測で物を言ってもらっては困ると私は思うわけであります。いずれにしても郵政省から金を出したものじゃないのです。その当時ですから逓信院と言ったわけでありますが、逓信院から金を出したものじゃないのです。政府が一般会計の金を出したのだから、当然それに沿って不均衡を直していかなければならない。たまたまお金を支給する方法は共済組合のそれしがなかったわけですから、たまたま共済組合を通じて支給をするということがこういう結果になったわけでありまして、認識を新たにする意味で申し上げますが、とにかく戦争中にそういった公務で亡くなった——これは公務ですよ、公務で亡くなった人で遺族年金をもらっていないのは、もう日本国じゅうで逓信雇用人しかないのです。これははっきりと申し上げておきます。このことにつきまして、先ほど申し上げましたように、四十三年から問題になりまして、大蔵大臣が詰め寄られて三十万円の一時金を一度遺族に出しているのです。それから昨年大蔵省が約束した手前もありまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法並みの六十万という一時金が出ているのです。いま申し上げました背景からすれば当然のことでありまして、ことしはまたそれをサボった。私はきわめて遺憾な問題だと思うのです。戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正案もございますしこの問題につきましては与党もタッチをしておったわけでありますから、いずれ私は後で申し上げますけれども、修正等行ってでももうこの機会に法改正をしなければ、あなた方が出せるようにしなければ、戦後は終わらないのです。しかも、はっきり申し上げますけれども、軍人、軍属だけじゃないのです。たとえば防空業務に従事をいたしました警防団は全国にいたわけでありますが、この方々につきましても年金が出るようになりました。御案内のとおりであります。これも昭和四十四年の九月自治省告示第百四十二号でとりあえず七万円の一時金が出ました。同じようなケースでありますが、長崎医大生、これも四十二年の八月に文部省告示二百二十六号で七万円の一時金が出ている。一時金を出さなければならなくなったら、その次には年金になるのです。旧逓信省に限って二回にわたって一時金でごまかそうとしている。今度は戦傷病者戦没者遺族等援護法によりますと七十二万円の年金が出るのじゃないですか。一時金を出してこれで済んだという性質のものではないでしょう。もっとひどい例があります。これは大蔵大臣の意見を聞きたい。軍人恩給です。もともといままでの政府各省の考え方は、引き継ぎ官庁があるところは引き継ぎ官庁でやれということだったのです。厚生省が戦傷病者戦没者遺族等援護法を現在所管をしておりますのは、陸海軍がなくなったから厚生省が引き継ぎをしたということでしょう。それなら、軍人恩給はどこが引き継ぐのか。私はでたらめだと思うのでありますが、これは昭和二十一年でありますが、いわゆるポツダム勅令六十八号によりまして軍人恩給は停止になりました。ところが、あれよあれよという間に二十八年に復活しているのです。現在恩給法に入れて総理府がやっているじゃないですか。筋が通らないのです。引き継ぎ官庁がないという理論なら何のことはないのです。厚生省が引き継げばいいじゃないですか。あなた方は所管じゃないと言われますけれども共済組合についてはあなたの所管ですよ。予算は一々個々にタッチをしているかいないか知らないけれども、それぞれ主計官が中身にわたってまでタッチしているじゃありませんか。  私はこの機会にもっと明らかにしておきたいことがございます。いま私が申し上げましたような論旨を踏まえて、昭和五十年の二月二十七日午後零時十五分から、衆議院第十六委員室の付属室、三〇二号室でありますが、ここで、当時の社会労働委員会の大野委員長、竹内理事、それから私ども社会党の枝村理事並びに私、そして大蔵省の高橋主計局次長、梅澤主計官、これだけが会合いたしました。どうしても聞いてくれないものでありますから、戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正のときに、援護法かあるいは共済組合法かで、いま申し上げました戦後終わっていないこの問題について、修正をしたいということで私は修正案を用意いたしました。そのときに収拾したのがいま申し上げた会合であります。  大臣に聞いていただきたい。高橋主計局次長はこう言っております。この問題は関係各省で意見の調整をしなければならないが、大蔵省が責任を持って昭和五十一年度実施のための最大限の努力をするのでぜひ今回は御了承願いたい。それに対して大野委員長は、私としても微力ではあるが昭和五十一年度実施のため努力する、信頼してほしい。それに対して私、森井委員は、これまで遺族代表が大蔵、郵政各大臣に陳情し、その都度実施を示唆する発言に接してきた、今回もそういう不信感が遺族に残ってはならない、大蔵省が責任を持つと言うのだから間違いないと思うが、社会労働委員会で特別決議をしておくか、私が委員会で質問し、大蔵省の発言を議事録にとどめるようにしたい。それに対して、大野委員長は、森井委員の気持ちはわかる、枝村、竹内両理事で話し合ってほしい。竹内理事は、昨夜遅くまでこの問題で話し合ったが、各省間の調整がつかなかった、したがって特別決議は無理と判断、また委員会の質問も各省異なった答弁をすることになりかえって悪い結果になる、この問題は私たち与党としても責任を持つのでまげて御了承願いたい。今度私ども社会党の枝村理事が、大臣の発言よりも大蔵省の担当主計官が約束した方が確実である、これだけの人々で確認したのだから、この際認めるしかないだろう。それに対して私が、それではこの問題で改めて遺族が陳情する必要はなくなったと理解をしてよいか。大野委員長、竹内理事、それから高橋主計局次長、みんなそうだと明確に確認をして別れたわけであります。  事の深刻性については御理解いただけるとおりであります。もういまこの年金の受給対象者はわずかに二百五十六人に減っているのです。なぜか。だんだん年をとるのですよ。私は一日も早くこの問題については大蔵省が善処されることを強く希望したいと思うわけです。最後に大臣の所感をお聞かせ願いたい。それによっては御質問をまたいたします。
  35. 坊秀男

    坊国務大臣 この問題につきましては、関係各省が集まって相談をしたようでございますけれども、それでもちょっとむずかしいことがございまして実現の運びに至っていないということでございますから、政府委員からその間のことを御答弁させます。
  36. 松下康雄

    ○松下政府委員 昭和五十年の夏から予算編成時期にかけまして、この問題につきまして、関係各省でたびたび連絡をとり合いながら、真剣に検討いたしたのでございます。私どもの所管をします共済につきましては、先ほどお答えを申し上げたとおりでございます。検討の結果、法律上のいろいろな問題、あるいは他の制度との関係の問題等、非常にむずかしい問題がございまして、当時の結論といたしまして、かつて雇用主でありました郵政省、電電公社が被爆三十周年を機に一時金を差し上げるということになりまして、その予算措置を講じました。それ以上の措置につきましては困難だということで、これをもちましてお答えとせざるを得なかったものでございます。
  37. 森井忠良

    森井分科員 先ほども申し上げましたように、これは戦時立法の明らかな不備で、しかも二度にわたって一時金を出すというきわめて異例な実績が残ったわけでございます。法的にむずかしいと言われますが、先ほど申し上げました軍人恩給にいたしましても、あるいは陸海軍の雇用人にいたしましても、できないものができているじゃないですか。どこかでこの問題を処理しなければならない。妥当ではないが違法ではないということはたくさんあるわけですから、その例にならえば、私は、共済組合の所管官庁である大蔵省はもっと真剣に取り組むべきである。別の機会に改めてこの問題を提起したいと思いますので、大臣、せめて再検討していただけませんか。その点だけをお伺いして、終わりたいと思います。——再検討くらいしてくださいよ、私も政治家として話しておるのですから。
  38. 坊秀男

    坊国務大臣 検討をいたします。
  39. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 次に、栗林三郎君。
  40. 栗林三郎

    栗林分科員 私は、国民金融公庫の運用並びに融資条件等について若干お尋ねをしてみたいと思います。  申し上げるまでもありませんが、国民金融公庫は、銀行その他一般の金融機関からの融資が困難な国民の皆さんに対して、必要な事業資金等の供給を行うことを目的として設立されました全額政府出資の金融機関であると存じております。したがいまして、今月のようなこのような深刻な不況時に際しましては、少なくとも一般金融機関とは違った、文字どおりの国民大衆に対する何らかの特殊な救済措置等を講ずる必要があったではないか、かように考えておるものであります。三月、四月は中小企業、特に弱小企業の皆さんにとりましては、これは決済期であります。資金決済期を目前にしておる三月、四月、恐らく千数百件以上の倒産が出るではないか、このように予想されておるのでありまして、こういうような深刻なことはきょうの東京各紙にも報道されておる状態でございます。それでありますから、こういうような深刻な状態に、果たしていわゆる特殊なそういう任務を持っておる国民金融公庫がその使命を完全に果たしているのかどうか、さらに、中小企業、弱小企業の業者の皆さんから期待されておるような運用が行われておるのかどうか、まことに疑問に感ずる次第でございます。  そこでお尋ねしたいことは、いまの融資条件、特に融資期間、償還期間ですね、及び金利等は、これは法十九条に基づいて業務方法書の中で決められておると存じますけれども、この融資期間はいつ定められた事項でしょうか、これをひとつお尋ねしてみたいと思います。
  41. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 ただいまお尋ねのございました業務方法書におきます貸付期間の規定でございますが、これは昭和三十九年の二月に業務方法書の改正がございまして、その際、現行の五年以内ということが定められて今日に至っておるわけでございます。
  42. 栗林三郎

    栗林分科員 そうしますと、昭和三十九年に、設備資金については七年以内、運転資金については五年以内と定めたまま今日まで変更がない、こういうお答えですか。
  43. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 基本的にはさようでございます。
  44. 栗林三郎

    栗林分科員 それでは、現行金利は、これは一般口でございますが——普通貸し付けの場合を私、取り上げて申し上げております。一般口の場合は八・九%、現行はそういう利率になっておるはずでございますが、この利率は若干変化があったと思いますから、最近時の変化をお答え願えれば幸いです。
  45. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 ただいま行われております貸出金利は、普通貸し付け、一般口八分九厘ということでございます。これは御承知のように、昭和五十年の十一月に業務方法書の改正がございまして、それまでは実は九・四%、九分四厘でございましたものを、〇・五%引き下げられまして八・九%、かように相なっておるわけでございます。
  46. 栗林三郎

    栗林分科員 利率については私もいただいた資料がありますから、ここでお尋ねする必要はありませんけれどもお話を進める上に必要だと思いますのであえて申し上げてみますと、現行八九%、お答えのとおりであります。さらにさかのぼれば八・三%という時代があった。これは昭和四十八年の十一月から翌四十九年の一月ごろまでが八・三%の時代でありました。これは財政投融資、いわゆる運用部資金から借りて融資をしておるわけでございますから、その借入利息の変動に基づいてそれぞれ変化のあることは当然でございますから、これはそのように変化をしておるようでございますが、償還期限といいますか、融資期間といいますか、この期限については、七年以内、五年以内と決められたまま三十九年以来不動の姿勢を示しておるわけでございます。そこで、七年以内、五年以内でありますから、それならばかなり運用面では幅を持たせた決定であろうと思います。したがいまして、現在では、設備資金で七年以内といいますから、七年も含まれておるかもわかりません。あるいは六年もあるかもわからない、あるいは四年しか認めておらないものもあろうかと思います、以内ですから。  そこで、設備資金の一般口で一体何十カ月が集中的な利用のあれになっていますか、そこのところをひとつお答え願いたいと思います。一番多いところでよろしゅうございます。
  47. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 お答え申し上げます。  貸出期間の期間別の分布を見ますと、最近の実績で見まして、金額的に見まして全体の約半分、約五五、六%程度になりますが、これは大体二年から三年の間というところにございます。また三年から四年の間、これが全体のうちの約九%を占めております。さらに四年から五年、これが全体の九%、さらに五年以上のものになりますと八・四%、これが五十年度の実績の数字でございます。
  48. 栗林三郎

    栗林分科員 いまの期限のお答えですと、設備資金と運転資金をまぜた数字のように承りますが、そうではなくて、設備資金は七年以内、運転資金は五年以内となっております。そのうちの一般口は七八%占めておりますから、特殊なものは除いてください。いわゆる普通貸し付け、俗に言う一般口の分で、設備資金には一体何十カ月が一番多いのか、運転資金の場合何十カ月が一番多いのか、その多い種別のところでお答え願えれば結構です。別々に仕分けしてお答え願いたいと思います。
  49. 徳田博美

    ○徳田政府委員 ただいまの御質問にあるいは直接のお答えにはならないかもしれませんが、普通貸し付けの平均の貸付期間でございますが、これは五十年度におきましては設備は四十一・九カ月でございます。それから運転が二十六・九カ月でございます。したがいまして大体この辺が中心ではないか、このように考えております。
  50. 栗林三郎

    栗林分科員 よくわかりました。私も内々いろいろお尋ねしたり、調査をしたり、資料等をいただきまして、おおよそ平均するとその程度の融資期間であるというふうに承知しておりますので、よくわかりましたが、さてここでお尋ねしたいのは、本当に資金を必要とする弱者の身になって考えたことがあるのかどうかということでございます。新たに方法書を策定し直せというのであれば無理な議論かとも私は思いますけれども、方法書によれば七年以内、五年以内としておる。非常に幅の広い運用を当局に任せておる決定でしょう。したがいまして、経済が通常の状態で展開しておる場合は別でありますけれども、ここ一、二年の今日では深刻な不況だ。これはいまさら不況論を申し上げる必要はないと私は思う。いわば昨年から今年にかけては、中小企業、弱小企業の受難の年であったと私は言えると思う。こういう人方は十二月三十一日あるいは三月三十一日、この決済期を何どか越すことができますと、さらに向こう三カ月、六カ月余裕が出てまいりますから、そこでまた対策の立てようも出てくるわけであります。したがいまして、今日のような不況時に際しましては、設備資金で四十カ月ということでなしに、場合によってはもう十カ月延長してやる、あるいはもう六カ月延長してやる、したがって延長してやる期間に立ち直ってほしい、こういうような配慮は当然必要ではないかと思うわけであります。深刻な不況の時代でなければこれはまた別でございますけれども、今日のような悲惨な倒産の続出する中小企業、弱小企業の受難の年にあっては、以内という取り決めがあるのだから、定めがあるのだから、これを金融行政の面でもっと有効適切に活用する、利用する、指導するという配慮があっていいものではないだろうか。それを、三十九年に決めた七年以内、五年以内は別にしましても、依然として四十カ月、この不景気風はわれ知らずというような硬直した態度としか私には見えないのでありますが、この点についてのお考えをひとつ承りたいと思います。
  51. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 ただいまの先生の御指摘のように、私どもも当初定めました貸付期間の契約等を固定的にいつまでも動かさぬということではございませんので、やはり取引先のお客様の実情、経営の実態等をよく見まして、それに応じて、この返済猶予、いわゆる条件の変更を実情に即していたしております。その中でも、特に貸付期間の延長というものを企業の実態に応じながらケース・バイ・ケースにつきまして返済のしやすいような形に直してまいっておるわけでございます。いわゆるその条件変更のケースというものが昨年来件数としては非常にふえてまいっておりまして、ことに昨年の第三・四半期、十—十二月のころは特段にまた倒産も多い時期でございます。それに応じまして、返済猶予を実情に即しながら行っておる状況でございます。今後ともその辺は実情に応じて運営をしてまいりたい、かように思っております。
  52. 栗林三郎

    栗林分科員 どうも私納得いかないのですが、これはもう実例を挙げれば一番いいと思うのです。ケース・バイ・ケースで、場合によっては期間の延長等も認めてきておるやの御答弁ですけれども、きわめて少ない例はあろうかと思います。しかし、私は秋田県です。秋田県のある代理業務を行っておる機関では、その割り当てされました金額すべて三十カ月でございます。ケースバイ・ケースは許されない。全部一律に三十カ月。恐らく秋田の支店はほとんどそういう状態ではないだろうか、かように思うのでございます。  私は、この際、二つの点からこの期間の問題について強く、これはそれほど議論をする必要のないことだと思いますので、ひとつ率直にお答え願えれば次の質問に移りたいと思うのですけれども、二つの点から申し上げたい。  一つは、一般貸し付けの場合の償還期限の問題、これは今日のような不況時でありますから、今後貸し出す場合には、いままでの若干のケース・バイ・ケースというお話でありますけれども、実際はそうではないのですから、ひとつ原則としてもう六カ月、あるいはもう十カ月期間の猶予を認める、それだけの期間の延長を認めるというような方針を積極的に打ち出してはもらえないものか。返すものから見れば、わずか一カ月延ばされたことによって助かる企業がたくさんあるのです。こういうことをよく考えていただいて、ひとつ六カ月、設備資金については十カ月、あるいは十二カ月これを延長するというような配慮は、この方法書の七年以内という精神から言えば、私は今日の不況時に直面して苦しんでおる中小企業、弱小企業を救済する方法として、あるいは国民金融公庫の持つ特殊的な性格から言いましても、その程度の配慮はあってもよいではないか、決して無理な要求ではないだろう、このように思いますので、この点を一つ申し上げたわけであります。  いま一つは、既存の貸し出しにつきましても、三月、四月のこういう決済期を迎えたような場合に、ひとつもう三カ月延ばしてやるとか、あるいはあと六カ月延長を認めるとか、そういうような臨機応変の措置をとっていただく、そういう配慮はできないものかどうか。これを強く要望して、ひとつ御返事をお願いしたい、かように思います。
  53. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 ただいま御指摘になりました、貸付期限を固定をしてというようなお話がございましたが、この点は、実は支店に対しましてそのような指導はいたしておらないわけでございまして、十分実情に応じながら、そこは弾力的に対処するようにということでやってまいっておるわけでございますが、ただいま先生お話のございました、今後の貸し出しについての期限の定め方、それからまた既往貸し出しについての返済の猶予等につきましては、これはやはり十分企業の実情に応じまして、資金繰りその他も十分勘案をいたしまして、実態に即した期限の決め方をいたしてまいりたい、かように存じております。
  54. 栗林三郎

    栗林分科員 いずれにしましても、設備資金は七年以内、運転資金は五年以内、こう方法書には定めておる。それに対して現在は平均して設備貸し付けの場合は四十二カ月、運転資金の場合は平均で二十六カ月。これでは七年以内、五年以内とは余りにも離れておるではないでしょうか。業者がこの延長を望まないというのなら、これは別ですよ。しかし、今日不況時にあえぐ中小企業や弱小企業がこの延長を切実に望んでおるのですよ。また、六カ月でも十カ月でも延ばすことによってその企業を助けることもできるわけです。それができないために、他の一般の民間の銀行であるとかあるいは信用金庫等でそういうものを救済する、いろいろな施策を講じておるわけでしょう。特殊なこういう国民金庫公庫でありますから、ひとつ国自体が、公庫自体が、もっと積極的な姿勢を示されて、そして資金の融資を望むあるいは融資期限の延長を望む弱小企業のために、もっと積極的な配慮を特に強く要望し、御検討をお願いしておきたいと思います。  あと、時間がなくなりますから。金利につきましては八・九。これは運用部資金から借りているわけですから、いま七・五%これは利息を払っておる。ですから、これを無視してもっと引き下げろと言っても、無理なことはよくわかります。しかし、五十年度の決算を見ますと、かなり良好な業務成績を上げておるように私は見受けておるわけです。五十年度の決算を見ますと、百六十五億の収入が支出を上回る決算報告が出ておるはずでございます。したがいまして、これはかなり業績がよい、こういうように私は、もちろん素人ですが、判断をしておるわけです。これは決算書を見ますとそういうふうに書いてあります。五十年度は支出を収入が上回るものが百六十五億、こういうように記載されて国会に報告されておるわけであります。端的に言えば百六十五億の黒字ということでしょう。これだけの剰余金ができたということでないでしょうか。それで五十二年度の計画予定書を見ますと、大体やはり五十年度の——あるいは五十一年の決算を私はまだ見ておりませんけれども、かなりよい業績をおさめつつ、公庫は運営されておるであろう、こういうように判断をしておるわけでございます。  そこで私の申し上げたいことは、借入資金の七・五%、これが下がらなければ八・九%を引き下げることは、これは原則として困難なことは私もわかります。けれども、これは国の機関でありますし、しかも今日のような不況時に苦悩しておる中小企業を助ける方法としては、借入資金の七・五%はあるにしても、この八・九%を幾らかでも引き下げる、こういう配慮ができないものかどうか。  私はこの際申し上げますが、いま銀行関係、信用金庫関係の約定金利、いわゆる利回りはどうなっていますか。八・九よりもはるかに下になっておるではありませんか。約定金利はどうなっていますか。国民金融公庫の八・九よりも高いですか。高い時代もあったが、今日ではぐっと下がっておるはずであります。約定金利はどうなっていますか。それと八・九とはどれだけの差がありますか。これをひとつお答えいただきます。
  55. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 各種の金融機関によりまして金利水準もいろいろ差がございますので、一概には申しにくいところでございますけれども、従来、大体信用金庫でございますとかあるいは信用組合の金利水準は、国民金融公庫の、さらには相互銀行でございますが、貸し出し金利水準よりは上回った水準で推移をいたしております。都市銀行、地方銀行につきましては、これは国民公庫の金利よりも下回ったところで動いておるわけでございますが、現在の時点ではこの状態は、相互銀行がかなり昨年の秋以来低下傾向を早めております。現在相互銀行の平均約定金利と国民公庫はほぼすれすれぐらいに実はなってまいっておりますが、信用金庫、信用組合等はまだ国民公庫よりも高い水準にあるわけでございます。
  56. 栗林三郎

    栗林分科員 信金関係はいまの八・九よりは高うございます。十二月末現在で信金の約定金利の利回りは九・二一四と私は聞いておりますから約〇・三これは信金の方が高い。しかし現在ではもっと下回っておりますよ、もっと下がっていますよ。小原さんに聞いてごらんなさい。これはもっと下がっています。都市銀行は、これはもう八%を下回って七・九五九と私は聞いております。これは都市銀行。地銀では八・二五四、地銀は都銀よりは少し高いが、それでも八・二五、相銀は八・七八九、こういうように私は伺っております。そうしますと、相互銀行の八・七よりも、国がやっておる、しかもそういう特殊性を持つ国民金融公庫の融資利率が相銀よりも高いということではどうかと思うのだな。いわんや現在多少なりとも信金よりは低いとはいいながら、信金でも九・二%、これはもっと下がっているはずでございます。そうすると、信金と同じような利息では国の機関として少し情けなくありませんか。もちろん七・五の借入資金の金利がこれはまだ当分動かないようであります。やがて郵便貯金利息等の変動があればそれに連動して下がるとは思いますけれども、しかしそれとは別にして、現在信金と大体同じような金利水準になっておる。これでは国の機関としては恥ずかしくありませんか。こういうような不況時でありますから、もう少し特別な施策を立てて、金利についてはわずかでも、〇・四でも引き下げて八・五にする。融資期限についてはもう六カ月延ばす、あるいはもう十カ月延ばす、だから、もうみんながんばれ、こういうように勇気づけていけばこれはかなり救済され、る。この三月、四月の決済期を乗り越える中小企業がかなりふえるのではないだろうか。何とかこういうような臨機応変、経済の変動に対応する、そういうひとつ機関になってほしい。何となく硬直姿勢が余りにもはっきりしておるように感ぜられてならないのであります。  この際、私は最後に一言申し上げますが、いま国民金融公庫に対して私は批判を申し上げましたが、これは政策上の、運用上の批判でございます。それならば、皆さんの職員は一体どう奮闘しておるのか、職場でどんな働きをしておるのか。私は、長い問国民金融公庫の支店長を初め職員の皆さんが、まことに親切丁寧に中小企業や小売商の皆さんと応対して、まことに親切な指導をされながら、彼らの需要にこたえる方法を見つけて協力しておる、その親切な態度を一回、二回見たのではありません。私は八年間あの人方のその仕事ぶりをこの目で見てまいりました。
  57. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 時間ですから短く願います。
  58. 栗林三郎

    栗林分科員 役所関係の機関でもこんなに親切な職場があるものかと、深く私は敬意を表してまいったものでございます。どうかこういうりっぱな職員がおるのですから、その施策にもう一歩前進する積極的な施策を講じてくださるならば、この職員の奮闘とあわせて、どんなにか中小企業関係の皆さんから歓迎される公庫になるではないかと、このように思うのでございます。どうかひとつ硬直した金庫でなしに、経済の変動に対応する、しかも弱小業者の気持ちにこたえるような、血の通うようなそういう金庫の運営、公庫の運営、並びに融資条件等についての再考慮を深く要望いたしまして、私の質問を終えたいと存じます。
  59. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 次に、長田武士君の質疑に入るのでありますが、本日は、同君の質疑に対し、参考人として日本住宅公団理事沢田光英君が御出席になっております。なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。長田武士君。
  60. 長田武士

    長田分科員 私は、グランド・ハイツ並びにキャンプ朝霞跡地などの利用計画に伴う諸問題の中から、限られた時間の中で特に問題点をしぼりまして、大蔵省を中心に防衛施設庁、さらに参考人として出席をしていただいております日本住宅公団に対してお伺いをしたいと思います。  質問に入る前に、基地返還の経緯を振り返ってみますと、わが公明党は現在に至るまで一貫してグランド・ハイツの返還運動を推進してきたわけであります。一昨年東京都総務局基地返還対策室が出した資料にもありますとおり、昭和四十四年に、当時の練馬区民五十二万人のうち十八万に及ぶ署名を集め、大蔵大臣を初め運輸、建設、防衛、防衛施設の各大臣、長官に請願を行ってきたという実績がございます。さらに国会では、昭和四十五年三月十六日を皮切りに、この予算委員会第二分科会や内閣委員会などで六回に及ぶ質問を通し、跡地利用について政府に種々要望してまいりましたが、こうした点を踏まえて質問に入りたいと思っております。  まず最初に、大蔵大臣にお伺いいたします。  最近、米軍基地の集約化に伴いまして、いろんな基地が返還され、その跡地をどう利用するかという問題が出てまいっております。こうした問題を処理していくために、昨年六月二十一日、大蔵省は国有財産審議会の答申に基づいて、新処理の方針といいますか、基準というものをつくられました。それが三分割有償方式ということになっております。ところが、返還基地を擁する地方自治体では、そろってこの三分割有償処分に強く反対しているため、具体的に何ら払い下げの話し合いができない。こうしたことも大臣はよく御存じのことと思いますが、いかがでございましょうか。
  61. 坊秀男

    坊国務大臣 大蔵省としては、返還財産の有効利用を図るべく、この答申に示された方針を踏まえて、その処理の促進に努めているところでございます。個々の大口返還財産ごとの具体的な利用計画の策定に当たっては、地元地方公共団体等と十分話し合いを行い、問題の円満な解決を図ってまいる所存でございます。
  62. 長田武士

    長田分科員 そこでわが党としては、地元の方方を初め地方自治体がそろって反対していることにつきまして、当局は責任を持って地方自治体の意見を聞かなくてはならない、またその意見を尊重していかなくてはならない、かように考えているわけでありますが、大臣、この点はいかがでしょうか。
  63. 坊秀男

    坊国務大臣 地元地方の人たちの御意見は、これを十分お聞きするということでございます。
  64. 長田武士

    長田分科員 そこで、まず私が伺いたいことは、昭和四十八年一月二十三日に外務省で開かれました日米安全保障協議委員会合意事項で決定した、関東計画に基づく基地集約化のための移転経費の内訳及び積算基礎をお示しいただきたいと思います。
  65. 近藤孝治

    ○近藤説明員 関東平野統合計画に基づく米軍施設区域の移設につきましては、立川飛行場、これには大和空軍施設が入っておりますが、それにジョンソン飛行場の住宅地区、キャンプ朝霞の南地区、府中空軍施設及び関東村住宅地区、この五つの施設を対象といたしております。これに要する移設経費の総額は、事務費も含めまして、五十二年度の見込みを含んでおりますが、約四百三十億円でございます。  この計画は、いま申し上げた施設区域の機能を一括して横田飛行場に集約するというものでございます。移設工事に当たりましては、数カ所の施設に所在する建物を一カ所にまとめるということで、必ずしもそれらの施設に所在するもの全部を移設するということではございませんので、それらの施設区域ごとに移設経費がどれだけかかっておるかということを明らかにすることが技術的にはできないような状況になっておりますので、施設区域別の内訳については、そのような事情を御了承願いたいと思います。
  66. 長田武士

    長田分科員 赤字が出ているようですけれども、どのぐらい出ておりますか。
  67. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 お答えします。  赤字というお話ですけれども、いまの移転計画に基づく経費につきましては、ただいま防衛施設庁から説明があったようなわけでありますが、それに見合う跡地の処分収入ですが、先ほど来お話のありましたように、跡地の利用に関して具体的な利用計画がまだ確定されてない段階にあります。この跡地の処分収入につきましては、利用計画によりまして、公園ならどうする、学校用地ならどうする、住宅公団用地ならどうする、それによって処分収入が変わってくるわけであります。そういうことで、利用計画が確定いたしておりませんので、現時点では、跡地処分による収入がどの程度になるか、まだ確定できる段階にないわけであります。したがいまして、所要の移転経費等比較しまして赤字が出る出ないをまだ申し上げる段階には至っておりません。
  68. 長田武士

    長田分科員 関連しますけれども、三分割の有償処分の方針に基づいて関東地方の基地を対象として適用する場合、その収入をどのくらい見積もっておるか、また、この財源をどこに使用するのか、この点についてはどうでしょうか。
  69. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 ただいま申し上げましたように、跡地の処分収入につきましては、具体的な利用計画が決まりませんと、全体として幾らになるかということが決まってこないわけであります。そういうことで、幾ら見込んでおるかという点についてまだ数字的に申し上げる段階にないわけであります。
  70. 長田武士

    長田分科員 と申しますと、基地ごとの特殊事情を踏まえて、地域住民や地方自治体の意向を尊重して弾力的に処理していくと考えてよろしゅうございますか。
  71. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 この点につきましては、先生が先ほどおっしゃいましたように、昨年国有財産中央審議会から答申をいただいておるわけであります。  その一つは、面積の利用区分の方法についてでありますが、御承知のように、返還基地跡地というのは、首都圏における残された国有地としては非常に貴重な存在で、今後こういう大規模な国有地、利用し得る国有地は余り望み得ないわけであります。それにつきまして、地元の方々、公共団体からはもちろん、首都圏にあります関係上、国なり政府関係機関としての利用要望といいますか要請も非常に強い。それから、こういう残り少ない貴重な土地でありますので、現時点において全部利用計画を立ててしまうのでなくて、将来も見通して、一部については将来の利用のために保留しておくべきではないかという意見があるわけであります。そういう点を踏まえまして、答申にありますように、三つに区分して処理を進めていくべきではないかという方針が出されておるわけであります。  もう一つは、処分条件の問題でありますが、これにつきましては、先ほど防衛施設庁からお話がありましたように、移転経費をかけて基地の返還を受けておるわけであります。それと同時に、これだけ膨大な国有地でありますので、それを地元地方公共団体に利用していただくにいたしましても、公園に使うにしろ、小学校なり高校用地に使うにしろ、そこに一定の有償分というのを設けませんと、返還基地跡地がない地方公共団体自身でも、小学校を建てねばならぬ、高校を建てねばならぬという要請が非常に強いわけであります。そういうことで、返還基地があるところだけがこれを無償で学校用地に使えるのだということになると、そこに非常にアンバランスの問題が出てくる。そういう両面の観点からしまして、これの処分条件を統一していくべきであるという意見が出されておるわけであります。  それで、われわれとしては、そういうことからしまして、処分条件の統一を図っていくということで、いろいろお聞き及びのような線を御提案しているわけであります。
  72. 長田武士

    長田分科員 地方公共団体としても財政が非常に逼迫しておりますが、今回の答申に基づきましては、五〇%の対価をまず払う、そして五年後さらに二分の一の時価で払う、こういう形をとっておるわけであります。  そこで、私は再度大蔵大臣にお伺いしたいのですが、この三分割有償処分方式に固執しないで、有償処分についてはこれを白紙に戻して、地方公共団体と十分話し合って弾力的に対処するというふうにならないかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  73. 坊秀男

    坊国務大臣 有償の条件は、御承知のとおり、ちょっとこれを動かすというわけにはまいりませんけれども、延納だとかそういうようなことにつきましては十分話し合いをして片をつけていく、こういうことでございます。
  74. 長田武士

    長田分科員 私は、五割以内の有償貸付、さらに五年後二分の一、実質的には七五%になるわけですが、五〇%でできないかどうかということをお伺いしているのであります。
  75. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 先生お話しになっています点は、児童急増市町村における小中学校用地の問題だろうと思います。それにつきましては、現在、五カ年間に限って無償貸付をすることができるという規定があるわけであります。われわれは、有償原則を統一にするという観点から、いまおっしゃいましたように、二分の一は有償で払い下げる、あとの半分について五年間無償の原則、無償貸付の方法によってやっていくということをやっておるわけであります。  それで、これは、五年間というのはそういう児童生徒急増市町村という状態が続き、この制度がずっと続く以上は、さらに五年後もあり得るわけであります。ですから、五年後の事態においてそういう事態がなくなれば、そういう優遇措置がなくなるというのは当然じゃないかと思うわけであります。
  76. 長田武士

    長田分科員 たとえば五年間で急増地区の指定でなくなってしまう。そうなりますと、時価に対しての二分の一は国に払うわけです。こういう条件になっておるわけですが、五年後に急増地区に指定されておるということになりますと、また五年間延びるという方式だろうと思いますが、結論から申し上げまして、二分の一支払うということについては変わりがないと私は思います。そういう意味で、急増地区におけるところの小中学校の建設用地、特にこの問題が非常に深刻な問題でありますから、有償処分の方針から切り離すわけにはいかないかどうかという点を再度お尋ねするわけであります。
  77. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 先ほど申し上げましたように、多くの返還基地を処分していくについて、いろいろ返還跡地のない市町村、それから返還基地がある市町村相互間の問題もあります。そういう点のバランスを考えまして、一つの基準を設けてやっていこうというわけでありますので、この有償の基準をやめるということにするわけにはまいらぬわけであります。  それで、大臣の方からお答えがありましたように、現在地方の財政事情等苦しい折から、支払い条件といいますか、延納条件等について最大限の考慮を払ってほしいというお話があるわけでありますが、そういう点につきましては、いろいろ事情によりまして十分御相談にあずかっていきたい、こう考えておるわけであります。
  78. 長田武士

    長田分科員 二月十九日の予算委員会大臣の御答弁がございまして、大蔵省としては一方的にこの方式を地方自治団体に押しつけようとするものではない、また、個々の大口返還財産ごとの具体的な利用計画の策定に当たりましては、地元地方公共団体と十分話し合いを行う、問題の円満な解決を図っていきたい、こう答弁をされております。この答弁は、三分割では話し合うが、有償処分では話し合うことはできないという意味でございますか。
  79. 坊秀男

    坊国務大臣 支払い条件の方は、いまも申し上げましたとおり、十分に話し合いをしてまとめていきたい。ただし、有償の限度といいますか、限界については、これはもう決まっておりますので、それでもってやっていきたいというふうに思います。
  80. 長田武士

    長田分科員 仮に、昭和五十一年六月以降三分割有償処分方針を適用するという大蔵省考え方を前提といたしましても、答申前に処分が決定されましたグランド・ハイツに対して、これを遡及適用するのは不当ではないか、このように私は考えておりますが、この点、大臣いかがでございますか。
  81. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 グランド・ハイツについてこの新処理基準を遡及して適用するのはおかしいじゃないかというお話でありますが、グランド・ハイツについても、処分条件が決まっておりましたものについてはそのとおりやっておるわけでありまして、処分条件が全然決まってなかったものについてこれから決めていくわけですから、われわれとしては新処理基準によってやっていきたいということで、地元といろいろ話し合った結果、練馬区の小学校用地でございますか、結果的に二分の一は時価で買っていただき、二分の一は無償貸し付けをするということに相なったわけであります。
  82. 長田武士

    長田分科員 そうしますと、いまの御答弁ですと、実は本年四月開校予定の練馬区立田柄第三小学校の払い下げ条件については、地元練馬区といたしましては、あくまでも三分割に関連して有償処分方針と切り離したものと承知しておるようであります。この点について、大臣に確認をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  83. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 この点につきましては、ただいまおっしゃいましたように、昨年練馬区の方から要望がありました際、練馬区として、この基準で払い下げを受けることになったからといって、これによって、ほかのものすべてについて、以後こういう条件で練馬区が払い下げを受けるという原則そのものを了承したものではないということは伺っておりますし、ですからわれわれも、練馬区はこれをやったから原則的に今後の分についてもすべて了承されたんだというようなことを主張するつもりはございません。
  84. 長田武士

    長田分科員 次に、日本住宅公団にお尋ねいたしますが、住宅建設戸数は跡地利用開発の前提条件であります。それに交通問題周辺整備、区民施設、財政問題などが山積する中で、グランド・ハイツ返還後四年余りになりますが、住宅問題一つをとってみましても、跡地開発が進展していない。一体どこにその原因があるのか、住宅公団としてはこの跡地利用計画をどうお考えになっておるのか、お伺いしたいと思います。
  85. 沢田光英

    ○沢田参考人 先生おっしゃいましたように、大変長い経過を経ております。しかし、ここは都内に残されました最後の一番大きな地点でございます。これは私ども仕事もさることでございますけれども、東京都の都市計画の一部としてあそこを一体どういうふうに利用するのか、また地元はどういうことを都市計画要望するのかということが基本であろうと思います。したがいまして、東京都の都市計画担当の部局、これがまずそのマネージをやっておるわけでございますが、私ども住宅建設部門といたしましては、住宅公団、住宅供給公社、都営住宅の都、それと地元とで協議会をつくっておりまして、いろいろ私どもの希望、あるいは地元の希望、あるいは都市計画サイドの問題、こういうものを逐次まとめておるわけでございます。事業主体としての住宅供給機関は、一日も早くこれを利用して住宅供給をいい形でしたいと思っておりますが、私どもといたしましても、ここに次のゼネレーションに恥ずかしくないようなものを建てる、それには都市計画的に十分検討していただいて、できるだけ早い時期に、私どもは五十二年度中には都市計画決定を出していただきたいと思っておりますけれども、戸数の問題等もまだ煮詰まっておりません。まあ一万二千戸という区の御希望もございます。東京都の都市計画の方ではそれと多少異なる段階の数字も現在出ておりまして、そういう打ち合わせをやっておる段階でございまして、私どもは、その戸数が決まればその中の相当戸数は私どもの方でやりますが、そういう段階でございますので、できるだけ早く戸数が詰まり、あるいは都市計画決定がされて、できれば五十三年ぐらいから着工したい、かように考えておる次第でございます。
  86. 長田武士

    長田分科員 練馬区では住宅戸数を一万二千戸と提案しておるわけでありますが、この案に対しては住宅公団といたしまして歩み寄りができるわけでございますか。
  87. 沢田光英

    ○沢田参考人 先ほどもお答えいたしましたように、都市計画的なマネージのもとでどういうふうな戸数になるかという戸数が決まりまして、それに応じて私どもお分けいただいた土地の中に何戸建てていくか、かようなことでございますけれども、現在たしか一万三千程度お話が進行していると思います。したがって、それの決定次第に私どもは従うはずでございますが、練馬区の御要望は一万二千戸以下、かような話でございます。先ほど申し上げましたような将来の町づくりからいいますと、私個人の考え方でございますけれども、結局建物の詰め込み方はやはり将来を考えて入れるようなことを考える必要があろうというふうに考えております。
  88. 長田武士

    長田分科員 一万二千戸ということが区から要望されておりますが、この点については数の上でお伺いしたいのでありますが、大体住建三者と申しますか、歩み寄りはできるのでしょうか。数の点でお願いします。
  89. 沢田光英

    ○沢田参考人 これは私が答弁できる範囲の話じゃないと思うのでございますが、そういうことで現在いろいろ協議をして、区との調整を十分つけたい、かようなことで打ち合わせをしている状況だと判断しております。
  90. 長田武士

    長田分科員 実は住宅公団が、一番住宅の部分が大きく占めておりますから、その住建三者の中でも最も主体的な役割りをなしておる、こういう意味で私は伺ったわけであります。この点については区の要望もございますので、どうかひとつこれに歩み寄っていただきまして結論を出していただきたいと思っております。  次は、住宅の高さとか規模あるいは家賃などについてどうお考えになっておるのか、お伺いしたいと思います。
  91. 沢田光英

    ○沢田参考人 住宅のありようも、全体の戸数、一定の面積の中に入る戸数に従いまして大分違ってまいるわけでございますが、やはりここは価額もかなりのところでございますし、あるいはこれからの町づくりの行き方もございますので、やはり相当立体化されるんだろうと思います。私どもでは、一番高いもので恐らく二十階くらいのところを技術的には現在考えております。ただ、全体の問題といたしましては、画一性を避けて、要所要所に高い物を配し、あるいはこれからのデザインでございますが、低層も入れるかもしれません。立体化をかなり図りませんと、むねとむねとの間のオープンスペース、緑のスペース、こういうものが生まれてきませんので、全体といたしますればやはり相当な高密度で、それを緩和するために高層住宅も入ってくるというかっこうでございます。ただ、周辺との関係でございまして、周辺に、高いものを建てますと、二十階等建てますと、日照問題その他が外に出てまいりますので、そういう点は十分配慮をして、要所要所に適当な場所に高層を建て、あるいは中層を要所に建て、あるいは低層も交えて、将来のあるべき姿、住宅地のあるべき姿というものを実現したい、かように思っています。  それから、戸数が減りますと、やはり土地の負担なり、あるいはそのほかの関連公共の負担なり、こういうものがかさんでまいりまして住宅の原価が上がるわけでございますから、できるだけ詰めたいということも片やございますけれども、先ほど来私がお話ししておりますように、将来の問題を考えて一定の限度のものになる。そうしますと、やはり相当土地その他の負担が一戸当たりかかってまいります。こういうことから逆算してみますと、現在三LDK、この辺を将来中心にねらっておるわけでございますが、もちろんそれを中心に大きなものから小さなものまで入れますけれども、その平均のもので、恐らくいま騒がれております。七万円家賃というふうなことを言われておりますが、竣工の暁にはそういう程度の賃貸住宅、いまの公団の原価計算方式ではさようなことになろうかと思っております。
  92. 長田武士

    長田分科員 また、長い間基地を抱えておりました練馬区民の応募者に対しては、一体どのような優遇措置をされようとお考えですか。
  93. 沢田光英

    ○沢田参考人 地元優先という話が、東京あるいは東京近郊にございまして、現在東京都内で、御希望がある場合にはおおむね四割程度の地元優先ということを平均的にやっております。  ただ、この地域は本当に最後に残されました都市再開発の拠点でございますので、もちろん地元の御希望を十分私どもとしては達成したいと思うのでございますが、達成する際の方法論といたしまして、私どもといたしましては、あの地域の木賃地帯そのほかを考えました再開発に役に立つような、たとえばその他の公共事業でどかされる方とか、あるいは建設省で始めております転がしによる再開発の推進とか、そういうことによる優先ということがございますれば、私どもはいままでの枠にとらわれず、そういうものを使ってあの地域、さらに東京全体の地域の再開発の起爆剤にするということを考えておる次第でございます。
  94. 長田武士

    長田分科員 いま申し上げましたとおり長い間の基地でございまして、地元住民に十分ひとつ対応していただきたいということをお願いしておきます。  区民の福祉施設でありますが、四十七年の跡地利用対策方針の中で具体的に施設要望を掲げておりますが、住宅建設に伴う関連施設はもちろんのこと、他区との施設格差をなくす上からも、住宅公団としてはどのように対応されるお考えを持っていらっしゃるか、その点を最後にお伺いしたいと思うのです。
  95. 沢田光英

    ○沢田参考人 先ほどから申し上げておりますように、公団をつくりますこの地域は、やはり新しい形として非常に重要な地域になろうと思っております。したがいまして、この中は単に公団住宅だけの施設というかっこうではなしに、広く区あるいはそれよりも広い地域にお役に立つ施設が当然入ってくるだろうと思います。ただ、そのときに負担問題がございます。現在、私どもの方では、関連公共施設につきましては立てかえ制度というのがございまして、それは学校なり何なり、こういうものが補助金とか起債がつくまでの間立てかえる、あるいは超過分につきましては低い金利、あるいはゼロの金利で相当期間の割賦、こういうふうな制度がございます。そのほかにもしはみ出ました場合は、これはなかなか問題なのでございますが、負担金という制度もございまして、やむを得ず負担金を出しておる。前者でございますれば、これは家賃に入らないわけでございますが、負担でございますれば、先ほどの七万円とか、そういう家賃のコストに入ってまいります。そういうことでコストにはね返りますけれども、しかし、住宅政策上やはりあるべき家賃額というものを頭に置きながら、私どもは、できるだけ区なりあるいはもう少し広域の地域の施設、こういうものについてはでき得る限りの努力をしたいと思っております。
  96. 長田武士

    長田分科員 以上で質問を終わります。
  97. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 次に、長谷雄幸久君。
  98. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 私は、返還された米軍基地の跡地の利用についてお尋ねをしたいと思います。  この跡地利用につきましては、大蔵省は、昭和五十一年六月二十一日付で国有財産中央審議会の答申書、いわゆる三分割答申に基づいて有償三分割方式を決定しておりますが、私は、この三分割方式に反対の立場質問をいたします。  初めに、昭和四十八年一月二十六日の日米合同委員会で合意を見ましたいわゆる関東計画に基づいて提供財産が逐次返還されておりますが、この計画には一つの大きな問題が隠されていると思います。それは米軍基地の集約強化であります。このままでは横田基地については、米軍の永久使用につながるものとして地元住民は大きな不安を抱いております。当初、米軍基地につきましては、逐次返還されるものと認識をしておりました。しかし、こうした集約強化には、私どもは強く反対するものでございます。  さて、長年にわたる米軍基地の存在によって多大の迷惑を受けてきた地元住民の感情や地元自治体の利益から、大蔵省のこの三分割方式には大変大きな抵抗、反対があることは、大蔵省も御承知のとおりでございます。特に府中の空軍施設及びその住宅区域を持つ府中市、それから大和空軍施設を持つ東大和市、昭島市、あるいは立川飛行場を持つ立川市とそれらの隣接する市及びその住民の受けた迷惑は、長年にわたって多大なものがあると思います。  ところで、この三分割答申を決めた国有財産中央審議会委員の人選についても私は大きな問題があると思いますし、また、答申内容についても、地元の意思が全く反映されていない、こう言わざるを得ないと思うわけでございます。そこで、この際、三分割方式を撤回して白紙に戻す意思がおありかどうか、簡単に結論だけで結構でございますので、この点をお答え願いたいと思います。
  99. 坊秀男

    坊国務大臣 大蔵省といたしましては、返還財産の有効利用を図るべく、本答申に示された方針を踏まえて、その処理の促進に努めているところでございまして、今日この方針を撤回することは考えておりません。
  100. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 大変残念でございますが、次に、最近、人口の都市集中化がきわめて顕著でございます。この都市化の現象は、東京都について言いますと、東京の区部のいわゆる中心部はむしろ過疎と言っていいぐらいで、集中化はむしろその周りの方である。いわば、その人口の都市集中化という傾向がドーナツ化現象と言われるような形で周辺に多く密集している。これを東京都について言いますと、人口が極端に集中傾向にあるのは多摩地区でございます。この人口の急増化によりまして、御承知のように、小学校、中学校をたくさんつくっていかなければならない、そういう要望がございます。また、住宅あるいは防災施設、こういう行政需要が大変大きいのが現状でございます。しかし、それに見合うだけの土地は当然確保しなければならない。ところが、それぞれの地元の公共団体ではそれを求めるに適切な土地が見当たらない。問題解決には土地を求めることが先決である。この土地が求められなければ、得られなければ、住民の生命の安全もきわめて保証がむずかしい、こういう差し迫った状況にあるわけでございます。  そこで、私がお尋ねしたいのは、三分割答申における分割される土地の面積についてでございますが、答申に見られる処理基準によりますと、面積を三等分して、地元、地方公共団体が利用するA地区、国や政府関係機関が利用するB地区、それから保留地であるC地区、こういうぐあいに三つに分けている。ところで、さっき申し上げたように、地元の行政需要が非常に強い。この需要にぜひともこたえてもらいたい、これが地元の大きな意思であるわけでございます。これをぜひとも尊重してもらいたいと思うわけでございますが、大蔵大臣は、かつてこの点につきましても、利用計画の策定には十分地元の意思を尊重する、話し合いに応じる、こういうような趣旨の御発言、御答弁がございました。  そこで、私はここでお尋ねしておきたいことは、いままでこの跡地の利用計画について、大蔵省が話し合いの対象にしてきたのは東京都であった。私は、東京都を入れることは差し支えありませんが、やはり最も身近で直接の利害のあるのは市町村です。その基地を抱えている市町村です。私がさっき申し上げました基地について言いますと、府中市であり、東大和市であり、昭島市でありまた立川市であるわけです。そういうことでございますので、そうした身近な地方公共団体、市町村をこの跡地の利用計画についてお話し合いをされる対象として考える余地があるかどうか、この点をお答え願いたいと思います。
  101. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 ただいまおっしゃいましたような東京都下の府中とか東大和、それから立川等の土地利用の問題でございますが、われわれとしましては、いろいろそれらの基地跡地の利用計画につきまして、関係市町村だけでなくて、都の施設もつくられるわけでありますし、財政的には都が負担する面というのが非常に多いのだろうと思うわけでございます。そういうことで、直接的には都の関係部局といろいろ話し合い折衝を行っているわけでありますが、もちろん直接地元の市町村の方の方々の御意見なりも、いろいろ役所等においでになりまして、直に御意見等も十分伺っているつもりであります。
  102. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 その点が大変問題なわけで、地元の市町村にしますと、自分たちが一番利害があるにもかかわらず、自分たちを飛び越えて、東京都だけを相手にしているということで、相手にされていないということで非常に不満がございます。そういうことで、正式な話し合いの場に、テーブルについてないということで、市町村の方が国の方に直接陳情やそうした形で出てきているんじゃないかと思うのですが、その点どうでしょうか。
  103. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 ただいまおっしゃいました基地跡地につきまして、その周囲に関係市町村が幾つかあられるわけでありますが、その跡地の利用の仕方につきまして、関係市町村の意見が必ずしもすべて一致しているということもありませんし、それから東京都と地元関係市町村との意見の調整というのも必ずしもなされていない面があるわけです。われわれとしては、ですから、もちろん地元の意見も聞いておりますが、いろいろ交渉、折衝の窓口としましては、どうしても、ばらばらにやっておりますと、これはわれわれとして話を進めるわけにいきませんので、東京都というものを相手にして、東京都の方でいろいろと意見を調整してもらって、それに基づいて相互に話し合いを進めていく、こういう方法しかないんではないかと考えているわけであります。
  104. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 そうしますと、東京都がすべて市町村の意思を吸収して、それがあらわれていれば問題ないのですけれども、現実には決してそうでないという不満がたくさんございますが、こういう現状を踏まえたときには、やはりその跡地の利用については、東京都だけでなくて、やはり地元の市町村にも国の方からもっと出かけていって話し合いの場をつくるような形でしていかないと、この問題は、返還されたものの跡地の利用は、幾らたっても決まらない、こうなるのではないかと思うのですが、その点いかがですか。
  105. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 ただいま申し上げましたように、折衝の相手としましては東京都に統一しまして、そこでいろいろ地元の意見を調整をしていただきまして、利用計画の策定を進めていくわけでありますが、その間におきまして、直接いろいろ地元の皆様方の御意見なり陳情というのは、われわれとしていつもおいでになれば聞いておるわけで、当然われわれの処理計画を進めていく上においても、十分その辺の御意見は参考にさせていただいておるわけであります。
  106. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 分割される土地の面積についても、地元の意思を十分に尊重して、いま申し上げたように、三分割ということでなしに、仮に分割されるとしても、分割の方法についてもっと弾力性を持った処理をしてほしい、こういう要望があるわけですが、この点について検討される意思がおありかどうかお尋ねします。
  107. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 この三分割方式といいますのは、先ほど来申し上げておりますように、首都周辺におきましてこれほど大規模な国有地というものは将来望み得ない非常に貴重な土地である。それに基づきまして、地元からはもちろんのことといたしまして、そのほかに先ほど住宅公団からもお話がありましたような、住宅公団、それからその他の国、政府関係機関の要望というのも非常に強いわけであります。それから将来のためにもとっておかなければならぬ、これだけ貴重な土地であるので、現時点の要請だけからすべて利用計画を立てて割り切ってしまうのは問題ではないか。将来のために相当分を保留していく必要があるのじゃないかという要請があります。そういうことに基づきまして、それらのいろいろな要請を調整していく方策として、こういう三分割方式というものが国有財産中央審議会で相当長期間にわたり審議された結果、答申として出されたわけであります。一見非常に機械的なように見えるわけでありますが、その審議会先生方も、初めいろいろ議論していく過程ではそういう疑問を持っておられた方もあるようでありますが、最終的には、結局そういうことでなければ、将来のためにも、それから現在のいろいろな要請というものを調整していくというのはできないのではないかという意見になったわけであります。結局、いろいろな要請、みんなが譲り合ってこの話をまとめていこうじゃないかという基準として示されているわけです。ですから、われわれとしてはもちろんこれを機械的に割り当てるということではなくて、いろいろこういう骨組み、大枠の基準の中で具体的な利用計画については地元の関係者との話し合いを十分行いまして、利用計画の策定を図っていきたい、こう考えておるわけでございます。
  108. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 同じく三分割答申における処分条件については「原則として有償処分による」、こうありますが、この点についての大蔵省方針は、処分される返還財産の面積のうち二分の一は時価で売却し、残りの二分の一は当該用途につき法令上認められている優遇措置を適用するということになっている。すなわち、公園とか児童生徒急増地域の小中学校とかの場合には、処分面積の二分の一は時価売却、残りの二分の一は有償貸し付け、そしてまたこれ以外の学校、病院、社会福祉施設、公民館等の場合には、処分面積の二分の一は時価売却、残りの二分の一は五〇%減額譲渡、こういう方針を決められていますが、この大蔵省方針もとに、たとえば返還された府中基地についてこれを当てはめてみますと、この大蔵省方針に従って府中市が支払う土地代金というのは、府中市の試算によりますと約百四十二億になります。ところが、府中市の昭和五十一年度の一般会計予算は百六十億なんです。とてもこの数字だけでは買える数字ではないのです。また、同じく大和基地のある東大和市について見ますと、東大和市が支払う土地代金というのは、東大和市の試算によりますと約七十億。ところが、東大和市の昭和五十二年度の一般会計予算では六十一億円、こうなっているわけです。もう明らかに買える数字ではないわけですね。ですから、いま仮にこれを可能な最長期の延べ払い、こういう便法があるようですが、これによったとしても五年ということですから、これを五等分してもとても支払い可能な、現実的な土地代金の支払いじゃないのですね。これでは要するに地方財政の実情を全く無視した処分基準であると言わなければならない、こう私は思うわけです。そうなると、結局は不可能な条件を提示して、これに従えということは、地元にはこの土地は譲渡しないのだというのと同じではないか、こう考えるわけです。  そこで、この有償制ということについて、こういう地方公共団体のそれぞれの財政状況もある、いろんな事情があるわけです。その土地の必要性の程度も違うでしょう。こうした点を考えて有償制についてもっと弾力性のある方向考えられないかどうか、この点御答弁願いたいと思います。
  109. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 ただいま先生のおっしゃいました数字は、恐らく府中なり東大和基地跡地の面積を全部地元で使いたい、それも安く使いたいという御希望なんではないかと思うのです。お気持ちとしてはわからないでもないのでありますが、先ほど来申し上げておりますように、いろいろこういう土地につきまして、地元の要請はもちろんでありますが、国なり政府関係機関の方でも使っていかなければならぬという要請もある。一部は将来のために保留地として残していかなければならぬという要請、それを考えますと、地元で使っていただく面積といたしましては、われわれとして先ほど来申し上げておりますように、原則として三分の一ということを指定しておるわけであります。その中におきましての有償の問題でありますが、これも先ほど来申し上げておりますように、これらの基地の返還につきましては、相当多額の移転経費を国として負担しておるわけであります。また、小学校なり中学校、それから公園なりをつくるに際しましても、こういう国有地のない市町村でもその要請は非常に強いわけであります。これを全部無償にするというようなことになりますと、そういう面からも非常に問題があるということで、われわれは有償の度合いを統一しまして、公園とか児童、生徒の急増市町村における小中学校については二分の一は有償で買っていただく、あとの二分の一は無償で当面貸し付ける、こういう基準でおります。ですから、当面それを使っていくという必要性、小学校なり中学校なりをつくるという要請があるのはほかの市町村にもあるわけであります。そういう市町村から考えますと、やはり負担は軽くなるのじゃないか、こう考えております。
  110. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 処分条件について、関連しまして再度伺いますが、この処分に当たって、この跡地の土地の所有権それ自体ではなくて、土地の所有権は国に留保したまま土地の利用権だけを地元に与える、こういう考えがあるがどうか。たとえば無償の場合ですと、これは法律的には使用貸借、有償で貸すのであれば賃貸借、賃貸借も時価相当の賃料を取るものから使用貸借式に非常に安いものといろいろ幅があるわけですけれども、そういう利用権を地元に与える、所有権は国に留保する、こういう利用の仕方を考える余地があるかどうか、お尋ねします。
  111. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 所有権は国が持っておって、利用権だけを地元に与えたらどうかというお話は、恐らく安くそのまま地元に貸し付けたらどうかというお話ではないかと思うのでありますが、いろいろ公園なり学校用地というのは、それぞれ公共施設として恒久的な施設として利用されるわけであります。したがいまして、われわれとしては、そういう恒久的施設に使われる場合は、そこでちゃんと処理してやっていくという方針であるわけであります。それと、先ほど来申し上げておりますように、移転経費を使っておるということがありまして、移転経費の回収と言いますと語弊がありますが、そういう財源に充てるという面も持っておるわけであります。そういうことからしまして、先ほど来申し上げておりますような基準に基づいて払い下げを行っていくという方針にならざるを得ないわけで、御提案のような払い下げをしないで安い賃貸料で貸し付けたらどうかというようなことはちょっと考えていないわけであります。
  112. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 大事な問題ですので、直接大臣に答弁願いたいと思うのですが、いまの問題ですが、地元は要するに土地の利用ができれば最小限度の要求は満たされるわけです。そうしますと、国が土地はそのまま留保しておく。そして地元に土地を必要なだけ貸す。つまり大蔵省が決めたこの処分条件を一部変更して利用権だけ地元に与えるということについて、大臣としてはどう考えていますか。
  113. 坊秀男

    坊国務大臣 地方公共団体が、財政事情等によりまして統一処分条件による返還財産の売り払い代金を支払うことが困難である場合、売り払いにかえて有償貸し付けを行うことは原則として考えておりません。しかしながら、このような地方公共団体に対しましては、売り払い代金の延納等の措置が認められておりますので、これらを活用していただいて現実的な解決を図ってまいりたいと考えております。
  114. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 そういう答弁が返ってくるであろうということを予測して前もってお尋ねしたわけです。それが、さっき府中市の財政状況あるいは東大和市の財政事情を申し上げたわけですが、そうした財政状況を見ますと、とても延べ払いになっても、五年の分割、年賦になっても払えない実情なんですよ。この条件に従えというのは不可能を強いることになるのではないか。ということは、さっきも申し上げたように、金のない地元には譲渡しないということになるのではないか、そういう意味で、いま大臣の答弁に私は納得できないのです。御答弁願いたいと思います。——大臣に……。
  115. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 かなり政治的な問題だから、大臣答えるべきです。
  116. 坊秀男

    坊国務大臣 大蔵省といたしましては、地元市町村の便宜、御希望に沿うようにここまでやっておるのでございますが、そういうようなことにつきましては、都だとかそういうようなところもこれはやはり地元の市町村のために配慮するというようなこともあるであろうということも考えております。
  117. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 大変答弁が明確でないので、趣旨が不明なんです。いま私が申し上げているのは、大臣が先ほど答弁のような形では、要するに財政的に買えない地元には譲渡しないということになるのではないか。そうだとすれば、こういう有償三分割の方式というのは考え直すべきでないか、こういう趣旨なんです。御答弁願います——大臣から願います。
  118. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 大臣から指名されたらやったらいい。
  119. 坊秀男

    坊国務大臣 ちょっと技術的なものでございますので、政府委員からお答えさせます。
  120. 吉岡孝行

    ○吉岡(孝)政府委員 いろいろ学校なり公園なりの公共施設の用地につきましては、それぞれ補助金制度もあり、補助裏についての起債の制度もあるわけであります。それからいろいろそこにつくられる施設につきまして、必ずしも市町村の施設になりますのか、都自身が都の負担においてつくる施設ということも考えられるわけであります。ですから、計算上そこで地元市町村の財政規模だけからしてどうというようなことはちょっと断定しがたいのではないかとわれわれ考えておるわけで、そういう全体の中で結局努力していただくということが必要なのではないかと思うわけであります。
  121. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 大変不満な答弁ですが、時間がございませんので……。  私は、返還される基地、この基地が基地になる前は日本の旧軍部が使用しておったわけですが、その旧日本軍がこの土地を接収するに至ったいきさつというものはいろいろあると思うのです。たとえば時価相当のもので買い取ったものもあれば、ただ同然のものもあったのではないか、いろいろな事情があると思います。そうしますと、今回米軍から返還されて国有財産になった、だから国が自由に地元の意見も余り尊重しないで処分してもいいということにはならぬのではないか、特に無償に近いような形で接収された土地については、やはりそういう元の地主であった地元の人に対して納得のいく、満足のいく形の処分というものがぜひとも必要ではないか。戦争の後遺症がまだこういうところに残っているわけです。この問題を地元の住民が納得する形であるいは地元の自治体が納得する形で処理をしない限りは、戦後は終わっていない、こう思うのです。この点について、最後ですので、大臣から答弁を願います。
  122. 坊秀男

    坊国務大臣 おっしゃるとおり、この土地は、その昔をたどってみますと、あるいは旧軍がいろいろな方式でもって手に入れた、その中には合法的なものももちろんありましょうし、少々無理をしたというようなこともあろうと思いますので、そういったような事実につきましては今日なかなかはっきり詳細にその真相をつかみにくいと思いますけれども、できるだけそこらの真相というものをつかんで、そしておっしゃるように、具体的にどうするかこうするかは別といたしまして、そういう努力をしてまいらなければならない、かように考えております。
  123. 長谷雄幸久

    ○長谷雄分科員 終わります。
  124. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 次に、藤原ひろ子君。
  125. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 私、日本共産党の藤原ひろ子でございます。  今日国民の生活は、交通事故の激増や公害、環境汚染などによりまして、現在だけではなくて将来にわたる生活が大変脅かされております。歴代の自民党政府の福祉社会実現といいますのは全くかけ声だけに終わり、国民総生産はアメリカに次いで資本主義国第二位でありながら、わが国の社会福祉に運用いたしました国民所得の割合というのはきわめて低く、西ドイツの二一・八%、フランスの一九・八%に比べまして、七・〇という福祉貧困の政治でございます。こういう中で国民の保険の加入者は年々増大をいたしまして、国民所得に対する保険加入総額の割合というものは、昭和三十八年七二%であったのが、五十年には実に二〇八%、こういう状態に達しております。五十年六月の保険審議会の答申では、募集制度改善が主要な課題として指摘をされているわけでございますが、答申を受けた大蔵省は、募集制度改善についてどのようにしようとしておられるのか、御説明を願いたいと思います。
  126. 坊秀男

    坊国務大臣 生命保険の募集制度については、五十年六月の保険審議会答申においても、いろいろ問題点があること、改善すべき事項があることが指摘されておりまして、大蔵省としても目下改善のため努力をいたしておるところでございます。
  127. 副島有年

    ○副島説明員 ただいまの大臣の御答弁補足いたします。御指摘のように、一昨年の六月の保険審議会の答申は、従来の生命保険が直面いたします問題のいわば総点検と言っていいほどの画期的な答申でございます。それ以降一年半の間に、私どもは、現在までのところ、答申に指摘されました事項のうちほぼ九割を実施いたしました。それからほぼ五%に当たりますものは、すでに実施を決めております。未実施事項がしたがって五%ほどございますけれども、これも完全実施の方向で現在検討しております。
  128. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 現在の生命保険各社、この保有契約高の合計は五十一年上期で三百一兆円となり、四十九年度と比べますと五〇%の増加を示しております。またその資産におきましても十三兆七千九百三十五億円で、四十九年度に比べますと約二五%の増加でございます。このような急成長の陰には、いま全国で約三十万人と言われております外務員の皆さん方の働きがあったからこそだ、こういうふうに私は思うわけです。しかし、外務員の方々に対します待遇というものは決してよくありません。たとえば、大蔵省の銀行局保険部長の名前でこの五十一年三月二十七日に出されました事務連絡によりますと、「基幹職員への育成率」「要件2」というところがございますが、「専業コースにあり、「職員」として在籍する者(雇用関係にあり、フル・タイマーとして毎日出勤を原則とする)」このように規定をしておられます。ところが一部の会社を除きまして、雇用保険制度も適用されておりませんなど、その待遇は労働者としての扱いは受けていないという状況です。  労働省にお尋ねをいたしますが、この外務員の方々は一体労働者ですか、それとも労働者ではないのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  129. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 いわゆる生命保険の外交員と言われる方々につきまして、労働基準法でいう労働者であるかどうかというお尋ねでございますが、同法上の労働者につきましては、その労働者と使用者との間に使用従属性があるかどうかによって判断されるわけでございます。具体的に申しますと、使用者である生命保険会社と当該労務を提供される方の間に労働の報酬としての対価が支払われる、いわゆる賃金の性格を持ったものが支払われるのかどうか。さらには労務の提供について生命保険会社が具体的な指揮監督等を行っているかどうかによりまして、実態的に判断されるわけでございます。こういう実態的な判断の中に生命保険の外交員の実態を見てまいりますと、一つには委任関係という形で委任契約に基づいて行われる方、また別に労務の提供として雇用契約または労働契約のもとで労務の提供を行われる方があるわけでございまして、私どもといたしましては、個々の人々の実態を見まして労働者であるかどうかを判断することにいたしております。
  130. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 この問題は改めて質問をしたいと思います。  大蔵省では、外務員の方々は事業者という取り扱いをしているようですけれども、この人たちの賃金実態を調査してみますと、たとえば日本生命の基幹職員の方は、基本給十万円でそれに歩合給などがつきまして約二十万円ぐらいになっているそうです。しかし、この人たちはそれがそっくり手元に入るのではありません。Aさんの十一月の出費を明らかにしてもらいますと、京都の南座へ見込みお客の招待など大口だけで五万四千円、それにタオルやティッシュペーパーなどが一万円、交通費など含めますと十万円近くも出てしまう、こういうふうに訴えておられます。これでは一体何のために働いているのでしょうか。南座への招待などは支社が中心になって催すものであるにもかかわらず、一人三千円の招待券を身銭を切って出しておられるということは、私は理解に苦しむわけでございます。これは募集取締法に違反するのかどうか、これは別といたしましても、保険の募集というものはサービス品の多いか少ないかで行うものではなくて、保険という商品の内容によって行うものであるというふうに私は思いますが、いかがなものでしょうか。
  131. 副島有年

    ○副島説明員 いま藤原先生のおっしゃいました南座のケースは、私は初めて伺ったので、それに直接お答えすることはできませんけれども、外務員の給与水準の問題につきましては、御承知のように、審議会の答申でも、これは基本的には個々の会社の経営事項であるということで、私どもとしても行政が積極的に直接介入するということは必ずしも適当ではないというふうに考えております。  しかしながら、保険の一番の基本は、消費者サービスと申しますか、契約者に対するサービスでございまして、外務員の地位の安定あるいは処遇の改善ということなくしては、当然のことながら消費者に対する十分なサービスができないという意味で、間接的な意味では私どもも大きな関心を払っているところでございます。現実の問題といたしまして、外務員のいわゆる固定給の比率は、この十年ぐらいの間に、これは各社によって違いますけれども、ほぼ四倍ぐらいにいまなっております。したがいまして、漸次改善を見ているということは申し上げていいのではないかというふうに思います。  それからお尋ねがありました事業者になっているということは、むしろ税法上の問題で、保険の外務員にはいろいろな経費が要るということで四四%の税法上の控除を認めるという、むしろ生保労連側の御要求もあってそういう扱いになっているものというふうに私どもは了解しております。  それから生保の外務員がいろいろな物を負担しなければならないという問題につきましては、私どもといたしましては、これがいわゆる商慣習あるいは通常の商取引を離れた過剰なものであるということであってはならないというふうに考えておりますけれども、その範囲においてどうするかというのは、労使間の労働協約の問題というふうにとらえております。
  132. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 この問題につきまして、おっしゃるとおり直接介入はできないだろうと思います。しかし、実態をよくつかんでいただかないと大変な事態が起こっている。そういった中で、この物価高騰の中で、賃金が四倍になっているというふうに安心をしておられては大変だというふうに私は思いますので、質問を続けていきたいと思います。  いかに外務員が事業者であり、いまおっしゃいましたように所得税の申告のときに収入の四二%は必要経費として落とされている、こういうことになっているからといっても、これでは外務員は大変です。こういったように、先ほど申しましたような問題がどんどんとエスカレートするようでは、あなた方のおっしゃっている正しい保険募集、こういうのは大変むずかしくなるのではないでしょうか、いかがなものでしょう。
  133. 副島有年

    ○副島説明員 私どもも実は生保労連と定期的に会合を持っておりまして、外務員の実態についてただいま藤原先生おっしゃったようなことを間々聞いております。確かに御指摘のように、それが一般的な社会慣習と申しますか、商慣習を越えて、実質的な所得に食い込むということであっては、先ほど申しましたように、外務員の生活の安定あるいは地位の安定ということは確保し得ない。それはひいては消費者サービスにも影響を来すということで、常々注意を払ってきておるところでございますが、いまおっしゃったような実態は、私どもなかなかつかみにくい。またそういう実態がございまして、外務員の負担が過重であるということであれば、これは是正するように指導していきたいというふうに考えております。
  134. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 この状態は新たな問題を引き起こしております。それは登録外務員の大量導入、大量脱落ということです。保険部長さんにお尋ねいたしますが、昭和四十五年以降の新規登録者数と、登録を取り消しました人の数、これを各年度ごとに御説明いただきたいと思います。
  135. 副島有年

    ○副島説明員 お答えいたします。  昭和四十五年から五十年までの六年間について逐次年を追って申し上げます。新規登録人員、四十五年が三十九万六千三百七十二人、廃止人員三十九万五千五百五人。先に申し上げるのが新鮮で、後で申し上げるのが廃止であります。四十六年四十三万三千九百八十四人、同四十四万五千二百七十二人。四十七年四十二万七千三百四十八人、同四十二万六千五十六人。四十八年三十四万五千五百五十七人、同四十万六千五十六人。四十九年二十一万五千三百八十二人、同二十八万七千五百九十一人。五十年十八万七千七百九十五人、同二十一万七千三十六人でございます。
  136. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 いまの経過はどういうふうに分析をしておられますでしょうか。
  137. 副島有年

    ○副島説明員 御承知だと思いますけれども、数度の審議会の御指摘を受けまして、私どもとしては、外務員の新規登録について保険会社の善処を要求をしているわけでございます。安易な登録をするようなことなく、また、大量導入、大量脱落ということは決して保険の安定的な経営のために好ましくないということで、数次にわたって、外務員の教育制度の充実、あるいはつい最近では募集三カ年計画の策定、あるいはこの四月から外務員の試験の登録制度の実施ということを業界に要請をいたしまして、それがようやく実施の運びとなったわけでございます。それを受けまして、外務員の大量採用、大量脱落も、先ほど申しましたように、四十六年をピークに徐々に下がってきておりまして、五十年度においては四十六年の半分以下になっているという意味でかなりの改善を見ているというふうに思っておるのでございます。ただ先生もおっしゃったように、これで十分だというふうには私どもは受け取っておりません。
  138. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 かなりの改善がされているというお答えでございますが、実は私の調査によりますと、たとえば日本生命では、昭和五十年の決算期におきまして養職採用率というのは四九・九%です。つまり、新規登録外務員の倍の導入が行われているという事実をこれは示しているというふうに思います。あなた方がどう言われようとも、これはまさに大量導入、大量脱落という状態ではありませんか。前の保険第一課長補佐の太田幸雄さん、この方が大蔵省の広報誌でこういうふうに言っておられます。「募集制度の問題では、従来とかく生命保険会社の経営姿勢が業容拡大主義に片寄り、外務員の大量導入に過度に依存していたために、外務員の教育がおろそかとなり、」云々と、こういうふうに言っておられますように、生命保険会社政策としてこれが行われてきたし、現在も依然としてこれは続いているわけです。特に最近では婦人の職場が広がりまして、なかなか保険の外務員のなり手が少なくなってきた。そこで各社は、外務員の募集を、外務員を使い、以前にも増して押しつけてきております。これがどれだけ外務員の仕事の過重になり、不満を持たせ、泣かされているか、あなた方は考えたことがございますか。  私が調べたところによりますと、増員見込み者カードというのに無理やりに対象者を書かされるわけです。いやだと言いますと、君の周りには友人や知人はないのか、こういうふうに詰められます。しようがないので架空の人を挙げておきますと、これができなければ外へ出さない、こういうふうに強要が起こっているわけです。また、京都では、職業安定所に職を求めて来る人を道でつかまえまして勧誘をするという事態です。自衛隊員の募集でもこれによく似たことがあって問題になったと同じことです。まさにこれはポン引きに等しいではありませんか。大蔵省は、このままで、今日までこのようになっている外務員の増員強制状態、これを一体知っているのか知らないのか、どうなのですか。
  139. 副島有年

    ○副島説明員 先ほど申し上げましたように、私どもは、現在まあピーク時に比べて半分以下になったとは申しましても、現在の状況がいいと是認しているわけではございません。そこで、昨年の暮れに各社から募集三カ年改善計画というものをとりまして、五十一年から五十三年までの三カ年間に一切増員はまかりならぬ、増員がまかりならぬどころではなくて、この三カ年間に新規導入を四万人減少させるという方向で各社に所要の指示を行っているわけでございます。私どもとしては、これは第一次三カ年計画でございまして、五十四年以降も引き続き外務員の量的な規制を行うと同時に質的な向上を行っていきたいというふうに考えております。
  140. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 それでは今度は労働省にお尋ねいたしますが、職業安定法第四十一条には何が定めてあるのですか、どういうことをうたっているのか、御説明をいただきたいと思います。
  141. 石井辰治

    ○石井説明員 職業安定法第四十一条におきましては、企業が従業員以外の第三者に委託して行います委託募集と、企業の従業員に行わせます直接募集、この二つに分けまして、いわゆる募集従事者に対する利益の与え方につきまして一定の制限を課しておるわけでございます。
  142. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 それでは主査主査のお許しをいただいてこの資料を労働省と大蔵省の方に見ていただきたいと思います。——これは日本生命が昨年行ったものですが、赤線が引いてあるところ、この「基盤開拓運動推進施策」、「一般部員の部」では、「八、九月の委嘱者が十二月一日付までに採用となった場合は導入者に対して婦人用の自転車を贈呈をする。」こういうふうに一番目にあります。三番目には、「第二期新人の導入者に対し、補研生委嘱一名につき二千五百円を支給する。」こういうふうに明示をされております。条件にかなった人を会社に入社させれば金を出す、また自転車を贈るというものです。  これは先ほどの説明によりますれば、職安法違反になると思いますが、労働省はどのように考えておられますか。
  143. 石井辰治

    ○石井説明員 御指摘の事案でございますが、ただいまお話を聞いたわけでございまして、私ども詳細な実態承知しておりませんので、明確なことは申し上げかねますが、お話を聞いた限りにおきましては、先ほどの四十一条の規定に照らして問題があるのではないかというふうに考えます。
  144. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 それでは、直ちに実態を調査をして御報告をいただきたいと思います。よろしいでしょうね。
  145. 石井辰治

    ○石井説明員 調査の上、多少の時間もちろんかかりますけれども、御報告を申し上げたいと思います。
  146. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 こんなことはこの一社だけではなくてほかにもあるわけです。  もう一つこれを……。これが実物ですが、これは住友生命京都支社の資料ですが、これもよく見ていただきたいと思います。「岡山粉砕の年 七七幕明け」、こういうことです。そして、まさにあすは、春けんらんの京のグランドホテル春秋の間において増員の宴が催されるわけです。三月十五日でございます。ごらんのとおり、住友でも日本生命と全く同じではありませんか。その線のところ、よく見ていただきたいと思いますが、個人会員におきましては、「研試甲一名以上増員」をするとか、所長会員は「出張所にて研試甲一名以上増員」をするとか、いろいろ書かれているわけです。時間がありませんので、これをよく見ていただきたいと思いますが、住友でも日本生命と同じように、景品つき、賞金つき、こういうことなんです。各社ともこんなことを競い合ってやっているのですから、これを押しつけられている外務員さんは大変な事態に追い回されているわけです。しかも、これは法律違反の疑いがある。私は違反だというふうに思いますが、こんなことでどうして正しい保険事業の発展があるでしょうか。外務員が、人の募集ではなくて、保険の募集にもっと専念ができるように、生命保険の各社を指導する必要があるというふうに思いますが、保険部長さん、あなたはどう思われるでしょうか。また、このような事態を改善するためにどのようなことをおやりになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  147. 副島有年

    ○副島説明員 ただいまお示しいただいた資料、実は私も初めて見て驚いているわけでございますけれども、保険関係法規には、外務員の増員活動を規制するという特別の規定はないわけでございます。ただし、当然のことでございますけれども、労働関係法規に違反するようなことは許されないことは申すまでもございません。また、御指摘のように、生命保険の外務員は募集活動、契約者サービスを第一義にしなければならない。それに支障を来すような形で増員活動を行うということが好ましくないことは申すまでもございません。したがいまして、ただいま御指摘のありました事実につきましては、関係当局とも相談をいたしまして、事実があれば私どもとしても厳しい措置をとりたいというふうに考えております。
  148. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 このように好ましくない事態が起こっているわけですから、いまのお言葉どおり、緊急に手当てをしていただきますように重ねてお願いを申し上げたいと思います。  そして、これは朝日生命でも同じことです。昭和五十一年度の新人導入特別施策というものを打ち出しまして、この中を見ますと、育成加算とか育成奨励金だとか、先ほどのと全く同じような条件で新人導入者に対してお金が出ているわけです。また、創業九十五年を誇ります明治生命では、五十一年三月に「主要改正・実施事項一覧」というものを出しまして、増員育成手当の改正をし、五十一年の十月十八日付で、これは支社長あてに出しておりますが、増員育成手当及び組織特別育成費の計算事務の機械処理実施の件というのが出ております。そしてこれを機械でやるんだということで、明細書が個人カードということになっているわけですけれども、この増員育成手当支給明細書なるものは、本人がここに受領印を押しますと、カードを会社が回収してしまう。そして本人には渡されない。こういうしろものでございます。これは証拠を残せば違反になるというふうな事態を考えてかどうか私は存じませんけれども、こういう事態があるわけですから、大蔵省だけでなくて、労働省もこのような実態を直ちに調査して報告をすべきだというふうに思います。
  149. 副島有年

    ○副島説明員 ただいまの件は先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、今後の問題といたしましては、私どもといたしましては、ただかけ声だけをかけていたのではなかなか改良ができないというふうに思いまして、先ほど申しましたように、今後三カ年間で募集いわゆる増員の総量を規制して、いたずらな大量導入をさせないようにしたいということと同時に、この四月から試験後登録制度というものを導入いたしまして、採用の際に十分配慮していたずらな大量脱落を来さないような制度に持っていきたい。質のいい外務員を少数精鋭主義で育てていくということを私どもとしては促進していきたいというふうに考えております。
  150. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 さらに、問題であることを御指摘申し上げたいと思います。  日本生命では、全国支部長の補佐の教育の会議が先日行われましたが、ここで新人導入のことをカモネギというふうに表現をしているではありませんか。まさにカモがネギをしょってくることに期待をし、ハッパをかけているわけです。ところが、最近はこのカモネギがどうなっているでしょうか。カモネギだけではなくて、子供までしょってきているという事態が起こっているわけです。そうすると、内務者であります事務の方々は、繁忙な事務をやりながら保母の役割りまでさせられているという、カモネギこぶつきという状態にまで至っているわけです。
  151. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 時間ですから、短縮してください。
  152. 藤原ひろ子

    ○藤原分科員 あなた方は、新外野制度への移行というのは、末端で働いている人たちがどのような実態にあるのか、よく実態をつかんで、それに見合った対処をしなければ、あなた方が考えておられるのとは全く逆方向に現実は進んでいるということです。  私は、まだ、外務員の身分問題とか賃金問題とか、こういったことにも触れたいわけですが、委員長がおっしゃったとおり時間がございませんので、最後に大蔵大臣、あなたは、私が今日民間の生命保険を支えている三十万人の外務員の問題の一部に触れたわけでございますが、ずっとお聞きになっていて実態がおわかりになったと思います。私が指摘した点を早急に改善させるという努力をしていただけるでしょうか。お答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  153. 坊秀男

    坊国務大臣 生命保険の募集面については、外務員の地位、処遇の改善面も含めて、審議会答申の方向に沿い、かつ御指摘の趣旨をなるべく生かすよう、大蔵省としてもでき得る範囲内で最大の努力を払ってまいりたいと思います。
  154. 武藤山治

    武藤(山)主査代理 以上をもちまして、昭和五十二年度一般会計予算大蔵省所管昭和五十二年度特別会計予算大蔵省所管昭和五十二年度政府関係機関予算大蔵省所管に関する質疑は終了いたしました。  次回は、明十五日火曜日午前十時より開会し、外務省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時九分散会